JP2004057673A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Hiroshi Hasegawa
長谷川 宏
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Abstract

【課題】シャフトのつぶし強度を維持しながら、さらなるシャフトの軽量化を図る。
【解決手段】繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して90度±10度以内の角度で配向させたフープ層を備えたゴルフクラブシャフトにおいて、フープ層を除いたシャフトの外径と、その点でのフープ層を除いたシャフトの肉厚との関係が、(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみ、フープ層を存在させる。強化繊維は炭素繊維とし、シャフトの単位長さ当たりの重量が0.21g/cm〜0.48g/cmであることが好ましい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブシャフトに関し、詳しくは、炭素繊維強化樹脂製等の軽量シャフトにおいて、さらなる軽量化を図ると共に、シャフトのつぶし強度を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヘッドの大型化、シャフトの長尺化等に伴い、シャフトの軽量化が進んでいる。このような軽量化シャフトは、大幅な軽量化が可能である上に、設計の自由度が大きいことから炭素繊維強化樹脂製等とされるのが一般的である。
【0003】
この種のシャフトにおいて、55g以下の軽量シャフトとした場合、これより高重量のシャフトに比べ肉厚が薄くなる関係で、シャフトの圧壊強度(つぶし強度)が不足し、それが強度低下の要因の一つとなってシャフト折れが発生しやすくなる。
【0004】
従って、従来はこのつぶし強度を保つため、バイアス層(強化繊維をシャフトの軸方向に対して±25度〜65度の範囲に配向させた繊維強化樹脂)もしくはストレート層(強化繊維をシャフトの軸方向に対して0度〜±10度の範囲に配向させた繊維強化樹脂)と共に、先端から後端まで1層、あるいは2層のフープ層(90度±10度)が設けられている。その他、繊維強化樹脂製の軽量シャフトのつぶし強度等を向上させるために種々の提案がなされている。
【0005】
例えば、本出願人は、特開平11−19257号において、フープ層をシャフトの少なくとも一部に3層または4層存在させると共に、重量を47g〜30gに設定している炭素繊維強化樹脂層を積層したゴルフクラブシャフトを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−19257号のゴルフクラブシャフトは、充分なつぶし強度が得られているものの、シャフトのつぶし強度が比較的高いシャフトの先端側においても、フープ層を3層又は4層としているため、シャフトの先端側がやや重くなりやすく、操作性やバランスの点で改良の余地があり、シャフトの先端側の重量を含め、シャフト全体としてのさらなる軽量化が望まれている。
【0007】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、シャフトのつぶし強度を維持しながら、さらなるシャフトの軽量化を図ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して90度±10度以内の角度で配向させたフープ層を備えたゴルフクラブシャフトであって、
上記フープ層は、該フープ層を除いたシャフトの外径と、その点での該フープ層を除いたシャフトの肉厚との関係が、(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみ存在させていることを特徴とするゴルフクラブシャフトを提供している。
【0009】
本発明者は、鋭意研究の結果、フープ層を除いたシャフトの外径とシャフトの肉厚との関係が上記のように規定された範囲内にのみフープ層を存在させることにより、シャフトのつぶし強度を効率良く維持することができると共に、シャフトのさらなる軽量化を実現できることを見出した。
【0010】
即ち、比較的つぶし強度が高い箇所には、余分なフープ層を存在させることがないため、シャフトに必要なつぶし強度を効率良く維持すると共に、従来のシャフトに比べ、より軽量化を図ることができる。さらに、シャフトを軽量化できた分だけ、シャフトの他の部分への補強をすることもでき、軽量性を維持しながら種々の補強等により他の性能を高めることもできる。
【0011】
フープ層を除いたシャフトの外径と、その点でのフープ層を除いたシャフトの肉厚との関係が、(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみフープ層を存在させているのは、(外径/肉厚)が14.0より小さい部分にフープ層を存在させても、つぶし強度等のシャフト強度を効率的に向上させることができず、軽量化を実現しにくいためである。また、1本のシャフトにおいて、(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみフープ層を存在させると、シャフト全体としてのつぶし強度のバランスを非常に良好なものとすることができ、その結果、シャフトのスイングバランスも向上することができる。
なお、上記(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内の全てにフープ層を存在させても良いし、上記(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内の少なくとも一部にフープ層が存在していれば良い。
【0012】
また、上記(外径/肉厚)が20.0以上となる範囲、さらには上記(外径/肉厚)が30.0以上となる範囲内は、フープ層の配置による本発明の効果が特に大きくなる。
なお、上記(外径/肉厚)の値は大きいほど、本発明の効果が大きくなるが上限としては40.0以下であり、これより大きな値の部分にフープ層を存在させても充分な強度を得るのは困難であり、よって、上記(外径/肉厚)が40を越えるような部分は存在しないシャフトが好ましい。なお、軽量化にほとんど影響しない1g以下のフープ層を、外径/肉厚≧14.0となる部分以外に存在させることもできる。
【0013】
強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる繊維が使用でき、軽量で高強度であることから炭素繊維が好ましい。また、連続繊維が好ましく、繊維の配置形態等は適宜設定可能であるが、単一方向、シート状としたプリプレグの形態が好ましい。
【0014】
シャフトの単位長さ当たりの重量が0.21g/cm〜0.48g/cmであるのが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとつぶし強度が低くなりやすいためである。一方、上記範囲より大きいとつぶし強度に対する効果が小さくなりやすいためである。なお、より好ましくは0.25g/cm〜0.43g/cm、さらに好ましくは0.30g/cm〜0.43g/cmである。
【0015】
上記(外径/肉厚)≧14.0となる範囲において、該フープ層を除いたシャフト外径が10mm以上であり、該フープ層を除いたシャフト肉厚が0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
【0016】
即ち、シャフト外径は4mm〜20mmが良いが、本発明のフープ層を存在させている(外径/肉厚)≧14.0である部分の、フープ層を除いたシャフト外径は10mm以上が好ましい。さらに12mm以上が好ましい。これは、通常、10mmより径が小さな先端(ヘッド側)は肉厚が厚く、つぶし強度に影響が出にくいためである。また、10mm以上の径の大きな後端(グリップ側)になればなるほど肉厚も薄くなるのでこの部分ではフープ層が必要となる。なお、フープ層を除いたシャフト外径の上限値としては20mmである。
【0017】
また、シャフト肉厚は0.3mm〜5.0mmが良いが、本発明のフープ層を存在させている(外径/肉厚)≧14.0である部分の、フープ層を除いたシャフト肉厚は0.3mm〜1.0mmが好ましく、さらに0.3mm〜0.8mmが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとシャフトの曲げ強度が低下しやすいためである。一方、上記範囲より大きいとフープ層を存在させることによるつぶし強度向上の効果を得にくいためである。
【0018】
上記(外径/肉厚)≧14となる部分は、グリップ端からシャフト全長の70%の位置までの範囲内に存在していることが好ましい。さらにはグリップ端からシャフト全長の50%の位置までの範囲内が良い。これは、グリップ側の方が肉厚が薄く、本発明の効果を得やすいためである。また、(外径/肉厚)の値は、シャフトのヘッド側からグリップ側に従って徐々に大きくなっている方が好ましい。
また、本発明のシャフトは、ウッド、アイアン共に適用されるが、特に、ウッドシャフトでは、肉厚が薄く、全長も長いので、効果的である。
【0019】
上記フープ層は、繊維強化樹脂層の最外層よりも1層以上内層側に積層していることが好ましい。これは、フープ層を最外層に配置するとシャフト表面の研摩時にフープ層が削られることがあり、フープ層の効果が小さくなることがあるためである。
また、最外層よりも1層以上内層側であれば、できるだけ外層側に近い方が好ましい。これは、最外層に近いほどつぶし強度に有利となるためである。よって、最外層から1層内層側に積層するのが最も良い。
また、上記フープ層は、つぶし強度に有利であるという理由により繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して0度±10度以内の角度で配向させたストレート層の層間に積層されるのが好ましい。
【0020】
フープ層の厚みは厚い方がつぶし強度も大きくなり好ましいが、厚くすればシャフト重量が大きくなるので0.01mm〜0.13mmが好ましい。さらに、0.01mm〜0.05mmが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとつぶし強度への効果が得にくくなるためである。一方、上記範囲より大きいと積層しにくくなる上に厚くなる分だけ重量増を招くことになるためである。
【0021】
フープ層に用いる繊維強化樹脂層の強化繊維弾性率は5ton/mm〜80ton/mmが好ましく、さらには5ton/mm〜35ton/mmが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいとつぶし強度への強度効果が小さくなるためである。一方、上記範囲より大きいと成形し難くなるとともに、高弾性になればなるほど座屈しやすいためである。
【0022】
フープ層に用いる繊維強化樹脂層の樹脂重量%は、10重量%〜35重量%が好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より小さいと成形し難くなるためである。一方、上記範囲より大きいと成形し難くなる上に強度効果も小さくなりやすいためである。
【0023】
上記(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内に存在するフープ層の重量は、ゴルフクラブシャフトを構成する全繊維強化樹脂の重量の0.1%〜40%、さらには0.5%〜10%であることが好ましい。
上記範囲としているのは、上記範囲より少ないとフープ層の積層による充分な効果が得にくいためである。一方、上記範囲より多いと充分な曲げ剛性、曲げ強度及びねじり剛性、ねじり強度を得にくくなるためである。
【0024】
本発明のゴルフクラブシャフトは、強化繊維に樹脂を含浸させて得られるプリプレグを積層した中空パイプ状の積層体からなることが好ましい。具体的には、上記フープ層と、繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して0度±10度以内の角度で配向させたストレート層、繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して±25度〜±65度以内の角度で配向させたアングル層を適宜組み合わせて構成することができる。また、要求性能に応じて、プリプレグの形状・厚み・配置位置・積層枚数・巻き回数等を適宜調整することができる。
【0025】
繊維強化樹脂層に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、これらを単独、あるいは組み合わせて用いることができる。強度と剛性の点より熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
【0026】
上記フープ層のプリプレグは1枚としても良いし、2枚以上としても良く、長さや形状等を変更しても良い。また、1枚のフープ層のプリプレグの巻き回数は1回巻きでも良いし、2回巻き以上とすることもできる。
【0027】
フープ層は、1層又は2層が好ましく、層数はできれば多くない方が良い。複数枚巻きをする場合、段差ができ強度が弱くなる恐れがあるという理由により、1枚のフープ層のプリプレグを2回巻きする構成が最も好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図2は本発明の第1実施形態のゴルフクラブシャフトを示し、シャフト1は、強化繊維である炭素繊維を樹脂に含浸させたプリプレグの積層体からなり、中空部を有する中空パイプ状である。シャフト1の小径端側にヘッド2が取り付けられ、大径端側にグリップ3が取り付けられている。シャフト1は、ヘッド取付側からグリップ取付側にかけて直線状に拡径したテーパ形状としている。
【0029】
シャフト1は、全長が1200mm、シャフトの全重量が45gであり、シャフトの単位長さ当たりの重量の値が0.375g/cmである。シャフト1のヘッド端1aの外径を9.0mmとし、グリップ端1bの外径を15.0mmとしている。
【0030】
シャフト1は、シートワインディング製法により作製されており、図2に示すプリプレグ11〜16を芯金(図示せず)に、順次、内周側から(プリプレグ11→12→…16)巻き付けて積層した後、ポリエチレンテレフタレート樹脂製等のテープでラッピングしてオーブン中で加熱加圧して樹脂を硬化させて一体的に成形し、その後、芯金を引き抜いて、シャフト1を形成している。これらプリプレグ11〜16の強化繊維F11〜F16はいずれも炭素繊維を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いている。
【0031】
以下、プリプレグ11〜16の積層構成を示す。なお、各プリプレグ11〜16は、図中に示すply数で巻き回している。
プリプレグ11、12は、強化繊維F11、F12がシャフト軸線に対してなす繊維角度を各々−45°、+45°(アングル層)とし、シャフト全長に渡る1200mm長さとし、プリプレグ厚みを0.4mmとしている。
【0032】
プリプレグ13は、強化繊維F13がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0°(ストレート層)とし、シャフト全長に渡る1200mm長さとし、プリプレグ厚みを0.2mmとしている。
【0033】
プリプレグ14は、強化繊維F14がシャフト軸線に対してなす繊維角度を90°(フープ層)とし、シャフト軸線方向における長さを350mmとし、プリプレグ端とシャフトのグリップ端を一致させグリップ端側に配置し、プリプレグ厚みを0.08mmとしている。
【0034】
プリプレグ15は、強化繊維F15がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0°(ストレート層)とし、シャフト全長に渡る1200mm長さとし、プリプレグ厚みを0.1mmとしている。
【0035】
プリプレグ16は、強化繊維F16がシャフト軸線に対してなす繊維角度を0°とし、プリプレグ長さを200mm、プリプレグ厚みを0.1mmとしている。ヘッド側に配置されヘッド側補強層としている。
【0036】
上記プリプレグの構成において、グリップ端からの長さが350mmの位置におけるフープ層を除いたシャフト外径は15.1mm、フープ層を除いたシャフト肉厚は1.08mmである。よって、グリップ端からの長さが350mmの位置において、フープ層を除いたシャフトの外径と、その点におけるフープ層を除いた肉厚との関係(外径/肉厚)は14.0である。この位置からグリップ端までの範囲は全て、上記(外径/肉厚)の値が14以上となっている。また、フープ層の重量は、全繊維強化樹脂の重量の2%である。
【0037】
フープ層のプリプレグ14は、上記(外径/肉厚)≧14となる範囲にのみ存在させている。具体的には、フープ層のプリプレグ14はシャフト全長の約29%の長さであり、1枚のプリプレグ14のプリプレグ端とグリップ端を一致させて、最外層から1層内層側に2回巻きで配置されている。
【0038】
シャフト1のつぶし強度は、シャフトのヘッド端から100mmの位置が120N、550mmの位置が110N、1000mmの位置が115Nである。
【0039】
シャフト1は、上記(外径/肉厚)≧14.0となる部分の全てにフープ層のプリプレグ14が存在している。このため、シャフトのつぶし強度を効率良く維持しながら、シャフトのさらなる軽量化を実現することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、フープ層のプリプレグ14は1枚とし、2回巻きする構成としているが、プリプレグを2枚とし各プリプレグを1回巻きとしても良く、複数枚を連続的に積層しても良いし、他のプリプレグを間に介して積層しても良い。また、3枚以上のプリプレグを用いても良く、巻き回数を2回以上とすることもできる。なお、プリプレグの大きさ・形状等は適宜設定可能であり、複数枚のプリプレグを用いる場合には、各々の形状等を異ならせても良い。
【0041】
以下、本発明のゴルフクラブシャフトの実施例、比較例について詳述する。
いずれもプリプレグの強化繊維はカーボン繊維を用い、マトリクス樹脂としてエポキシ樹脂を用いた。
バイアス層及びストレート層のプリプレグは、東レ(株)製:8035S−10(引張弾性率30ton/mm)を用いた。また、フープ層のプリプレグは、東レ(株)製:805−3(引張弾性率30ton/mm)を用いた。
【0042】
(実施例1)
上記第1実施形態と同様のプリプレグの積層構成とした。即ち、上記(外径/肉厚)の値が14.0以上となる部分にのみフープ層のプリプレグを積層した。
【0043】
(実施例2)
実施例1に対して、図3に示すように、フープ層のプリプレグ14’の形状を変更した。また、シャフト軸線方向における長さを350mmとし、プリプレグ端とシャフトのグリップ端を一致させグリップ端側に配置した。
グリップ端からの長さが350mmの位置(シャフトのヘッド側端から850mmの位置)におけるフープ層を除いたシャフト外径は15.1mm、フープ層を除いたシャフト肉厚は1.08mmであった。よって、グリップ端からの長さが350mmの位置において、フープ層を除いたシャフトの外径と、その点におけるフープ層を除いた肉厚との関係(外径/肉厚)は14.0(14.0以上)であった。その他は、実施例1と同様とした。
【0044】
(比較例1)
フープ層のプリプレグの長さを350mmから、1200mmに変更しフープ層のプリプレグをシャフトの全長に渡って積層した。その他は、実施例1と同様とした。
【0045】
(比較例2)
フープ層のプリプレグ14を積層しなかった。その他は、実施例1と同様とした。
【0046】
(比較例3)
上記(外径/肉厚)の値が6.8以上となる部分の全てにフープ層のプリプレグを積層し、フープ層のプリプレグの長さを800mmとした。その他は、実施例1と同様とした。
【0047】
下記の表1に、フープ層以外のプリプレグを積層した状態でのシャフト内径、シャフト外径、シャフト肉厚、及び上記(外径/肉厚)の値を、シャフト長さ100mm毎に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004057673
【0049】
具体的には、シャフト長さに応じたフープ層の積層状況を下記の表2に示す。フープ層が存在している場合は「○」、存在していない場合は「×」とした。
【0050】
【表2】
Figure 2004057673
【0051】
上記実施例及び比較例のゴルフクラブシャフトについて、後述する方法により、つぶし強度の測定、曲げ強度の測定、シャフトの耐久性、実打テストの評価を行った。フープ層を除いたシャフトの外径と、その点でのフープ層を除いたシャフトの肉厚との関係(外径/肉厚)と共に、評価結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
Figure 2004057673
【0053】
(つぶし強度の測定)
ヘッド側から100mm、550mm、1000mmの位置、及び上記(外径/肉厚)が13.0、14.0、20.0、30.0の各点で測定した。
上記各位置が中心になるように10mm幅にて輪切りにしたシャフト片の圧縮破壊強度を測定した。即ち、荷重をかけ、破壊したときの荷重を読み取った。なお、各点でのつぶし強度は100N以上が好ましい。
【0054】
(曲げ強度の測定)
ヘッド側から100mm、1000mmの位置で測定した。
測定位置から両端側へ各100mmの点を支点とし、上記各測定点に荷重を加え、シャフトが破壊したときの荷重を読み取った。
なお、各点での曲げ強度は800N以上が好ましい。
【0055】
(シャフトの耐久性評価)
スイングマシンを用いて行った。ヘッドスピード48m/s、打点はフェースセンターで行った。最大5000発打球し、シャフトが折れれば終了した。
【0056】
(実打テスト)
各シャフトにヘッド及びグリップを取り付け、実打テストを行った。
ゴルファー10名により、フィーリングテスト(打撃時の打ち易さ)を行った。フィーリングが最も良いと感じたものを「◎」、フィーリングが良いと感じたものを「O」、フィーリングがあまり良くないと感じたものを「△」、フィーリングが悪いと感じたものを「×」として、上記4段階で評価し、最も多い評価を採用した。
【0057】
表3に示すように、実施例1は、規定範囲内にフープ層が存在しているため、45gと非常に軽量であり、各測定点におけるつぶし強度の値がいずれも良好である上に、シャフトの耐久性にも優れていた。また、シャフト全体としてのバランスが良いため、実打テストの結果も良好であり、曲げ強度の値も良好であった。
【0058】
一方、比較例1は、つぶし強度、曲げ強度、シャフトの耐久性は良好であるが、シャフトの先端側に、余分なフープ層が配置されているため、打ち難いシャフトであり実打テストの結果が良くなかった。
即ち、実施例1は、シャフトとして必要な強度や耐久性を有している上に、比較例1よりも打ちやすいシャフトであると共に、より軽量化を実現していることが確認できた。
【0059】
また、実施例2は、実施例1と同様に非常に軽量であり、各測定点におけるつぶし強度の値がいずれも良好である上に、シャフトの耐久性にも優れていた。また、シャフト全体としてのバランスが良いため、実打テストの結果も良好であり、曲げ強度の値も良好であった。
比較例2は、フープ層が全く存在していないため、1000mm点でのつぶし強度が低い上に、シャフトの耐久性も良くなかった。比較例3は、充分な強度は有しているものの、上記(外径/肉厚)の値が6.8以上となる部分の全てにフープ層を存在させたため、余分なフープ層が配置されることとなり、実打テストの結果が良くない上に、実施例1、2に比べて重量増を招く結果となった。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、フープ層を除いたシャフトの外径とシャフトの肉厚との関係が(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみフープ層を存在させているため、シャフトに必要なつぶし強度や耐久性を効率良く維持することができると共に、シャフトのさらなる軽量化を実現することができる。
【0061】
また、シャフトの軽量化を実現できた分だけ、シャフトの他の部分の補強をすることもでき、軽量性を維持しながら、種々の補強等により曲げ強度や剛性等の他の性能を高めることもできる。
【0062】
さらに、比較的つぶし強度が高い箇所には、余分なフープ層を存在させることがないため、シャフト全体としてのつぶし強度のバランスを非常に良好なものとすることができると共に、シャフトの重量バランスも良好となり、その結果、シャフトのスイングバランスも向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフクラブシャフトを用いたゴルフクラブの概略図である。
【図2】第1実施形態のゴルフクラブシャフトに用いるプリプレグの積層構成を示す図である。
【図3】実施例2のゴルフクラブシャフトに用いるフープ層のプリプレグを示す図である。
【符号の説明】
1 シャフト
2 ヘッド
3 グリップ
11〜16プリプレグ

Claims (5)

  1. 繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して90度±10度以内の角度で配向させたフープ層を備えたゴルフクラブシャフトであって、
    上記フープ層は、該フープ層を除いたシャフトの外径と、その点での該フープ層を除いたシャフトの肉厚との関係が、(外径/肉厚)≧14.0となる範囲内にのみ存在させていることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 上記強化繊維は炭素繊維とし、上記シャフトの単位長さ当たりの重量が0.21g/cm〜0.48g/cmである請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 上記(外径/肉厚)≧14.0となる範囲において、該フープ層を除いたシャフト外径が10mm以上であり、該フープ層を除いたシャフト肉厚が0.3mm以上1.0mm以下である請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 上記(外径/肉厚)≧14となる部分は、グリップ端からシャフト全長の70%の位置までの範囲内に存在している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 上記フープ層は、繊維強化樹脂層の最外層よりも1層以上内層側で、繊維強化樹脂層の強化繊維をシャフトの軸方向に対して0度±10度以内の角度で配向させたストレート層の層間に積層している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
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