JP2007117306A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量性を維持しながら、曲げ強度、ねじり強度、つぶし強度をバランスよく高める。
【解決手段】繊維強化樹脂プリプレグ21〜28の積層体からなり、フープ層Aと、バイアス層Bと、ストレート層Cとを積層してなる繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフト10であって、フープ層Aは、厚さ方向において、シャフト内周面17からシャフト厚さの25%以内の位置と、シャフト外周面18からシャフト厚さの25%以内の位置との両方のみに形成されるように、少なくとも二層形成し、各フープ層A1、A2の長さ方向における形成位置は、シャフト内径が9mm以上の大径側全領域を含む位置としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴルフクラブシャフトに関し、特に、シャフトの軽量性を維持しながら、シャフトの曲げ強度、ねじれ強度、つぶし強度を高めるものである。
近年、打球の速度向上、安定性向上のため、ゴルフクラブヘッドに重量を集中させ、ゴルフクラブシャフトは軽量化を図る傾向にある。そのため、ゴルフクラブシャフトの材料は、軽量で、比強度、比剛性の高いカーボンプリプレグ等の繊維強化樹脂が主流となっている。
しかしながら、シャフトの軽量化は強度低下を招き、曲げ応力やねじれ応力を受けて破損する、あるいは、シャフト径方向につぶし破損する恐れがある。また、軽量化は剛性の低下も招くため、スイング中にヘッドの返りが遅く、インパクトのタイミングがずれやすいなど、打球時のフィーリングにも影響を与えている。
一般に、繊維強化樹脂製シャフトの場合、シャフトの曲げ強度を高めるには、肉厚を厚くする、強化繊維をシャフト軸線に平行に配列したストレート層を増やす等の方法が用いられている。また、ねじれ強度を高めるには、強化繊維をシャフト軸線に対して傾斜方向に配列したバイアス層を増やす等の方法が用いられている。つぶし強度を高めるには、強化繊維をシャフト軸線に対して直交方向に配列したフープ層を増やす等の方法が採用されている。
しかしながら、シャフトには適度な撓りも必要であるうえ、シャフトの肉厚や重量の増加も抑制されるなかで、これらの強度をすべてバランスよく向上させることは難しい。
シャフトの曲げ強度、ねじれ強度、つぶし強度の改善について、本出願人は、特許第3652764号(特許文献1)において、図10に示すように、シャフトのヘッド側先端から全長の1/4〜1/2にわたってフープ層1aを配置するとともに、該フープ層1aを傾斜層2のみに隣接させ、かつ、グリップ側後端から全長の1/2〜3/4にわたってフープ層1bを配置するとともに、該フープ層1bをストレート層3のみに隣接させることを提案している。
これにより、ねじれ破壊が生じやすいヘッド側において、ねじれ強度向上に影響するバイアス層2の変形をフープ層1aが抑制して、ねじれ強度を効果的に高めることができると共に、曲げ破壊が生じやすいグリップ側においては、曲げ強度向上に影響するストレート層3の変形をフープ層1bが抑制するため曲げ強度を効果的に高めることができる。
また、特開平10−230030号(特許文献2)では、図11に示すように、シャフト全長のバイアス層5と、該バイアス層5よりも外側に配置されるシャフト全長のストレート層6とを配置したシャフトのヘッド側先端部分において、最内層にフープ層7aを配置すると共に、前記ストレート層6の外側に隣接してフープ層7bを配置することが提案されている。
これらフープ層7a、7bにより、シャフト重量バランスの向上や、ヘッド側先端部分の圧縮強度向上、縦割れ防止などの効果があるとされている。
これら従来例の積層構成では、ヘッド側先端部分にフープ層1a、7a、7bを配置しているが、ヘッド側先端部分は打撃時の変形量が特に大きい部分であるため、限られた重量や肉厚のなかでは、曲げ強度・ねじれ強度に影響するストレート層やバイアス層の比率を下げてフープ層を配置するよりも、ストレート層やバイアス層の比率を増やす方が強度向上に効果的と考えられる。
また、シャフトの大径部分であるグリップ側はつぶし破壊に弱い部分であるが、特許文献2に示される積層構成では、そのグリップ側にフープ層が積層されていないため、つぶし強度に問題がある。
特許第3652764号公報 特開平10−230030号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、軽量性を維持しながら、優れた曲げ強度、曲げ剛性、ねじれ強度、ねじれ剛性、つぶし強度、つぶし剛性を備え、ヘッドの返りがよく打感も良好なゴルフクラブシャフトの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、繊維強化樹脂製のプリプレグの積層体からなるゴルフクラブシャフトであって、
強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して傾斜している前記プリプレグから構成されるバイアス層と、
強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して平行な前記プリプレグから構成されるストレート層と、
強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して直交しているプリプレグから構成されるフープ層を備え、
前記フープ層は、厚さ方向において、シャフト内周面からシャフト厚さの25%以内の位置と、シャフト外周面からシャフト厚さの25%以内の位置との両方のみに配置される少なくとも二層を備え、かつ、
前記各フープ層のシャフト長さ方向における形成位置は、シャフト内径が9mm以上の大径側全領域を含む位置としていることを特徴とするゴルフクラブシャフトを提供している。
詳細には、前記バイアス層は強化繊維の配向角がシャフト軸線に対して±10度〜80度の層としている。前記ストレート層は強化繊維の配向角がシャフト軸線に対して±0度〜10度の層としている。前記フープ層は強化繊維の配向角がシャフト軸線に対して±80度〜90度の層としている。
シャフトの厚さ方向におけるフープ層の形成位置を規定するための、前記シャフト内周面からシャフト厚さの25%以内の位置とは、シャフト成形物における各フープ層の、長さ方向の任意の位置p点における厚さ方向の中間位置と、p点からシャフト内周面との距離をL1とし、p点におけるシャフト厚さをL3とした場合において、L1のL3に対する比率(以下、t1値と略称する)が25%以下となる位置である。
同様に、シャフト外周面からシャフト厚さの25%以内の位置とは、シャフト成形物における各フープ層の、長さ方向の任意の位置p点における厚さ方向の中間位置と、p点にからシャフト外周面との距離をL2とし、p点におけるシャフト厚さをL3とした場合において、L2のL3に対する比率(以下、t2値と略称する)が25%以下となる位置である。
また、各フープ層は、その全長において、t1値、t2値が25%以下となるように形成している。
前記構成のゴルフクラブシャフトは、つぶし破壊しやすいシャフト大径側、特にシャフト内径が9mm以上の大径側全領域を含むように、つぶし強度・つぶし剛性の向上に影響するフープ層を形成しているため、該大径側のつぶし強度、つぶし剛性を高めることができる。また、このようにシャフトのつぶし変形を防止できることにより、曲げ強度、曲げ剛性、ねじれ強度、ねじれ剛性の向上にも寄与することができる。
前記フープ層は、シャフト内周面およびシャフト外周面からシャフト厚さの25%以内の位置、即ち、厚さ方向の内側と外側との両方のみに少なくとも2層形成されるため、少ないフープ層で、効果的につぶし強度・つぶし剛性を高めることができる。
一方、シャフト内周面またはシャフト外周面からシャフト厚さ25%を超える中間層にフープ層を形成しても、つぶし強度・つぶし剛性の向上効果が低いため、該中間層にフープ層を形成しない。これにより、限られたシャフト重量、肉厚のなかで、ストレート層とバイアス層の比率低下を抑制でき、曲げ強度、曲げ剛性、ねじれ強度、ねじれ剛性を維持することができる。従って、特にシャフト大径部分において、重量増を抑制しながら、つぶし変形、曲げ変形、ねじれ変形に対してバランスよく強度・剛性を備えることができる。
シャフト内周面からシャフト厚さの25%以下の位置と、シャフト外周面からシャフト厚さの25%以下の位置との両方にフープ層を形成しているのは、いずれか一方では、該フープ層による、つぶし剛性・つぶし強度の向上効果が十分に発揮されないことに因る。
なお、つぶし強度、つぶし剛性を効果的に向上させる観点から、前記フープ層は、最内層、最外層に近い位置に形成することが好ましく、具体的には、前記t1値、t2値は15%以下、特に、10%以下が好ましい。
打球時の変形量がもっとも大きく、ねじれ破壊、曲げ破壊しやすい小径側先端部分にも前記フープ層を形成してもよいが、該小径側先端部分にはフープ層を形成せず、その分、ねじれ強度、曲げ強度向上に影響するバイアス層やストレート層を多く形成することにより、小径側先端部分の変形、破壊をより効果的に防止することができる。また、これにより、小径側先端部分のねじれ剛性、曲げ剛性も高まるため、ヘッドの返りやシャフトの弾きが向上し、良好な打感を得ることができる。
前記フープ層は3層以上形成してもよいが、重量増抑制と曲げ強度・ねじれ強度維持の観点から、フープ層は2層が好ましい。
前記バイアス層の層数は、2〜4層が好ましい。これは、2層未満では、ねじれ剛性、ねじれ強度が弱くなると共に、1層の場合はねじれ剛性が非対称となり、4層より多くすると、限られた重量のなかで他のストレート層やフープ層の比率が小さくなりすぎ、曲げ剛性・曲げ強度、つぶし剛性・つぶし強度を低下させてしまうことに因る。
前記ストレート層の層数は、2〜8層が好ましい。これは、2層未満では、曲げ剛性、曲げ強度に加え、ねじれ剛性、ねじれ強度も弱くなり、8層より多くすると、プリプレグ枚数が多くなりすぎて作製時の作業性が悪く、コストもかかることに因る。
また、本発明のシャフトでは、シャフト重量(g)/シャフト長さ(mm)の値を0.025g/mm以上0.050g/mm以下の範囲内とすることが好ましい。
これは、0.025g/mm未満では、現存の高強度材料で作製することができないうえ、作製できたとしても使用に耐えるだけの強度を有することができないことによる。一方、0.050g/mmを超えると、シャフトの軽量性を維持できないことに因る。シャフト重量(g)/シャフト長さ(mm)の値(以下、w値と略称する)は、更に、0.026g/mm以上、特に0.027g/mm以上が好ましく、かつ、0.048g/mm以下、特に0.045g/mm以下が好ましい。
なお、シャフトの長さは、公式ルールに適した460mm以上1220mm以下が好ましい。
前記各フープ層の厚さを0.005mm以上0.1mm以下とし、かつ、該各フープ層に使用される強化繊維の引張弾性率を5t/mm以上30t/mm以下とすることが好ましい。
前記各フープ層の厚さはシャフト成形物における厚さとして規定している。この各フープ層の厚さを0.005mm以上0.1mm以下としているのは、0.005mm未満では、薄すぎて、つぶし強度向上の効果を発揮できず、0.1mmより厚くすると、限られたシャフト外径では、他のストレート層やバイアス層の比率が小さくなりすぎ、曲げ剛性やねじれ剛性を低下させてしまうことに因る。
さらに、各フープ層の厚さは、下限は0.01mm以上が好ましく、また、上限は0.08mm以下が好ましく、特に0.05mm以下が好ましい。
前記各フープ層に使用される強化繊維の引張弾性率を5t/mm以上30t/mm以下としているのは、5t/mm未満では、繊維の剛性が低すぎて、つぶし強度向上の効果を発揮できず、一方、30t/mmを超えると、繊維の強度が低下してしまうことに因る。
さらに、各フープ層の強化繊維の引張弾性率は、10t/mm以上24t/mm以下が特に好ましい。
なお、前記引張弾性率は、JIS規格K7073「炭素繊維強化プラスチックの引張試験方法」に準拠して測定される値とする。
前記ゴルフクラブシャフトの製造方法には、フィラメントワインディング製法(以下、FW法と略称する)とシートワインディング製法(以下、SW法と略称する)のいずれを採用しても良い。
ただし、前記SW法は、前記FW法に比べて次のような利点があるため、SW法がより好ましい。
1)市販されている材料プリプレグの厚み、目付(単位面積当たりの重量)、樹脂比率(プリプレグ全体の重量に対する樹脂の重量の割合)、使用する繊維の性質等を相違させたものが多種類あり、これらの材料を組み合わせることにより、簡便に多種多様なシャフトを作製することができる。
2)シャフト軸線に平行に繊維を配置することが可能であるため、曲げ剛性を高くしやすいうえ、繊維の曲がりが少なく、座屈強度に優れる。
3)軽量化しやすく、成形時間も短い。
前記プリプレグのマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでもよい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これら樹脂の中でも、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
前記プリプレグに用いられる強化繊維としては、比重が小さく弾性率と強度が高いという点からカーボン繊維が好ましいが、その他、一般に高性能強化繊維として使用される繊維が用いられる。例えば、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
上述したように、本発明によれば、ゴルフクラブの軽量性を維持しながら、シャフトの小径側先端部の曲げ強度、ねじれ強度を向上させると共に、大径側後端部の曲げ強度、ねじれ強度、つぶし強度をバランスよく向上させることができるため、各部位が受けやすいそれぞれの変形に対する強度を備え、シャフトの破損を防止することができる。
また、シャフトの曲げ剛性、ねじれ剛性、つぶし剛性もバランスよく向上するため、ヘッドの返りやシャフト弾きが良く、打球時に良好なフィーリングを得ることができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブシャフト10を示し、このシャフト10は、繊維強化樹脂製のプリプレグ21〜28の積層体からなるテーパー状の長尺な管状体よりなる。該シャフト10の小径側のヘッド側端部11にはヘッド13が取り付けられ、大径側のグリップ側端部12には、グリップ14が取り付けられている。
シャフト10の全長は45インチ(1200mm)とし、w値は0.033g/mmとしている。
前記シャフト10は、図2に示すように、カーボン繊維を引き揃えてエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ21〜28をシートワインディング製法によりマンドレル20に順次、内周側から巻きつけて積層した後、ポリエチレンテレフタレート樹脂製等のテープ(図示せず)でラッピングして、これをオーブン中で加熱加圧し樹脂を硬化させて一体的に成形し、マンドレル20を引き抜いてシャフト10を製造している。シャフト10の表面は研磨を行った後、両端をカットして塗装している。
シャフト10を構成する前記プリプレグ21〜28はいずれも、カーボン繊維からなる強化繊維F21〜F28にエポキシ樹脂を含浸してなり、具体的には、下記表1に示す4種類のプリプレグP1〜P4から選択して用いている。
なお、前記樹脂にはエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を使用してもよい。
Figure 2007117306
詳しくは、最内層の一層目はフープ層A1で、プリプレグP1を用いて作製したプリプレグ21を、強化繊維F21のシャフト軸線に対してなす配向角が90°となるように、グリップ側シャフトエンド16から長さ900mmの範囲に、1回巻きして形成している。
二層目はバイアス層B1で、プリプレグP2を用いて作製したプリプレグ22を、強化繊維F22のシャフト軸線に対してなす配向角が−45°となるように配置し、シャフト全長に1回巻きして形成している。
三層目はバイアス層B2で、プリプレグP2を用いて作製したプリプレグ23を、強化繊維F23のシャフト軸線に対してなす配向角が+45°となるように配置し、シャフト全長に1回巻きして形成している。
四層目はストレート層C1で、プリプレグP3を用いて作製したプリプレグ24を、強化繊維F24のシャフト軸線に対してなす配向角が0°となるように配置し、シャフト全長に1回巻きして形成している。
五層目はストレート層C2で、プリプレグP3を用いて作製したプリプレグ25を、強化繊維F25のシャフト軸線に対してなす配向角が0°となるように配置し、シャフト全長に1回巻きして形成している。
六層目はフープ層A2で、プリプレグP1を用いて作製したプリプレグ26を、強化繊維F26のシャフト軸線に対してなす配向角が90°となるように配置し、グリップ側シャフトエンド16から長さ900mmの範囲に1回巻きして形成している。
七層目はストレート層C3で、プリプレグP3を用いて作製したプリプレグ27を、強化繊維F27のシャフト軸線に対してなす配向角が0°となるように配置し、シャフト全長に1回巻きして形成している。
八層目はストレート層C4で、プリプレグP4を用いて作製したプリプレグ28を、強化繊維F28のシャフト軸線に対してなす配向角が0°となるように配置して、ヘッド側シャフトエンド15から長さ400mmの範囲に3回巻きして形成している。
前記構成よりなるシャフト10は、図3(A)に示すように、ヘッド側シャフトエンド15の外径D1を9mm、内径D2を3mmとし、グリップ側シャフトエンド16の外径D3を15.5mm、内径D4を14mmとしている。
一層目のフープ層A1と六層目のフープ層A2は、シャフト内径D5が7mmの位置よりも大径側にのみ積層している。
このように、前記シャフト10は、図3(A)(B)(C)および図4に示すように、フープ層A(A1、A2)が、最内層と六層目の二層に離れて形成され、長さ方向においては、少なくともシャフト内径が9mm以上の大径側全領域を含むように形成され、ヘッド側端部11には形成されていない。
従って、w値を0.033g/mmとして軽量性を維持しながらも、打撃時の衝撃・変形量が最も大きい小径側には、図3(C)に示すように、曲げ強度・ねじれ強度の向上に効果的なストレート層Cとバイアス層Bのみを積層しているため、曲げ強度・ねじれ強度を高めることができる。一方、つぶし変形しやすい大径側は、図3(B)にも示すように、つぶし強度・つぶし剛性の向上に効果的なフープ層Aを積層し、これにより大径側の曲げ強度、ねじれ強度も高めることができる。
また、前記シャフト10は、曲げ剛性、ねじれ剛性、つぶし剛性もバランスよく備えるため、ヘッドの返りがよく、良好なフィーリングを得ることができる。
図3(B)に示すように、最内層のフープ層A1は、その厚み方向の中間位置A1aからシャフト内周面17までの距離L1が0.017mmであり、シャフト厚さL3が0.44mmであるため、該フープ層A1のt1値は4%となる。
また、六層目のフープ層A2は、その厚み方向の中間位置A2aからシャフト外周面18までの距離L2が0.09mmであり、シャフト厚さL3が0.44mmであるため、該フープ層A2のt2値は23%となる。
従って、前記t1値、t2値ともに25%以下であるため、わずか二層のフープ層A1、A2で、つぶし強度、つぶし剛性を効果的に向上させることができると共に、他のバイアス層Bやストレート層Cの比率低下を極力抑制することができる。
フープ層A1、A2は、いずれも厚さが0.034mmであり、0.005mm以上0.01mm以下の範囲内であるため、つぶし強度・つぶし剛性の向上効果を発揮しながらも、他のバイアス層Bやストレート層Cの比率低下を抑制でき、高い曲げ強度・曲げ剛性・ねじれ強度・ねじれ剛性も備えることができる。
また、フープ層A1、A2に用いられる強化繊維F21、F26は、いずれも引張弾性率が30t/mmであるため、高い剛性を有し、シャフトのつぶし強度を高めることができると共に、繊維自体も高い強度を備えることができる。
(実施例)
本発明のゴルフクラブシャフトの実施例1および比較例1〜4について詳述する。
以下の表2に示すとおり、ゴルフクラブシャフトの積層構成を異ならせた、特に、フープ層の形成位置および層数、t1値、t2値、w値を異ならせた実施例1および比較例1〜4を作製し、それぞれの3点曲げ強度とつぶし破壊強度を測定するとともに、ヘッドの返りとシャフトの弾きについて実打評価を行い、その結果を表2に表した。
Figure 2007117306
実施例1および比較例1〜4のいずれも、前記実施形態と同様に、表1に示すプリプレグP1〜P4から選択した繊維強化樹脂プリプレグを使用して、シートワインディング製法で作製した。実施例1および比較例1〜4はいずれも、シャフト長さを1200mmとした。
(実施例1)
前記第一実施形態と同一の積層構成とした。即ち、一層目と六層目に、プリプレグP1を用いたプリプレグ21と26でフープ層を形成し、t1値は4%、t2値は24%、w値は0.033g/mmとした。
(比較例1)
図5に示す積層構成とした。即ち、プリプレグP1を用いたプリプレグ21、26を1回巻きして一層目と六層目にフープ層を形成したが、該フープ層はいずれも、グリップ側シャフトエンド16から長さ400mmの範囲にのみ積層し、シャフト内径が9mm以上の大径側領域の一部分にのみフープ層を配置した点で実施例1と異なるが、その他の構成は実施例1と同一とした。
本比較例のt1値は4%、t2値は24%、w値は0.030g/mmとした。
(比較例2)
図6に示す積層構成とした。即ち、プリプレグP1を用いたプリプレグ26をシャフト全長に1回巻きして六層目にフープ層を形成した。一層目はストレート層とし、プリプレグP3からなるプリプレグ21をシャフト全長に1回巻きして形成した。即ち、フープ層は内周面から25%の範囲内には設けなかった。その他の構成は、実施例1と同一とした。
本比較例のt1値は無し、t2値は24%、w値は0.038g/mmとした。
(比較例3)
図7に示す積層構成とした。即ち、プリプレグP1を用いたプリプレグ21、26を1回巻きして、一層目と五層目のシャフト全長にフープ層を形成した。五層目のフープ層は外周より25%を越えた内周側に位置させた。その他の構成は、実施例1と同一とした。 本比較例のt1値は4%、t2値は41%、w値は0.037g/mmとした。
(比較例4)
図8に示す積層構成とした。即ち、プリプレグP1を用いたプリプレグ23、24を1回巻きして、三層目と四層目のシャフト全長にフープ層を形成した。該フープ層は内周面および外周面より25%を越えた内部側に位置させた。一層目と二層目はバイアス層とし、プリプレグP2からなるプリプレグ21、22を、それぞれ繊維F21、F22の配向角がシャフト軸線に対して−45°と+45°となるように交差させて配置し、シャフト全長に1回巻きして形成した。六層目はストレート層とし、プリプレグP3からなるプリプレグ26をシャフト全長に1回巻きして形成した。その他の構成は、実施例1と同一とした。
本比較例のt1値は33%、t2値は60%、w値は0.037g/mmとした。
(3点曲げ強度の測定)
3点曲げ強度とは、製品安全協会が定める破壊強度である。図9に示すように、3点でシャフト10を支え、上方から荷重Fを加え、シャフト10が破断した時の荷重値(ピーク値)を測定した。測定点は、シャフト10のヘッド側シャフトエンド15から90mm(T点)、175mm(A点)、525mm(B点)、グリップ側後端12から175mm(C点)の位置とし、支持点31のスパンは、T点測定時は150mm、A、B、C点測定時は300mmとした(図示はA点測定の例)。
(つぶし破壊強度の測定)
つぶし破壊強度とは、10mm長の試験片の上方から荷重Fを加え、試験片が破壊された時の荷重点(ピーク値)を測定した。測定点は、前記3点曲げ強度の測定で示したA、B、C点とした。
(ヘッドの返り、シャフト弾きの実打評価)
ハンディキャップ5〜15、年齢25歳〜65歳の条件を満たす10名のゴルファーが、実施例および比較例の各シャフトに、XXIOヘッド(材質:フルチタン、フェイスと本体に分離可能)を取り付けたクラブで、10球ずつボールを打ち、ヘッドの返りとシャフト弾きについて5点満点の官能評価を行い(数値が大きいほど良い)、その平均を表2に示した。
表2の結果から分かるように、実施例1は、T点、A点、B点、C点の各点において、曲げ強度とつぶし破壊強度が高く、実打評価においてもヘッドの返り、シャフト弾きについて高評価となった。
比較例1は、A点、B点の曲げ強度とつぶし強度が実施例1よりも低くなり、実打評価も下がった。これは、シャフト内径が9mm以上の大径側領域の一部にのみフープ層を形成し、該フープ層の領域が小さすぎたことに因ると考えられる。
比較例2は、T点、A点の曲げ強度は実施例1より高くなったが、B点、C点の曲げ強度とA〜C点のつぶし強度が実施例1より低下した。実打評価も低かった。この結果から、フープ層を外層側の一層にのみ形成し、最内層にストレート層を形成したことで、小径側先端部の曲げ強度は高くなったが、大径側ではフープ層の比率が低いためにつぶし強度、つぶし剛性が低下し、それに伴い曲げ強度、曲げ剛性も低下したと考えられる。
比較例3は、T点の曲げ強度が実施例1より下がった。この結果から、二層のフープ層がいずれもヘッド側シャフトエンドまで形成されたため、ヘッド側先端部で曲げ変形しやすくなったと考えられる。
比較例4は、曲げ強度、つぶし破壊強度、実打評価にすべてにおいて、比較例1よりも悪い結果となった。この結果から、フープ層が中間層に形成されたため、つぶし強度・つぶし剛性向上効果を十分に発揮できなかったうえ、限られた重量のなかで、ストレート層とバイアス層の比率が下がったために、曲げ強度、つぶし破壊強度も低下したと考えられる。
本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブの概略図である。 図1に示すシャフトのプリプレグの積層構造を示す図である。 (A)は図1に示すシャフトのIII−III線断面における構成説明図であり、(B)は大径側の要部拡大説明図であり、(C)は小径側の要部拡大説明図である。 図1に示すシャフトのIV−IV線断面における構成説明図である。 比較例1のシャフトのプリプレグの積層構造を示す図である。 比較例2のシャフトのプリプレグの積層構造を示す図である。 比較例3のシャフトのプリプレグの積層構造を示す図である。 比較例4のシャフトのプリプレグの積層構造を示す図である。 3点曲げ強度の測定方法を示す図である。 従来例の図である。 他の従来例の図である。
符号の説明
10 ゴルフクラブシャフト
21〜28 プリプレグ
F21〜F28 強化繊維
A(A1、A2) フープ層
B(B1、B2) バイアス層
C(C1〜C4) ストレート層

Claims (3)

  1. 繊維強化樹脂製のプリプレグの積層体からなるゴルフクラブシャフトであって、
    強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して傾斜している前記プリプレグから構成されるバイアス層と、
    強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して平行な前記プリプレグから構成されるストレート層と、
    強化繊維の配列方向がシャフト軸線に対して直交しているプリプレグから構成されるフープ層を備え、
    前記フープ層は、厚さ方向において、シャフト内周面からシャフト厚さの25%以内の位置と、シャフト外周面からシャフト厚さの25%以内の位置との両方のみに配置される少なくとも二層を備え、かつ、
    前記各フープ層のシャフト長さ方向における形成位置は、シャフト内径が9mm以上の大径側全領域を含む位置としていることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. シャフト重量(g)/シャフト長さ(mm)の値を0.025g/mm以上0.050g/mm以下の範囲内としている請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 前記各フープ層の厚さを0.005mm以上0.1mm以下とし、かつ、該各フープ層に使用される強化繊維の引張弾性率を5t/mm以上30t/mm以下としている請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブシャフト。
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