JP2012179134A - 管状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 繊維束強化樹脂層を有する場合に周方向に曲げの異方性が生じるのを防止できる管状体を提供する。
【解決手段】 強化繊維に合成樹脂を含浸させた複数のプリプレグシート22,24,26,28,30,32を積層して形成した積層体からなるゴルフクラブ用シャフト12は、束ねた強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維束x,y,y’,z,z’を所定ピッチP1,P2,P3に間隔を設けて配向した繊維束群X,Y,Y’,Z,Z’を有する繊維束強化樹脂層34をプリプレグシートの積層体の一部に配置する。そして、繊維束強化樹脂層の繊維束の繊維配向方向は、軸方向に対して直交する周方向、軸方向及び周方向に対して傾斜する傾斜方向に配向される。軸方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグシートにより形成される軸方向強化繊維層32を前記繊維束強化樹脂層の内側及び外側の少なくとも一方に配置する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えばゴルフクラブ用シャフト等、複数のプリプレグシートを積層して形成した積層体からなる管状体に関する。
例えば特許文献1には、繊維束群からなる繊維束強化樹脂層を有する管状体が開示されている。この管状体は、繊維束群の1つを管状体の軸方向に配向している。
例えば特許文献2では、経方向(軸方向(長手方向))、緯方向(周方向)、経方向に対して斜め及び逆斜め方向に引き揃えられた強化繊維束を積層して不織布(繊維束強化樹脂層)を形成している。そして、この不織布とプリプレグを積層して管状積層体を形成している。
特開2005−225196号公報 特開2005−238517号公報
特許文献1、2では、長手方向の繊維束を所定ピッチで備えるため、管状体の横断面の環状の周方向に繊維束を有する部分と有さない部分とが生じ、管状体を曲げる際に周方向に曲げの異方性が生じ易い。そのため、ゴルフクラブ用シャフトであれば、捩れを伴うスイング時のヘッドの挙動が不安定となり、不安定な飛距離、方向性のシャフトとなり易い。
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、繊維束強化樹脂層を有する場合に周方向に曲げの異方性が生じるのを防止できる管状体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明に係る、所定方向に配向した強化繊維に合成樹脂を含浸させた複数のプリプレグシートを積層して形成した積層体からなる管状体にあっては、束ねた強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維束を所定ピッチに間隔を設けて配向した繊維束群を有する繊維束強化樹脂層を前記プリプレグシートの積層体の少なくとも一部に配置し、前記繊維束強化樹脂層の前記繊維束の繊維配向方向は、軸方向及び軸方向に対して直交する周方向に対して傾斜する傾斜方向に配向され、軸方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグシートにより形成される軸方向強化繊維層を前記繊維束強化樹脂層の層内、内側及び外側の少なくとも1つに配置するようにしたことを特徴とする。
前記傾斜方向に配向した繊維束の繊維方向は、前記軸方向及び周方向とは異なる第1の方向と、前記繊維束の繊維方向が前記軸方向及び周方向と異なるとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向とを有することが好適である。
前記繊維束強化樹脂層の繊維束の上下方向の積層数よりも、各繊維束の交点における繊維束の重なり数を少なくしたことが好適である。
前記繊維束強化樹脂層は、前記軸方向に対して傾斜する傾斜方向に配向した強化繊維の繊維方向が少なくとも第1の方向と、前記第1の方向とは異なる第2の方向とを有することが好適である。
繊維束強化樹脂層の繊維束の繊維配向方向は軸方向及び軸方向に対して直交する周方向に対して傾斜する傾斜方向であるので、管状体の横断面の周方向のいずれにも繊維が途切れる部分は存在しない。そして、プリプレグシートにより形成される軸方向強化繊維層を繊維束強化樹脂層の層内、管状体の内側及び外側のいずれかに配置するので、管状体の曲げに対する異方性が生じるのを防止できる。したがって、管状体の強度を安定させることができる。
傾斜方向に配向した繊維束の繊維方向が第1及び第2方向を有するので、軸方向(0度)から周方向(90度)に至るまで、徐々に角度を大きくして、繊維束強化樹脂層内において隣接する繊維束同士の剛性差を少なくすることができる。
繊維束強化樹脂層の繊維束の上下方向の積層数よりも、各繊維束の交点における繊維束の重なり数を少なくしたことにより、繊維束強化樹脂層の厚さが厚くなるのを防止するとともに、凹凸の発生を抑制できる。
繊維束強化樹脂層の繊維方向が第1及び第2方向を有するので、軸方向(0度)から周方向(90度)に至るまで、徐々に角度を大きくして、繊維束強化樹脂層内において隣接する繊維により形成される層間の剛性差を少なくすることができる。
第1及び第2実施形態に係るゴルフクラブを示す概略図。 (A)は第1実施形態に係るゴルフクラブ用シャフトを作製する際にマンドレルに対して巻回する素材(プリプレグシート及び重合繊維シート)の配置を示す概略図、(B)はマンドレルに各素材(プリプレグシート及び重合繊維シート)を巻回した状態を示す概略的な縦断面図。 第1及び第2実施形態に係るゴルフクラブ用シャフトに用いられる重合繊維シートの概略的な模式図。 (A)は第1実施形態の実施例1に係るゴルフクラブ用シャフトに用いられる重合繊維シートを上側(外側)から見た、図3中の破線Eで示す部分の拡大図、(B)はマンドレルに各素材を巻回した状態を示す図2(B)中のS−S線に沿う概略的な縦断面図。 (A)は第1実施形態の実施例2に係るゴルフクラブ用シャフトに用いられる重合繊維シートを上側(外側)から見た、図3中の破線Eで示す部分の拡大図、(B)はマンドレルに各素材を巻回した状態を示す図2(B)中のS−S線に沿う概略的な縦断面図。 (A)は第2実施形態に係るゴルフクラブ用シャフトを作製する際にマンドレルに対して巻回する素材の配置を示す概略図、(B)はマンドレルに各素材を巻回した状態を示す概略的な縦断面図。 (A)は第2実施形態に係るゴルフクラブ用シャフトに用いられる重合繊維シートを上側(外側)から見た、図3中の破線Eで示す部分の拡大図、(B)はマンドレルに各素材を巻回した状態を示す図6(B)中のS−S線に沿う概略的な縦断面図。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
第1実施形態について図1から図5を用いて説明する。
図1に示すように、ゴルフクラブ10は、所定方向に配向した強化繊維に合成樹脂を含浸させた複数のプリプレグシートを積層して形成した積層体からなる中空のシャフト(繊維強化複合材料製の管状体)12と、このシャフト12の一端12aの細径部分(TIP端)にヘッド14が取り付けられ、シャフト12の他端12bの太径部分(BUTT端)にグリップ16が取り付けられている。なお、図1に示すシャフト12の先端12aはヘッド14のホーゼル14a内に挿入された状態で固定されている。
シャフト12の一端12aは他端12bよりも細く、例えばテーパ状に形成されている。シャフト12の一端(細経側)12aの外径は例えば8mmから15mm程度で、他端(太径側)12bの外径は例えば13mmから16mm程度である。シャフト12の長さは、ウッド、アイアン、パター等により異なるが、規則の範囲内で適宜に設定される。
図2(A)に示すように、この実施形態に係るシャフト(ゴルフクラブ用シャフト)12は、マンドレル(芯金)20に複数のプリプレグシート22,24,26,28,30,32及び詳細を後述する重合繊維シート(繊維束強化樹脂シート)34が巻回されることにより形成される。なお、これらプリプレグシート22,24,26,28,30,32の数、プリプレグシート22,24,26,28,30,32の後述する繊維方向、重合繊維シート34の繊維束の方向数(この実施形態では5方向)や配置は適宜に変更できる。
図2(B)に示すシャフト12は、第1本体層(内層)42、第2本体層(外層)44、第1補強層(第1内側補強層)46、第2補強層(外側補強層)48及び第3補強層(第2内側補強層)50で形成されている。第1及び第2本体層42,44はシャフト12の一端12aから他端12bまで全長にわたって形成されている。シャフト12の一端12aの最内側には第1補強層46が、最外側には第2補強層48が形成され、他端12bの最内側には第3補強層50が形成されている。
図2(B)に示すように、マンドレル20は、その先端20aから後端20bに向かって順に、第1テーパ部62と、第2テーパ部64と、第3テーパ部66と、第4テーパ部68と、第5テーパ部70とを有し、先端20a側が後端20b側に比べて細く形成されている。第1テーパ部62と第2テーパ部64との間、第2テーパ部64と第3テーパ部66との間、第3テーパ部66と第4テーパ部68との間、第4テーパ部68と第5テーパ部70との間には、それぞれマンドレル20の外周面の傾きを変化させるための境目となる円周状の変位部63,65,67,69が形成されている。
なお、第2テーパ部64は第1テーパ部62(例えば傾き8/1000から9/1000程度)に対して傾きが大きい。第4テーパ部68は、第5テーパ部70に対して長さが短く緩い(傾きが小さい)テーパである。
図2(B)に示すように、第1補強層46を形成するプリプレグシート28をマンドレル20の第1テーパ部62の外側に巻回し、第3補強層50を形成するプリプレグシート32及び重合繊維シート34をマンドレル20の第5テーパ部70の外側に巻回する。
第1補強層46を形成するプリプレグシート28はマンドレル20の第1及び第2テーパ部62,64の外側に巻回したときに、その外周面がマンドレル20の第3テーパ部66と面一又は略面一となるように形成されている。このとき、マンドレル20の第3テーパ部66の外周面とシャフト12の第1補強層46の外周面とを面一又は略面一に形成するため、第1及び第2テーパ部62,64間の変位部63の外側位置のシャフト12の第1補強層46の肉厚を後端側に向かうにつれて徐々に減肉させて、第2及び第3テーパ部64,66間の変位部65の外側位置でのシャフト12の第1補強層46の肉厚を略0としている。
第3補強層50を形成するプリプレグシート32及び重合繊維シート34は、後述する実施例1、2で説明するように、何れを内側にしても良い。このため、プリプレグシート32を内側にし重合繊維シート34を外側にして貼り合わせた状態でマンドレル20の第5テーパ部70の外側に巻回したときは、重合繊維シート34の外周面がマンドレル20の第3テーパ部66と面一又は略面一となるように形成されている。また、プリプレグシート32を外側にし重合繊維シート34を内側にして貼り合わせた状態でマンドレル20の第5テーパ部70の外側に巻回したときは、プリプレグシート32の外周面がマンドレル20の第3テーパ部66と面一又は略面一となるように形成されている。このとき、マンドレル20の第3テーパ部66の外周面とシャフト12の第3補強層50の外周面とを略面一に形成するため、第4及び第5テーパ部68,70間の変位部69の外側位置のシャフト12の第3補強層50の肉厚を先端側に向かうにつれて徐々に減肉させて、第3及び第4テーパ部66,68間の変位部67の外側でのシャフト12の第3補強層50の肉厚を略0としている。
そして、面一又は略面一状態の第1補強層46、第3補強層50及びマンドレル20の第3テーパ部66の外周面に第1本体層42を形成するプリプレグシート22,24を巻回し、その外側に第2本体層44を形成するプリプレグシート26を巻回する。したがって、この実施形態では、第1及び第2本体層42,44はシャフト12の一端12aから他端12bまで同じ傾きを維持できる。
第1補強層46を形成するプリプレグシート28は、第1及び第2テーパ部62,64間の変位部63の外側位置のシャフト12の内周面と、第2及び第3テーパ部64,66間の変位部65の外側位置のシャフト12の内周面とを滑らかに連続させている。このため、第1補強層46を形成するプリプレグシート28はシャフト12の内周面に急激な段差が生じるのを防止しシャフト12の内径変化を少なくできるとともに、シャフト12の軸方向に沿った方向の急激な強度変化を防止できる。
同様に、第3補強層50を形成するプリプレグシート32及び重合繊維シート34はシャフト12の内周面に急激な段差が生じるのを防止しシャフト12の内径変化を少なくできるとともに、シャフト12の軸方向に沿った方向の急激な強度変化を防止できる。
ところで、プリプレグシート22,24,26,28,30,32は、強化繊維を一方向に引き揃えて合成樹脂を含浸させたものが用いられる。プリプレグシート22,24,26,28,30,32の強化繊維には、例えば主に炭素繊維が用いられるが、金属繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等、種々の繊維を用いても良い。強化繊維に含浸させるマトリクス樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用いても良い。熱硬化性樹脂であれば、例えばエポキシ、ピスマレイミド、ポリイミド、フェノール等が用いられる。熱可塑性樹脂であれば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)等が用いられる。
図2(A)に示す第1本体層42は捩れ剛性の調整用に用いられる。第1本体層42は2つのプリプレグシート22,24で形成され、一方のプリプレグシート22の繊維方向はマンドレル20の軸方向である中心軸(長手方向軸)Cに対して+45度傾斜し、他方のプリプレグシート24の繊維方向は中心軸Cに対して−45度傾斜している。このため、第1本体層42は、マンドレル20の中心軸Cと一致するシャフト12の中心軸に対する捩れに対する耐性を得ることができる。
なお、第1本体層42のプリプレグシート22,24は、例えば厚さ:0.12〜0.30mm、樹脂量(繊維含有率):24〜40wt%、引張弾性率:240〜400GPaである。
また、第1本体層42の一方のプリプレグシート22の繊維方向は、長手方向(軸長方向)に対して45度に限らず、例えば+30度から+60度の範囲であれば良い。同様に、他方のプリプレグシート24の繊維方向は、軸長方向に対して−45度に限らず、例えば−30度から−60度の範囲であれば良い。また、プリプレグシート22,24の配置(積層方向)を上下逆にしても良い。
図2(A)に示す第2本体層44は曲げ剛性の調整用に用いられる。第2本体層44のプリプレグシート26の繊維方向はマンドレル20の中心軸Cに平行である。このため、第2本体層44はシャフト12の曲げに対する耐性を得ることができる。
第2本体層44のプリプレグシート26は、例えば厚さ:0.06〜0.15mm、樹脂量(繊維含有率):24〜40wt%、引張弾性率:240〜400GPaである。
第1補強層46はシャフト12の一端(先端)12aで第1本体層42の内側に配置され、シャフト12の一端12aの曲げ剛性を高めるために用いられる。第2補強層48はシャフト12の一端12aで第2本体層44の外側に配置され、シャフト12の一端12aの曲げ剛性を高めるとともに、シャフト12の一端12aの外径を調整するために用いられる。第1及び第2補強層46,48のプリプレグシート28,30の繊維方向はマンドレル20の中心軸Cに平行である。これらプリプレグシート28,30は、例えば厚さ:0.06〜0.15mm、樹脂量(繊維含有率):24〜40wt%、引張弾性率:240〜400GPaである。
第3補強層50はシャフト12の他端(後端)12bで第1本体層42の内側に配置されている。そして、第3補強層50ではプリプレグシート32と重合繊維シート34とを例えば貼り合わせて用いる。なお、第3補強層50は、プリプレグシート32による軸方向強化樹脂層(曲げ剛性強化層)と、重合繊維シート34による繊維束強化樹脂層との合成層である。第3補強層50は、プリプレグシート(曲げ剛性強化層)32でシャフト12の他端12bの曲げに対する耐性を強化し、重合繊維シート(繊維束強化樹脂層)34で捩れ及び潰れに対する耐性を強化する。
なお、プリプレグシート32と重合繊維シート34とを貼り合わせて用いるのは、重合繊維シート34の形状を維持し、重合繊維シート34の取り扱いを容易化するためである。
第3補強層50のプリプレグシート32の繊維方向はマンドレル20の中心軸Cに平行である。このため、第3補強層50はシャフト12の曲げに対する耐性を得ることができる。
なお、第3補強層50の繊維方向が軸方向のプリプレグシート32は、例えば厚さ:0.06〜0.15mm、樹脂量(繊維含有率):24〜40wt%、引張弾性率:240〜400GPaである。
図3には繊維束強化樹脂層を形成するための重合繊維シート34の一例を示す。
本実施形態に係る重合繊維シート34は、5方向の繊維束群X,Y,Y’,Z,Z’が重ね合わせられて形成されている。繊維束群Xは軸方向に対して例えば90度の周方向に繊維束xが所定のピッチP1(例えば18mm)で平行に配置されている。繊維束群Yは軸方向に対して+60度の方向に繊維束yが所定のピッチP2(例えば8mm)で平行に配置され、繊維束群Y’は軸方向に対して−60度の方向に繊維束y’が所定のピッチP2で平行に配置されている。繊維束群Zは軸方向に対して+30度の方向に繊維束zが所定のピッチP3(例えば9mm)で平行に配置され、繊維束群Z’は軸方向に対して−30度の方向に繊維束z’が所定のピッチP3で平行に配置されている。このため、この実施形態の重合繊維シート34は、軸方向(0度)から周方向(90度)の間には、これら軸方向及び周方向に対して傾斜した2つの互いに異なる傾斜方向の繊維束群Y,Zを有する。
なお、各繊維束x,y,y’,z,z’は、例えば数百本から数万本の強化繊維を束ねて、その束ねた強化繊維に合成樹脂を含浸したものである。
繊維束群Xの繊維束xは、軸方向に対して例えば90度の周方向に巻回されるので、潰れに対する耐性を強化するのに用いられる。繊維束群Yの繊維束y、繊維束群Y’の繊維束y’、繊維束群Zの繊維束z、及び、繊維束群Z’の繊維束z’は軸方向に対して傾斜している。このため、捩れに対する耐性を強化するのに用いられる。
ここで、重合繊維シート34自体には軸方向に繊維束を配置しない。仮に軸方向の繊維束を所定のピッチで配置して重合繊維シートを管状に形成した場合、周方向に繊維束が存在する部位と存在しない部位とが生じる。このため、これら繊維束が存在する部位と存在しない部位との間に曲げ剛性差が生じる場合がある。しかしながら、軸方向に繊維束を配置しないでおくと、そのような問題は生じない。そして、本実施形態では、軸方向に繊維方向を有するプリプレグシート32を重合繊維シート34に貼り合わせて用いる。このため、曲げに対して、周方向で異なる剛性となる、いわゆる異方性が生じるのを確実に防止できる。
重合繊維シート34は、5方向の繊維束x,y,y’,z,z’の交点が極力少なくなるようにずらして配置されている。図3に示す例では2軸の交点N(y,y’),N(z,z’),N(y,z),N(y’,z’),N(y,z’),N(y’,z)と、3軸の交点N(x,y,y’),N(x,z,z’)とが存在する。しかし、それ以上の交点(4軸及び5軸の交点)は存在しない。ここでは、5方向の重合繊維シート34を用いているので、最高で5つの繊維束x,y,y’,z,z’により1つの交点が形成される可能性がある。しかしながら、本実施形態では2軸の交点N,N,N,N,N,N及び3軸の交点N,Nは存在するが、それ以上に繊維束x,y,y’,z,z’が重なる交点が存在しないようにしている。このため、重合繊維シート34のうち、最も厚い部位は3つの繊維束が重ねられた交点N(x,y,y’),N(x,z,z’)である。したがって、重合繊維シート34の凹凸の発生を極力抑制でき、重合繊維シート34の軸方向の部位や周方向の部位ごとに厚さに差が生じるのを極力防止できる。
繊維束のピッチは、P1よりもP3が小さく、P3よりもP2が小さい方が好ましい。すなわち、繊維束群Y,Y’の密度が最も高く、繊維束群Z,Z’、繊維束群Xの順に密度が低くなる。この場合、軸方向よりも周方向に近い角度の繊維束を多くすることができる。このため、重合繊維シート34を、異方性が生じない状態で曲げ剛性を高めるためのプリプレグシート32に貼り合わせて用いる際の、強度バランスを良好にすることができる。
なお、繊維束のピッチを適宜に設定することにより、重合繊維シート34の軸方向の強度を増すか、周方向の強度を増すかを自由に設定できる。このように、繊維束のピッチを設定することにより、種々の特性を有する重合繊維シート34を形成できる。
繊維束x,y,y’,z,z’の繊維方向はそれぞれ90度、+60度、−60度、+30度、−30度を用いると、重合繊維シート34内で隣接する繊維束群の角度差を30度ずつに設定できるので強度バランスを保つ上で好ましい。しかし、例えば、繊維束y,y’の軸方向に対する角度は±60度に限ることはなく、繊維束z,z’の軸方向に対する角度は±30度に限ることはない。
軸方向を補強しようとする場合、繊維束y,y’の軸方向に対する角度の絶対値が例えば45度から67.5度の範囲にあり、繊維束z,z’の軸方向に対する角度の絶対値が例えば0度から22.5度の範囲にあることが好ましい。一方、周方向を補強しようとする場合、繊維束y,y’の軸方向に対する角度の絶対値が例えば67.5度から90度の範囲にあり、繊維束z,z’の軸方向に対する角度の絶対値が例えば22.5度から45度の範囲にあることが好ましい。
このように適宜に繊維束y,y’,z,z’の繊維方向角度を規定することによって、種々の特性を有する重合繊維シート34を形成できる。
以上説明したゴルフクラブ用シャフト12を用いてゴルフクラブ10を形成する場合、曲げに対する応力を軸方向に引き揃えたプリプレグシート32で補強し、重合繊維シート34を周方向繊維束及び傾斜方向繊維束で形成する。このため、重合繊維シート34により形成される層において、環状の横断面のいずれにも強化繊維が存在するので、周方向の曲げに対する異方性を少なくできる。したがって、第3補強層50は各方向応力(曲げ、潰れ、捩れ)に対する適当な強度剛性を付与でき、打球の方向を安定させるのに寄与する。
以下、第3補強層50のプリプレグシート32を重合繊維シート34の内側に配置する場合を実施例1とし、プリプレグシート32を重合繊維シート34の外側に配置する場合を実施例2として説明する。
[実施例1]
図4(A)は図3中の破線Eで示す部位を拡大したものであり、図4(B)は図2(B)中のS−S線に沿う断面を模式的に示す。図4(B)に示すように、実施例1では、重合繊維シート34の内側に軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート32が配置されている。
本実施形態(実施例1,2)に係る各繊維束x,y,y’,z,z’は例えば厚さ:0.06〜0.15mm、樹脂量(繊維含有率):24〜40wt%、引張弾性率:240〜400GPaのプリプレグシートを、例えば幅Wを2mmにして切断して用いる。このため、図3に示す5方向の繊維束x,y,y’,z,z’の交点N(y,y’)、N(z,z’),N(y,z),N(y’,z’),N(y,z’),N(y’,z),N(x,y,y’),N(x,z,z’)において、接着剤を別に塗布する必要なく、各繊維束x,y,y’,z,z’を形成するプリプレグシートの樹脂材により各繊維束x,y,y’,z,z’が所定のピッチを保った状態で固定できる。
なお、ピッチP1はそれぞれ隣り合う繊維束xの幅方向中央同士の間隔とする。すなわち、例えば図4(A)に示す繊維束xに隣接する繊維束xとの間には間隔(空間)が形成されている。これは各繊維束y,y’,z,z’についても同様である。
本実施例1では、各繊維束x,y,y’,z,z’の幅Wをそれぞれ例えば2mmとして揃えているが、例えば強度を調整するために繊維束x,y,y’,z,z’ごとに異なっていることも好適である。これは、後述する実施例2でも同様である。
図4(B)に示すように、本実施例1に係る重合繊維シート34は、管状にしたときに、内側(下側)から外側(上側)に向かって、第1層(最内層)が+30度の繊維束群Zで、第2層が+60度の繊維束群Yで、第3層が−60度の繊維束群Y’で、第4層が−30度の繊維束群Z’で、第5層(最外層)が90度の繊維束群Xで形成されている。
第1層の繊維束群Zの内側には、軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート32が配置され、第5層(最外層)の外側には、±45度に引き揃えられたプリプレグシート22,24で形成された第1本体層42が配置されている。
重合繊維シート34の第1層(最内層)に、曲げ剛性に影響する軸方向繊維に対する角度差が小さい繊維束群Zを用いることによって、プリプレグシート32と重合繊維シート34の第1層の繊維束zとの間の層間の剛性差を小さくでき、層間剥離を極力防止できる。これは、重合繊維シート34の第1層から第4層をそっくりひっくり返して使用しても同じことが言える。
一方、重合繊維シート34の第4層に繊維束群Z’を用い、第5層に繊維束群Xを用いるが、繊維束群Xは殆ど曲げ剛性に影響せず、ほぼ無視できる。このため、第4層の繊維束群Z’と第5層の繊維束群Xとの間に角度に大きな差があっても問題とはなり難い。
したがって、この実施例1のように、内側に軸方向の繊維が配向されたプリプレグシート32を配置し、外側に重合繊維シート34を配置した第3補強層50を用いる場合、曲げの際の各層間の剛性差を小さくでき、安定した強度を発揮できる。
なお、図4(B)では、各繊維束群X,Y,Y’,Z,Z’はそれぞれ厚さを有する状態に描いている。これは、層を表わすために模式的に描いたものであり、実際には上述したように、重合繊維シート34の最大厚さ部分は3軸の交点Nを形成する3つの繊維束x,y,y’を合わせた部分、交点Nを形成する3つの繊維束x,z,z’を合わせた部分である。
そして、シャフト12は、通常の成形と同様に、第2本体層44及び第2補強層48の外側からテーピングにより締め付け成型される。このとき、重合繊維シート34の交点N,N,N,N,N,N,N,Nが存在することにより生じる凹凸は、重合繊維シート34の内側にあるプリプレグシート32、重合繊維シート34の外側にある第1及び第2本体層42,44を形成するプリプレグシート22,24,26によって吸収できる。このため、シャフト12の外観上、重合繊維シート34による凹凸の存在を除去できる。
また、重合繊維シート34の交点N,N,N,N,N,N,N,N以外の部位において、各繊維束x,y,y’,z,z’が各繊維束x,y,y’,z,z’間に形成される空間内に入り込むので、重合繊維シート34全体の厚さが厚くなるのを確実に抑制できる。
その後、マンドレル20及びシャフト12の加熱硬化、マンドレル20の除去、テーピングのテープの除去、研磨等により、ゴルフクラブ用シャフト12を得ることができる。このとき、シャフト12の外観には、重合繊維シート34のパターンは現れない。
[実施例2]
図5(A)は図3中の破線Eで示す部位を拡大したものであり、図5(B)は図2(B)中のS−S線に沿う断面を模式的に示す。図5(B)に示すように、この実施例2では、重合繊維シート34の外側に軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート32が配置された例について説明する。
図5(B)に示すように、本実施例2に係る重合繊維シート34は、管状にしたときに、内側から外側に向かって、第1層(最内層)が90度の繊維束群Xで、第2層が−60度の繊維束群Y’で、第3層が+60度の繊維束群Yで、第4層が+30度の繊維束群Zで、第5層(最外層)が−30度の繊維束群Z’で形成されている。第5層の繊維束群Z’の外側には、軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート32が配置されている。すなわち、第3補強層50は内側から外側に向かって、90度、±60度(第1の方向)、±30度(第2の方向)、0度の順に配置されている。
このように、本実施例2では、最内層から外層に向かって徐々に角度が小さい繊維束を配置している。このため、シャフト12の径方向に隣接する繊維束の層間の剛性差を少なくでき、層間剥離を防止できる。
そして、シャフト12は、実施例1で説明したのと同様、通常の成形と同様に、第2本体層44及び第2補強層48の外側からテーピングにより締め付け成型される。このとき、重合繊維シート34の交点N,N,N,N,N,N,N,Nが存在することにより生じる凹凸は、重合繊維シート34の外側にある第3補強層50のプリプレグシート32、第1及び第2本体層42,44を形成するプリプレグシート22,24,26によって吸収できる。このため、シャフト12の外観上、重合繊維シート34による凹凸の存在を除去できる。
これら実施例1,2では、シャフト12の他端(後端)12bの内周側にある第3補強層50をプリプレグシート32及び重合繊維シート34を貼り合わせて形成している。そして、重合繊維シート34の傾斜方向繊維束を軸方向に近づける際に、軸方向(0度)と周方向(90度)との間に2つの方向(30度、60度)に傾斜した繊維束y,zを上下に隣接する繊維束の角度差が極力小さくなるように配置している。このため、隣接する繊維束y,zの曲げ、潰れに対する剛性差を緩和でき、安定した強度を発揮できる。したがって、このようなゴルフクラブ用シャフト12を用いて形成したゴルフクラブ10を用いると、異方性の存在を抑制できるのに加えて、安定した打球が可能となる。
また、重合繊維シート34の各繊維束x,y,y’,z,z’は所定のピッチP1,P2,P3で配置しているので、各繊維束x,y,y’,z,z’の間に空間がある。また、繊維束x,y,y’,z,z’の繊維方向をシャフト12の軸方向に対して所定の方向に配向している。このため、安定した強度を出しつつ、シャフト12全体として軽量化を図ることができる。したがって、重合繊維シート34を用いる場合、軸方向に対して傾斜した方向に引き揃えた繊維を含有するプリプレグシートを組み合わせて用いる場合に比べて軽量化を図ることができる。
その一方、軸方向に引き揃えた繊維を含有するプリプレグシート32と合わせて重合繊維シート34を用いる場合、重合繊維シート34を追加したとしても、捩れ剛性、潰れ剛性等を強化しながらも、重量に影響を与えるのを防止できる。
次に、第2実施形態について図6及び図7を用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図6(A)に示すように、この実施形態では、シャフト12の一端12a側の第1本体層42と第1補強層46との間に第4補強層52を追加する例である。第4補強層52は、第1実施形態で説明した第3補強層50と同様に、軸方向に繊維方向を有するプリプレグシート36と、重合繊維シート(繊維束強化樹脂シート)38とを例えば貼り合わせて用いる。
図6(B)に示すマンドレル20は、第4補強層52を形成するため、図2(B)に示す第1及び第2テーパ部62,64の代わりに、第1から第4前側テーパ部72,74,76,78が形成されている。これら第1から第4前側テーパ部72,74,76,78によって、変位部73,75,77も形成されている。
第1補強層46を形成するプリプレグシート28は、プリプレグシート28を第1及び第2前側テーパ部72,74に巻回した場合、プリプレグシート28の外周面とマンドレル20の第3前側テーパ部76の外周面とが面一又は略面一となるように形成されている。
第4補強層52を形成するシートである、プリプレグシート36及び重合繊維シート38を貼り合わせたシートは、マンドレル20の第3及び第4前側テーパ部76,78の外周面の外側にした場合、このシートの外周面と第3テーパ部66の外周面とは面一又は略面一となるように形成されている。
そして、第3補強層50、第4補強層52、及びマンドレル20の第3テーパ部66の外周面に第1本体層42を形成するプリプレグシート22,24が巻回され、その外側に第2本体層44を形成するプリプレグシート26が巻回される。したがって、この実施形態では、第1及び第2本体層42,44はシャフト12の一端12aから他端12bまで同じ傾きを維持できる。
図7(A)は図3中の破線Eで示す部位を拡大したものであり、図7(B)は図6(B)中のS−S線に沿う断面を模式的に示す。図7(B)に示すように、この実施形態では、重合繊維シート38の外側に軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート36が貼り付けられた例について説明する。
図7(B)に示すように、本実施形態に係る重合繊維シート38は、管状にしたときに、内側から外側に向かって、第1層(最内層)が−30度の繊維束群Z’で、第2層が−60度の繊維束群Y’で、第3層が90度の繊維束群Xで、第4層が+60度の繊維束群Yで、第5層(最外層)が+30度の繊維束群Zで形成されている。
第1層(最内層)の繊維束群Z’の内側には第1補強層46として軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート28が配置され、第5層(最外層)の外側には、軸方向(0度)に引き揃えられたプリプレグシート36が配置されている。
このように、本実施形態では、重合繊維シート38を、軸方向に引き揃えたプリプレグシート28,36で挟んだ状態とし、第3層(中間層)に向かって徐々に繊維方向の角度を大きくすることによって、シャフト12の径方向に隣接する繊維束の層間の剛性差を少なくでき、層間剥離を防止できる。
また、マンドレル20の第1前側テーパ部72に対向する面が軸方向に引き揃えたプリプレグシート28であるので、マンドレル20を引き抜く際に、重合繊維シート38に影響を与え難く、重合繊維シート38の特に第1層の保形性が良い。すなわち、マンドレル20をシャフト12の軸方向に沿って引き抜く際に、繊維束z’を軸方向にずらすのを防止できる。
そして、シャフト12の一端(先端)12aの内周側にある第4補強層52はプリプレグシート36及び重合繊維シート38を貼り合わせて形成しているので、プリプレグシート36でシャフト12の曲げ剛性を強化し、重合繊維シート38で捩れ剛性、潰れ剛性等を強化できる。
また、上述した第1及び第2実施形態では、重合繊維シート34,38は、全てが繊維束で形成されているものとして説明した。その他の重合繊維シートの例として、軸方向に対して例えば90度の周方向に繊維方向を有するプリプレグシートに対して上述した繊維束群Y,Y’,Z,Z’を貼り付けて固定した繊維束強化樹脂シート(重合繊維シート)を作成しても良い。同様に、軸方向に対して例えば+30度の方向、−30度の方向に繊維方向を有するプリプレグシートに対して上述した繊維束群X,Y,Y’を固定した繊維束強化樹脂シート(重合繊維シート)を作成しても良い。
すなわち、プリプレグシートに複数の繊維束を固定した(貼り付けた)状態の重合繊維シート(繊維束強化樹脂シート)を、上述した重合繊維シート34,38と同様に用いても良い。この場合も、一部が繊維束で形成されているので、繊維束間に空間が形成される。このため、管状体の全部にプリプレグシート(空間なし)を用いる場合に比べて軽量化を図ることができる。
また、軸方向に繊維方向を有するプリプレグシートの一方及び他方の両面に繊維束を固定した(貼り付けた)場合、すなわち、繊維束強化樹脂層の層内に軸方向に繊維方向を有するプリプレグシートを設けた場合、軸方向に繊維方向を有する別のプリプレグシート32,36を配置しなくても、管状体としたときに異方性をなくすことができる。
なお、本実施形態では重合繊維シート34,38をゴルフクラブ10のシャフト12に用いる場合について説明した。その他、重合繊維シート34,38を魚釣り用の竿管(管状体)に配置することも好ましい。この場合も、魚釣り用の竿管(管状体)の長手軸方向に対して重合繊維シート34,38の繊維方向をずらして配置する。また、本実施形態に係る重合繊維シート34,38をテニスラケットの管状部分である管状体の少なくとも一部に用いることも好ましい。これらの場合も、プリプレグシート32,36で曲げに対する剛性を得つつ、重合繊維シート34,38の周方向に曲げによる剛性差(異方性)が生じるのを防止できる。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
12…ゴルフクラブ用シャフト(管状体)、12a…一端(先端)、12b…他端(後端)、22,24,26,28,30,32…プリプレグシート、34…重合繊維シート(繊維束強化樹脂シート)、42…第1本体層、44…第2本体層、46…第1補強層、48…第2補強層、50…第3補強層、X,Y,Y’,Z,Z’…繊維束群、x,y,y’,z,z’…繊維束、P1,P2,P3…ピッチ、N,N,N,N,N,N,N,N…重合繊維シート34の交点、W…繊維束の幅。

Claims (4)

  1. 所定方向に配向した強化繊維に合成樹脂を含浸させた複数のプリプレグシートを積層して形成した積層体からなる管状体であって、
    束ねた強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維束を所定ピッチに間隔を設けて配向した繊維束群を有する繊維束強化樹脂層を前記プリプレグシートの積層体の少なくとも一部に配置し、
    前記繊維束強化樹脂層の前記繊維束の繊維配向方向は、軸方向及び軸方向に対して直交する周方向に対して傾斜する傾斜方向に配向され、
    軸方向に引き揃えられた強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグシートにより形成される軸方向強化繊維層を前記繊維束強化樹脂層の層内、内側及び外側の少なくとも1つに配置するようにしたことを特徴とする管状体。
  2. 前記傾斜方向に配向した繊維束の繊維方向は、前記軸方向及び周方向とは異なる第1の方向と、前記繊維束の繊維方向が前記軸方向及び周方向と異なるとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向とを有することを特徴とする請求項1に記載の管状体。
  3. 前記繊維束強化樹脂層の繊維束の上下方向の積層数よりも、各繊維束の交点における繊維束の重なり数を少なくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管状体。
  4. 前記繊維束強化樹脂層は、前記軸方向に対して傾斜する傾斜方向に配向した強化繊維の繊維方向が少なくとも第1の方向と、前記第1の方向とは異なる第2の方向とを有することを特徴とする請求項1に記載の管状体。
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