JP6559408B2 - ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法 - Google Patents

ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6559408B2
JP6559408B2 JP2014200711A JP2014200711A JP6559408B2 JP 6559408 B2 JP6559408 B2 JP 6559408B2 JP 2014200711 A JP2014200711 A JP 2014200711A JP 2014200711 A JP2014200711 A JP 2014200711A JP 6559408 B2 JP6559408 B2 JP 6559408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
yarn
yarns
same
central
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014200711A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016067635A (ja
Inventor
蘆田 浩規
蘆田  浩規
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizuno Corp
Original Assignee
Mizuno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizuno Corp filed Critical Mizuno Corp
Priority to JP2014200711A priority Critical patent/JP6559408B2/ja
Publication of JP2016067635A publication Critical patent/JP2016067635A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6559408B2 publication Critical patent/JP6559408B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Golf Clubs (AREA)

Description

本発明は、繊維強化樹脂製ゴルフシャフトを複数備えるゴルフシャフトシリーズ及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、組物形成される繊維強化樹脂製ゴルフシャフトシリーズ及びその製造方法に関するものである。
繊維強化樹脂製ゴルフシャフトは、金属製ゴルフシャフトに比べて質量が軽く、スイング時のヘッドスピードを増加させやすいため、ボールの飛距離が大きくなるという利点を有し、広く一般に使用されている。
繊維強化樹脂製ゴルフシャフトは、樹脂を含浸させた強化繊維からなるシャフトであり、その種類としては、シートワインディング法により製造されたシャフト、フィラメントワインディング法により製造されたシャフト、及び組物シャフトが挙げられる。
シートワインディング法は、樹脂を含浸させた強化繊維からなるプリプレグシートを、マンドレルの周囲に複数層巻き付けた後、樹脂を加熱硬化させて成形するものである。フィラメントワインディング法は、樹脂を含浸させた強化繊維からなる繊維束を、マンドレルの周囲に、その長手方向に沿って往復動させながら巻き付けた後、樹脂を加熱硬化させて成形するものである。
一方、組物シャフトは、樹脂を含浸させた強化繊維からなる繊維束(組糸)やトウプリプレグを、互いに編み組みさせながらマンドレルの周囲に巻き付けて組糸層を形成し、樹脂を加熱硬化させて成形されるものである。組糸層は、マンドレルの軸線に対して左右対称の配向角度を有する2種類の傾斜糸と、0゜の配向角度を有する中央糸とからなる組糸を編み込むことにより形成され、これら組糸層が複数形成されて積層されている。このようにして成形される組物シャフトでは、シャフト長手方向にもシャフト周方向にも継ぎ目が存在しない上に、3軸の配向角度を有する組糸層が積層されていることから、曲げ強度、ねじり強度に優れている。
特許文献1には、3種類の組糸層を積層した組物シャフト100が開示されている。図5に示すように、組糸層は、最外層の、2方向の組糸(傾斜糸)を編み込む構成の組糸層である2軸組糸層200と、その内側の、3方向の組糸(傾斜糸301、302及び中央糸303)を編み込む構成の組糸層である3軸組糸層300と、最内層の、2方向の組糸(傾斜糸)を編み込む構成の組糸層である2軸組糸層400とからなる積層構成となっている。各組糸は、それぞれ、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸させて形成されている。
特開2000−288139号公報
ところで、ゴルフシャフト(以下、シャフトという。)は、ゴルファーのヘッドスピードに応じた適正なしなり量が得られるように、ヘッドスピード毎に剛性設計が行われている。例えば、ヘッドスピードの速いゴルファーが剛性の低いシャフトを使用すると、シャフトのしなり量が大きくなりすぎるため、飛距離がばらつくばかりでなく、打球時に頼りなさを感じることになる。一方、ヘッドスピードの遅いゴルファーが剛性の高いシャフトを使用すると、シャフトのしなり量が十分得られないため、飛距離をロスし、打球感が硬くなって難しさを感じることになる。
したがって、ゴルファーのヘッドスピードに応じた適正な剛性(硬さ)のシャフトを選択できるように、複数種類の剛性(硬さ)のシャフトがバリエーションとして設けられており、こういったバリエーションを備えたシャフト群を、一般的にゴルフシャフトシリーズと言う。市販されているシャフトとしては、ヘッドスピードが35m/s〜40m/sのゴルファーが使用するのに適したシャフトとして、「Rフレックス」と呼ばれるものが一般的であり、それよりヘッドスピードの速いゴルファー用に、順に「SRフレックス」、「Sフレックス」、「Xフレックス」と呼ばれるものが存在する。また、ヘッドスピードが35m/s以下のゴルファーが使用するのに適したシャフトとして、「LRフレックス」、「Aフレックス」、「Lフレックス」と呼ばれるものが存在する。
ゴルファーは、これら各種のシャフトの中から、自分に適したシャフトを選択する場合、同じゴルフシャフトシリーズの中の複数種類の硬さのシャフトで打球を試打し、自身のヘッドスピードに適した硬さのシャフトを選択することができる。例えば、同一番手のシャフトについて、「Rフレックス」、「SRフレックス」、「Sフレックス」を順に試打して、どのような硬さのシャフトが自身に適しているかを判断することができる。この場合、自身に適した硬さを適正に判断するためには、例えば、同じブランド名で販売されるゴルフシャフトシリーズのシャフトにおいては、複数種類の硬さのシャフトのそれぞれで、同じようなしなり感が得られることが要求される。特に、同一番手のシャフトにおいては、硬さの異なるシャフト毎に、しなり感が統一されるように設計する必要がある。
従来、組物シャフトでの硬さ(フレックス)を調整する場合、シャフトの軸線に対して0゜の配向角度を有する中央糸303を構成する繊維束の繊維の本数を一定本数以上として、シャフトに必要な曲げ強度を確保する必要があった。その上で、組糸の種類や、組糸の配向角度を適宜調整することが必要であった。例えば、傾斜糸301、302の配向角度を調整したり、傾斜糸301、302や中央糸303を構成する繊維束に集束されている繊維の本数を調整したり、傾斜糸301、302や中央糸303を構成する繊維束の繊維の繊度を調整したり、或いは、傾斜糸301、302や中央糸303の本数を調整したりすることにより、シャフトとして要求される曲げ強度やねじり強度等の特性を有効に発現させるようにする必要があった。
しかし、組糸の種類や、組糸の配向角度等の調整により、同じゴルフシャフトシリーズの中の硬さの異なるシャフト間で、キックポイントが変わってしまうことがあった。例えば、シャフトの中間部にキックポイントが存在する「中調子」のゴルフシャフトシリーズであっても、硬さの異なるシャフトでは、キックポイントの位置が微妙にずれてしまい、同じゴルフシャフトシリーズでありながら打球時のしなり感やフィーリングが異なってしまうといったことがあった。
したがって、従来のゴルフシャフトシリーズでは、硬さの異なる同一番手の複数のシャフトを製造する際、傾斜糸の配向角度、中央糸を構成する繊維の本数、中央糸の本数等といったいろいろな要素について微調整する必要があった。こうした微調整によって、シャフト間での硬さを変えつつ、そのしなり感を統一させるようにすることは難しく、非常に煩雑な作業が要求されるものであった。これにより、所望のシャフトを設計するために時間や労力を要し、設計、開発工程においてコストがかかる要因となっていた。
本発明は、こういった従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のシャフトの硬さ調整が容易であり、硬さの異なる複数のシャフト間でのしなり具合が統一された繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズを提供することである。また、複数のシャフトの硬さ調整を容易に行え、硬さの異なる複数のシャフト間でのしなり具合を容易に統一することのできる繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズの製造方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のゴルフシャフトシリーズは、同一番手のゴルフクラブに装着される第1及び第2シャフトを備える繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズであって、前記第1及び第2シャフトは、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して構成された組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備え、前記第1及び第2シャフトにおける前記調整用組糸層の組糸は、シャフトの軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する複数の第1傾斜糸及び複数の第2傾斜糸と、シャフトの軸方向に沿う中央糸を有し、前記第1シャフトの中央糸を構成する繊維の総本数と、前記第2シャフトの中央糸を構成する繊維の総本数が異なることを要旨とする。
組物のシャフトを構成する組糸は、シャフトの軸方向に対して傾斜角度を有する複数の第1傾斜糸及び第2傾斜糸と、シャフトの軸方向に沿う中央糸を有しており、これら組糸は、複数の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して構成されている。そして、中央糸を構成する繊維の総本数が、ゴルフシャフトシリーズの第1シャフト及び第2シャフトで異なっている。このように、中央糸を構成する繊維の総本数を調整することで、同じゴルフシャフトシリーズの中の異なるシャフト間でのしなり具合を統一しつつ、シャフトの硬さを容易に変えることができる。繊維の総本数を異ならせるといった簡単な構成でありながら、シャフトの硬さ調整を容易に行うことができ、シャフトの設計、開発工程に掛かる手間を低減することができる。その結果、シャフトの製造に要する作業時間を短縮でき、シャフトの製造に要するコストを低く抑えることができる。
上記ゴルフシャフトシリーズにおいて、前記第1シャフトの前記中央糸と、前記第2シャフトの前記中央糸とは同一であり、前記第1シャフトの中央糸の本数と、前記第2シャフトの中央糸の本数が異なることが好ましい。
この構成によれば、それぞれのシャフトに同じ中央糸を用いることができ、それぞれのシャフトの中央糸を構成する繊維の総本数の違いを、中央糸の本数の違いで実現することができる。繊維束の繊維の本数が異なる複数種類の中央糸を用意する必要がなくなり、同じ中央糸を用いてその本数を変えることで、容易にシャフトの硬さを調整することができる。
上記ゴルフシャフトシリーズにおいて、前記第1シャフト及び第2シャフトの前記調整用組糸層に用いられる前記組糸は、すべて同一であることを要旨とする。
この構成によれば、組糸を多種類準備する必要がなくなり、在庫管理上も有利である。これにより、シャフトの製造に要するコストを低く抑えることができる。
上記ゴルフシャフトシリーズにおいて、前記第1及び第2シャフトは、前記調整用組糸層の内側及び外側の少なくとも一方、若しくは両方に配置されるとともに前記組糸を編み込んでなる単層又は複数層の補強用組糸層を備え、前記補強用組糸層は、第1及び第2シャフトで同一であることが好ましい。
この構成によれば、シャフトの硬さを調整可能な調整用組糸層の内側及び外側の少なくとも一方、若しくは両方に、単層又は複数層の補強用組糸層が配置されており、シャフトの曲げ剛性及び曲げ強度を維持することができる。補強用組糸層を、硬さの異なる複数のシャフトにおいて同一の構成とすることで、同じゴルフシャフトシリーズの中の異なるシャフトの構成を簡素化でき、シャフトの設計を容易に行うことができる。
請求項5に記載のゴルフシャフトシリーズの製造方法は、同一番手のゴルフクラブに装着されるとともに、組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備える第1及び第2シャフトを有する繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズの製造方法であって、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して形成される第1傾斜糸、第2傾斜糸、及び中央糸からなる前記組糸を、芯材に巻き付けて、該芯材の軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する前記第1傾斜糸及び第2傾斜糸と、該芯材の軸方向に沿う前記中央糸とを編み込んでなる組糸層を複数層形成する組糸層形成工程を備え、前記第2シャフトの前記組糸層形成工程において、前記中央糸を構成する繊維の総本数を前記第1シャフトの同本数と異なる本数に設定することを要旨とする。
この構成によれば、同じゴルフシャフトシリーズ中の異なるシャフト間でのしなり具合を統一しつつ、シャフトの硬さを容易に変えることができる。各組糸のうち、中央糸を構成する繊維束の繊維のみその本数を異ならせるといった簡単な方法で、シャフトの硬さ調整を容易に行うことができ、シャフトの設計、開発工程に掛かる手間を低減することができる。その結果。シャフトの製造に要する作業時間を短縮でき、シャフトの製造に要するコストを低く抑えることができる。
本発明によれば、複数のシャフトの硬さ調整が容易であり、硬さが異なる複数のシャフト間でのしなり具合が統一された繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズを得ることができる。また、繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズの製造にあたって、複数のシャフトの硬さ調整を容易に行え、硬さの異なる複数のシャフト間でのしなり具合を容易に統一することができる。
本発明の一実施形態のシャフトを備えた繊維強化樹脂製のゴルフクラブの斜視図。 本発明のシャフトの組糸層の一部を示す部分拡大図。(a)は、3軸の調整用組糸層の一部を示す部分拡大図。(b)は、2軸の補強用組糸層の一部を示す部分拡大図。(c)は、組糸層に編み込まれた組糸の部分拡大図。 本発明の実施例におけるシャフトの曲げ剛性を示す図。 本発明の実施例におけるシャフトの曲げ強度を示す図。 従来の組物シャフトの模式図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、繊維強化樹脂製のシャフトを備えたゴルフクラブ1は、先端3及び後端5を備えたシャフト2と、シャフト2の先端3に装着されたヘッド6と、シャフト2の後端5に装着されたグリップ7とを有する。シャフト2は、後端5から中間部4を通って先端3に向かうに従い徐々に径が細くなる概ねテーパ形状となっている。
図2に示すように、シャフト2は、マトリクス樹脂を含浸させた繊維からなる繊維束である組糸11を、複数、互いに編み組みさせて形成された組糸層10を複数有し、マトリクス樹脂が加熱硬化されて成形されている。組糸層10を構成する組糸11は、シャフト2の軸線に対して左右対称の配向角度を有する2種類の傾斜糸と、シャフト2の軸線に対して0゜の配向角度を有する中央糸とにより構成されている。
図2(c)に示すように、組糸11は、複数の繊維41が集束された繊維束42にマトリクス樹脂43が含浸されて形成されている。繊維41は、組糸11の長さ方向に沿っている。1本の組糸11を構成する繊維束42に集束された強化繊維41の繊維数は、特に限定されるものではなく、例えば、3000本、6000本、9000本、12000本、15000本、18000本、24000本のものを適宜用いることができる。また、繊維束42に集束された繊維41の繊度は、特に限定されるものではなく、例えば、615g/km、1230g/km等のものを適宜用いることができる。また、組糸11におけるマトリクス樹脂43の含有率も特に限定されるものではなく、20〜50%のものを適宜用いることができる。
組糸11を構成するマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS)樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられるが、特にエポキシ樹脂が好ましい。強化繊維としては、炭素繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維、チラノ繊維、アモルファス繊維等が挙げられるが、特に炭素繊維が好ましい。
図2(a)に示す組糸層10は、シャフト2の軸線に対して左右対称の配向角度を有する2種類の組糸11(傾斜糸21、22)と、シャフト2の軸線に対して0゜の配向角度を有する組糸11(中央糸23)とにより構成されている。また、図2(b)に示す組糸層10は、シャフト2の軸線に対して左右対称の配向角度を有する2種類の組糸11(傾斜糸31、32)のみにより構成されている。ここでは、中央糸23を有する3軸の組糸層10が、本発明における調整用組糸層12であり、中央糸を有しない2軸の組糸層10が、本発明における補強用組糸層13である。
中央糸23を有する調整用組糸層12は、シャフト2の曲げ剛性や曲げ強度を維持することができる。また、中央糸を有しない補強用組糸層13は、シャフト2のねじり剛性を維持することができる。本実施形態のシャフト2では、調整用組糸層12が外側に複数層積層され、補強用組糸層13が調整用組糸層12の内側に複数層積層されている。しかし、この構成に限定されるものではなく、調整用組糸層12の外側に、さらに補強用組糸層13が配置される構成としてもよい。
調整用組糸層12では、編み込まれた中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数を変更されることにより、シャフト2の硬さが適宜調整されている。同じゴルフシャフトシリーズに属するシャフト2において、硬いシャフト2の方が、中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数が多くなるように設定されている。例えば、同じゴルフシャフトシリーズに属する同一番手のシャフト2で、「Rフレックス」のシャフト2と、「SRフレックス」のシャフト2とを比較すると、中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数が、「SRフレックス」のシャフト2の方が、「Rフレックス」のシャフト2より多くなるように設定されている。
次に、シャフト2の製造方法について、説明する。
本実施形態では、組糸層10を形成する組糸11は、すべて同一のものを使用する。つまり、調整用組糸層12を構成する傾斜糸21、22及び中央糸23、補強用組糸層13を構成する傾斜糸31、32として、同一の組糸11を使用する。
まず、シャフト2の内側層となる補強用組糸層13となる部分を形成するために、傾斜糸31、32をマンドレルの軸線に対して左右対称の配向角度を有するように編み組みする。例えば、補強用組糸層13を、8本の傾斜糸31、32で編み組みする場合、同一の組糸11が巻かれた8本のパイプを編組装置の所定位置にセットし、編組装置を駆動させて順次編み組んでいく。
中央糸を有しない補強用組糸層13は、シャフト2にねじり剛性を付与することができるが、ねじり剛性を好適なものとするためには、シャフト2の軸線に対する傾斜糸31、32の配向角度を、概ね±45゜とすることが好ましい。概ね±45゜とすることにより、シャフト2のねじれを抑えることができ、打球の方向性を安定させることができる。本実施形態の補強用組糸層13は、複数層積層されているが、補強用組糸層13が複数層存在する場合は、その一部の補強用組糸層13を形成する傾斜糸31、32の配向角度を、概ね±30゜〜±60゜の範囲で適宜設定することができる。
次に、補強用組糸層13となる部分の外側に、傾斜糸21、22をマンドレルの軸線に対して左右対称の配向角度を有するようにするとともに、中央糸23をマンドレルの軸線に対して0゜となるように編み組みして、調整用組糸層12となる部分を形成する。
中央糸23を有する調整用組糸層12は、シャフト2に曲げ剛性や曲げ強度を付与することができるが、曲げ剛性や曲げ強度を好適なものとするためには、シャフト2の軸線に対して傾斜糸21、22の配向角度を、概ね±10゜〜±30゜とすることが好ましい。本実施形態の調整用組糸層12は、複数層積層されているが、調整用組糸層12が複数層存在する場合は、その一部の調整用組糸層12において、傾斜糸21、22の配向角度を±45゜とすることで、曲げ剛性とねじり剛性を調整することができる。
続いて、複数層の補強用組糸層13となる部分と、複数層の調整用組糸層12となる部分が積層された積層体を加熱炉内に投入して積層体を加熱する、この際、積層体の外周に形状保持のための収縮性のテープを巻回しておくとよい。加熱炉内から取り出して放熱後、外周に巻回されたテープを取り外す。これにより、内側に2軸の補強用組糸層13が複数層積層され、外側に3軸の調整用組糸層12が複数層積層されたシャフト2が得られる。
次に、硬さが異なる複数のシャフト2を備えたゴルフシャフトシリーズの製造方法、具体的には、同じゴルフシャフトシリーズで、同一番手のゴルフクラブ1に装着される複数のシャフト2の硬さを調整する方法について説明する。例えば、「Rフレックス」として販売されるゴルフクラブ1に装着されるシャフト2(以下、シャフト2Aという。)と、「SRフレックス」として販売されるゴルフクラブ1に装着されるシャフト2(以下、シャフト2Bという。)とで、シャフト2の硬さを変える方法について説明する。
同一番手のゴルフクラブ1でシャフト2の硬さを調整するには、調整用組糸層12に編み込まれた中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数を変更することのみにより行うことができる。調整用組糸層12を形成する組糸11、つまり、調整用組糸層12を構成する傾斜糸21、22及び中央糸23に同一の組糸11を使用している本実施形態では、同じゴルフシャフトシリーズに属する同一番手のシャフト2A、シャフト2Bで、中央糸23の本数のみを変えて編み組みすればよい。これにより、中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数を、硬さの異なるシャフト毎に容易に変えることができる。
具体的には、同じゴルフシャフトシリーズに属するシャフト2において、硬いシャフト2の方が、中央糸23を構成する繊維束の繊維の総本数が多くなるように、硬いシャフト2の方が、中央糸23の本数が多くなるように設定する。例えば、「Rフレックス」のシャフト2Aと、「SRフレックス」のシャフト2Bとを比較すると、中央糸23の本数が、シャフト2Bの方がシャフト2Aより多くなるようにして編み組みする。編み組みの際には、傾斜糸21、22の本数、及び配向角度については、シャフト2A、シャフト2Bですべて同一とする。
このようにして、中央糸23の本数のみをシャフト2A、シャフト2Bで異なるようにし、他の構成はすべて同一とした調整用組糸層12を同じ層数積層する。この場合、中央糸23は、調整用組糸層12の各層において、その本数を変更してもよく、或いは、中央糸23の本数が同じ層が存在してもよい。複数層の調整用組糸層12全体での中央糸23の本数が、シャフト2A、シャフト2Bで異なるようにすればよい。
なお、調整用組糸層12で、複数のシャフト2の間でのシャフト2の硬さを調整するために、中央糸23の本数が0本となって中央糸を有しなくなった場合も、同じゴルフシャフトシリーズ間の同一番手のシャフト2同士で対応する調整用組糸層12との関係において、補強用組糸層13ではなく調整用組糸層12というものとする。
内側層の補強用組糸層13は、シャフト2A、シャフト2Bともに、すべて同一の構成とする。つまり、それぞれ同一の傾斜糸31、32を同じ本数使用して、同じ配向角度で同じ層数積層する。
このように、本実施形態では、調整用組糸層12及び補強用組糸層13を構成する組糸11として同一のものを使用し、同じゴルフシャフトシリーズの硬さの異なる同一番手のシャフト2A、シャフト2Bで、それぞれ調整用組糸層12の中央糸23の本数のみが異なるようにして、調整用組糸層12の中央糸23の本数以外の構成はすべて同一としている。
本実施形態のゴルフシャフトシリーズの作用について説明する。
シャフト2の調整用組糸層12に配置された中央糸23の繊維の本数が、シャフト2の曲げ剛性、曲げ強度を調整するように作用する。
また、補強用組糸層13に配置された傾斜糸31、32は、シャフト2のねじり剛性を維持するように作用し、調整用組糸層12に配置された傾斜糸21、22は、シャフト2の曲げ剛性、曲げ強度を維持するように作用する。
調整用組糸層12に配置された中央糸23の繊維の本数の変更により、シャフト2の硬さを変更しつつ、調整用組糸層12に配置された傾斜糸21、22及び補強用組糸層13に配置された傾斜糸31、32の構成を同一にすることは、硬さの異なるシャフト2間でのしなり具合が統一されるように作用する。
本実施形態のゴルフシャフトシリーズによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シャフト2の硬さを、調整用組糸層12の中央糸23に集束された繊維の総本数を変えるだけで容易に調整することができる。これにより、同じゴルフシャフトシリーズの中の同一番手の異なる硬さのシャフト2を容易に製造することができる。
(2)異なる硬さのシャフト2では、調整用組糸層12の中央糸23の繊維数が異なるのみであり、他の構成は同一である。つまり、調整用組糸層12の傾斜糸21、22の繊維数や配向角度等、補強用組糸層13のすべての構成が同一であることから、硬さが異なるシャフト2であっても、それぞれのしなり具合を統一させることができる。また、シャフトに要求される曲げ強度、ねじり剛性、ねじり強度等の各特性も、統一させることができる。
(3)本実施形態では、調整用組糸層12を構成する中央糸23を、硬さの異なるシャフト2間で同一のものを使用した。これにより、中央糸23を構成する繊維の総本数の違いを、中央糸23の本数で実現することができる。シャフト2の硬さの調整を容易に行うことができる。また、複数の中央糸23を用意する必要がなくなり、中央糸23の材料管理上も有利である。
(4)本実施形態では、組糸層10(調整用組糸層12及び補強用組糸層13)を構成する組糸11を、硬さの異なるシャフト2間ですべて同一のものを使用した。組糸11すべてが同一であるため、シャフト2の硬さが異なるものを製造する際に、すでに編組装置にセットされた組糸11を交換する必要がなく、その作業を簡略化することができる。また、組糸11の材料管理上も有利である。
(5)本実施形態のシャフト2では、調整用組糸層12の内側に複数層の補強用組糸層13が積層されている。そして、硬さの異なるシャフト2間で、補強用組糸層13は同一の構成としている。これにより、シャフトに要求される曲げ強度、ねじり剛性、ねじり強度等の各特性を、異なるシャフト2間で統一させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。また、以下の変更例を適宜組み合わせてもよい。
・本実施形態は、調整用組糸層12に編み込まれた中央糸23を構成する繊維束42の繊維41の総本数を変更するために、同一の中央糸23を使用して、その本数を変えたが、繊維41の総本数を変更するのは、これに限定されない。シャフト2Aの中央糸23とシャフト2Bの中央糸23とで、繊維束42の繊維41の数が異なるものを使用して、中央糸23の本数を同じにしてもよい。また、繊維束42の繊維41の数が異なるものを使用して、さらに、中央糸23の本数を異なるようにしてもよい。いずれにしても、それぞれの中央糸23を構成する繊維41の総本数が異なるように設定すれば、複数のシャフト2間での硬さを変えることができる。
・本実施形態では、組糸層10に編み込まれる組糸11をすべて同一のものとしたが、これに限定されない。シャフト2を構成する組糸11のそれぞれについて異なるものを使用してもよい。例えば、傾斜糸21と傾斜糸22に異なるものを使用してもよく、傾斜糸31と傾斜糸32に異なるものを使用してもよく、すべての組糸11に異なるものを使用してもよい。この場合であっても、同じゴルフシャフトシリーズの中の硬さの異なるシャフト2の間で、対応する組糸11を同一とする。例えば、シャフト2Aとシャフト2Bで、調整用組糸層12の同じ層の傾斜糸21同士を同一とし、傾斜糸22同士を同一とし、また、補強用組糸層13の同じ層の傾斜糸31同士を同一とし、傾斜糸32同士を同一とする。その上で、調整用組糸層12の中央糸23の繊維束42に集束された繊維41の総本数のみが異なるようにすればよい。
・本実施形態では、補強用組糸層13を内側に配置し、調整用組糸層12を外側に配置したが、これに限定されない。調整用組糸層12を内側に配置し、補強用組糸層13を外側に配置してもよい。或いは、調整用組糸層12の内外に補強用組糸層13を配置してもよい。
・本実施形態のシャフト2では、複数の補強用組糸層13を内側に配置し、複数の調整用組糸層12を外側に配置したが、それぞれ単層の構成としてもよい。補強用組糸層13と単層としてもよく、調整用組糸層12を単層としてもよく、或いは、補強用組糸層13及び調整用組糸層12をともに単層としてもよい。また、調整用組糸層12の外側にさらに補強用組糸層13を配置する場合にも、外側の補強用組糸層13を単層又は複数層とすることができる。
・本実施形態では、補強用組糸層13を傾斜糸31、32のみで構成したが、調整用組糸層12と同様、中央糸が配置された3軸構成としてもよい。
上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)同一番手のゴルフクラブに装着される第1及び第2シャフトを備える繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズであって、前記第1及び第2シャフトは、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して構成された組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備え、前記第1及び第2シャフトにおける前記調整用組糸層の組糸は、シャフトの軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する複数の第1傾斜糸及び複数の第2傾斜糸と、シャフトの軸方向に沿う中央糸を有し、前記第1シャフトの第1傾斜糸を構成する繊維の総本数と、前記第2シャフトの第1傾斜糸を構成する繊維の総本数とが同一であり、前記第1シャフトの第2傾斜糸を構成する繊維の総本数と、前記第2シャフトの第2傾斜糸を構成する繊維の総本数とが同一であり、前記第1シャフトの中央糸を構成する繊維の総本数と、前記第2シャフトの中央糸を構成する繊維の総本数が異なることを特徴とするゴルフシャフトシリーズ。
(ロ)前記第1シャフトにおける前記組糸を構成する繊維束の繊維の本数と、前記第2シャフトにおける前記組糸を構成する繊維束の繊維の本数とは同一であり、前記第1シャフトの第1傾斜糸の本数と、前記第2シャフトの第1傾斜糸の本数とが同一であり、前記第1シャフトの第2傾斜糸の本数と、前記第2シャフトの第2傾斜糸の本数とが同一であり、前記第1シャフトの中央糸の本数と、前記第2シャフトの中央糸の本数が異なる前記(イ)記載のゴルフシャフトシリーズ。
(ハ)同一番手のゴルフクラブに装着されるとともに、組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備える第1及び第2シャフトを有する繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズの製造方法であって、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して形成される第1傾斜糸、第2傾斜糸、及び中央糸からなる前記組糸を、芯材に巻き付けて、該芯材の軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する前記第1傾斜糸及び第2傾斜糸と、該芯材の軸方向に沿う前記中央糸とを編み込んでなる組糸層を複数層形成する組糸層形成工程を備え、前記第2シャフトの前記組糸層形成工程において、前記第1傾斜糸を構成する繊維の総本数を前記第1シャフトの同本数と同じ本数に設定し、前記第2傾斜糸を構成する繊維の総本数を前記第1シャフトの同本数と同じ本数に設定し、前記中央糸を構成する繊維の総本数を前記第1シャフトの同本数と異なる本数に設定することを特徴とするゴルフシャフトシリーズの製造方法。
以下に、上記の実施形態を具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
組糸層10を構成する組糸11としては、調整用組糸層12の傾斜糸21、22、及び中央糸23、補強用組糸層13の傾斜糸31、32のすべてについて、UT−500(東邦テナックス株式会社製)を使用した。これは、繊維束に集束されている繊維の本数が、12000本、繊維の繊度が、1230g/km、樹脂含有率が、38%±3%のエポキシ樹脂含有炭素繊維束である。組糸層10は、5層構成とし、内側の2層が中央糸を有しない補強用組糸層13、外側の3層が中央糸を有する調整用組糸層12とした。
同じゴルフシャフトシリーズに属する同一番手のシャフトで、シャフト硬さが、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のものを作成した。作成した各シャフトにおいて、第1層から第5層を構成する傾斜糸及び中央糸の本数、及び組糸11の配向角度は、表1に示すとおりである。表中では、「Sフレックス」を単に「S」、「SRフレックス」を「SR」、「Rフレックス」を「R」と記載している。
補強用組糸層13の傾斜糸31,32の本数、及び配向角度は、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフトで同一とした。また、調整用組糸層12の傾斜糸21、22の本数、及び配向角度も、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフトで同一とした。一方、調整用組糸層12の中央糸23については、同じUT−500を用いて、その本数を「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」間で変更した。最も硬い「Sフレックス」では、第3層で4本、第4層で8本、第5層で8本と設定したのに対し、次に硬い「SRフレックス」では、第3層の中央糸23を4本減らし、「Rフレックス」では、さらに第5層の中央糸23を4本減らした。
(シャフトの曲げ剛性の測定方法)
このようにして作成された「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」の各シャフト2について、シャフト2の軸線方向の各部位における曲げ剛性を測定した。各シャフト2につき、最も径の細い先端側から最も径の太い手元側にかけて、軸線方向に20mmきざみの位置でそれぞれ曲げ剛性を測定した。測定方法は、特開平11−178952号公報(段落[0022]〜[0028])記載の方法に準じて行った。
その結果を、図3に示す。「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフト2において、先端側から手元側まで、曲げ剛性の変化が同様の挙動を示した。これにより、調整用組糸層12の中央糸23の本数のみを変えてその硬さを調整した各シャフト2では、しなり具合が統一されていることがわかった。シャフトを構成する調整用組糸層12の中央糸23の本数のみを変更することで、シャフトのしなり具合を統一しつつ、シャフト硬さを容易に調整することができる。このようにして調整されたシャフトを備えた複数のゴルフクラブを使用してゴルファーが試打した場合、それぞれのゴルフクラブのしなり具合に対する違和感が軽減される。
(シャフトの曲げ強度試験)
実施例1で作成された「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」の各シャフト2について、シャフト2の軸線方向の各部位における曲げ強度を測定した。各シャフト2につき、最も径の細い先端部、先端部から300mm付近、先端部から600mm付近、及び最も径の太い手元部(後端部)のそれぞれの部位で曲げ強度試験を行った。
曲げ強度試験は、シャフトの長さ方向の両端を支持台の上に置き、所定の付加速度の加圧くさびによって支持台間の中心部に荷重をかけ、破壊荷重を読み取る「三点曲げ試験」により行った。測定条件は、加圧くさびの半径が75mm、支持台の半径が12.5mm、負荷速度が20mm/minで行った。その結果を図4に示す。ここでの「シャフト先端部」とは、加圧くさびを、最も径の細いシャフト先端部より90mmの位置に設定して曲げ強度を測定したものである。「300mm付近」とは、加圧くさびを、シャフト先端部より300mmの位置に設定して曲げ強度を測定したものである。「600mm付近」とは、加圧くさびを、シャフト先端部より600mmの位置に設定して曲げ強度を測定したものである。そして、「シャフト後端部」とは、最も径の太い手元側で、加圧くさびを、シャフト後端部より175mmの位置に設定して曲げ強度を測定したものである。なお、支持台間の距離である支点間距離は、「シャフト先端部」の測定時のみ150mmとし、他の3箇所での測定時には300mmに設定した。
曲げ強度試験の基準値に関しては、製品安全協会が定める試験とは異なるため、一概に比較はできないが、その基準に対して、2〜3倍の安全率を加味した出願人独自の基準値を設けている。この基準値は、シャフト折損クレームの多少を加味したものであり、この試験方法・基準値を採用するようになってからは、シャフト折損クレームが極端に減少したという実績がある。
図4の結果によれば、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフト2において、シャフト2に要求される曲げ強度の基準値に対して、30〜80%程度、高い値が得られた。調整用組糸層12で中央糸23の本数を減少させたことによる強度低下は見られず、いずれの部位においても、その曲げ強度は基準値を大きく上回るものであった。
(実施例2)
実施例2では、組糸層10を4層構成とし、内側の2層が中央糸を持たない補強用組糸層13、外側の2層が中央糸を持つ調整用組糸層12とした点が、実施例1とは相違している。組糸層10を構成する組糸11は、実施例1と同様、すべてUT−500(東邦テナックス株式会社製)を使用した。作成した「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」の各シャフトにおいて、第1層から第4層を構成する傾斜糸及び中央糸の本数、及び組糸11の配向角度は、表2に示すとおりである。
補強用組糸層13の傾斜糸31,32の材質、本数、及び配向角度は、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフトで同じとした。また、調整用組糸層12の傾斜糸21、22の材質、本数、及び配向角度も、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフトで同じとした。一方、調整用組糸層12の中央糸23は、最も硬い「Sフレックス」では、第3層で8本、第4層で8本と設定したのに対し、次に硬い「SRフレックス」では、第4層の中央糸23を4本減らし、「Rフレックス」では、さらに第4層の中央糸23を4本減らして0本とした。
実施例2で作成された各シャフト2について、軸線方向の各部位における曲げ剛性を測定したところ、「Sフレックス」、「SRフレックス」、「Rフレックス」のすべてのシャフト2において、先端側から手元側まで、曲げ剛性の変化が同様の挙動を示した。調整用組糸層12の中央糸23の本数のみを変えてその硬さを調整した各シャフト2で、しなり具合が統一されていた。
1…ゴルフクラブ、2…シャフト、11…組糸、12…調整用組糸層、13…補強用組糸層、21…傾斜糸、22…傾斜糸、23…中央糸、31…傾斜糸、32…傾斜糸、41…繊維、42…繊維束、43…樹脂。

Claims (6)

  1. 同一番手のゴルフクラブに装着される第1及び第2シャフトを備える繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズであって、
    前記第1及び第2シャフトは、複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して構成された組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備え、
    前記第1及び第2シャフトにおける前記調整用組糸層の組糸は、シャフトの軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する複数の第1傾斜糸及び複数の第2傾斜糸と、シャフトの軸方向に沿う中央糸を有し、
    すべての前記中央糸は、前記シャフトの全長に亘って設けられ、
    前記第1及び第2シャフトの前記調整用組糸層に用いられる前記組糸は、すべて同一であり、
    前記第1シャフトの前記第1傾斜糸の本数と、前記第2シャフトの前記第1傾斜糸の本数が同じであり、前記第1シャフトの前記第2傾斜糸の本数と、前記第2シャフトの前記第2傾斜糸の本数が同じであり、前記第1シャフトの前記中央糸本数と、前記第2シャフトの前記中央糸本数が異なることを特徴とするゴルフシャフトシリーズ。
  2. 前記第1シャフトの前記中央糸と、前記第2シャフトの前記中央糸とは同一であり、
    前記第1シャフトの中央糸の本数と、前記第2シャフトの中央糸の本数が異なることを特徴とする請求項1記載のゴルフシャフトシリーズ。
  3. 前記第1及び第2シャフトの前記調整用組糸層に用いられる前記組糸は、すべて同一であることを特徴とする請求項2記載のゴルフシャフトシリーズ。
  4. 前記第1及び第2シャフトは、前記調整用組糸層の内側及び外側の少なくとも一方、若しくは両方に配置されるとともに、シャフトの軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有するように前記組糸を編み込んでなる単層又は複数層の補強用組糸層を備え、
    前記補強用組糸層は、第1及び第2シャフトで同一である請求項3記載のゴルフシャフトシリーズ。
  5. 同一番手のゴルフクラブに装着されるとともに、組糸を編み込んでなる調整用組糸層を備える第1及び第2シャフトを有する繊維強化樹脂製のゴルフシャフトシリーズの製造方法であって、
    複数本の繊維からなる繊維束に樹脂を含浸して形成される前記組糸を芯材に巻き付けて、該芯材の軸方向に対し左右対称の傾斜角度を有する第1傾斜糸及び第2傾斜糸と、該芯材の軸方向に沿う中央糸とを編み込んでなる組糸層を複数層形成する組糸層形成工程を備え、
    前記組糸層形成工程では、前記第1及び第2シャフトの前記組糸層をすべて同一の前記組糸を使用して編み込むとともに、すべての前記中央糸が前記第1及び第2シャフトの全長に亘って設けられるように編み込み、
    前記第2シャフトの前記組糸層形成工程において、前記第1傾斜糸の本数を前記第1シャフトの前記第1傾斜糸の本数と同じ本数に設定し、前記第2傾斜糸の本数を前記第1シャフトの前記第2傾斜糸の本数と同じ本数に設定し、前記中央糸の本数を前記第1シャフトの前記中央糸の本数と異なる本数に設定することを特徴とするゴルフシャフトシリーズの製造方法。
  6. 前記組糸層形成工程は、調整用組糸層形成工程と補強用組糸層形成工程を備え、
    前記調整用組糸層形成工程は、前記第1傾斜糸、前記第2傾斜糸、及び前記中央糸を編み込んでなる調整用組糸層を形成するものであり、
    前記補強用組糸層形成工程は、前記第1傾斜糸及び前記第2傾斜糸を編み込んでなる補強用組糸層を形成するものであり、
    前記第2シャフトの前記調整用組糸層形成工程において、前記第1傾斜糸の本数を前記第1シャフトの前記第1傾斜糸の本数と同じ本数に設定し、前記第2傾斜糸本数を前記第1シャフトの前記第2傾斜糸の本数と同じ本数に設定し、前記中央糸本数を前記第1シャフトの前記中央糸の本数と異なる本数に設定し、
    前記第2シャフトの前記補強用組糸層形成工程において、前記第1傾斜糸の本数を前記第1シャフトの前記第1傾斜糸の本数と同じ本数に設定し、前記第2傾斜糸本数を前記第1シャフトの前記第2傾斜糸の本数と同じ本数に設定する請求項5記載のゴルフシャフトシリーズの製造方法。
JP2014200711A 2014-09-30 2014-09-30 ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法 Active JP6559408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014200711A JP6559408B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014200711A JP6559408B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016067635A JP2016067635A (ja) 2016-05-09
JP6559408B2 true JP6559408B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=55863483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014200711A Active JP6559408B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6559408B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6746561B2 (ja) 2015-03-24 2020-08-26 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3807772B2 (ja) * 1996-03-22 2006-08-09 美津濃株式会社 繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフト
US5961395A (en) * 1997-03-10 1999-10-05 You; Chin-San Golf club
JP2002177423A (ja) * 2000-12-12 2002-06-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブシャフトシリーズ
JP2009219715A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴルフクラブ用シャフト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016067635A (ja) 2016-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5080886B2 (ja) ゴルフクラブシャフト
US20060211512A1 (en) Golf club shaft having multiple metal fiber layers
JP2007135963A (ja) ゴルフクラブ用シャフト
JP2008271875A (ja) 管状体
JP5577280B2 (ja) 管状体
US9463362B2 (en) Golf club and shaft
JP6559408B2 (ja) ゴルフシャフトシリーズ及びゴルフシャフトシリーズの製造方法
JP2003190341A (ja) ゴルフクラブシャフト
JP2013116208A (ja) ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブ
JP5677354B2 (ja) ゴルフクラブ用シャフト
JP2007185253A (ja) ゴルフクラブシャフト
KR101701467B1 (ko) 골프클럽 샤프트 및 이를 구비한 골프클럽
US20230077188A1 (en) Sports equipment with wound fiber
JP5426909B2 (ja) 管状体
KR20180008421A (ko) 골프 클럽 샤프트
JP5832221B2 (ja) 釣り竿
JP6715752B2 (ja) ゴルフクラブ用シャフト
JP2009189554A (ja) ゴルフクラブ用シャフト
JP6060724B2 (ja) 繊維強化プラスチック製シャフト
JP6482841B2 (ja) ゴルフクラブ用シャフト及びゴルフクラブ用シャフトの製造方法
JP2012090730A (ja) ゴルフクラブ用シャフトセット及びアイアンセット
JP4414815B2 (ja) 管状体
JP2018171391A (ja) パター用ゴルフシャフト
JP5542612B2 (ja) ゴルフクラブ用シャフトセット及びアイアンセット
JP2023091611A (ja) シャフト及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6559408

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250