JP2007135811A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドとシャフトの組み合わせにおいて、軽量性を維持しながら、打球方向性および飛距離を向上させる。
【解決手段】ヘッド14の重心位置14Gからシャフト軸線18までの距離Lが30mm以上40mm未満であって、かつ、シャフト11のヘッド側先端12から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性分布が1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満であり、グリップ側後端13から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性分布が2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満であるゴルフクラブ。
【選択図】図5

Description

本発明は、ゴルフクラブに関し、特に、軽量性を維持しながら、打球方向性および飛距離の向上を図るものである。
近年、打球の速度向上、安定性向上のため、ゴルフクラブシャフトは軽量化を図る傾向にある。そのため、ゴルフクラブシャフトの材料は、軽量で、比強度、比剛性の高いカーボンプリプレグ等の繊維強化樹脂が主流となっている。特に、カーボンシャフトは、カーボン繊維の弾性率、配向角度を調節することにより、剛性分布やトルク分布を多様に変更できる点に特徴がある。
一方、ヘッドについても、材料の進化によりチタン合金製ヘッドなどの軽量ヘッドが開発され、重量増加を抑制しながらヘッド体積を大きくすることが可能となったことから、ヘッドの大型化が進んでいる。大型ヘッドは、従来の体積の小さいヘッドに比べ、ヘッドの左右の慣性モーメントが増大し、インパクト時にヘッドが安定するため、打球方向性が安定すると共に、高反発エリアが拡大し、オフセンターで打つ可能性が低くなるため、飛距離ロスが減る点等に長所があり、最近の主流となっている。
しかしながら、近年のルール規定により、ヘッドの高反発化に上限が設けられ、さらなる飛距離増大が大変困難となっている。そこで、飛距離よりも方向性の良くゴルフクラブの開発が重要になってきており、打球が左右方向にブレて飛行することによる飛距離ロスを低減し、目的とする方向に真っすぐに飛ばすことができるような設計が必要になってきている。
この種の打球方向性の改善するための手法としては、一般に、シャフトの捩れ剛性や曲げ剛性を高め、スイング中のヘッドの軌道を安定させる方法が用いられている。
例えば、特開平8−131588号(特許文献1)では、図9に示すように、繊維の配向角をシャフト軸線に対して傾斜させたバイアス層2をシャフト1の外周側に配置することにより、シャフト1の捩れ剛性を高めると共に、前記バイアス層2の内周側に繊維の配向角をシャフト軸線に対して平行としたストレート層3を配置し、該ストレート層3の内周側に、繊維の配向角をシャフト軸線に対して直交させたフープ層4を配置することにより、ストレート層3がフープ層4に拘束され、シャフト1の曲げ剛性を効果的に高めることができるとしている。
また、特開平11−76479号(特許文献2)では、ゴルフクラブ長さ、ヘッドのネック長、シャフト先端部の曲げ剛性および捩れ剛性を設定することで、インパクト直前のブロー角と方向性を改善できるとしている。
しかしながら、実際のゴルフクラブの打球方向性は、シャフトの捩れ剛性や曲げ剛性のみでなく、ヘッドの諸元物性にも左右される。特に、近年のように、クラブの軽量化とヘッドの大型化が進む傾向のなかでは、ヘッドとの組み合わせにおけるシャフト設計が重要となる。これに対し、前記いずれの従来例も、シャフトの曲げ剛性や捩れ剛性について考慮されているが、ヘッドの諸元物性との組み合わせにおける観点での考慮がなされていない。
特開平8−131588号公報 特開平11−76479号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、ヘッドとシャフトとの組み合わせにおいて、軽量性を備えると共に、優れた打球方向性と飛距離が得られるゴルフクラブの提供を課題としている。特に、本発明では、スイング中のヘッドのブレを減少し、インパクト時におけるヘッドのフェース面をタイミング良く返るように安定させ、インパクト時におけるグリップ側の操作性を高めと共に衝撃を抑制してフィーリング性を高めることを課題としている。
前記課題を解決するために、第一の発明として、繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
前記ヘッドは、その重心位置からシャフト軸線までの距離が30mm以上40mm未満であり、
前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布させ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブを提供している。
前記ヘッドの重心位置からシャフト軸線までの距離(以下、重心距離と称す)とは、シャフト軸線の延長線に対して、重心位置から垂線を下した時の垂線の寸法である。
第一の発明のゴルフクラブでは、ヘッドとシャフトの組み合わせにおいて、シャフトの捩れ剛性分布とヘッドの重心距離とを特定して組み合わせ、これにより、インパクト時にヘッドのフェース面がタイミングよく返り、ボールのつかまりを良くして、打球方向性と飛距離を向上させると共に、打球感もソフトで良好なものとしている。
重心距離は、従来は一般的に35mm〜50mmであるが、本発明では該重心距離を小さくし、ヘッド重心位置をシャフト軸線方向へ近接させている。
また、シャフトのヘッド側先端から400mmの範囲の捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満と従来よりも捩れ剛性を高めている。
この重心距離を小さくすると共にベッド側の捩れ剛性を高めることで、インパクト時にヘッドのフェース面をタイミングよく返るようにして、ボールへの捕捉性能を高め、ボールが真っすぐに飛ぶようにしている。
一方、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満と従来よりは捩れ剛性を低めることで、インパクト時におけるグリップ側の操作性を高めると共に衝撃を抑制してフィーリング性を高めている。
また、ヘッドの返りに影響する重心距離(ヘッドの重心位置からシャフト軸線までの距離)を斟酌することにより、シャフトの捩れ剛性の分布を、より精密に無駄なく設計している。これにより、特に繊維強化樹脂製シャフトの場合は、打球方向性および飛距離の向上に効果の少ない箇所のバイアス層や繊維量を削減でき、シャフトの重量増大を抑制することができる。
さらに、余剰となった重量分でヘッドに重量物を装着し、通常のヘッドよりも、ヘッド重心位置とシャフト軸線との距離を近接させることができる。
ヘッドの重心位置からシャフト軸線までの重心距離を30mm以上40mm未満としているのは、30mm未満ではインパクト時にヘッドが返りすぎ、40mm以上ではヘッドの返りが遅すぎることに因る。いずれの場合も、ヘッドを最適なタイミングで返らせるためにシャフト先端部の捩れ剛性を高くする必要が生じる。特に、繊維強化樹脂製シャフトの場合は、捩れ剛性を高くするためにバイアス層を増加する必要があるが、その分、ストレート層やフープ層の比率が低下して強度低下を招くこととなるため、捩れ剛性の上限を。3.0kg・mm未満としている。
ヘッドの重心位置からシャフト軸線までの距離は、さらに、32mm以上、特に35mm以上が好ましい。
シャフトのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲に分布させているのは、1.2kg・mm未満では、シャフト先端が捩れ易いために、インパクト時にヘッドの返りが遅く、打球方向性が悪くなる。
一方、3.0kg・mm以上ではシャフト先端が捩れ難いために、打感が硬くなると共に、前記したように、バイアス層の比率増大により強度低下を招くことになる。
このヘッド側先端から長さ方向に400mmの範囲の捩れ剛性は、さらに、下限は1.4kg・mm、特に1.6kg・mm以上が好ましく、上限は2.8kg・mm未満、特に2.6kg・mm未満が好ましい。
グリップ側の捩れ剛性は従来は3.5kg・mm以上であるが、本発明では、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させ、従来よりは低くしている。
グリップ側の捩れ剛性を前記範囲とているのは、2.5kg・mm未満ではインパクト時に手元で捩れ易く、操作性が悪くなることに因る。一方、3.5kg・mm以上では、手元が硬く感じられ、フィーリングが悪化すると共に、バイアス層の比率増大により強度低下を招くことになる。
このグリップ側後端から長さ方向に300mmの範囲の捩れ剛性は、さらに、2.7kg・mm以上3.3kg・mm未満、特に、2.8kg・mm以上3.2kg・mm未満が好ましい。
また、第二の発明として、繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
前記ヘッドは、その左右の慣性モーメントが3000g・cm以上4500g・cm未満であると共に、該ヘッドの体積が380cc以上460cc未満であり、
前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布さえ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブを提供している。
第二の発明のゴルフクラブでは、ヘッドとシャフトの組み合わせにおいて、シャフトの捩れ剛性分布とヘッドの左右の慣性モーメントとヘッド体積を特定して組み合わせ、これにより、スイング中のヘッドのブレを減少し、インパクト時のヘッドを安定させ、打球方向性および飛距離が向上すると共に、打感も硬すぎず良好なものとしている。
ヘッドの左右の慣性モーメントは、通常は2800g・cm〜3500g・cmであるが、本発明の左右の慣性モーメントは3000g・cm以上4500g・cm未満と大きくしている。また、ヘッド体積は通常200cc〜420ccであるが、本発明では、380cc以上460cc未満と大きくしている。
シャフトのヘッド側先端から400mmの範囲の捩れ剛性と、グリップ側後端から300mmの範囲の捩れ剛性とは、第一の発明と同一範囲としている。
左右の慣性モーメントと体積とを前記範囲に特定したヘッドと、捩れ剛性分布を前記範囲に特定したシャフトとの組み合わせることで、前記したように、スイング中のヘッドのブレを減少させ、インパクト時のヘッドを安定させ、かつ、打球方向性および飛距離を向上させると共に、打感も硬すぎず良好なものとしている。
また、スイング中のヘッドのブレや、インパクト時のヘッドの安定性に影響する、ヘッドの左右の慣性モーメントおよびヘッド体積を考慮することで、シャフトの捩れ剛性分布をより精密に無駄なく設計できる。これにより、特に、繊維強化樹脂製シャフトの場合は、打球方向性および飛距離の向上に効果の少ない箇所のバイアス層や繊維量を削減でき、シャフトの重量増大を抑制することができる。
さらに、余剰となった重量分で、通常のヘッドよりもヘッド体積を大きくし、ヘッドの左右慣性モーメントも大きくすることができる。
ヘッドの左右の慣性モーメントを3000g・cm以上4500g・cm未満とするのは、3000g・cm未満では、インパクト時にヘッドが安定しないために打球方向性も安定しない一方、4500g・cm以上では、ヘッドの返りが遅く、やはり打球方向性が安定しないことに因る。
このヘッドの左右の慣性モーメントは、下限は3300g・cm以上がより好ましく、特に3600g・cm以上が好ましい。上限は4500g・cm未満がより好ましく、特に4500g・cm未満が好ましい。
ヘッド体積を380cc以上460cc未満としているのは、380cc未満ではヘッドの左右慣性モーメントが低く、インパクト時のヘッドの安定性も低くなるうえ、高反発領域も狭くなる。一方、460cc以上では、所定のヘッド重量とするには肉厚が薄くなり、ヘッド割れを起こす恐れがあるためである。
シャフトのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性分布を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満とし、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性分布を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満とする理由は、第一の発明で記載したとおりである。
さらに、第三の発明として、繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
前記ヘッドは、その重心位置からシャフト軸線までの距離が30mm以上40mm未満で、該ヘッドの左右の慣性モーメントが3000g・cm以上4500g・cm未満で、かつ、該ヘッドの体積が380cc以上460cc未満であり、
前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布させ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブを提供している。
前記第三の発明のゴルフクラブは、第一の発明と第二の発明のゴルフクラブの両方の特徴を備えたもので、ヘッドは重心距離、体積および左右の慣性モーメントと特定し、シャフトは第一と第二の発明と同様にシャフトのヘッド側とグリップ側の捩れ剛性を特定している。それによって、スイング中のブレを抑制し、インパクト時のヘッドのフェース面をタイミング良く返るようにしてインパクト時の安定性を高め、その結果、ボールが真っすぐに飛ぶようにして、飛行方向と飛距離の向上を図り、かつ、グリップ側では打球時のフィーリングをソフトにしている。
前記ヘッドの重心位置とシャフト軸線との距離(重心距離)を短くする手法として、例えば、ヒール側にネジ穴を設け、該ネジ穴にネジ状の重量物をねじ込んで取り付ける等によりヒール側を重くしている。一方、重心距離を長くする方法としては、例えば、トウ側にネジ穴を設け、該ネジ穴にネジ状の重量物をネジこんで取り付けている。本発明ではヒール側の重量が大きくなる手法を採用して、重心距離を短くしている。
前記ヘッドの左右の慣性モーメントを小さくする手法としては、例えば、ソールあるいはクラウン部の中央部を重くする一方、左右の慣性モーメントを大きくする手法としては、ヒール側あるいはトウ側を重くする方法が採用される。本発明ではヒール側を重くする手法を採用し、左右の慣性モーメントを大きくしている。
シャフトの捩れ剛性を小さくする手法は、シャフト先端側、グリップ側のいずれにおいても、下記の手法を単独あるいは組み合わせている。
1) 当該箇所に、繊維の配向角が±45度のバイアス層を形成しない。
2) 当該箇所の繊維の配向角を±45度よりも小さくする、または大きくする。
3) 当該箇所のバイアス補強層の繊維弾性率を低弾性にする。
4) 当該箇所のバイアス補強層の繊維目付け量を小さくする。
5) 当該箇所のバイアス補強層の樹脂含有率を大きくする。
一方、シャフトの捩れ剛性を大きくする手法は、シャフト先端側、グリップ側のいずれにおいても、下記の手法を単独あるいは組み合わせている。
1) 当該箇所のバイアス補強層の繊維弾性率を高弾性にする。
2) 当該箇所のバイアス補強層の繊維目付け量を大きくする。
3) 当該箇所のバイアス補強層の樹脂含有率を小さくする。
シャフト長さは、44インチ以上46.5インチ未満が好ましい。これは、44インチ未満のシャフトでは、ヘッドスピードが上がらないため飛距離が伸びず、46.5インチ以上では、長すぎて振りづらく、ヘッドセンターでのミート率も下がり、飛距離ロスを生じやすいことに因る。
本発明のゴルフクラブは、ウッド型ヘッド、特にドライバーヘッドのような大型ヘッドを備えたゴルフクラブに好適に適用できるが、ヘッド構成については特に限定されず、本体とフェースパーツからなる2ピース構造、本体とフェースパーツおよびクラウンパーツからなる3ピース構造、本体とフェースパーツ、クラウンパーツおよびホーゼルパーツとからなる4ピース構造などに適用できる。これらのパーツは、鋳造、鍛造、プレスフォーミングまたはこれらの組み合わせ等によって成形され、溶接、溶着、ロウ付け、拡散接合等によって一体化される。
ヘッドの構成材料についても特に限定されず、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス、マグネシウム合金等の金属材料や繊維強化樹脂等を使用することができる。
本発明を適用しうるシャフト構成については、軽量性と設計自由度の高さから繊維強化樹脂製シャフトが好ましく、シートワインディング製法、フィラメントワインディング製法、内圧成型法等によって成形することができる。
繊維強化樹脂の強化繊維は、比重が小さく弾性率と強度が高いという点からカーボン繊維が好ましいが、その他、一般に高性能強化繊維として使用される繊維が用いられる。例えば、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
前記繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられるが、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
上述したように、第一発明のゴルフクラブは、ヘッドの重心位置からシャフト軸線までの距離、即ち、重心距離を考慮して、シャフトの捩れ剛性を分布することにより、シャフトの重量増大を抑制しながら、ヘッドをタイミングよく返らせてボールを真っすぐに飛ばすことができる。その結果、打球方向の安定性と飛距離を効率よく向上させることができ、かつ、グリップ側の捩れ剛性を適性範囲とすることで打感もソフトで良好なものとすることができる。
また、第二の発明のゴルフクラブでは、ヘッドの左右の慣性モーメントおよびヘッド体積と、シャフトの捩れ剛性とを組み合わせることで、シャフトの重量増大を抑制しながら、スイング中のブレを無くし、インパクト時のヘッドの安定性を高め、打球方向の安定性と飛距離を効率よく向上でき、かつ、グリップ側の捩れ剛性を適性範囲とすることで、打感もソフトで良好なものとすることができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブ10を示す。
このゴルフクラブ10は、繊維強化プリプレグ21〜28の積層体からなるテーパー状の長尺な管状体よりなるシャフト11と、該シャフトのヘッド側先端12に取り付けられたウッド型ヘッド14と、グリップ側後端13に取り付けられたグリップ15とからなる。
シャフト11にヘッド14とグリップ15を取り付けた状態で、クラブ長さを45インチ(114.3mm)としている。シャフト11は、全長を1120mmとし、重量を46gとしている。
前記ヘッド14は、図2に示すように、ホーゼル部14a、フェース部14b、クラウン部14c、ソール部14d、サイドヒール部14e、サイドトウ部14fおよびバック部14gとを有する中空構造よりなり、6AL−4Vチタン製の3ピース構造としている。
このヘッド14は、体積を400ccとし、総重量は、後述の重量物16を含めて295gとしている。
前記ヘッド14の中空内のサイドヒール部14e側には、図3(A)に示すように、重量20gの重量物16を装着している。
詳細には、図3(B)に示すように、ヘッド14の重心位置14Gからホーゼル孔14hに装着するシャフト11の軸線17までの距離L(重心距離L)が33mmとなるように、重量物16を装着している。
前記シャフト11は、図4に示すように、カーボン繊維を引き揃えて樹脂を含浸させた繊維強化製のプリプレグ21〜28をシートワインディング製法により製造している。
即ち、前記プリプレグ21〜28をマンドレル20に順次、内周側から巻きつけて積層した後、ポリエチレンテレフタレート樹脂製等のテープ(図示せず)でラッピングし、これをオーブン中で加熱加圧し樹脂を硬化させて一体的に成形し、マンドレル20を引き抜いてシャフト11を製造している。シャフト11の表面は研磨を行った後、両端をカットして塗装している。
前記繊維強化プリプレグ21〜28はいずれも、強化繊維F21〜F28にエポキシ樹脂を含浸してなるが、前記樹脂にはエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を使用してもよい。
詳しくは、繊維強化プリプレグ21は、長さを200mmとし、幅をヘッド側で3回巻きする幅とし、シャフト11のヘッド側先端領域の補強層を構成している。強化繊維F21はシャフト軸線に対してなす配向角を0°とし、引張弾性率を24t/mmとし、繊維目付け量を125g/mとしている。
繊維強化プリプレグ22は、長さをシャフト11の全長にわたる長さとし、幅をヘッド側で6回巻き、グリップ側で1.5回巻きする幅としている。強化繊維F22は、シャフト軸線に対してなす配向角を−45°とし、引張弾性率を40t/mmとし、繊維目付け量を75g/mとしている。
繊維強化プリプレグ23は、長さをシャフト全長にわたる長さとし、幅をヘッド側で65回巻き、グリップ側で1.5回巻きする幅としている。強化繊維F23は、シャフト軸線に対してなす配向角を+45°とし、引張弾性率を40t/mmとし、繊維目付け量を75g/mとしている。
繊維強化プリプレグ24は、長さを350mmとし、幅をグリップ側で1回巻きする幅とし、シャフト11のグリップ側後端領域の補強層を構成している。強化繊維F24はシャフト軸線に対してなす配向角を0°とし、引張弾性率を30t/mmとし、繊維目付け量を125g/mとしている。
プリプレグ25〜27はいずれも、長さをシャフト全長にわたる長さとし、幅を1回巻きする幅としている。強化繊維F25〜F27は、シャフト軸線に対してなす配向角を0°とし、引張弾性率を30t/mmとし、繊維目付け量を100g/mとしている。
プリプレグ28は、長さを250mmとし、幅をヘッド側で6回巻きする幅とし、シャフト11のヘッド側先端領域の補強層を構成している。強化繊維F28はシャフト軸線に対してなす配向角を0°とし、引張弾性率を24t/mmとし、繊維目付け量を125g/mとしている。
この繊維強化プリプレグ21〜28の積層体からなるシャフト11は、図5に示すように、ヘッド側先端12から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm〜2.4kg・mmの範囲で分布させ、グリップ側後端13から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm〜3.5kg・mmの範囲で分布させている。
前記構成のゴルフクラブ10は、ヘッド14の重心距離Lが25mm以上40mm未満の範囲内であり、適度に近接させているため、インパクト時にヘッド14のフェース面がタイミングよく返り、ゴルフボールを正確にとらえ、その結果、真っすぐに飛ばして、打球方向性および飛距離を安定させることができる。
また、ヘッド14の体積は380cc以上460cc未満の範囲内であり、比較的大型であるため、ヘッド14の高反発エリアが大きくなると共に、ヘッド14の左右の慣性モーメントは3150g・cmに設定され、3000g・cm以上4500g・cm未満の範囲内であるため、インパクト時にヘッド14が安定し、これらの点からも、打球方向性および飛距離を向上させることができる。
さらに、シャフト11の捩れ剛性は、ヘッド側先端12から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性分布を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲内とし、グリップ側後端13から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性分布を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲内としているため、捩れすぎず、かつ、硬すぎず、打球方向性と飛距離が向上すると共に、打球感覚もソフトで良好となる。
さらにまた、シャフト11の捩れ剛性分布は、ヘッド14の重心位置14Gを考慮することにより、極力過不足なく適切に設計できるため、不必要にバイアス層比率やバイアス層の繊維目付け量を増やすことなく、重量増大を抑制でき、ヘッド14に20gの前記重量物16を装着してもゴルフクラブ10の軽量性を維持できる。
図6は、本発明の第二実施形態を示す。第二実施形態は、シャフト11の捩れ剛性分布とヘッド14の体積が第一実施形態と相違するが、その他の構成は第一実施形態と同一である。
詳しくは、シャフト11の内側から二層目を構成する繊維強化プリプレグ22は、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で2回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ22Aと、残るグリップ側後端13までの領域に配置されるプリプレグ22Bとに二分割され、それぞれ特性を異ならせている。
具体的には、各プリプレグ22A、22Bの強化繊維F22a、F22bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を−45°としているが、強化繊維F22aは、引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を100g/mとし、強化繊維F22bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとしている。
また、シャフト11の内側から三層目を構成する繊維強化プリプレグ23も、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で2回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ23Aと、残るグリップ側後端13までの領域に配置されるプリプレグ23Bとに二分割され、それぞれ特性を異ならせている。具体的には、各プリプレグ23A、23Bの強化繊維F23a、F23bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を+45°としているが、強化繊維F23aは、引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を100g/mとし、強化繊維F23bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとしている。
これにより、シャフト11のヘッド側先端12から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.5kg・mm〜3.0kg・mmの範囲に分布させ、グリップ側後端13から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm〜3.0kg・mmの範囲に分布させ、先端部のみを前記第一実施形態に比して、僅かながら剛性分布を高めているためている。その結果、打球方向性を一層安定させ、飛距離も伸ばすことができるようにしている。
ヘッド14は、体積を406ccとし、重心距離Lを35mmとしている。
これにより、第二実施形態においても、ヘッド体積は380cc以上460cc未満の範囲内であり、重心距離Lは25mm以上40mm未満の範囲内であるため、フェース面のスイートエリアで正確にボールを捕らえるミート率が高まり、ヘッドの返りも良く、打球方向性と飛距離が安定すると共に、フィーリングも良好となる。
(実施例)
以上のことを確認するために、本発明のゴルフクラブの実施例1〜実施例4および比較例1〜3について詳述する。
以下の表1に示すとおり、ヘッドの重心距離L、ヘッド体積、左右の慣性モーメント、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性分布、シャフトのグリップ側後端から300mmの位置までの捩れ剛性分布とを異ならせた実施例1〜4と、比較例1〜3を作製した。これらゴルフクラブのそれぞれの飛距離および打球方向性を測定するとともに、フィーリングについて実打テストを行い、その結果を表1に表した。
Figure 2007135811
(捩れ剛性分布の測定)
シャフトの捩れ剛性分布の測定は、シャフト11の長手方向の複数位置における捩れ剛性(GI)を測定して行った。具体的には、図7に示すように、100mm間隔を介したシャフト11上の2箇所をエアチャック方式のチャック30、31により所定の圧力でチャックし、該チャック30、31間に13.9(kgf・cm)の捩りモーメントを加え、チャック30、31間の捩れ角度fを測定した。
測定点Pはチャック30、31間の中点とし、該測定点Pをシャフト長手方向に25mmピッチでずらしながら、各測定点Pの捩り角度fを測定し、下記の数式により捩れ剛性(GI)を計算した。
(捩れ剛性分布の計算)
GI=[チャック間隔(100mm)]×[捩りモーメント(13.9kgf・cm)]/[捩り角度f(度)]
(左右の慣性モーメントの測定)
図8に示すように、INERTIA DYNAMICS Inc社製のMOMENT OF MEASURING INSTRUMENTのMODEL NO.005−002からなる測定器を用いて測定している。即ち、前記測定器100の上面から突出させた回転軸101の上端の載置台102上に粘度103を搭載し、この粘度102の上面にヘッド14をライ角どうりに載置すると共に、ヘッドの重心位置の軸線と回転軸101の軸線と一致させて載置している。この状態で、回転軸101を正方向と逆方向に回転させてヘッド14も正方向と逆方向とに回転させ、左右の慣性モーメントを測定している。
実施例1および比較例1〜4のいずれも、シャフトの製法、ヘッドの形状および材質を前記実施形態と同一とした。いずれもシャフト長さを1120mmとした。
(実施例1)
シャフトの繊維強化プリプレグ21〜28の積層構成、捩れ剛性分布、ヘッドの重心距離L、ヘッド体積、慣性モーメントの全てを第一実施形態と同一とした。
具体的には、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値が1.7kg・mm、最小値を1.2kg・mmとし、平均値を1.5kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を3.2kg・mm、最小値を2.8kg・mmとし、平均値は3.0kg・mmとした。
また、ヘッド体積は400cc、慣性モーメントは3150g・cmとし、ヘッドのサイドヒール部側に20gの重量物を装着して重心距離Lを33mmとした。
(実施例2)
シャフトの繊維強化プリプレグ21〜28の積層構成、捩れ剛性分布、ヘッドの重心距離L、ヘッド体積の全てを第二実施形態と同一とした。
具体的には、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を2.2kg・mm、最小値を1.6kg・mmとし、平均値を1.8kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を3.3kg・mm、最小値を2.9kg・mmとし、平均値は3.2kg・mmとした。
また、ヘッド体積は406cc、慣性モーメントは3200g・cmとし、ヘッドのサイドヒール部側に20gの重量物を装着して重心距離Lを35mmとした。
(実施例3)
シャフトを構成する各繊維強化プリプレグ21〜28のうち、バイアス層を構成するプリプレグ22(22A、22B)とプリプレグ23(23A、23B)について、巻き数、繊維の引張弾性率および繊維目付け量を実施例2と異ならせたが、その他の積層構成は実施例2と同一とした。
具体的には、繊維強化プリプレグ22は、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で1.5回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ22Aと、残るグリップ側後端13までの領域に配置されるプリプレグ22Bとに二分割した。各プリプレグ22A、22Bの強化繊維F22a、F22bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を−45°としているが、強化繊維F22aは、引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を125g/mとし、強化繊維F22bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
また、繊維強化プリプレグ23も、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で1.5回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ23Aと、残るグリップ側後端までの領域に配置されるプリプレグ23Bとに二分割した。各プリプレグ23A、23Bの強化繊維F23a、F23bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を+45°としているが、強化繊維F23aは、引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を125g/mとし、強化繊維F23bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
これにより、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を2.6kg・mm、最小値を1.7kg・mmとし、平均値を2.2kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を3.3kg・mm、最小値を2.8kg・mmとし、平均値は3.2kg・mmとした。
また、ヘッド体積は450cc、慣性モーメントは3200g・cmとし、ヘッドのサイドヒール部側に20gの重量物を装着して重心距離Lを37mmとした。
(実施例4)
シャフトを構成する各繊維強化プリプレグ21〜28のうち、バイアス層を構成するプリプレグ22(22A、22B)とプリプレグ23(23A、23B)について、繊維の引張弾性率および繊維目付け量を実施例2と異ならせたが、その他の積層構成は実施例2と同一とした。
具体的には、繊維強化プリプレグ22は、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で2回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ22Aと、残るグリップ側後端までの領域に配置されるプリプレグ22Bとに二分割した。各プリプレグ22A、22Bの強化繊維F22a、F22bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を−45°としているが、強化繊維F22aは、引張弾性率を50t/mm、繊維目付け量を100g/mとし、強化繊維F22bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
また、繊維強化プリプレグ23は、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で5回巻きし、グリップ側で2回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ23Aと、残るグリップ側後端までの領域に配置されるプリプレグ23Bとに二分割した。各プリプレグ23A、23Bの強化繊維F23a、F23bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を+45°としているが、強化繊維F23aは、引張弾性率を50t/mm、繊維目付け量を100g/mとし、強化繊維F23bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
これにより、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を3.0kg・mm、最小値を2.5kg・mmとし、平均値を2.8kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を3.3kg・mm、最小値を2.8kg・mmとし、平均値は3.2kg・mmとした。
また、ヘッド体積は455cc、慣性モーメントは4300g・cmとし、ヘッドのサイドヒール部側に20gの重量物を装着して重心距離Lを39mmとした。
(比較例1)
比較例1のシャフトは前記第一実施形態の構成とし、ヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性分布を低く、グリップ側後端から300mmの位置までの捩れ剛性分布を高く設定した。また、ヘッド体積を小さくした。
具体的には、シャフトを構成する繊維強化プリプレグ21〜28のうち、バイアス層を構成するプリプレグ22、23を、ヘッド側で4回巻きし、グリップ側で4回巻きして積層した。繊維の引張弾性率や目付け量を含め、その他の積層構成は実施例1(第一実施形態)と同一とした。
また、シャフトを構成する繊維強化プリプレグ21〜28のうち、プリプレグ22、23の強化繊維の引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
これにより、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を1.2kg・mm、最小値を0.8kg・mmとし、平均値を1.0kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を4.1kg・mm、最小値を3.9kg・mmとし、平均値は4.0kg・mmとした。
また、ヘッド体積は350cc、慣性モーメントは2800g・cmとし、ヘッドのサイドヒール部側に5gの重量物を装着して重心距離Lを28mmとした。
(比較例2)
比較例2は第二実施形態の構成とし、シャフトを構成する繊維強化プリプレグ21〜28のうち、プリプレグ22、23の強化繊維22a、強化繊維23aの引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を75g/mとし、強化繊維22b、23bの引張弾性率を40t/mm、繊維目付け量を100g/mとし、比較例1よりもさらに、グリップ側後端から300mmの位置までの捩れ剛性分布を高く設定した。また、ヘッドの重心距離Lを長く、ヘッド体積と慣性モーメントを大きく設定した。
これにより、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を1.2kg・mm、最小値を0.8kg・mmとし、平均値を1.0kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を4.7kg・mm、最小値を4.3kg・mmとし、平均値は4.5kg・mmとした。
ヘッド体積は500cc、慣性モーメントは4600g・cmとした。また、ヘッドのサイドヒール部側に10gの重量物を装着し、サイドトウ部寄りの位置に5gの重量物を装着して、重心距離Lを45mmとした。
(比較例3)
比較例3は第二実施形態の構成とし、前記各実施例に比して、ヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性分布を高く、グリップ側後端から300mmの位置までの捩れ剛性分布を低く設定した。また、ヘッド体積は大きく、慣性モーメントは小さく、重心距離Lは長く設定した。
具体的には、シャフトを構成する繊維強化プリプレグ21〜28のうち繊維強化プリプレグ22は、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で1.5回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ22Aと、残るグリップ側後端13までの領域に配置されるプリプレグ22Bとに二分割した。各プリプレグ22A、22Bの強化繊維F22a、F22bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を−45°としているが、強化繊維F22aは、引張弾性率を50t/mm、繊維目付け量を75g/mとし、強化繊維F22bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
また、繊維強化プリプレグ23も、シャフト全長に配置され、幅をヘッド側で6回巻きし、グリップ側で1.5回巻きする幅としているが、ヘッド側先端部に配置される長さ400mmのプリプレグ23Aと、残るグリップ側後端までの領域に配置されるプリプレグ23Bとに二分割した。各プリプレグ23A、23Bの強化繊維F23a、F23bは、いずれもシャフト軸線に対してなす配向角を+45°としているが、強化繊維F23aは、引張弾性率を50t/mm、繊維目付け量を75g/mとし、強化繊維F23bは、引張弾性率を30t/mm、繊維目付け量を75g/mとした。
その他のプリプレグの積層構成は実施例2〜4と同一とした。
これにより、シャフトのヘッド側先端から400mmの位置までの捩れ剛性は、最大値を3.8kg・mm、最小値を3.1kg・mmとし、平均値を3.5kg・mmとした。グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性は最大値を2.5kg・mm、最小値を1.9kg・mmとし、平均値は2.2kg・mmとした。
また、ヘッド体積は490cc、慣性モーメントは2850g・cmとし、ヘッドのソール部中央に15gの重量物を装着して重心距離Lを48mmとした。
(飛距離の測定)
プレーヤー20名が20球ずつ打撃し、打撃位置からの飛距離を実測し、20名分の平均値を表1に示した。
(打球方向性の測定)
プレーヤー20名が20球ずつ打撃し、目標飛球線からのズレ距離を実測し、20名分のズレ距離の平均が10ヤード未満の場合は○を、10ヤード以上の場合は×を表1に示した。
(フィーリングテスト)
プレーヤー20名が20球ずつ打撃し、打球フィーリングについて5点満点の官能評価を行い、その平均を表1に示した。
表1の結果から分かるように、実施例1〜4はいずれも、打球方向性が安定し、飛距離も大きく、フィーリング結果も高評価となった。
一方、比較例1〜3は、打球方向性、飛距離、フィーリング結果のいずれも良くない結果となった。
これは、比較例1については、ヘッド体積が360cc未満で、慣性モーメントが3000g・cm未満であるために、ヘッドの高反発エリアが小さくなったうえ、インパクト時のヘッドの安定性が低くなったことと、シャフト先端側の捩れ剛性が1.2kg・mm未満であったために、インパクト時に捩れ易くなったことと、グリップ側の捩れ剛性3.5kg・mm以上であったために、手元で硬く感じられたことに因ると考えられる。
比較例2については、重心距離Lが40mm以上であるうえ、シャフト先端側の捩れ剛性が1.2kg・mm未満であり、慣性モーメントが4500g・cm以上であるために、インパクト時にヘッドが返らず、球の捉えが悪くなったことと、グリップ側の捩れ剛性が3.5kg・mm以上であったために、手元で硬く感じられたことに因ると考えられる。
比較例3については、重心距離Lが40mm以上であったためにインパクト時にヘッドが返らず、慣性モーメントが3000g・cm未満であったためにヘッドが安定せず、シャフト先端側の捩れ剛性が3.0kg・mm以上であったために、打感が硬く感じられたことに因ると考えられる。
本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブの概略図である。 図1に示すヘッドを示す拡大斜視図である。 (A)はヘッドの平面図であり、(B)は図2のIII−III線断面図である。 図1に示すシャフトの繊維強化プリプレグの積層構造を示す図である。 図1に示すシャフトの捩れ剛性分布を示すグラフである。 本発明の第二実施形態に係るシャフトの繊維強化プリプレグの積層構造を示す図である。 シャフトの捩れ剛性の測定方法を示す図である。 ヘッドの左右慣性モーメントの測定方法を示す図である。 従来例の図である。
符号の説明
10 ゴルフクラブ
11 シャフト
12 ヘッド側先端
13 グリップ側後端
14 ヘッド
14G ヘッド重心位置
18 シャフト軸線
21〜28 繊維強化プリプレグ
F21〜F28 強化繊維
L 重心距離

Claims (3)

  1. 繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
    前記ヘッドは、その重心位置からシャフト軸線までの距離が30mm以上40mm未満であり、
    前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布させ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
    前記ヘッドは、その左右の慣性モーメントが3000g・cm以上4500g・cm未満であると共に、該ヘッドの体積が380cc以上460cc未満であり、
    前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布させ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブ。
  3. 繊維強化樹脂製のシャフトにヘッドを取り付けたゴルフクラブであって、
    前記ヘッドは、その重心位置からシャフト軸線までの距離が30mm以上40mm未満で、該ヘッドの左右の慣性モーメントが3000g・cm以上4500g・cm未満で、かつ、該ヘッドの体積が380cc以上460cc未満であり、
    前記シャフトは、そのヘッド側先端から長さ方向に400mmの位置までの捩れ剛性を1.2kg・mm以上3.0kg・mm未満の範囲で分布させ、かつ、グリップ側後端から長さ方向に300mmの位置までの捩れ剛性を2.5kg・mm以上3.5kg・mm未満の範囲で分布させていることを特徴とするゴルフクラブ。
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