JP2001137403A - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

ゴルフクラブ用シャフト

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JP2001137403A
JP2001137403A JP32664299A JP32664299A JP2001137403A JP 2001137403 A JP2001137403 A JP 2001137403A JP 32664299 A JP32664299 A JP 32664299A JP 32664299 A JP32664299 A JP 32664299A JP 2001137403 A JP2001137403 A JP 2001137403A
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Japan
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shaft
diameter
layer
grip
tip
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JP32664299A
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English (en)
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Hiroaki Honma
裕朗 本間
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Honma Golf Co Ltd
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Honma Golf Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフトの軽量化と強度確保と云う二律背反
事象を克服し、もって軽量であってしかも高強度である
とともにシャフトの手元部を補強して一層高強度である
ゴルフクラブ用シャフトを提供する。 【解決手段】 シャフトの先径が9.0〜12.0m
m、元径が17.0〜20.0mmであってその径寸法
拡大による薄肉化構造を有し、更にグリップ部を他の部
分よりも厚肉にして補強してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブ用シ
ャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフの永遠の課題は、より遠くへ飛ば
すことであるが、近年のゴルフ用具の進歩で身近なもの
になりつつある。特にウッドクラブに関しては、ヘッド
の材質や製造方法の開発等により木質系のものから合成
樹脂系や金属系のものに変遷しつつあり、特に金属系の
チタンあるいはチタン合金素材のものは比重が小さく強
度があるため、ヘッドは大型化になり、それに伴いクラ
ブ長さを更に長くできる長尺化が可能となった。
【0003】ヘッドの大型化は、ヘッド慣性モーメント
が増大するので左右の曲がりを少なくする効果があり、
更にクラブの長尺化はクラブヘットスピードを早くする
効果があり、より遠くへ飛ばすことが現実になり始め
た。
【0004】しかしながら、クラブが大型・長尺化して
いる中で、シャフトの長さは変化しても外径寸法は19
40年代に開発されたスチールシャフトがベースとなっ
ており、大きな変化はない。これは1990年代前半ま
で主流であった木質系ヘッドに影響されている部分が多
いと思われるが、シャフトを装着するネック部分は木質
系のため強度が弱く、ホーゼル端部からヘッド本体へつ
ながるネック部分をラッパ状に末広がりにしなければな
らず、仮にシャフト先端外径を大きくした場合にはホー
ゼル端部とネック全体が大きくなり、外観上美しいシル
エットにならなかったことに起因していると思われる。
金属系のヘッドになってもシャフトの外径寸法は見直さ
れずに現在に至っている。
【0005】シャフトの長尺化を図る中で特に考慮しな
ければならないのは、クラブの総重量であり、アベレー
ジゴルファーで通常、ドライバー45インチ長さで31
0〜320g、これを48インチ長さにした場合は30
0g以下にならないとクラブをしっかり振り切ることが
できず、ミスショットの確率が高くなってしまう。この
ため軽量の長尺シャフトが必要となってくる。
【0006】しかしながら、一般に、カーボングラファ
イトシャフトを軽量化する場合には積層数を少なくして
いくので、シャフトのトルクや曲げ剛性力が弱くなり、
非常に頼りないシャフトになってしまう。すなわち、飛
距離のアップや方向安定性を求めてヘッドの大型化およ
びシャフトの長尺化の進む中、現行のシャフト径で長尺
化すると、重量が増え、その増えた重量を軽量化しよう
とするとシャフトの肉厚を薄くするしかなく、シャフト
曲げ剛性およびトルク等の性能の低下につながり、シャ
フト全体的な強度の低下になる等の問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、シャフトの軽量化および強度確保と云う二律背反事
象を双方とも克服し、もって軽量であってしかも高強度
であるとともにシャフトの手元部を補強して一層高強度
であるゴルフクラブ用シャフトを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1によるゴルフクラブ用シャフト
は、シャフトの先径が9.0〜12.0mm、元径が1
7.0〜20.0mmであってその径寸法拡大による薄
肉化構造を有し、更にグリップ部を他の部分よりも厚肉
にして補強してなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項2によるゴルフクラ
ブ用シャフトは、ウッドクラブ用シャフトの先径が9.
0〜11.0mm、元径が17.0〜20.0mmであ
ってその径寸法拡大による薄肉化構造を有し、更にグリ
ップ部を他の部分よりも厚肉にして補強してなることを
特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項3によるゴルフクラ
ブ用シャフトは、アイアンクラブ用シャフトの先径が1
0.0〜12.0mm、元径が17.0〜20.0mm
であってその径寸法拡大による薄肉化構造を有し、更に
グリップ部を他の部分よりも厚肉にして補強してなるこ
とを特徴とするものである。
【0011】上記構成を備えた本発明の請求項1による
シャフトは、従来のシャフトの先径が最大で9.8m
m、元径が最大で16.0mmであったのに対して、シ
ャフトの軽量化および強度確保の観点にネック装着部の
外観およびグリップのフィーリングの観点を含めて、シ
ャフトの先径を9.0〜12.0mm、シャフトの元径
を17.0〜20.0mmの範囲に拡大し、径寸法拡大
による薄肉化構造を実現したものである。シャフトの先
径はシャフトの先端より40mmにおけるシャフトの外
径寸法であり、シャフトの元径はグリップエンドより2
50mmにおけるシャフトの外径寸法である。また、こ
のようにシャフトの径寸法を拡大して、この分、シャフ
トを薄肉化すると、シャフトのグリップ部の強度が不足
することがあり、このような場合に備えて、グリップ部
を他の部分よりも厚肉にして補強する構造としたもので
ある。グリップ部を他の部分よりも厚肉にするには、シ
ャフトの製造に際してプリプレグの巻き数を他の部分よ
りも増やすのが好適である。この請求項1には、ウッド
クラブ用シャフトおよびアイアンクラブ用シャフト双方
が含まれる。
【0012】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
によるシャフトは、従来のウッドクラブ用シャフトの先
径が最大で8.6mm、元径が最大で16.0mmであ
ったのに対して、シャフトの軽量化および強度確保の観
点にネック装着部の外観およびグリップのフィーリング
の観点を含めて、シャフトの先径を9.0〜11.0m
m、シャフトの元径を17.0〜20.0mmの範囲に
拡大し、径寸法拡大による薄肉化構造を実現したもので
ある。上記したように、シャフトの先径はシャフトの先
端より40mmにおけるシャフトの外径寸法であり、シ
ャフトの元径はグリップエンドより250mmにおける
シャフトの外径寸法である。また、このようにシャフト
の径寸法を拡大して、この分、シャフトを薄肉化する
と、シャフトのグリップ部の強度が不足することがあ
り、このような場合に備えて、グリップ部を他の部分よ
りも厚肉にして補強する構造としたものである。グリッ
プ部を他の部分よりも厚肉にするには、シャフトの製造
に際してプリプレグの巻き数を他の部分よりも増やすの
が好適である。
【0013】また、上記構成を備えた本発明の請求項3
によるシャフトは、従来のアイアンクラブ用シャフトの
先径が最大で9.8mm、元径が最大で15.5mmで
あったのに対して、シャフトの軽量化および強度確保の
観点にネック装着部の外観およびグリップのフィーリン
グの観点を含めて、シャフトの先径を10.0〜12.
0mm、シャフトの元径を17.0〜20.0mmの範
囲に拡大し、径寸法拡大による薄肉化構造を実現したも
のである。上記したように、シャフトの先径はシャフト
の先端より40mmにおけるシャフト外径寸法であり、
シャフトの元径はグリップエンドより250mmにおけ
るシャフトの外径寸法である。尚、このようにウッドク
ラブ用シャフトよりもアイアンクラブ用シャフトの方が
先径が大きいのは、ウッドクラブがティーアップして打
つのに対して、アイアンクラブは直接地面をえぐる感じ
で打つために、より衝撃力が加わり、強度保持の意味が
ある。また、このようにシャフトの径寸法を拡大して、
この分、シャフトを薄肉化すると、シャフトのグリップ
部の強度が不足することがあり、このような場合に備え
て、グリップ部を他の部分よりも厚肉にして補強する構
造としたものである。グリップ部を他の部分よりも厚肉
にするには、シャフトの製造に際してプリプレグの巻き
数を他の部分よりも増やすのが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にし
たがって説明する。
【0015】第一実施例・・・当該実施例に係るシャフ
ト1は、ウッドクラブ用のシャフトであって、以下のよ
うに構成されている。
【0016】すなわち先ず、図1(A)に示すように、
その全長L が1000〜1300mmの範囲で形成
されている。また、図2(A)に示すように、その先径
が9.0〜11.0mmの範囲で形成されており、
この数値は、同図(B)に比較対象として示す従来例に
おける先径d'が7.5〜8.8mmであったのと比
較して、大径化されている。また、図3(A)に示すよ
うに、その元径dが17.0〜20.0mmの範囲で
形成されており、この数値は、同図(B)に示す従来例
における元径d'が14.5〜16.0mmであった
のと比較して、やはり大径化されている。シャフト1の
外形形状は、その先端2からグリップエンド3にかけて
外径が一定の比率で増大している。
【0017】また、このシャフト1は、その全長に亙っ
て中空の筒状体とされて、図2(A)に示すように、先
端2から40mm位置(TIP)における肉厚w
2.20mm(1.70〜2.70mmの範囲)に形成
されており、この数値は、同図(B)に示す従来例にお
ける同位置の肉厚w'が4.15mmであったのと比
較して、薄肉化されている。また、図3(A)に示すよ
うに、グリップエンド3から250mm位置(BUT
T)における肉厚w が0.95mm(0.45〜
1.45mmの範囲)に形成されており、この数値は、
同図(B)に従来例における同位置の肉厚w'が1.
90mmであったのと比較して、やはり薄肉化されてい
る。
【0018】また、このシャフト1は、カーボングラフ
ァイト系シャフトであって、プリプレグ(強化用繊維材
料にマトリクス樹脂を含浸させて成形加工し易い形状と
したもの)の積層構造であり、内径側のバイアス層4と
外径側の0°層(零度層)5の組み合わせによって成形
されており、先端2から40mm位置において、バイア
ス層4は7プライ(7層、図示せず)、0°層5は2プ
ライ(2層、図示せず)によって形成されており、グリ
ップエンド3から250mm位置において、バイアス層
4は3.5プライ(3.5層、図示せず)、0°層5は
2プライ(2層、図示せず)によって形成されている。
バイアス層4は、プリプレグ内のカーボン繊維または金
属繊維等よりなる強化用繊維をシャフト1の中心軸線に
対して所定の角度(バイアス角)をもたせて配置したも
のであり、0°層5は、プリプレグ内のカーボン繊維ま
たは金属繊維等よりなる強化用繊維をシャフト1の中心
軸線に対して平行に配置したものである。
【0019】また、図4に示すように、このシャフト1
は、その根元部であるグリップ部6が他の部分よりも厚
肉とされて補強されており、この補強構造がグリップ部
6の外周に上記プリプレグを所要数積層することによっ
て構成されており、またはグリップ部6の外周に上記プ
レブレグを所要回数巻き付けることによって構成されて
いる。図では、3層による補強部7とされて、バイアス
角45°の3層の補強構造が形成されており、グリップ
エンド3側の端部を軸直角に揃えた状態で、最内層の第
一層8の軸方向長さL が200〜500mm、第二
層9の軸方向長さL が200〜400mm、最外層
の第三層10の軸方向長さL が200〜300mm
とされて、順々に短くなるように形成されている。ま
た、図5および図6の断面に示すように、各層の肉厚w
は0.05〜0.15mm以内とされている。ま
た、同図に示すように、この補強部7の更に外周側に
は、別部品であるグリップ11が取り付けられることに
なる。
【0020】第二実施例・・・当該実施例に係るシャフ
トは、アイアンクラブ用のシャフトであって、以下のよ
うに構成されている。
【0021】すなわち先ず、図1(B)に示すように、
その全長L が900〜1100mmの範囲で形成さ
れている。また、図7(A)に示すように、その先径d
が10.0〜12.0mmの範囲で形成されており、
この数値は、同図(B)に比較対象として示す従来例に
おける先径d'が8.8〜9.8mmであったのと比
較して、大径化されている。また、図8(A)に示すよ
うに、その元径dが17.0〜20.0mmの範囲で
形成されており、この数値は、同図(B)に示す従来例
における元径d'が14.0〜15.5mmであった
のと比較して、やはり大径化されている。シャフト1の
外形形状は、その先端2からグリップエンド3にかけて
外径が一定の比率で増大している。
【0022】また、このシャフト1は、その全長に亙っ
て中空の筒状体とされて、図7(A)に示すように、先
端2から40mm位置(TIP)における肉厚w
2.20mm(1.70〜2.70mmの範囲)に形成
されており、この数値は、同図(B)に示す従来例にお
ける同位置の肉厚w'が4.30mmであったのと比
較して、薄肉化されている。また、図8(A)に示すよ
うに、グリップエンド3から250mm位置(BUT
T)における肉厚w が1.15mm(0.65〜
1.65mmの範囲)に形成されており、この数値は、
同図(B)に従来例における同位置の肉厚w'が2.
20mmであったのと比較して、やはり薄肉化されてい
る。
【0023】また、このシャフト1は、カーボングラフ
ァイト系シャフトであって、プリプレグ(強化用繊維材
料にマトリクス樹脂を含浸させて成形加工し易い形状と
したもの)の積層構造であり、内径側のバイアス層4と
外径側の0°層(零度層)5の組み合わせによって成形
されており、先端2から40mm位置において、バイア
ス層4は6プライ(図示せず)、0°層5は2プライ
(図示せず)によって形成されており、グリップエンド
3から250mm位置において、バイアス層4は4プラ
イ(図示せず)、0°層5は2プライ(図示せず)によ
って形成されている。バイアス層4は、上記したように
プリプレグ内のカーボン繊維または金属繊維等よりなる
強化用繊維をシャフト1の中心軸線に対して所定の角度
(バイアス角)をもたせて配置したものであり、0°層
5は、プリプレグ内のカーボン繊維または金属繊維等よ
りなる強化用繊維をシャフト1の中心軸線に対して平行
に配置したものである。
【0024】また、上記第一実施例に係る図4に示した
ように、このシャフト1は、その根元部であるグリップ
部6が他の部分よりも厚肉とされて補強されており、こ
の補強構造がグリップ部6の外周に上記プリプレグを所
要数積層することによって構成されており、またはグリ
ップ部6の外周に上記プレブレグを所要回数巻き付ける
ことによって構成されている。図では、3層による補強
部7とされて、バイアス角45°の3層の補強構造が形
成されており、グリップエンド3側の端部を軸直角に揃
えた状態で、最内層の第一層8の軸方向長さL が2
00〜500mm、第二層9の軸方向長さL が20
0〜400mm、最外層の第三層10の軸方向長さL
が200〜300mmとされて、順々に短くなるよう
に形成されている。また、図5および図6に示したよう
に、各層の肉厚w は0.05〜0.15mm以内と
されている。また、同図に示したように、この補強部7
の更に外周側には、別部品であるグリップ11が取り付
けられることになる。
【0025】上記構成を備えたシャフトのように、シャ
フト径を全体的に太くすると、以下の作用効果を得るこ
とが可能となる。
【0026】すなわち先ず、シャフト断面二次モーメン
トが増大するために、肉厚を薄肉化しても曲げ剛性力を
従来品と同じように保つことができ、よって重量を軽量
化することが可能となる(例えば46インチウッドで、
従来、67±1gであったのが、58±1gとなる)。
曲げ剛性力Pは、 P≒E・I ただし、E:材料弾性率 I:断面二次モーメント によって決まるが、材料に同一種類のものを使えば、断
面二次モーメントIが大きい方が曲げ剛性力が大きくな
るのは明らかである。ここで、断面二次モーメントI
は、
【数1】 ただし、d:シャフトの内径 d:シャフトの外径 によって決まるため、これを従来例および実施例にそれ
ぞれ当て嵌めれば、以下の表1のようになる。
【表1】 したがって、この表1に示されるとおり、シャフトの先
端より300mm、700mmおよび1100mmの位
置の何れも、実施例の方が断面二次モーメントIが大き
いことが判る。
【0027】また、シャフトの固有振動数(CPM)に
ついては、肉厚が従来品の約半分(1/2)の値でも断
面二次モーメントが大きいために、従来品とほぼ同様に
保つことが可能となる(下記表2参照)。
【表2】
【0028】また、シャフトの重量については、プライ
数を減らし、肉厚を薄くするできるために、軽量化する
ことが可能となる(下記表3および表4参照)。
【表3】
【表4】
【0029】また、トルクについては、シャフトの大径
化により低弾性の原料構成でトルクを向上させることが
可能となる(下記表5および表6参照)。
【表5】
【表6】
【0030】また、視覚的にシャフトが短く見えるため
に、プレーヤーにとっての安心感が向上する。
【0031】また、クラブとしての効果として、長尺ク
ラブとして製造可能で、ヘッドスピードを速め、飛距離
を延ばすことができる。また、シャフトが軽量のため
に、トータルウェイトを軽くすることができ、ヘッドの
大型化も可能となる。
【0032】また、同じく、クラブとしての効果とし
て、トルクが抑えられるために、ねじれが少なく、方向
性も安定する。例えば、ロボット実打にてスイートスポ
ットよりトウ側、ヒール側にそれぞれ1cmずらした際
の左右のブレと飛距離測定の比較を行なったところ、下
記の表7のような結果となった。
【表7】
【0033】また、高速度カメラでヘッドスピード45
m/sにてスイートスポットをずらして撮影したとこ
ろ、本発明シャフトのヘッドのブレ(あばれ)が非常に
少ないことを確認することができた。
【0034】更にまた、上記シャフト1においては、シ
ャフト1の根元部であるグリップ部6が他の部分よりも
厚肉とされて補強されているために、グリップ部6の座
屈強度を補強なしの場合と比べて1.6〜1.8倍程度
高めることができ、これによりシャフト1を一層高強度
のものとすることができる。シャフト1の手元のしなり
具合やフィーリング等は、補強部7の構造を適宜変更す
ることによって調整可能であり、例えば以下のようなも
のであっても良い。
【0035】すなわち、ウッドクラブ用シャフトおよび
アイアンクラブ用シャフトに共通するところとして、図
9に示すように、第一層8の軸方向長さL を500
mmとし、軸心に対し積層角度を0〜90°(例えば9
0°)とする。また、第二層9の軸方向長さL を4
00mmとし、軸心に対し積層角度を0〜90°(例え
ば0°)とする。また、第三層10の軸方向長さL
を300mmとし、軸心に対し積層角度を0〜90°
(例えば45°)とする。
【0036】そして、このようにグリップ部6を補強し
たシャフト1の座屈強度、しなり位置および固有振動数
をそれぞれ測定したところ、下記の表8のような結果と
なった。
【表8】 したがって、この結果から判るように、グリップ部6を
補強すると、グリップ側ないし手元側(BUTT側)の
座屈強度を増大させることができ、また、手元補強の軸
方向長さ(全長)を変えることによって、しなり位置ま
たはシャフト1のしなり剛性力(固有振動数)等を容易
に調整することができるようになる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0038】すなわち、上記構成を備えた本発明の各請
求項によるシャフトによればそれぞれ、上記数値に基づ
く径寸法拡大による薄肉化構造によって、シャフトの軽
量化および強度確保の双方を克服することができ、もっ
て軽量で高強度のゴルフクラブ用シャフトを提供するこ
とができ、これに加えて、グリップ部を他の部分よりも
厚肉にして補強したために、一層高強度のゴルフクラブ
用シャフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第一実施例に係るシャフトの
外形説明図、(B)は本発明の第二実施例に係るシャフ
トの外形説明図
【図2】(A)は本発明の第一実施例に係るシャフトの
断面構造説明図、(B)は比較従来例に係るシャフトの
断面構造説明図
【図3】(A)は本発明の第一実施例に係るシャフトの
断面構造説明図、(B)は比較従来例に係るシャフトの
断面構造説明図
【図4】本発明の第一実施例に係るシャフトのグリップ
部補強構造説明図
【図5】同補強構造の断面図
【図6】同補強構造の断面図
【図7】(A)は本発明の第二実施例に係るシャフトの
断面構造説明図、(B)は比較従来例に係るシャフトの
断面構造説明図
【図8】(A)は本発明の第二実施例に係るシャフトの
断面構造説明図、(B)は比較従来例に係るシャフトの
断面構造説明図
【図9】グリップ部補強構造の他の例を示す説明図
【符号の説明】
1 シャフト 2 先端 3 グリップエンド 4 バイアス層 5 0°層 6 グリップ部 7 補強部 8 第一層 9 第二層 10 第三層 11 グリップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトの先径が9.0〜12.0m
    m、元径が17.0〜20.0mmであってその径寸法
    拡大による薄肉化構造を有し、更にグリップ部を他の部
    分よりも厚肉にして補強してなることを特徴とするゴル
    フクラブ用シャフト。
  2. 【請求項2】 ウッドクラブ用シャフトの先径が9.0
    〜11.0mm、元径が17.0〜20.0mmであっ
    てその径寸法拡大による薄肉化構造を有し、更にグリッ
    プ部を他の部分よりも厚肉にして補強してなることを特
    徴とするゴルフクラブ用シャフト。
  3. 【請求項3】 アイアンクラブ用シャフトの先径が1
    0.0〜12.0mm、元径が17.0〜20.0mm
    であってその径寸法拡大による薄肉化構造を有し、更に
    グリップ部を他の部分よりも厚肉にして補強してなるこ
    とを特徴とするゴルフクラブ用シャフト。
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