JP2006247124A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属材料と繊維強化樹脂とで構成されたゴルフクラブヘッドに高い打球音を生じさせる。
【解決手段】 金属材料からなりかつヘッド上面をなすクラウン部に少なくとも一つの開口部Oが設けられたヘッド本体Mと、このヘッド本体Mに固着されかつ前記開口部Oを閉じる繊維強化樹脂からなるカバー部材FRとを含み、しかも内部に中空部が設けられたゴルフクラブヘッド1であって、シャフト軸CLから最も離れたヘッド外面の位置までの距離Lとしたときに、前記カバー部材FRは、前記シャフト軸CLを中心としかつ前記距離Lの半分の長さ0.5Lの半径を有する仮想円筒Vの外側で前記開口部Oを閉じているトウ側カバー部Atと、前記仮想円筒Vの内側で前記開口部Oを閉じているヒール側カバー部Ahとを含み、かつ前記ヒール側カバー部Ahは、引張弾性率が370〜900GPaの高弾性繊維を少なくとも含む。
【選択図】 図6

Description

本発明は、金属材料と繊維強化樹脂とで構成された複合タイプのヘッドに関し、詳しくは打球音を向上しうるゴルフクラブヘッドに関する。
近年、金属材料と繊維強化樹脂とを用いた複合タイプのゴルフクラブヘッドが提案されている(下記特許文献参照)。前記繊維強化樹脂は比重が小さいため、ヘッドの大型化や自由なヘッド重心設計などを可能とする。
特開2001−190718号公報
ヘッドでボールを打球したときに生じる打球音は、打球フィーリングやインパクト後のスイングリズムなどに大きく影響し、それは、結果としてゴルフのスコアとして表れる。従って、打球音は、ヘッドの技術的な性能の指標の一つであり、かつ、ゴルファにとって重要な意味を持つ。近年の多くのゴルファーは、甲高く残響が比較的長く持続する金属的な打球音に心地良さを感じる傾向がある。
しかしながら、上記の複合タイプのヘッドは、繊維強化樹脂の剛性が金属部分に比して小さいため、打球時に振動周波数が小さくなり、ひいては打球音が低くなる傾向がある。また、打球音の残響も短い。このような打球音は多くのゴルファーを満足させるものではない。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、繊維強化樹脂からなるカバー部材のヒール側カバー部に、引張弾性率が限定された高弾性繊維を配することを基本として、打球音を高く改善し打球フィーリングを向上させ得る複合タイプのゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、金属材料からなりかつヘッド上面をなすクラウン部に少なくとも一つの開口部が設けられたヘッド本体と、このヘッド本体に固着されかつ前記開口部を閉じる繊維強化樹脂からなるカバー部材とを含み、しかも内部に中空部が設けられたゴルフクラブヘッドであって、シャフト軸から最も離れたヘッド外面の位置までの距離Lとしたときに、前記カバー部材は、前記シャフト軸を中心としかつ前記距離Lの半分の長さの半径を有する仮想円筒の外側で前記開口部を閉じているトウ側カバー部と、前記仮想円筒の内側で前記開口部を閉じているヒール側カバー部とを含み、かつ前記ヒール側カバー部は、引張弾性率が370〜900GPaの高弾性繊維を少なくとも含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
また請求項2記載の発明は、規定のライ角及びロフト角で水平面に接地させた基準状態の平面視において、前記開口部の面積は、ヘッド輪郭で囲まれるヘッド平面視面積の60〜95%である請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記高弾性繊維は、ピッチ系炭素繊維である請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記高弾性繊維は、引張弾性率が490GPa以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、前記トウ側カバー部は、引張弾性率が200GPa以上かつ370GPa未満の低弾性繊維を含み、かつ、前記ヒール側カバー部は、前記低弾性繊維及び前記高弾性繊維をともに含む請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項6記載の発明は、前記カバー部材は、前記開口部の全域を閉じる大きさを有しかつ前記低弾性繊維が用いられた少なくとも1枚の低弾性プリプレグと、前記ヒール側カバー部だけに配されかつ前記高弾性繊維が用いられた少なくとも1枚の高弾性プリプレグとを重ねたプリプレグ積層体の硬化物からなり、かつ前記高弾性プリプレグが最も内側に配されている請求項5に記載のゴルフクラブヘッドである。
本発明のゴルフクラブヘッドは、カバー部材において、そのヒール側カバー部の剛性が高められることにより、打球時のヘッドの振動周波数の低下が抑制され、高い打球音が得られる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1を規定のライ角α及びロフト角βとして水平面に接地させた基準状態の斜視図、図2はその正面図、図3は図1の平面図、図4は図3のA−A拡大端面図、図5はヘッドの分解斜視図をそれぞれ示している。
本実施形態のヘッド1は、ボールを打球する面であるフェース面2を有するフェース部3と、前記フェース面2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース面2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間を継ぎ前記フェース面2のトウ側縁2cからバックフェースを通りヒール側縁2dへのびるサイド部6と、クラウン部4のヒール側に設けられかつシャフト(図示せず)の一端が差し込まれるホーゼル部7とを具え、内部には中空部iが設けられた中空構造のドライバー(#1)又はフェアウェイウッドといったウッド型のものが示される。
本実施形態において、ヘッド1は、好ましくは200cm3 以上、より好ましくは300cm3 以上、さらに好ましくは380cm3 以上、特に好ましくは400cm3 以上の体積を有する。これにより、構えたときの安心感、広いスイートエリア及び大きな慣性モーメントが得られる。ヘッド体積の上限は特に定めないが、重量などを考慮して例えば500cm3 以下、より好ましくはR&AやUSGAのルール規制をさらに考慮して470cm3 以下に定めても良い。また、本実施形態のヘッド1は、前記基準状態においてヘッド重心を通る垂直周りの慣性モーメントは、例えば2000g・cm2 以上、より好ましくは3000g・cm2 以上、さらに好ましくは3500g・cm2 以上が望ましく、上限については、例えば6000g・cm2 以下が望ましい。
図5に示されるように、前記ヘッド1は、金属材料からなりかつ前記クラウン部4の少なくとも一部に開口部Oが設けられたヘッド本体Mと、繊維強化樹脂からなりかつ前記ヘッド本体Mに固着されて前記開口部Oを閉じるカバー部材FRとを含む。
本実施形態において、ヘッド本体Mは、前記フェース部3、前記ソール部5、前記サイド部6、前記ホーゼル部7及び前記クラウン部4の中において前記開口部Oの周囲を構成するクラウン縁部10とを含む。
前記ヘッド本体Mは、例えば鋳造等で前記各部を当初から一体に形成されても良いし、また鍛造、鋳造、プレス又は圧延等の加工法により2以上のパーツを成形した後、これらを溶接等により一体に接合したものでも良い。
また、ヘッド本体Mは、例えばステンレス鋼、マレージング鋼、チタン、チタン合金、アルミ合金、マグネシウム合金又はアモルファス合金などを用いて構成され、とりわけ比強度の大きいチタン合金、アルミ合金又はマグネシウム合金が望ましい。なおヘッド本体Mは、2種以上の金属材料を用いて作ることもできる。
本実施形態において、前記クラウン縁部10は、図4ないし図5に示されるように、クラウン部4の外面部分を形成し開口部Oの周りを環状にのびているクラウン面部10aと、その内縁側に連設されかつ表面がクラウン面部10aから段差を有して中空部i側に凹んだ受け部10bとを含む。
前記受け部10bには、カバー部材FRが固着される。カバー部材FRとのより強い固着強度を得るために、本実施形態において前記受け部10bは開口部Oの周りの全周に連続して設けられる。また受け部10bは、前記段差により、クラウン面部10a及びカバー部材FRの各外面を面一に仕上げるのに役立つ。なお受け部10bの内縁(言い換えると開口部Oの輪郭形状)は、クラウン部4の輪郭に沿って滑らかにのびるものが好ましい。本実施形態の開口部Oは、クラウン部4からはみ出すことなくその中に収まる形状を有している。
また、受け部10bの幅Wa(図4に示されるように、開口部Oの縁から直角方向に測定される。)に関して、小さすぎるとヘッド本体Mとカバー部材FRとの固着強度が低下しやすく、逆に大きすぎると開口部Oの面積を低下させ重量削減効果が十分に得られない傾向がある。このため、受け部10bの幅Waは、例えば5mm以上、より好ましくは10mm以上が望ましく、また上限については、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下が望ましい。前記幅Waは一定又は変化するもののいずれでも良い。
前記カバー部材FRは、マトリックス樹脂と、その補強材となる繊維とを複合させた複合材料であって、ヘッド本体Mの金属材料よりも小さな比重を有する。従って、このカバー部材FRでヘッド本体Mのクラウン部に設けられた開口部Oを閉じることにより、ヘッド上部側の重量が大幅に削減される。これはヘッド重心をより低い位置に設計するのに役立つ。また削減された重量を他の適所に配分することにより、ヘッド1の慣性モーメントをさらに増大させ得る。
前記マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等が挙げられるが、強度と剛性の観点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば前記エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂又はケイ素系樹脂等が挙げられる。また熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂又はフッ素樹脂等が挙げられる。本実施形態ではエポキシ樹脂が用いられる。また、前記繊維には、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリフェニレンベンズオキサゾール樹脂繊維(PBO繊維)、アモルファス繊維又はチタン繊維等の1ないし2以上を用いることができ、とりわけ比重が小さくかつ引張強度が大きい炭素繊維が好適である。本実施形態では、炭素繊維が用いられる。なお、図示していないが、シャフトについても、前記繊維と前記マトリックス樹脂とからなる繊維強化樹脂製シャフトが用いられる。このようなシャフトは、軽量かつ設計自由度が高い点で好適であり、例えばシートワインディング法、フィラメントワインディング法、内圧成形法等によって製造できる。
またカバー部材FRは、ヘッド本体Mの開口部Oの周り、本実施形態では前記受け部10bの外面と固着された縁部8と、この縁部8で囲まれかつ前記開口部Oを閉じているカバー本体9とを含む。即ち、カバー本体9は、ヘッド本体Mの金属材料と重なることなく繊維強化樹脂だけで構成されている部分である。
また、図2に示されるように、ヘッド1のシャフト軸CLから最も離れたヘッド外面の位置Pまでの距離をLとして定める。ホーゼル部7ヒール側に設けられる関係上、この位置Pはヘッド1のトウ側に表れる。また距離Lは、シャフト軸CLと直角方向に測定される。また、前記シャフト軸CLは、ヘッド1にシャフトが装着されている場合にはその中心線とするが、シャフトが装着されていない場合には、前記ホーゼル部7に設けられたシャフト差込孔7aの軸中心線で代用する。該シャフト差込孔7aの軸中心線は、後に差し込まれるシャフトの中心線と実質的に一致するためである。
また、前記カバー部材FRは、図6に示されるように、前記シャフト軸CLを中心としかつ前記距離Lの半分の長さ(0.5L)の半径を有する仮想円筒Vよりも外側で前記開口部Oを閉じているトウ側カバー部Atと、前記仮想円筒の内側で開口部Oを閉じているヒール側カバー部Ahとを含む。図6において、クラウン部4の外面と仮想円筒Vとの交線が符号Eで表される。つまり、前記カバー本体9は、前記交線Eによって、トウ側カバー部Atとヒール側カバー部Ahとの2つに仮想区分される。また前記各カバー部At、Ahには、前記縁部8は含まれない。
カバー部材FRは、前記トウ側カバー部At及びヒール側カバー部Ahを含むことにより、クラウン部4のトウ、ヒールの方向に亘って満遍なくかつ大きな領域を構成できる。、従って、ヘッド上部の効果的な重量削減、低重心化及び慣性モーメントの増大が得られる。なお、カバー部材FRが、前記トウ側カバー部Atのみ又はヒール側カバー部Ahのみしか有さない場合、前記各効果を十分に得ることができない。
特に好ましい態様として、前記基準状態の平面視(図3)において、ヘッド本体Mの前記開口部Oの面積(言い換えると、この面積は水平面HPに投影されたカバー本体9の面積に等しい。)は、ヘッド輪郭で囲まれるヘッド平面視面積の60%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上が望ましい。これにより、ヘッド上部の重量をより確実に削減し得る。なお、前記カバー本体9の前記面積の上限は特に定めないが、クラウン部4の剛性低下を防止するために、前記ヘッド平面視面積の好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下が好ましい。
また、前記開口部Oの面積のうち、ヒール側カバー部Ahが占める面積は特に限定されない。しかし、ヘッド本体Mのヒール側には、ホーゼル部7が設けられているため比較的大きな重量が配される。このため、前記ヒール側カバー部Ahの面積が小さくなりすぎると、図2に示すように、ヘッド重心とがシャフト軸CLとの距離である重心距離GLが小さくなりスイング時にヘッドが返りやすくなって打球の方向性が悪化しやすい。逆に、前記ヒール側カバー部Ahが占める面積が大きすぎるとトウ側において十分な重量削減効果が得られず、重心距離GLが過度に大きくなってヘッドの返りが悪化しやすい。このような観点より、開口部Oの面積のうちヒール側カバー部Ahが占める面積は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上が望ましく、かつ、上限については、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下が望ましい。
なお、前記重心距離GLは、好ましくは32mm以上、より好ましくは35mm以上が望ましく、かつ、上限については、好ましくは45mm以下、より好ましくは43mm以下が望ましい。
発明者らの種々の実験ないし解析の結果、中空構造のゴルフクラブヘッド、とりわけクラウン部4にカバー部材FRが配された複合タイプのヘッドでは、打球時、クラウン部4のヒール側が大きく波打つように変形し、かつ、その振動周波数が低いことが判明した。そして、このようなクラウン部の変形モードが打球音の低音化に大きく影響していることを知見した。
本発明において、前記ヒール側カバー部Ahは、引張弾性率が370GPa以上の高弾性繊維を少なくとも含む。これにより、カバー部材FRのヒール側カバー部Ahの剛性が高められ、打球時における該領域の大きな変形及び振動周波数の低下が抑制される。従って、本発明のヘッド1は、高音かつ残響が長い心地良い打球音が得られる。
前記ヒール側カバー部Ahに、引張弾性率が370GPa以上の高弾性繊維が含まれていない場合、打球時におけるカバー部材FRのヒール側の変形が大きくなり、打球音の改善効果が期待できない。また、カバー部材FRの大幅な重量増加を防ぎつつ剛性を高めるには、繊維の引張弾性率をできるだけ大きくしその使用量を削減することが望まれるが、引張弾性率が大きくなると伸びが小さくなって脆くなり耐衝撃性が低下するおそれがある。このような観点より、ヒール側カバー部Ahに配される高弾性繊維の引張弾性率は、好ましくは430GPa以上、より好ましくは490GPa以上が望ましく、かつ、上限については好ましくは900GPa以下が好ましい。なお、カバー部材FRの繊維の引張弾性率は、JIS R7601の「炭素繊維試験方法」に準じて測定される。
また、ヒール側カバー部Ahの全面積の50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、最も好ましくは100%の面積に前記高弾性繊維が実質的に配されている態様が望ましい。
また、高弾性繊維が配されている面積Shの絶対値が小さすぎると、前記補強効果が低下する傾向がある。このため、前記面積Shは、前記平面視において、好ましくは10cm2 以上、より好ましくは12cm2 以上、さらに好ましくは15cm2 以上が望ましい。逆に、前記面積Shが大きすぎると、打球音に殆ど影響が無いトウ側の領域まで過度に補強し、コストに見合った改善効果が得られない傾向がある。このため、前記面積Shは、好ましくは30cm2 以下、より好ましくは27cm2 以下、さらに好ましくは25cm2 以下が望ましい。
なお、カバー部材FRの縁部8は、受け部10bと重ねられるため比較的変形し難い。従って、縁部8は、前記高弾性繊維を含まなくても良い。
また、高弾性繊維には、炭素繊維、とりわけピッチ系炭素繊維が特に望ましい。炭素繊維には、原料の違いからPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維と、ピッチ系炭素繊維とに大別しうるが、ピッチ系炭素繊維は、PAN系炭素繊維に比べて、低音周波数帯の振動を熱に変換して減衰させる効果が大きい。従って、高弾性繊維にピッチ系炭素繊維を用いた場合、繊維自体が低音周波数帯の振動を吸収しうる。従って、高い周波数帯の振動が効果的に得られる。またピッチ系炭素繊維は、比較的安価に高弾性の繊維が得られるという利点もある。
前記ヒール側カバー部Ahは、その中に含まれる全ての繊維が前記高弾性繊維であっても良い。ただし高弾性繊維は比較的高価なため、その使用量を減らすことが好ましい。従って、ヒール側カバー部Ahは、前記高弾性繊維と、引張弾性率が370GPa未満の低弾性繊維とをともに含む態様が特に望ましい。
ここで、前記低弾性繊維の引張弾性率は、好ましくは340GPa以下、より好ましくは320GPa以下、さらに好ましくは310GPa以下のものが望ましい。このような繊維は比較的大きな伸びを持つため、粘り強くカバー部材FRの耐衝撃性及び強度を高める。他方、前記引張弾性率が小さすぎても炭素繊維の吸水率が高くなる傾向があり成形上好ましくない。このような観点より、低弾性繊維の引張弾性率は、好ましくは200GPa以上、より好ましくは230GPa以上が望ましい。
ヒール側カバー部Ahに高弾性繊維及び低弾性繊維が含まれる場合において、両繊維の引張弾性率の差が小さすぎると、ヒール側カバー部Ahの補強効果が低下したり又はコストが増大する傾向があり、逆に大きすぎても両者の境界で顕著な剛性差が生じ、応力集中によって割れ等の損傷を招きやすい。このような観点より、高弾性繊維の引張弾性率Yh(引張弾性率が異なる複数種類の高弾性繊維を含む場合には最も大きい引張弾性率の値。)と、低弾性繊維の引張弾性率Yl(引張弾性率が異なる複数種類の低弾性繊維を含む場合には最も小さい引張弾性率の値。)との比(Yh/Yl)は、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上が望ましく、かつ、上限については、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下が望ましい。
前記カバー部材FRのトウ側カバー部Atに配される繊維は、任意に定めることができる。即ち、発明者らは、打球音に関してトウ側カバー部Atの剛性の影響は非常に小さいことを知見した。従って、トウ側カバー部Atは、前記高弾性繊維及び/又は前記低弾性繊維を含んで任意に構成できる。
しかし、トウ側カバー部Atはヒール側カバー部Ahと連続しているため、2つの領域間で剛性差が大きくなると、その境界部分等に応力が集中して割れ等の損傷が生じやすい。このような観点より、トウ側カバー部Atは、好ましくは前記低弾性繊維を含んで構成されること、より好ましくはヒール側カバー部Ahの低弾性繊維と同じ繊維を含んで構成されることが望ましい。
本実施形態のカバー部材FRは、低弾性繊維及び高弾性繊維を含み、低弾性繊維はトウ側カバー部At及びヒール側カバー部Ahの両領域(即ち、カバー部9の全域)に配されるとともに、高弾性繊維はヒール側カバー部Ahだけに配される。このような実施形態では、高弾性繊維の使用量を削減でき、ヒール側カバー部Ahの補強が、最小のコスト及び重量増加で実現される。また、低弾性繊維がトウ側カバー部At及びヒール側カバー部Ahに亘って含まれるため、各領域間での剛性差を小さくでき、耐久性をも向上できる。
上述のようなカバー部材FRは、図7に示されるように、例えば、前記開口部Oの全域を閉じ得る大きさを有する少なくとも1枚の低弾性プリプレグ11と、前記ヒール側カバー部Ahに配される少なくとも1枚の高弾性プリプレグ12とを積層したプリプレグ積層体Lの硬化物として得られる。
図8(A)には、前記低弾性プリプレグ11の一例の平面図を示す。低弾性プリプレグ11は、一ないし複数の方向に配向された低弾性繊維flを樹脂Rに含浸させた未硬化ないし半硬化状態のシート体で、図のように予め必要な形状に切断されて用いられる。低弾性プリプレグ11の輪郭形状は、ヘッド本体Mの開口部Oに合わせて、かつ受け部10bとの重なり代を十分に考慮して適宜決定される。この例の低弾性繊維プリプレグ11の輪郭形状は、開口部Oよりも大きく前記受け部10bの外面輪郭と同等ないしそれよりも僅かに大きく形成される。
図7のプリプレグ積層体Lは、複数枚の低弾性プリプレグ11を含み、かつ、それらはクロスプリプレグ11Cと一方向プリプレグ11Uとを含む。
前記クロスプリプレグ11Cは、交差(この例では90゜で交差)する向きにのびる2種の繊維が織成されることにより作られている。本実施形態では、プリプレグ積層体Lの最外側及びその内側に、クロスプリプレグ11Cが用いられる。最も外側のクロスプリプレグ11Cは、ヘッド前後方向BLに対して、0゜及び90゜の角度でそれぞれ配向された繊維flを有する。他方、その内側に配されたクロスプリプレグ11Cは、ヘッド前後方向BLに対して±45゜で配向された繊維flを有する。クロスプリプレグ11Cは、交差する繊維を有するため、加硫時にほぼ均一な伸びが得られる。これは、滑らかな凸曲面で湾曲するクラウン部4等を成形する際に、しわの発生を効果的に防止しうる。特に、本実施形態のように、加硫時により大きな引張力が作用するプリプレグ積層体Lの最外側に、クロスプリプレグ11Cを配置するのが好ましい。
なおプリプレグ積層体Lの外側とはヘッド外面側を、プリプレグ積層体Lの内側とは中空部i側をそれぞれ指すものとする。
前記一方向プリプレグ(UDプリプレグ)11Uは、繊維flが一方向に配向されて作られている。本実施形態において、該一方向プリプレグ11Uは、クロスプリプレグ11Cの内側に複数枚(この例では4枚)が配されている。一方向プリプレグ11Uの繊維flのヘッド前後方向BLに対する実質的な角度θは、外側から内側へ順に0゜、90゜、0゜及び90゜であり、隣り合う層間で繊維の配向角度は90゜異なっている。これにより、カバー部材FRの多方向に対する強度を向上しうる。なお各プリプレグ11の繊維の配向角度θについては、使用する繊維の弾性率、プリプレグの枚数などに応じて適宜設定される。
なお前記ヘッド前後方向BLは、前記基準状態において、ヘッド重心からフェース面2に下ろした法線を水平面HPに投影した線分に沿った方向とする。
図8(B)には、前記高弾性プリプレグ12の一例の平面図を示す。高弾性プリプレグ12も、一ないし複数の方向に配向された高弾性繊維fhを樹脂Rに含浸させた未硬化ないし半硬化状態のシート体である。高弾性プリプレグ12の輪郭形状は、ヒール側カバー部Ahに合わせて適宜決定される。
この例の低弾性繊維プリプレグ11の輪郭形状は、前記ヒール側カバー部Ahの全域及びその周りの縁部8とをほぼ覆いうるように定められている。また、本実施形態の高弾性プリプレグ12は、成形後にほぼ前記交線Eに近似した位置で終端するエッジeを有し、低弾性プリプレグよりも小さい形状を持つ。また、本実施形態の高弾性プリプレグ12には、繊維fhが一方向(この例ではヘッド前後方向BLに対して実質的に0゜)に配向された一方向プリプレグが用いられる。
本実施形態において、高弾性プリプレグ12は、プリプレグ積層体Lの最も内側に配されている。高弾性プリプレグ12は低弾性プリプレグ11よりも小さいため、もし低弾性プリプレグの間に挿入されると、該高弾性プリプレグ12のエッジeに隙間、気泡及び/又は空隙が形成されやすい。このような空隙等は、成形後のカバー部材FRの強度を低下させるおそれがあるため好ましくない。また、高弾性プリプレグ12を最も外側に配すると、低弾性プリプレグ11との間に段差が生じカバー部材FRの外観を悪化させるおそれがあるほか、高弾性繊維は伸びにくいため皺や窪みといった成形不良が生じやすい。なお図7の実施形態では、高弾性プリプレグ12は1枚であるが、複数枚を用いても良く、その枚数は繊維の引張弾性率などに応じて適宜定め得る。
また各プリプレグ11ないし12の目付量(プリプレグ1m2 当たりに含まれる繊維の重量)は、小さすぎるとプリプレグが薄くなり取り扱い性の悪化や成形不良が生じやすく、大きすぎると、プリプレグが厚くなって柔軟性及び成形作業性が悪化するほか、プリプレグの厚さ方向において樹脂の含浸割合が不均一となり強度低下が生じやすい。このような観点より、各プリプレグ11、12の目付量は、好ましくは50g/m2 以上、より好ましくは75g/m2 以上、さらに好ましくは100g/m2 以上が望ましく、上限については好ましくは250g/m2 以下、より好ましくは225g/m2 以下、さらに好ましくは200g/m2 以下が望ましい。
プリプレグ積層体Lは、例えばプリプレグ11ないし12自体が持っている表面粘度を利用して貼り合わされても良いし、また樹脂プライマーなどを用いて仮接着されても良い。また、プリプレグ積層体Lは、例えば内圧成形法により、所定の形状に成形されかつヘッド本体Mに一体に固着される。本実施形態において、内圧成形法は、具体的に以下のような工程を含む。
図9(A)に示されるように、ヘッド本体Mの前記開口部Oに、該開口部Oを覆うようにプリプレグ積層体Lを貼り付けてヘッド基体1Aを成形する予備成形工程が行われる。この実施形態では、プリプレグ積層体Lの縁部8は、開口部Oの周りの前記受け部10bに接触するように配される。プリプレグ積層体Lと受け部10bとの間には、例えば熱硬化型接着剤や樹脂プライマーなどを介在させることにより、両部材の位置ずれ等が防止され、加硫時の成形精度を高めるのに役立つ。
本実施形態では、予備成形は金型20の外部で行われ、その後、ヘッド基体1Aが金型20に投入される。ただし、前記予備成形工程は、下型20bにヘッド本体Mを装着した状態で行われても良い。前記金型20は、例えば開閉可能な一対の上型20a及び下型20bから構成される。
ヘッド本体Mには、例えばそのサイド部6等に前記中空部iに通じる透孔22が設けられるのが望ましい。この透孔22には、加熱及び加圧された流体の出入りによって膨張及び収縮可能なブラダーBが挿入される。
しかる後、図9(B)に示されるように、金型20を閉じて加熱するとともにブラダーBを中空部iの中で膨張変形させる成型工程が行われる。これにより、熱とブラダーBからの圧力とを受けたプリプレグ積層体Lは上型20aのキャビティCに沿って所望の形状に成形されるとともに、その縁部8が受け部10bに一体に接着される。また本実施形態では、プリプレグ積層体Lの最も外層にクロスプリプレグ11Cが配されているため、該最外層Sbに偏りの無い均一な伸びを与え、その結果、カバー部材FRにしわや窪み等の成形不良が生じるのを抑制しうる。
プリプレグ積層体Lの成型を終えると、ブラダーBは、収縮させられて前記透孔22からヘッド本体Mの外部へと取り出される。透孔22は、例えば後の工程で、ヘッドの商品名や装飾的な模様などを付したバッジ、カバー、その他の部材によって閉塞される。
また、他の実施形態として、図10及びそのB−B断面図である図11(A)に示されるように、予備成形工程において、プリプレグ積層体Lの貼り付けに先立ち、ヘッド本体Mの受け部10bの中空部側を向く受け部内面10biに補助のプリプレグ13を貼り付けても良い。補助のプリプレグ13は、前記受け部10bの内縁から開口部O側にはみ出すはみ出し部13aを有する。補助のプリプレグ13は、例えば前記開口部Oの周囲の少なくとも一部に設けられるが、好ましくは本実施形態のように、開口部Oの周囲で実質的に環状に連続するように貼り付けされることが望ましい。この例の補助のプリプレグ13は、複数(この例では4枚)のリボン状片からなり、これらを開口部Oに沿って連ねることにより、開口部Oの周りに連続的に配される。これにより補助のプリプレグ13の貼り付け作業を容易としつつ、開口部Oの全周にはみ出し部13aが形成される。
そして図11(B)に示されるように、開口部Oを覆うようにプリプレグ積層体Lを受け部10bに貼り付けし、さらに図11(C)に示されるように、金型20で成型工程が行われる。これにより、プリプレグ積層体Lと補助のプリプレグ13のはみ出し部13aとが一体化される。これにより、硬化したカバー部材FRの縁部8は、受け部10bの外面側をのびる外片部15aと、受け部10bの内面側をのびる内片部15bとを有する二股部15として成形される。
このように、ヘッド1を製造するに際して、予め、受け部10bの内面側にはみ出し部13aを有する補助のプリプレグ13を固着し、これをプリプレグ積層体Lの最も内側の層と貼り合わせることにより、簡単な手順にてカバー部材FRとヘッド本体Mとの接合面積を増加させ得る。従って、この実施形態のヘッド1は、高い接合強度が得られる。
また、ヘッド1は、例えば図12(A)及び(B)に示されるように、クラウン部4とバックフェース側のサイド部6とに跨って設けられた開口部Oを有するヘッド本体Mと、前記開口部に合わせてクラウン部4とサイド部6とに跨って配されたカバー部材FRとを用いて構成することもできる。この実施形態では、ヘッド上部側の重量をより多く削減し、例えばヘッド重心をより低く設定できる。この場合、基準状態の平面視における開口部Oの面積は、図12で見えているヘッド平面視面積に含まれる部分とする。
また、ヘッド本体Mには、クラウン部4に2つ以上の開口部Oが設けられていても良いし、さらに図13に示されるように、ソール部5にもカバー部材FRを追加しても良い。この実施形態では、ヘッドの垂直軸周りの慣性モーメントをより一層増大することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば中空構造を有するアイアン型やユーティリティ型、さらにはパター型のゴルフクラブヘッドに適用できる。
本発明の効果を確認するために、図1〜5及び表1の仕様に基づきヘッド体積が420cm3 のウッド型のドライバーヘッドを試作した。実施例のヘッドのカバー部材については、図14に示されるタイプ1ないし4のプリプレグ積層体が用いられた。タイプ1〜4の各ヘッドは、いずれも図14に示された仕様の6枚の低弾性プリプレグと高弾性プリプレグとを具える。GFRPはガラス繊維、CFRPは炭素繊維を示し、θは繊維の配向角度、括弧内の数値は繊維の目付量をそれぞれ示す。低弾性プリプレグにおいて、炭素繊維の引張弾性率は235GPa、ガラス繊維については68GPaとした。
また、各ヘッドの詳細は次の通りである。
タイプ1のヘッドは、ヘッド基体を成形したときに、境界線Eよりもヒール側で終端するエッジを有した1枚の高弾性プリプレグが用いられた。
タイプ2のヘッドは、ヘッド基体を成形したときに、ほぼ境界線Eに沿うエッジを有した1枚の高弾性プリプレグが用いられた。
タイプ3のヘッドは、ヘッド基体を成形したときに、ほぼ境界線Eに沿うエッジを有した同形状かつ2枚の高弾性プリプレグが用いられた。各プリプレグ間の繊維は、ほぼ90゜で交差している。
タイプ4のヘッドは、低弾性プリプレグと実質的に同形状の1枚の高弾性プリプレグが用いられたs。
従って、タイプ1ないし3のヘッドは、いずれも低弾性繊維がカバー本体全域に配されるとともに、高弾性繊維はヒール側領域だけに配されている。タイプ4のヘッドは、高弾性繊維もカバー本体全域に配されている。なお各タイプ1ないし4のヘッドは、いずれも高弾性プリプレグがプリプレグ積層体の最も内側に配される。
また従来例のヘッドのカバー部材は、図14に示される6枚の低弾性プリプレグのみからなるプリプレグ積層体の硬化物からなる。
さらに、ヘッド本体は、バラツキをなくすためにTi−6Al−4Vを用いて一体鋳造した。基準状態の平面視において、開口部の面積は、ヘッド輪郭で囲まれるヘッド平面視面積の80%になるように、NC加工を施して統一した。また、開口部の面積に対して、ヒール側カバー部の面積は35%とした。さらに、ヘッド本体には、予め図10のように、幅20mmの補助のプリプレグシートを用いて10mmのはみ出し部を開口部のほぼ全周に形成し、予備成形工程、加硫工程を経て複合ヘッドを試作した。カバー部材の厚さは、成形後で約0.80〜1.15mmの厚さであった。テスト方法は次の通りである。
<打球音>
先ず、各供試ヘッドにSRIスポーツ社製のカーボンシャフトMP−200を装着して45インチのウッド型クラブを試作した。次に、ハンディキャップ3〜26の10名のゴルファによる実打試験を行い打球音に関して10点法によるフィーリング評価を行った。ゴルフボールには、SRIスポーツ社製の「everio(同社の登録商標)」が使用された。評価は、数値(n=10の平均値)が大きいほど打球音が高く良好であることを示す。
<振りや易さ>
各供試クラブのスイングバランスが市販の14インチクラブバランス計により測定された。また、上記10名のゴルファによる実打時のフィーリング評価が行われた。スイングバランスの変化はカバー部材の重量差に基づいており、振りやすさに影響する。評価は、従来例を5点とする10点法とし、数値(n=10の平均値)が大きいものほど振りやすいことを示す。テストの結果など表1に示す。
Figure 2006247124
テストの結果、実施例のヘッドは、いずれも良好な打球音を生じることが確認できた。また、高弾性繊維を追加したことによる振りやすさの低下も生じておらず、有意な効果が確認できた。
本発明の実施形態を示すヘッドの基準状態の斜視図である。 その正面図である。 その平面図である。 図2のA−A端面図である。 ヘッドの分解斜視図である。 仮想円筒を説明するヘッドの斜視図である。 プリプレグ積層体を例示する分解斜視図である。 (A)は低弾性プリプレグ、(B)は低弾性プリプレグの平面図である。 (A)、(B)は内圧成形法を説明する断面図である。 内圧成形法の他の実施形態を示すヘッド本体の平面図である。 (A)〜(C)は内圧成形法の他の実施形態を示す部分断面図である。 (A)、(B)は本発明の他の実施形態を示すヘッドの平面図及びバックフェース側から見た背面図である。 本発明の他の実施形態を示すヘッドの底面図である。 実施例、比較例のプリプレグ積層体を分解して示す展開図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース面
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
8 縁部
9 カバー本体
10 クラウン縁部
11 低弾性プリプレグ
12 高弾性プリプレグ
M ヘッド本体
FR カバー部材
At トウ側カバー部
Ah ヒール側カバー部
L プリプレグ積層体
fh 高弾性繊維
fl 低弾性繊維
O 開口部

Claims (6)

  1. 金属材料からなりかつヘッド上面をなすクラウン部に少なくとも一つの開口部が設けられたヘッド本体と、
    このヘッド本体に固着されかつ前記開口部を閉じる繊維強化樹脂からなるカバー部材とを含み、しかも内部に中空部が設けられたゴルフクラブヘッドであって、
    シャフト軸から最も離れたヘッド外面の位置までの距離Lとしたときに、
    前記カバー部材は、前記シャフト軸を中心としかつ前記距離Lの半分の長さの半径を有する仮想円筒の外側で前記開口部を閉じているトウ側カバー部と、前記仮想円筒の内側で前記開口部を閉じているヒール側カバー部とを含み、かつ
    前記ヒール側カバー部は、引張弾性率が370〜900GPaの高弾性繊維を少なくとも含むことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 規定のライ角及びロフト角で水平面に接地させた基準状態の平面視において、前記開口部の面積は、ヘッド輪郭で囲まれるヘッド平面視面積の60〜95%である請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記高弾性繊維は、ピッチ系炭素繊維である請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記高弾性繊維は、引張弾性率が490GPa以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記トウ側カバー部は、引張弾性率が200GPa以上かつ370GPa未満の低弾性繊維を含み、かつ、前記ヒール側カバー部は、前記低弾性繊維及び前記高弾性繊維をともに含む請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記カバー部材は、前記開口部の全域を閉じる大きさを有しかつ前記低弾性繊維が用いられた少なくとも1枚の低弾性プリプレグと、
    前記ヒール側カバー部だけに配されかつ前記高弾性繊維が用いられた少なくとも1枚の高弾性プリプレグとを重ねたプリプレグ積層体の硬化物からなり、
    かつ前記高弾性プリプレグが最も内側に配されている請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
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