JP2008154866A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Koji Shiga
幸司 志賀
Tsutomu Ibuki
努 伊吹
Takashi Kaneko
崇 金子
Tetsuya Atsumi
哲也 渥美
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Abstract

【課題】容易に製造でき、しかも軽量であるにも関わらず所要の強度を備えた繊維強化ゴルフクラブシャフトを提供する。
【解決手段】複数の強化繊維複合樹脂層からなるゴルフクラブシャフトである。シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が各々+50〜+70°、−50〜−70°である繊維強化樹脂層2層を重ね合わせた第1の繊維強化樹脂層(1)と、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層(2)と、強化繊維の配向方向が85〜95°である第3の繊維強化樹脂層(3)とをシャフトの内側から積層一体化している。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の繊維強化複合樹脂層からなる軽量ゴルフクラブシャフトに関する。
繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフトは軽量化を図ることができるため、広く普及しているが、適切な曲げ剛性とより高い曲げ強度、衝撃強度等を有しながら更なる軽量化を図るため多くの検討がなされている。
一般にゴルフシャフトの肉厚を単に薄くして軽量化すると、シャフト軸方向の曲げ剛性とシャフト径方向の剛性が低下する。このため、曲げ変形とともにシャフト横断面形状が楕円形に変形して断面2次モーメントが小さくなり、曲げ強度や曲げ剛性の低下を伴う。これを避けるため、軽量シャフトにはシャフト軸方向に対して強化繊維が概略90°に配向した補強層を用いることが一般に用いられている。
特許第3579156号公報(特許文献1)には、図14に示すように、強化繊維の配向方向が、シャフト軸心に対して±10〜80°傾斜した複数の繊維強化複合樹脂層の傾斜層101と、強化繊維の配向方向がシャフト軸心と平行である複数の繊維強化複合樹脂層の平行層102と、強化繊維の配向方向がシャフト軸心に対して直交する複数の繊維強化複合樹脂層の直交層103とからなるゴルフクラブシャフトであって、前記傾斜層101の内側と外側の各々に少なくとも一層の直交層103を埋設した重量が10〜50gであるゴルフクラブシャフトが開示されている。
特許第3579156号公報
ところで、上記特許文献1に開示されたゴルフシャフトは薄い複数の直交層を必要とするために、製造に用いるプリプレグのトータルの面積が多くなり、部品点数も多くなる傾向がある。また通常、直交層用プリプレグを巻きつけて形成するためには直交層単独で巻きつけることが難しいため、特許文献1にも記載されているように、傾斜層や平行層と予備接着したあとマンドレル(芯金)に巻きつけるが、それでも直交層が跳ね上がり易いため巻きつけが難しく、さらには予備接着で層間に空気が残存することを防ぐために圧着機や脱気装置を用いたりするなど、製造工程が複雑化する。そのため用いる直交層の数が少ないながらも高強度で、効率よく製造できる軽量ゴルフシャフトの実現が切望されている。
本発明は、かかる状況を鑑みてなされたものであり、容易に製造でき、しかも軽量であるにも関わらず所要の強度を備えた繊維強化ゴルフクラブシャフトを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に関わるゴルフクラブシャフトの第1の特徴とする構成は、複数の強化繊維複合樹脂層からなるゴルフクラブシャフトであって、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が各々+50〜+70°、−50〜−70°である繊維強化樹脂層2層を重ね合わせてなる第1の繊維強化樹脂層1と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である第3の繊維強化樹脂層3とを含んでなるゴルフクラブシャフトにある。
また第2の特徴とする構成は、複数の強化繊維複合樹脂層からなるゴルフクラブシャフトであって、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が各々+50〜+70°、−50〜−70°である繊維強化樹脂層2層を重ね合わせてなる第1の繊維強化樹脂層1、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である第3の繊維強化樹脂層3、及びシャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2が、内側から順に積層された繊維強化樹脂層を含んでなるゴルフクラブシャフトにある。
上記特徴的構成を備えたゴルフクラブシャフトにあって、前記第1の繊維強化樹脂層1の外側に、その細径側端部から太径側端部に向けて、100〜400mmの長さをもつ第4の繊維強化樹脂層4が更に積層されることを含んでいることが好ましく、当該第4の繊維強化樹脂層4は、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+40〜+50°又は−40〜−50°である繊維強化樹脂層、或いは強化繊維の配向方向が+40〜+50°と−40〜−50°である2層が重ね合わされた繊維強化樹脂層であることが更に好ましい。また、かかる構成を備えるゴルフクラブシャフトは、そのシャフト質量が45g以下の軽量を実現できる。
発明の作用効果
本発明にあって、その特徴的な構成は、シャフトの長手方向に対して強化繊維の配向方向が異なる第1〜第3の繊維強化樹脂層1〜3を含んでおり、そのうちの第1の繊維樹脂層1の強化繊維が所定の異なる配向角度をもつ2種類の繊維強化樹脂層を重ね合わせた点にあり、また他の特徴的構成は前述の第1〜第3の繊維強化樹脂層1〜3の重ね合わせ順を規定している。
かかる構成を採用することにより、従来のように製造工程の複雑化及び煩雑化を避けることができ、同時にプリプレグのトータル面積を少なくできて軽量化が実現され、フレックス性が増し、しかもゴルフシャフトの長手方向の全体にわたり3点曲げ強力が高まり、ゴルフシャフトとしての所要の強度が確保される。
更に、第1の繊維強化樹脂層1の外側細径側端部の100〜400mmの範囲で、第4の繊維強化樹脂層4を重ね合わせる。この第4の繊維強化樹脂層4は、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+40〜+50°又は−40〜−50°である繊維強化樹脂層、或いは強化繊維の配向方向が+40〜+50°と−40〜−50°である2層が重ね合わされた繊維強化樹脂層であり、この第4の繊維強化樹脂層4を第1の繊維強化樹脂層1の外側細径側端部に重ね合わせることにより、クラブヘッドとの接合部であるシャフトの細径側端部の、上記3点曲げ強力を始めとして、アイゾット(Izod)衝撃強度及び潰し強度をバランス良く高めることが可能となり、ゴルフシャフトとして要求される各種強度を確保することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
『強化繊維』
本発明に用いる強化繊維としては、炭素繊維の他、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維を用いても良い。
軽量で、且つ、高性能という観点からは、炭素繊維を強化繊維として使用することが望ましい。
『樹脂』
本発明に用いる樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を用いることができる。耐熱性、力学特性等の面ではエポキシ樹脂と硬化剤からなるものが好ましい。
『繊維強化樹脂層』
本発明に用いる繊維強化樹脂層としては、所定の方向に配列した強化繊維と熱硬化性樹脂組成物とからなるプリプレグをマンドレルに巻き付け積層して形成する。
[ 実施例]
本発明を実施例を、比較例とともに以下に具体的に説明する。
実施例及び比較例において使用する繊維強化樹脂層形成用の材料プリプレグシートは以下のとおりである。
・HRX350C075S:PAN系炭素繊維HR40(引張強度4610MPa、引張弾性率390GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂組成物を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚み57μm、樹脂含有量25%)。
・MR350K020S:PAN系炭素繊維MR40(引張強度4410MPa、引張弾性率295GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚み20μm、樹脂含有量40%)。
・MR350J050S:PAN系炭素繊維MR40(引張強度4410MPa、引張弾性率295GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚み50μm、樹脂含有量37.5%)。
・MR350C075S:PAN系炭素繊維MR40(引張強度4410MPa、引張弾性率295GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚み63μm、樹脂含有量25%)。
・MR350C100S:PAN系炭素繊維MR40(引張強度4410MPa、引張弾性率295GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚み84μm、樹脂含有量25%)。
・MR350C125S:PAN系炭素繊維MR40(引張強度4410MPa、引張弾性率295GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚みは106μm、樹脂含有量は25%)。
・TR350C075S:PAN系炭素繊維TR50S(引張強度4900MPa、引張弾性率240GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚みは63μm、樹脂含有量は25%)。
・TR350E125S:PAN系炭素繊維TR50S(引張強度4900MPa、引張弾性率240GPa)をシート状に引き揃えたものにエポキシ樹脂を含浸してなる一方向プリプレグ(三菱レイヨン(株)製、厚みは113μm、樹脂含有量は30%)。
以下に記載する実施例1〜3及び比較例1〜7では、図1〜10に各々示す上記各材料プリプレグシートから選び、図示する各寸法及び形状に切り出した。
ここで、切り出されたプリプレグシートの巻き付けは、実施例1〜3及び比較例1〜7の全てにおいて同一寸法、同一形状のマンドレル9を使って行った。
マンドレル9(芯金)は、図11に示すとおり、細径側端部径4.9mm、テーパー率9.556/1000で太径側へと一様に太くなり、細径端部から900mmの位置で外径13.5mmとなり、細径端部から長さ1500mm位置まで外径が13.5mmを一定としたものを用いた。該マンドレル9の細径側先端から100mmの位置と、該マンドレル9の細径側先端から1263mmの位置を全てのシャフトの成形に用いた。すなわち、シャフトの成形長さは1163mmとなる。巻きつけに先立ってマンドレル9には市販のワックス系の離型剤を塗布した。
巻きつけは、図1〜10に図示した上段からの順に市販のローリングテーブルを用いて前記マンドレル9に巻き付けた。なお、実施例及び比較例にあって、第1の繊維強化樹脂層1の強化繊維が各々+50〜+70°、−50〜−70°に配向した2枚のプリプレグは、各々のプリプレグの巻き始めがマンドレル9の直径の概半周ずれるようにして、予め貼り合せた状態でマンドレル9に巻き付けた。
実施例1は、図1に示すように、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+50〜+70°である繊維強化樹脂層(品種:HRX350C075S)と強化繊維の配向方向が−50〜+70°であり、目付が92g/m2 の繊維強化樹脂層(品種:HRX350C075S)が2層予め重ね合わされて貼り合わされた第1の繊維強化樹脂層1と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である独立した2枚の同じ品種(MR350C100S)からなり、目付が133g/m2 の第2の繊維強化樹脂層2と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である品種(MR350K020S)からなり、目付が38g/m2 の1枚の第3の繊維強化樹脂層3と、1枚の第2の繊維強化樹脂層2とを、上記マンドレル9に順次巻き付けた。
これらの第1〜第3の繊維強化樹脂層1〜3の全体の長さは1163mmで同一であるが、その細径側端の幅寸法が47mm、20mm、21mm、21mm、21mmであって、各細径側端から800mmまでの間で、その幅寸法が各々107mm、44mm、44mm、45mm、45mm、45mmとなるよう傾斜したのちは、太径側端までそれぞれの同一の幅寸法とされている。
最後の1枚の上記第2の繊維強化樹脂層2が巻き付けられたのち、更にシャフトの細径側端部に、第2の繊維強化樹脂層2と同様に強化繊維の配向方向が−5〜5°である品種(TR350E125S)からなる、一側縁の長さ300mm、他側縁の長さ200mm、一端の幅寸法31mm、他端の幅寸法22mmの第1のプリプレグ片5と、同様の材料からなり直角を挟む2辺が145mmの長さをもつ二等辺三角形状の第2のプリプレグ片6とが順次巻き付けられる。この第1及び第2プリプレグ片5,6の目付は179g/m2 とされている。これらの各繊維強化樹脂層及びプリプレグ片の巻き付けは、市販のローリングテーブルを用い、上記マンドレル9上に上記順番で巻き付けられて積層される。
実施例2は、図2に示すように、実施例1と同じ寸法と形状をもつ第1〜第3の繊維強化樹脂層1〜3を同様の順番で巻きつけて製造しているが、第1の繊維強化樹脂層1のシャフト細径側端部の外側に、品種(TR350E125S)を用いた強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2からなる、目付が100g/m2 の直角を挟む1辺が245mm、他辺が65mmの直角三角形状の第3プリプレグ片7を巻きつけている。その他の構成は、最後に巻きつける直角三角形状の第2プリプレグ片6の大きさが直角を挟んだ2辺の長さを120mm、105mmとした以外、実施例1と変わらない。
実施例3は、図3に示すように、実施例1と同じ寸法と形状をもつ第1〜第3の繊維強化樹脂層1〜3を同様の順番で巻きつけて製造しているが、第1の繊維強化樹脂層1のシャフト細径側端部の外側に、品種(MR350J050S)を用い、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+40〜+50°と−40〜−50°である2層の繊維強化樹脂層(品種:NR350J050S)が重ね合わされた第4の繊維強化樹脂層4からなり、直角を挟む1辺が245mm、他辺が40mmの直角三角形状の第4プリプレグ片8を巻きつけている。その他の構成は、最後に巻きつける直角三角形状の第2プリプレグ片6の大きさが直角を挟んだ2辺の長さを120mm、100mmとした以外、実施例1と変わらない。
比較例1
比較例1は、図4に示すように、実施例1のシャフトの最も内側に配される2層からなる第1の繊維強化樹脂層1に代えて、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+40〜+50°と−40〜−50°である2層の繊維強化樹脂層(品種:HRX350C075S)が重ね合わされた第4の繊維強化樹脂層4が使われ、他の構成は実施例1と変わらない。
比較例2
比較例2は、図5に示すように、ゴルフクラブシャフトの最も内側、内側から5層目及び7層目に、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である品種(MR350K020S)からなり、目付が38g/m2 の第3の繊維強化樹脂層3を3層配している。その他の構成は比較例1と同じである。
比較例3、4
比較例3は、図6に示すとおり、比較例2における第2の繊維強化樹脂層2の目付100g/m2 を目付133g/m2 に変更していた以外、比較例2と同じである。比較例4は、図7に示すとおり、比較例3における第2プリプレグ片6の大きさを、直角を挟んだ2辺の長さを140mm、140mmとする直角二等辺3角形としている。
比較例5〜7
比較例5〜7は、図8〜図10に示すとおり、第3の繊維強化樹脂層3が一切使われず、比較例5では上記実施例3における第1の繊維強化樹脂層1の外側の細径側端部に配された直角三角形状の2枚の第4プリプレグ片8に代えて、品種(TR350E125S)を使い、強化繊維の配向方向が−5〜5°である目付133g/m2 の第2の繊維強化樹脂層2からなる、一側縁の長さ300mm、他側縁の長さ200mm、一端の幅寸法32mm、他端の幅寸法24mmの2枚のプリプレグ片が使われている。一方、比較例6では実施例3の2枚の上記第4プリプレグ片8がそのまま使われ、比較例7では更に1枚の第4プリプレグ片8を排除して、1枚の第4プリプレグ片8だけを第1の繊維強化樹脂層1の外側に配している。
上記構成を備えたゴルフクラブシャフトの成形は、第1〜第4の繊維強化樹脂層1〜4からなるプリプレグ及び第1〜第4プリプレグ片5〜8などを、上記仕様に従って、マンドレル9に巻き付けた上に、幅20mm、厚さ30μmのポリプロピレン製のテープを巻き付け、約135℃で2時間加熱硬化した後にラッピングテープを取り除き、両端部を10mmカットしてシャフト長1143mmのゴルフクラブ用シャフトを得る。得られたシャフトの重量を表1に示した。
次に、前述のようにして得られたゴルフクラブシャフトを、以下の方法で測定及び試験を行った。
『シャフトの曲げ剛性の測定』
シャフトの曲げ剛性は、太径側末端部から細径側端部より920mm位置までを保持し、細径側端部から10mm位置に重さ3kgのおもりを乗せた時の細径が先端部でのたわみ(変形)量をフレックスとして表記した。
『シャフトの3点曲げ強力試験』
製品安全協会の「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」により、細径側端部より90mm(T点)、175mm(A点)、525mm(B点)、太径側端部より175mm(C点)の曲げ強力を評価した。
『シャフトのアイゾット(Izod)衝撃強力試験』
シャフト細径側先端部から長さ60mmを切り出してアイゾット衝撃試験片とした。アイゾット衝撃試験は、JIS K 7110に準拠した上島製作所社製のアイゾット衝撃試験機(容量29.4N・m)に、図12に示す治具10を固定し、図13に示すように治具10にアイゾット衝撃試験片12を30mm挿入して、治具10の上面から22mm位置でハンマーにより打撃して衝撃吸収エネルギーを測定した。なお、治具10の上部(打撃側)には、あらかじめ2Rの面取りを施してあり、アイゾット衝撃試験片12と治具10との隙間は接着しなかった。
『シャフトの潰し強力試験』
シャフトの太径側端部から50mm位置において、20mm幅の切り出したサンプル片に円周方向に圧縮荷重をかけ、その破壊荷重をシャフト潰し強力と定義した。
実施例1〜3、比較例1〜7のシャフト重量、強度特性を表1に記載した。
Figure 2008154866
実施例1の各点の3点曲げ強度、および、アイゾッド衝撃強度は、比較例1〜7のそれらと比べ、全体的にバランスがとれた好結果が得られた。ただ、比較例3と比べると、3点曲げT点強度が多少低めであるが、実用に十分耐えられる範囲内である。
実施例2は実施例1のT点強度を改良した設計としており、そうすることで、各種強度のバランスが比較例の中で最も良好な比較例3と同等の強度である。ここで比較例3は、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である品種(MR350K020S)からなる第3の繊維強化樹脂層3(直交層)を3層配するため、直交層単独で巻きつけることが難しく、特許文献1にも記載されているように、傾斜層や平行層と予備接着したあとマンドレル9(芯金)に巻きつけている。しかし、それでも直交層が跳ね上がり易いためマンドレル9への巻きつけが難しく、さらには予備接着で層間に空気が残存することを防ぐために圧着機や脱気装置を用いたりするなど、製造工程が複雑化する。
実施例3は繊維強化樹脂層4を含む実施例であり、繊維強化樹脂層2の一部を繊維強化樹脂層4へ置き換えた積層構成としているため、T点強度が低めであるものの、他の点の曲げ強度とアイゾッド衝撃強度は高い値を示しており、特に、アイゾッド衝撃強度は実施例、比較例の中で最も高い値である。
比較例1は、第1の繊維強化樹脂層1に代えて第4の繊維強化樹脂層4が配されており、第3の繊維強化樹脂層3は実施例と同様に1層だけである。この積層構成での各強度は、実施例1〜3と比べ、低水準である。
比較例2〜4は、シャフトの内層に第1の繊維強化樹脂層1がなく、第4の繊維強化樹脂層4が配され、且つ第3の繊維強化樹脂層3が3層配される比較例である。第3の繊維強化樹脂層3を3層とした比較例2〜4は、各強度がバランス良く、実施例と同等の強度レベルであるが、その製作は煩雑であり複雑化する。
比較例5〜7は、第3の繊維強化樹脂層3がない場合の比較例である。これらの比較例では、潰し強度が明らかに低いため、第3の繊維強化樹脂層3が1層は必要であると言える。
本発明の実施例1のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 同じく実施例2のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 同じく実施例3のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例1のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例2のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例3のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例4のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例5のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例6のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 比較例7のゴルフクラブシャフトの構成を示す展開図である。 ゴルフクラブシャフト成形用マンドレルの構成を例を示す側面図である。 ゴルフクラブシャフトのアイゾッド衝撃強度試験用治具を示す構成図である。 アイゾッド衝撃強度試験用治具を用いた試験法の説明図である。 従来のゴルフクラブシャフトの積層構成例を示す断面図である。
符号の説明
1〜4 第1〜第4の繊維強化樹脂層
5〜8 第1〜第4プリプレグ片
9 マンドレル
10 アイゾッド(Izod)衝撃強度試験用治具
12 アイゾッド(Izod)衝撃強度試験片
101 傾斜層
102 平行層
103 直交層

Claims (4)

  1. 複数の強化繊維複合樹脂層からなるゴルフクラブシャフトであって、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が各々+50〜+70°、−50〜−70°である繊維強化樹脂層2層を重ね合わせてなる第1の繊維強化樹脂層1と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2と、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である第3の繊維強化樹脂層3とを含んでなるゴルフクラブシャフト。
  2. 複数の強化繊維複合樹脂層からなるゴルフクラブシャフトであって、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が各々+50〜+70°、−50〜−70°である繊維強化樹脂層2層を重ね合わせてなる第1の繊維強化樹脂層1、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2、シャフトの全長に亘り、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が85〜95°である第3の繊維強化樹脂層3、及びシャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が−5〜5°である第2の繊維強化樹脂層2が、内側から順に積層された繊維強化樹脂層を含んでなるゴルフクラブシャフト。
  3. 請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフトであって、
    前記繊維強化樹脂層1の外側に、その細径側端部から太径側端部に向けて、100〜400mmの長さをもつ第4の繊維強化樹脂層4が更に積層されることを含んでなり、
    当該繊維強化樹脂層4は、シャフトの長手方向に対して、強化繊維の配向方向が+40〜+50°又は−40〜−50°である繊維強化樹脂層、或いは強化繊維の配向方向が+40〜+50°と−40〜−50°である2層が重ね合わされた繊維強化樹脂層であるゴルフクラブシャフト。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフクラブシャフトであって、シャフト質量が45g以下であるゴルフクラブシャフト。
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