JP2012143515A - ゴルフクラブシャフト、および、ゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブシャフト、および、ゴルフクラブ Download PDF

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【課題】クラブヘッドのヘッドスピードをより高めることができる、ゴルフクラブシャフトおよびゴルフクラブを提供すること。
【解決手段】本発明は、ゴルフクラブシャフトの軸を中心として同心状に積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体を含み、この複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体の少なくとも1枚が、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフクラブシャフト、および、ゴルフクラブに関する。
近年、ゴルフクラブにおいて、カーボンファイバーを含有するゴルフクラブシャフトが用いられている。このカーボンファイバーを含有するゴルフクラブシャフトは、複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体をシャフトの軸を中心に同心状に積層した多層構造を有しており、スチール製シャフトに比べて大幅な軽量化が図れることから、ヘッド重量を増加させながらクラブ全体としては軽量化を図ることができ、ボールの飛距離を伸ばすことができるとして人気を呼んでいる。
このようなカーボンファイバーを含有するゴルフクラブシャフトの構造を工夫した例として、同心状に積層したカーボンファイバープリプレグ成形体の層間にチタン繊維を介在させることでシャフトをしなり易くさせて、飛距離を伸ばすことができるゴルフクラブシャフトが提案されている(特許文献1を参照)。同じく、カーボンファイバーを含有するゴルフクラブシャフトの構造を工夫した例として、ヤング率が60GPa以下で引っ張り強さが1000MPa以上あるチタン合金の繊維状物が配設されたカーボンファイバープリプレグ成形体を用いることによって、しなりを生じさせて、クラブヘッドのヘッドスピードを高めることができるゴルフクラブシャフトが提案されている(特許文献2を参照)。
特開2001−120697号公報 特開2008−200272号公報
しかしながら、このように様々な改良がなされてきたゴルフクラブに対しても、ゴルフという競技の特性上、ゴルフクラブのヘッドスピードをあげることで、打球をさらに遠くに飛ばすことが求められ続けている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、クラブヘッドのヘッドスピードをより高めることができるゴルフクラブシャフトおよびゴルフクラブを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るゴルフクラブシャフトは、ゴルフクラブシャフトの軸を中心として同心状に積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体を含み、カーボンファイバープリプレグ成形体の少なくとも1枚が、表面修飾されたカーボンナノチューブ含む。このようなゴルフクラブシャフトにすることによって、ゴルフクラブシャフトの断面のつぶれを抑制しながら、ゴルフクラブシャフトをしならせることが可能となり、この結果、ヘッドスピードをより高めることができる。
表面修飾されたカーボンナノチューブ含むカーボンファイバープリプレグ成形体を、キックポイントに配置することが好ましい。このような特定の性能を有する素材を、シャフトの中で最も曲がる部分であるキックポイントに配することによって、しなり戻りの復元力と共に、断面つぶれを抑制する事で復元力を更に高めることができる。その結果、ヘッドスピードを高めることができる。
つぶれ抑制に対しては、高引張弾性率のカーボンファイバーを使用したプリプレグ成形体を適用することもありうるが、高い曲げ弾性率の反面、シャフト自体のしなり性能を低減する事が知られている。また、高引張弾性のカーボンファイバーは、コスト面でも高価である。
上記を考慮し、表面修飾されたカーボンナノチューブを含有するプリプレグ成形体で特性を高めることで、高強度カーボンファイバーを使用したプリプレグ成形体でありながら、つぶれ抑制とシャフトしなりをバランスよく高める事ができる。
表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体を、積層されたカーボンファイバープリプレグ成形体の一番外側に配置することが好ましい。このような特定の性能を有する素材を、ゴルフクラブシャフトの外側近くに配することによって、断面のつぶれを抑制する効果と、ゴルフクラブシャフトをしならせる効果とが強く発揮され、この結果、ヘッドスピードをより高めることができる。
表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体が、1750Mpa以上の曲げ強度と、120Gpa以上の曲げ弾性率とを有することが好ましい。このような特性を有することで、効果的に、ゴルフクラブシャフトの断面のつぶれを抑制しながら、ゴルフクラブシャフトをしならせることが可能となる。
本発明によれば、特定の性能を有する素材をゴルフクラブシャフトに配することによって、クラブヘッドのヘッドスピードをより高めることができる、ゴルフクラブシャフトおよびゴルフクラブを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態における、ゴルフクラブシャフトの内部構造を示す図である。 本発明の一実施形態における、ゴルフクラブシャフトのキックポイントの位置を示す図である。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、添付図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、および、そのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
本発明に係るゴルフクラブシャフトは、ゴルフクラブシャフトの軸を中心として同心状に積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体と、積層されたカーボンファイバープリプレグ成形体の外表面に施された塗装層とを備える。そして、カーボンファイバープリプレグ成形体の少なくとも1枚が、表面修飾されたカーボンナノチューブ含むが、複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体のうち、どの1枚であっても構わず、複数枚であっても構わない。
なお、カーボンファイバープリプレグ(carbon fiber prepreg)とは、カーボンファイバーに樹脂組成物を含浸させたシート状の中間基材をいい、例えば、カーボンファイバーに熱硬化樹脂組成物を含浸させた後、半硬化状態、いわゆる、Bステージの状態にしたものをいう。また、本明細書においては、カーボンファイバープリプレグを硬化させたもの、つまり成形したものを、カーボンファイバープリプレグ成形体とした。
カーボンファイバープリプレグ成形体は、カーボンファイバーと樹脂組成物以外の物質、例えば、ガラス繊維や金属材料などを含んでいても良い。また、カーボンファイバーに含浸させる樹脂組成物は、主原料が樹脂であれば良く、例えば、カーボンナノチューブなどの添加物を含んでいても良い。
積層されたカーボンファイバープリプレグ成形体の各層は、互いに同じカーボンファイバープリプレグ成形体であっても良く、異なるカーボンファイバープリプレグ成形体であっても良い。また、カーボンファイバープリプレグ成形体の各層の間に、例えば、カーボンファイバーを含まない樹脂成形体や、接着剤、ガラス繊維や金属材料などの強度を向上させるための物質など、カーボンファイバープリプレグ成形体以外の物質を含んでいても良い。
図1は、本発明の一実施形態として説明する、ゴルフクラブシャフトの内部構造を示す図であり、図2は、本発明の一実施形態として説明する、ゴルフクラブシャフトのキックポイントの位置を示す図である。ここで、キックポイントとは、ゴルフクラブを振ってシャフトに力を加えた時に、最も曲がる部分のことを指す。
例えば、図1に示すように、本発明に係るゴルフクラブシャフト10は、キックポイント10aにおいて、ゴルフクラブシャフトの軸を中心として同心状に積層されたカーボンファイバープリプレグ成形体12、14、15と、カーボンファイバープリプレグ成形体15の外表面に施された塗装層13とを備えてもよい。この場合、キックポイント10a以外の部分の構造は、特に限定されないが、キックポイント10aと同じ構造であることが好ましい。ここで、キックポイント10aは、例えば、図2に示すように、ゴルフクラブシャフト10(実線で記載)のクラブヘッド11(破線で記載)を付ける側から420〜540mmの部分であってもよい。
複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体12、14および15のうち、一番内側を含む2枚以上の層は、ゴルフクラブシャフト10のトルク性能を調節できるように、高弾性カーボンファイバーを含むカーボンファイバープリプレグ成形体12であることが好ましい。例えば、カーボンファイバープリプレグ成形体12に含まれている高弾性カーボンファイバーは、カーボンファイバーの配向角が、ゴルフクラブシャフト10の軸方向に対し斜めになるように配置される。さらに、カーボンファイバープリプレグ成形体12は、積層されたカーボンファイバーの配向角が内側から外側に向かって順次交差するように、各層が積層される。
複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体12、14および15のうち、一番内側と一番外側とを除く1枚以上の層は、ゴルフクラブシャフト10のしなり特性と強度とを調節するように、高強度カーボンファイバーを含むカーボンファイバープリプレグ成形体14であることが好ましい。
カーボンファイバープリプレグ成形体15は、表面修飾されたカーボンナノチューブを含み、1750Mpa以上の曲げ強度と120Gpa以上の曲げ弾性率とを有する。
そして、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15は、最も外側を含む1枚以上の層に配置されている。外力による破損を防ぐため、高強度素材であるカーボンファイバープリプレグ成形体15を外側に配置する事で、シャフトの耐久性が向上できる。
従来は、ゴルフクラブシャフト10の断面が変形しないような素材を使用すると、ゴルフクラブシャフト10がしならないために、クラブヘッド11のヘッドスピードが上がらず、逆に、しなりやすい素材を使用すると、例えばゴムホースのようにゴルフクラブシャフト10の断面が大きく変形してしまうため、しなったゴルフクラブシャフト10が元に戻ろうとする力が低下してしまい、その結果、クラブヘッド11のヘッドスピードが上がらなかった。しかし、本発明のゴルフクラブシャフト10は、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15を備えることによって、ゴルフクラブシャフト10の断面のつぶれ、即ち、変形を抑制しながら、ゴルフクラブシャフト10をしならせることが可能となり、この結果、クラブヘッド11のヘッドスピードをより高めることが可能となった。
表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15は、例えば、次の方法で製造することができる。
まず、直径が8〜15nmであり、長さが2μm以下であって、3層以上の多層構造を有する、表面がカルボニル基で修飾されたカーボンナノチューブを、適量のアセトンに一次分散させた後、その混合物をエポキシ樹脂に二次分散させ、その後アセトンを除去することで樹脂組成物を調製する。引き続き、得られた樹脂組成物を、カーボンファイバーに含浸させることによって、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグを製造する。このプリプレグを硬化させることによって、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15を製造することができる。
ここで、カーボンナノチューブの長さを2μm以下に調整する方法は、ボールミルなどによる物理的カット方法では、カーボンナノチューブ自体の破損も伴い、樹脂特性が大きく向上しない。よって、化学的カット方法、例えば、強酸によるカットなどを行うことが好ましい。
用いるエポキシ樹脂は、多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。多官能エポキシ樹脂を含ませる方法は、例えば、表面修飾されたカーボンナノチューブを分散させたエポキシ樹脂(アセトン除去後)に、表面修飾されたカーボンナノチューブの10倍量(重量換算)の多官能エポキシ樹脂を添加することによって含ませても良い。ここで、多官能エポキシ樹脂とは、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビトールなどの多官能のエポキシ化合物を原料として製造された樹脂をいう。
用いるエポキシ樹脂とカーボンナノチューブとの割合は、当業者であれば適宜調節することができるが、カーボンファイバープリプレグ成形体の曲げ強度と曲げ弾性率とをより高くするために、カーボンナノチューブ対してエポキシ樹脂が、30〜50倍量であることが好ましく、35〜45倍量であることがより好ましい(いずれも重量換算)。上述のように、エポキシ樹脂が多官能エポキシ樹脂を含む場合には、これらの他に、さらに10倍量の多官能エポキシ樹脂を含む。
カーボンナノチューブを分散させる方法としては、高圧ホモジナイザーなどの使用が好ましい。また、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15において、表面修飾されたカーボンナノチューブは、エポキシ樹脂中に、20μm以下の粒径で分散していることが好ましい。
表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15の、曲げ強度および曲げ弾性率は、それぞれ、1750Mpa以上および120Gpa以上であることが好ましい。例えば、曲げ強度は、1750〜2400Mpaであっても良く、1800〜2200Mpaであることがより好ましく、また、曲げ弾性率は、120〜200Gpaであっても良く、120〜160Gpaであることがより好ましい。
また、樹脂組成物の曲げ強度および曲げ弾性率は、それぞれ、150Mpa以上および3.25Gpa以上であることが好ましい。例えば、曲げ強度は、150〜200Mpaであっても良く、150〜180Mpaであることがより好ましく、また、曲げ弾性率は、3.25〜4.00Gpaであっても良く、3.25〜3.75Gpaであることがより好ましい。
表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグの製造例は、以下の通りになる。
基材 カーボンファイバー:トレカT-700SC-12K
一方向配列 基材目付量:125g/m
樹脂 エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100wt%
硬化剤 :アミン系硬化剤(ジシアンジアミド) 4.5wt%
触媒 :芳香族系尿素化合物 3.0wt%
また、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体15の評価方法は、以下の通りになる。
一方向プリプレグ成形体(Unidirctional pre-preg)を下記成形条件で積層板成形し、三点曲げ試験を行った数値
積層板成形条件 積層数:20枚
積層方向:0°
成形方法:ホットプレス成形
成形条件:130℃ × 1h × 5Kgf/cm
曲げ試験: JIS K7074
図2に示すように、このようなゴルフクラブシャフト10に、クラブヘッド11とグリップ16(破線で表示)とを備えることによって、ゴルフクラブシャフト10の断面のつぶれを抑制しながら、ゴルフクラブシャフト10をしならせることが可能となることに加えて、カーボンファイバープリプレグ成形体15が持つ強い復元力により、ヘッドスピードを高めることができる。さらに、カーボンファイバープリプレグ成形体15の高い剛性により断面つぶれを抑制する事でき、これにより復元力を更に高めることができる。その結果、ヘッドスピードを飛躍的に高めることができる。この結果、クラブヘッド11のヘッドスピードをより高め、打球をさらに遠くに飛ばすことができる、ゴルフクラブ20とすることができる。
また、つぶれ抑制に対しては、高引張弾性率のカーボンファイバーを使用したプリプレグ成形体を適用する事もありうるが、高い曲げ弾性率の反面、シャフト自体のしなり性能を低減する事が知られている。また、高引張弾性のカーボンファイバーはコスト面でも高価である。上記を考慮し、カーボンファイバープリプレグ成形体15で特性を高める事で、高強度カーボンファイバーを使用したプリプレグ成形体でありながら、つぶれ抑制とシャフトしなりをバランスよく高める事が出来る。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明に係るゴルフクラブシャフトと、従来のゴルフクラブシャフトとの性能を比較する実験を行った。これらのゴルフシャフトを含むゴルフクラブは、同じ構造を備えるが、積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体のうち一番外側の層が、本発明に係るゴルフクラブシャフトは、1800Mpaの曲げ強度と120Gpaの曲げ弾性率とを有するのに対して、従来のゴルフクラブシャフトに用いるカーボンプリプレグ成形体は、1700Mpaの曲げ強度と115Gpaの曲げ弾性率とを有する点で異なる。
なお、本発明に係るゴルフクラブシャフトを構成する、1800Mpaの曲げ強度と120Gpaの曲げ弾性率とを有するカーボンファイバープリプレグ成形体は、直径8〜15nm、長さ2μm以下、3層以上の多層構造を有する、表面がカルボニル基で修飾された多層カーボンナノチューブを、アセトンに一次分散後、35〜40倍量のエポキシ樹脂に二次分散し、その後アセトンを除去する事により、161Mpaの曲げ強度と3.35Gpaの曲げ弾性率とを有する樹脂組成物を調製し、さらに、得られた樹脂組成物をカーボンファイバーに含浸させ後に、硬化させることによって製造した。用いた、基材および樹脂の詳細は、下記の通りである。
基材 カーボンファイバー:トレカT-700SC-12K
一方向配列 基材目付量:125g/m
樹脂 エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100wt%
硬化剤 :アミン系硬化剤(ジシアンジアミド) 4.5wt%
触媒 :芳香族系尿素化合物 3.0wt%
これらのゴルフクラブシャフトをそれぞれ備える45インチのゴルフクラブを用いて、ゴルフクラブシャフトの曲げ試験、つぶれ試験、および、しなり戻り速度の測定を行った。具体的な方法および結果は、以下の通りである。
==曲げ試験==
本発明に係るゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブと、従来のゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブとの2つを用いて、曲げ試験を行った。両ゴルフクラブのキックポイントを中心とした300mmの部分(ゴルフクラブシャフトのクラブヘッドを付ける側から330〜630mmの部分)を、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能試験機RTCシリーズを用いて三点曲げ計測し、曲げ強度としなり量とを計測した。従来のゴルフクラブシャフトを用いた時の値を100とした際の結果を、表1に示す。
Figure 2012143515
この結果、本発明に係るゴルフクラブシャフトを用いた場合には、三点曲げの曲げ強度が13%、そして、しなり量が10%向上することが示された。このように、本発明に係るゴルフクラブシャフトは、ゴルフクラブシャフトのしなり量が増加することによって、多くのしなりエネルギーを蓄えることが可能である。
==つぶれ試験==
本発明に係るゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブと、従来のゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブとの、キックポイントの中心部分(ゴルフクラブシャフトのクラブヘッドを付ける側から480mmの部分)の断面について、つぶれ試験を行い、株式会社エー・アンド・デイ製のテンシロン万能試験機RTCシリーズを用いて、つぶれ強度としなり量とを計測した。従来のゴルフクラブシャフトを用いた時の値を100とした際の結果を、表2に示す。
Figure 2012143515
この結果、本発明に係るゴルフクラブシャフトを用いた場合には、キックポイント中心部分の断面のつぶれ強度が5%向上し、そして、しなり量が4%減少することが示された。このように、本発明に係るゴルフクラブシャフトは、断面のつぶれ量が減少することによって変形復元時のエネルギーロスが減少するとともに、変形復元時の再現性が向上する。
==しなり戻り速度==
本発明に係るゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブと、従来のゴルフクラブシャフトを備えるゴルフクラブとのそれぞれについて、ゴルフクラブ全長を片持ち状態で曲げた後の復元速度である、しなり戻り速度を、セイラー万年筆株式会社製のゴルフクラブ測定機MULTI−ANALIZER Dr.EYEを用いて計測した。さらに、計測された値からヘッドスピードの値を換算した。従来のゴルフクラブシャフトを用いた時の、しなり戻り速度の値を100として、各結果を表3に示す。
Figure 2012143515
この結果、本発明に係るゴルフクラブシャフトを用いた場合には、しなり戻り速度が3%、そして、ヘッドスピード換算で1.2m/s向上することが示された。
このように、本発明に係るゴルフクラブシャフトは、しなりエネルギーの増加と変形復元時のエネルギーロスの減少によって、スイング時のしなり戻り速度が向上し、さらに、変形復元時の再現性の向上によって、スイング時の安定感が向上する。
10 ゴルフクラブシャフト
10a キックポイント
11 クラブヘッド
12 高弾性カーボンファイバーを含むカーボンファイバープリプレグ成形体
13 塗装層
14 高強度カーボンファイバーを含むカーボンファイバープリプレグ成形体
15 表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体
16 グリップ
20 ゴルフクラブ

Claims (8)

  1. ゴルフクラブシャフトの軸を中心として同心状に積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体を含むゴルフクラブシャフトであって、
    カーボンファイバープリプレグ成形体の少なくとも1枚が、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、ゴルフクラブシャフト。
  2. キックポイントにおけるカーボンファイバープリプレグ成形体の少なくとも1枚が、表面修飾されたカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体が、積層された複数枚のカーボンファイバープリプレグ成形体の一番外側に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体が、1750Mpa以上の曲げ強度と、120Gpa以上の曲げ弾性率とを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体は、エポキシ樹脂を含み、
    表面修飾されたカーボンナノチューブは、エポキシ樹脂中に、20μm以下の粒径で分散しており、
    表面修飾されたカーボンナノチューブは、表面がカルボニル基で修飾されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  6. 表面修飾されたカーボンナノチューブを含むカーボンファイバープリプレグ成形体に含まれる、エポキシ樹脂の量は、表面修飾されたカーボンナノチューブの量に対し、重量換算で35〜45倍量である事を特徴とする、請求項5に記載のゴルフクラブシャフト。
  7. 表面修飾されたカーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブであり、直径が8〜15nmであって、長さが2μm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフト。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブシャフトを含む、ゴルフクラブ。
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