JP2007117730A - ゴルフシャフト - Google Patents

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雅史 宇田
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Abstract

【課題】軽量かつ充分な、ねじれ強度を保持しながら、先端部のねじり強度の特に優れたゴルフシャフトを提供する。
【解決手段】少なくとも、バイアス層7とストレート層8と、バイアス補強層9とを含む繊維強化樹脂層を積層させてなるゴルフシャフトであって、ゴルフシャフトは、ゴルフシャフトにねじれ角度が発生したときのバイアス層7とバイアス補強層9のせん断応力が互いに同等となる構成とし、前記バイアス層7とバイアス補強層9とのねじり強度差が少なくなる。つまり、バイアス補強層9に用いられるバイアス補強プリプレグ9a、9bが効率的に選定され用いられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、繊維強化樹脂製のゴルフシャフトに関し、詳しくは、ゴルフシャフトの軽量化を図りながらゴルフシャフトの先端部のねじり強度を向上させるものである。
従来より、ゴルフクラブには飛距離と方向性の両立が求められるために、スチ−ルシャフトに比べて、軽量で、高強度および高弾性率を兼ね備えた繊維強化樹脂製のゴルフシャフトが提案されている。
前記ゴルフシャフトは、材料として繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを用いる場合、強化繊維の配列角度を、前記ゴルフシャフトの軸方向を0°とした時、±30°〜±60°の範囲内の角度に傾斜するよう配列させたバイアスプリプレグを積層したバイアス層と、前記軸方向に対して平行となるように配列させたストレートプリプレグを積層したストレート層等が使用され、これらを用いて、プリプレグの材質や積層構成を改良し、軽量ゴルフシャフトの強度等を向上させるための種々の提案がなされている。
一方で、ゴルフクラブは、その構造上、ゴルフヘッドがゴルフシャフトの軸線上よりもオフセットした位置に構成されることから、ゴルフボールを打撃した場合、前記ゴルフシャフトには、曲げ変形とともにねじり変形も生じている。したがって、前記ねじり変形によってねじり方向にも応力が発生する。
ゴルフシャフトのねじり強度は、ゴルフシャフト軸方向に関して強化繊維を±30〜60°に傾斜させた、いわゆるバイアス層に負うところが大きい。さらに最近、引張弾性率50t〜100tからなる高弾性炭素繊維により一定水準のねじり剛性を保持しつつ炭素繊維使用量を低減しゴルフシャフトを軽量化することが提案されている。
しかし、これらの前記高弾性率炭素繊維の材料は、引張弾性率の高い材料になるほど繊維強度が低く破断伸度が小さくなる。従って、前記ゴルフシャフト全長に前記高弾性率炭素繊維のバイアス層を配設させたゴルフシャフトは、十分な捻り強度が得られないために、わずかな変形量でもゴルフシャフトが折損しやすくなるといった問題が発生する。
そこで、ゴルフシャフトのねじり破断は、ゴルフシャフトの先端部で起きていることから、これらの問題を解決するための方法として、所定の長さに裁断された補強プリプレグシートをゴルフシャフトの細径側の先端部に配設することが公知である。また、前記補強プリプレグシートの強化繊維の配列角度については、前記シャフトの中心軸方向に対して平行に配列させたものや傾斜して配列させたものが一般的に使用されている。
例えば、ゴルフシャフト全長のバイアス層とは別に、最も折れやすいゴルフシャフトの先端部に強化繊維の引張弾性率が20ton/mm2〜40ton/mm2で且つシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置された高強度材料のバイアス補強層を積層し、ねじり強度の向上を実現している。
また、特許文献1には、ゴルフシャフトヘッド側先端部の補強用のバイアス層を、高弾性率の炭素繊維を強化繊維とする繊維強化プラスチック層にすることにより、捻り強度が十分であって、軽量で、しかも効率的に低ねじれ化された繊維強化樹脂積層からなるゴルフクラブシャフトについて開示されている。
特開平8−224809号公報
しかし、前記従来のゴルフシャフトの先端部に引張弾性率20ton/mm2〜40ton/mm2からなる高強度材料のバイアスの補強層を積層させたゴルフシャフトは、該補強層の材料強度とゴルフシャフト全長のバイアス層の材料強度に大きな差があり、補強層の材料強度を十分に発揮する前に強度の低いゴルフシャフト全長のバイアス層が先に破断してしまう可能性がある。
また、特許文献1に開示されているゴルフシャフトにおいて、高弾性率の炭素繊維は、特に圧縮強度が低いために、捻り強度や曲げ強度の向上を図るための強化繊維としては適さないため、外層に積層された前記ヘッド側先端部の補強用のバイアス層が先に破断してしまいシャフト全長層の材料強度の発現率が低くなってしまう。
このような、上記した従来のゴルフシャフト先端部の補強方法では、各層の材料の破壊角度が異なるためゴルフシャフト先端部の補強層の材料強度を十分に発揮しきれない時点で破断に至ってしまう。また、ゴルフシャフトの各層の材料が持っている限界強度を十分に発揮しきれていない為、シャフトに十分なねじり強度を発現させるためには、必要以上にシャフト全長のバイアス層、先端部の補強層の使用量を多くする必要があり、ゴルフシャフトの質量が重くなるという問題を有している。つまり、バイアス層と先端部の補強層に用いられる材料が効率的に使用されていない。
従って、前記高弾性率炭素繊維を使用し、低ねじれ化したゴルフシャフトは質量が増大してしまうために、使用者は、プロあるいはハードヒッターに限定され、幅広いゴルフプレイヤーに適したクラブを開発するためには、シャフトの軽量化を図る必要があり、強度の低い高弾性率炭素繊維を使用する際の障害となっていた。
そこで、本発明の目的は、従来の繊維強化樹脂製のゴルフシャフトの上述した問題点を解決すること、すなわち、軽量かつ充分な、ねじれ強度を保持しながら、先端部のねじり強度の特に優れたゴルフシャフトを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るゴルフシャフトは、少なくとも、強化繊維の引張弾性率が40ton/mm2〜100ton/mm2で且つシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置されたバイアスプリプレグからなるバイアス層と強化繊維の配向角度がシャフト中心軸方向に対し略平行としたストレートプリプレグからなるストレート層と、前記バイアス層より外層に積層され、強化繊維がシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置されたバイアス補強プリプレグからなるバイアス補強層とを含む繊維強化樹脂層を積層させてなるゴルフシャフトであって、該ゴルフシャフトは、ゴルフシャフトにねじれ角度θが発生したときの前記バイアス層とバイアス補強層とが互いに同等なせん断応力が発生する強化繊維の引張弾性率と配向角度であることを特徴とするゴルフシャフトである。
本発明の請求項2に係るゴルフシャフトは、請求項1記載のゴルフシャフトであって、前記バイアス補強層は、強化繊維の引張弾性率が40ton/mm2〜100ton/mm2で且つ強化繊維の配列角度をシャフト中心軸方向に対し±20°〜±60°の範囲となるように配列させた補強プリプレグシートを積層させたことを特徴とするゴルフシャフトである。
本発明の請求項3に係るゴルフシャフトは、請求項1又は2記載のゴルフシャフトであって、前記バイアス補強層は、前記ゴルフシャフトの最先端の位置から後端側へ向かって配置され、30mm〜600mmの長さとしたことを特徴とするゴルフシャフトである。
本発明のゴルフシャフトは、ゴルフシャフトにねじれ角度が発生したときのバイアス層とバイアス補強層のせん断応力が互いに同等となる構成としているため、バイアス層とバイアス補強層とのねじり強度差が少なくなる。つまり、バイアス補強層に用いられるバイアス補強プリプレグが効率的に選定され用いられていることになる。その結果、バイアス層に高弾性率炭素繊維を使用したゴルフシャフトに対して軽量かつ、充分なねじり強度を保持しながら、先端部のねじり強度の特に優れたゴルフシャフトとすることができる。
本発明は、ゴルフシャフトの全長を形成するプリプレグシートとして、ゴルフシャフトの軸方向を0°とした時の該軸方向に対する強化繊維の配列角度を所定の角度に傾斜して配列させ、且つ、引張弾性率が40ton/mm2〜100ton/mm2の高弾性率炭素繊維材料からなるバイアスプリプレグを使用したゴルフシャフトにおいて、ゴルフシャフトの総質量をそれほど増加させることなくゴルフシャフト先端部を補強することで、その先端ねじり強度の向上を実現させたゴルフシャフトである。即ち、前記先端ねじり強度を得る為には先端側にバイアス補強層を配置し、前記バイアス補強層の繊維強化樹脂プリプレグの構成を改良することで達成できる。以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態のゴルフシャフトを説明する図であり、ゴルフシャフト1は、その先端側にはゴルフヘッド2が、後端側にはグリップ3が装着されている。
ゴルフシャフト1は全長が1168mmで作成し、必要長さに切断したものであり、図2に示すようにその先端4から後端5に向かって漸次外径が大きくなるテーパー状を有していて、その重さは30g〜80gである。このようなゴルフシャフト1は、強化繊維として炭素繊維を、合成樹脂としてエポキシ樹脂を用いた繊維強化樹脂プリプレグをゴルフシャフト成形用のマンドレル6に卷回積層して形成した繊維強化樹脂層20を有した構成となっている。
前記繊維強化樹脂層20は、たとえば、図3に示すように、強化繊維の引張弾性率が40〜100ton/mm2で且つ、シャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±20°〜±60°の角度を有するように配置したバイアスプリプレグ7a、7bで、ゴルフシャフトの全長にわたり2〜4回卷回配置したバイアス層7と、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維をシャフト中心軸10方向に略平行となるように配置したストレートプリプレグ8aで、ゴルフシャフトの全長にわたり各1〜2回卷回配置されたストレート層8と、先端4を始点として、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維がシャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±20°〜±60°の角度を有するように配置したバイアス補強プリプレグ9a、9bを含むバイアス補強層9とさらにその上に炭素繊維をシャフト中心軸11方向に略平行となるように配置したストレートプリプレグ11aで、ゴルフシャフトの全長にわたり1回卷回配置したストレート層11を含む構成としている。
また、この他に、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維がシャフト中心軸10方向に対して90°向に配置されたフープ層を設ける構成としても良い。例えば、このフープ層を設ける場合には、前記ストレート層8を前記した卷回数よりも少なくしてフープ層に変える。
本発明のゴルフシャフトに係わる前記バイアス補強層9は、ゴルフシャフト1の先端4側に配置され、前記バイアス層7よりも外側に積層される。バイアス補強層9は、前記ゴルフシャフト1にねじれ角度θが発生したときの前記バイアス層7とバイアス補強層9とが互いに同等なせん断応力が発生するような強化繊維の引張弾性率、配交角度の構成とし、下記数3式によって定義される構成としている。
即ち、図4に示すゴルフシャフト1の先端4の断面において、中心Oからr1の位置にバイアス層7、r2の位置にバイアス補強層9が積層されている例に基づき説明する。
この時、バイアス層7およびバイアス補強層9の斜交積層材のせん断弾性率「GX、」は、工学的弾性定数である繊維方向弾性率、直角方向弾性率、面内せん断弾性率、ポアソン比を用いて「複合材料入門・培風館(1983)・P98−108」に示された計算方法によって求められる。
上記のゴルフシャフト1にねじれ角θが発生すると、バイアス層7には
Figure 2007117730
のせん断応力が発生し、バイアス補強層9には
Figure 2007117730
のせん断応力が発生する。
ここで、下記数3の関係が成り立つように繊維弾性率と繊維角度を設定すれば、ねじれ角θが発生した場合にバイアス層7、バイアス補強層9に発生するせん断応力を同等にすることが可能となる。
Figure 2007117730
前記数3において、τ:せん断応力である。
本発明における、このようなゴルフシャフトが、ねじり強さを効率的に高める理由としては、前記前記バイアス層7およびバイアス補強層9の構成により、ゴルフシャフトにねじれ角度θが発生したときに、前記バイアス層7及びバイアス補強層9に発生する応力のどちらか一方のみが該応力により破断荷重を迎えてしまうことがなく、前記バイアス層及びバイアス補強層が同時に破断荷重を迎えるようにすることができる。従って、バイアス層、バイアス補強層の材料の強度を最大限に発揮することができ、前記バイアス補強層が積層されているゴルフシャフトの先端側のねじれ強度を高めることができる。
なお、この前記数3の関係が成り立つ計算上の引張弾性率と実施するバイアス補強層のプリプレグの弾性率との差は±5ton/mm2t以内であることが望ましい。これは、前記数3により導き出された引張弾性率から既製品のプリプレグの引張弾性率を選定すれば良いということである。
また、図3に示す、本発明のゴルフシャフト1の細径側の先端4に積層されるバイアス補強プリプレグ9a、9bは、前記先端4の領域内における前記ゴルフシャフト1の軸方向の位置関係において、前記先端4の位置から太径側へ向かって配置されている。さらに、前記先端バイアスプリプレグ9a、9bの長さは、前記先端の位置からの長さを30mm〜600mmの範囲内とすることが好ましい。前記長さが、30mmより短い場合はゴルフシャフト1の先端部の補強としての役割を果たせずにゴルフシャフト1が折損してしまい、また、600mmより長い場合は、シャフトの質量が増加する問題が発生する好ましくない。
なお、ゴルフシャフトの全長を形成するバイアスプリプレグとの強化繊維として、引張弾性率が40〜100ton/mm2の高弾性繊維を用いているのは、ゴルフシャフトの低ねじれ化を実現する方法として好ましい。40ton/mm2より小さいと、ねじり剛性が低く、求められるねじれ剛性を発現させる為には積層数が多くなり重量が重くなる。一方、100ton/mm2より大きいと、硬くなり過ぎてフィーリングが悪くなるほか、繊維が脆く強度が非常に弱くなる為である。
また、前記バイアスプリプレグの強化繊維のシャフト軸線に対する配向角度を±20〜60°としているのは、±20°より小さいと、ストレート層に近くなり、捻り剛性を発揮し辛くなり強度の向上に寄与しなくなる。一方、±60°より大きいと、成型時に繊維が巻きつきにくく、また繊維折れを引き起こし強度低下の要因となってしまう。
本発明のゴルフシャフトを構成する繊維強化樹脂プリプレグに用いられる合成樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられるが、強度や剛性設計の点から熱硬化性樹脂、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
また、強化繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などが用いられるが、軽量で高性能であることから、炭素繊維が好ましい。
前記したプリプレグを、それぞれマンドレル6に卷回積層後、ラッピングテープを巻き締め、加圧加熱して樹脂を硬化させて一体化し、その後ラッピングテープを除去し、マンドレルを引き抜き、表面を研磨・加飾してゴルフシャフト1としている。本発明のゴルフシャフト1は、このような構成とすることにより、軽量でありながらねじり強度を最大限に大きく設定できる。
実施例1のゴルフシャフト1では、図3に示すようにその内側から高弾性率炭素繊維のバイアス層7、ストレート層8、バイアス補強層9、ストレート層10の積層構成とした。また、その質量は50gとした。
前記バイアス層7として、強化繊維の引張弾性率が60ton/mm2で且つ、シャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±40°の角度を有するように配置したバイアスプリプレグ7a、7bを用い、ゴルフシャフトの全長にわたり合計で4回卷回配置した。
前記ストレート層8として、強化繊維の引張弾性率が24ton/mm2で且つ炭素繊維をシャフト中心軸10方向に略平行となるように配置したストレートプリプレグ8aで、ゴルフシャフトの全長にわたり2回卷回配置した。
ゴルフシャフト先端部の補強のバイアス補強層として、前記数3の式から求められる値のプリプレグを先端から300mmの位置まで2回卷回した。
さらにその上にストレート層11として、強化繊維の引張弾性率が24ton/mm2で且つ炭素繊維をシャフト中心軸10方向に略平行となるように配置したストレートプリプレグ11aで、ゴルフシャフトの全長にわたり1回卷回配置した。
実施例1の積層構造で作成したゴルフシャフトの場合、図4に示すように先端断面における中心Oから全長バイアス層の最外層までの距離はr=3.31mmとなり、先端バイアス補強層までの距離r=4.16mmであった。
全長のバイアス層7は、弾性率が60ton/mm2で繊維の配交角度が±40°である。また、先端断面のシャフト中心からバイアス層、先端バイアス補強層までの距離rおよびrが確定している。
従って、この時、全長バイアス層7のせん断弾性率Gは9.10ton/mmである。r=3.31mmであるので捻り角θの時のせん断応力τ=30.14・θton/mmとなる。
そして、実施例1で作成したゴルフシャフトに、ねじり角θが発生したときのバイアス層7、バイアス補強層9にかかるせん断応力を前記数3となるようにバイアス補強層に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度と該配交角度に最適な引張弾性率を求めた。
前記数3により導き出された、バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度±30°、±35°、±40°、±45°、±50°、±55°、±60°においての最適な引張弾性率としては、下記表1に示す通りである。
Figure 2007117730
また、前記数3により導き出されたバイアス補強層の繊維の配交角度、引張弾性率の選定は、シャフトに求められる設計により自由に選択できる
例えば、既製品のプリプレグの引張弾性率46tを使用する場合、上記表1からのバイアス補強層の繊維の配交角度±45°、引張弾性率46.3を選定すれば、既製品のプリプレグの引張弾性率との差を最小限にすることができる。
また、前記バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグの配交角度が±45°、引張弾性率が46ton/mmtの場合、バイアス補強層のせん断弾性率は7.09ton/mmとなり、捻り角θが発生したときのせん断応力τ2=29.50θton/mmとなる。
前記バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグにおいて、配交角度を±45°、引張弾性率を46ton/mmの場合と配交角度を±40°、引張弾性率を46ton/mmの場合と配交角度を±45°、引張弾性率を50ton/mmの場合と配交角度を±35°、引張弾性率を50ton/mmの場合のバイアス補強層に生じるせん断応力は表2に示す通りである。
Figure 2007117730
従って、前記した捻り角θの時のせん断応力τ=30.14・θton/mmであることから、表2に示すように、実施例1の積層構造においては、バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグの配交角度が±45°、引張弾性率が46ton/mm°のバイアス補強層が数3の関係に最も近いことが分かる。
実施例2のゴルフシャフト1では、図3に示すように、バイアス層7として、強化繊維の引張弾性率が46ton/mm2で且つ、シャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±35°の角度を有するように配置したバイアスプリプレグ7a、7bを用い、ゴルフシャフトの全長にわたり4回卷回配置した以外は、前記実施例1と同一の積層構成とした。また、その質量は50gとした。
実施例2の積層構造で作成したゴルフシャフトの場合、図4に示すように先端断面における中心rから全長バイアス層の最外層までの距離はr=3.4mmとなり、先端バイアス補強層までの距離r2=4.1mmである。
全長のバイアス層7は、弾性率が46tで繊維の配交角度が±35°であり、また。先端断面のシャフト中心からバイアス層、先端バイアス補強層までの距離rおよびrが確定している。
そして、実施例1で作成したゴルフシャフトに、ねじり角θが発生したときのバイアス層7、バイアス補強層9にかかるせん断応力を前記数3となるようにバイアス補強層に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度と該配交角度に最適な引張弾性率を求めた。
この数3により導き出された、バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度±30°、±33°、±40°、±45°、±50°、±55°、±60°においての最適な引張弾性率としては、下記表2に示す通りである。
Figure 2007117730
上記表2に示すように、前記数3により導き出されたバイアス補強層の繊維の配交角度、引張弾性率の選定は、シャフトに求められる設計により自由に選択できる。
例えば、既製品のプリプレグの引張弾性率40tを使用する場合、上記表2からのバイアス補強層の繊維の配交角度±33°、引張弾性率39.9を選定すれば、既製品のプリプレグの引張弾性率との差を最小限にすることができる。
実施例3のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±35°、バイアス補強層9の繊維の配交角度を±45°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
実施例4のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±35°、バイアス補強層9の繊維の配交角度を±40°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
実施例5のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±35°、バイアス補強層9の繊維の配交角度を±35°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
上記実施例3、実施例4、実施例5の積層構造で作成したゴルフシャフトは、図4に示すように先端断面における中心rから全長バイアス層の最外層までの距離はr=3.4mmとなり、先端バイアス補強層までの距離r2=4.1mmであった。
そして、前記バイアス層7の強化繊維の引張弾性率を40t、46t、50t、55t、60t、70t、80t、90t、100tにした場合のおいて、実施例3、実施例4、実施例5で作成したゴルフシャフトに、ねじり角θが発生したときのバイアス層7、バイアス補強層9にかかるせん断応力を前記数3となるように、バイアス補強層に用いるバイアス補強プリプレグの最適な引張弾性率を求めた。
この数3により導き出された、バイアス補強プリプレグの繊維の最適な引張弾性率としては、下記表4〜表6に示す通りである。
Figure 2007117730
Figure 2007117730
Figure 2007117730
上記表3〜表5に示すように、前記数3により導き出されたバイアス補強層の引張弾性率の選定は、シャフトに求められる設計により自由に選択できる。
実施例6のゴルフシャフト1では、図3に示すように、バイアス層7として、強化繊維の引張弾性率が50ton/mm2で且つ、シャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±50°の角度を有するように配置したバイアスプリプレグ7a、7bを用い、ゴルフシャフトの全長にわたり4回卷回配置した以外は、実施例1と同一の積層構成とした。また、その質量は50gとした。
実施例6の積層構造で作成したゴルフシャフトの場合、図4に示すように先端断面における中心Oから全長バイアス層の最外層までの距離はr=3.4mmとなり、先端バイアス補強層までの距離r2=4.1mmである。
全長のバイアス層7は、弾性率が50tで繊維の配交角度が±50°であり、また。先端断面のシャフト中心からバイアス層、先端バイアス補強層までの距離rおよびrが確定している。
そして、実施例1で作成したゴルフシャフトに、ねじり角θが発生したときのバイアス層7、バイアス補強層9にかかるせん断応力を前記数3となるようにバイアス補強層に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度と該配交角度に最適な引張弾性率を求めた。
この数3により導き出された、バイアス補強層9に用いるバイアス補強プリプレグの繊維の配交角度±30°、±33°、±40°、±45°、±50°、±55°、±60°においての最適な引張弾性率としては、下記表7に示す通りである。
Figure 2007117730
上記表6に示すように、前記数3により導き出されたバイアス補強層の繊維の配交角度、引張弾性率の選定は、シャフトに求められる設計により自由に選択できる。
例えば、既製品のプリプレグの引張弾性率40tを使用する場合、上記表2からのバイアス補強層の繊維の配交角度±45°、引張弾性率40.5を選定すれば、既製品のプリプレグの引張弾性率との差を最小限にすることができる。
実施例7のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±50°とし、バイアス補強層9繊維の配交角度を±45°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
実施例8のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±50°とし、バイアス補強層9繊維の配交角度を±40°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
実施例9のゴルフシャフト1は、図3に示すように、全長バイアス層7の繊維の配交角度を±50°とし、バイアス補強層9繊維の配交角度を±35°とした以外は、前記実施例2と同一の積層構成とした。
実施例7、実施例8、実施例9の積層構造で作成したゴルフシャフトの場合、図4に示すように先端断面における中心rから全長バイアス層の最外層までの距離はr=3.4mmとなり、先端バイアス補強層までの距離r2=4.1mmであった。
そして、前記バイアス層7の強化繊維の引張弾性率を40t、46t、50t、55t、60t、70t、80t、90t、100tにした場合のおいて、実施例7、実施例8、実施例9で作成したゴルフシャフトに、ねじり角θが発生したときのバイアス層7、バイアス補強層9にかかるせん断応力を前記数3となるように、バイアス補強層に用いるバイアス補強プリプレグの最適な引張弾性率を求めた。
この数3により導き出された、バイアス補強プリプレグの繊維の最適な引張弾性率としては、下記表8〜表10に示す通りである。
Figure 2007117730
Figure 2007117730
Figure 2007117730
上記表7〜表9に示すように、前記数3により導き出されたバイアス補強層の引張弾性率の選定は、シャフトに求められる設計により自由に選択できる。
実施例10として、前記実施例1により導き出された結果より、繊維の配交角度±45°、弾性率46tとしたバイアス補強プリプレグを用いたバイアス補強層9とし、全長のバイアス層7、ストレート層8、11は実施例1と同一にした。
比較例1として、全長のバイアス層およびストレート層の構成は実施例1と同一にし、バイアス補強層のみを同形状のまま繊維の配交角度0度、弾性率を24tのプリプレグを使用したシャフトとした。
比較例2として、全長のバイアス層およびストレート層の構成は実施例1と同一にし、先端バイアス補強のみを同形状のまま繊維の配交角度45度、弾性率を30tのプリプレグを使用したシャフトとした。
比較例3として、全長のバイアス層およびストレート層の構成は実施例1と同一にし、先端バイアス補強のみを同形状のまま繊維の配交角度45度、弾性率を40tのプリプレグを使用したシャフトとした。
比較例4として、全長のバイアス層およびストレート層の構成は実施例1と同一にし、先端バイアス補強のみを同形状のまま繊維の配交角度45度、弾性率を60tのプリプレグを使用したシャフトとした。
実施例2、比較例1〜4のゴルフクラブシャフトでは、長さ1143mmのシャフトのシャフトとした後、「ゴルフクラブシャフトの認定基準及び基準確認方法」の方法に従い、ねじり試験を行った。試験片ゲージ長は1063mmとし、試験片両端の50mmを固定治具で把持した。
この後、破壊エネルギを次式により計算した。
破壊エネルギ(N・m・度)=破壊トルク(N・m)×破壊時のねじれ角(度)
試験数はn=10とし、平均値を各水準の平均値とした。
これら実施例2と比較例1〜4のシャフトについて、シャフト質量・トルク・捻り破壊荷重・ねじり破壊角度・破壊エネルギの測定を行い比較した。表11に積層構成と測定値の関係を示す。
Figure 2007117730
表2に示すように実施例2のシャフトは比較例1〜4比べて、先端部のねじり強度が十分あり、かつ軽量で、しかも効率的に低ねじれ化されたゴルフシャフトを実現できることがわかる。
本発明のゴルフシャフトを装着したゴルフクラブの説明図。 本発明の一実施形態のゴルフシャフトを説明する図。 ゴルフシャフトに用いる繊維強化プリプレグを説明する図。 ゴルフシャフトの先端の断面図。
符号の説明
1 ゴルフシャフト
2 ゴルフヘッド
3 グリップ
4 先端
5 後端
6 マンドレル
7 バイアス層
7a バイアスプリプレグ
7b バイアスプリプレグ
8 ストレート層
8a ストレートプリプレグ
9 バイアス補強層
9a バイアス補強層
10 シャフト中心軸
11 ストレート層
11a ストレートプリプレグ

Claims (3)

  1. 少なくとも、強化繊維の引張弾性率が40ton/mm2〜100ton/mm2で且つ所定の角度をもって配置されたバイアスプリプレグからなるバイアス層と強化繊維の配向角度がシャフト中心軸方向に対し略平行としたストレートプリプレグからなるストレート層と、前記バイアス層より外層に積層され、強化繊維がシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置されたバイアス補強プリプレグからなるバイアス補強層とを含む繊維強化樹脂層を積層させてなるゴルフシャフトであって、該ゴルフシャフトは、ゴルフシャフトにねじれ角度θが発生したときの前記バイアス層とバイアス補強層とが互いに同等なせん断応力が発生する強化繊維の引張弾性率と配向角度であることを特徴とするゴルフシャフト。
  2. 前記バイアス補強層は、強化繊維の引張弾性率が40ton/mm2〜100ton/mm2で且つ強化繊維の配列角度をシャフト中心軸方向に対し±20°〜±60°の範囲となるように配列させた補強プリプレグシートを積層させたことを特徴とする請求項1記載のゴルフシャフト。
  3. 前記バイアス補強層は、前記ゴルフシャフトの最先端の位置から後端側へ向かって配置され、30mm〜600mmの長さとしたことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフシャフト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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