JPH09141754A - テーパ付き中空シャフト - Google Patents

テーパ付き中空シャフト

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JPH09141754A
JPH09141754A JP7322485A JP32248595A JPH09141754A JP H09141754 A JPH09141754 A JP H09141754A JP 7322485 A JP7322485 A JP 7322485A JP 32248595 A JP32248595 A JP 32248595A JP H09141754 A JPH09141754 A JP H09141754A
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fibers
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振一 竹村
Mikio Shima
美樹男 島
Hideyuki Ono
秀幸 大野
Tomohiro Nakanishi
朋宏 中西
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NIPPON GURAFUAITO FIBER KK
Nippon Graphite Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Eneos Corp
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NIPPON GURAFUAITO FIBER KK
Nippon Graphite Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量でかつ先調子を維持しながら優れた曲げ
強度を有するシャフトを提供する。 【解決手段】 弾性率が200〜1000GPaの強化
繊維から構成される繊維強化複合材料製テーパ付き中空
シャフトにおいて、該シャフト細径側部分に弾性率が5
〜150GPaの炭素繊維を用いた補強層を配置したこ
とを特徴とするテーパ付き中空シャフト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテーパ付き中空シャ
フトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のゴルフクラブシャフトは軽量化の
流れが一段と加速されており、なかでも炭素繊維を用い
た軽量シャフトはシャフト細径側の曲げ強度を維持する
のが益々難しくなっており、補強層をシャフト細径側に
配置することで曲げ強度不足を補っている。
【0003】一方、ゴルフクラブシャフトとして用いら
れるには曲げ強度が大きいだけでなく、しなり解放時に
おけるヘッドスピードが向上するように先調子であるこ
とが求められるが、補強層を配置したシャフトは手元調
子になりやすいという問題点があった。
【0004】先調子のシャフトは一般ゴルファー、特に
ヘッドスピードが遅くあまり力のない女性および中高年
ゴルファーに適するが、このように軽量で先調子のシャ
フトはほとんど得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
ら従来の課題を解消し、軽量でかつ先調子を維持しなが
ら優れた曲げ強度を有するシャフトを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、次
に示すテーパ付き中空シャフトによって達成される。す
なわち、本発明は、弾性率が200〜1000GPaの
強化繊維から構成される繊維強化複合材料製テーパ付き
中空シャフトにおいて、該シャフト細径側部分に弾性率
が5〜150GPaの炭素繊維を用いた補強層を配置し
たことを特徴とするテーパ付き中空シャフトに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる弾性率
が200〜1000GPaの強化繊維から構成される繊
維強化複合材料製テーパ付き中空シャフトは、通常、斜
交層とストレート層の少なくとも2層から構成される。
【0008】斜交層に用いるプリプレグとしてはクロス
プリプレグおよび一方向プリプレグを使用することがで
きるが、配向角を制御しやすいため一方向プリプレグが
好ましく用いられる。該プリプレグに使用される強化繊
維としては引張弾性率が200〜1000GPa、好ま
しくは400〜800GPaのものが用いられる。
【0009】このような強化繊維としては金属繊維、炭
化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、炭素繊維等が用いられ、軽量でかつ高引張弾
性率であることから好ましくは炭素繊維が用いられる。
【0010】本発明においてストレート層に用いるプリ
プレグとしては一方向プリプレグを好ましく使用するこ
とができる。該ストレート層に用いるプリプレグに使用
される強化繊維としては、通常引張弾性率200〜60
0GPaのものが用いられる。
【0011】このような強化繊維としては金属繊維、炭
化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、チタン酸カリ
ウム繊維、炭素繊維等が用いられ、軽量なことから好ま
しくは炭素繊維が用いられる。
【0012】該斜交層およびストレート層にそれぞれ用
いられるプリプレグに使用されるマトリックス樹脂とし
てはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹
脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、
メラミン樹脂等から選ばれる熱硬化性樹脂が用いられ、
好ましくはエポキシ樹脂が用いられる。これらのプリプ
レグの目付は通常30〜180g/m2、好ましくは5
0〜150g/m2の範囲のものを用いることができ
る。
【0013】プリプレグの目付がこの範囲より大きいと
シャフト重量設計における自由度が制限されるうえ、ゴ
ルフクラブシャフト製造時におけるプリプレグのマンド
レルへの巻き付き性も劣る等の弊害が生じやすいため好
ましくない。
【0014】本発明はかかる構成の繊維強化複合材料製
テーパ付き中空シャフトにおいて、該シャフト細径側部
分に弾性率が5〜150GPaの炭素繊維で構成される
炭素繊維プリプレグを用いて補強層を形成させるもので
ある。
【0015】本発明において補強層に用いる炭素繊維プ
リプレグとしてはクロスプリプレグあるいは一方向プリ
プレグを使用することができるが、炭素繊維の配向を制
御しやすいため一方向プリプレグが好ましく用いられ
る。
【0016】該プリプレグに使用される炭素繊維として
は、引張弾性率5〜150GPa、より好ましくは10
〜120GPaのものが用いられる。また、該強化繊維
は曲げ強度を向上させるため通常引張強度0.8〜5G
Paであることが望ましく、好ましくは1〜5GPaの
ものが用いられる。このような炭素繊維であればポリア
クリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系素繊維のいずれも
用いることができる。
【0017】補強層に用いられる炭素繊維プリプレグに
使用されるマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、
ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬
化性樹脂が用いられ、好ましくはエポキシ樹脂が用いら
れる。プリプレグの目付は特に制限はないが、通常30
〜180g/m2、好ましくは50〜150g/m2の範
囲のものを用いることができる。
【0018】プリプレグにおける炭素繊維の目付がこの
範囲より大きいとシャフト裁断形状や重量設計における
自由度が制限されやすいため好ましくない。本発明の補
強層を配置することでシャフトの曲げ強度を向上させる
ことができる。
【0019】補強層はシャフトの細径側(先端側)に位
置しており、補強層の占有範囲は下限が通常シャフト細
径側先端部からシャフト全長の1/20以上、好ましく
は1/10以上であり、上限が通常シャフト細径側先端
部からシャフト全長の2/3以下、好ましくは1/2以
下の部分を占めている。
【0020】補強層の占有範囲が該範囲を超えるとシャ
フト全体の重量を増加させると共に、補強を必要としな
い部分にも補強を施すことになり好ましくない。また該
範囲に満たない場合にはシャフトの細径部の曲げ強度が
不足するため好ましくない。
【0021】本発明における斜交層は正の斜交層と負の
斜交層を一組としており、該正負の斜交層が1層あるい
は2層以上の複数層毎に交互に積層することができる。
ここでシャフト太径側から細径側にかけて左巻き即ち左
ネジ方向に積層するプリプレグを正の斜交層、右巻き即
ち右ネジ方向に積層するプリプレグを負の斜交層とす
る。
【0022】正の斜交層は強化繊維の配向が軸方向に対
して15°〜75°、好ましくは20°〜60°、より
好ましくは30°〜50°になるように積層することが
できる。
【0023】負の斜交層は強化繊維が正の斜交層と交差
するように配向しており、シャフト軸方向に対して−1
5°〜−75°、好ましくは−20°〜−60°、より
好ましくは−30°〜−50°になるように積層するこ
とができる。
【0024】一組の斜交層の積層数は通常1〜10層、
好ましくは2〜8層である。ここで、本発明でいう積層
数とは斜交層等の特定の層が平均して何層積層している
か即ちシャフトの回りを何回巻回しているかを意味して
おり、積層数が小数ということも有り得る。
【0025】本発明におけるストレート層は強化繊維の
配向が軸方向に対して通常0°〜±5°になるように積
層することができる。ストレート層の積層数は通常1〜
10層、好ましくは2〜8層である。ストレート層の積
層厚さは太径部と細径部で異なってもよいが、一定であ
ることもできる。
【0026】本発明における補強層はストレート層の外
周部あるいは斜交層とストレート層の間に配置すること
ができる。なお、補強層をストレート層の外側に配置し
た場合は補強層を斜交層とストレート層の間に配置した
場合に比べ、シャフト外径を維持したままシャフト細径
部の曲げ剛性を小さくすることができるため好ましい。
【0027】補強層は強化繊維がシャフト軸に対してほ
ぼ平行となる0°〜±5°に配向させて積層する。積層
数は目的に応じ通常1〜10層配置することができる。
補強層の積層数は細径側で1〜10層とし、太径側では
0〜1層となるように太径側の積層数を減少させること
もできる。
【0028】また、補強層の積層数を太径側で1〜10
層とし、細径側では0〜4層となるように太径側の積層
数を減少させることもできる。なお、補強層に用いるプ
リプレグは同一形状あるいは非同一形状に1枚〜5枚に
分割して積層することもできる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれにより
限定されるものではない。なお、本発明におけるフレッ
クスの測定方法は社団法人日本ゴルフ用品協会のフレッ
クス測定標準機を使用し、シャフトを水平にして荷重点
から25mm支点側に寄ったところの荷重前後の変位を
測定した。
【0030】順式フレックス測定の設定方法の場合、荷
重は2.7kg、荷重位置は細径側先端から20mmの
位置であり、シャフトの固定方法はシャフト太径端側か
ら57mmの位置を上から、シャフト太径端側から19
7mmの位置を下から支持した。
【0031】逆式フレックス測定の設定方法の場合、荷
重は1.5kg、荷重位置は太径側先端から57mmの
位置であり、シャフトの固定方法はシャフト細径端側か
ら20mmの位置を上から、シャフト細径端側から16
0mmの位置を下から支持した。(逆式フレックス)−
(順式フレックス)の値、即ちフレックスの差が大きけ
れば先調子のシャフトと定義する。
【0032】実施例1 斜交層として日本グラファイトファイバー(株)製E5
026E−12(ピッチ系炭素繊維、引張弾性率500
GPa、炭素繊維目付125g/m2、エポキシ樹脂含
有量27.5wt%)、ストレート層として東レ(株)
P8055S−12(ポリアクリロニトリル系炭素繊
維、引張弾性率300GPa、炭素繊維目付125g/
2、エポキシ樹脂含有量24wt%)のプリプレグを
使用した。
【0033】補強層は日本グラファイトファイバー
(株)製E0526E−12(ピッチ系炭素繊維、引張
弾性率50GPa、炭素繊維目付125g/m2、エポ
キシ樹脂含有量27.5wt%)を使用しストレート層
と同じ方向に配向した。
【0034】図1(a)〜(f)においては各プリプレ
グの裁断形状および最終の積層構成断面図を模式的に表
した。同図において、1はマンドレル、2は斜交層、2
aは正の斜交層、2bは負の斜交層、3はストレート
層、4は補強層をそれぞれ示す。なお、図1(f)に示
されるように補強層はストレート層の外側に配置した。
【0035】斜交層の炭素繊維はシャフト軸方向に対し
て±45°に配向して正負の斜交層それぞれマンドレル
上を均一に2.5回づつ巻回するように裁断したプリプ
レグを使用した。2枚の斜交層は半周分上下にずらして
重ねた後に積層した。
【0036】ストレート層は炭素繊維方向が軸方向に対
して実質平行になるように配向してそれぞれマンドレル
上を均一に2回づつ巻回するように裁断したプリプレグ
を2枚使用した。2枚のストレート層は半周分上下にず
らして重ねた後に積層した。
【0037】補強層のプリプレグの長さは補強層部分が
シャフト細径端から500mmまで配置するようにし、
細径部分のプリプレグの巻回数が4回になるように三角
形に切り出したプリプレグを1枚使用した。
【0038】できあがったシャフトの全長は1145m
m、細径端の内径は6mm、外径は8.5mmであり、
太径端の内径は13.0mm、外径は15.0mmとな
った。表1に示すように実施例1のシャフトは先調子で
あり、かつ優れた曲げ破断荷重を有していた。
【0039】実施例2 補強層として日本グラファイトファイバー(株)製E1
026E−12(ピッチ系炭素繊維、引張弾性率100
GPa、炭素繊維目付125g/m2、エポキシ樹脂含
有量27.5wt%)を使用した以外は実施例1と同様
にシャフトを製造した。表1に示すように実施例2のシ
ャフトは先調子であり、かつ優れた曲げ破断荷重を有し
ていた。
【0040】実施例3 補強層として日本グラファイトファイバー(株)製E1
026E−12(ピッチ系炭素繊維、引張弾性率100
GPa、炭素繊維目付125g/m2、エポキシ樹脂含
有量27.5wt%)を使用し、補強層部分がシャフト
細径端から300mmまで配置するようにし、細径部分
のそれぞれのプリプレグの積層数が2層になるように三
角形に切り出したプリプレグを2枚使用した以外は実施
例1と同様にシャフトを製造した。表1に示すように実
施例3のシャフトは先調子であり、かつ優れた曲げ破断
荷重を有していた。
【0041】実施例4 補強層を斜交層とストレート層の層間に配置した以外は
実施例1と同様にシャフトを製造した。表1に示すよう
に実施例4のシャフトは先調子であり、かつ優れた曲げ
破断荷重を有していた。
【0042】比較例1 補強層を積層しなかった以外は実施例1と同様にシャフ
トを製造した。表1に示すように比較例1のシャフトは
曲げ破断荷重が劣っていた。
【0043】比較例2 補強層に東レ(株)P9055F−13(ポリアクリロ
ニトリル系炭素繊維、引張弾性率400GPa、炭素繊
維目付125g/m2、エポキシ樹脂含有量25wt
%)を使用した以外は実施例1と同様にシャフトを製造
した。比較例2のシャフトは手元調子のシャフトであっ
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明により製造されたシャフトは、軽
量で先調子であり、かつ優れた曲げ強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 補強層をストレート層外側に積層した場合の
プリプレグ裁断形状および積層構成断面図。
【符号の説明】
1:マンドレル、2:斜交層、2a:正の斜交層、2
b:負の斜交層、3:ストレート層、4:補強層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 振一 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石油 株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 島 美樹男 東京都新宿区西新宿3−5−1日本グラフ ァイトファイバー株式会社内 (72)発明者 大野 秀幸 東京都新宿区西新宿3−5−1日本グラフ ァイトファイバー株式会社内 (72)発明者 中西 朋宏 千葉県君津市三直1331−2新日鐵化学社宅 756

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性率が200〜1000GPaの強化
    繊維から構成される繊維強化複合材料製テーパ付き中空
    シャフトにおいて、該シャフト細径側部分に弾性率が5
    〜150GPaの炭素繊維を用いた補強層を配置したこ
    とを特徴とするテーパ付き中空シャフト。
JP32248595A 1995-11-17 1995-11-17 テーパ付き中空シャフト Expired - Lifetime JP3317619B2 (ja)

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