JP4694058B2 - ゴルフクラブ用シャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP製のゴルフクラブ用シャフトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のゴルフクラブ用シャフトは、一般にシャフト先端から後端に向かって剛性値が上がり、さらにシャフト先端から後端に向かうほど剛性値の増加量も増すようになっている。そのため、一般ゴルファーは、スイング中において、シャフト先端部分のしなりしか利用することができず、シャフトの全体的なしなりを利用することができないため、十分な飛距離を得ることができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、一般ゴルファーでもシャフトの全体的なしなりを利用することができ、飛距離増大を図ることが可能なゴルフクラブ用シャフトを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、基本的本体を形成するプリプレグをマンドレルに巻き付けて筒状に形成した後、この筒状に形成した基本的本体を形成するプリプレグの外周に、中間補強層を形成するプリプレグを、中間補強層の形成範囲より軸方向両端側に広い範囲に巻き付けて成形した後、硬化後の中間補強層を形成するプリプレグの軸方向両端側にNCセンタレスグラインディングマシーンで研削加工を施して中間補強層を所定の寸法に調整することにより、
シャフトの基本的構成をなす繊維強化材からなる前記基本的本体と、前記基本的本体の軸方向中間部の外周に巻き付けられた繊維強化材からなる前記中間補強層とを具備し、かつ、前記中間補強層の外径は前記基本的本体の同部分の外径に比べて太く、前記中間補強層のEI値は中間補強層を設けないシャフトの同部分のEI値に比べて高いとともに、シャフト先端より50mm間隔で当該シャフトのEI値をシャフト後端までn個測定し、mおよびkは2からn−1の範囲の数としたときに、ある測定箇所でのEI値と、その1つ後方の測定箇所でのEI値との差は、中間補強層形成部分より先方および後方の部分で下記式(1)
(EI)m−(EI)m−1≦(EI)m+1−(EI)m …(1)
に当てはまり、中間補強層形成部分の少なくともいずれかの部分で下記式(2)
(EI)m−(EI)m−1>(EI)m+1−(EI)m …(2)
に当てはまり、シャフトのいずれの部分でも下記式(3)
(EI)k−(EI)k−1≧0 …(3)
に当てはまるシャフトを得ることを特徴とするゴルフクラブ用シャフトの製造方法を提供する。
【0005】
本発明により得られるゴルフクラブ用シャフト(以下、「本発明のゴルフクラブ用シャフト」、「本発明に係るゴルフクラブ用シャフト」、「本発明シャフト」などという。)は、シャフトの軸方向中間部に中間補強層が設けられているので、中間補強層形成部分の剛性が従来のシャフトより高くなる。そのため、一般ゴルファーでもシャフトの全体的なしなりを利用することができ、飛距離増大を図ることが可能となる。また、本発明のゴルフクラブ用シャフトは、研削加工によって中間補強層を所定の寸法に形成するので、中間補強層の位置やシャフトのしなり位置を正確に制御することができる。そのため、ゴルファーの好みに応じた調子のシャフトを簡単に作製することができるという利点や、シャフトの中間部に巻き付けるプリプレグの特殊なパターン形状の切り出し工数の増加を抑えることができるという利点が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明に係るゴルフクラブ用シャフトのプリプレグ構成の一例を図1に示す。図1において、2はマンドレル、4、6、8、10、12、14はシャフトの基本的本体を形成するプリプレグ、16はシャフトの中間補強層を形成するプリプレグである。また、図中16Aは中間補強層を形成するプリプレグ16の研削加工前の形状、16Bは中間補強層を形成するプリプレグ16の研削加工後の形状を示している。なお、プリプレグ中に示した矢印は繊維配向方向を示す。
【0007】
図1に示すプリプレグを用いて本発明のゴルフクラブ用シャフトを作製する場合、基本的本体を形成するプリプレグ4、6、8、10、12、14をマンドレル2に巻き付けて筒状に形成した後、この筒状に形成した基本的本体を形成するプリプレグの外周に、中間補強層を形成するプリプレグ16を、中間補強層の形成範囲より軸方向両端側に広い範囲に巻き付けて成形した後、硬化後の中間補強層を形成するプリプレグ16の軸方向両端側に研削加工を施して中間補強層を所定の寸法に調整するものである。
【0008】
本発明に係るゴルフクラブ用シャフトの材料としては、主にカーボン繊維強化樹脂(CFRP)を使用することが適当である。カーボン繊維強化樹脂は、他の材料と比べて単位重量当たりの比強度が大きいこと、シャフト本体を形成するマトリックスとしてのエポキシ樹脂との密着性に優れていること、加工性がよく、また加工後の処理が簡便であることといった利点を有する。
【0009】
また、本発明シャフトの作製に使用するプリプレグとしては、強化繊維が一方向のみに配列したユニディレクションプリプレグシートが好ましい。特に、カーボン繊維が主となっているユニディレクション複合プリプレグシートや、カーボン繊維のみで構成されたユニディレクションカーボンプリプレグシートが好ましい。
【0010】
本発明において、中間補強層の形成に使用する強化繊維の弾性率は、20トン以上、特に24トン以上で、80トン以下、特に55トン以下、中でも40トン以下が好ましい。中間補強層の形成に弾性率が低い強化繊維を使用すると、中間補強層が厚くなって中間部が太すぎるシャフトとなり、また、弾性率が高い強化繊維を使用すると、1枚のプリプレグシートを使用しても曲げ剛性値を大きく高めることができる反面、わずかな配向角の傾きによって曲げ剛性値が大きく変化し、誤差が生じやすいとともに、中間補強層が薄くなって基本的本体から剥離するおそれが生じる。また、中間補強層の形成に使用する強化繊維としては、基本的本体を形成する強化繊維と同種のものが好ましい。
【0011】
本発明において、中間補強層の繊維強化材の繊維配向角度は、シャフト軸線に対して0〜5°であることが適当である。すなわち、本来、繊維配向角度はシャフト軸線に対して0°であるときが繊維強化材の弾性が最も有効に働き、曲げ剛性も最も高くなるが、シャフト外径は先端が6.5〜11mm程度、後端が14〜20mm程度となっていることから、シャフトを作製する金型(マンドレル)のテーパー(傾斜角)も上記外径に対応させる必要がある。このような金型に、繊維配向角度が全て0°となるようにプリプレグシートを巻くことは無理であり、実際には若干の配向角が生じる。したがって、中間補強層の繊維強化材の繊維配向角度は上記のように0〜5°としてある。
【0012】
本発明において、シャフトの基本的本体を作製する際に、配向角を有するユニディレクションシートを複数枚重ねるときは、配向角が交互に逆向きとなるように積層することが好ましい。また、外層に行くにしたがって配向角が0°となるように配置することも好ましい。配向角が交互に逆向きとなるように積層することによって、シャフトの周方向での剛性の片寄りを減少させ、シャフトの捻れ等を防ぐことができる。また、配向角を徐々に変えることによって、径方向(厚み方向)への応力の伝達において、急激な曲げ剛性の変化を与えないようにして、異方性から生じる層間剥離を防止することができる。さらに、外層に行くほど大きく作用する曲げ応力に対し、内部に溜まったひずみエネルギーを残りにくくすることができる。
【0013】
ただし、シャフトの曲げ剛性値を局所的に上げることは、その部分の前後のみがスイング中に撓むため、好ましくない。そのため、本発明においては、中間補強層を形成する繊維強化材は、シャフト中間部においてある程度長く配置されていることが適当である。したがって、中間補強層を形成する繊維強化材は、シャフト先端から300〜900mmの範囲内に存在し、また300〜800mmの長さであることが好ましい。
【0015】
本発明において、中間補強層は、シャフト先端から300mm後方に離れた箇所と、シャフト後端から300mm先方に離れた箇所との間の一部または全部に設けられていることが好ましい。すなわち、中間補強層を形成する繊維強化材は、シャフト先端から0〜300mmの領域、および後端から0〜300mmの領域には存在しないことが好ましい。シャフト先端から0〜300mmの領域に存在しないことが好ましいのは、ホゼルに固定されたシャフトがスイング中に曲がるのは、およそシャフト先端から300mm以上後方の位置であるためである。また、シャフト後端から0〜300mmの領域に存在しないことが好ましいのは、グリップの長さはおよそ254mmであり、シャフト径が太く、人が握っているので、この部分はスイング中にはほとんど変形しないためである。
【0016】
シャフトの径は、個々のシャフト(クラブ)によって異なるが、後端の方がシャフト径が太く、一般のゴルファーが感じるしなりは、シャフト先端から800mm以下の部分のしなりである。そのため、一般的なウッド用シャフトの後端径は15mm前後であるが、本発明では、スイング速度の低いゴルファーにはシャフトの後端径を13〜14mmと細くして、シャフト全体のしなりを利用し易くすることができる。シャフト全体を細くし、シャフト中間部の剛性を中間補強層によってわずかに上げることにより、シャフト全体のしなりを上級ゴルファーのように使って、ヘッドスピードを上昇させることができる。
【0017】
本発明シャフトの中間補強層を形成する際には、中間補強層形成用のユニディレクションプリプレグシートの1層または複数層、好ましくは1層または2層を、ほぼ均一な厚さとなるように基本的本体形成用のプリプレグに巻き付けることが適当である。また、中間補強層は、中間補強層部分の外径が基本的本体の同部分の外径に比べ0.3〜1.4mm、特に0.4〜0.7mm程度太くなるように形成することが好ましい。中間補強層部分があまり太くなると、外観上好ましくないばかりでなく、中間部の剛性が高くなり過ぎ、スイング中のシャフトのしなりが結局先端部のみのしなりとなってシャフト全体のしなりが使えなくなる。
【0018】
本発明において、上記のようにシャフト径をコントロールするには、コンピューター制御によるNCセンタレスグラインディングマシーンを用いることが好ましい。該装置でシャフトを研磨することにより、シャフトを精度良く研削加工することができる。そのため、中間補強層を設けた本発明のシャフトは、中間補強層を設けない従来のシャフトに比べ、中間補強層の部分の剛性値が0.5〜2.0(単位:106×kgmm2)、好ましくは1.3〜1.6(単位:106×kgmm2)程度高くなり、極端に剛性値が高くならないので、スイング中に違和感無くシャフト全体のしなりを得ることができる。
【0019】
また、シャフトの研削加工前における中間補強層の繊維強化材の配置例について説明する。シャフト径の太さと繊維強化材の積層数は、曲げ剛性の大きな要因であることから、基本的本体を形成するプリプレグに中間補強層を形成するユニディレクションプリプレグを最外層として繊維配向角度0±5°で積層する。この場合、中間補強層形成用プリプレグを巻く基点をシャフト先端に設定して、基本的本体形成用プリプレグに中間補強層形成用プリプレグを積層し、成形後に中間補強層形成用プリプレグの先端部を研削加工によって削り取ることができる。反対に、中間補強層形成用プリプレグを巻く基点をシャフト後端に設定して、基本的本体形成用プリプレグに中間補強層形成用プリプレグを積層し、成形後に中間補強層形成用プリプレグの後端部を研削加工によって削り取ることもできる。
【0020】
上記のようにすれば、シャフトの中間部に配置する中間補強層の繊維強化材の位置が安定する。シャフト先端または後端のみで中間部に配置するプリプレグの位置決めをすれば、高価なプリプレグを使用する場合、研削加工での削りによる無駄を少なくすることができる。しかし、常に基点を設定して巻かなくても構わない。本発明のように、成形後に中間補強層の繊維強化材の先端部および後端部の両方を削るようにすれば、基点を設定してプリプレグを巻かなくても、中間補強層の繊維強化材の位置を安定させて良好な性能を得ることができる。また、本発明では、研削加工において中間補強層の繊維強化材の研削位置を変えることにより、シャフトの曲げ特性を異ならせることができ、そのためゴルファーの好みに応じた特性のシャフトを容易に作ることができる。
【0021】
次に、本発明シャフトの曲げ剛性分布について述べる。シャフト先端より50mm間隔で当該シャフトのEI値をシャフト後端までn個測定し、mおよびkは2からn−1の範囲の数としたときに、ある測定箇所でのEI値と、その1つ後方の測定箇所でのEI値との差は、一般的なシャフトでは、シャフトのいずれの部分でも下記式(1)
(EI)m−(EI)m-1≦(EI)m+1−(EI)m …(1)
に当てはまる(図2において式(1)の一例に該当する傾斜を符号(1)で示す)。すなわち、一般的なシャフトの曲げ剛性分布では、シャフト先端から後端に向かうにしたがい曲げ剛性値(EI値)の増加分が大きくなる。なお、(EI)m、(EI)m-1、(EI)m+1は、それぞれ先端からm番目、m−1番目、m+1番目の測定箇所におけるEI値を示す(下記kの場合も同様)。
【0022】
EI値とは、シャフトの各部分における曲げ剛性の指標値となるものであり、本発明では3点曲げ試験を行って下記式によりEI値を算出した。この場合、一定間隔(L)離れた一対の支持具でシャフトを支持することによりシャフトを水平に保持するとともに、上記両支持具間の真ん中の位置をシャフト測定点とし、このシャフト測定点でシャフトに垂直に荷重(P)を加えた時のシャフト測定点のひずみ量(σ)からEI値を求めた。
EI値=(L3/48)・(P/σ)[106×kg・mm2]
L:両支持具間の距離(mm)
P:シャフトに加えた荷重(kg)
σ:荷重を加えたときのシャフトのひずみ量(mm)
【0023】
ただし、従来のシャフトでは、シャフトの先端部や後端部に径が同一の部分を設けたり、シャフトに厚肉部分あるいは薄肉部分を設けたりすることがある。しかし、このようなシャフトでも、少なくともシャフトの先端より300mmの位置と、後端より300mmの位置との間は、前記式(1)の関係となっている。
【0024】
これに対し、本発明シャフトは、シャフト先端より50mm間隔で当該シャフトのEI値をシャフト後端までn個測定し、mおよびkは2からn−1の範囲の数としたときに、ある測定箇所でのEI値と、その1つ後方の測定箇所でのEI値との差は、中間補強層形成部分より先方および後方の部分で下記式(1)
(EI)m−(EI)m−1≦(EI)m+1−(EI)m …(1)
に当てはまり、かつ、中間補強層形成部分の少なくともいずれかの部分で下記式(2)
(EI)m−(EI)m−1>(EI)m+1−(EI)m …(2)
に当てはまることが好ましい(図2において式(2)の一例に該当する傾斜を符号(2)で示す)。
【0025】
また、シャフトに曲げ剛性値のピークが存在すると、その前や後に曲げ剛性値の谷ができ、その部分に応力が集中することにより、その部分が関節のような役割をして変形するので好ましくない。そこで、ある測定箇所でのEI値と、その1つ後方の測定箇所でのEI値との差は、シャフトのいずれの部分でも下記式(3)
(EI)k−(EI)k-1≧0 …(3)
に当てはまることが好ましい。すなわち、図3(a)に示すようにシャフトに曲げ剛性値のピークが存在しないことが好ましく(図3(a)において式(3)の一例に該当する傾斜を符号(3)で示す)、図3(b)に示すようにシャフトに曲げ剛性値のピークが存在することは好ましくない。この要件を満たすことにより、シャフトに曲げ剛性のピークが存在しないようにして、より全体的なシャフトのしなりを得ることができ、方向安定性と飛距離増加を図ることができる。
【0026】
また、本発明では、シャフト先端を長さ0、シャフト後端を長さ100としたとき、式(1)が当てはまる部分と式(2)が当てはまる部分との境界(変曲点)が、長さ26〜35の位置および長さ65〜74の位置にそれぞれ存在することが一般ゴルファーの場合は好ましい。非力なゴルファーの場合は、シャフトの剛性が高くなるとスイング中のシャフトのしなりが少なくなるので、変曲点が長さ34〜44の位置および長さ60〜74の位置にそれぞれ存在することが好ましい。
【0027】
【実施例】
繊維が一方向のみに配列したユニディレクションプリプレグを用いて本発明のゴルフクラブ用シャフトを製造した(図1参照)。シャフトの基本的本体のカーボン繊維構成においては、バイアス層4、6、ストレート層8、10、補強層12、14として、弾性率24トンおよび30トンのPAN系カーボン繊維を使用したユニディレクションプリプレグを組み合わせてそれぞれ使用した。ストレート層のプリプレグは、マンドレル(中芯)に対し繊維配向角度が概ね0°となるように2層配置した。バイアス層のプリプレグは、マンドレルに対し繊維配向角度が概ね30°〜45°となるように交互にそれぞれ3層ずつ巻き付けた。さらに、中間補強層を形成するプリプレグ16として、弾性率30トンのPAN系カーボン繊維を使用したユニディレクションプリプレグを、最外層としてシャフト全体に2層巻いた後、成形を行った。なお、巻き付けはバイアス層、ストレート層の順に行い、補強層はバイアス層、ストレート層の巻き付け前後に適宜行った。成形後、シャフト先端から350〜750mmの位置に中間補強層が残るように、NCセンタレスグラインディングマシーンによって硬化後の中間補強層を形成するプリプレグの先端部および後端部を削った。
【0028】
シャフト中間部の剛性を上げるために中間補強層を設けた本実施例のシャフト(A)と、中間補強層を設けない従来のシャフト(B)の外径分布を表1および図4のグラフに示す。また、両シャフトのEI値分布を表2および図5のグラフに示す。なお、表および図中の測定部位とはシャフト先端からの位置を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
表1、表2および図4、図5から、本実施例のゴルフクラブ用シャフトは、シャフトの軸方向中間部に中間補強層が設けられているので、中間補強層形成部分の剛性が従来のシャフトより高くなることがわかる。
【0032】
次に、両シャフトにクラブヘッドを取り付けて、実打評価を行った。本実施例のシャフト(A)は、従来のシャフト(B)が有する先端部の頼りなさが消え、シャフト(B)に比べて全体的なしなりが感じられ、飛距離も2〜5ヤード程度伸びた。
【0033】
また、非力なヘッドスピードの遅いゴルファーのために、シャフト後端の径を細くしたタイプの本発明シャフトを作製した。この場合、シャフト先端部は直径8.45mm、後端部(先端から1150mmの位置)は直径13.5mmとした。上記シャフトにクラブヘッドを取り付けて実打評価を行った結果、ヘッドスピード35m/sの人でもスイング中にシャフト全体のしなりが感じられ、飛距離が平均2ヤード程度伸びることが判明した。
【0034】
【発明の効果】
本発明のゴルフクラブ用シャフトによれば、一般ゴルファーでもシャフトの全体的なしなりを利用することができ、飛距離増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトのプリプレグ構成の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトのEI値分布の一例を示すグラフである。
【図3】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトのEI値分布の一例を示すグラフである。
【図4】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトおよび従来のゴルフクラブ用シャフトの外径分布の一例を示すグラフである。
【図5】本発明に係るゴルフクラブ用シャフトおよび従来のゴルフクラブ用シャフトのEI値分布の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
2…マンドレル
4、6、8、10、12、14…シャフトの基本的本体を形成するプリプレグ
16…シャフトの中間補強層を形成するプリプレグ
Claims (3)
- 基本的本体を形成するプリプレグをマンドレルに巻き付けて筒状に形成した後、この筒状に形成した基本的本体を形成するプリプレグの外周に、中間補強層を形成するプリプレグを、中間補強層の形成範囲より軸方向両端側に広い範囲に巻き付けて成形した後、硬化後の中間補強層を形成するプリプレグの軸方向両端側にNCセンタレスグラインディングマシーンで研削加工を施して中間補強層を所定の寸法に調整することにより、
シャフトの基本的構成をなす繊維強化材からなる前記基本的本体と、前記基本的本体の軸方向中間部の外周に巻き付けられた繊維強化材からなる前記中間補強層とを具備し、かつ、前記中間補強層の外径は前記基本的本体の同部分の外径に比べて太く、前記中間補強層のEI値は中間補強層を設けないシャフトの同部分のEI値に比べて高いとともに、シャフト先端より50mm間隔で当該シャフトのEI値をシャフト後端までn個測定し、mおよびkは2からn−1の範囲の数としたときに、ある測定箇所でのEI値と、その1つ後方の測定箇所でのEI値との差は、中間補強層形成部分より先方および後方の部分で下記式(1)
(EI)m−(EI)m−1≦(EI)m+1−(EI)m …(1)
に当てはまり、中間補強層形成部分の少なくともいずれかの部分で下記式(2)
(EI)m−(EI)m−1>(EI)m+1−(EI)m …(2)
に当てはまり、シャフトのいずれの部分でも下記式(3)
(EI)k−(EI)k−1≧0 …(3)
に当てはまるシャフトを得ることを特徴とするゴルフクラブ用シャフトの製造方法。 - 中間補強層の繊維強化材の繊維配向角度はシャフト軸線に対して0〜5°であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ用シャフトの製造方法。
- 中間補強層は、シャフト先端から300mm後方に離れた箇所と、シャフト後端から300mm先方に離れた箇所との間の一部または全部に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブ用シャフトの製造方法。
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