JP4102487B2 - 繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
強化繊維で補強した繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、一方向に引き揃えた引き揃え糸からなるシート状の繊維に樹脂を含浸させたいわゆる一方向プリプレグをテーパー付きの芯金に巻き付けて積層し、これを硬化させて成形したものが、ゴルフクラブシャフトの比剛性及び比強度が高く、しかもその設計度の自由さ等において優れていることから、広く用いられている。
【0003】
繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、太径端部側から細径端部側に向かってその外径が徐々に小さくなっており、その曲げ剛性は多くの場合その外径が小さくなるに従って徐々に小さくなっている。
【0004】
このような形状の従来のゴルフクラブシャフトにあっては、手元部(グリップ部)と細径部との曲げ剛性のバランスが適格でないと、スイング時及び打撃時のタイミングをつかむことが非常に難しく、打球の方向性や飛距離にバラツキを生じ易い。
【0005】
つまり、細径部の曲げ剛性が低すぎると打撃時にヘッドが上を向き易く、ボールの打ち出し角度が大きくなるために飛距離が落ちる。又手元部(グリップ部)の曲げ剛性が低すぎると、バックスイング時からスイングに移る際の“タメ”をつくることが難しくなり、安定したスイングを行ない難く、打球の弾道が不安定になる。
【0006】
なお特開昭57−29374号公報には、ヘッド側がしなり易く、良好なフィーリングが得られるゴルフクラブシャフトとして、中間部において外径が急激に変化するテーパー状段部を設けた炭素繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトが説明されている。
【0007】
しかしながら上記のゴルフクラブシャフトは、中間部に形成されている段部から細径部側にかけての曲げ剛性が急激に低下してしまうために、スイング時のヘッドの挙動を抑えきれず、このためにボールの打ち出し角度の高い弾道を生じ易く、飛距離が落ちるという欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、“鞭”のような振り抜き易さを有し、かつ球の吹き上がりを抑え得る繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、下記の通りの構成を具備してなる本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトによって解決することができる。すなわち本発明は、強化繊維がゴルフクラブシャフトの長手方向に対して±(30〜70°)に配向したアングル層と、強化繊維がシャフトの長手方向に対して−20〜20°に配向したストレート層とを少なくとも含む繊維強化プラスチック層からなるゴルフクラブシャフトであって、該ゴルフクラブシャフトをその細径端部側から太径端部側に向かって順次、全長の15〜40%の範囲をなす長さの細径部(AL)と、同じく全長の30〜60%の範囲をなす長さの中央部(BL)と、同じく全長の25〜40%の範囲をなす長さの太径部(CL)との3つのブロックにしたときに、曲げ剛性値がこれらの3つのブロック内において、細径部(AL)における曲げ剛性値の極大値(Amax)が12〜28N・m 2 であり、中央部(BL)における曲げ剛性値の極大値(Bmax)が25〜50N・m 2 であり、太径部(CL)における曲げ剛性値の極大値(Cmax)が35〜70N・m 2 である繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトからなる。
【0011】
又、上記の構成を備えてなる本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおいては、重量が40〜70gであり、全長が850〜1270mmであり、細径端部の外径が7〜10mmであり、太径端部の外径が14〜30mmであることが好ましい。
【0012】
なお、繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおける上記の曲げ剛性値の極大値の有、無、及び該極大値の数値は、後述する曲げ剛性分布の測定結果に基づいて行なう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトの望ましい実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、少なくともアングル層とストレート層との2層以上の繊維強化プラスチック層を具備するものであって、これらの各繊維強化プラスチック層は、強化繊維とマトリックス樹脂とからなる。
【0015】
上記のアングル層をなす繊維強化プラスチック層は、該プラスチック層中の強化繊維がシャフトの長手方向に対して±(30〜70°)に配向しているプラスチック層であり、又ストレート層をなす繊維強化プラスチック層は、該プラスチック層中の強化繊維がシャフトの長手方向に対して−20〜20°に配向しているプラスチック層である。なお、シャフトの長手方向に対する強化繊維の配向角度を、強化繊維の配向角という。つまりアングル層は、強化繊維の配向角が±(30〜70°)のプラスチック層であり、又ストレート層は、強化繊維の配向角が−20〜20°のプラスチック層である。
【0016】
繊維強化プラスチック層中の強化繊維としては、従来の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトに使用されている繊維、例えばパラ系芳香族ポリアミドや高強度ポリエチレン等の有機系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維等の無機繊維、及び金属繊維を使用し得る。なお強化繊維は、単一種類のものを使用しても、或いは2種類以上のものを併用してもよい。
【0017】
又マトリックス樹脂も特に限定されることなく、従来の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトに使用されている樹脂、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、その他の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0018】
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、上記のように強化繊維がゴルフクラブシャフトの長手方向に対して±(30〜70°)に配向したアングル層と、強化繊維がシャフトの長手方向に対して−20〜20°に配向したストレート層とを具備し、しかも該ゴルフクラブシャフトをその細径端部側から太径端部側に向かって順次、全長の15〜40%の範囲をなす長さの細径部(AL)と、同じく全長の30〜60%の範囲をなす長さの中央部(BL)と、同じく全長の25〜40%の範囲をなす長さの太径部(CL)との3つのブロックにしたときに、曲げ剛性値がこれらの3つのブロック内においてそれぞれ1個の極大値を有しているものであればよく、その製造方法に制限を受けるものではない。
【0019】
しかしながら樹脂含有率を抑えることによってゴルフクラブシャフトの軽量化を図るためには、繊維を引き揃えてなるシート状の強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに数回巻き付けた後、これを加熱、成形するシートラッピング法を使用するのが好適である。
【0020】
このシートラッピング法で使用するプリプレグの厚み、繊維目付、樹脂含有率等は特に限定されるものではなく、各層に必要な厚みや巻き径等に基づいて適宜選択すればよい。
【0021】
上記の特性を具備する本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、該ゴルフクラブシャフトの全長に亙って、厚さ方向においてその内側から外側に向かって積層されているアングル層とストレート層とを主体構造とし、これに更に細径部、中央部、及び太径部のそれぞれの曲げ剛性を調整するための繊維強化プラスチック層からなる補強層を、所定の領域に積層させることによって得られる。
【0022】
上記の補強層を形成するためのプリプレグとして、強化繊維の配向角がゴルフクラブシャフトの長手方向に対して−45〜+45°、より好ましくは−20〜+20゜であり、かつ厚さが0.02〜0.15mmものを使用することにより、本発明のゴルフクラブシャフトに必要な曲げ剛性に係る特性値のバランスを具備させ易くなる。
【0023】
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにあっては、上記の細径部、中央部、及び太径部のそれぞれの曲げ剛性を調整するための繊維強化プラスチック層からなる補強層の外にも、必要に応じて先端部の補強のためや径合わせ等のために、他の繊維強化プラスチック層を積層してもよいことは勿論である。
【0024】
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおいては、アングル層の厚さは特に規定されるものではなく、従来の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトにおけるアングル層の厚さと同様でよいが、成形の際の芯金を抜き取る工程での縦割れの発生を防ぐために、該アングル層は0.10〜0.25mmの厚さを有していることが好ましい。
【0025】
上記のアングル層は、上記の通りゴルフクラブシャフトの全長に亙って形成されているが、全体が均一の厚みである必要はなく、本発明のゴルフクラブシャフトに必要な曲げ剛性に係る特性値、重量、その他の強力等を犠牲にしない範囲内で、他の特性の向上を目的として自由に設計することが可能である。
【0026】
ゴルフクラブシャフトの全長に亙って形成されるストレート層は、該ゴルフクラブシャフトに適度な曲げ剛性、及び曲げ強力を付与する点から、厚さの合計が0.2〜0.4mmであることが好ましい。
【0027】
ゴルフクラブシャフトをその細径端部側から太径端部側に向かって順次、全長の15〜40%の範囲をなす長さの細径部(AL)と、同じく全長の30〜60%の範囲をなす長さの中央部(BL)と、同じく全長の25〜40%の範囲をなす長さの太径部(CL)との3つのブロックにしたときに、細径部(AL)における曲げ剛性値の極大値(Amax)が12N・m2 未満になると、該細径部(AL)の曲げ剛性の不足により、シャフト細径部(AL)の強度が低下する。又該細径部(AL)における曲げ剛性値の極大値(Amax)が28N・m2 を超えるようになると、細径部(AL)の曲げ剛性値が高くなり過ぎてしまい、打撃時にシャフト細径部(AL)のしなりが不足するようになるために、打感が鈍くなると共に、弾道が低くなる傾向が出る。
【0028】
これによって、上記の細径部(AL)における曲げ剛性値の極大値(Amax)は、12〜28N・m2 であることが好ましく、又、細径部(AL)における曲げ剛性値のこの極大値(Amax)とバランスして、中央部(BL)における曲げ剛性値の極大値(Bmax)は25〜50N・m2 であることが好ましく、又、太径部(CL)における曲げ剛性値の極大値(Cmax)は35〜70N・m2 であることが好ましい。
【0029】
更に、上記の本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、スイングスピードを上げて飛距離を伸ばすための軽量化に対応し得るように、重量が40〜70gであることが好ましく、又、折損に耐え得る強度と適度なしなりとが得られるように、細径端部の外径が7〜10mmであることが望ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトの具体的な構成を実施例に基づいてより詳しく説明し、併せて該実施例品のゴルフクラブシャフトの諸物性を、比較例品のゴルフクラブシャフトの諸物性と比較して説明する。
【0031】
なお、実施例及び比較例で使用したプリプレグ、すなわち炭素繊維を一方向に引き揃えてなる炭素繊維シートに樹脂を含浸させたプリプレグの種類とその厚さは、下記の表1〜表2に示す通りである。
【0032】
【表1】
Figure 0004102487
【0033】
【表2】
Figure 0004102487
【0034】
実施例1
表1〜表2の所定欄に示す三菱レイヨン株式会社製の市販のプリプレグA〜Eをそれぞれ裁断し、細径端部外径5.74mm、太径端部外径13.65mm、長さ1165mmを有しており、かつ太径端部〜該太径端部から300mmの部分迄が外径13.65mmの平行部をなしており、太径端部から300mmの位置〜細径端部に至る865mmに亙る長さ部分がテーパー度9.14/1000のテーパー部をなしている芯金の上に、下記の(1)〜(3)に説明する手順により、強化繊維の配向角が90°の補強層用の巻き付け層、アングル層用の巻き付け層、及びストレート層用の巻き付け層を形成した。
【0035】
(1)プリプレグ(A)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して90°となるようにして芯金に巻き付けたときに、細径端部〜太径端部の全長に亙って1層となって巻き付かるような略台形に裁断し、これを芯金に巻き付け、強化繊維の配向角が90°の補強層用の巻き付けを行なった。
【0036】
(2)プリプレグ(B)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して+45°となるようにして、(1)にて形成した補強層用の巻き付け層の上に巻き付けたときに、細径端部において3層、その後はなだらかに減少して太径端部において2層になって巻き付かるような略台形に裁断し、又同じくプリプレグ(B)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して−45°となるように巻き付けたときに、細径端部において3層、その後はなだらかに減少して太径端部において2層になって巻き付かるような略台形に裁断し、これらの2枚のプリプレグを繊維方向が互いに直交するように貼り合わせた後、この貼り合わせプリプレグを、(1)にて形成した補強層用の巻き付け層の上に巻き付け、アングル層用の巻き付けを行なった。
【0037】
(3)プリプレグ(C)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(2)にて形成したアングル層用の巻き付け層の上に巻き付けたときに、細径端部から太径端部に亙る全長にて3層となって巻き付かるような形状に裁断し、(2)にて形成したアングル層用の巻き付け層の上に巻き付け、ストレート層用の巻き付けを行なった。
【0038】
続いて、同じく下記の(4)〜(7)に説明する手順によって、それぞれ所定の領域に、細径部補強層、中央部補強層、太径部補強層、及び細径端部径調整層用の巻き付け層を形成した。
【0039】
(4)プリプレグ(D)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に、細径端部において2層、その後は徐々に巻き付けが増えて細径端部から170mmの位置にて3層に巻き付かり、その後は徐々に巻き付けが減少して細径端部から300mmの位置にて巻き付けが無くなる形状に裁断し、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に巻き付け、細径部補強層用の巻き付けを行なった。
【0040】
(5)プリプレグ(E)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に、細径端部〜該細径端部から300mm迄の長さ範囲においては巻き付けが無く、細径端部から300mmの位置から巻き付けが徐々に始まり、細径端部から650mmの位置で3層、その後は巻き付けが徐々に無くなって細径端部から800mmの位置で巻き付けががなくなるような三角形状に裁断し、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に巻き付け、中央部補強層用の巻き付けを行なった。
【0041】
(6)プリプレグ(D)を、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に、太径端部にて1層、その後は巻き付けが徐々に増加して太径端部から200mmの位置にて2層に巻き付かり、続いて巻き付けが徐々に減少して太径端部から300mmの位置で巻き付けが無くなる形状に裁断し、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に巻き付け、太径部補強層用の巻き付けを行なった。
【0042】
(7)プリプレグ(C)を、繊維方向が直角を挟む2辺のうちの1辺と同方向であって、かつ該直角を挟む辺の長さが100mm×100mmの直角3角形に裁断し、これを繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、細径端部において最も多重に巻き付け、その後は徐々に巻き付けが無くなるようにして、(4)にて形成した細径部補強層用の巻き付け層の上に巻き付け、細径端部径調整層用の巻き付けを行なった。
【0043】
続いてその最外層に、幅20mm、厚さ30μmのポリプロピレンテープを2mmピッチで巻き付けた後、145℃の硬化炉で240分間の加熱硬化を行ない、更に芯金の除去、ラッピングテープの除去、外周面の研磨を順次行なった後、細径端部及び太径端部のそれぞれから10mmをトリミングカットし、重量50g、長さ1145mm、細径端部の外径8.5mm、太径端部の外径15.2mmのゴルフクラブシャフトを得た。
【0044】
上記のゴルフクラブシャフトは、シャフト全体の曲げ剛性が180mmであり、ねじり剛性が4.7degであり、その曲げ剛性分布は図1に示す通りである。
【0045】
なお、ゴルフクラブシャフトのシャフト全体の曲げ剛性(mm)、ねじり剛性(deg)、及び曲げ剛性分布は、それぞれ下記の通りにして測定した。
(1) シャフト全体の曲げ剛性(mm)
シャフトの太径部を固定し、シャフトの細径端部から10mmの位置に3kgの荷重を掛け、そのときのたわみ量(mm)を測定し、これをシャフト全体の曲げ剛性とした。
【0046】
(2) ねじり剛性(deg)
シャフトの太径部を固定し、シャフトの細径端部から50mmの位置にアームを取り付け、更にこのアームのシャフト軸中央から300mmの位置に454gの錘を釣り下げ、そのときのアームの変化量を角度(deg)で表示し、これをねじり剛性とした。
【0047】
(3) 曲げ剛性分布
下記の通りの三点曲げ試験を、シャフトの細径端部から太径端部に亙って50mmピッチで行なったときの各点での曲げ剛性値を、シャフトの細径端部からの距離に対してプロットし、これを曲げ剛性分布とした。上記の三点曲げ試験は、L=0.2(m)、P=200(N)で行ない、シャフトの細径端部から20mmの位置に片方の支持具を配置する状態、つまりシャフトの細径端部から120mmの位置での試験から始めた。
三点曲げ試験
シャフトを、L(m)離して設置した2つの支持具(12.5mmR)の上に配置し、該支持具間の中央部上方から圧子(15.5mmR)によりP(N)の荷重を加えたときのシャフトの歪み量σ(m)を測定し、曲げ剛性値を下記の計算式により算出した。
曲げ剛性値=(L3 /48)・(P/σ)[N・m2
L・・・・支持具間の距離(m)
P・・・・シャフトに加えた荷重(N)
σ・・・・荷重を加えたときのシャフトの歪み量(m)
【0048】
比較例1
実施例1の(1)〜(3)工程と同様にして、強化繊維の配向角が90°の補強層用の巻き付け層、アングル層用の巻き付け層、及びストレート層用の巻き付け層を形成した。
【0049】
(4)続いてプリプレグCを、繊維方向が芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に、細径端部〜該細径端部から170mmの位置迄が1層、その後は徐々に巻き付けが減少して細径端部から300mmの位置にて巻き付けが無くなる形状に裁断し、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に巻き付け、細径部補強層用の巻き付けを行なった。
【0050】
(5)プリプレグ(E)によって、実施例1の(5)工程と同様にして中央部補強層用の巻き付けを行なった。
【0051】
(6)プリプレグDを、繊維方向がが芯金の径方向中心線に対して0°となるようにして、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に、太径端部〜該太径端部から200mm迄に亙って1層、その後はなだらかに巻き付けが減少してゆき、太径端部から300mmの位置で巻き付けが無くなる形状に裁断し、(3)にて形成したストレート層用の巻き付け層の上に巻き付け、太径部補強層用の巻き付けを行なった。
【0052】
(7)実施例1の(7)と同じ工程によって、細径端部径調整層用の巻き付けを行なった。
【0053】
続いてその最外層に、幅20mm、厚さ30μmのポリプロピレンテープを2mmピッチで巻き付けた後、145℃の硬化炉で240分間の加熱硬化を行ない、更に芯金の除去、ラッピングテープの除去、外周面の研磨を順次行ない、続いて細径端部及び太径端部のそれぞれから10mmをトリミングカットし、重量49g、長さ1145mm、細径端部の外径8.5mm、太径端部の外径15.2mmのゴルフクラブシャフトを得た。
【0054】
上記のゴルフクラブシャフトは、シャフト全体の曲げ剛性が180mmであり、ねじり剛性が4.7degである。又その曲げ剛性分布は図1に示す通りであり、細径部(AL)の領域での曲げ剛性値ではその極大値の存在が不明確であり、又太径部(CL)の領域の曲げ剛性値には、極大値が存在していない。
【0055】
[実験]
上記の各ゴルフクラブシャフトにグリップとヘッドとを装着し、# 1ウッドのゴルフクラブを作製した。続いて初級、中級、及び上級の各ゴルファー10ずつによって上記のゴルフクラブの試打を行なったところ、クラブ振動数の好みはそれぞれ相違するものの、実施例品によるゴルフクラブによる方がより力強いスイングを行なうことができ、これによって高弾道の飛距離の延びた打球が得られた。
【0056】
【発明の効果】
本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトは、該ゴルフクラブシャフトをその細径端部側から太径端部側に向かって順次、全長の15〜40%の範囲をなす長さの細径部(AL)と、同じく全長の30〜60%の範囲をなす長さの中央部(BL)と、同じく全長の25〜40%の範囲をなす長さの太径部(CL)との3つのブロックにしたときに、曲げ剛性値がこれらの3つのブロック内においてそれぞれ1個の極大値を有しているものである。
【0057】
これによって、本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトを使用してなるゴルフクラブは、該ゴルフクラブシャフトの調子(キックポイント)が明確になり、“鞭”のような振り抜き易さを有し、しかも打撃時の球の吹き上がりを抑えることができ、且つ俗に言われる“手元部がしっかり”したゴルフクラブになる。
【0058】
従って、本発明の繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフトを使用してなるゴルフクラブにおいては、初級ゴルファーから上級ゴルファーに至る迄、“鞭”のような振り抜き易さと安定した力強いスイングを行なうことが可能になり、飛距離の延びが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成したゴルフクラブ用シャフトの曲げ剛性分布(細径端部からの距離に対してその位置での曲げ剛性)をプロットしたグラフである。

Claims (1)

  1. 強化繊維がゴルフクラブシャフトの長手方向に対して±(30〜70°)に配向したアングル層と、強化繊維がシャフトの長手方向に対して−20〜20°に配向したストレート層とを少なくとも含む繊維強化プラスチック層からなるゴルフクラブシャフトであって、該ゴルフクラブシャフトをその細径端部側から太径端部側に向かって順次、全長の15〜40%の範囲をなす長さの細径部(AL)と、同じく全長の30〜60%の範囲をなす長さの中央部(BL)と、同じく全長の25〜40%の範囲をなす長さの太径部(CL)との3つのブロックにしたときに、曲げ剛性値がこれらの3つのブロック内において、細径部(AL)における曲げ剛性値の極大値(Amax)が12〜28N・m 2 であり、中央部(BL)における曲げ剛性値の極大値(Bmax)が25〜50N・m 2 であり、太径部(CL)における曲げ剛性値の極大値(Cmax)が35〜70N・m 2 である繊維強化プラスチック製ゴルフクラブシャフト。
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