JP2004001283A - 管状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】先から元側にかけて肉厚を厚くすることで、曲げ剛性のバランスを向上させた管状体において、強度の向上、安定化が図れる管状体を提供する。
【解決手段】本発明の管状体は、プリプレグシートを巻回することで形成され、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなると共に、先端部にパーツ結合部を有している。そして、前記パーツ結合部の直後部分の断面偏肉を、円周方向で略均等状態となるように分散すると共に、それより後方部分に最大肉厚差を有する偏肉部分を形成したことを特徴とする。
【選択図】  図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿等の釣り用品、ゴルフクラブシャフト等、各種スポーツ用品に用いられる管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記したような管状体を作成するにあたり、強化繊維に合成樹脂を含浸せしめた、いわゆるプリプレグシートを用いることが知られている。通常、このような管状体は、芯金に対してプリプレグシートを所定回数巻回した後、加熱することで合成樹脂を硬化させ、脱芯することで作成される。
【0003】
ところで、管状体の先から元まで、上記したプリプレグシートを同じ巻回数にする場合、その重ね部分により偏肉部分が生じてしまい、管状体としての弾性効果が低下することがある。このような問題を解決するために、特公昭57−26087号には、プリプレグシートを1プライずつ巻き始め位置を90°又は180°ずらして複数枚巻き付けることで重ね部分を分散させ、管状体の先から元まで肉厚を均一化する技術が開示されている。
【0004】
しかし、管状体の先から元側にかけて同じ肉厚にした状態で、管状体の各部分において所望の剛性を得ること(特に元側の剛性を大きくすること)は、管状体のテーパ形状だけでは困難なことが多い。このような場合、従来では、元側ほど肉厚を厚くするようにしており、図1(a)に示すように、先部から元側に移行するに連れて巻回数が増加するようにプリプレグシート1を裁断し、これをテーパ状の芯金Mに巻回して、図1(b)に示すように管状体5を作成している。
【0005】
具体的には、プリプレグシート1を、先側の位置であるP1で、例えば3プライできるようにすると共に、元側の位置であるP4で、例えば6プライできるように裁断しておく。この場合、先側の中間位置であるP2(P1から1/3の位置)では4プライ、元側の中間位置であるP3(P1から2/3の位置)では5プライの巻回数となっており、最終的に作成された管状体5は、先側から元側に移行するに従って肉厚が厚くなることから、そのテーパ形状と相俟って各位置で所望の剛性が得られ、管状体全体で剛性バランスを改良することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先から元側にプリプレグシートの巻回数を変化させることは、同時に長手方向にかけて、円周方向での肉厚が変化することとなり、肉厚の変化や偏肉による強度ばらつきが発生し易い欠点がある。この場合、径が小さい肉厚の薄い先端部ほど、強度のばらつきや低下によって管状体が破損し易く、特に、このような先端部は、釣竿であれば先竿管との継合部やガイドリング装着部等となり、ゴルフクラブシャフトであればヘッドが装着される部分となり、大きな曲げ応力が作用する部分となる。
【0007】
具体的には、図1で示す構成では、先端領域である(P1,P2)間では、偏肉比率(薄い部分と厚い部分の肉厚比)は、巻回数で考慮すると、3プライ/4プライ=75%となり、中間領域である(P2,P3)間では、偏肉比率は、4プライ/5プライ=80%となり、後端領域である(P3,P4)間では、偏肉比率は、5プライ/6プライ=83%となる。すなわち、管状体の曲げ方向によって、先端領域が最も強度の差(肉厚差25%による強度変化)が大きくなり、曲げ応力が作用した際に、圧縮側が薄肉厚部分になってしまうと、容易に破損してしまう。
【0008】
特に、先端領域は、上記のように、釣竿であれば先竿管との継合部やガイドリング装着部等となり、ゴルフクラブシャフトであればヘッドが装着される部分(このような部分を「パーツ結合部」と定義する)、乃至はパーツ結合部の直後の位置になることから、大きい曲げ応力が作用し、一層破損し易くなってしまう。
【0009】
この発明は、上記した問題に着目して成されたものであり、先から元側にかけて肉厚を厚くすることで、曲げ剛性のバランスを向上させた管状体において、強度の向上、安定化が図れる管状体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、プリプレグシートを巻回することで形成され、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなると共に、先端部にパーツ結合部を有する管状体において、以下のように構成したことを特徴とする。
【0011】
(1)パーツ結合部の直後部分の断面偏肉を円周方向で略均等状態となるように分散すると共に、それより後方部分に最大肉厚差を有する偏肉部分を形成する。このような構成によれば、パーツ結合部の直後の位置において、曲げ応力が作用しても、破損の要因となる偏肉部分が円周方向に略均等状態に分散されていることから、破損等が効果的に防止される。
【0012】
(2)前記管状体を軸方向に3等分して先端領域、中間領域、後端領域とした場合、先端領域における前記パーツ結合部の直後部分での偏肉比率を、それより後方の中間領域又は後方領域における肉厚が前記直後部分より厚くなった部分での偏肉比率よりも大きく形成する。
このような構成によれば、先端領域におけるパーツ結合部の直後位置での偏肉比率が大きくなる(偏肉による肉厚差が小さくなる)ように形成されていることから、断面形状で肉厚差のある部分がなくなり、この結果、曲げ方向に関係なく均等な曲げ強度が得られ、破損を効果的に防止することが可能となる。
【0013】
(3)パーツ結合部の直後部分の円周方向での肉厚を均等状態にすると共に、それより後方側の肉厚を、前記均等状態にある肉厚よりも厚く形成し、この肉厚の厚い部分に最大肉厚差を有する偏肉部位を形成する。
このような構成によれば、パーツ結合部の直後位置で、その断面形状が均等肉厚であることから、曲げ方向に関係なく、均等な曲げ強度が得られ、破損を効果的に防止することが可能となる。
【0014】
(4)パーツ結合部の直後部分の肉厚を円周方向で均一にするか、又は円周方向で偏肉領域を形成した場合、それを0.2プライ未満とし、パーツ結合部の直後部分より後方側に、円周方向で0.7プライ以上となる偏肉領域を形成する。 このように、偏肉する領域が円周方向で0.2プライ未満とすることで、偏肉の領域が少なくなり、その破損が効果的に防止されるようになる。また、それよりも後方側の肉厚領域においても、円周方向における偏肉領域が0.7プライ以上に形成されていることから、破損等が生じ難くなり、中間領域から後端領域においても、強度の向上、安定化が図れる竿管が得られる。
【0015】
なお、本発明は、上記した(1)〜(4)のいずれかの要件が満たされていれば良く、(1)〜(4)の各要件は、適宜、組み合わせて実施することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る管状体の実施形態を添付図面に沿って具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、管状体として釣竿を構成する竿管を取り上げることとする。
【0017】
図2は、釣竿(振出し式釣竿)の全体構成を示す図であり、図3は、釣竿を構成する竿管(中竿管)を示す図である。
釣竿10は、本実施形態では、握り11aを有する元竿管11、第1中竿管12、第2中竿管13及び穂先竿管14によって構成されている。各竿管は、上述した従来技術のように、カーボン、ボロン、ガラス、金属、セラミックス等による強化繊維を特定方向に引き揃えたり、あるいは織布状にし、これにエポキシ、ポリエステル、フェノール等のマトリックス樹脂を含浸して形成されるプリプレグシートを巻回することで形成されている。この場合、各竿管は、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなるように形成されており、具体的には、先細テーパ状で、プリプレグシートの巻回数を元側ほど多く(肉厚を厚く)することによって、全体として剛性バランスを向上させている。
【0018】
各竿管には、その先端部にパーツ結合部が設けられている。具体的には、元竿管や中竿管であれば振出される竿管との継合部15やガイドリング等、穂先竿管であれば釣糸結着具、トップガイドのような穂先部品17等が設けられている。通常、このようなパーツ結合部の直後の位置Pでは、結合されるパーツによって大きな曲げ応力が作用し、破損し易い部分となっているが、以下のようにプリプレグシートを構成し、巻回することで、強度の向上、安定化を図っている。
【0019】
図4は、第1の実施形態を示す図であり、芯金(図示せず)に巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図である。管状体は、先から元側まで通して同一の巻回数で巻回されるように裁断された複数枚(3枚)のプリプレグシート20,21,22と、竿管の略中間位置から元側に向けて次第に巻回数が増加するように裁断されたプリプレグシート23と、パーツ結合部を補強する補強用プリプレグシート25とによって形成される。
【0020】
上記プリプレグシート20,21,22は、それぞれ、竿管の先側位置であるP1、及び元側位置P4で、1.2プライ(0.2プライは重ね代)できるように裁断されている。そして、これらのプリプレグシートを芯金に対して巻回するに際しては、その重ね代部分(偏肉部分)が、円周方向において均等状態に分散されるように巻回する。例えば、各プリプレグシートを芯金に巻回する際、巻回開始位置を120°ずらして巻回すれば良い。この結果、パーツ結合部の直後の位置Pでは、図6(a)に示すように、円周方向において0.2プライ分の偏肉部分20a,21a,22aが120°ずれた状態となる。
【0021】
また、上記プリプレグシート23は、中間領域から、元側に向けて次第に巻回数が多くなり、元側位置P4で0.7プライできるように裁断されている。このプリプレグシート23を巻回することで、元側の中間位置であるP3では、図6(b)に示すような巻回状態となり、元側位置P4では、図6(c)に示すような状態となり、位置Pより後方に最大肉厚差を有する部分が形成される。このように、竿管全体では、先から元側に向けて肉厚が厚くなっていることから、元側の曲げ剛性が大きくなっており、剛性バランスの向上が図られている。なお、このプリプレグシート23は、肉厚の急激な変化を防止することによって、曲げ方向に関係無く均等な曲げ強度が得られ易いことにより、上記したプリプレグシート20,21,22よりも薄く形成しておくことが好ましい。
【0022】
この実施形態の構成によれば、先から元側に向けて曲げ剛性が大きくなる竿管において、軸方向の任意位置で円周方向の偏肉部分は生じるものの、パーツ結合部の直後の位置Pでは、偏肉部分を円周方向において均等状態に分散させ、それよりも後方位置で、最大肉厚差を有する部位を形成している。
【0023】
すなわち、先から元側に向けて曲げ剛性が大きくなる竿管において、やむなく偏肉部分が生じてしまう場合であっても、破損等し易い部分である径が細くパーツ結合部の直後位置Pの偏肉状態を、円周方向に分散させることで、そのような破損等を効果的に防止することができる。
【0024】
なお、パーツ結合部の直後位置Pでの偏肉状態は、図6(a)に示すように、等間隔で分散されているのが最も好ましいが、等間隔から±25%、好ましくは±20%以内の範囲で分散されていれば、破損等を効果的に抑制することが可能である。また、偏肉状態が円周方向に均等に分散されるのは、破損等が生じ易いパーツ結合部の直後位置Pを含む先端領域(先側の位置であるP1、先側の中間位置であるP2の間の領域)に亘って形成されていることが好ましい。
【0025】
図5は、上記した第1の実施形態に係るプリプレグシートの変形例を示す図である。図4に示した構成では、プリプレグシート22とプリプレグシート23は別体として形成されていたが、この図に示すように両者を一体としたプリプレグシート24によって構成しても良い。
【0026】
図7は、第2の実施形態を示す図であり、(a)は、芯金Mに巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図、(b)は、プリプレグシートを巻回して形成された管状体を示す図である。
【0027】
管状体40は、プリプレグシート30と、パーツ結合部を補強する補強用プリプレグシート35とによって構成される。この実施形態のプリプレグシート30は、先端領域(P1,P2間)を同一(略同一でも良い)の巻回数にして、中間領域から元側(P2から後方側)に偏肉部分が配設されるように構成されており、先端領域におけるパーツ結合部の直後位置Pでの偏肉比率が大きくなる(偏肉による肉厚差が小さくなる)ように裁断されている。具体的には、プリプレグシート30は、先側の位置P1及び先側の中間位置P2で、夫々4プライ、元側の中間位置P3で5プライ、元側の位置P4で6プライの巻回数となるように裁断されている。
【0028】
このような構成によれば、パーツ結合部の直後の位置Pを含む先端領域である(P1,P2)間では、偏肉比率(薄い部分と厚い部分の肉厚比)は巻回数で考慮すると、4プライ/4プライ=100%、中間領域である(P2,P3)間では、偏肉比率は4プライ/5プライ=80%、後端領域である(P3,P4)間では、偏肉比率は5プライ/6プライ=83%となる。
【0029】
すなわち、先端領域では、偏肉比率が100%(パーツ結合部の直後の位置Pでは肉厚が均等状態)にされていることから、断面形状で肉厚差のある部分がなくなり、この結果、曲げ方向に関係なく、均等な曲げ強度が得られ、破損を効果的に防止することが可能となる。特に、位置P2から先側のテーパが、それより後方のテーパよりも大きく形成された先細テーパ状の竿管の場合、細径部が大きく撓んでも、先部での破損を効果的に防止でき、強度のばらつきを低減できると共に、しなりバランスの向上が図れる。なお、図に示すプリプレグシート30の点線は、P2から先側のテーパが先細テーパ状に形成された芯金Mに対応した形状であり、実線は、芯金Mが全長に亘って同一のテーパである場合の構成を示している(全長で曲げ剛性のバランスがとれれば、同一テーパとしても良い)。
【0030】
また、竿管全体を考慮すると、曲げ剛性の分布は、元側の肉厚が厚くなっていることから、順次元側が大きくなるように形成されており、曲げ剛性バランスの向上が図られている。なお、中間領域(P2,P3間)や後端領域(P3,P4間)では、先端領域(P1,P2間)よりも、ある程度肉厚が厚く形成されていることから、偏肉比率が小さくても(偏肉による肉厚差が大きくても)、曲げ方向による強度変化が大きくなることが防止される。特に、中間領域や後端領域は、継合部や部品取付け等のパーツ結合部が無く応力が集中し難い部分であり、かつ元側ほど撓み量が小さいことから、上記したような偏肉比率が小さい部分が存在しても破損等し難い。
【0031】
上記した構成では、先端領域における偏肉比率が、中間領域や後端領域よりも大きく形成されていれば良いことから、位置P2での巻回量を4.7プライ程度にまで増やしても良い(偏肉比率は、4プライ/4.7プライで85%)。ただし、パーツ結合部の直後の位置Pにおいては、偏肉する領域が円周方向に亘って多すぎると破損し易くなることから、その位置での円周方向の偏肉領域は、0.2プライ未満に設定しておくことが好ましい。
【0032】
図8は、第3の実施形態を示す図であり、(a)は、芯金Mに巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図、(b)は、プリプレグシートを巻回して形成された管状体を示す図である。
【0033】
管状体60は、プリプレグシート50と、パーツ結合部を補強する補強用プリプレグシート55とによって構成される。この実施形態のプリプレグシート50は、先端領域(P1,P2間)、特に、パーツ結合部の直後の位置Pでの肉厚を円周方向で均一にするか、又は円周方向で偏肉領域を形成した場合、それを0.2プライ未満とし、かつ位置Pより後方側に、円周方向で0.7プライ以上となる偏肉領域を形成するように裁断されている。具体的には、プリプレグシート50は、先側の位置P1及び先側の中間位置P2で2.1プライ、中間位置P2よりやや後方の位置で0.6プライ分増加させて2.7プライとし、元側の位置P4で2.9プライの巻回数となるように裁断されている。
【0034】
このような構成によれば、パーツ結合部の直後の位置Pでは、図9(a)に示すように、偏肉する領域50aが円周方向で0.1プライとなり、曲げ応力が作用しても、偏肉の領域が少ないことから、その破損が防止されるようになる。なお、このように円周方向において偏肉領域を制限することで破損を効果的に防止するためには、偏肉領域は、少なくとも、パーツ結合部の直後の位置Pでは、0.2プライ未満となるように設定しておくことが好ましい。
【0035】
また、先側の中間位置P2付近で0.6プライ分増加させたことから、それよりも後方側での位置P5や、元側の位置P3では、図9(b),(c)で示すように、円周方向における偏肉領域50b,50cが0.7プライ以上の巻回数となっている。
【0036】
通常、円周方向における偏肉領域は、0.2プライ〜0.7プライの範囲にあると曲げ応力の作用する方向によって折れ易い傾向となるが、上記したように、先側の中間位置P2付近で0.6プライ分増加したことで、中間領域から後端領域にかけて、先端領域よりも厚肉となる領域においても、円周方向における偏肉領域は0.7プライ以上に設定されることから、竿管全体として曲げ剛性のバランスが向上したことに加え、中間領域から後端領域においても、強度の向上、安定化が図れる竿管が得られる。
【0037】
なお、中間領域から後端領域にかけて、先端領域よりも厚肉となる領域で、上記したような円周方向における偏肉領域が0.7プライ以上となるのは、軸方向において一部の領域となっていても、ある程度の効果を得ることが可能である。このため、中間領域から後端領域にかけて、更に、別のプリプレグシート57を巻回しても良い。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記した各実施形態において、図示されているプリプレグシートの構成(例えば、強化繊維の種類及び引き揃え方向、合成樹脂の種類、含浸量、肉厚)については、適宜変形して用いられる。また、上述した請求の範囲の内、独立項に記載されている要件が満足されるのであれば、上記した実施形態を任意に組み合わせたり、図示されていないプリプレグシートを巻回したり、或いは異なる構成のプリプレグシートを用いることも可能である。
【0039】
また、本発明は、上記した釣竿以外にも、先端部分にパーツが結合され、かつ先から元側にかけて肉厚を厚くすることで曲げ剛性のバランスを向上させる各種の管状体に適用することが可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、先から元側にかけて肉厚を厚くすることで、曲げ剛性のバランスを向上させた管状体において、強度の向上、安定化が図れる管状体が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の構成を示す図であり、(a)は、芯金に巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図、(b)は、プリプレグシートを巻回して形成された管状体を示す図。
【図2】釣竿(振出し式釣竿)の全体構成を示す図。
【図3】釣竿を構成する竿管(中竿管)を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す図であり、芯金に巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図。
【図5】第1の実施形態に用いられるプリプレグシートの変形例を示す図。
【図6】(a)は、図4の位置Pでの断面図、(b)は、図4の位置P3での断面図、(c)は、図4の位置P4での断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図であり、(a)は、芯金に巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図、(b)は、プリプレグシートを巻回して形成された管状体を示す図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図であり、(a)は、芯金に巻回されるプリプレグシートの配置、形状を示す図、(b)は、プリプレグシートを巻回して形成された管状体を示す図。
【図9】(a)は、図8の位置Pでの断面図、(b)は、図8の位置P5での断面図、(c)は、図8の位置P3での断面図。
【符号の説明】
20〜24,30,50 プリプレグシート
40,60 管状体

Claims (5)

  1. プリプレグシートを巻回することで形成され、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなると共に、先端部にパーツ結合部を有する管状体において、
    前記パーツ結合部の直後部分の断面偏肉を、円周方向で略均等状態となるように分散すると共に、それより後方部分に最大肉厚差を有する偏肉部位を形成したことを特徴とする管状体。
  2. プリプレグシートを巻回することで形成され、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなると共に、先端部にパーツ結合部を有する管状体において、
    前記管状体を軸方向に3等分して先端領域、中間領域、後端領域とした場合、先端領域における前記パーツ結合部の直後部分での偏肉比率を、それより後方の中間領域又は後方領域における肉厚が前記直後部分より厚くなった部分での偏肉比率よりも大きく形成したことを特徴とする管状体。
  3. 前記パーツ結合部の直後部分での偏肉領域は、その断面の円周方向で0.2プライ未満に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の管状体。
  4. プリプレグシートを巻回することで形成され、先から元側に向かって曲げ剛性が大きくなると共に、先端部にパーツ結合部を有する管状体において、
    前記パーツ結合部の直後部分の円周方向での肉厚を均等状態にすると共に、それより後方側の肉厚を、前記均等状態にある肉厚よりも厚く形成し、この肉厚の厚い部分に最大肉厚差を有する偏肉部位を形成したことを特徴とする管状体。
  5. プリプレグシートを巻回することで形成され、先端部での肉厚より元部での肉厚を大きくすると共に、先端部にパーツ結合部を有する管状体において、
    前記パーツ結合部の直後部分の肉厚を円周方向で均一にするか、又は円周方向で偏肉領域を形成した場合、それを0.2プライ未満とし、
    前記パーツ結合部の直後部分より後方側に、円周方向で0.7プライ以上となる偏肉領域を形成したことを特徴とする管状体。
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