JP2000217472A - 中実竿杆を使用した継式釣竿 - Google Patents
中実竿杆を使用した継式釣竿Info
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Abstract
竿14,12と、元竿10とを有する繊維強化樹脂製の
継式釣竿であって、穂先竿16とその直後の中竿14を
中実竿杆とし、元竿10を中空竿管とする。
Description
た継式釣竿に関する。
した釣竿が主流であったが、元竿等のように大きな曲げ
力が作用し得る部位では、竿管が中空であるために潰れ
破壊を生じることが有った。
に、中実竿杆を穂先竿以外に使用することが考えられて
いる。中実竿杆は中空竿管に比べて、同じ材料を使用す
る前提で、同じ曲げ剛性を有するのであれば、より小径
化される。従って、中空竿管を主体に使用する釣竿と異
なる特性を有する面が有り、これらを釣竿として有効に
利用したり、逆に、釣竿に使用するとその使用形態によ
っては欠点となる事項はその対策が必要である。従って
本発明は、第1に、釣竿の操作性向上を目的とする。第
2に、小径化に起因し、釣竿操作中に竿が捩れる竿振れ
を防止することを目的とする。第3に、継合部の構造に
起因する継ぎ合わせ作業の操作性と釣りの操作性の向上
を目的とする。第4に、特に大撓み時に強度の強い釣竿
の提供を目的とする。
請求項1では、穂先竿と、少なくとも1本以上の中竿
と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、穂先竿とその直後の中竿を中実竿杆とし、元竿を中
空竿管としたことを特徴とする中実竿杆を使用した継式
釣竿を提供する。釣竿の振り込み等の操作においては竿
先程高速になるが、穂先竿とその直後の中竿(穂持竿)
を中実竿杆とするため、この領域は同じ撓み剛性を有し
た中空竿管を使用している場合と比較して小径であり、
高速の振りに対しても空気抵抗が小さく、振り操作がし
易い。また、へら鮒釣り等のように竿先を水中に浸して
釣りを行う場合にも、水中抵抗が小さく、操作性が良
い。更には、元竿を中空竿管としているため、穂先竿等
の小径竿管を収納でき、持ち運びの際に便利である。
竿と、少なくとも1本以上の中竿と、元竿とを有する繊
維強化樹脂製の継式釣竿であって、穂先竿を除く竿杆の
少なくとも何れかの竿杆が、概ね軸長方向に指向する強
化繊維を主体とする層を有すると共に、軸長方向に対し
て概ね対称状態に両方向から交差する傾斜状の交差繊維
層を設けた中実竿杆であることを特徴とする中実竿杆を
使用した継式釣竿を提供する。釣竿の撓み剛性は、軸長
方向に指向した繊維によって担保される。そして釣竿操
作中に竿が捩れる竿振れは、釣竿の捩れ剛性が不足する
ことによって生じるが、竿杆の軸長方向に対して傾斜し
た方向(特に45度方向)の繊維が捩り剛性に効果的に
寄与するし、竿杆中心軸から半径方向に離隔した外側に
位置するほど寄与率が高い。また、竿先側よりも後方側
に位置する方が竿振れが防止できる。竿先であると共
に、小径でもある穂先竿に傾斜繊維層を設けてもその効
果が小さいため、これ以外の、効果が大きくなる他の竿
杆に設けることを要件としている。勿論、更に穂先竿に
設けることは自由である。軸長方向に対して概ね対称に
交差させるのは、何れの方向に対しても均一な捩り剛性
にして、偏り無く釣り操作の操作性を向上させたいから
である。
竿と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、穂先竿と元竿を中実竿杆とし、1本以上の中竿の中
に中空竿管があることを特徴とする中実竿杆を使用した
継式釣竿を提供する。上記した捩り剛性からいっても、
穂先竿を中空竿管にする意義は少なく、小径化等の効果
からいって中実竿杆にしており、また、元竿を中実竿杆
にして、大撓みを生じても破損し難くて粘りのある釣竿
にできる。このように穂先竿と元竿に中実竿杆を使用し
た釣竿において、中空竿管を中竿に使用すれば、中空で
あるため、この中竿が同じ撓み剛性の中実竿杆である場
合に比べて外径が大きくなり、その結果、より捩り剛性
が大きくなる。
竿と、少なくとも1本以上の中竿と、元竿とを有する繊
維強化樹脂製の継式釣竿であって、継合せ状態で連続し
た2本が中実竿杆である継合部位が2個所以上あり、各
継合部位の継合嵌合面が前方又は後方に拡径するテーパ
状であり、各継合部位のテーパ率は前側の継合部位が後
側の継合部位より小さいことを特徴とする中実竿杆を使
用した継式釣竿を提供する。テーパ状の中にストレート
を含むこととし、テーパ率は正の値で考える。後細テー
パ(並継)を正の値とし、前細テーパ(逆並継)を負の
値として大小を比較するのではなく、絶対値で比較す
る。
むが、竿先に近い部位は下方に垂れており、一般に竿元
に近い部位は斜め上方に向かっているため、竿先に近い
継合部位はその嵌合面のテーパ率を小さくして抜け難く
し、竿元に近い継合部位はその方向から殆ど抜けること
は考えられず、抜け止めを主体に考えるよりは継ぎ合わ
せ作業を容易迅速化したり、継合部が固着することを防
止するために、テーパ率を竿先側(前側)より大きくす
る。但し、同じ程度も含まれる。前側の継合部位のテー
パ率が後側の継合部位のテーパ率よりも小さいといいつ
つ、同じ程度の値も含まれることの意味は、例えば4個
所の継合部位があり、先側の2つは互いに同じ程度の小
さなテーパ率であり、元側の2つの部位が互いに同じ程
度の大きなテーパ率であってもよいということである。
従って、前側のテーパ率を基準にすれば、後側ほど大き
くなるのが原則であるが、同じ値があってステップ状に
大きくなる場合も含まれる。また、殆ど同じテーパ率同
士の多少の大小は無視し、同じ程度と考える。
竿と、少なくとも1本以上の中竿と、元竿とを有する繊
維強化樹脂製の継式釣竿であって、何れかの竿杆が、強
化繊維が概ね軸長方向に指向した芯材部の外側に、強化
繊維が概ね円周方向に指向した層を有するよう形成され
た中実竿杆であることを特徴とする中実竿杆を使用した
継式釣竿を提供する。概ね軸長方向に指向した芯材部だ
けでは、大撓みした場合に軸長方向に沿って裂け易い。
ところが、外側に強化繊維が概ね円周方向に指向した層
を有すると、この円周方向強化繊維の存在によって、前
記裂けが防止され、大撓みに耐え得る釣竿となる。
施形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1は本発明
に係る継式釣竿であり、図2はその分解図である。中空
竿管の元竿10、中空竿管の第1中竿12、中実竿杆の
第2中竿14、中実竿杆の穂先竿16の4本が並継式に
継ぎ合わされている。以下において特記しない限り竿数
に制限はない。また、各竿杆は、エポキシ樹脂等の樹脂
のマトリックスを炭素繊維等の強化繊維で強化した繊維
強化樹脂(FRPやFRTP)製であり、この例の竿杆
はエポキシ樹脂をマトリックスとし、炭素繊維を主体と
して用いて強化形成している。また、各竿杆には、概ね
軸長方向に指向した強化繊維の層が存在する。
部継合部12tを受け入れる中空部を有する継合部10
Tが形成されており、第1中竿12の先端部には、第2
中竿14の後部継合部14tを受け入れる中空部を有す
る継合部12Tが形成されており、第2中竿14の先端
部には、穂先竿16の継合部16tを受け入れる中空部
を有する継合部14Tが形成されている。更には、元竿
の後部には天然コルクやジュラコルク(商品名)製等の
握り部10Gが形成されており、その後端には尻栓Sが
接着されている。穂先竿16の先端部には釣糸結着部1
6Kが設けられており、ここに釣糸を結び付けて釣りを
行う。
う。穂先竿16と、第2中竿(即ち、穂持竿)14とが
中実竿杆であるため、これらが中空竿管である場合と比
較して小径化されており、その分、振り操作の際に空気
抵抗が小さく、振り操作が軽快になる。また、ふな竿の
ように竿先を水中に没して釣りを行う際には、水中抵抗
が小さくなる。従って、水切りし易く、素早い竿操作が
できる。
空竿管であるため、穂先竿16を第1中竿12に収納さ
せ、穂持竿14を元竿10に収納させて持ち運びがで
き、便利である。また、中実の穂先竿と穂持竿の表面
に、ゴルフボールのディンプルのような凹凸を形成し易
く、こうすることで、非常に速く振り操作した場合に、
竿先部が追随し易くなる。更には、穂先竿と穂持竿を中
実に形成したので、これらと同じ撓み剛性の中空竿管の
場合と比較して、同じ振り調子でありながら、粘りとパ
ワーのある釣竿にでき、掛った魚を素早く水面に引上げ
易く、魚の取り込みまでの時間を低減できる。
では、各竿杆共に、概ね軸長方向に指向した強化繊維を
主体とする層を有しており、元竿と第1中竿が中空竿管
であるので、これらが、同じ撓み剛性を有する中実竿杆
である場合と比べれば外径が大きい。主として撓み剛性
に寄与する軸長方向に指向した強化繊維の存在は、捩り
に対しても抗力になり、これによって、中実竿杆よりも
外径の大きな中空竿管では捩り剛性が高くなって捩れ難
く、釣竿操作時の胴ぶれが防止でき、釣り操作し易い。
竿杆10,12,14のできるだけ外周側に、強化繊維
が軸長方向に対して45度方向と−45度方向とに交差
した層を設けると最も効果的に捩り剛性が向上する。4
5度でなくても、30度から60度程度の範囲に設定す
るとある程度効果的であり、最も広い範囲では15度か
ら75度の範囲にする。何れにしても、軸長方向に対し
てできるだけ捩り剛性が対称になるように、左右両方向
から同じ弾性率の繊維を同じ量ずつ、絶対値が同じ傾斜
角度で交差させることが高品質の釣竿提供に繋がる。
よって左右方向から編んだり、織布を使用したり、引き
揃えシートや引き揃えテープを繊維が交差するように両
方向から巻回する(重ねる)。穂先竿16は釣竿操作の
振れに大きく影響しないため捩り対策を施しておらず、
軸長方向繊維を主体とした中実コア部の外周に、円周方
向繊維の層を設けている。上記と異なり、元竿と第1中
竿をも中実竿杆に形成した場合も、捩り剛性向上の工夫
は同様である。元竿と第1中竿をも中実竿杆に形成した
場合のこの釣竿は、大撓みに耐えられて粘りのある釣竿
であると共に、振り操作の際の胴ぶれを防止できる。従
って、操作性の優れた竿となる。
し、2本の中竿を中空竿管にしても、既述のように、外
径が大きくなることによって、傾斜方向繊維が無くて軸
長方向繊維の存在によっても捩り剛性が向上し、これに
更に傾斜方向繊維が存在すれば更に効果的に捩り剛性が
向上する。胴ぶれは釣竿の中間領域において生じ易く、
このように中竿12と14を中空竿管にすれば、同じ撓
み剛性の中実竿杆(小径である)の場合よりも胴ぶれを
防止できる。この場合、元竿は中実竿杆であるため、大
きな負荷によって元竿が大撓みしても耐えられて高強度
化でき、粘りのある釣竿となる。穂先竿も中実竿杆であ
るため、大きく撓んでも粘りが有り、破損し難い。前記
中空竿管は、その外径をDとし、肉厚をtとすれば、t
/Dを0.04〜0.4の厚肉化するとよい。
10と第1中竿12の継合部位近くの拡大縦断面を、継
合部位の代表として図3に示す。各竿杆10,12,1
4,16は、夫々、合成樹脂をマトリックスとし、強化
繊維を概ね軸長方向に指向させて加圧焼成した概ね円柱
状の中実体の各表面を研削し、先細形状に形成した中実
コア部10A,12A等を有している。研削によって中
実コア部の表面の軸長方向強化繊維が切断されるため、
このままで竿杆にすれば、撓みを受けた場合に切断繊維
端部から剥離等して破損し易い。そこで表面に、概ね軸
長方向に指向した強化繊維の外側層10B,12B等を
繊維強化樹脂プリプレグを巻回することによって形成し
て補強している。
記外側層10Bの厚さ範囲内において段差部を形成して
小径部10Sとし、ここに継合部材本体10THの繊維
強化樹脂プリプレグを巻回して管形状に形成し、その
後、この継合部材本体と元竿本体部10Hとの段差境界
部を補強するために、この境界部の前後に亘ってプリプ
レグを巻回し、焼成して元竿本体10Hと継合部本体1
0THと補強層10Thとを一体化接合させる。こうし
て形成された継合部10Tの内面(嵌合面)は先広がり
テーパである。即ち、先部内直径Bは後部内直径Cより
も大きく形成している。本願では、継合部12T,14
Tにおいても同様であると共に、継合部10T,12
T,14Tの順にテーパ率を小さく形成している。
トを含む)に形成するのは、大きな魚が掛って釣竿が大
きく撓んだ際に、穂先竿16とその後ろの第2中竿(穂
持竿)14との継合部位(14Tの部位)が最も下方に
向き、第2中竿14と第1中竿12との継合部位12T
が少し下向き、第1中竿12と元竿10との継合部位1
0Tが斜め上向きになるという具合に、先側程抜き取ら
れ易い状況になる。従って、先側程抜け難く構成しなけ
ればならないからである。逆に、後方側になるほど、継
合せに強い力を要し、また継合せた場合に強く固着し易
いため、継合せ作業を容易にすると共に、強く固着して
抜き取れないという不具合を防止するために、後方側程
大きなテーパ率にする。
ーパ率を大きく形成しているが、途中に同じテーパ率
(又は同じ程度のテーパ率)を有していてもよい。例え
ば、継合部14Tと12Tとが小さな同じテーパ率であ
って、継合部10Tが大きなテーパ率という具合であ
る。各竿杆16,14,12の後部継合部16t,14
t,12tの外径は夫々の筒状継合部14T,12T,
10Tの内面嵌合面に概ね合致するように形成してい
る。
釣竿の先側部位よりも後側部位の方が長いが、代表値と
しての継合部の内直径Bを基準にした比率L1/Bを規
定すれば、この比率を先側部位程大きくなるように形成
すれば、大きな魚が掛って大きく撓んでも先側部位の継
ぎ合わせが抜け難く、好ましい。更には、継ぎ合わせ
は、単純な1段の継ぎ合わせ嵌合面とは限らず、例え
ば、元竿の継合部10T内に第1中竿12の後部継合部
12tを挿入させるが、途中位置までは抵抗無く入り、
そこから抵抗を受けつつ挿入させる2段の継ぎ合わせに
することが多い。この抵抗を受けつつ挿入させる2段目
の長さを、釣竿の元側に比較して穂先側程長くすれば、
より抜け落ち易い穂先竿等を充分に保持できる。
逆並継であってもよく、また、これらの混合であっても
よい。逆並継の場合のテーパ率は、管状継合部の内直径
は後方側(Cに対応)が大きく、前側(Bに対応)が小
さいが、大きい方から小さい方を差し引いた値を長さで
除して求める。
2)が中実竿杆同士であれば、前側の竿杆と後側の竿杆
とを継合わせる場合に円滑に行ったり、或いは継合せや
抜き取りを可能にさせるために、継合部位における空気
抜きや残留空間の大きさ等を考慮しなければならない。
そこで、継合部10Tの内部のうち、嵌合面長さL1領
域を外れた部位(L2の領域)に外部に通ずる貫通孔K
Aを半径方向に設けておく。或いは、管状継合部10T
の内面10TNに、継合せた場合の残留空間L2の範囲
に始点を置きつつ外部に至るまで、概ね長手方向に沿っ
た溝や螺旋状の溝等、任意形状の溝を設ける。或いはこ
れらを併用する。管状継合部の内面の代わりに、或いは
併用して、前側竿杆12の後部継合部12tの表面に溝
を形成してもよい。更には、少なくとも何れかの嵌合面
を粗面にして空気を逃がしてもよい。元側ほど継合力が
大きいため、空気抜き溝等は、先側継合部位よりも後側
継合部位を大き目に形成するとよい。
留空間L2を長くして、継ぎ合わせる場合の圧縮力を受
容できるように構成する方法もある。この残留空間L2
を広げるために、元竿本体10Hに穴KHを設け、残留
空間をL3の範囲とし、大きさを拡大することもでき
る。好ましくは、長さで表現して、L1≦L2(穴KH
がある場合はL3)に形成すれば、着脱操作がし易く、
固着も防止できる。元側ほど固着力が大きいため、長さ
L2(又はL3)は、先側継合部位よりも後側継合部位
において長くするとよい。
か継合部10tの外周に、又はこれらの両方に、軟質合
成樹脂等の軟質層を形成し、これによって固着を防止す
る。好ましくは、釣竿先側の継合部位よりも後側の継合
部位程、軟質層の厚さを厚くしたり、より軟質の材料を
使用する。中実竿杆同士の継合部位近くの前後の竿杆直
径A,Dは、何れの側が高剛性であっても、両部分の曲
げ剛性の差が20パーセント以下になるように設定すれ
ば竿の撓りバランスが向上する。更には、釣竿の先側の
継合部位よりも後側の継合部位において剛性差を小さく
すると撓りバランスが向上する。上記テーパ率以降の各
説明事項は互いに任意に組み合わせてもよい。
大撓みした場合に軸長方向に沿って裂け易い。ところ
が、外側に強化繊維が概ね円周方向に指向した層を有す
ると、この円周方向強化繊維の存在によって、前記裂け
が防止され、大撓みに耐え得る釣竿となる。図4は任意
の竿杆20の縦断面図を示し、強化繊維が概ね軸長方向
に指向した中実コア部20Aの外側に、強化繊維が概ね
軸長方向に指向した中間層20Bと、更にその外側に設
けられ、強化繊維が概ね円周方向に指向した外側層20
Cを有している。成形方法として、中実コア部20A
は、概ね軸長方向に指向させて成形した中実竿杆を研削
して先細形状にし、この上から概ね軸長方向に指向する
ように繊維強化樹脂プリプレグを巻回し、更には、概ね
円周方向に指向するように繊維強化樹脂プリプレグを巻
回し、その後加圧焼成して形成することが一般的であ
る。
1中竿12、第2中竿14、穂先竿16がこの竿杆20
の構造を有する。中間層は無くてもよいが、あれば中実
コア部表面の切断繊維部を補強でき、剥離が生じて破損
することが防止できる。中間層に円周方向や傾斜方向に
指向した強化繊維の存在や、外側層に軸長方向等に指向
した強化繊維の存在は許容している。穂先竿には外側層
20Cも無くてよい。
く、強化繊維が円周方向繊維のみの場合0.1mm以
下、好ましくは0.05mm以下、更に好ましくは0.
03mm以下にする。円周方向繊維プリプレグに軸長方
向繊維のプリプレグを重ねた場合は、円周方向繊維のみ
の場合の2倍以下、即ち0.2mm以下、好ましくは
0.03〜0.15mmの厚さとする。この円周方向強
化繊維には、中実コア部や中間層の強化繊維よりも高強
度な強化繊維を使用すれば、更に薄肉化できる。
定厚さであるが、継合釣竿全体における各竿杆間におい
ては、穂先竿が最も薄く、元竿い近い程厚くなる(同じ
程度の厚さがあってもよい)ように形成することが好ま
しい。これは径の大きな竿杆ほど、同じ量の撓みでも外
側に大きな負荷が作用し、表面からの剥離や切断が発生
し易いので、これを防止するためである。以上の外側層
には円周方向繊維の代わりに、或いは共に傾斜方向繊維
を設けていてもよく、同様に元竿に近い程厚くする。
りは元側寄りを厚肉化することが好ましい。例えば、プ
リプレグの巻回数を多くすることで達成できる。継合釣
竿全体における各竿杆間においては、穂先竿が最も薄
く、元竿に近い程厚くなる(同じ程度の厚さがあっても
よい)ように形成することが好ましい。理由は外側層と
同様である。また、穂先寄りと元竿寄りでは穂先寄りを
高強度の強化繊維とし、元竿寄りを高弾性にすれば、釣
竿強度が向上する。
し、元竿寄りの竿杆程高弾性な強化繊維を多くすれば、
釣竿の強度向上と細身化、軽量化が図れる。また、穂先
寄りの竿杆程高弾性な強化繊維を多くし、元竿寄りの竿
杆程高強度な強化繊維を多くすれば、振った際の調子は
胴調子の傾向でありながら、撓みの戻りは先調子のよう
に穂先部が速く戻る。
杆を軽量にしたいが、この場合、竿杆の中心層である中
実コア部は、その外側の中間層や外側層と比較して剛性
や強度に対する寄与が低く、それだけ軽量化のためにの
み工夫を施し易い。そこで、この中実コア部に比重の小
さな材料を選定し易い。従って、元竿寄りの竿杆に比較
して穂先寄りの竿杆の中実コア部を比重の小さな材料で
構成する。更には、何れの位置の竿杆にも共通するが、
外側ほど中心部に比較して強化繊維密度を高くすると、
剛性や強度への寄与率の高い竿杆となり、外側ほど強化
繊維が多くなり、同じ量の強化繊維を使用する場合にお
いては、より高強度、高剛性な釣竿が提供でき、同じ強
度や剛性を得るには、より少ない強化繊維量で済み、軽
量化、低コスト化等が図れる。
よれば、請求項1では、釣竿の操作性が向上する。請求
項2では、小径化に起因する釣竿操作中の竿振れが防止
される。請求項3では、継合部の構造に起因する継ぎ合
わせ作業の操作性と釣りの操作性が向上する。請求項4
では、特に大撓み時に強度の強い釣竿が提供できる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 穂先竿と、少なくとも1本以上の中竿
と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、穂先竿とその直後の中竿を中実竿杆とし、元竿を中
空竿管としたことを特徴とする中実竿杆を使用した継式
釣竿。 - 【請求項2】 穂先竿と、少なくとも1本以上の中竿
と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、穂先竿を除く竿杆の少なくとも何れかの竿杆が、概
ね軸長方向に指向する強化繊維を主体とする層を有する
と共に、軸長方向に対して概ね対称状態に両方向から交
差する傾斜状の交差繊維層を設けた中実竿杆であること
を特徴とする中実竿杆を使用した継式釣竿。 - 【請求項3】 穂先竿と、少なくとも1本以上の中竿
と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、継合せ状態で連続した2本が中実竿杆である継合部
位が2個所以上あり、各継合部位の継合嵌合面が前方又
は後方に拡径するテーパ状であり、各継合部位のテーパ
率は前側の継合部位が後側の継合部位より小さいことを
特徴とする中実竿杆を使用した継式釣竿。 - 【請求項4】 穂先竿と、少なくとも1本以上の中竿
と、元竿とを有する繊維強化樹脂製の継式釣竿であっ
て、何れかの竿杆が、強化繊維が主として概ね軸長方向
に指向した芯材部の外側に、強化繊維が主として概ね円
周方向に指向した層を有するよう形成された中実竿杆で
あることを特徴とする中実竿杆を使用した継式釣竿。
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