JP3722261B2 - 釣竿 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中実竿杆の継合部に特徴を有する釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
中実竿杆の継合せ構造として実開昭59−26968号公報に開示がある。即ち、外管1の内面に補強用内管2を重合結着した部位を有する継合構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の構造では竿杆本体部が中実であるため、釣竿が大きく撓んでも竿杆本体部は潰れによる破損が防止できるが、雄側の継合部は中実にできても、雌側の継合部は中空であり、継ぎ合わせた状態でこの部位が大きく撓むと、この継合部付近から破損し易い問題が有る他、撓み性の問題も有る。
本発明は、中実竿杆の端部に設けた継合部の強度を向上させることを目的とし、できるだけ中実部の強度に近く、或いはそれ以上にする。また、撓み性を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて本発明は、請求項1において、繊維強化樹脂の領域を有する前側の竿杆と後側の竿杆とを挿脱可能に継ぎ合わせる継合部を、前記何れかの竿杆の内の中実竿杆の端部に一体化形成させ、前記継合部を形成する継合部材本体に使用する繊維強化樹脂の主たる強化繊維としては弾性率が20〜40ton/mm(196〜392kN/mm)のものであり、前記中実竿杆の概ね軸長方向に指向した主たる強化繊維より小さな弾性率の強化繊維を主体としていることを特徴とする釣竿を提供する。一体化には、焼成一体化の他、接着一体化等を含む。
また請求項2において、芯材の外側に繊維強化樹脂プリプレグを使用した外層を設けた中実竿杆を形成し、該外層の肉厚の一部を削り加工して小径部を形成し、該小径部に、前後の竿杆を挿脱可能に継ぎ合わせる継合部の継合部材本体を一体化させ、前記中実竿杆と継合部材本体の両外側面に亘るように補強層を形成したことを特徴とする釣竿を提供する。一体化には、焼成一体化の他、接着一体化等を含む。
【0005】
請求項1では、継合部材本体は、竿杆の本体部である中実竿杆の概ね軸長方向に指向した主たる強化繊維より小さな弾性率の強化繊維を主体としているため、撓み性を向上させ易い。
請求項2では、外層に小径部を形成するため、芯材と外層との境界を露出させないため、剥離し難い。この小径部があるため、継合部材本体を一体化させて継合部を形成したことによる釣竿の撓み剛性がこの部位で大きく上昇変化することが防止できる。また、補強層は中実竿杆と継合部材本体の両外側面に亘るように形成しているため、継合部材本体端部と中実竿杆との境界を完全に覆うことになり、継合部の強度が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態例に基づき、更に詳細に説明する。
図1はへら鮒用釣竿の側面図であり、元竿10、中竿12、穂持竿14、穂先竿16の4本を並継式に継ぎ合わせて構成しているが、逆並継式やインロー継式に構成してもよい。元竿10、中竿12、穂持竿14の各竿杆の先部には、夫々、継合部10T,12T,14Tが形成されている。穂先竿16の先端部には釣糸結着部16Kが設けられている。元竿10の後端部には、天然コルクや、ジュラコルク(商品名)等の発泡性樹脂等によって握り部10Gが形成されている。
【0007】
ここでの各竿杆は各継合部を除いて中実の竿杆であり、中空竿管に比べて各竿杆が小径に構成できると共に、大きく撓んでも潰れによる破損が防止できる。小径であるため、振りがシャープに行え、更には、へら鮒釣りでは竿先部を水中に入れた状態で釣りを行うが、竿先部を水中から引き上げる際の水切り抵抗を低減できる。然しながら、中竿12と穂持竿14を中空竿管で形成することも考えられる。この場合、その前側の竿杆を振出式に継ぎ合わせる構成にすることができる。また、各竿杆の材料は繊維強化樹脂や繊維強化金属等である。
【0008】
図2は元竿10と中竿12との継合部付近の縦断面拡大図である。他の継合部付近の構造についても以下の説明は同様に適用できる。元竿10の中実竿杆である元竿本体部10Hは芯材10Aの外側に繊維強化樹脂プリプレグによって形成した外層10Bを有している。芯材10Aは、概ね軸長方向に指向した炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維や、有機繊維等の強化繊維を主体とし、エポキシ樹脂等の合成樹脂を母材とした繊維強化樹脂のソリッド体で形成されているが、繊維強化金属で形成してもよく、また、軽量化を目的として発泡性樹脂等の発泡性部材で形成することもできる。中竿12についても同様であり、芯材12Aの外側に繊維強化樹脂プリプレグによって形成した外層12Bを有している。
【0009】
元竿10に継合部10Tを設けるために、元竿本体部10Hの先部を段差状に小径にした小径部10Sを形成する。この段差は外層10Bの厚さ範囲内に形成しており、芯材には食い込んでいない。従って、段差部に芯材と外層との境界を露出させず当該境界からの剥離を防止でき、元竿の強度低下を防止できる。
【0010】
この小径部に、繊維強化樹脂プリプレグによる管形状の継合部となる継合部材本体10THの後端部(L3部)を一体化接合させる。別体で形成し、これを小径部に接着固定したり、プリプレグの巻回後焼成して一体化接合させる。接着固定の場合、互いの面を凹凸にして接着面積を拡大して接合強度を向上させてもよい。この継合部材本体の厚さは前記段差部の深さと同程度に形成する。その後、この継合部材本体と元竿本体部との段差境界部に作用する曲げ力に対する補強のために、この境界部の前後に亘り、具体的には、継合部材本体外周全体とその後方の元竿本体部外周の長さL4にまで亘って、プリプレグを巻回して継合部材本体と一緒か、或いは別に焼成して薄い補強層10Thを形成する。
【0011】
こうして形成した継合部10Tに中竿12の後端部(L1部)を挿入して継ぎ合わせる。継合部の管状部の長さはこの中竿後端部の継合部長さL1に更に空隙部L2を加えた長さに長く形成している。これは継合せ時の挿入長さの誤差を吸収させる他、挿入時に継合部の内部に空気が溜まって圧縮されて挿入が困難になるが、これを防止するための余裕空間でもある。但し、空気圧縮を防止するためには、外部から空隙部に連通する孔や溝を適宜設けてもよい。
【0012】
こうした継合状態において、一般には空隙部L2位置の継合部の曲げ剛性が小さく、釣竿に撓みが生ずればこのL2部位の継合部が損傷し易い。こうしたことから、元竿本体部10Hの先端縁部と継合部材本体10THとの接触部位を図示のように曲面状や傾斜状のコーナー10Cに形成したり、また、コーナー部を図のように前側に突出させるのではなくて、後方に引っ込むように、即ち、元竿本体部10Hの先端縁部を面取りして、この近くの応力集中を防止してもよい。
【0013】
また、この空隙部L2の継合部曲げ剛性に対し、その前後において曲げ剛性が急変しないようにするために、元竿本体部10Hや中竿本体部に、できるだけ芯材部に、夫々中空部10K,12Kを形成するとよい。好ましくは、中空部10Kの空間は前端部が最も大きく、後方を狭く形成し、中空部12Kは後端部を最も大きく、前方が狭くなるようにすれば、剛性が漸変し、応力集中防止に効果的である。更には、この中空は前述の空気溜り容積の増大にも寄与する。
【0014】
以上の様な応力集中防止の観点の他、継合部の強度確保のためにはその他の構造がある。即ち、継合部材本体10THに使用する繊維強化樹脂の主たる強化繊維として、中実竿杆(元竿本体部10H)の概ね軸長方向に指向した主たる強化繊維より高強度な強化繊維を使用する。例えば、弾性率が概ね20〜40ton/mm(以下tonと記する)程度の炭素繊維は、概ねこれ以上の弾性率を有する炭素繊維よりも強度が高い。従って、元竿本体部10Hに上記範囲よりも高い弾性率を有する炭素繊維を主体に軸長方向に指向させていても、継合部材本体10THに上記範囲の炭素繊維を主に軸長方向に指向させて使用していれば、一般に継合部の強度向上が図れる。
【0015】
この場合、継合部10Tは元竿本体部10Hよりも小さな弾性率の強化繊維を主体としているため、撓み性を向上させ易い。元竿本体部10Hと継合部10Tとを対面させた接合部L3領域の曲げ剛性を、この近くの中実竿杆部(元竿本体部10H等)の曲げ剛性の2倍以下、好ましくは1.5〜1.9倍にして、曲げ剛性の急変を防止する。
【0016】
また、継合せ部の外径は、その前後の中実竿杆部よりは大径にすると、剛性を向上できて強度向上が図り易い。
上記補強層10Thとしては、継合部材本体10THと元竿本体部との段差境界部の外周が最も厚肉になるように形成すると効果的である。
継合部の端部(図2では元竿の先端部)が、継合部材本体の範囲において最大径になるように継合部10Tの肉厚を設定すると、中竿12の後端部を挿入して継ぎ合わせた場合に、継合部端部から裂け等が生じることが防止できる。
【0017】
図3に図示するように、継合部材本体の内径を、元竿本体部10Hの小径部との接合部L3はストレート状にし、雄側(中竿12)を受け入れる中空部L1+L2は、先部内径Bが後部内径Cよりも大きくなるように先広がり状(テーパ状(1/1000〜6/1000)や段差状)に形成すると、雄側の外径Aを雌側(元竿10)の元竿本体部の外径Dと同程度の外径(±0.5mm以内の差、好ましくは±0.3mm以内の差)に形成し易い。従って、継合部の前後において、撓み剛性の変化が少なく、撓なりバランスが向上すると共に、継合部の剛性を向上でき、その分強度が向上する他、雄側の抜き差しが容易になる。
【0018】
図3の継合部材本体10THを元竿本体部10Hよりも強度の強い高強度材料で構成してこれを一体化させると、継合部10Tの高強度化になる。また、元竿本体部とは別に形成した後、小径部10Sに接着したり、補強層10Thを繊維強化樹脂のテープによって形成する方法で小径部10Sに一体化させると、継合部10T内面が先広がりであっても継合部の製造が容易になる。また、内面10TNの凹凸粗面加工等が容易である。この内面を凹凸状にするのは、継ぎ合わせた場合に固着することを防止でき、また、継合せ状態から不用意に抜け出ることを防止できるからである。このために、凹凸は3ミクロン以上(又は5ミクロン以上)500ミクロン程度以下にするとよい。図3について特記していない事項は、図2の説明と同様である。
【0019】
以下、図2と図3に共通するが、継合部材本体10THの全長L0を継合せ長さL1の2倍以下、好ましくは1.3倍〜1.8倍程度に形成する。これによって、継合部材本体と元竿本体部10Hとの小径部における接合長さL3に対し、相対的に継合せ長さL1を長く確保でき、また、必然的に撓み剛性の高くなる接合部L3の長さを短めにできて撓みバランスが向上する。
【0020】
既述の空隙部の長さL2は、40mm以下に設定する。好ましくは、10〜30mm程度にする。この部位は曲げ剛性が小さくなり易く、破損し易いからである。
雄側に相当する中竿12の後部継合部L1領域は、この形態例もそうであるように、その外周面に層間の境界を露出させない構造とし、これが剥離防止の観点から好ましく、外層12Bだけか、或いは芯材12Aのみで形成する。
【0021】
以下では、芯材とプリプレグによる外層との積層構造を有する中実竿杆について説明するが、これらの構造は、上記継合部の構造と任意に組み合わせられる。図4には中実竿杆の典型的な製法を図示しており、図5はそうしてできた中実竿杆の断面図であり、複雑化防止のために斜線を省略している。図6の左と右の図は、夫々図5の矢視線E−EとE’−E’による横断面を拡大図示している。芯材10A’の素材SZは、概ね軸長方向に指向した強化繊維S0を強化主体とし、エポキシ樹脂等の合成樹脂をマトリックスとしたソリッド体であり、焼成後に研削加工を施して前細テーパ形状に形成している。
【0022】
芯材素材に最初に巻回するプリプレグP1は、概ね軸長方向に指向した強化繊維S1を主体に有し、その裏打ちとして前記強化繊維S1に対して概ね直交する方向に指向した強化繊維S2を有した台形状である。これを巻回することにより、芯材素材表面の強化繊維の切断部位からの裂けや破損を防止できる。
次に巻回するプリプレグP2は芯材素材の元部寄りに巻回するため、図示のように短い長さであり、概ね軸長方向に指向した強化繊維S3を主体としている。元部にこれを巻回することによって元部を補強でき、剛性も向上する。
【0023】
最後に巻回するプリプレグP3は、軸長方向に対して概ね対称になる方向に互いに指向し、概ね同等の量有する強化繊維S4,S4’を主体にしており、中実竿杆が大撓みした場合に表面部が縦方向に裂けることを防止する他、捩り強度が向上する。この傾斜方向強化繊維の代わりに、円周方向強化繊維でもよく、また、繊維の交差には、編組したもの(ブレーディング)や織布でもよい。
【0024】
こうして巻回したものを常法によって焼成すれば、芯材10A’の外側に、第1層P1’(、第2層P2’)、第3層P3’を有する外層10B’の形成された中実竿杆が形成される。外層は何れか1つのプリプレグのみによる層としてもよく、また、巻回順序を変え、P2,P1,P3の順序にしてもよく、また、プリプレグP3を中間に巻装してもよい。また、各プリプレグの巻回数は任意であるが、プリプレグの厚さを0.2mm以下にし、巻回総数を12〜30又は15〜30程度の多層にすれば、巻回始端と終端との開きや重なりによって生じる偏肉を小さくできて撓み性能の偏りが防止できる他、大撓み時の層間剥離が防止でき、高強度になる。芯材の半径よりも外層の厚さを大きくすると高強度化し易い。また、巻回数を1回や数回程度にしてもよいことは勿論である。
【0025】
プリプレグ同士で厚さが異なる場合には、厚いプリプレグを内側に巻回すると、大撓み時の層間剥離が防止され易く、高強度化できる。また、前記始端と終端の重ね代を無くして、丁度突き合わせ状態にするか、或いは、次善の策としてやや開いている状態がよい。
プリプレグの裏打ち繊維層、即ち、周方向に指向した繊維の層やスクリムシートは、なるべく内側の層に配設するとよい。成形時の収縮による繊維の蛇行や層の波打やずれが防止でき、正しく円周方向に指向でき易いからである。
【0026】
芯材と外層の各強化繊維の弾性率は、1〜90tonの範囲で使用できる。芯材の主たる軸長方向強化繊維には40tonを越えるような高弾性炭素繊維を使用し、外層のそれには20〜40tonの相対的に低弾性であるが、高強度な炭素繊維を使用すれば、大撓みし易く、強度が保持できる。芯材と外層との炭素繊維の使い方をこれとは逆にすれば、細身にし易く、軽量化が図れる。外層が複数層の場合、内側層程高弾性にし、外側ほど低弾性であるが高強度な繊維にすれば、上記と同様に大撓みし易く、強度が保持でき、逆にすれば、上記同様に細身、軽量化が図れる。
【0027】
芯材と外層との主たる軸長方向強化繊維同士の弾性率の差を±15%以内、好ましくは±10%以内とし、35〜60tonの範囲、又は16〜36tonの範囲の炭素繊維で選択すれば、大きく撓んだ際の芯材と外層との境界からの剥離が防止され、粘りのある高強度な中実竿杆になる。また、成形した際の曲りを防止し易い。
【0028】
芯材の主たる軸長方向強化繊維を炭素繊維等の低弾性強化繊維(1〜16ton)にし、先細テーパ状にし、外層のそれを相対的に高弾性とし、プリプレグの巻回を元部が厚肉になるようにすれば、より一層撓り易く、調子を良好にできる。しかも、元側は高強度、高剛性にできる。芯材の上記強化繊維に対して、一部より高弾性であっても高強度な繊維(20〜40ton炭素繊維)等を混入すれば、大撓み時に撓り易い上に、破損し難くなる。外層には、芯材よりも高弾性であるが、一般に低弾性な炭素繊維等の強化繊維(1〜19ton)とするか、高強度な炭素繊維(20〜40ton)であって、引張強度が350kg/mm以上の繊維を使用する。これらの低弾性な強化繊維と高強度な炭素繊維とを交互に巻回すると高強度を保持しつつ撓り易くなる。
【0029】
外層に関しては、プリプレグによって先部よりも元部を高弾性繊維比率を多く形成すると、より一層細身化、軽量化できる。
以上説明した各説明例の合成樹脂の含浸比率を、高弾性な強化繊維部位程小さくすると、より細身化、軽量化できる。しかし、必ずしもこれに限定はされず、逆に高弾性部位の樹脂比率を大きくしてもよい(例えば30〜50重量%)。こうすれば、大撓み時の繊維間や層間の剥離を低減できる。
【0030】
中実竿杆の最外層に伸度の高い、従って、一般的には、弾性率の低い強化繊維の織布等の層を形成すると、例え、その内側の層が高弾性な層であっても、表面からの裂けや剥離が防止できてよい。強化繊維としては、ガラス繊維、PEI(ポリエーテルイミド)、26ton以下の炭素繊維等である。プリプレグの厚さとしては、0.1mm以下、好ましくは0.05mm以下を使用する。
【0031】
芯材も外層も主たる軸長方向強化繊維を全て炭素繊維にすると、焼成時等における熱変形の差による曲りが防止できる。
芯材と外層との境界部に合成樹脂フィルムやゴム材フィルム等を巻回して高伸度層を形成する。芯材の外側にエラストマー樹脂等の合成樹脂をコーティングしてもよい。芯材と外層の何れの主たる強化繊維よりも高伸度な材料で応力緩和層を形成し、大撓み時のこの境界での剥離を防止し、強度を保持して竿調子をソフトにできる。しかも、中実であるため、中空管と比較して潰れ等による破損が防止される。
【0032】
外層の何処かの層に、或いは芯材に、周方向(90度±15度方向)か傾斜方向(45度±15度方向)の強化繊維を主体に有する層を設けると、捩り剛性や捩り強度が向上して、大撓みに耐えられる。周方向の強化繊維については、軸長方向の強化繊維との組み合わせによって、捩りに対する剛性と強度が生じる。外側に位置する層に設ける程、捩り剛性や強度が向上する。
【0033】
芯材の樹脂含浸率を大きくし、外層のそれを小さくすると、中実竿杆のねばり性を大きくできる。芯材と外層との低弾性層の樹脂含浸率を大きく(例えば、35重量%以上、好ましくは45重量%以上)すると、大撓みし易くなる。
外層のより外側層の樹脂含浸率を大きく(例えば、30重量%以上、好ましくは40重量%以上)すれば、繊維同士の接合がより十分になり、製造の際において樹脂が気泡も押し出すため、外周からの裂けを防止できる。また、この外側層の強化繊維は周方向や傾斜方向に指向させると裂け防止に効果的である。この繊維は袋編み状にしたり、繊維を交差させると強く、また、偏らずよい。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、中実竿杆の端部に設けた継合部の強度を向上させたり、撓み性を向上させたりできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る釣竿の側面図である。
【図2】図2は図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図3は本発明に係る他の形態の釣竿の要部拡大縦断面図である。
【図4】図4は本発明に係る釣竿の製法説明図である。
【図5】図5は図4によって造られた釣竿の縦断面図である。
【図6】図6は図5の矢視線E−EとE’−E’による拡大横断面図である。
【符号の説明】
10A 芯材
10B 外層
10H 元竿本体部(中実竿杆)
10T 継合部
10TH 継合部材本体
10Th 補強層

Claims (2)

  1. 繊維強化樹脂の領域を有する前側の竿杆と後側の竿杆とを挿脱可能に継ぎ合わせる継合部を、前記何れかの竿杆の内の中実竿杆の端部に一体化形成させ、前記継合部を形成する継合部材本体に使用する繊維強化樹脂の主たる強化繊維としては弾性率が20〜40ton/mm(196〜392kN/mm)のものであり、前記中実竿杆の概ね軸長方向に指向した主たる強化繊維より小さな弾性率の強化繊維を主体としていることを特徴とする釣竿。
  2. 芯材の外側に繊維強化樹脂プリプレグを使用した外層を設けた中実竿杆を形成し、該外層の肉厚の一部を削り加工して小径部を形成し、該小径部に、前後の竿杆を挿脱可能に継ぎ合わせる継合部の継合部材本体を一体化させ、前記中実竿杆と継合部材本体の両外側面に亘るように補強層を形成したことを特徴とする釣竿。
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