JP2000166426A - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

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JP2000166426A
JP2000166426A JP10346288A JP34628898A JP2000166426A JP 2000166426 A JP2000166426 A JP 2000166426A JP 10346288 A JP10346288 A JP 10346288A JP 34628898 A JP34628898 A JP 34628898A JP 2000166426 A JP2000166426 A JP 2000166426A
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陽児 小林
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秀行 内藤
Nobuaki Takamatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中実竿杆の端部に設けた継合部の強度を向上
させ、できるだけ中実部の強度に近く、或いはそれ以上
にする。 【解決手段】 繊維強化樹脂の領域を有する前側の竿杆
12と後側の竿杆10とを挿脱可能に継ぎ合わせる継合
部10Tを、前記何れかの竿杆の内の中実竿杆10Hの
端部に一体化形成させ、前記継合部を形成する継合部材
本体10THに使用する繊維強化樹脂の主たる強化繊維
として、前記中実竿杆の概ね軸長方向に指向した主たる
強化繊維より高強度な強化繊維を使用するよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中実竿杆の継合部
に特徴を有する釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】中実竿杆の継合せ構造として実開昭59
−26968号公報に開示がある。即ち、外管1の内面
に補強用内管2を重合結着した部位を有する継合構造が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の構造では竿
杆本体部が中実であるため、釣竿が大きく撓んでも竿杆
本体部は潰れによる破損が防止できるが、雄側の継合部
は中実にできても、雌側の継合部は中空であり、継ぎ合
わせた状態でこの部位が大きく撓むと、この継合部付近
から破損し易い問題が有る。本発明は、中実竿杆の端部
に設けた継合部の強度を向上させることを目的とし、で
きるだけ中実部の強度に近く、或いはそれ以上にする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、請求項1において、繊維強化樹脂の領域を有する前
側の竿杆と後側の竿杆とを挿脱可能に継ぎ合わせる継合
部を、前記何れかの竿杆の内の中実竿杆の端部に一体化
形成させ、前記継合部を形成する継合部材本体に使用す
る繊維強化樹脂の主たる強化繊維として、前記中実竿杆
の概ね軸長方向に指向した主たる強化繊維より高強度な
強化繊維を使用したことを特徴とする釣竿を提供する。
一体化には、焼成一体化の他、接着一体化等を含む。ま
た請求項2において、芯材の外側に繊維強化樹脂プリプ
レグを使用した外層を設けた中実竿杆を形成し、該外層
の肉厚の一部を削り加工して小径部を形成し、該小径部
に、前後の竿杆を挿脱可能に継ぎ合わせる継合部の継合
部材本体を一体化させ、前記中実竿杆と継合部材本体の
両外側面に亘るように補強層を形成したことを特徴とす
る釣竿を提供する。一体化には、焼成一体化の他、接着
一体化等を含む。
【0005】請求項1では、一般に応力の集中する部位
である継合部を強化するために、その継合部材本体の強
化繊維を、中実竿杆の主たる強化繊維よりも高強度な強
化繊維を選定すれば、継合部の強度を中実竿杆の強度に
近づけることが可能となる。高強度な強化繊維として
は、例えば、破断伸度の大きな強化繊維があり、各種繊
維を組み合わせて積層管にする場合にも積層管の破断伸
度が大きくなる構成にする。剛性に関しても、継合部の
曲げ剛性、従って、継合部材本体の曲げ剛性を中実竿杆
の曲げ剛性と同等又はそれ以上(概ね90〜150%)
に形成するとよい。請求項2では、外層に小径部を形成
するため、芯材と外層との境界を露出させないため、剥
離し難い。この小径部があるため、継合部材本体を一体
化させて継合部を形成したことによる釣竿の撓み剛性が
この部位で大きく上昇変化することが防止できる。ま
た、補強層は中実竿杆と継合部材本体の両外側面に亘る
ように形成しているため、継合部材本体端部と中実竿杆
との境界を完全に覆うことになり、継合部の強度が向上
する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1はへら鮒
用釣竿の側面図であり、元竿10、中竿12、穂持竿1
4、穂先竿16の4本を並継式に継ぎ合わせて構成して
いるが、逆並継式やインロー継式に構成してもよい。元
竿10、中竿12、穂持竿14の各竿杆の先部には、夫
々、継合部10T,12T,14Tが形成されている。
穂先竿16の先端部には釣糸結着部16Kが設けられて
いる。元竿10の後端部には、天然コルクや、ジュラコ
ルク(商品名)等の発泡性樹脂等によって握り部10G
が形成されている。
【0007】ここでの各竿杆は各継合部を除いて中実の
竿杆であり、中空竿管に比べて各竿杆が小径に構成でき
ると共に、大きく撓んでも潰れによる破損が防止でき
る。小径であるため、振りがシャープに行え、更には、
へら鮒釣りでは竿先部を水中に入れた状態で釣りを行う
が、竿先部を水中から引き上げる際の水切り抵抗を低減
できる。然しながら、中竿12と穂持竿14を中空竿管
で形成することも考えられる。この場合、その前側の竿
杆を振出式に継ぎ合わせる構成にすることができる。ま
た、各竿杆の材料は繊維強化樹脂や繊維強化金属等であ
る。
【0008】図2は元竿10と中竿12との継合部付近
の縦断面拡大図である。他の継合部付近の構造について
も以下の説明は同様に適用できる。元竿10の中実竿杆
である元竿本体部10Hは芯材10Aの外側に繊維強化
樹脂プリプレグによって形成した外層10Bを有してい
る。芯材10Aは、概ね軸長方向に指向した炭素繊維や
ガラス繊維等の無機繊維や、有機繊維等の強化繊維を主
体とし、エポキシ樹脂等の合成樹脂を母材とした繊維強
化樹脂のソリッド体で形成されているが、繊維強化金属
で形成してもよく、また、軽量化を目的として発泡性樹
脂等の発泡性部材で形成することもできる。中竿12に
ついても同様であり、芯材12Aの外側に繊維強化樹脂
プリプレグによって形成した外層12Bを有している。
【0009】元竿10に継合部10Tを設けるために、
元竿本体部10Hの先部を段差状に小径にした小径部1
0Sを形成する。この段差は外層10Bの厚さ範囲内に
形成しており、芯材には食い込んでいない。従って、段
差部に芯材と外層との境界を露出させず当該境界からの
剥離を防止でき、元竿の強度低下を防止できる。
【0010】この小径部に、繊維強化樹脂プリプレグに
よる管形状の継合部となる継合部材本体10THの後端
部(L3部)を一体化接合させる。別体で形成し、これ
を小径部に接着固定したり、プリプレグの巻回後焼成し
て一体化接合させる。接着固定の場合、互いの面を凹凸
にして接着面積を拡大して接合強度を向上させてもよ
い。この継合部材本体の厚さは前記段差部の深さと同程
度に形成する。その後、この継合部材本体と元竿本体部
との段差境界部に作用する曲げ力に対する補強のため
に、この境界部の前後に亘り、具体的には、継合部材本
体外周全体とその後方の元竿本体部外周の長さL4にま
で亘って、プリプレグを巻回して継合部材本体と一緒
か、或いは別に焼成して薄い補強層10Thを形成す
る。
【0011】こうして形成した継合部10Tに中竿12
の後端部(L1部)を挿入して継ぎ合わせる。継合部の
管状部の長さはこの中竿後端部の継合部長さL1に更に
空隙部L2を加えた長さに長く形成している。これは継
合せ時の挿入長さの誤差を吸収させる他、挿入時に継合
部の内部に空気が溜まって圧縮されて挿入が困難になる
が、これを防止するための余裕空間でもある。但し、空
気圧縮を防止するためには、外部から空隙部に連通する
孔や溝を適宜設けてもよい。
【0012】こうした継合状態において、一般には空隙
部L2位置の継合部の曲げ剛性が小さく、釣竿に撓みが
生ずればこのL2部位の継合部が損傷し易い。こうした
ことから、元竿本体部10Hの先端縁部と継合部材本体
10THとの接触部位を図示のように曲面状や傾斜状の
コーナー10Cに形成したり、また、コーナー部を図の
ように前側に突出させるのではなくて、後方に引っ込む
ように、即ち、元竿本体部10Hの先端縁部を面取りし
て、この近くの応力集中を防止してもよい。
【0013】また、この空隙部L2の継合部曲げ剛性に
対し、その前後において曲げ剛性が急変しないようにす
るために、元竿本体部10Hや中竿本体部に、できるだ
け芯材部に、夫々中空部10K,12Kを形成するとよ
い。好ましくは、中空部10Kの空間は前端部が最も大
きく、後方を狭く形成し、中空部12Kは後端部を最も
大きく、前方が狭くなるようにすれば、剛性が漸変し、
応力集中防止に効果的である。更には、この中空は前述
の空気溜り容積の増大にも寄与する。
【0014】以上の様な応力集中防止の観点の他、継合
部の強度確保のためにはその他の構造がある。即ち、継
合部材本体10THに使用する繊維強化樹脂の主たる強
化繊維として、中実竿杆(元竿本体部10H)の概ね軸
長方向に指向した主たる強化繊維より高強度な強化繊維
を使用する。例えば、弾性率が概ね20〜40ton/
mm(以下tonと記する)程度の炭素繊維は、概
ねこれ以上の弾性率を有する炭素繊維よりも強度が高
い。従って、元竿本体部10Hに上記範囲よりも高い弾
性率を有する炭素繊維を主体に軸長方向に指向させてい
ても、継合部材本体10THに上記範囲の炭素繊維を主
に軸長方向に指向させて使用していれば、一般に継合部
の強度向上が図れる。
【0015】この場合、継合部10Tは元竿本体部10
Hよりも小さな弾性率の強化繊維を主体としているた
め、撓み性を向上させ易い。元竿本体部10Hと継合部
10Tとを対面させた接合部L3領域の曲げ剛性を、こ
の近くの中実竿杆部(元竿本体部10H等)の曲げ剛性
の2倍以下、好ましくは1.5〜1.9倍にして、曲げ
剛性の急変を防止する。
【0016】また、継合せ部の外径は、その前後の中実
竿杆部よりは大径にすると、剛性を向上できて強度向上
が図り易い。上記補強層10Thとしては、継合部材本
体10THと元竿本体部との段差境界部の外周が最も厚
肉になるように形成すると効果的である。継合部の端部
(図2では元竿の先端部)が、継合部材本体の範囲にお
いて最大径になるように継合部10Tの肉厚を設定する
と、中竿12の後端部を挿入して継ぎ合わせた場合に、
継合部端部から裂け等が生じることが防止できる。
【0017】図3に図示するように、継合部材本体の内
径を、元竿本体部10Hの小径部との接合部L3はスト
レート状にし、雄側(中竿12)を受け入れる中空部L
1+L2は、先部内径Bが後部内径Cよりも大きくなる
ように先広がり状(テーパ状(1/1000〜6/10
00)や段差状)に形成すると、雄側の外径Aを雌側
(元竿10)の元竿本体部の外径Dと同程度の外径(±
0.5mm以内の差、好ましくは±0.3mm以内の
差)に形成し易い。従って、継合部の前後において、撓
み剛性の変化が少なく、撓なりバランスが向上すると共
に、継合部の剛性を向上でき、その分強度が向上する
他、雄側の抜き差しが容易になる。
【0018】図3の継合部材本体10THを元竿本体部
10Hよりも強度の強い高強度材料で構成してこれを一
体化させると、継合部10Tの高強度化になる。また、
元竿本体部とは別に形成した後、小径部10Sに接着し
たり、補強層10Thを繊維強化樹脂のテープによって
形成する方法で小径部10Sに一体化させると、継合部
10T内面が先広がりであっても継合部の製造が容易に
なる。また、内面10TNの凹凸粗面加工等が容易であ
る。この内面を凹凸状にするのは、継ぎ合わせた場合に
固着することを防止でき、また、継合せ状態から不用意
に抜け出ることを防止できるからである。このために、
凹凸は3ミクロン以上(又は5ミクロン以上)500ミ
クロン程度以下にするとよい。図3について特記してい
ない事項は、図2の説明と同様である。
【0019】以下、図2と図3に共通するが、継合部材
本体10THの全長L0を継合せ長さL1の2倍以下、
好ましくは1.3倍〜1.8倍程度に形成する。これに
よって、継合部材本体と元竿本体部10Hとの小径部に
おける接合長さL3に対し、相対的に継合せ長さL1を
長く確保でき、また、必然的に撓み剛性の高くなる接合
部L3の長さを短めにできて撓みバランスが向上する。
【0020】既述の空隙部の長さL2は、40mm以下
に設定する。好ましくは、10〜30mm程度にする。
この部位は曲げ剛性が小さくなり易く、破損し易いから
である。雄側に相当する中竿12の後部継合部L1領域
は、この形態例もそうであるように、その外周面に層間
の境界を露出させない構造とし、これが剥離防止の観点
から好ましく、外層12Bだけか、或いは芯材12Aの
みで形成する。
【0021】以下では、芯材とプリプレグによる外層と
の積層構造を有する中実竿杆について説明するが、これ
らの構造は、上記継合部の構造と任意に組み合わせられ
る。図4には中実竿杆の典型的な製法を図示しており、
図5はそうしてできた中実竿杆の断面図であり、複雑化
防止のために斜線を省略している。図6の左と右の図
は、夫々図5の矢視線E−EとE’−E’による横断面
を拡大図示している。芯材10A’の素材SZは、概ね
軸長方向に指向した強化繊維S0を強化主体とし、エポ
キシ樹脂等の合成樹脂をマトリックスとしたソリッド体
であり、焼成後に研削加工を施して前細テーパ形状に形
成している。
【0022】芯材素材に最初に巻回するプリプレグP1
は、概ね軸長方向に指向した強化繊維S1を主体に有
し、その裏打ちとして前記強化繊維S1に対して概ね直
交する方向に指向した強化繊維S2を有した台形状であ
る。これを巻回することにより、芯材素材表面の強化繊
維の切断部位からの裂けや破損を防止できる。次に巻回
するプリプレグP2は芯材素材の元部寄りに巻回するた
め、図示のように短い長さであり、概ね軸長方向に指向
した強化繊維S3を主体としている。元部にこれを巻回
することによって元部を補強でき、剛性も向上する。
【0023】最後に巻回するプリプレグP3は、軸長方
向に対して概ね対称になる方向に互いに指向し、概ね同
等の量有する強化繊維S4,S4’を主体にしており、
中実竿杆が大撓みした場合に表面部が縦方向に裂けるこ
とを防止する他、捩り強度が向上する。この傾斜方向強
化繊維の代わりに、円周方向強化繊維でもよく、また、
繊維の交差には、編組したもの(ブレーディング)や織
布でもよい。
【0024】こうして巻回したものを常法によって焼成
すれば、芯材10A’の外側に、第1層P1’(、第2
層P2’)、第3層P3’を有する外層10B’の形成
された中実竿杆が形成される。外層は何れか1つのプリ
プレグのみによる層としてもよく、また、巻回順序を変
え、P2,P1,P3の順序にしてもよく、また、プリ
プレグP3を中間に巻装してもよい。また、各プリプレ
グの巻回数は任意であるが、プリプレグの厚さを0.2
mm以下にし、巻回総数を12〜30又は15〜30程
度の多層にすれば、巻回始端と終端との開きや重なりに
よって生じる偏肉を小さくできて撓み性能の偏りが防止
できる他、大撓み時の層間剥離が防止でき、高強度にな
る。芯材の半径よりも外層の厚さを大きくすると高強度
化し易い。また、巻回数を1回や数回程度にしてもよい
ことは勿論である。
【0025】プリプレグ同士で厚さが異なる場合には、
厚いプリプレグを内側に巻回すると、大撓み時の層間剥
離が防止され易く、高強度化できる。また、前記始端と
終端の重ね代を無くして、丁度突き合わせ状態にする
か、或いは、次善の策としてやや開いている状態がよ
い。プリプレグの裏打ち繊維層、即ち、周方向に指向し
た繊維の層やスクリムシートは、なるべく内側の層に配
設するとよい。成形時の収縮による繊維の蛇行や層の波
打やずれが防止でき、正しく円周方向に指向でき易いか
らである。
【0026】芯材と外層の各強化繊維の弾性率は、1〜
90tonの範囲で使用できる。芯材の主たる軸長方向
強化繊維には40tonを越えるような高弾性炭素繊維
を使用し、外層のそれには20〜40tonの相対的に
低弾性であるが、高強度な炭素繊維を使用すれば、大撓
みし易く、強度が保持できる。芯材と外層との炭素繊維
の使い方をこれとは逆にすれば、細身にし易く、軽量化
が図れる。外層が複数層の場合、内側層程高弾性にし、
外側ほど低弾性であるが高強度な繊維にすれば、上記と
同様に大撓みし易く、強度が保持でき、逆にすれば、上
記同様に細身、軽量化が図れる。
【0027】芯材と外層との主たる軸長方向強化繊維同
士の弾性率の差を±15%以内、好ましくは±10%以
内とし、35〜60tonの範囲、又は16〜36to
nの範囲の炭素繊維で選択すれば、大きく撓んだ際の芯
材と外層との境界からの剥離が防止され、粘りのある高
強度な中実竿杆になる。また、成形した際の曲りを防止
し易い。
【0028】芯材の主たる軸長方向強化繊維を炭素繊維
等の低弾性強化繊維(1〜16ton)にし、先細テー
パ状にし、外層のそれを相対的に高弾性とし、プリプレ
グの巻回を元部が厚肉になるようにすれば、より一層撓
り易く、調子を良好にできる。しかも、元側は高強度、
高剛性にできる。芯材の上記強化繊維に対して、一部よ
り高弾性であっても高強度な繊維(20〜40ton炭
素繊維)等を混入すれば、大撓み時に撓り易い上に、破
損し難くなる。外層には、芯材よりも高弾性であるが、
一般に低弾性な炭素繊維等の強化繊維(1〜19to
n)とするか、高強度な炭素繊維(20〜40ton)
であって、引張強度が350kg/mm 以上の繊維を
使用する。これらの低弾性な強化繊維と高強度な炭素繊
維とを交互に巻回すると高強度を保持しつつ撓り易くな
る。
【0029】外層に関しては、プリプレグによって先部
よりも元部を高弾性繊維比率を多く形成すると、より一
層細身化、軽量化できる。以上説明した各説明例の合成
樹脂の含浸比率を、高弾性な強化繊維部位程小さくする
と、より細身化、軽量化できる。しかし、必ずしもこれ
に限定はされず、逆に高弾性部位の樹脂比率を大きくし
てもよい(例えば30〜50重量%)。こうすれば、大
撓み時の繊維間や層間の剥離を低減できる。
【0030】中実竿杆の最外層に伸度の高い、従って、
一般的には、弾性率の低い強化繊維の織布等の層を形成
すると、例え、その内側の層が高弾性な層であっても、
表面からの裂けや剥離が防止できてよい。強化繊維とし
ては、ガラス繊維、PEI(ポリエーテルイミド)、2
6ton以下の炭素繊維等である。プリプレグの厚さと
しては、0.1mm以下、好ましくは0.05mm以下
を使用する。
【0031】芯材も外層も主たる軸長方向強化繊維を全
て炭素繊維にすると、焼成時等における熱変形の差によ
る曲りが防止できる。芯材と外層との境界部に合成樹脂
フィルムやゴム材フィルム等を巻回して高伸度層を形成
する。芯材の外側にエラストマー樹脂等の合成樹脂をコ
ーティングしてもよい。芯材と外層の何れの主たる強化
繊維よりも高伸度な材料で応力緩和層を形成し、大撓み
時のこの境界での剥離を防止し、強度を保持して竿調子
をソフトにできる。しかも、中実であるため、中空管と
比較して潰れ等による破損が防止される。
【0032】外層の何処かの層に、或いは芯材に、周方
向(90度±15度方向)か傾斜方向(45度±15度
方向)の強化繊維を主体に有する層を設けると、捩り剛
性や捩り強度が向上して、大撓みに耐えられる。周方向
の強化繊維については、軸長方向の強化繊維との組み合
わせによって、捩りに対する剛性と強度が生じる。外側
に位置する層に設ける程、捩り剛性や強度が向上する。
【0033】芯材の樹脂含浸率を大きくし、外層のそれ
を小さくすると、中実竿杆のねばり性を大きくできる。
芯材と外層との低弾性層の樹脂含浸率を大きく(例え
ば、35重量%以上、好ましくは45重量%以上)する
と、大撓みし易くなる。外層のより外側層の樹脂含浸率
を大きく(例えば、30重量%以上、好ましくは40重
量%以上)すれば、繊維同士の接合がより十分になり、
製造の際において樹脂が気泡も押し出すため、外周から
の裂けを防止できる。また、この外側層の強化繊維は周
方向や傾斜方向に指向させると裂け防止に効果的であ
る。この繊維は袋編み状にしたり、繊維を交差させると
強く、また、偏らずよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、中実竿杆の端部に設けた継合部の強度を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る釣竿の側面図である。
【図2】図2は図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図3は本発明に係る他の形態の釣竿の要部拡大
縦断面図である。
【図4】図4は本発明に係る釣竿の製法説明図である。
【図5】図5は図4によって造られた釣竿の縦断面図で
ある。
【図6】図6は図5の矢視線E−EとE’−E’による
拡大横断面図である。
【符号の説明】
10A 芯材 10B 外層 10H 元竿本体部(中実竿杆) 10T 継合部 10TH 継合部材本体 10Th 補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 伸秋 東京都東久留米市前沢3丁目14番16号ダイ ワ精工株式会社内 Fターム(参考) 2B019 AA06 AA10 AB15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂の領域を有する前側の竿杆
    と後側の竿杆とを挿脱可能に継ぎ合わせる継合部を、前
    記何れかの竿杆の内の中実竿杆の端部に一体化形成さ
    せ、前記継合部を形成する継合部材本体に使用する繊維
    強化樹脂の主たる強化繊維として、前記中実竿杆の概ね
    軸長方向に指向した主たる強化繊維より高強度な強化繊
    維を使用したことを特徴とする釣竿。
  2. 【請求項2】 芯材の外側に繊維強化樹脂プリプレグを
    使用した外層を設けた中実竿杆を形成し、該外層の肉厚
    の一部を削り加工して小径部を形成し、該小径部に、前
    後の竿杆を挿脱可能に継ぎ合わせる継合部の継合部材本
    体を一体化させ、前記中実竿杆と継合部材本体の両外側
    面に亘るように補強層を形成したことを特徴とする釣
    竿。
JP34628898A 1998-12-07 1998-12-07 釣竿 Expired - Lifetime JP3722261B2 (ja)

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