JPH09323364A - Frp筒体およびその製造方法 - Google Patents

Frp筒体およびその製造方法

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JPH09323364A
JPH09323364A JP8165365A JP16536596A JPH09323364A JP H09323364 A JPH09323364 A JP H09323364A JP 8165365 A JP8165365 A JP 8165365A JP 16536596 A JP16536596 A JP 16536596A JP H09323364 A JPH09323364 A JP H09323364A
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reinforcing fiber
fiber layer
cylinder
frp
reinforcing
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JP8165365A
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Masashi Matsuura
正史 松浦
Yukitane Kimoto
幸胤 木本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い引張・圧縮強度を有するFRP筒体およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 筒体の少なくとも一端部に、筒端に向か
って拡径するテーパ部と、該テーパ部に連なる太径部と
を有し、太径部は、筒軸方向に対し±30°〜±55°
の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層と、該強化
繊維層の外側に配された他の強化繊維層とを有し、か
つ、前記筒軸方向に対し±30°〜±55°の範囲に配
された強化繊維が前記太径部における全強化繊維量の2
5〜50%の範囲を占めていることを特徴とするFRP
筒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP筒体および
その製造方法に関し、とくに他部材との接合部の特性を
改良したFRP筒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP(繊維強化プラスチック)は、金
属材料である鋼やアルミニウムに比べ比強度、比剛性が
高く、加えて、耐食性に優れているため、近年、各種機
械部品や構造体などへの適用が増えてきている。そし
て、FRPで構造体を形成する場合、金属などの他部材
との結合を行うことが多い。
【0003】従来、FRP筒体、例えばFRPパイプと
他部材の結合には、接着剤を使用する方法、他部材を圧
入する方法、ボルトまたはリベット等の結合部材を使用
する方法などが提案されている。
【0004】この中で、ボルトまたはリベット等の結合
部材を使用する結合方法は、機械的な結合方法であり、
接着剤のように150℃以上の高温雰囲気下であっても
極度の強度低下がなく、FRPの幅広い適用に効果的で
ある。
【0005】ここで、引張や圧縮荷重を受けるFRPパ
イプの場合は、特開平7−166648号公報による
と、軸方向に対して0°〜±20°方向に強化繊維を少
なくとも50〜80%配することが、軸方向強度や剛性
を高めるのに好ましいとある。
【0006】しかし、この構成では、パイプ本体はFR
Pの特徴を十分活かしてはいるものの、ボルトまたはリ
ベットによる接合部に関しては適当な構成とはいえず、
0°〜±20°方向の強化繊維が50%を越えるような
場合には、ボルトまたはリベット周りの破壊形態は剪断
破壊となり、接合部の強度が極度に低下してしまうとい
う問題があった。
【0007】そこで、接合部に補強層を巻き足す方法も
考えられるが、補強層を巻き足した場合、パイプ本体と
補強部の間には段差が生じる。この段差部に、FRPパ
イプ成形時に効果的に圧力を付加する手段であるラッピ
ングテープを巻くと、テープが段差に沿わないため、テ
ープの一部が成形前のFRPパイプから浮き上がった
り、逆にテープの一部が未硬化状態のFRPパイプにめ
り込んだりする状態となる。そのため、FRPパイプの
形状や強化繊維の配置に乱れが生じ、パイプ物性の中で
もとくに圧縮強度の低下が著しくなるという問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
のFRP筒体の上述した問題点を解決し、高い引張・圧
縮強度を発現できるFRP筒体およびその製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のFRP筒体は、筒体の少なくとも一端部
に、筒端に向かって拡径するテーパ部と、該テーパ部に
連なる太径部とを有し、太径部は、筒軸方向に対し±3
0°〜±55°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊
維層と、該強化繊維層の外側に配された他の強化繊維層
とを有し、かつ、前記筒軸方向に対し±30°〜±55
°の範囲に配された強化繊維が前記太径部における全強
化繊維量の25〜50%の範囲を占めていることを特徴
とするものからなる。
【0010】上記筒軸方向に対し±30°〜±55°の
範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層は、前記太径
部の全長にわたって、または、前記太径部の全長と前記
テーパ部の少なくとも一部とにわたって延びている。
【0011】また、上記筒軸方向に対し±30°〜±5
5°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層の両側
に他の強化繊維層が配されている構成とすることもでき
るが、好ましくは、筒軸方向に対し±30°〜±55°
の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層が少なくと
も2層あり、該少なくとも2層の強化繊維層間に他の強
化繊維層が配されている構成とすることが望ましい。
【0012】上記他の強化繊維層は、その少なくとも1
層が、筒体全長にわたって延びている層とすることが好
ましい。
【0013】上記FRP筒体におけるテーパ部のテーパ
は、1/25以上であることが好ましい。テーパの上限
値はとくに限定されないが、後述の如く、FRP筒体成
形時にラッピングテープを巻く際に、望ましい形態で巻
くために、5/25以下に抑えておくことが好ましい。
【0014】また、上記筒軸方向に対し±30°〜±5
5°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層が、強
化繊維の織物からなる層あるいは強化繊維の織物を含ん
でいる層であるとなおよい。織物の形態とすることによ
り、巻き付け作業が容易になる。また、この強化繊維の
織物は、織糸の交点が目止めされた織物であることが好
ましい。接着剤等で目止めされていると、積層の際強化
繊維の配置や角度がずれにくくなる。
【0015】また、上記FRP筒体においては、筒軸方
向に対し±75°〜90°の範囲に配された強化繊維を
含む強化繊維層が、最外層を形成していることが好まし
い。このように最外層に±75°〜90°方向の強化繊
維層が形成されていると、太径部を巻き締める効果と、
±30°〜±50°方向の強化繊維層の端部の応力集中
を緩和する効果がでる。
【0016】また、上記太径部は、その横断面外形形状
が筒軸方向に実質的に一様の直筒部に形成されているこ
とが好ましいが、直筒以外の形状、例えば、表面に凹凸
を有する形状、外径が変化する形状等であってもよい。
【0017】また、FRP筒体の横断面内形形状が全長
にわたって実質的に一様であることが好ましいが、長手
方向に変化するものであってもよい。
【0018】本発明に係るFRP筒体の代表的な形態
は、横断面が円形のパイプであるが、本発明は、横断面
が他の形状、例えば、楕円や角形のFRP筒体も含む。
【0019】FRP筒体を他部材に結合する際には、太
径部内に他部材が挿入される。他部材としては特に限定
されないが、代表的には金属製のものである。
【0020】他部材を挿入する場合、その挿入長さは、
前記筒軸方向に対し±30°〜±55°の範囲に配され
た強化繊維を含む強化繊維層の長さ、とくにその最短長
さ(つまり、該強化繊維層が複数層ある場合には、最短
の強化繊維層の長さ)以上であることが好ましい。これ
によって、上記±30°〜±55°の強化繊維層を有効
に利用できる。
【0021】他部材は、接着により筒体に接合されても
よいし、筒体の径方向に延びるボルトやリベット等の結
合部材により筒体に結合されてもよい。
【0022】ボルトやリベット等の結合部材を使用する
場合には、該結合部材が筒体の周方向に複数配置されて
いることが好ましい。また、結合部材が筒軸方向に2列
以上配置されていることがより好ましい。この場合、隣
接する列の結合部材の、筒体の周方向における位相が互
いに異なっていることが好ましい。このように配置する
と、軸方向における荷重負担が重複せず適切に分散され
る。
【0023】また、筒体外面には、結合部材の頭部が挿
入される座ぐりを形成しておくとよい。座ぐりを形成し
ておくと、結合部材の頭部が座ぐりの座面と確実に面接
触できるので、結合強度、結合の安定性が向上する。
【0024】本発明に係るFRP筒体の製造方法は、マ
ンドレル上に、樹脂を含む、強化繊維層Aと、前記マン
ドレルの軸方向に対し±30°〜±55°の範囲に配さ
れた強化繊維を含む強化繊維層Bと、強化繊維層Cとを
形成することにより、前記マンドレルの軸方向におい
て、強化繊維層A、Cを含む中央部と、強化繊維層A、
B、Cを含む太径部と、該中央部と該太径部とを接続す
るテーパ部とを形成するとともに、前記太径部における
強化繊維層Bの強化繊維量を該太径部における全強化繊
維量の25〜50%の範囲に調整することを特徴とする
方法からなる。
【0025】上記テーパ部におけるテーパは1/25以
上にすることが好ましい。但し、上限値としては、前述
の如く5/25以下のテーパに抑えておくことが好まし
い。
【0026】強化繊維層Bは複数層形成することが好ま
しい。各強化繊維層B間には、他の強化繊維層を形成す
るとよい。複数層の強化繊維層Bを設ける場合、後述の
実施例に示すように、各強化繊維層Bの長さを外側ほど
短くする、各強化繊維層Bの長さを外側ほど長くする、
のいずれの場合にも、所望のテーパ部、太径部の形成が
可能である。このように強化繊維層Bの長さを順次変更
することにより、太径部とFRP筒体中央部とを滑らか
に接続するテーパ部が容易に形成される。段差が形成さ
れないため、応力集中の発生も抑えられる。また、ラッ
ピングテープを巻く際の強化繊維の乱れを防ぐことがで
きる。
【0027】FRP筒体本体の成形方法は、フィラメン
トワインディング成形法を用いることが高強度・高弾性
率のFRP筒体を製造する上で好ましい。太径部に含ま
れる±30°〜±55°方向の強化繊維層は、同様なフ
ィラメントワインディング成形法や、シートワインディ
ング法、ハンドレイアップ法などのいずれの成形法でも
よい。
【0028】FRP筒体の成形時には、樹脂が加熱硬化
中の成形体に圧力を掛けるため、ラッピングテープを巻
くことが効果的であるが、本発明のように1/25以上
のテーパを有するFRP筒体の場合、始めに、マンドレ
ル上の強化繊維層に、長手方向の引張弾性率が300k
gf/mm2 以下の低引張弾性率のラッピングテープA
を使用することによって、太径部からFRP筒体本体に
わたるテーパ部においても、テープ形状に乱れを生じさ
せることなく巻くことが可能となる。ここで、ラッピン
グテープAを筒体形状により確実に沿わせるには前記太
径部のテーパは5/25以下であることが好ましい。そ
の後、引張弾性率がラッピングテープAのそれよりも大
きいラッピングテープB、たとえば引張弾性率が300
kgf/mm2 を超えるラッピングテープBを巻き重ね
ることにより、FRP筒体に対する巻き締め効果と加圧
効果が、より一層高められる。
【0029】本発明に係るFRP筒体に用いる強化繊維
としては、とくに限定されず、炭素繊維、ガラス繊維、
ポリアラミド繊維等の高強度・高弾性率繊維の一種ある
いは二種以上を用いることができる。中でも、軽量化効
果、強度向上効果の高い炭素繊維が好ましい。
【0030】また、マトリックス樹脂としてもとくに限
定されず、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート
樹脂、PBT樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等
の熱可塑性樹脂、さらにはこれらの混合樹脂のいずれも
使用可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施態様に係るFRP筒体(FRPパイプ)の最も簡単
な構造を有するものの一つを例示している。図におい
て、1はFRP筒体としてのFRPパイプ全体を示して
おり、2はパイプ中央部を含むパイプ本体を示してい
る。パイプ中央部6は、強化繊維層3と強化繊維層4を
含む2層から構成されている。パイプ本体2の端部(本
実施態様では両端部)には、パイプ軸方向に対し±30
°〜±55°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維
層5が、強化繊維層3、4間に介装されている。この強
化繊維層5の形成により、パイプ端部には、パイプ中央
部6に対しパイプ端に向かってテーパを伴って拡径する
テーパ部7と、該テーパ部7からパイプ端へと直管状に
延びる太径部8とが形成されている。
【0032】図2に示す態様においては、FRPパイプ
11のパイプ本体12の両端部に、パイプ中央部13に
対してパイプ端に向かってテーパを伴って拡径するテー
パ部14と、該テーパ部14からパイプ端へと直管状に
延びる太径部15とが形成されている。パイプ中央部1
3は、パイプ全長にわたって延びる強化繊維層16a、
16b、16c、16dから構成されている。パイプ両
端部には、パイプ軸方向に対し±30°〜±55°の範
囲に配された強化繊維を含む強化繊維層17a、17
b、17c、17dが形成されており、該強化繊維層1
7a、17b、17c、17dは外層側に位置している
強化繊維層程順次長さが短くなっている。
【0033】強化繊維層17aは強化繊維層16a、1
6b間に、強化繊維層17bは強化繊維層16b、16
c間に、強化繊維層17cは強化繊維層16c、16d
間に、強化繊維層17dは強化繊維層16dの外側に、
それぞれ形成されている。強化繊維層17dの外側に
は、太径部15からテーパ部14にわたって、パイプ軸
方向に対し±75°〜90°の範囲に配された強化繊維
を含む強化繊維層18が形成されている。
【0034】図3に示す態様においては、FRPパイプ
21のパイプ本体の両端部(または一方の端部)に、パ
イプ中央部23に対してパイプ端に向かってテーパを伴
って拡径するテーパ部24と、該テーパ部24からパイ
プ端へと直管状に延びる太径部25とが形成されてい
る。パイプ中央部23は、パイプ全長にわたって延びる
強化繊維層26a、26b、26c、26dから構成さ
れている。パイプ端部には、パイプ軸方向に対し±30
°〜±55°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維
層27a、27b、27c、27dが形成されており、
該強化繊維層27a、27b、27c、27dは外層側
に位置している強化繊維層程順次長さが長くなってい
る。
【0035】強化繊維層27aは強化繊維層26a、2
6b間に、強化繊維層27bは強化繊維層26b、26
c間に、強化繊維層27cは強化繊維層26c、26d
間に、強化繊維層27dは強化繊維層26dの外側に、
それぞれ形成されている。強化繊維層27dの外側に
は、太径部25からテーパ部24にわたって、パイプ軸
方向に対し±75°〜90°の範囲に配された強化繊維
を含む強化繊維層28が形成されている。
【0036】図4は、本発明に係るFRPパイプ31に
他部材、例えば金属製の他部材32を結合した例を示し
ている。FRPパイプ31は、パイプ軸方向において、
中央部33、テーパ部34、太径部35を有しており、
両側の太径部35内に他部材32が挿入されている。他
部材32の挿入長Lは、太径部35のパイプ軸方向長さ
よりも長くなっている。挿入された他部材32と、太径
部35とは、パイプ両端部においてそれぞれ、互いに周
方向位相をずらして2列に配列された複数の結合部材
(たとえばボルトやリベット)36によって結合されて
いる。
【0037】図5は、本発明との比較のためのFRPパ
イプ41を示している。パイプ本体42は、4層の強化
繊維層43a、43b、43c、43dから構成されて
いる。パイプ本体42の両端部には、パイプ軸方向に対
し±30°〜±55°の範囲に配された強化繊維を含む
強化繊維層44が設けられているが、一層にまとめて形
成されているとともに、該強化繊維層44の外側には他
の強化繊維層は設けられていない。
【0038】
【実施例】
実施例1 図2に示した構成のFRPパイプ11において、パイプ
本体12の強化繊維層の第一層目16aを、東レ(株)
製炭素繊維“トレカ”T700Sに昭和高分子(株)製
フェノール樹脂“BRL−240”、“FRH−30”
の混合体を含浸させ、マンドレルにフィラメントワイン
ディング法でφ90のマンドレルに巻き付け、その両端
部にあらかじめ前記樹脂混合体を含浸しておいた東レ
(株)製炭素繊維織物“トレカ”C06343Lを±4
5°方向に幅100mm、厚み0.5mmで積層した。
その後、±45°方向の織物の幅を10mmづつ短く
し、パイプ本体12の厚みが2mmになるように3回積
層を行い、最外層として±85°の強化繊維18を太径
部15を含みテーパ部からパイプ本体12にわたって積
層を行った後、太径部15を含むパイプ全長にラッピン
グテープとして三菱レイヨン(株)製二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム“ミレファン”を巻回し、さらに東レ
(株)製二軸延伸ポリエステルフィルム“ルミラー”を
巻回し、加熱硬化させた。得られたFRPパイプの両端
に図4に示すようにリベットを片側24本打ち、結合
し、引張及び圧縮試験を行った。試験の結果は、引張2
6ton、圧縮35tonの荷重で破壊に至った。
【0039】比較実施例1 前記実施例1と同じ成形手順をとり、三菱レイヨン
(株)製二軸延伸ポリプロピレンフィルム“ミレファ
ン”を巻回しなかったものについて圧縮試験を行ったと
ころ、引張25ton、圧縮22tonの荷重で破壊に
至った。この結果、本発明に係るFRPパイプの成形
に、低引張弾性率のラッピングテープを用いるのが極め
て有効であることが判った。
【0040】比較実施例2 図5に示したFRPパイプ41において、パイプ本体の
強化繊維層43a〜43dを、東レ(株)製炭素繊維
“トレカ”T700Sに昭和高分子(株)製フェノール
樹脂“BRL−240”、“FRH−30”の混合体を
含浸させ、マンドレルにフィラメントワインディング法
でφ90のマンドレルに2mmの厚さに巻き付け、その
両端部にあらかじめ前記樹脂混合体を含浸しておいた東
レ(株)製炭素繊維織物“トレカ”C06343Lを±
45°方向に幅70mm、厚み2mmで積層した。その
後、太径部を含むパイプ全長に三菱レイヨン(株)製二
軸延伸ポリプロピレンフィルム“ミレファン”を巻回
し、さらに東レ(株)製二軸延伸ポリエステルフィルム
“ルミラー”を巻回し、加熱硬化させた。得られたFR
Pパイプの両端に図4に示すようにリベットを片側24
本打ち、結合し、引張及び圧縮試験を行った。試験の結
果は、引張14ton、圧縮20tonの荷重で破壊に
至った。この結果、強化繊維層44が一層でかつ外部に
むき出しのままでは、目標とする高い引張および圧縮強
度を得にくいことが判った。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP筒
体およびその製造方法によるときは、筒体の端部に特定
範囲の繊維配向の強化繊維層を形成するとともに、その
強化繊維層の少なくとも外側には別の強化繊維層を形成
するようにしたので、高強度、高剛性のFRP筒体を実
現でき、かつ、金属製等の他部材に対し強固な結合強度
を達成できる。したがって、たとえば、自動車のプロペ
ラシャフトやポンプの軸、各種機械部品等に好適なFR
P筒体を得ることができる。
【0042】また、FRP筒体成形時に、低弾性率のラ
ッピングテープを使用することにより、極めて高特性の
FRP筒体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るFRP筒体の縦断面
図である。
【図2】本発明の別の実施態様に係るFRP筒体の縦断
面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施態様に係るFRP筒体
の部分縦断面図である。
【図4】本発明に係るFRP筒体に他部材を結合した組
合せ体の側面図である。
【図5】本発明との比較のために示したFRP筒体の縦
断面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 FRP筒体(FRPパイプ) 2、12、22 パイプ本体 3、4、16a、16b、16c、16d、26a、2
6b、26c、26d強化繊維層 5、17a、17b、17c、17d、27a、27
b、27c、27d ±30°〜±55°の範囲に配さ
れた強化繊維を含む強化繊維層 6、13、23 パイプ中央部 7、14、24 テーパ部 8、15、25 太径部 18、28 ±75°〜90°の範囲に配された強化繊
維を含む強化繊維層 32 他部材 36 結合部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒体の少なくとも一端部に、筒端に向か
    って拡径するテーパ部と、該テーパ部に連なる太径部と
    を有し、太径部は、筒軸方向に対し±30°〜±55°
    の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層と、該強化
    繊維層の外側に配された他の強化繊維層とを有し、か
    つ、前記筒軸方向に対し±30°〜±55°の範囲に配
    された強化繊維が前記太径部における全強化繊維量の2
    5〜50%の範囲を占めていることを特徴とするFRP
    筒体。
  2. 【請求項2】 前記筒軸方向に対し±30°〜±55°
    の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層が、前記太
    径部の全長にわたって、または、前記太径部の全長と前
    記テーパ部の少なくとも一部とにわたって延びている、
    請求項1のFRP筒体。
  3. 【請求項3】 前記筒軸方向に対し±30°〜±55°
    の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層の両側に他
    の強化繊維層が配されている、請求項1または2のFR
    P筒体。
  4. 【請求項4】 前記筒軸方向に対し±30°〜±55°
    の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層が少なくと
    も2層あり、該少なくとも2層の強化繊維層間に他の強
    化繊維層が配されている、請求項1ないし3のいずれか
    に記載のFRP筒体。
  5. 【請求項5】 前記他の強化繊維層の少なくとも1層
    が、筒体全長にわたって延びている、請求項3または4
    のFRP筒体。
  6. 【請求項6】 前記テーパ部におけるテーパが1/25
    以上である、請求項1ないし5のいずれかに記載のFR
    P筒体。
  7. 【請求項7】 前記筒軸方向に対し±30°〜±55°
    の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層が、強化繊
    維の織物を含んでいる、請求項1ないし6のいずれかに
    記載のFRP筒体。
  8. 【請求項8】 筒軸方向に対し±75°〜90°の範囲
    に配された強化繊維を含む強化繊維層が最外層を形成し
    ている、請求項1ないし7のいずれかに記載のFRP筒
    体。
  9. 【請求項9】 太径部内に他部材が挿入されている、請
    求項1ないし8のいずれかに記載のFRP筒体。
  10. 【請求項10】 他部材が金属製である、請求項9のF
    RP筒体。
  11. 【請求項11】 他部材の挿入長さが、前記筒軸方向に
    対し±30°〜±55°の範囲に配された強化繊維を含
    む強化繊維層の長さ以上である、請求項9または10の
    FRP筒体。
  12. 【請求項12】 他部材が接着により筒体に接合されて
    いる、請求項9ないし11のいずれかに記載のFRP筒
    体。
  13. 【請求項13】 他部材が、筒体の径方向に延びる結合
    部材により筒体に結合されている、請求項9ないし12
    のいずれかに記載のFRP筒体。
  14. 【請求項14】 結合部材が筒体の周方向に複数配置さ
    れている、請求項13のFRP筒体。
  15. 【請求項15】 結合部材が筒軸方向に2列以上配置さ
    れている、請求項14のFRP筒体。
  16. 【請求項16】 隣接する列の結合部材の、筒体の周方
    向における位相が互いに異なっている、請求項15のF
    RP筒体。
  17. 【請求項17】 筒体外面に、結合部材の頭部が挿入さ
    れる座ぐりが形成されている、請求項13ないし16の
    いずれかに記載のFRP筒体。
  18. 【請求項18】 マンドレル上に、樹脂を含む、強化繊
    維層Aと、前記マンドレルの軸方向に対し±30°〜±
    55°の範囲に配された強化繊維を含む強化繊維層B
    と、強化繊維層Cとを形成することにより、前記マンド
    レルの軸方向において、強化繊維層A、Cを含む中央部
    と、強化繊維層A、B、Cを含む太径部と、該中央部と
    該太径部とを接続するテーパ部とを形成するとともに、
    前記太径部における強化繊維層Bの強化繊維量を該太径
    部における全強化繊維量の25〜50%の範囲に調整す
    ることを特徴とする、FRP筒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記テーパ部におけるテーパを1/2
    5以上にする、請求項18のFRP筒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 強化繊維層Bを複数層形成する、請求
    項18または19のFRP筒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 強化繊維層Bの長さを外側ほど短くす
    る、請求項20のFRP筒体の製造方法。
  22. 【請求項22】 強化繊維層Bの長さを外側ほど長くす
    る、請求項20のFRP筒体の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記マンドレル上の強化繊維層に低引
    張弾性率のラッピングテープAを巻き、その上にラッピ
    ングテープAよりも高引張弾性率のラッピングテープB
    を巻いた後加熱成形する、請求項18ないし22のいず
    れかに記載のFRP筒体の製造方法。
  24. 【請求項24】 ラッピングテープAの長手方向引張弾
    性率が300kgf/mm2 以下である、請求項23の
    FRP筒体の製造方法。
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