JPH05106629A - 繊維強化プラスチツク製荷重伝達軸 - Google Patents

繊維強化プラスチツク製荷重伝達軸

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JPH05106629A
JPH05106629A JP26974891A JP26974891A JPH05106629A JP H05106629 A JPH05106629 A JP H05106629A JP 26974891 A JP26974891 A JP 26974891A JP 26974891 A JP26974891 A JP 26974891A JP H05106629 A JPH05106629 A JP H05106629A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維強化プラスチック製パイプを、各層の亀裂
を防ぎ外部からの衝撃により層間の剥離もしにくい構造
とし、また、プラスチック製荷重伝達軸と継手構造の接
合面の十分な接着圧を保持する。 【構成】継手構造1に接合される繊維強化プラスチック
製パイプ20を内層21と中間層22と外層23の3層
で形成し、内層21は繊維を配向角±45度に積層した
層と繊維を配向角±75度ないし±90度に積層した層
とで形成し、中間層は強度の強い繊維を配向角±15度
ないし±45度に積層した層と一方向繊維のシート材を
配向角0度に積層した層を複数回積層して形成し、外層
23は布地を糸の配向角0度または配向角90度に積層
した層と繊維を配向角±45度に積層した層とで形成
し、また、継手構造を、内面4bおよび外面4aに繊維
8を配列したインサートリング4とインサートリング4
のテーパ面4bに係合するテーパ面を有する継手部材3
を有して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、船舶、航空
機、鉄道車両等の輸送機器や産業機器等に使用される繊
維強化プラスチック製荷重伝達軸に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂を炭素繊維やガラス繊維で強化した
繊維強化プラスチック材料(FRP)は、金属材料など
の一般構造用材料に比べて比強度や比弾性率が高いこと
から、繊維強化プラスチック材料で中空パイプを成形す
る技術が実用化されている。
【0003】この種の繊維強化プラスチック製パイプの
成形手段は、一方向に繊維を揃えたテープ材をワインデ
ィング装置により回転するマンドレルの外面に巻き付け
て積層し、疑似的織物状積層体を形成するテープワイン
ディング法(TW)、または一方向に繊維を揃えたロー
ビング材をワインディング装置により回転するマンドレ
ルの外面に巻き付けて積層し、疑似的織物状積層体を形
成するフィラメントワインディング法(FW)、あるい
は一方向に繊維を揃えたシート材または繊維を直交する
方向に織り上げた織物シート材をローリング成形機を用
いて回転するマンドレルの外面に巻き付けて積層体を形
成するシートローリング法(SR)や同等の効果をもた
せてワインディング装置により回転するマンドレルの外
面に巻き付けて積層し積層体を形成するするシートワイ
ンディング法(SW)により成形される。
【0004】上記繊維強化プラスチック製パイプは、金
属パイプに比較すると、比強度や比弾性率が高い特性を
有するので、あらゆる産業分野において実用化されてい
るが、繊維強化プラスチック製パイプは、製造コストが
高いため、主構造部品については、依然として金属パイ
プが使用されている。
【0005】しかし、ヘリコプターのテールロータ駆動
軸や自動車のプロペラシャフトあるいは大規模トラス構
造物用トラスや産業機器用駆動軸については、構造重量
の軽量化、一体構造化による部品点数の削減、高速回転
における軸振れの減少、耐引張/圧縮荷重の向上、環境
特性の向上等の見地から、金属パイプを繊維強化プラス
チック製パイプに置換する要望が強くなされている。
【0006】また、既に設置されている金属パイプの長
さ以上のパイプ、たとえば2本または3本の金属パイプ
を継手部を介して連結した金属パイプについて、繊維強
化プラスチック製パイプを適用して1本のパイプとして
成形するのに、現有の一般的な材料を用いて単純に成形
したのでは、成形された繊維強化プラスチック製パイプ
が所望の特性を具備しない。
【0007】すなわち、高速回転する軸、曲げを受ける
軸、または軸方向に大きい荷重を受ける軸は、パイプの
長さが長くなるにつれ繊維方向が軸線方向に対して0度
となる層を必要とし、繊維強化プラスチック製パイプの
強度を受け持つ層として繊維方向が軸線方向に対して0
度となる層を積層することが要求される。
【0008】繊維強化プラスチック製パイプを、パイプ
軸線と平行に強化繊維を配向した層とパイプ軸線に対し
てバイアス方向で互いに交差する方向に強化繊維を配向
した層を積層して形成したものは、特開昭63−254
214号公報により知られている。
【0009】また、自動車のプロペラシャフトの繊維強
化プラスチック製円筒体を、円筒体の軸方向に対して±
60〜90度の角度で巻かれたガラス繊維または高弾性
有機繊維からなる第1巻層と円筒体の軸方向に対して±
60度未満の角度で巻かれた炭素繊維を含む第2巻層と
で形成し、第1巻層を最外側層とした形成したものは、
特公昭60−41246号公報により知られている。
【0010】一方、輸送機器や産業機器等に使用される
金属パイプを有する荷重伝達軸は、金属パイプとジョイ
ント部材との接合を、溶接手段、固定手段あるいは嵌合
手段により行っているが、プラスチック製パイプは、金
属パイプと機械的性質が異なり、すなわち、熱変形、弾
性変形、塑性変形しにくく、また、金属は等方性材料で
あるのに対して、特に繊維強化プラスチックは異方性材
料であるため、ジョイント部材との接合方法が課題とな
っている。
【0011】しかして、繊維強化プラスチック製パイプ
は、マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である限り、溶接
手段によりジョイント部材を接合することはできず、た
とえ、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であっても、ジ
ョイント部材が熱可塑性樹脂製でない限り、既存の溶接
手段によりジョイント部材を接合することはできない。
繊維強化プラスチック製パイプとジョイント部材との接
合手段として、リベットのような固定手段を用いたもの
は、実開平1−91118号公報により知られている。
【0012】また、これら以外に、繊維強化プラスチッ
ク製パイプ成形の際に、ジョイント部材に直接繊維を絡
ませて、繊維強化プラスチック製パイプとジョイント部
材の軸回り接合強度を強くしたもの(実開昭55−99
905号公報)や、繊維強化プラスチック製パイプの端
部内面に、端部形状を多角形としたジョイント部材に対
応した多角形リングを一体的に成形したもの(特公昭6
1−4687号公報)や、両端にテーパ部を有するマン
ドレルを用いて、両端部を円錐形部分とした繊維強化プ
ラスチック製パイプを形成するもの(特開平1−126
412号公報)や、両端を多角形断面のマンドレルを用
いて、成形後のパイプの両端部を多角形断面形状とする
もの(実公昭60−126412号公報)は知られてい
る。
【0013】また、繊維強化プラスチック製パイプの端
部にヨークに設けた円筒部を外装し、パイプの内部に装
着したリングをボルトにより押圧部材を引き寄せること
で拡径しパイプとヨークを機械的に圧着するものは実開
昭61−184121号公報により知られている。
【0014】さらに、繊維強化プラスチック製パイプの
端部内面に接着剤を介してヨークを接着することで繊維
強化プラスチック製パイプとヨークを接合するものは特
公昭59−16125号公報により知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記繊維強化プラスチ
ック製パイプにおいて、繊維強化プラスチック製パイプ
を形成する層のうち繊維方向が軸線方向に対して0度の
層が多層(およそ5層以上)有するものであると、加熱
硬化時にマンドレルの熱膨張により亀裂が生じることが
あり、また、積層平板での圧縮衝撃試験によれば、一方
向シート材を45度/−45度あるいは90度/−90
度のように対称配置した場合、45度と−45度の層間
あるいは0度と90度の層間において剥離が生じやす
く、一方向に多層積層した層で剥離や亀裂が生じやす
い。すなわち、重なり合う層の繊維同士がなす角度が0
度あるいは90度となる部位では、外部からの衝撃に対
して層間剥離や亀裂の伝播が生じやすい。また、織物状
の層が外部からの衝撃を吸収しやすいという試験結果も
あり、加えて、長いマンドレルにバイアス巻きすること
は困難であるため、厳しい性能要求を満足できない。
【0016】また、繊維強化プラスチック製パイプを成
形したものでは、繊維方向が軸線方向に対して±15度
以上でないと、繊維の円筒方向巻き付け力が保持され
ず、繊維がマンドレルから外れてたるんでしまう。
【0017】また、繊維強化プラスチック製パイプとジ
ョイント部材を固定手段で接合する場合には、固定用孔
を形成する必要があるため、固定用孔の形成部位では層
の繊維が切断されるため強度が低下し、応力集中により
この孔形成部位に破壊が生じてしまう。
【0018】さらに、これら以外の繊維強化プラスチッ
ク製パイプの成形手段では、パイプの長さの変更に流動
的に対処することができず、両端部の形状変化部におけ
る繊維の屈曲による強度低下という問題があり、しかも
商業ベースで製作することが難しい。
【0019】また、繊維強化プラスチック製パイプの端
部にヨークをボルトで機械的に圧着する成形手段では、
ボルトの引張り力で圧入圧着力を保持しているため、繰
り返しねじれを受けると、ボルトがゆるんで圧入圧着力
が保持できず外れてしまうことがある。
【0020】また、繊維強化プラスチック製パイプに接
着剤を介してヨークを接着する成形手段では、パイプと
ヨークの間の半径方向の接着圧を安定させることが難し
く、ヨークからパイプへの荷重を確実に伝達することが
できず、しかも軸方向荷重に対して抜けやすいという難
点がある。
【0021】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、各層に亀裂が生ぜす、外部からの衝撃により層間の
剥離もしにくい繊維強化プラスチック製パイプを備え、
軽くて堅固な構造とした繊維強化プラスチック製荷重伝
達軸および接合面の十分な接着圧を保持しかつ構成部品
点数を削減した繊維強化プラスチック製荷重伝達軸を提
供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化プラス
チック製荷重伝達軸は、内層と中間層と外層の3層で形
成した繊維強化プラスチック製パイプとこのパイプの端
部に固定された継手部材を有し、パイプの内層は繊維を
配向角±45度に積層した第1層と繊維を配向角±75
度ないし±90度に積層した第2層とで形成し、パイプ
の中間層は強度の強い繊維を配向角±15度ないし±4
5度に積層した第3層と一方向繊維のシート材を配向角
0度に積層した第4層を複数回積層して形成し、パイプ
の外層は布地をたて糸が配向角0度または配向角90度
になるように積層した第5層と繊維を配向角±45度に
積層した第6層とで形成して構成される。
【0023】また、本発明の繊維強化プラスチック製荷
重伝達軸は、繊維強化プラスチック製パイプと、内面お
よび外面に繊維を配列しパイプの端部内面に所定の厚さ
の接着剤層を介して嵌着されるテーパ面を有するインサ
ートリングと、このインサートリングのテーパ面に対応
したテーパー部を有しインサートリングを拡径するよう
にインサートリングに所定の厚さの接着剤層を介して嵌
着される継手部材とを有して構成される。
【0024】
【作用】本発明の繊維強化プラスチック製荷重伝達軸で
は、繊維強化プラスチック製空パイプの内層を外部から
の衝撃、ねじり、膨張や収縮に強い積層とし、中間層を
強度および剛性を高めかつ外部からの衝撃に対して層間
剥離のしにくい積層とし、外層を外部からの衝撃に強い
積層としたことで、軸曲げ剛性、ねじり剛性、ねじり強
度が向上し、圧縮座屈およびねじり座屈に強く、膨張や
収縮による変形ならびに層間剥離や亀裂を防ぎ、外部か
らの衝撃に強く、かつ非常に軽くかつ堅固な構造とな
る。
【0025】また、本発明の繊維強化プラスチック製荷
重伝達軸では、圧入接着接合により繊維強化プラスチッ
ク製パイプと継手部材とを一体的に接合され、接合面に
配置される接着剤層に複数本の繊維を配置することで、
接着剤層の厚さを繊維の太さに相当する厚さに維持し、
接合面の十分な接着圧を保持するとともに、構成部品点
数の削減、接合工程の簡略化により製造コストを下げる
ことができる。
【0026】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面につき説明す
る。
【0027】図1は本発明による繊維強化プラスチック
製荷重伝達軸の継手構造を示す断面図であり、この継手
構造1は、切頭円錐形をなす筒部2を有する継手部材3
とこの切頭円錐形筒部2に外装されるフランジ付きイン
サートリング4とを有して構成されている。インサート
リング4は、分割タイプまたはスリットタイプのものが
あり、分割タイプまたはスリットタイプのインサートリ
ングは必要に応じて選択される。インサートリング4の
外面4aは、嵌合すべき繊維強化プラスチック製パイプ
5の内面5aに対応した寸法に設定されている。継手部
材3の切頭円錐形筒部2の外面2aは、45度以下の角
度のテーパ面となっており、この切頭円錐形筒部2に嵌
合されるインサートリング4の内面4bは上記切頭円錐
形筒部2のテーパ面2aに対応したテーパ面となってい
る。そして、継手部材3の基部6に設けたねじ孔7には
ボルトが螺着される。
【0028】一方、上記インサートリング4の内面4b
および外面4aには、図2に示すようにガラス繊維フィ
ラメント8が周方向に間隔を置くように巻き付けられて
いる。このガラス繊維フィラメント8の太さは、インサ
ートリング4の内面および外面に塗布される接着剤層の
所定の厚さを確保するように選定される。すなわち、こ
のように形成された接着剤層は接着硬化後の所定の厚さ
を確保する。
【0029】しかして、繊維強化プラスチック製荷重伝
達軸を製造するには、まず、繊維強化プラスチック製パ
イプ5の内面5a、インサートリング4の内面4bおよ
び外面4a、継手部材3の切頭円錐形筒部2の外面2a
に接着剤をできるだけ均一な層を形成するように塗布す
る。
【0030】つぎに、ガラス繊維フィラメント8を周方
向に間隔を置いて巻き付けたインサートリング4を、繊
維強化プラスチック製パイプ5の両端部に、フランジが
繊維強化プラスチック製パイプ5の端面に当接するまで
挿着する。繊維強化プラスチック製パイプ5の内面5a
と押圧リング4の外面4aとの接合面に位置する接着剤
層は、インサートリング4の外面4aに設けたガラス繊
維フィラメント8の太さにより所定の厚さを確保する。
【0031】このインサートリング4の繊維強化プラス
チック製パイプ5への嵌着が終了したら、ねじ孔7から
ボルトを外した継手部材3の切頭円錐形筒部2をインサ
ートリング4の内面4bに挿着する。継手部材3の切頭
円錐形筒部2の外面とインサートリング4の内面4bと
は対応したテーパ面となっているので、継手部材3のイ
ンサートリング4への挿着は圧入状態となり、継手部材
3の切頭円錐形筒部2によりインサートリング4は拡径
し、繊維強化プラスチック製パイプ5を半径方向外側に
押圧することにより十分な接着圧が保持される。継手部
材3の外面2aとインサートリング4の内面4bとの接
合面に位置する接着剤層は、インサートリング4の内面
4aに設けたガラス繊維フィラメント8の太さにより所
定の厚さを確保する。また、継手部材3の基部6にエア
抜きねじ孔7が設けられているので、継手構造1を繊維
強化プラスチック製パイプ5の両端へ嵌着した場合に、
繊維強化プラスチック製パイプ5の内部空間が加圧状態
となり、ヨークが後戻りして所定位置からずれるという
ことはない。
【0032】この継手構造1の繊維強化プラスチック製
パイプ5への嵌着が終了したら、図3に示すように、一
方の継手部材3のねじ孔7にボルトを螺着し、他方の継
手部材3のねじ孔7を通して発泡剤9を貯えたタンク1
0から延びるパイプ11を、繊維強化プラスチック製パ
イプ5の内部空間の長さ方向中間位置まで延ばし、繊維
強化プラスチック製パイプ5の内部に発泡剤9を注入す
る。このようにして繊維強化プラスチック製パイプ5の
内部に発泡剤9を充填した繊維強化プラスチック製荷重
伝達軸を図4に示す。この繊維強化プラスチック製荷重
伝達軸によれば、繊維強化プラスチック製パイプ5の共
振現象を抑えることができる。
【0033】図5は本発明の変形例を示し、この変形例
では、繊維強化プラスチック製パイプ5に嵌着される継
手構造はフランジを備えた継手部材3aとインサートリ
ング4とを有して構成されている。
【0034】図6は、本発明による繊維強化プラスチッ
ク製荷重伝達軸の繊維強化プラスチック製パイプ20の
積層構成を示す図であり、繊維強化プラスチック製パイ
プ20は、内層21と中間層22と外層23の3層から
形成されている。
【0035】繊維強化プラスチック製パイプ20の内層
21は、炭素繊維、ガラス繊維または高弾性有機繊維の
ような高剛性高強度を有する繊維、またはすぐれた衝撃
吸収性を有する繊維を、テープワインディング法(T
W)あるいはフィラメントワインディング法(FW)に
より、マンドレル24の外面に、パイプの軸線方向と繊
維方向とのなす角度(配向角)±45度に積層した層L
1と、炭素繊維を、テープワインディング法(TW)あ
るいはフィラメントワインディング法(FW)により、
マンドレル24の外面に軸線方向に対して配向角±75
度ないし±90度に積層した層L2とにより形成され、
膨張および収縮、ねじり、外部からの衝撃に強い保護層
を構成している。上記保護層を構成する内層21の層L
1と層L2の順序は反対になってもよい。
【0036】繊維強化プラスチック製パイプ20の中間
層22は、炭素繊維のように高い弾性率および高い強度
を有する繊維をテープワインディング法(TW)あるい
はフィラメントワインディング法(FW)により配向角
±15度ないし±45度に積層した層L3と、一方向に
繊維を揃えたシート材をシートワインディング法(S
W)により配向角0度に積層した層(L4,L5)を必
要な板厚になるまで交互に複数回積層して形成され、所
望の強度と剛性を確保する層を構成している。本実施例
では、中間層22は、配向角±15度に積層した層L
3、配向角0度に積層した層(L4,L5)、配向角±
15度に積層した層L6、配向角0度に積層した層(L
7,L8)、配向角±15度に積層した層L9により形
成されている。
【0037】繊維強化プラスチック製パイプ20の外層
23は、ガラス繊維または高弾性有機繊維のようにすぐ
れた衝撃吸収性を有する繊維の糸で織成した布地をたて
糸を配向角0度または配向角90度に積層した層L10
と、このような繊維を配向角±45度に積層、もしくは
一方向に繊維を揃えたシート材をシートワインディング
法(SW)により配向角±45度に積層した層L11と
で形成され、外部からの衝撃に対する保護層を構成して
いる。
【0038】なお、上記外層23において層L10と層
L11の配置を逆にしてもよく、また内層21、中間層
22において繊維の配向角が45度である層について
は、この層を布地に置換してもよい。
【0039】繊維強化プラスチック製荷重伝達軸を自動
車のプロペラシャフトに適用した場合における繊維強化
プラスチック製パイプ20の製造手順の一例を表1およ
び図6ないし図10により説明する。
【0040】まず、マンドレル24を準備し、このマン
ドレル24の上に炭素繊維テープ材25を、図7に示す
テープワインディング法(TW)により炭素繊維テープ
材25の繊維方向がパイプ軸線方向に対して±45度の
角度を置くように巻き付けて層L1を形成し、その層L
1の上に続けて炭素繊維テープ材25を同じ様にテープ
ワインディング法(TW)により炭素繊維テープ材25
の繊維方向がパイプ軸線方向に対して±85度の角度を
置くように巻き付けて層L2を形成し、積層した内層2
1を形成する。
【0041】ついで、この内層21の上に、炭素繊維テ
ープ材25をテープワインディング法(TW)によりパ
イプ軸線方向に対して±15度の角度を置いて巻き付け
て層L3を形成した後、炭素繊維一方向シート材26
を、図8に示すシートワインディング法(SW)により
配向角0度で巻き付けて層L4、層L5を形成し、これ
を交互に数回行う(L6,L7,L8,L9)ことで中
間層22を形成する。
【0042】つぎに、この中間層22の上に、アラミド
繊維クロス材27を、図9に示すシートワインディング
法(SW)によりたて糸の配向角が0度で巻き付け層L
10を形成し、この層L10の上にガラス繊維テープ2
8を、図10に示すテープワインディング法(TW)に
より配向角±45度で巻き付け層L11を形成すること
で外層23を形成する。
【0043】
【表1】 成形された繊維強化プラスチック製パイプ20の外観を
平滑な面とするには、外層23の上に、さらに、ガラス
繊維テープをテープワインディング法により配向角75
度ないし85度で一方向に積層した層を形成し、その層
を旋盤等により切削加工することにより行なう。
【0044】図11は本発明の変形例を示し、この変形
例においては、継手構造100を構成するインサートヨ
ーク101およびインサートリング102にキー溝10
1a,102aを設けるとともに、インサートリング1
02を複数の部材から形成した分割式とし、繊維強化プ
ラスチック製中空パイプ103にこのキー溝に対応した
切り込み104を形成し、継手構造100と繊維強化プ
ラスチック製パイプ103とをキイ105により機械的
に連結している。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、繊維
強化プラスチック製パイプを内層と中間層と外層の3層
で形成し、内層はねじれ、膨張や収縮、外部からの衝撃
に強い構成とし、中間層はテープとシートのハイブリッ
ト積層として高強度高剛性の構成とし、外層は衝撃に対
して強い繊維配向でかつ衝撃吸収性にすぐれた繊維で積
層したので、各層に亀裂が生ぜす、層間の剥離もない軽
くて堅固な構造となる。
【0046】また、継手構造を内面および外面に繊維を
配列し中空パイプの端部内面に所定の厚さの接着剤層を
介して嵌着されるインサートリングとこのインサートリ
ングのテーパ面に対応したテーパー部を有しインサート
リングを拡径するようにインサートリングに所定の厚さ
の接着剤層を介して嵌着される継手部材とで構成するこ
とで、繊維強化プラスチック製パイプを連続したストレ
ートパイプから所望の長さに切り出すことで、繊維強化
プラスチック製パイプの製造時間を短縮できしかも繊維
強化プラスチック製パイプへの接合を圧入接着で行うこ
とで、部品点数の削減および接合工程の簡略化を図るこ
とができ、製造コストを下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による繊維強化プラスチック製荷重伝達
軸の継手構造を示す図
【図2】継手構造のインサートリングを示す図
【図3】本発明による繊維強化プラスチック製荷重伝達
軸への発泡剤の充填方法を示す図
【図4】発泡剤を充填した繊維強化プラスチック製荷重
伝達軸を示す図
【図5】本発明による繊維強化プラスチック製荷重伝達
軸の変形例を示す図
【図6】本発明による繊維強化プラスチック製荷重伝達
軸の繊維強化プラスチック製パイプの構成を示す図
【図7】テープ材のテープワインディング法による巻き
付け方法を示す図
【図8】一方向シート材のシートワインディング法によ
る巻き付け方法を示す図
【図9】繊維クロス材のシートワインディング法による
巻き付け方法を示す図
【図10】繊維テープのテープワインディング法による
巻き付け方法を示す図
【図11】本発明による繊維強化プラスチック製荷重伝
達軸の継手構造の変形例を示す図
【符号の説明】 1 継手構造 3 継手部材 4 インサートリング 5 パイプ 8 繊維 9 発泡剤 20 パイプ 21 内層 22 中間層 23 外層 24 マンドレル 25 一方向テープ材 26 一方向シート 27 繊維クロス材 28 繊維テープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層と中間層と外層の3層で形成した繊維
    強化プラスチック製パイプとこのパイプの端部に固定さ
    れた継手部材を有し、パイプの内層は繊維を配向角±4
    5度に積層した第1層と繊維を配向角±75度ないし±
    90度に積層した第2層とで形成し、パイプの中間層は
    強度の強い繊維を配向角±15度ないし±45度に積層
    した第3層と一方向繊維のシート材を配向角0度に積層
    した第4層を複数回積層して形成し、パイプの外層は布
    地をたて糸が配向角0度または配向角90度になるよう
    に積層した第5層と繊維を配向角±45度に積層した第
    6層とで形成したことを特徴とする繊維強化プラスチッ
    ク製荷重伝達軸。
  2. 【請求項2】繊維強化プラスチック製パイプと、内面お
    よび外面に繊維を配列しパイプの端部内面に所定の厚さ
    の接着剤層を介して嵌着されるテーパ面を有するインサ
    ートリングと、このインサートリングのテーパ面に対応
    したテーパー部を有しインサートリングを拡径するよう
    にインサートリングに所定の厚さの接着剤層を介して嵌
    着される継手部材とを有することを特徴とする繊維強化
    プラスチック製荷重伝達軸。
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