JP5699657B2 - プロペラシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の駆動力伝達軸として使用される繊維強化プラスチック(以下、FRPという)製のプロペラシャフトおよびその製造方法に関する。
自動車工業の分野では、車両重量を軽減して燃費節減を図るために、各種の部品をFRP材料で代替することが試みられている。各種部品の内、FRP製のプロペラシャフト(推進軸とも呼ばれる)の場合には、FRP筒体の両端部に、駆動軸や従動軸と連結してエンジンのトルクを車輪へ伝達するためのトルク伝達継手を接合した構造になっている。
プロペラシャフトにおいては、トルク伝達時に、エンジン等の振動発生源やプロペラシャフト自身の回転により加振される各振動モードに対して、プロペラシャフトを共振現象から防止する必要がある。プロペラシャフトの振動のモードとしては、曲げ振動および膜振動が考えられる。曲げ1次共振周波数は、筒体の断面2次モーメント、縦弾性率、比重、長さにより決定されるため、スチール製のプロペラシャフトでは、その長さを分割することにより、曲げ1次共振周波数が使用域での振動範囲に入らないようにしているが、FRP筒体を用いたプロペラシャフトでは、FRP筒体の軸方向の弾性率を効果的に高めることにより、曲げ1次共振周波数が使用域での振動範囲に入ることを回避できる。
又、プロペラシャフトの共振周波数は比弾性率(弾性率/比重)と長さ等をパラメータとして算出され、比弾性率に比例して高くなる。CFRPの比弾性率は対スチール比で約2.5倍であり、その結果、スチール製のプロペラシャフトの場合、分割構造にして筒体長さを短くしないと成立しないが、CFRP製のプロペラシャフトであれば、筒体1本による1ピース2ジョイント化の可能性が生まれ、より一層の軽量化が図れる。
ところが、FRP筒体をプロペラシャフトに用いるケースでは、上述したように曲げ1次振動の共振周波数が使用域での振動範囲に入ることを回避するために、軸方向の弾性率をできるだけ高くすることが有効であるが、そうすると異方性材料であるFRPの宿命として、必然的に円周方向の弾性率が著しく低下することになる。また、1ピース2ジョイント化で筒体の長さが長くなると、プロペラシャフトの膜振動による膜1次共振周波数や膜2次共振周波数も小さくなってきて自動車の使用域での振動範囲内に入ってくるようになり、自動車走行中にプロペラシャフト自身の共振が発生して不快な騒音を発生してしまうようになる。
そこで、特許文献1では、膜1次共振に於ける減衰性能を向上させるため、FRP筒体の膜1次共振の振動モードの腹となる長手方向中央部のFRP筒体内部にポリウレタン等で構成される発泡体を充填する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1による技術では、プロペラシャフトの膜1次、膜2次共振周波数をずらすといった本質的な解決がなされないため、共振による騒音は残ってしまうばかりか、FRP筒体内部に発泡体のような特殊材料を充填するため、加工費、材料費が嵩むことになる。
特許第3183428号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、自動車などで用いられるFRP製プロペラシャフトにおいて、膜1次共振周波数、膜2次共振周波数を制御するとともに伝達関数ゲイン(音圧レベル)を低下し、膜振動に伴う放射音を特殊な材料などを用いなくとも簡便に低減することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明は、次の構成からなる。すなわち、強化繊維の層を含み筒軸方向に延在する本体筒部を有するFRP筒体と、その筒体における膜1次共振の節位置と膜2次共振の節位置であって、FRP筒体の内側に接して、または前記強化繊維の層間に配された、強化繊維の周方向巻きによる補強層、またはFRPもしくは樹脂製剛体からなる突起部材とを有することを特徴とするプロペラシャフトである。
本発明によれば、FRP筒体の膜1次、膜2次共振の節位置を補強層や突起部材で補強しているため、膜1共振周波数と膜2次共振周波数の両方を自動車の使用域での振動範囲外となるよう高めることができるばかりか、FRP筒体の潰れ変形を抑制することにより伝達関数ゲイン(音圧レベル)が低下する。その結果、プロペラシャフト回転時に発生する膜振動に起因する放射音量を低減することができる。
本発明に関する参考例となる、FRP筒体の膜振動モードでの膜1次、膜2次の共振の節位置に外側補強層を配置したプロペラシャフトを示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態である、FRP筒体の膜振動モードでの膜1次、膜2次の共振の節位置に内側補強層を配置したプロペラシャフトを示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態である、FRP筒体の膜振動モードでの膜1次、膜2次の共振の節位置に中間補強層を配置したプロペラシャフトを示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態である、FRP筒体の膜振動モードでの膜1次、膜2次の共振の節位置に筒体内面に突起部材を配置したプロペラシャフトを示す軸方向断面図である。 本発明の一実施形態で用いられる円柱状突起部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態で用いられる十字状突起部材を示す斜視図である。 従来のFRP製プロペラシャフトを示す軸方向断面図である。 プロペラシャフトの膜モード共振周波数を測定する様子を示す概略図である。
図面を用いて、本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に関する参考例となるプロペラシャフトの軸方向断面図であり、図2〜4は、それぞれ本発明に係るプロペラシャフトの軸方向断面図であり、図7は従来のFRP製プロペラシャフトの軸方向断面図である。図1〜4および図7において、本体筒部11,21,31,41,71は強化繊維の層を含み筒軸方向に延在してFRP筒体を構成しており、その両端部には、トルク伝達継手17、27、37、47、75が接合されている。本体筒部を構成する強化繊維の層は、捩り強度や曲げ1次共振周波数などを、プロペラシャフトに適したものとするためには、強化繊維の螺旋巻層とするのがよい。螺旋巻の巻角度は、通常、筒軸方向に対して±10〜±45度の範囲内である。また、FRP筒体は、本体筒部11,21,31,41,71の筒軸方向端部の内周面に、強化繊維の周方向巻層12,22,32,42,72を含んで構成されるのが良い。前記強化繊維の周方向巻層にトルク伝達軸を圧入接合すると、筒体該当部が周方向に強化されているため変形や螺旋巻層の損傷を防止することができ、好適なトルク伝達を得ることができる。なお、本発明において、周方向とは、通常、筒軸方向に対して±80〜90度の範囲内の方向であることを意味する。
ここで、図1では、その筒体における膜1次共振の節位置15と膜2次共振の節位置16に、FRP筒体の外側に接して、強化繊維の周方向巻きによる補強層14が配されており、図2では、その筒体における膜1次共振の節位置25と膜2次共振の節位置26に、FRP筒体の内側に接して、強化繊維の周方向巻きによる補強層24が配されている。図3では、その筒体における膜1次共振の節位置35と膜2次共振の節位置36に、FRP筒体を構成する強化繊維の螺旋巻層の中間(層間)に介在し、強化繊維の周方向巻きによる補強層34が配されている。
また、図4では、その筒体における膜1次共振の節位置45と膜2次共振の節位置46に、FRP筒体の内側に接して、剛体からなる突起部材44が配されている。剛体は、プロペラシャフトの軽量化のため、FRPまたは樹脂製とされる。なお、図4では、突起部材は、FRP筒体の内側に接して配されているが、図1の場合と同様の形態で、FRP筒体の外側に接して配させても構わないし、図3の場合と同様の形態で、FRP筒体を構成する強化繊維の螺旋巻層の中間に配置しても構わない。なお、突起部材とは、FRP筒体を構成する強化繊維の層から筒体の外側または内側に突起するように配される部材をいう。
FRP筒体における膜1次共振の節位置や、膜2次共振の節位置は、筒体の長さ、筒体の形状(外径や内径の軸方向での変動など)などによって影響を受けるが、コンピュータでのFEM計算を用いれば筒体端面からの位置を特定することができる。例えば、内径と外径とがいずれも軸方向に均一な円筒体であれば、膜1次の節位置は筒体の軸方向中央部、すなわち筒体の端部から軸方向に筒体全長の1/2の長さの位置にあり、膜2次の節位置は、軸方向1/4部と3/4部、すなわち、筒体の端部から軸方向に筒体全長の1/4の長さの位置と3/4の長さの位置となる。部分的に外径が大きい円筒体や、外径が軸方向にテーパ形状の場合などは膜2次共振の節位置は上記の位置からずれるが、FEM計算を用いれば正確に算出することができる。
FRP筒体に、膜1次共振の節位置15、25、35、45と、膜2次共振の節位置16、26、36、46とに、厚みを持った補強層や突起部材を筒体の外側または内側、もしくは強化繊維の螺旋巻層の層間に配しているため、膜モードの共振周波数を使用域での振動範囲から外れるよう大きくすることができる。更に、かかる補強層は強化繊維による周方向巻であり、突起部材はFRPまたは樹脂製の剛体でできているので、FRP筒体の潰れ変形を抑制することができる。
前記補強層14、24、34や前記突起部材44は軸方向の幅が3〜90mm、厚みが1〜5mmの範囲内にあることが好ましい。かかる幅が3mmより小さいと、膜1次、膜2次共振の節位置からのずれに対する許容代が小さく、僅かのずれで潰れることがあり、変形抑制効果が小さくなる。一方、かかる幅が90mmより大きくなると、強化繊維投入量が多くなり潰れ変形抑制に対するコストパフォーマンスが悪くなる。又、厚みが1mmより小さいと膜モードの共振周波数向上は小さく、5mmより厚いと必要以上に共振周波数が高くなると共に強化繊維投入量が多くなりこれもコストパフォーマンスが悪くなる。
本発明において突起部材を用いる場合、FRP筒体の内径や外径が精度良く仕上がっていれば、突起部材の外周面や内周面だけを機械加工などすれば、容易に圧入もしくは接着で挿入固定することができる。筒体の端部外径が他の部分の外径より太い場合には、突起部材を端から圧入もしくは接着で挿入固定できないので、そのような場合には内側に接して配する態様を採用すればよい。また、本発明において、突起部材をFRP筒体の内側に配する場合、図4における突起部材44のような円筒体に代えて、図5に示すような円柱状突起部材51もしくは図6に示すような十字状突起部材61を用い、それら突起部材の端部をFRP筒体の内面に接するように配しても良い。なお、円柱状突起部材51や十字状突起部材61は軸方向の幅を3〜90mmとするのが好ましい。
本発明において、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、セラミック繊維等が使用され、この中でも危険回転数を考慮すると炭素繊維の使用が好ましい。また、強化繊維として炭素繊維を用いる場合には、炭素繊維以外の強化繊維は、プロペラシャフトに必要なねじり強度や危険回転数を考慮すると、強化繊維の全質量あたり40質量%以下とすることが好ましい。
また、FRPとするために強化繊維に含浸させる樹脂、いわゆるマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、酢酸セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に用いられるが、これらの中でも、良好な作業性と成形後の優れた機械特性という点を考慮すると熱硬化性樹脂が好ましく、中でも、エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
次に、本発明のプロペラシャフトを製造するに好適な方法について説明する。
先ず、FRP筒体を、フィラメントワインディング(以下、FW)法やテープワインディング(以下、TW)法等により、マトリックス樹脂を含浸させた強化繊維を引きそろえ、所定の張力を付加しマンドレルに巻き付けて賦形する。
補強層を形成する場合には、膜共振の節となるべき位置に周方向巻し、本体筒部の筒軸方向端部に周方向巻層を形成する場合には、本体筒部の筒軸方向端部となるべき位置に周方向巻すればよく、本体筒部は、所望の捩り強度と曲げ1次共振周波数が得られるよう算出された巻角度で螺旋巻することにより、連続で一体に賦形することができる。なお、補強層の周方向巻は、FW装置の数値制御を用いれば正確に配置させることができる。
マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、賦形終了後、硬化炉に投入し、所定の硬化条件にて硬化することにより成形体を得る。その後、成形体から脱芯機などを用いてマンドレルを引き抜き、切断機などを用いて所定の長さに切断し、FRP筒体を得る。
突起部材で補強する場合には、上記のようにして得られたFRP筒体の端部からFRP筒体の内側または外側に突起部材を挿入する。挿入は接着剤などを用いず圧入しても良いし、接着剤などを用いて挿入接着してもよい。
次に本発明のプロペラシャフトについて、実施例を用いて、より具体的に説明する。なお、本実施例において、伝達関数ゲイン(音圧レベル)と膜モード共振周波数、騒音の評価は次のようにして行った。
[伝達関数ゲイン(音圧レベル)と膜モード共振周波数]
伝達関数ゲイン(音圧レベル)と膜モード共振周波数はインパルス加振試験により測定する。図8はプロペラシャフトの伝達関数ゲイン(音圧レベル)と膜モード共振周波数を測定する様子を示す概略図である。測定すべきFRP筒体80の中央部に加速度センサー81を取り付ける。この状態で、力センサー82を内蔵したインパルスハンマー83にて加振し、力センサー82と加速度センサー81の出力を入力チャンネルモジュール84(たとえば、(株)エー・アンド・デイ社製AD−3651)を介しホストコンピューター85に取り込み、FFT専用ソフト(たとえば、(株)エー・アンド・デイ社製 WCAMSA)にて伝達関数を求め、表示させることにより、伝達関数ゲイン(音圧レベル)と共振周波数を得ることができる。
[放射音の音量]
測定すべきプロペラシャフトを実車(セダン車)に搭載し、エンジン出力を介しプロペラシャフトを回転させ、騒音で問題となる約1100Hz領域でプロペラシャフトから発される放射音の音量を車内床下に騒音計測マイクを設置して測定する。
参考例)
FW法によってFRP製筒体を成形した。すなわち、炭素繊維束(平均単糸径:7μm、単糸数:24,000本、引張強度4900MPa、引張弾性率:230GPa)を3本引き揃え、これを、硬化剤および硬化促進剤を含むビスフェノールA型エポキシ樹脂をマトリックス樹脂として含浸しながら、外径80mm、長さ1,300mmのマンドレルに、まず、その一端部100mmの部分に軸方向に対して±82°の角度で8層巻き付けて厚み2.5mmの部分層を形成した後、他端部に移動して同様に部分層を形成し、引き続きマンドレルの全長にわたって軸方向に対して±12゜の角度で5層巻き付けて厚み2.5mmの主層を形成し、次いで、マンドレルの全長にわたって軸方向に対して−83゜で巻き付け、さらに、膜1次の節位置15と膜2次の節位置16を中心に幅60mmにわたり、±83°の角度で8層巻き付けて厚み2.5mmの補強層を形成した。なお、得られるFRP筒体について予めFEM計算を行い、膜1次の節位置が、その筒体の軸方向中央部に、膜2次の節位置が、その筒体の軸方向1/4部と3/4部から、それぞれ軸方向中央寄りに30mmづつ離れた位置にあることを特定しておいた。
次に、マンドレルを回転させながら180℃で6時間加熱してエポキシ樹脂を硬化させ、マンドレルを引き抜いた後、各端部50mmの部分を切断、除去して、外径が85mm、内径が80mm、長さが1,200mmのFRP筒体を得た。
その後、上記FRP筒体の各端部に、ヨーク17を圧入接合し、図1に示すようなFRP製プロペラシャフトを得た。
得られたプロペラシャフトについて、膜モード共振周波数を測定したところ、膜1次共振周波数が1500Hz、膜2次共振周波数が1550Hzと、後述する比較例よりも25%向上した。又、伝達関数ゲイン(音圧レベル)は後述する比較例の膜1次共振周波数(1190Hz)の0.8領域(以降、裾野領域と呼ぶ)で105dBとなり、比較例より15%低減した。このプロペラシャフトについて、放射音の音量を測定したところ、約80dBであり、2ピース3ジョイントのスチール製プロペラシャフトとほぼ同等となった。
(実施例)
補強層を形成しなかった以外は、参考例と同様にして、外径が85mm、内径が80mm、長さが1,200mmのFRP筒体を得た。
その後、FRPで作成した幅60mm、外径80mm、厚み2.5mmの円筒体44の外周面に接着剤を塗布し、膜1次の節位置(軸方向中央部)45と膜2次の節位置(FRP片側端面から軸方向に330mm部と870mm部)46を中心に円筒体44の中心が合うよう挿入し固定した。その後、上記FRP筒体の各端部に、ヨーク47を圧入接合し、図4に示すようなFRP製プロペラシャフトを得た。
得られたプロペラシャフトについて、膜モード共振周波数を測定したところ、膜1次共振周波数は1680Hz、膜2次共振周波数は1720Hzと、後述する比較例よりも40%向上し、参考例よりも高い結果となった。このプロペラシャフトについて、放射音の音量を測定したところ、約80dBであり、2ピース3ジョイントのスチール製プロペラシャフトとほぼ同等となった。
(比較例)
補強層を形成しなかった以外は、参考例と同様にして、外径が85mm、内径が80mm、長さが1,200mmのFRP筒体を得た。得られたFRP筒体の各端部に、ヨーク75を圧入接合し、図7に示すようなFRP製プロペラシャフトを得た。
得られたプロペラシャフトについて、膜モード共振周波数を測定したところ、膜1次共振周波数が1190Hz、膜2次共振周波数が1280Hzであった。又、膜1次共振周波数の裾野領域における伝達関数ゲイン(音圧レベル)は125dBであった。このプロペラシャフトについて、放射音の音量を測定したところ、約90dBであり、2ピース3ジョイントのスチール製プロペラシャフトの約80dBより約10dB悪化した。
本発明に係るプロペラシャフトは、あらゆるプロペラシャフトに適用でき、特に車両用プロペラシャフトに適用して好適なものである。
11、21、31、41、71:本体筒部
12、22、32、42、72:周方向巻層
14、24、34 :補強層
15、25、35、45 :膜1次共振の節位置
16、26、36、46 :膜2次共振の節位置
17、27、37、47、75:トルク伝達継手
44 :円筒状突起部材
51 :円柱状突起部材
61 :十字状突起部材
80 :FRP筒体
81 :加速度センサー
82 :力センサー
83 :インパルスハンマー
84 :入力チャンネルモジュール
85 :ホストコンピューター

Claims (4)

  1. 強化繊維の層を含み筒軸方向に延在する本体筒部を有するFRP筒体と、その筒体における膜1次共振の節位置と膜2次共振の節位置であって、FRP筒体の内側に接して、または前記強化繊維の層の層間に配された、強化繊維の周方向巻きによる補強層、またはFRPもしくは樹脂製剛体からなる突起部材とを有することを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 前記補強層および前記突起部材は、その形状が、幅3〜90mm、厚み1〜5mmである請求項1に記載のプロペラシャフト。
  3. 前記突起部材が、幅3〜90mmの円柱状、または幅3〜90mmの十字状である請求項1に記載のプロペラシャフト。
  4. FRP筒体を、マトリックス樹脂を含浸させた強化繊維を引きそろえ、張力を付加しマンドレルに巻き付けて賦形するプロペラシャフトの製造方法において、膜1次共振の節位置や膜2次共振の節位置を筒体端面からの位置を特定し、前記膜1次共振の節位置と膜2次共振の節位置に、
    (a)前記FRP筒体の内側に接して、強化繊維の周方向巻きによる補強層を配する、または前記FRP筒体の端部から前記FRP筒体の内側に突起部材を挿入する、もしくは
    (b)前記FRP筒体を構成する強化繊維の螺旋巻層の中間(層間)に介在し、強化繊維の周方向巻きによる補強層を配する、または前記FRP筒体を構成する強化繊維の螺旋巻層の中間に特記部材を配置する、
    ことを特徴とするプロペラシャフトの製造方法。
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