JP3412918B2 - 連続繊維補強プラスチック製の管体 - Google Patents

連続繊維補強プラスチック製の管体

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JP3412918B2 JP16479794A JP16479794A JP3412918B2 JP 3412918 B2 JP3412918 B2 JP 3412918B2 JP 16479794 A JP16479794 A JP 16479794A JP 16479794 A JP16479794 A JP 16479794A JP 3412918 B2 JP3412918 B2 JP 3412918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続繊維プラスチック
(FRP)製の棒状材料(ロッド、撚合体等)を定着、
又は接合するための連続繊維プラスチック製の管体に
する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続繊維プラスチック(FRP)
製の棒状材料(ロッド、撚合体等)のソケットに、その
材料として金属製のものが用いられることは知られてい
る(例えば、特開平1−272889号公報、2頁左下
欄10〜11行)。連続繊維プラスチック(FRP)製
の棒状材料は、カッター等による切削性、リニアモータ
ーカーのガイドウェイ等における非磁性、或いは腐食環
境下での耐蝕性に適合しているのに、その棒状材料を定
着、又は接合するソケットにつき金属製の材料を使用す
ることは、好適であるとはいえない。ソケットに、棒状
材料と同じく、連続繊維プラスチックを用いるものとし
て、1992.4.20の土木学会「連続繊維補強材の
コンクリート構造物への適用に関するシンポジウム」の
論文「膨張材を用いた連続繊維緊張材定着法の現場施工
への適用検討」(本文献における3.4の記述、及び図
−6)が知られている。この技術は、図7において示す
ように、ノンメタリック定着具13としてFRPにより
試作した試験材の概要を示し、その試験材の定着具13
は、芯である線材14を膨張材15を介して覆い、内か
ら外への順にスパイラル状CFRP16、より線状CF
RP17、スパイラル状CFRP18が配されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の論文
では、連続繊維補強材を複数の層で構成する場合に、膨
張材と相まって、棒状材料の軸方向の力を伝達するため
にそれぞれの層の果たす役割について考察が示されてい
ない。そのためか、棒状材料の軸方向の力に対して最も
抵抗できるより線状CFRP17を最も内層とせず、二
つのスパイラル状CFRP16、18に挟んで配してい
ることからみて、ノンメタリック定着具13を構成する
それぞれの層の補強繊維の方向性について特に着目され
ず、また考慮も払われていない。かかる試験材を、その
まま実用に供するには問題を伴うことがあるといえる。
【0004】連続繊維補強プラスチック製の棒状材料を
接合、又は定着するための連続繊維補強プラスチック製
の管体が、膨張性充填材による膨張圧力と連続繊維補強
プラスチック製の棒状材料から伝えられる管軸引張力を
効果的に負担するための各層の役割、そして補強繊維の
方向性について、本発明者は着目し、そこからの知見に
基づいて本発明を創案した。本発明は、切削性、非磁
性、及び耐蝕性について全く支障なく、しかも本体であ
る連続繊維補強プラスチック製の棒状材料の受ける軸方
向の力に対して充分抵抗できる連続繊維補強プラスチッ
ク製の管体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、連続繊維補強プラスチック製の棒状材料
を接合又は定着するために用いる連続繊維補強プラスチ
ック製の管体であって、該管体と、該管体に挿入した棒
状材料の端部間に膨張性充填材が充填され、該管体の構
造は主として管軸方向に作用する力に抵抗するため管軸
方向に対する角度αが−45°≦α≦45°となるよう
に繊維を配した内層と、主として円周方向に作用する力
に抵抗するため管軸方向に対する角度αが−45°>α
≧−90°又は45°<α≦90°となるように繊維を
配した外層との積層構造とし、該積層構造の外層におい
て複数層に細分された層の内側の方の層の円周方向の弾
性率を外側の方の層の円周方向の弾性率より低い値と
し、前記外層内で応力の均一化を図った連続繊維補強プ
ラスチック製の管体に係る。本発明において、連続繊維
補強プラスチック製の管体の受ける膨張性充填材による
膨張圧力と連続繊維補強プラスチック製の棒状材料から
伝えられる管軸引張力に対して、内層と外層との二つの
積層によって対抗する。このことを説明すると、単一の
層により連続繊維補強プラスチック製の管体を形成し、
管軸方向(α=0°方向、αについては、図3参照)に
のみ繊維を配した場合には、膨張性充填材により発生す
る膨張圧力が作用すると、管には円周方向の引張力が作
用するため、この円周方向の引張力に抵抗できず、管は
破裂する。また、円周方向(α=90°方向)にのみ繊
維を配した場合には、膨張性充填材により発生する膨張
圧力により、棒状材料と管体を一体化させることは可能
であるが、棒状材料に引張力が作用し、この引張力が管
体に作用すると、管体は管軸方向の引張力に抵抗するこ
とができず破断する。積層構造の外層において複数層に
細分化することについては、後述する。
【0006】本発明においては、図1(イ)に示すごと
く、連続繊維補強プラスチック製の管体1は内層2と外
層3の二つの積層を配し、この積層は、主として管軸方
向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層2と、主と
して円周方向に作用する力に抵抗する繊維を配した外層
3により形成される積層による。この配置を図1(ロ)
のごとく逆にし、主として円周方向に作用する力に抵抗
する繊維を配した方を内層4にし、主として管軸方向に
作用する力に抵抗する繊維を配した方を外層5とする
と、内層4に膨張力と引張力とが同時に作用することと
なり、この場合の外層5に引張力は有効に伝達されず、
内層4と外層5間で剥離を生じ、管体は継手性能を発揮
することはできない。かかる知見により、本発明におい
ては、内層と外層とを上述のように配する。なお、内層
と外層の二層ということについて述べたが、このことは
本発明は二層に限定することを意味するものではない。
すなわち、上述した二層の外方に、同じ配置の順序で、
主として管軸方向に作用する力に抵抗する繊維を配した
内層と、主として円周方向に作用する力に抵抗する繊維
を配した外層との二つの層を、繰り返して付加的に積層
する等の場合も、本発明の適用、実施の範囲に属する。
連続繊維補強プラスチック製の管体に使用する繊維は、
棒状材料と同一の材料でも、異なった材料でもよいが、
炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維を用いる
ことができる。連続繊維を固化、形成するために使用す
る結合材は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニエ
ステル樹脂等の樹脂を目的に合わせて選定すればよい。
連続繊維補強プラスチック製の管体は、樹脂を含侵した
連続繊維を心棒に巻き付けて形成し、心棒の中心線と連
続繊維の繊維方向を変え、作用の異なる二層以上を巻き
付けて形成する方法でもよいし、予めシート状に形成し
た連続繊維補強プラスチック製のシートを心棒に巻き付
けて形成し、心棒の中心線と連続繊維の繊維方向を変
え、作用の異なる二層以上を巻き付けて形成する方法で
もよい。
【0007】また、本発明の連続繊維補強プラスチック
製の管体において、内層に配した繊維の管軸方向に対す
る角度αを、−45°≦α≦45°、外層に配した繊維
の管軸方向に対する角度αを、−45°>α≧−90°
又は45°<α≦90°とするこで、αは、図3に
おいて示すように、内層、又は外層に配した繊維の管軸
方向に対する角度であり、正確には、繊維が巻かれんと
する接平面で、繊維と管体の軸方向とのなす角度であ
る。また、各層の繊維の方向は、必ずしも単一の方向で
はなく、上述の範囲である限り、例えばFW法(フィラ
メント ワインディング法)による場合のように、同じ
層でも+5°と−5°との二つの方向によって、連続繊
維補強プラスチックの層が形成される場合もあり、それ
を含む。
【0008】また、本発明は、主として管軸方向に作用
する力に抵抗する繊維を配した内層と、主として円周方
向に作用する力に抵抗する繊維を配した外層との積層構
造の外周に接して、主として管軸方向に作用する力に抵
抗する繊維を配した内層と、主として円周方向に作用す
る力に抵抗する繊維を配した外層との積層構造を付加し
て設け、それぞれの内層に配した繊維の管軸方向に対す
る角度αを、―45°≦α≦45°、それぞれの外層に
配した繊維の管軸方向に対する角度αを、―45°>α
≧―90°又は45°<α≦90°とした連続繊維補強
プラスチック製の管体に係る。内層と外層からなる内側
の積層構造の外に外側の積層構造を設けることにより、
連続繊維補強プラスチック製の管体としての完全性を期
するためである。
【0009】また、本発明の連続繊維補強プラスチック
製の管体において、上述した内層及び、又は外層を一層
でなく、二層、若しくはそれ以上の複数層に細分し、該
細分された層に配された繊維の管体の軸線に対する角度
αが該細分された層間で同一又は相異なるようにする
また、本発明は、上述した連続繊維補強プラスチック製
の管体と該管体に挿入した棒状材料の端部間に膨張性充
填材を充填し、該棒状材料を定着又は接合するようにす
。ここで、定着とは、棒状材料を管体を介して、構造
物、基礎等の他の物に固定する場合であり、また接合と
は、管体を介して、二つの棒状体を相互に固定する場合
(図4参照)である。
【0010】本発明において、上述したように、内層と
外層とからなる内側の積層構造の外周に接して、内層と
外層とからなる外側の積層構造を付加して設ける場合、
該内側の積層構造における外層の円周方向の弾性率を該
外側の積層構造における外層の円周方向の弾性率より低
い値とすることが好ましい。積層構造の外層間での円周
方向の応力の均一化を図るためである。本発明の管体の
材料は、上述したごとく、エポキシ樹脂等内に炭素繊維
等を配設したものであるので、繊維の配設方向の力に対
しては補強が施されている。すなわち、本発明の管体に
おいて内層は主として管軸方向に作用する力に対して、
また外層は主として円周方向に作用する力に対して対抗
する。ところが、本発明者は種々研究を重ねた結果、管
体の厚み方向には補強が施されていないため、内側の積
層構造の外層ほど大きい引張力が働き、外側の積層構造
の外層に比し負担が集中することになることが判明し
た。より内側の積層構造の外層における引張力を緩和す
ることが、管体全体の強度を確保するための支配的要因
となる。この方策として、内側の積層構造における外層
の円周方向の弾性率を、外側の積層構造における外層の
円周方向の弾性率より低い値とする。弾性率を低い値と
するには、積層構造の外層につき、繊維の種類を変えて
もよく、また同一系統(例えば、炭素繊維系)の繊維で
弾性率を変えてもよい。ここで、図5により、内層K
1、外層S1の内側の積層構造の外周に内層K2、外層
S2の外側の積層構造を付加して設けた場合を示す。図
5において、□印は内層K1とK2の管軸方向の弾性
率、及び外層S1とS2の円周方向の弾性率を同じく2
6000kgf/mm2 とした場合(ケース1)の円周
方向の応力、そして+印は内層K1とK2の管軸方向の
弾性率、及び外層S2の円周方向の弾性率を同じく26
000kgf/mm2 とし、外層S1の円周方向の弾性
率を13000kgf/mm2 とした場合(ケース2)
の円周方向の応力を示す。図5が示すように、外層S1
の弾性率を外層S2の弾性率より小さくすることによ
り、外層S1の円周方向の応力は緩和され、外層S1と
S2間で応力の均一化が図られる。外層の円周方向の弾
性率は、円周方向に作用する力に抵抗する繊維の巻き付
け角度、また繊維の体積率によっても変え、低くするこ
とができる。内層に配した繊維の管軸方向に対する角度
α、外層に配した繊維の管軸方向に対する角度αについ
ては上述したと同様である。
【0011】本発明において、積層構造の外層を複数層
に細分された層とする場合、内側の方の層の円周方向の
弾性率を外側の方の層の円周方向の弾性率より低い値と
することが好ましい。細分された層により形成される外
層内での円周方向の応力の均一化を図るためである。こ
こで、図6により、管体を内層Kと外層Sとの積層構造
とし、外層Sを二つの層に細分した場合を示す。図6に
おいて、実線は内層Kの管軸方向の弾性率、及び外層S
の円周方向の弾性率を同じく26000kgf/mm2
とした場合の円周方向の応力、点線は内層Kの管軸方向
の弾性率を26000kgf/mm2、及び外層Sの細
分された内側の層(中心26mm〜29mm)の円周方
向の弾性率を13000kgf/mm2 とし、外側の層
(29mm〜32mm)の円周方向の弾性率を2600
0kgf/mm2 とした場合の円周方向の応力を示す。
図6が示すように、外層Sの内側の層の弾性率を外側の
層の弾性率より小さくすることにより、外層Sの内縁側
の円周方向の応力は緩和され、外層S内で応力の均一化
が図られる。なお、このように弾性率を小さくすること
は、内層・外層の積層構造を同心的に2以上付加して設
ける場合、より内側の積層構造の外層ほど、適用するこ
とが効果的である。
【0012】
【作用】本発明では、連続繊維補強プラスチック製の管
体において、主として管軸方向に作用する力に抵抗する
繊維を配した内層と、主として円周方向に作用する力に
抵抗する繊維を配した外層との積層構造を有することに
より、外層は膨張性充填材の膨張圧力に対抗して内層を
管軸の中心方向に押圧して棒状材料に対して軸方向の動
きを確実に拘束し、内層は棒状材料の軸力を、一方の棒
状材料から他方の棒状材料に確実に伝達できるようにす
る。また、内層・外層の積層構造の外周に接して、内層
・外層の積層構造を付加して設けた場合、内側の積層構
造の外層の円周方向の弾性率を外側の積層構造における
外層の円周方向の弾性率より小さくすると、外層間での
円周方向の応力が均一化を図する。また、積層構造の外
層を複数層に細分した層とする場合、内側の方の層の円
周方向の弾性率を外側の方の層の円周方向の弾性率より
小さくすると、外層内の円周方向の応力が均一化する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)連続繊維プラスチック製の棒状材料は、炭
素繊維で補強された7本を撚り合わせて呼び径φ12.
5mmとしたものである。図1(イ)において、棒状材
料を結合する管体1は、エポキシ樹脂を含浸させた炭素
繊維からなり、内径φ25mm、外径φ35mm、長さ
400mmである。主として管軸方向に作用する力に抵
抗する繊維を配した内層2の厚みは、2.5mmであ
り、また主として円周方向に作用する力に抵抗する繊維
を配した外層3の厚みは、2.5mmである。ここで、
繊維の管軸方向に対する角度αは、内層で0°、外層で
90°である。図4に示すごとく、該管体の両端から前
記棒状材料10、11を挿入し、管体1と棒状材料1
0、11の間に膨張性充填材12として静的破砕材を充
填し、棒状材料10、11を接合した。本実施例につ
き、引張試験を行い、その結果耐力は14.2tであ
り、棒状材料は破断したが、管体は健全であった。な
お、図1(ロ)に示すごとく、比較のため、繊維の管軸
方向に対する角度αにつき、内層と外層の関係を上述と
は逆にする外は条件を同じくして、内層4、外層5の管
体1を製作し、試験したが、その結果耐力は5.8tで
あり、内層が破断し、棒状材料は抜け出した。
【0014】(実施例2)連続繊維プラスチック製の棒
状材料は、炭素繊維で補強された37本を撚り合わせて
呼び径φ30.0mmとしたものである。図1(イ)に
おいて、棒状材料を結合する管体1は、エポキシ樹脂を
含浸させた炭素繊維からなり、内径φ40mm、外径φ
60mm、長さ600mmである。主として管軸方向に
作用する力に抵抗する繊維を配した内層2の厚みは、6
mmであり、また主として円周方向に作用する力に抵抗
する繊維を配した外層3の厚みは、4mmである。ここ
で、繊維の管軸方向に対する角度αは、内層で+5°、
−5°、外層で+89.7°、−89.7°である。図
4に示すごとく、該管体の両端から前記棒状材料10、
11を挿入し、管体1と棒状材料10、11の間に膨張
性充填材12として静的破砕材を充填し、棒状材料1
0、11を接合した。本実施例につき、引張試験を行
い、その結果耐力は50.3tであり、棒状材料は破断
したが、管体は健全であった。なお、図1(ロ)に示す
ごとく、比較のため、繊維の管軸方向に対する角度αに
つき、内層と外層の関係を上述とは逆にする外は条件を
同じくして、内層4、外層5の管体1を製作し、試験し
たが、その結果耐力は32.5tであり、内層が破断
し、棒状材料は抜け出した。
【0015】(実施例3)連続繊維プラスチック製の棒
状材料は、炭素繊維で補強された37本を撚り合わせて
呼び径φ30.0mmとしたものである。棒状材料を結
合する管体1は、ポリエステル樹脂を含浸させたガラス
繊維からなり、内径φ40mm、外径φ60mm、長さ
600mmである。主として管軸方向に作用する力に抵
抗する繊維を配した内層2の厚みは、6mmであり、ま
た主として円周方向に作用する力に抵抗する繊維を配し
た外層3の厚みは、4mmである。ここで、繊維の管軸
方向に対する角度αは、内層で+5°、−5°、外層で
+89.7°、−89.7°である。該管体の両端から
前記棒状材料10、11を挿入し、管体と棒状材料の間
にエポキシ系の樹脂の接着剤を充填し、棒状材料を接合
した。本実施例につき、引張試験を行い、その結果耐力
は49.5tであり、棒状材料は破断したが、管体は健
全であった。
【0016】(実施例4)図2において、内層6と、外
層7との積層構造の外周に接して、同じく主として管軸
方向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層8と、主
として円周方向に作用する力に抵抗する繊維を配した外
層9との積層構造を付加して設けた場合について実施し
た。連続繊維プラスチック製の棒状材料は、炭素繊維で
補強された37本を撚り合わせて呼び径φ30mmとし
たものである。棒状材料を結合する管体は、エポキシ樹
脂を含浸させた炭素繊維からなり、内径φ40mm、外
径φ60mm、長さ600mmである。主として管軸方
向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層の厚みは、
3mm(内側の内層6)、3mm(外側の内層8)であ
り、また主として円周方向に作用する力に抵抗する繊維
を配した外層の厚みは、2mm(内側の外層7)、2m
m(外側の外層9)である。ここで、繊維の管軸方向に
対する角度αは、内層で+5°、−5°(内側の内層
6)、+5°、−5°(外側の内層8)、外層で+8
9.7°、−89.7°(内側の外層7)、+89.7
°、−89.7°(外側の外層9)である。該管体の両
端から前記棒状材料10、11を挿入し、管体と棒状材
料の間に膨張性充填材として静的破砕材を充填し、棒状
材料を接合した。本実施例につき、引張試験を行い、そ
の結果耐力は53.2tであり、棒状材料は破断した
が、管体は健全であった。なお、比較のため、繊維の管
軸方向に対する角度αにつき、二つの積層構造内での内
層と外層の関係を逆にする外は条件を同じくして、管体
を製作し、試験したが、その結果耐力は20.7tであ
り、最内層が破断し、棒状材料は抜け出した。
【0017】(実施例5)積層構造内での内層と外層と
を、それぞれ細分して、内層を二つの層、外層を二つの
層とした態様について実施例した。連続繊維プラスチッ
ク製の棒状材料は、炭素繊維で補強された37本を撚り
合わせて呼び径φ30mmとしたものである。棒状材料
を結合する管体1は、エポキシ樹脂を含浸させた炭素繊
維からなり、内径φ40mm、外径φ60mm、長さ6
00mmである。主として管軸方向に作用する力に抵抗
する繊維を配した内層の厚みは、3mm(内側の層)、
2mm(外側の層)、計5mmであり、また主として円
周方向に作用する力に抵抗する繊維を配した外層の厚み
は、3mm(内側)、2mm(外側)、計5mmであ
る。ここで、繊維の管軸方向に対する角度αは、内層で
+5°、−5°(内側の層)、+15°、−15°(外
側の層)、外層で+75°、−75°(内側)、+8
9.7°、−89.7°(外側)である。該管体の両端
から前記棒状材料10、11を挿入し、管体と棒状材料
の間に膨張性充填材として静的破砕材を充填し、棒状材
料10、11を接合した。本実施例につき、引張試験を
行い、その結果耐力は51.1tであり、棒状材料は破
断したが、管体は健全であった。
【0018】(実施例6)連続繊維強化プラスチック製
の棒状材料は、炭素繊維で補強された37本を撚り合わ
せて呼び径φ30.0mmとしたものである。図1
(イ)において、棒状材料を結合する管体1は、エポキ
シ樹脂を含浸させた炭素繊維からなり、内径φ40m
m、外径φ60mm、長さ400mmである。主として
管軸方向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層2の
厚みは6mmであり、また主として円周方向に作用する
力に抵抗する繊維を配した外層3は、使用する炭素繊維
の種類を変えた円周方向の弾性率がE=13000kg
f/mm2 である厚み2mm(外層3の細分された内側
の層)と円周方向の弾性率がE=26000kgf/m
2 である厚み2mm(外層3の細分された外側の層)
の厚み計4mmである。ここで、繊維の管軸方向に対す
る角度αは、内層で+5°、−5°、外層で+89.7
°、−89.7°である。図4に示すごとく、該管体1
の両端から前記棒状材料10、11を挿入し、管体1と
棒状材料10、11の間に膨張性充填材12として静的
破砕材を充填し、棒状材料10、11を接合した。本例
では、上記のごとく外層3の細分された内側の層の弾性
率を小さくして円周方向の応力の均一化が図られること
から、静的破砕材(酸化カルシウムを主成分とする膨張
材)を加熱養生して管体内の内部圧力を高めることが可
能である。本例において、静的破砕材を充填した後、2
4時間後から72時間後まで、60℃にて加熱養生を施
した。この加熱養生により静的破砕材によって発生する
内部圧力は1000kgf/cm2 となった。(因に、
弾性率を変えず、応力集中を懸念して加熱養生ができな
い場合、内部圧力は約500kgf/cm2 である。)
本実施例の管体につき、引張試験を行い、その結果耐力
は60.5tであり、棒状材料は破断したが、管体は健
全であった。本例において、実施例2に比し400mm
という短い管体を用いるが、加熱養生により静的破砕材
による内部応力を高め、強度的に支障なく管体の耐力を
向上することができた。
【0019】(実施例7)図2において、内層6と、外
層7との積層構造の外周に接して、同じく主として管軸
方向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層8と、主
として円周方向に作用する力に抵抗する繊維を配した外
層9との積層構造を付加して設けた場合について実施し
た。連続繊維プラスチック製の棒状材料は、炭素繊維で
補強された37本を撚り合わせて呼び径φ30mmとし
たものである。棒状材料を結合する管体は、エポキシ樹
脂を含浸させた炭素繊維からなり、内径φ40mm、外
径φ60mm、長さ400mmである。主として管軸方
向に作用する力に抵抗する繊維を配した内層の厚みは、
3mm(内側の内層6)、3mm(外側の内層8)であ
り、また主として円周方向に作用する力に抵抗する繊維
を配した外層は、使用する炭素繊維の種類を変えた円周
方向の弾性率がE=13000kgf/mm2 である2
mm(内側の外層7)と、円周方向の弾性率がE=26
000kgf/mm2 である2mm(外側の外層9)で
ある。ここで、繊維の管軸方向に対する角度αは、内層
で+5°、−5°(内側の内層6)、+5°、−5°
(外側の内層8)、外層で+70.0°、−70.0°
(内側の外層7)、+89.7°、−89.7°(外側
の外層9)である。該管体の両端から前記棒状材料1
0、11を挿入し、管体と棒状材料の間に膨張性充填材
として静的破砕材を充填し、棒状材料を接合した。本例
では、上記のごとく内側の外層6の弾性率を小さくして
円周方向の応力の均一化が図られることから、静的破砕
材(酸化カルシウムを主成分とする膨張材)を加熱養生
して管体内の内部圧力を高めることが可能である。本例
において、静的破砕材を充填した後、24時間後から7
2時間後まで、60℃にて加熱養生を施した。この加熱
養生により静的破砕材によって発生する内部圧力は10
00kgf/cm2 となった。(因に、弾性率を変え
ず、応力集中を懸念して加熱養生ができない場合、内部
圧力は約500kgf/cm2 である。)本実施例につ
き、引張試験を行い、その結果耐力は65.2tであ
り、棒状材料は破断したが、管体は健全であった。本例
において、実施例4に比し400mmという短い管体を
用いるが、加熱養生により静的破砕材による内部応力を
高め、強度的に支障なく管体の耐力を向上することがで
きた。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、切削性、非磁性、及び
耐蝕性を損なうことなく、棒状材料を接合又は定着する
ために、棒状材料とほぼ同じ耐力、若しくはそれ以上の
耐力を発揮できる連続繊維補強プラスチック製の管体及
びその使用方法を実現できる。また、従来のテーパー部
分を有さない連続繊維補強プラスチック製の管体を開発
し、またクサビ式では接合困難な連続繊維補強プラスチ
ック製の管体を用いた棒状連続繊維補強プラスチックの
接合を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例(イ)を説明する図である。
(ロ)は、比較のための図である。
【図2】本発明の他の実施例を説明する図である。
【図3】補強繊維の管軸方向に対する角度αを示す図で
ある。
【図4】棒状材料の接合を説明するために、管体を管軸
方向に切断して示す図である。
【図5】積層構造の外周に積層構造を付加した場合の内
側の積層構造の内層と外層、及び外側の積層構造の内層
と外層の円周方向の応力状態を示す図である。
【図6】内層と二つに細分された場合の外層の円周方向
の応力状態を示す図である。
【図7】従来の技術を示す図である。
【符号の説明】
1 管体 2 内層 3 外層 4 内層 5 外層 6 内層 7 外層 8 内層 9 外層 10 棒状材料 11 棒状材料 12 膨張性充填材 13 定着具 14 線材 15 膨張材 16 スパイラル状CFRP 17 より線状CFRP 18 スパイラル状CFRP
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−265055(JP,A) 特開 平2−96044(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 5/18 102 E04C 5/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維補強プラスチック製の棒状材料
    を接合又は定着するために用いる連続繊維補強プラスチ
    ック製の管体であって、該管体と、該管体に挿入した棒
    状材料の端部間に膨張性充填材が充填され、該管体の構
    造は主として管軸方向に作用する力に抵抗するため管軸
    方向に対する角度αが−45°≦α≦45°となるよう
    に繊維を配した内層と、主として円周方向に作用する力
    に抵抗するため管軸方向に対する角度αが−45°>α
    ≧−90°又は45°<α≦90°となるように繊維を
    配した外層との積層構造とし、該積層構造の外層におい
    て複数層に細分された層の内側の方の層の円周方向の弾
    性率を外側の方の層の円周方向の弾性率より低い値と
    し、前記外層内で応力の均一化を図った連続繊維補強プ
    ラスチック製の管体。
  2. 【請求項2】 連続繊維補強プラスチック製の棒状材料
    を接合又は定着するために用いる連続繊維補強プラスチ
    ック製の管体であって、該管体と、該管体に挿入した棒
    状材料の端部間に膨張性充填材が充填され、該管体の構
    造は主として管軸方向に作用する力に抵抗するため管軸
    方向に対する角度αが−45°≦α≦45°となるよう
    に繊維を配した内層と、主として円周方向に作用する力
    に抵抗するため管軸方向に対する角度αが−45°>α
    ≧−90°又は45°<α≦90°となるように繊維を
    配した外層との積層構造とし、前記内層と外層で構成す
    る内側の積層構造の外周に接して、さらに前記内層と外
    層で構成する外側の積層構造を付加して設け、該内側の
    積層構造における外層の円周方向の弾性率を該外側の積
    層構造における外層の円周方向の弾性率より低い値と
    し、前記外層間で応力の均一化を図った連続繊維補強プ
    ラスチック製の管体。
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