JP4302220B2 - 管状体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿、ゴルフクラブのシャフト、自転車のフレーム、スキーストック等に使用される管状体、詳しくは、炭素繊維の引き揃えシートに合成樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されて構成される管状体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の管状体としては、例えば、特開平7−68651号公報に示す如く、内面層、中間層、外面層が炭素繊維と樹脂とで管状に形成されてなると共に、内面層及び外面層は、PAN系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなり、中間層は、ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなる層を備えてなるものがある。
このような管状体は、ピッチ系炭素繊維とPAN系炭素繊維のそれぞれの欠点を補い合って、ピッチ系炭素繊維の高い剛性とPAN系炭素繊維の高い強度を合わせ持つという利点を有するものである。
【0003】
即ち、PAN系炭素繊維のみでは、機械的強度は高くなるものの、弾性率が低くなりすぎて、管状体全体として曲がりやすく張りのないものとなり、ピッチ系炭素繊維のみでは、剛性は高くなるものの、機械的強度の点で脆いものとなるが、上記構成により、管状体全体としては、機械的強度においてはピッチ系炭素繊維の影響を抑えてPAN系炭素繊維の機械的強度を発現させて、亀裂の発生等を抑えて強度の高いものに維持しながら、しかも、ピッチ系炭素繊維によって高剛性という特性を維持するというものである。
【0004】
ところで、このような管状体は、その用途によっては、取扱いの容易さを向上すべく、軽量のものが要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、管状体の軽量化を図るべく、巻回するプリプレグの樹脂含浸量を減少させると、補強繊維同士の接着が不十分となって、部分的に強度の低下、バラツキが発生して折れやすいものとなる。
従って、上記構成において、PAN系炭素繊維を用いたプリプレグには、強度低下防止と軽量化という相反する性能のバランスを取るべく、通常は、樹脂含浸量が35〜40重量%のもの、特に軽量化が重視されるものであっても、25重量%程度のものが使用されているのが現状である。
また、一般に、ピッチ系炭素繊維を用いたプリプレグの場合には、樹脂含浸量を少なくすると、強度が安定せず、管状体全体として強度低下が著しいものとなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、樹脂含浸量を減少させて軽量化されるとともに、軽量化の割に強度低下の少ない管状体を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが、PAN系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグに挟まれてなる構成においては、ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグの樹脂含浸量が23重量%以上であれば、著しい強度低下を抑えられること、及び前記構成においては、PAN系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグの樹脂含浸量が15〜23重量%のものは、樹脂含浸量が25重量%のものと比較して強度低下がほとんど発現されないことを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明にかかる管状体は、内面層A、中間層B、外面層Cが炭素繊維と樹脂とを有して管状に形成されてなると共に、内面層A及び外面層Cは、それぞれPAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9が巻回されてなり、中間層Bは、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7が巻回されてなる層を備えてなる管状体において、
前記ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量が23重量%以上であり、前記内面層A及び前記外面層Cを構成する前記PAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9の少なくとも一つは、樹脂含浸量が15〜23重量%であり、各プリプレグ5、6、7、8が、巻回前は互いに摺動移動自在に重ね合わされた状態とされ、巻回時に互いに圧着されながらマンドレル4に巻回されて成形されてなることを特徴とする。
【0009】
上記構成からなる管状体にあっては、前記ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量を23重量%以上とすることにより、著しい強度低下が防止されたものとなる。
しかも、前記内面層A及び前記外面層Cを構成するPAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9の少なくとも一つを、樹脂含浸量が15〜23重量%とすることにより、かかるプリプレグの樹脂含浸量を25重量%としたものと比較して、強度の低下がほとんどなく、軽量化の図られた管状体となるのである。
【0010】
また、本発明にかかる管状体にあっては、請求項2記載の如く、前記ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量が25〜70重量%であるもの、好ましくは、請求項3記載の如く、25〜40重量%であるものであってもよい。
樹脂含浸量を25重量%以上とすることにより、中間層Bでは、ピッチ系炭素繊維2を接着するための樹脂量が確保されて、著しい強度低下のない管状体となる。
しかも、70重量%以下とすることにより、管状体が撓った際、管状体内部において繊維とマトリックス樹脂とが相対的にずれることが防止され、大撓りした場合でも、外見上破損していない状態で元の状態(例えば、真直な状態)にまで戻らないという現象、即ち塑性変形して元に戻らない現象を発現する虞も少ない管状体となるのである。
特に、40重量%以下とすることにより、軽量化が図られると共に、ピッチ系炭素繊維の特性が生かされて、張りのある管状体となるのである。
【0011】
さらに、請求項4記載の如く、前記ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7が、ピッチ系炭素繊維2が芯方向S2に指向するように巻回されてなるものであってもよい。
ピッチ系炭素繊維2を芯方向S2に指向させることにより、高弾性というピッチ系炭素繊維2の特性を生かして、伸びや撓りの少ない、張りのある管状体となるのである。
【0012】
また、本発明にかかる管状体にあっては、請求項5記載の如く、前記内面層Aが、複数の層から構成されてなり、該複数の層の内の少なくとも一層は、PAN系炭素繊維1が方向S1に指向してなるものであってもよい。
かかる構成を採用することにより、高強度というPAN系炭素繊維1の特性を生かして、押圧力や圧縮力を受けやすい内面層Aが強化され、圧縮潰れや変形が防止された管状体となるのである。
【0013】
さらに、本発明にかかる管状体にあっては、請求項6記載の如く、前記PAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9の内、樹脂含浸量が15〜23重量%のプリプレグは、PAN系炭素繊維1が芯方向S2に指向するように巻回されてなるものが好ましい。
このように構成することで、撓りの少ない、張りのある管状体となるのである。
【0014】
本発明において、PAN系炭素繊維1とは、ポリアクリロニトリルファイバーを焼成して形成したものを意味し、ピッチ系炭素繊維2とは、石油、石炭のタールを焼成して形成したものを意味する。
通常、PAN系炭素繊維1としては、弾性率が15〜60トン/mm2で、引っ張り強度が400kg/mm2以上のものを使用し、ピッチ系炭素繊維2としては、弾性率が40〜95トン/mm2で、引っ張り強度が240〜400以下のものを使用することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる管状体の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
本実施形態の管状体は、基本的には、図1、図2に示す如く、複数のプリプレグ5、6、7、8、9がマンドレル4に巻回されて成型され、内面層A、中間層B、外面層Cを備えた積層状の管状体である。
【0017】
図1において、5は、弾性率が30〜40トン/mm2 のPAN系炭素繊維1に、マトリックス用の樹脂としてエポキシ樹脂3を含浸させてなる樹脂含浸量が25〜45重量%で厚さが0.01〜0.1mmの範囲内の値を成すシート状のプリプレグであり、該プリプレグ5は、前記PAN系炭素繊維1が概ね管状体の周方向S1に指向するようにマンドレル4に巻回されて内面層Aの最も内側の層A1を構成するものである。
また、6は弾性率が30〜50トン/mm2 のPAN系炭素繊維1にエポキシ樹脂3を含浸させたシート状のプリプレグで、該プリプレグ6は、樹脂含浸量が20重量%で、厚さが0.05〜0.2mmの値を成すものである。
そして、前記プリプレグ6は、前記PAN系炭素繊維1が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するようにマンドレル4に巻回されて、内面層Aの内側から2番目の層A2を構成するものである。
【0018】
さらに、7は、弾性率が50〜90トン/mm2のピッチ系炭素繊維2に、エポキシ樹脂3を含浸させたシート状のプリプレグであり、該プリプレグ7は、樹脂含浸量が25重量%、厚さが0.1〜0.2mmの値を成すものである。
そして、前記ピッチ系炭素繊維2が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するようにマンドレル4に巻回されて、中間層Bを構成する。
また、8はPAN系炭素繊維1にエポキシ樹脂3を含浸させたシート状のプリプレグで、該プリプレグ8は、樹脂含浸量が20重量%で厚さが0.05〜0.2mmの値を成すものである。
そして、前記プリプレグ8は、前記PAN系炭素繊維1が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するようにマンドレル4に巻回されて、外面層Cの外側から2番目の層C1を構成する。
【0019】
これらの各プリプレグ5、6、7、8は、巻回始端が揃う如く、予め重ねられてマンドレル4に巻回されたものである。
尚、巻回前は、各プリプレグ5、6、7、8は、互いに圧着することなく、互いに摺動移動自在にソフトに重ね合わせた状態とし、巻回時に互いに圧着しながら巻回するものである。
このように巻回することで、相互に前もって圧着したものを巻回する場合の如く、互いの圧着部分が無理に摺動移動させられて、しわ状となって空気が入り込むことによりボイドが発生し、該ボイドの発生によって管状体が弱体化するという問題が解消され、各巻回層間の全体に亘って隙間のほとんどない、理想的な密着状態となるのである。
【0020】
また、図2において、9は外面層Cの最も外側の層C2を構成するテープ状のプリプレグであって、例えば、弾性率が30〜40トン/mm2のPAN系炭素繊維1が3000本からなるトウを、トウ1本当たり0.5〜10mmの幅に引き揃えて、樹脂含浸量が25〜45重量%となるようにエポキシ樹脂3を含浸させてなる、PAN係炭素繊維1が一方向に指向したシート状のプリプレグを、前記PAN系炭素繊維1の指向方向に沿って5mm幅に細裂したスリットテープである。
このスリットテープ9は、上述の如くマンドレル4にシート状のプリプレグが圧着巻回されたものの上から、前記スリットテープ9の両側が突き合わされて面一となる状態で、PAN系炭素繊維1が概ね周方向S1に指向する様に、螺旋状に巻回されている。
【0021】
そして、このように各プリプレグ5、6、7、8、9が巻回されたものは、図示しないが、成型用のポリエステルテープ、ポリプロピレンテープ、ナイロンテープ、又はそれらの複合されたテープ等の成型用テープを適宜圧力調整しながら巻回した後、焼成して、本実施形態の管状体となるのである。
【0022】
このように成型された管状体は、図3(イ)、(ロ)に示す如く、二層からなる内面層Aと外面層C、一層のみからなる中間層Bを備えた5層構造の管状体であり、前記内面層Aは、PAN系炭素繊維1が周方向S1に指向する最も内側の層A1とPAN系炭素繊維1が軸芯方向に指向する内側から2番目の層A2とで構成され、前記中間層Bは、中央にピッチ系炭素繊維2が軸芯方向S2に指向する層で構成され、前記外面層Cは、PAN系炭素繊維1が周方向S1に指向する最も外側の層C2とPAN系炭素繊維1が軸芯方向に指向する外側から2番目の層C1とで構成されてなる。
【0023】
このように構成された管状体は、必要に応じて塗装が施されて、釣竿、スキーのストック、ゴルフクラブのシャフト等になるのである。
【0024】
尚、本実施形態の管状体は、上記の如く構成されてなるので、以下の利点を有するものである。
即ち、本実施形態においては、ピッチ系炭素繊維2が軸芯方向S2に指向した中間層BとPAN系炭素繊維1が軸芯方向S2に指向した層A2、C1とを備えて構成されるので、ピッチ系炭素繊維2の層Bにより高弾性で張りのある管状体になると共に、繊維の指向方向が軸芯方向S2であるPAN系炭素繊維1の層A2、C1により、撓りや軸芯方向S2の伸びに対して強度が補強されて、高強度な管状体となるのである。
しかも、前記ピッチ系炭素繊維2が軸芯方向S2に指向した層Bは、PAN系炭素繊維1が軸芯方向S2に指向した層A2、C1によって内側と外側から挟まれているので、ピッチ系炭素繊維2の層Bは、内側の層と外側の層との対称軸となり、撓る方向によって強度変化の少ないバランスのとれた管状体となるのである。
【0025】
さらに、内面層Aの最も内側の層A1と外面層Cの最も外側の層C2は、PAN系炭素繊維1によって構成されると共に、繊維の指向方向が周方向S1であるので、管状体が撓った場合等のように、断面を楕円形に押しつぶされるような変形を受ける場合でも、圧縮力及び引っ張り力を受けやすい最も内側の層A1と最も外側の層C2は、指向方向が周方向S1のPAN系炭素繊維1によって、圧縮潰れや変形が防止されることになる。
またさらに、樹脂含浸量の少ない層(樹脂含浸量が20重量%の層)(A2、C1)によって軽量化が図られると共に、かかる層が表面に表れないので、表面割れの虞も少ない管状体となるのである。
【0026】
また、本実施形態において、ピッチ系炭素繊維2の層Bは、管状体の内面から外面までの略中央に位置されてなるので、ピッチ系炭素繊維2による撓りに対する脆さの影響がほとんど解消された管状体となるのである。
即ち、上述の如く、管状体が撓って、断面が楕円形に押し潰されるような変形を受ける場合、内面が圧縮力を受ける部分では、外面は引っ張り力を受け、内面が引っ張り力を受ける部分では、外面は圧縮力を受けることになるが、いずれの部分においても、ピッチ系炭素繊維2の層Bは、管状体の内面から外面までの略中央に位置されているため、撓りによる圧縮や引っ張りをほとんど受けず、撓りに対する脆さが最小限に抑えられることになるのである。
【0027】
また、本実施形態においては、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量が25重量%であるので、著しい強度低下が防止されるとともに、大きく撓った場合でも、繊維と樹脂とが相対的にずれることが防止されて、塑性変形して元に戻らないという現象を発現する虞も非常に少ない管状体となるのである。
【0028】
尚、上記本実施形態の管状体は、上記構成からなり、上述の如き利点を有するものであったが、本発明にかかる管状体は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
【0029】
例えば、上記実施形態においては、PAN系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグであって、内面層Aの内側から2番目の層A2を構成するプリプレグ6及び外面層Cの外側から2番目を構成するプリプレグ8を、樹脂含浸量が20重量%とするものであったが、本発明においては、内面層Aを構成するプリプレグ5、6及び外面層Cを構成するプリプレグ8、9のいずれか一つを、樹脂含浸量が15〜23重量%とするものであってもよいのである。
但し、前記プリプレグ5、6、8、9の2つ以上を、樹脂含浸量が15〜23重量%とするものは、いずれか一つの場合に比して、効果的に軽量化が図られた管状体となるのである。
【0030】
また、上記実施形態においては、外面層Cの最も外側の層C2は、前記スリットテープ9が巻回されて構成されたが、本発明にかかる管状体の最も外側の層C2は、スリットテープ9が巻回されてなる層を備えてなるものに限定されず、図4に示す如く、スリットテープ9を用いずにシート状のプリプレグ巻回されてなるものであっても本発明の意図する範囲内である。
かかる構成を採用することにより、成型時、スリットテープ9の多数回にわたる巻回作業を省略でき、全体として製造工程を簡略化することができる。
尚、外面層Cにシート状のプリプレグ巻回する場合、PAN系炭素繊維1が周方向S1に指向する様に巻回してもよく、軸芯方向S2に指向する様に巻回してもよく、又、軸芯方向S2に対して角度がつくように巻回してもよいのである。
【0031】
さらに、上記実施形態において、中間層Bは一層に形成されたが、本発明の管状体は、中間層Bが一層のものに限定されるものではなく、二層でも、三層以上であってもよいのである。
中間層Bが複数層ある場合、少なくとも一層は、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7が巻回されてなる層であれば、他の層は、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなる層であっても、PAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなる層であっても、又、ガラス繊維等の他の繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなる層であっても本発明の意図する範囲内である。
この場合、前記他の層を構成するプリプレグは、繊維方向が周方向S1に指向する様に巻回してもよく、軸芯方向S2に指向する様に巻回してもよく、又、軸芯方向S2に対して角度がつくように巻回してもよいのである。
【0032】
また、外面層C、内面層Aは、それぞれ二層によって構成されたが、本発明においては、外面層C、内面層Aは、かかる構成に限定されるものではなく、一層であっても、三層以上であっても本発明の意図する範囲内である。外面層C又は内面層を一層とする場合、かかる一層の炭素繊維は、軸芯方向S2に指向するものであっても、周方向S1に指向するものでも、軸芯方向に対して角度がつく方向に指向するものであっても良いのである。
但し、圧縮潰れや、変形防止の観点から、炭素繊維の指向方向は、周方向S1であることが好ましい。
【0033】
尚、上記実施形態においては、樹脂としてエポキシ樹脂3を用いたが、本発明において、樹脂は、エポキシ樹脂3に限定されるものではなく、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等であってもよいのである。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる管状体にあっては、前記ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグの樹脂含浸量を23重量%以上とすることにより、著しい強度低下が防止されたものとなり、しかも、内面層及び外面層を構成するPAN系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグの少なくとも一つを、樹脂含浸量を15〜23重量%とすることにより、樹脂含浸量を25重量%としたものと比較して、軽量化が図られると共に、軽量化の割に強度低下のほとんどない管状体となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の管状体の製造状態で、シート状のプリプレグを巻回する状態を示す斜視図。
【図2】同実施形態の管状体の製造状態で、テープ状のプリプレグ(スリットテープ)を巻回する状態を示す斜視図。
【図3】(イ)は、同実施形態の管状体で、破断部Dを含む側面図。
(ロ)は、(イ)に示す破断部Dの拡大図。
【図4】多実施形態の管状体の製造状態、シート状のプリプレグを巻回する状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1・・・PAN系炭素繊維、2・・・ピッチ系炭素繊維、5、6、7、8・・・プリプレグ、9・・・プリプレグ(スリットテープ)
S1・・・周方向、S2・・・軸芯方向
A・・・内面層、B・・・ピッチ系炭素繊維が軸芯方向に指向した層(中間層)、C・・・外面層

Claims (6)

  1. 内面層(A)、中間層(B)、外面層(C)が炭素繊維と樹脂とを有して管状に形成されてなると共に、内面層(A)及び外面層(C)は、それぞれPAN系炭素繊維(1)に樹脂を含浸させたプリプレグ(5、6、8、9)が巻回されてなり、中間層(B)は、ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプレグ(7)が巻回されてなる層を備えてなる管状体において、
    前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプレグ(7)の樹脂含浸量が23重量%以上であり、前記内面層(A)及び外面層(C)を構成するPAN系炭素繊維(1)に樹脂を含浸させたプリプレグ(5、6、8、9)の少なくとも一つは、樹脂含浸量が15〜23重量%であり、各プリプレグ(5、6、7、8)が、巻回前は互いに摺動移動自在に重ね合わされた状態とされ、巻回時に互いに圧着されながらマンドレル(4)に巻回されて成形されてなることを特徴とする管状体。
  2. 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプレグ(7)の樹脂含浸量が25〜70重量%である請求項1記載の管状体。
  3. 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプレグ(7)の樹脂含浸量が25〜40重量%である請求項1記載の管状体。
  4. 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプレグは、ピッチ系炭素繊維(2)が芯方向(S2)に指向するように巻回されてなる請求項1乃至3記載の管状体。
  5. 前記内面層(A)は、複数の層から構成されてなり、該複数の層の内の少なくとも一層は、PAN系炭素繊維(1)が方向(S1)に指向してなる請求項1乃至4記載の管状体。
  6. 前記PAN系炭素繊維(1)に樹脂を含浸させたプリプレグ(5、6、8、9)の内、樹脂含浸量が15〜23重量%のプリプレグは、PAN系炭素繊維(1)が芯方向(S2)に指向するように巻回されてなる請求項1乃至5記載の管状体。
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