JP2008249021A - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維強化複合材で補強された圧力容器の耐久性を高める。
【解決手段】ライナ102と、繊維強化複合材を巻き付けた複数の複合材層と複数の複合材層に挟まれた耐熱性シートを含む外殻部106と、を備える圧力容器とする。
【選択図】図1
【解決手段】ライナ102と、繊維強化複合材を巻き付けた複数の複合材層と複数の複合材層に挟まれた耐熱性シートを含む外殻部106と、を備える圧力容器とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維強化複合材で補強された圧力容器に関する。
天然ガスや液化ガス等を収納するために圧力容器が用いられている。圧力容器としては、例えば、アルミニウム等の軽金属やその合金、又は、強化プラスチック等で構成されたライナに、カーボン繊維やガラス繊維等にエポキシ樹脂等の熱硬化樹脂を含浸した繊維強化複合材を巻き付けて硬化させたものが知られている。
例えば、特許文献1には、円筒状の容器の胴体部を繊維強化複合シートで補強した圧力容器が開示されている。この技術では、一方向に配列したフィラメントに樹脂を含浸させた繊維強化複合シートを、フィラメントが胴体部の軸方向と直角となるように巻き付けて硬化させる。
繊維強化複合材で補強された圧力容器は、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を数層から数十層ほどライナに巻き付け、その後、樹脂を硬化させて制作される。このようなフィラメント・ワインディング法(FW法)において、繊維強化複合材をライナに巻き付ける際に繊維強化複合材に張力が掛かり、この張力による巻き締め作用によって含浸させた樹脂が繊維から染み出してしまうことがある。これにより、積層させた繊維強化複合材の内層ほど体積当りの繊維の比率(繊維体積含有率:Vf)が高くなってしまう傾向がある。特に、圧力容器の使用圧力が高圧になるほど、補強用の繊維強化複合材の層を厚くする必要があり、内層のVfがより高くなる傾向がある。
最も大きな圧力が掛る内層のVfが高過ぎると圧力容器の疲労耐久性が大幅に低下し、圧力容器が破損するおそれもある。
一方、内層のVfを下げるために繊維強化複合材の巻き付け張力を抑えた場合、圧力容器の外径が大きくなってしまう。したがって、圧力容器を車両等に搭載する場合に、圧力容器の設置スペースが大きくなってしまうという問題を生ずる。
本発明は、上記課題を鑑み、より適切に繊維強化複合材で補強された圧力容器を提供することを目的とする。
本発明は、ライナに繊維強化複合材を巻き付けて構成された圧力容器であって、繊維強化複合材を巻き付けた複合材層が、耐熱性シートを挟んで複数設けられていることを特徴とする。
上記本発明における圧力容器は、ライナに繊維強化複合材を巻き付けて第1複合材層を形成する第1のステップと、前記第1複合材層の少なくとも一部を耐熱性シートにより被う第2のステップと、前記耐熱性シートの少なくとも一部に繊維強化複合材を巻き付けて第2複合材層を形成する第3のステップと、を備えることを特徴とする圧力容器の製造方法により製造することができる。
ここで、前記繊維強化複合材は、熱硬化性樹脂が含浸されたカーボン繊維又はガラス繊維とすることができる。また、前記耐熱性シートは、前記熱硬化性樹脂を透過しない材料からなることが好適である。また、前記耐熱性シートは、半硬化状のプリプレグシートやアルミを含んで構成されることが好適である。
本発明によれば、繊維強化複合材で補強された圧力容器の耐久性を高めることができる。
本発明の実施の形態における圧力容器100は、図1の断面図に示すように、ライナ102、口金部104及び外殻部106を備える。
ライナ102は、圧力容器100の基本的な外形を構成する部材である。ライナ102は、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリイミド等のプラスチック材料、アルミニウム等の軽金属やその合金等を主材料として構成される。ライナ102は、円筒状の胴体部10、胴体部10の両端において口金部104と共にドーム部を構成する端部12a,12bを含んで構成される。端部12a,12bは、胴体部10の両端部において胴体部10と接続されて、ライナ102は一体に形成されている。
口金部104は、圧力容器100の両端部のドーム部の一部を構成する。口金部104は、一般的に金属を主材料として構成される。口金部104は、中心部に外側へ突出するボス部20を有する。ボス部20には、その中心軸を貫通するようにねじ孔22が形成されている。ねじ孔22は、ライナ102の内部と外部とを連通させるように設けられている。ねじ孔22には、止栓24やバルブ26が取り付けられる。
外殻部106は、図2の部分拡大図に示すように、複数の繊維強化複合材層30と、繊維強化複合材層30に挟まれた耐熱性シート32と、によって構成される。図2は、図1における範囲Aを拡大した図であり、理解を容易にするために繊維強化複合材層30における繊維の密度の変化を模式的に図示している。
繊維強化複合材層30は、ガラス繊維(グラスファイバ:GF)やカーボン繊維(カーボンファイバ:CF)等の繊維にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化複合材を主材料として構成される。マトリックス樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、又は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。繊維強化複合材層30は、繊維強化複合材をヘリカル巻層、フープ巻層、レーベル巻層等の巻き方でライナ102及び口金部104の外面を被うように巻き付けて形成される。
耐熱性シート32は、アルミ等の金属又は合金のシート、繊維強化複合材を半硬化させたプリプレグシートにより構成される。耐熱性シート32は、図2に示すように、1段目の繊維強化複合材層30−1と2段目の繊維強化複合材層30−2との間に挟み込まれるように設けられる。
なお、本実施の形態では、繊維強化複合材層30を2段としたがこれに限定されるものではなく、繊維強化複合材層30を3段以上設け、それぞれの繊維強化複合材層30の間に耐熱性シート32を挟み込む構成としてもよい。繊維強化複合材層30−1は1mm以上10mm以下程度の膜厚とし、2段目以降の繊維強化複合材層30−2は10mm以上200mm以下の膜厚とし、耐熱性シート32は1mm以上10mm以下程度の膜厚とすることが好ましい。
以下、圧力容器100の製造方法について図3を参照しつつ説明する。以下で説明する工程に入る前に、ライナ102と口金部104とは一体に形成されているものとする。
第1工程では、ライナ102及び口金部104によって構成される内殻部に繊維強化複合材を巻き付けて繊維強化複合材層30を形成する。繊維強化複合材を巻き付ける処理には、フィラメント・ワインディング法を適用することができる。フィラメント・ワインディング法とは、繊維強化複合材の成形法の一つであり、樹脂を含浸させた強化繊維をライナ102及び口金部104からなる内殻(中空円筒形の成形型)に巻き付けて成形する方法である。ライナ102側を回転させる方式とクリールと呼ばれる巻き付けヘッドを回転させる方式がある。繊維強化複合材はボビン(図示しない)から供給される。巻き付けパターンには、ヘリカル巻層、フープ巻層、レーベル巻層等があり、巻き付けパターンにより繊維強化複合材層30の引っ張り強さなどの機械的特性を調整することができる。また、繊維強化複合材を5N以上40N以下の張力で巻き付けて繊維強化複合材層30を形成することが好適である。
本実施の形態では、第1工程において繊維強化複合材を5層巻き付けて1段目の繊維強化複合材層30−1を形成する。
第2工程では、繊維強化複合材の巻き付けを一旦中断し、耐熱性シート32で繊維強化複合材層30の表面を被覆するラップ処理を行う。ラップ処理は、圧力容器100の外面を耐熱性シート32で一括して覆う方法(図3の2−1)であってもよいし、圧力容器100を回転させながら耐熱性シート32のリボンを繊維強化複合材層30の表面に順次巻き付ける方法(図3の2−2)であってもよい。前者の場合、処理時間を短縮することができるが、ドーム状の端部12a,12b及び口金部104を均一に被覆するために耐熱性シート32の形状を工夫する必要がある。後者の場合、ドーム状の端部12a,12b及び口金部104を均一に被覆することができるが、処理に時間が掛り、巻き付けた耐熱性シート32のリボンの隙間から樹脂が染み出すおそれがある。
第3工程では、耐熱性シート32の表面を繊維強化複合材層30で被覆する処理を行う。ここでは第1工程と同様にフィラメント・ワインディング法を適用することができる。本実施の形態では、第3工程において繊維強化複合材を25層巻き付けて2段目の繊維強化複合材層30−2を形成する。
第4工程では、繊維強化複合材層30の硬化処理を行う。1段目の繊維強化複合材層30−1、耐熱性シート32、2段目の繊維強化複合材層30−2からなる外殻部106を硬化炉により硬化させる。硬化炉における加熱処理は、樹脂の種類に応じて100℃以上150℃以下の温度範囲で1時間以上10時間以下行うことが好適である。
以上のように形成された圧力容器100は、従来の圧力容器に比べて1段目の繊維強化複合材層30−1の内層のVfを数%程度低下させることができる。これにより、圧力容器100の加圧疲労耐久性を大幅に向上することができる。
また、最も大きな応力が発生する1段目の繊維強化複合材層30−1のVfを低下させることによって、圧力容器100の外殻部106の肉厚を必要以上に増大させる必要がない。したがって、圧力容器100を車両等に搭載する場合においても設置スペースが大きくならない。
なお、本実施の形態では、繊維強化複合材層30を2段としたが、上記第1工程と第2工程を繰り返すことによって繊維強化複合材層30を3段以上とすることもできる。
10 胴体部、12a,12b 端部、20 ボス部、22 ねじ孔、24 止栓、26 バルブ、30 繊維強化複合材層、32 耐熱性シート、100 圧力容器、102 ライナ、104 口金部、106 外殻部。
Claims (10)
- ライナに繊維強化複合材を巻き付けて構成された圧力容器であって、
繊維強化複合材を巻き付けた複合材層が、耐熱性シートを挟んで複数設けられていることを特徴とする圧力容器。 - 請求項1に記載の圧力容器であって、
前記繊維強化複合材は、熱硬化性樹脂が含浸されたカーボン繊維又はガラス繊維であることを特徴とする圧力容器。 - 請求項2に記載の圧力容器であって、
前記耐熱性シートは、前記熱硬化性樹脂を透過しない材料からなることを特徴とする圧力容器。 - 請求項3に記載の圧力容器であって、
前記耐熱性シートは、半硬化状のプリプレグシートであることを特徴とする圧力容器。 - 請求項3に記載の圧力容器であって、
前記耐熱性シートは、アルミを含んで構成されることを特徴とする圧力容器。 - ライナに繊維強化複合材を巻き付けて第1複合材層を形成する第1のステップと、
前記第1複合材層の少なくとも一部を耐熱性シートにより被う第2のステップと、
前記耐熱性シートの少なくとも一部に繊維強化複合材を巻き付けて第2複合材層を形成する第3のステップと、
を備えることを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 請求項6に記載の圧力容器の製造方法であって、
前記繊維強化複合材は、熱硬化性樹脂が含浸されたカーボン繊維又はガラス繊維であることを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 請求項7に記載の圧力容器の製造方法であって、
前記耐熱性シートは、前記熱硬化性樹脂を透過しない材料からなることを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 請求項8に記載の圧力容器の製造方法であって、
前記耐熱性シートは、半硬化状のプリプレグシートであることを特徴とする圧力容器の製造方法。 - 請求項8に記載の圧力容器の製造方法であって、
前記耐熱性シートは、アルミを含んで構成されることを特徴とする圧力容器の製造方法。
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