JP5993342B2 - 複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システム - Google Patents

複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システム Download PDF

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Description

本発明は、複合容器の製造方法、及び複合容器の製造システムに関する。
従来の複合容器の製造方法としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このような製造方法では、硬化性樹脂が含浸された複数の繊維束をライナに巻き付けた後、加熱により硬化性樹脂を熱硬化させている。
特開2008−304038号公報
ここで、上述のような複合容器の製造方法では、通常、容器壁面に空隙が形成されるのを抑制するために、巻き付けた繊維束から硬化性樹脂を染み出させ、この染み出させた硬化性樹脂によって複数の繊維束間の空隙を埋めることが図られる。しかしこの場合、例えば、繊維束から染み出した硬化性樹脂が隣接の繊維束に染み込み、当該隣接の繊維束から硬化性樹脂がさらに染み出すということが重畳され、複数の繊維束間に樹脂だまりが形成されるおそれがある。その結果、巻き付けた繊維束が硬化性樹脂に圧迫されてゆがんでしまうおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、巻き付けた繊維束のゆがみを抑制することができる複合容器の製造方法及び複合容器の製造システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る複合容器の製造方法は、強化層を備えた複合容器を製造する製造方法であって、複数の繊維束をライナの外面側に巻き付ける巻付け工程を備え、巻付け工程では、巻き付ける複数の繊維束のうち硬化性樹脂が含浸された第1繊維束を、当該第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように構成し、巻き付ける複数の繊維束のうち第1繊維束に隣接する第2繊維束を、当該第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が第2繊維束に染み込むように構成する。
また、本発明に係る複合容器の製造システムは、強化層を備えた複合容器を製造する製造システムであって、複数の繊維束をライナの外面側に巻き付けるための巻付け部を備え、巻付け部は、巻き付ける複数の繊維束のうち硬化性樹脂が含浸された第1繊維束を、当該第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように構成し、巻き付ける複数の繊維束のうち第1繊維束に隣接する第2繊維束を、当該第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が第2繊維束に染み込むように構成する。
これら本発明では、ライナに巻き付けられた複数の繊維束について、第1繊維束に隣接する第2繊維束からは硬化性樹脂が染み出さず、且つ、この第2繊維束に第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が染み込むようになっている。よって、第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が隣接の第2繊維束に染み込み、当該第2繊維束から硬化性樹脂がさらに染み出すことを抑制でき、複数の繊維束間に樹脂だまりが形成されるのを防止できる。従って、本発明によれば、染み出した硬化性樹脂によって巻き付けた繊維束が圧迫されるのを抑制し、当該繊維束のゆがみを抑制することが可能となる。
また、巻付け工程では、第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように、少なくとも第1繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定してもよい。また、巻付け工程では、第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が第2繊維束に染み込むように、少なくとも第2繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定してもよい。
また、巻付け工程では、第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように、少なくとも第1繊維束の硬化性樹脂の粘度を設定してもよい。また、巻付け工程では、第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が第2繊維束に染み込むように、少なくとも第2繊維束の硬化性樹脂の粘度を設定してもよい。
ここで、上記作用効果を好適に奏する場合として、具体的には、巻付け工程は、第1及び第2繊維束を含む複数の繊維束をライナの外面側に巻き付けて繊維束層を形成する工程と、繊維束層を形成する工程を繰り返し実施し、繊維束層をライナの外面側に積層する工程と、を有する場合がある。このとき、繊維束層を形成する工程では、ライナの外面側において第1及び第2繊維束が交互に並置されるように複数の繊維束を巻き付けてもよい。
本発明によれば、巻き付けた繊維束のゆがみを抑制することが可能となる。
第1実施形態に係る複合容器を示す一部断面図である。 第1実施形態に係る複合容器の製造システムの模式的な概念図である。 図2の製造システムにより巻き付けられた複数の繊維束の並びを示す平面図である。 図2の製造システムにより巻き付けられた複数の繊維束の並びを示す断面図である。 従来の繊維束におけるゆがみを説明する図である。 第2実施形態に係る複合容器の製造システムの模式的な概念図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る製造方法及び製造システムにより製造される複合容器を示す一部断面図である。図1に示すように、複合容器1は、水素や天然ガス等の燃料ガスを高圧で貯蔵するための容器である。この複合容器1は、例えば、全長が2〜4m、直径が400〜600mm程度に設定され、使用時には、20〜90MPa程度の圧力に耐えることが可能とされている。複合容器1は、その用途が限定されるものではなく、種々の用途で用いることができる。また、複合容器1は、据置き型として用いられてもよく、移動体に搭載されて用いられてもよい。
この複合容器1は、円筒状のライナ2と、ライナ2の外面側(外周面側)を覆うように設けられた強化層3と、を備えている。ライナ2の両端部2aはドーム状に形成されており、当該両端部2aの先端には、口金4が取り付けられている。
ライナ2の材料は特に限定されるものではないが、用途によっては、樹脂製又は金属製が選択される。樹脂製のライナ2としては、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形やブロー成形にて容器形状に賦形したものに、金属製の口金4を付けたものが挙げられる。金属製のライナ2としては、例えば、アルミニウム合金製や鋼鉄製等からなるパイプ形状や板形状をスピニング加工等にて容器形状に形成したものに、口金4の形状を形成したものが挙げられる。
強化層3は、ライナ2の外面側に熱硬化性樹脂が含浸された繊維束10を巻き付け、当該繊維束10を硬化炉で加熱し硬化させることによって形成される。熱硬化性樹脂の種類としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂又はアリル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、繊維束10としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、ポリエチレン繊維、スチール繊維、ザイロン繊維又はビニロン繊維等を用いることができ、ここでは、高強度で高弾性率且つ軽量な炭素繊維を用いている。また、本実施形態の繊維束10の繊維数(フィラメント)は、特に制限されるものではないが、1000〜50000フィラメント、好ましくは3000〜30000フィラメントの範囲とされ、ここでは、24000フィラメントとされている。
以上のように構成された複合容器1を製造する場合、まず、ライナ2の外面側に繊維束10を巻き付けることにより、ライナ2の外面側に複数層の繊維束層(繊維強化プラスチック層)を形成し、これにより、容器中間体を得る(巻付け工程)。形成する複数の繊維束層には、ライナ2に対して繊維束10を周方向に巻き付けてなるフープ層と、ライナ2に対して繊維束10を傾斜させた状態で周方向に取り囲むように巻き付けてなるヘリカル層と、が含まれている。
なお、容器中間体とは、製造過程における複合容器1を意図しており、ここでは、繊維束10の熱硬化性樹脂が熱硬化する前の状態のものを意図している(以下、同じ)。また、巻付け工程における巻付け方法は特に限定されないが、例えば、FW(フィラメントワインディング)法を採用することができる。
そして、上記巻付け工程の後、容器中間体を硬化炉で加熱することにより繊維束10の熱硬化性樹脂を硬化させ、これにより、強化層3を備えた複合容器1を得る。(硬化工程)。ちなみに、硬化工程は、上記巻付け工程を実行しているときに同時に行ってもよく、その場合、硬化炉による硬化を省略できる。
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態における上記巻付け工程(ワインディング時)の例について、詳説する。
図2は予め熱硬化性樹脂が含浸された繊維束(トウプリプレグ)を用いて巻付け工程を行う、いわゆるDry法で用いられる製造システムの模式的な概念図であり、図3は巻き付けられた複数の繊維束の並びを示す平面図であり、図4は巻き付けられた複数の繊維束の並びを示す断面図である。ここで、「トウプリプレグ」とは、繊維束に樹脂が含浸しているものである。
図2に示すように、本実施形態の製造システム100は、上記複合容器1を製造するものであって、上記巻付け工程で用いられる。この製造システム100は、熱硬化性樹脂を予め含浸させた繊維束10を巻廻した複数のボビン101を巻付け部として備え、ここでは、繊維束10〜10をそれぞれ巻廻したボビン101〜101を備えている。さらに、製造システム100は、巻き付けられる複数の繊維束10の通過位置を調整する束通過位置調整部102と、巻き付けられる複数の繊維束10をライナ2の軸方向に沿って移動させる移動部103と、繊維束10をライナ2で巻き取るように当該ライナ2を回転する回転機構(不図示)と、を巻付け部として備えている。
この製造システム100による製造方法では、ボビン101〜101から繊維束10〜10が供給され、これら繊維束10〜10は、束通過位置調整部102によって通過位置が調整されながら、移動部103及び回転機構の協働によってライナ2の外面側に巻き付けられ、これにより、ライナ2を覆うように繊維束層が形成される。このとき、図3に示すように、巻き付ける繊維束10〜10は、この順でライナ2の外面に沿って並ぶように配置される。そして、図4に示すように、このような繊維束層5の形成が繰り返し実施されて、例えば100〜200層で60mmの厚さを有する繊維束層5がライナ2の外面側に積層される。
ここで、本実施形態では、巻き付ける複数の繊維束10のうち、繊維束10,10,10(複数のうち奇数位置の繊維束10)について、含浸された熱硬化性樹脂が染み出すように構成された第1繊維束10Aとされている。一方、繊維束10,10,10(複数のうち偶数位置の繊維束10)について、含浸された熱硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束10Aから染み出した熱硬化性樹脂が染み込むように構成された第2繊維束10Bとされている。
具体的には、第1繊維束10Aは、含浸された熱硬化性樹脂が流出するように、当該熱硬化性樹脂の樹脂量が設定されている。上述したように、第1繊維束10Aは、予め用意されてボビン101,101,101に巻廻されている。ここでの第1繊維束10Aにおける熱硬化性樹脂の樹脂量(樹脂含有量(wt%))は、大樹脂量RCbigとされており、例えば下式(1)に示すように、後述の小樹脂量RClittleよりも多く且つ所定値αよりも少なくされている。
0 < RClittle < RCbig < α …(1)
一方、第2繊維束10Bでは、その熱硬化性樹脂が流出せず且つ第1繊維束10Aからの熱硬化性樹脂が流入するように、当該第2繊維束10Bの熱硬化性樹脂の樹脂量が設定されている。上述したように、第2繊維束10Bは、予め用意されてボビン101,101,101に巻廻されている。ここでの第2繊維束10Bにおける熱硬化性樹脂の(樹脂含有量(wt%))は、小樹脂量RClittleとされており、例えば上式(1)に示すように、0よりも多く且つ大樹脂量RCbigよりも少なくされている。
また、これら大樹脂量RCbig及び小樹脂量RClittleは、所定範囲βを含む下式(2)の関係を有している。なお、所定値α及び所定範囲βは、熱硬化性樹脂の染出し及び染込みに係る閾値であって、例えば実験上、経験上又は理論上から繊維束10の特性(材質等)に応じて設定することができる。例えば、所定値αは80(wt%)とされ、所定範囲βは20〜40(wt%)とされている。
(RCbig+RClittle)/2=β …(2)
これら第1及び第2繊維束10A,10Bは、図示するように、各繊維束層5それぞれにおいて、交互に並置されるように巻き付けられている。また、隣り合う繊維束層5間において、第1及び第2繊維束10A,10Bは、その少なくとも一部が互いに隣接するように配置されている。ちなみに、第1及び第2繊維束10A,10Bに含浸された熱硬化性樹脂の粘度は、熱硬化性樹脂の染出し及び染込みが可能となるように、所定粘度以下の低粘度とされている。
ところで、通常、ライナ2に巻き付けられた複数の繊維束ついては、含浸された熱硬化性樹脂が流動性を有するために繊維束の周囲に流出し、隣接の繊維束の内部に流入し、当該隣接する繊維束からさらに染み出する場合がある。その結果、図5(a)及び図5(b)に示すように、繊維束10’間に樹脂だまりが形成されて繊維束10’を圧迫されてしまう場合があり、繊維束10’にゆがみ(ばらけ、うねり、蛇行等を含む)が生じるおそれ、すなわち、複合容器1の強度が低下するような欠陥が生じるおそれがある。
この点、本実施形態では、第1繊維束10A及び第2繊維束10Bを互いに隣接させ、第1繊維束10Aからは熱硬化性樹脂を染み出す一方で、第2繊維束10Bからは熱硬化性樹脂が染み出さず、且つ、この第2繊維束10Bは、第1繊維束10Aから染み出した熱硬化性樹脂が染み込む(浸透する)ようになっている。よって、第1繊維束10Aからの熱硬化性樹脂が隣接の第2繊維束10Bに染み込んだとき、第2繊維束10Bに熱硬化性樹脂を留めることができ、当該第2繊維束10Bから熱硬化性樹脂がさらに染み出すのを抑制することが可能となり、複数の繊維束10間に樹脂だまりが形成されるのを防止できる。
従って、巻き付けた繊維束10が染み出した熱硬化性樹脂により圧迫されるのを抑制し、繊維束10のゆがみを抑制することが可能となる。その結果、複合容器1の性能を向上させることができる。また、第1繊維束10Aからは熱硬化性樹脂が染み出すため、当該染み出した熱硬化性樹脂によって繊維束10間の空隙を埋める役割を担保することもできる。
また、本実施形態では、上述したように、第1繊維束10Aに含浸される熱硬化性樹脂の樹脂量により、第1繊維束10Aから熱硬化性樹脂が染み出すように構成できる。また、第2繊維束10Bに含浸される熱硬化性樹脂の樹脂量により、第2繊維束10Bから熱硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束10Aから染み出した熱硬化性樹脂が第2繊維束10Bに染み込むように構成できる。
なお、このように、含浸させる熱硬化性樹脂の樹脂量によって当該熱硬化性樹脂の染出し及び染込みを調整できることから、第1及び第2繊維束10A,10Bに含浸させる熱硬化性樹脂として、同じ樹脂を用いることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態に係る複合容器1の製造方法及び製造システムが上記第1実施形態と異なる点は、トウプリプレグを用いて巻付け工程を実施するのに代えて若しくは加えて、レジンバス法により巻付け工程を実施する点である。以下、図6を参照して、本実施形態について詳説する。
図6は、第2実施形態の複合容器の製造システムの模式的な概念図である。本実施形態の製造システムは、繊維束を熱硬化性樹脂に含浸させながら供給して巻付け工程を行う、いわゆるWet法のうちレジンバス法で用いられる。図6に示すように、製造システム200は、熱硬化性樹脂202を含浸させる前の原糸としての繊維束210を巻廻した複数のボビン201と、熱硬化性樹脂202を収容したレジンバス203と、樹脂含有量を調整する樹脂含有量調ロール206と、熱硬化性樹脂202を含浸させた繊維束10をライナ2で巻き取るように当該ライナ2を回転する回転機構(不図示)と、を巻付け部として備えている。
この製造システム200による製造方法では、ボビン101,101,101から繊維束210,210,210が供給され、これら繊維束210,210,210は、レジンバス203内へと案内され、該レジンバス203内にて回転可能に設けられた回転ロール204の周縁を案内されながら熱硬化性樹脂202が含浸される。その後、樹脂含有量調ロール206によって余剰の熱硬化性樹脂202が搾り取られて樹脂含有量の調整がなされ、繊維束10,10,10として後段へ供給される。
これと共に、ボビン101,101,101から繊維束210,210,210が供給され、これら繊維束210,210,210は、そのまま繊維束10,10,10として後段へ供給される。そして、複数の繊維束10は、束通過位置調整部102によって巻付け時の通過位置が調整されながらライナ2の外面側に巻き付けられ、これにより、ライナ2を覆うように繊維束層5が形成されて積層される。
ここで、本実施形態では、巻き付ける複数の繊維束10のうち、繊維束10,10,10について、含浸された熱硬化性樹脂が染み出すように構成された第1繊維束10Aとされている。一方、繊維束10,10,10について、熱硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束10Aから染み出した熱硬化性樹脂が染み込むように構成された第2繊維束10Bとされている。
具体的には、第1繊維束10Aは、含浸された熱硬化性樹脂202が流出するように、当該熱硬化性樹脂202の樹脂量が設定されている。ここでは、例えばレジンバス203における回転ロール204の相対的な上下位置(浸漬程度)が適宜調整されることにより、第1繊維束10Aの熱硬化性樹脂202の樹脂量が調整され、これにより、第1繊維束10Aはその熱硬化性樹脂202が染み出すように構成される。この第1繊維束10Aにおける熱硬化性樹脂の樹脂量は、大樹脂量RCbigとされている。
一方、第2繊維束10Bは、熱硬化性樹脂202が流出せず且つ第1繊維束10Aからの熱硬化性樹脂202が流入するように、熱硬化性樹脂202が非含浸とされている。つまり、第2繊維束10Bにおける熱硬化性樹脂の樹脂含有量は、下式(3)に示すように、ゼロ樹脂量RCzeroとされている。また、これら大樹脂量RCbig及びゼロ樹脂量RCzeroは、所定範囲βを含む下式(4)の関係を有している。
RCzero = 0 …(3)
(RCbig+RCzero)/2=β …(4)
以上、本実施形態においても、上記実施形態と同様な効果を奏する。なお、本実施形態では、繊維束10,10,10について、熱硬化性樹脂202を含浸させずに(レジンバス203を通過させずに)ライナ2に巻き付けたが、これに限定されるものではない。例えば、レジンバス203と同様な他のレジンバスを別途設け、当該レジンバスにより、熱硬化性樹脂に含浸させながら繊維束10,10,10を第2繊維束10Bとして供給しライナ2に巻き付けてもよい。
この場合、第2繊維束10Bに含浸させる熱硬化性樹脂202の樹脂量は、第2繊維束10Bから流出せず且つ第1繊維束10Aからの熱硬化性樹脂202が第2繊維束10Bに流入するように設定され、例えば上記小樹脂量RClittleとされる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態では硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いたが、例えば光硬化性樹脂等を用いてもよく、種々の硬化性樹脂を用いることができる。なお、光硬化性樹脂としては、主成分としてエポキシ樹脂の硬化性樹脂を含む。
また、上記実施形態では、繊維束層5を形成する際、第1及び第2繊維束10A,10Bを交互に並置されるよう巻き付けたが、これに限定されず、巻き付けられた複数の繊維束10が、互いに隣接する第1及び第2繊維束10A,10Bを有していればよい。また、6本の繊維束10をライナ2に同時に巻き付けたが、5本以下の繊維束10を同時に巻き付けてもよいし、7本以上の繊維束10をライナ2に同時に巻き付けてもよい。
また、上記実施形態では、繊維束10に含浸される熱硬化性樹脂202の樹脂量を設定することにより当該熱硬化性樹脂202の染出し及び染込みを調整したが、これに代えて若しくは加えて、熱硬化性樹脂202の粘度を設定することにより当該熱硬化性樹脂202の染出し及び染込みを調整してもよい。つまり、含浸される熱硬化性樹脂の粘度及び樹脂量の少なくとも一方を設定することにより、繊維束10における熱硬化性樹脂の染出し及び染込みを調整してもよい。
具体的には、第1繊維束10Aは、含浸された熱硬化性樹脂が染み出すように、当該熱硬化性樹脂の粘度が設定されていてもよい。また、第2繊維束10Bは、含浸された熱硬化性樹脂が染み出さず且つ第1繊維束10Aからの熱硬化性樹脂が染み込むように、当該第2繊維束10Bの熱硬化性樹脂が設定されていてもよい。なお、これらを実施する場合、上記第1実施形態と同様にトウプリプレグを用いて巻付け工程を実施してもよいし、上記第2実施形態と同様にレジンバス法により巻付け工程を実施してもよい。
1…複合容器、3…強化層、2…ライナ、5…繊維束層、10…繊維束、10A…第1繊維束、10B…第2繊維束、100,200…複合容器の製造システム、101,201…ボビン(巻付け部)、102…束通過位置調整部(巻付け部)、103…移動部(巻付け部)、202…熱硬化性樹脂(硬化性樹脂)、203…レジンバス(巻付け部)、204…回転ロール(巻付け部)、206…樹脂含有量調ロール(巻付け部)。

Claims (4)

  1. 強化層を備えた複合容器を製造する製造方法であって、
    複数の繊維束をライナの外面側に巻き付ける巻付け工程を備え、
    前記巻付け工程では、
    巻き付ける複数の前記繊維束のうち硬化性樹脂が含浸された第1繊維束を、当該第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように構成し、
    巻き付ける複数の前記繊維束のうち前記第1繊維束に隣接する第2繊維束を、当該第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が前記第2繊維束に染み込むように構成し、
    前記巻付け工程では、
    前記第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように、前記第1繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定し、
    前記第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が前記第2繊維束に染み込むように、前記第2繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定し、
    前記第1繊維束の樹脂含有量は、前記第2繊維束の樹脂含有量よりも多く、
    前記第2繊維束の樹脂含有量は、0よりも多く、
    前記巻付け工程は、
    前記第1及び第2繊維束を含む複数の前記繊維束を前記ライナの外面側に巻き付けて繊維束層を形成する工程と、
    前記繊維束層を形成する工程を繰り返し実施して、前記繊維束層を前記ライナの外面側に積層する工程と、を有し、
    前記繊維束層を形成する工程では、前記ライナの外面側において前記第1及び第2繊維束が交互に並置されるように複数の前記繊維束を巻き付け、
    前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂は、当該第1繊維束の内層側に隣接する前記第2繊維束に少なくとも染み込まれる、複合容器の製造方法。
  2. 前記巻付け工程では、前記第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように、少なくとも前記第1繊維束の硬化性樹脂の粘度を設定する、請求項1記載の複合容器の製造方法。
  3. 前記巻付け工程では、前記第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が前記第2繊維束に染み込むように、少なくとも前記第2繊維束の硬化性樹脂の粘度を設定する、請求項1又は2記載の複合容器の製造方法。
  4. 強化層を備えた複合容器を製造する製造システムであって、
    複数の繊維束をライナの外面側に巻き付けるための巻付け部を備え、
    前記巻付け部は、
    巻き付ける複数の前記繊維束のうち硬化性樹脂が含浸された第1繊維束を、当該第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように構成し、
    巻き付ける複数の前記繊維束のうち前記第1繊維束に隣接する第2繊維束を、当該第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が前記第2繊維束に染み込むように構成し、
    前記巻付け部は、
    前記第1繊維束から硬化性樹脂が染み出すように、少なくとも前記第1繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定し、
    前記第2繊維束から硬化性樹脂が染み出さず且つ前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂が前記第2繊維束に染み込むように、少なくとも前記第2繊維束の硬化性樹脂の樹脂量を設定し、
    前記第1繊維束の樹脂含有量は、前記第2繊維束の樹脂含有量よりも多く、
    前記第2繊維束の樹脂含有量は、0よりも多く、
    前記巻付け部は、
    前記第1及び第2繊維束を含む複数の前記繊維束を前記ライナの外面側に巻き付けて繊維束層を形成し、
    当該繊維束層の形成を繰り返し実施して、前記繊維束層を前記ライナの外面側に積層し、
    前記繊維束層を形成する際、前記巻付け部は、前記ライナの外面側において前記第1及び第2繊維束が交互に並置されるように複数の前記繊維束を巻き付け、
    前記第1繊維束から染み出した硬化性樹脂は、当該第1繊維束の内層側に隣接する前記第2繊維束に少なくとも染み込まれる、複合容器の製造システム。
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