JP2000198154A - 管状体 - Google Patents

管状体

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JP2000198154A
JP2000198154A JP11001210A JP121099A JP2000198154A JP 2000198154 A JP2000198154 A JP 2000198154A JP 11001210 A JP11001210 A JP 11001210A JP 121099 A JP121099 A JP 121099A JP 2000198154 A JP2000198154 A JP 2000198154A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、樹脂含浸量を減少させて軽量化さ
れるとともに、軽量化の割に強度低下の少ない管状体を
提供することを課題とする。 【解決手段】本発明にかかる管状体は、内面層A、中間
層B、外面層Cが炭素繊維と樹脂とで管状に形成されて
なる共に、内面層A及び外面層Cは、それぞれPAN系
炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、
9が巻回されてなり、中間層Bは、ピッチ系炭素繊維2
に樹脂を含浸させたプリプレグ7が巻回されてなる層を
備えてなる管状体において、前記ピッチ系炭素繊維2に
樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量が23重量
%以上であり、前記内面層A及び前記外面層Cを構成す
る前記PAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプレ
グ5、6、8、9の少なくとも一つは、樹脂含浸量が1
5〜23重量%であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿、ゴルフクラ
ブのシャフト、自転車のフレーム、スキーストック等に
使用される管状体、詳しくは、炭素繊維の引き揃えシー
トに合成樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されて構成
される管状体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の管状体としては、例え
ば、特開平7−68651号公報に示す如く、内面層、
中間層、外面層が炭素繊維と樹脂とで管状に形成されて
なると共に、内面層及び外面層は、PAN系炭素繊維に
樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなり、中間層
は、ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが
巻回されてなる層を備えてなるものがある。このような
管状体は、ピッチ系炭素繊維とPAN系炭素繊維のそれ
ぞれの欠点を補い合って、ピッチ系炭素繊維の高い剛性
とPAN系炭素繊維の高い強度を合わせ持つという利点
を有するものである。
【0003】即ち、PAN系炭素繊維のみでは、機械的
強度は高くなるものの、弾性率が低くなりすぎて、管状
体全体として曲がりやすく張りのないものとなり、ピッ
チ系炭素繊維のみでは、剛性は高くなるものの、機械的
強度の点で脆いものとなるが、上記構成により、管状体
全体としては、機械的強度においてはピッチ系炭素繊維
の影響を抑えてPAN系炭素繊維の機械的強度を発現さ
せて、亀裂の発生等を抑えて強度の高いものに維持しな
がら、しかも、ピッチ系炭素繊維によって高剛性という
特性を維持するというものである。
【0004】ところで、このような管状体は、その用途
によっては、取扱いの容易さを向上すべく、軽量のもの
が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、管状体
の軽量化を図るべく、巻回するプリプレグの樹脂含浸量
を減少させると、補強繊維同士の接着が不十分となっ
て、部分的に強度の低下、バラツキが発生して折れやす
いものとなる。従って、上記構成において、PAN系炭
素繊維を用いたプリプレグには、強度低下防止と軽量化
という相反する性能のバランスを取るべく、通常は、樹
脂含浸量が35〜40重量%のもの、特に軽量化が重視
されるものであっても、25重量%程度のものが使用さ
れているのが現状である。また、一般に、ピッチ系炭素
繊維を用いたプリプレグの場合には、樹脂含浸量を少な
くすると、強度が安定せず、管状体全体として強度低下
が著しいものとなる。
【0006】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなさ
れたもので、樹脂含浸量を減少させて軽量化されるとと
もに、軽量化の割に強度低下の少ない管状体を提供する
ことを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑みて鋭意検討した結果、ピッチ系炭素繊維に樹脂を含
浸させたプリプレグが、PAN系炭素繊維に樹脂を含浸
させたプリプレグに挟まれてなる構成においては、ピッ
チ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグの樹脂含浸
量が23重量%以上であれば、著しい強度低下を抑えら
れること、及び前記構成においては、PAN系炭素繊維
に樹脂を含浸させたプリプレグの樹脂含浸量が15〜2
3重量%のものは、樹脂含浸量が25重量%のものと比
較して強度低下がほとんど発現されないことを見出して
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明にかかる管状体は、内面層
A、中間層B、外面層Cが炭素繊維と樹脂とを有して管
状に形成されてなると共に、内面層A及び外面層Cは、
それぞれPAN系炭素繊維1に樹脂を含浸させたプリプ
レグ5、6、8、9が巻回されてなり、中間層Bは、ピ
ッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7が巻
回されてなる層を備えてなる管状体において、前記ピッ
チ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂
含浸量が23重量%以上であり、前記内面層A及び前記
外面層Cを構成する前記PAN系炭素繊維1に樹脂を含
浸させたプリプレグ5、6、8、9の少なくとも一つ
は、樹脂含浸量が15〜23重量%であることを特徴と
する。
【0009】上記構成からなる管状体にあっては、前記
ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の
樹脂含浸量を23重量%以上とすることにより、著しい
強度低下が防止されたものとなる。しかも、前記内面層
A及び前記外面層Cを構成するPAN系炭素繊維1に樹
脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9の少なくとも
一つを、樹脂含浸量が15〜23重量%とすることによ
り、かかるプリプレグの樹脂含浸量を25重量%とした
ものと比較して、強度の低下がほとんどなく、軽量化の
図られた管状体となるのである。
【0010】また、本発明にかかる管状体にあっては、
請求項2記載の如く、前記ピッチ系炭素繊維2に樹脂を
含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量が25〜70重量
%であるもの、好ましくは、請求項3記載の如く、25
〜40重量%であるものであってもよい。樹脂含浸量を
25重量%以上とすることにより、中間層Bでは、ピッ
チ系炭素繊維2を接着するための樹脂量が確保されて、
著しい強度低下のない管状体となる。しかも、70重量
%以下とすることにより、管状体が撓った際、管状体内
部において繊維とマトリックス樹脂とが相対的にずれる
ことが防止され、大撓りした場合でも、外見上破損して
いない状態で元の状態(例えば、真直な状態)にまで戻
らないという現象、即ち塑性変形して元に戻らない現象
を発現する虞も少ない管状体となるのである。特に、4
0重量%以下とすることにより、軽量化が図られると共
に、ピッチ系炭素繊維の特性が生かされて、張りのある
管状体となるのである。
【0011】さらに、請求項4記載の如く、前記ピッチ
系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7が、ピッ
チ系炭素繊維2が概ね軸芯方向S2に指向するように巻
回されてなるものであってもよい。ピッチ系炭素繊維2
を概ね軸芯方向S2に指向させることにより、高弾性と
いうピッチ系炭素繊維2の特性を生かして、伸びや撓り
の少ない、張りのある管状体となるのである。
【0012】また、本発明にかかる管状体にあっては、
請求項5記載の如く、前記内面層Aが、複数の層から構
成されてなり、該複数の層の内の少なくとも一層は、P
AN系炭素繊維1が概ね周方向S1に指向してなるもの
であってもよい。かかる構成を採用することにより、高
強度というPAN系炭素繊維1の特性を生かして、押圧
力や圧縮力を受けやすい内面層Aが強化され、圧縮潰れ
や変形が防止された管状体となるのである。
【0013】さらに、本発明にかかる管状体にあって
は、請求項6記載の如く、前記PAN系炭素繊維1に樹
脂を含浸させたプリプレグ5、6、8、9の内、樹脂含
浸量が15〜23重量%のプリプレグは、PAN系炭素
繊維1が概ね軸芯方向S2に指向するように巻回されて
なるものが好ましい。このように構成することで、撓り
の少ない、張りのある管状体となるのである。
【0014】本発明において、PAN系炭素繊維1と
は、ポリアクリロニトリルファイバーを焼成して形成し
たものを意味し、ピッチ系炭素繊維2とは、石油、石炭
のタールを焼成して形成したものを意味する。通常、P
AN系炭素繊維1としては、弾性率が15〜60トン/
mm2で、引っ張り強度が400kg/mm2以上のもの
を使用し、ピッチ系炭素繊維2としては、弾性率が40
〜95トン/mm2で、引っ張り強度が240〜400
以下のものを使用することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる管状体の実
施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】本実施形態の管状体は、基本的には、図
1、図2に示す如く、複数のプリプレグ5、6、7、
8、9がマンドレル4に巻回されて成型され、内面層
A、中間層B、外面層Cを備えた積層状の管状体であ
る。
【0017】図1において、5は、弾性率が30〜40
トン/mm2 のPAN系炭素繊維1に、マトリックス用
の樹脂としてエポキシ樹脂3を含浸させてなる樹脂含浸
量が25〜45重量%で厚さが0.01〜0.1mmの
範囲内の値を成すシート状のプリプレグであり、該プリ
プレグ5は、前記PAN系炭素繊維1が概ね管状体の周
方向S1に指向するようにマンドレル4に巻回されて内
面層Aの最も内側の層A1を構成するものである。ま
た、6は弾性率が30〜50トン/mm2 のPAN系炭
素繊維1にエポキシ樹脂3を含浸させたシート状のプリ
プレグで、該プリプレグ6は、樹脂含浸量が20重量%
で、厚さが0.05〜0.2mmの値を成すものであ
る。そして、前記プリプレグ6は、前記PAN系炭素繊
維1が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するようにマン
ドレル4に巻回されて、内面層Aの内側から2番目の層
A2を構成するものである。
【0018】さらに、7は、弾性率が50〜90トン/
mm2のピッチ系炭素繊維2に、エポキシ樹脂3を含浸
させたシート状のプリプレグであり、該プリプレグ7
は、樹脂含浸量が25重量%、厚さが0.1〜0.2m
mの値を成すものである。そして、前記ピッチ系炭素繊
維2が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するようにマン
ドレル4に巻回されて、中間層Bを構成する。また、8
はPAN系炭素繊維1にエポキシ樹脂3を含浸させたシ
ート状のプリプレグで、該プリプレグ8は、樹脂含浸量
が20重量%で厚さが0.05〜0.2mmの値を成す
ものである。そして、前記プリプレグ8は、前記PAN
系炭素繊維1が管状体の概ね軸芯方向S2に指向するよ
うにマンドレル4に巻回されて、外面層Cの外側から2
番目の層C1を構成する。
【0019】これらの各プリプレグ5、6、7、8は、
巻回始端が揃う如く、予め重ねられてマンドレル4に巻
回されたものである。尚、巻回前は、各プリプレグ5、
6、7、8は、互いに圧着することなく、互いに摺動移
動自在にソフトに重ね合わせた状態とし、巻回時に互い
に圧着しながら巻回するものである。このように巻回す
ることで、相互に前もって圧着したものを巻回する場合
の如く、互いの圧着部分が無理に摺動移動させられて、
しわ状となって空気が入り込むことによりボイドが発生
し、該ボイドの発生によって管状体が弱体化するという
問題が解消され、各巻回層間の全体に亘って隙間のほと
んどない、理想的な密着状態となるのである。
【0020】また、図2において、9は外面層Cの最も
外側の層C2を構成するテープ状のプリプレグであっ
て、例えば、弾性率が30〜40トン/mm2のPAN
系炭素繊維1が3000本からなるトウを、トウ1本当
たり0.5〜10mmの幅に引き揃えて、樹脂含浸量が
25〜45重量%となるようにエポキシ樹脂3を含浸さ
せてなる、PAN係炭素繊維1が一方向に指向したシー
ト状のプリプレグを、前記PAN系炭素繊維1の指向方
向に沿って5mm幅に細裂したスリットテープである。
このスリットテープ9は、上述の如くマンドレル4にシ
ート状のプリプレグが圧着巻回されたものの上から、前
記スリットテープ9の両側が突き合わされて面一となる
状態で、PAN系炭素繊維1が概ね周方向S1に指向す
る様に、螺旋状に巻回されている。
【0021】そして、このように各プリプレグ5、6、
7、8、9が巻回されたものは、図示しないが、成型用
のポリエステルテープ、ポリプロピレンテープ、ナイロ
ンテープ、又はそれらの複合されたテープ等の成型用テ
ープを適宜圧力調整しながら巻回した後、焼成して、本
実施形態の管状体となるのである。
【0022】このように成型された管状体は、図3
(イ)、(ロ)に示す如く、二層からなる内面層Aと外
面層C、一層のみからなる中間層Bを備えた5層構造の
管状体であり、前記内面層Aは、PAN系炭素繊維1が
周方向S1に指向する最も内側の層A1とPAN系炭素
繊維1が軸芯方向に指向する内側から2番目の層A2と
で構成され、前記中間層Bは、中央にピッチ系炭素繊維
2が軸芯方向S2に指向する層で構成され、前記外面層
Cは、PAN系炭素繊維1が周方向S1に指向する最も
外側の層C2とPAN系炭素繊維1が軸芯方向に指向す
る外側から2番目の層C1とで構成されてなる。
【0023】このように構成された管状体は、必要に応
じて塗装が施されて、釣竿、スキーのストック、ゴルフ
クラブのシャフト等になるのである。
【0024】尚、本実施形態の管状体は、上記の如く構
成されてなるので、以下の利点を有するものである。即
ち、本実施形態においては、ピッチ系炭素繊維2が軸芯
方向S2に指向した中間層BとPAN系炭素繊維1が軸
芯方向S2に指向した層A2、C1とを備えて構成され
るので、ピッチ系炭素繊維2の層Bにより高弾性で張り
のある管状体になると共に、繊維の指向方向が軸芯方向
S2であるPAN系炭素繊維1の層A2、C1により、
撓りや軸芯方向S2の伸びに対して強度が補強されて、
高強度な管状体となるのである。しかも、前記ピッチ系
炭素繊維2が軸芯方向S2に指向した層Bは、PAN系
炭素繊維1が軸芯方向S2に指向した層A2、C1によ
って内側と外側から挟まれているので、ピッチ系炭素繊
維2の層Bは、内側の層と外側の層との対称軸となり、
撓る方向によって強度変化の少ないバランスのとれた管
状体となるのである。
【0025】さらに、内面層Aの最も内側の層A1と外
面層Cの最も外側の層C2は、PAN系炭素繊維1によ
って構成されると共に、繊維の指向方向が周方向S1で
あるので、管状体が撓った場合等のように、断面を楕円
形に押しつぶされるような変形を受ける場合でも、圧縮
力及び引っ張り力を受けやすい最も内側の層A1と最も
外側の層C2は、指向方向が周方向S1のPAN系炭素
繊維1によって、圧縮潰れや変形が防止されることにな
る。またさらに、樹脂含浸量の少ない層(樹脂含浸量が
20重量%の層)(A2、C1)によって軽量化が図ら
れると共に、かかる層が表面に表れないので、表面割れ
の虞も少ない管状体となるのである。
【0026】また、本実施形態において、ピッチ系炭素
繊維2の層Bは、管状体の内面から外面までの略中央に
位置されてなるので、ピッチ系炭素繊維2による撓りに
対する脆さの影響がほとんど解消された管状体となるの
である。即ち、上述の如く、管状体が撓って、断面が楕
円形に押し潰されるような変形を受ける場合、内面が圧
縮力を受ける部分では、外面は引っ張り力を受け、内面
が引っ張り力を受ける部分では、外面は圧縮力を受ける
ことになるが、いずれの部分においても、ピッチ系炭素
繊維2の層Bは、管状体の内面から外面までの略中央に
位置されているため、撓りによる圧縮や引っ張りをほと
んど受けず、撓りに対する脆さが最小限に抑えられるこ
とになるのである。
【0027】また、本実施形態においては、ピッチ系炭
素繊維2に樹脂を含浸させたプリプレグ7の樹脂含浸量
が25重量%であるので、著しい強度低下が防止される
とともに、大きく撓った場合でも、繊維と樹脂とが相対
的にずれることが防止されて、塑性変形して元に戻らな
いという現象を発現する虞も非常に少ない管状体となる
のである。
【0028】尚、上記本実施形態の管状体は、上記構成
からなり、上述の如き利点を有するものであったが、本
発明にかかる管状体は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、適宜設計変更可能である。
【0029】例えば、上記実施形態においては、PAN
系炭素繊維に樹脂を含浸させたプリプレグであって、内
面層Aの内側から2番目の層A2を構成するプリプレグ
6及び外面層Cの外側から2番目を構成するプリプレグ
8を、樹脂含浸量が20重量%とするものであったが、
本発明においては、内面層Aを構成するプリプレグ5、
6及び外面層Cを構成するプリプレグ8、9のいずれか
一つを、樹脂含浸量が15〜23重量%とするものであ
ってもよいのである。但し、前記プリプレグ5、6、
8、9の2つ以上を、樹脂含浸量が15〜23重量%と
するものは、いずれか一つの場合に比して、効果的に軽
量化が図られた管状体となるのである。
【0030】また、上記実施形態においては、外面層C
の最も外側の層C2は、前記スリットテープ9が巻回さ
れて構成されたが、本発明にかかる管状体の最も外側の
層C2は、スリットテープ9が巻回されてなる層を備え
てなるものに限定されず、図4に示す如く、スリットテ
ープ9を用いずにシート状のプリプレグ10が巻回され
てなるものであっても本発明の意図する範囲内である。
かかる構成を採用することにより、成型時、スリットテ
ープ9の多数回にわたる巻回作業を省略でき、全体とし
て製造工程を簡略化することができる。尚、外面層Cに
シート状のプリプレグ10を巻回する場合、PAN系炭
素繊維1が周方向S1に指向する様に巻回してもよく、
軸芯方向S2に指向する様に巻回してもよく、又、軸芯
方向S2に対して角度がつくように巻回してもよいので
ある。
【0031】さらに、上記実施形態において、中間層B
は一層に形成されたが、本発明の管状体は、中間層Bが
一層のものに限定されるものではなく、二層でも、三層
以上であってもよいのである。中間層Bが複数層ある場
合、少なくとも一層は、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含
浸させたプリプレグ7が巻回されてなる層であれば、他
の層は、ピッチ系炭素繊維2に樹脂を含浸させたプリプ
レグが巻回されてなる層であっても、PAN系炭素繊維
1に樹脂を含浸させたプリプレグが巻回されてなる層で
あっても、又、ガラス繊維等の他の繊維に樹脂を含浸さ
せたプリプレグが巻回されてなる層であっても本発明の
意図する範囲内である。この場合、前記他の層を構成す
るプリプレグは、繊維方向が周方向S1に指向する様に
巻回してもよく、軸芯方向S2に指向する様に巻回して
もよく、又、軸芯方向S2に対して角度がつくように巻
回してもよいのである。
【0032】また、外面層C、内面層Aは、それぞれ二
層によって構成されたが、本発明においては、外面層
C、内面層Aは、かかる構成に限定されるものではな
く、一層であっても、三層以上であっても本発明の意図
する範囲内である。外面層C又は内面層を一層とする場
合、かかる一層の炭素繊維は、軸芯方向S2に指向する
ものであっても、周方向S1に指向するものでも、軸芯
方向に対して角度がつく方向に指向するものであっても
良いのである。但し、圧縮潰れや、変形防止の観点か
ら、炭素繊維の指向方向は、周方向S1であることが好
ましい。
【0033】尚、上記実施形態においては、樹脂として
エポキシ樹脂3を用いたが、本発明において、樹脂は、
エポキシ樹脂3に限定されるものではなく、フェノール
樹脂、ポリエステル樹脂等であってもよいのである。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる管状体に
あっては、前記ピッチ系炭素繊維に樹脂を含浸させたプ
リプレグの樹脂含浸量を23重量%以上とすることによ
り、著しい強度低下が防止されたものとなり、しかも、
内面層及び外面層を構成するPAN系炭素繊維に樹脂を
含浸させたプリプレグの少なくとも一つを、樹脂含浸量
を15〜23重量%とすることにより、樹脂含浸量を2
5重量%としたものと比較して、軽量化が図られると共
に、軽量化の割に強度低下のほとんどない管状体となる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の管状体の製造状態で、シート状の
プリプレグを巻回する状態を示す斜視図。
【図2】同実施形態の管状体の製造状態で、テープ状の
プリプレグ(スリットテープ)を巻回する状態を示す斜
視図。
【図3】(イ)は、同実施形態の管状体で、破断部Dを
含む側面図。(ロ)は、(イ)に示す破断部Dの拡大
図。
【図4】多実施形態の管状体の製造状態、シート状のプ
リプレグを巻回する状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1・・・PAN系炭素繊維、2・・・ピッチ系炭素繊維、5、
6、7、8・・・プリプレグ、9・・・プリプレグ(スリット
テープ) S1・・・周方向、S2・・・軸芯方向 A・・・内面層、B・・・ピッチ系炭素繊維が軸芯方向に指向
した層(中間層)、C・・・外面層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 Fターム(参考) 2C002 AA05 CS03 MM02 4F100 AA37A AA37B AA37C AD11A AD11B AD11C AK01A AK01B AK01C AK53G BA03 BA10A BA10C BA11A BA11C BA13 BA22A BA22B BA22C CB00 DA11 DE01A DE01B DE01C DH01A DH01B DH01C EJ482 EJ83A EJ83B EJ83C GB04 GB87 JK01 JL03 4F205 AA39 AD02 AD05 AD08 AD19 AG03 AG08 AH02 AH18 AH59 HA02 HA33 HA37 HA45 HB01 HC02 HC17 HL04 HL12 HL13 HT02 HT13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面層(A)、中間層(B)、外面層
    (C)が炭素繊維と樹脂とを有して管状に形成されてな
    ると共に、内面層(A)及び外面層(C)は、それぞれ
    PAN系炭素繊維(1)に樹脂を含浸させたプリプレグ
    (5、6、8、9)が巻回されてなり、中間層(B)
    は、ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプ
    レグ(7)が巻回されてなる層を備えてなる管状体にお
    いて、 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含浸させたプリプ
    レグ(7)の樹脂含浸量が23重量%以上であり、前記
    内面層(A)及び外面層(C)を構成するPAN系炭素
    繊維(1)に樹脂を含浸させたプリプレグ(5、6、
    8、9)の少なくとも一つは、樹脂含浸量が15〜23
    重量%であることを特徴とする管状体。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含
    浸させたプリプレグ(7)の樹脂含浸量が25〜70重
    量%である請求項1記載の管状体。
  3. 【請求項3】 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含
    浸させたプリプレグ(7)の樹脂含浸量が25〜40重
    量%である請求項1記載の管状体。
  4. 【請求項4】 前記ピッチ系炭素繊維(2)に樹脂を含
    浸させたプリプレグは、ピッチ系炭素繊維(2)が概ね
    軸芯方向(S2)に指向するように巻回されてなる請求
    項1乃至3記載の管状体。
  5. 【請求項5】 前記内面層(A)は、複数の層から構成
    されてなり、該複数の層の内の少なくとも一層は、PA
    N系炭素繊維(1)が概ね周方向(S1)に指向してな
    る請求項1乃至4記載の管状体。
  6. 【請求項6】 前記PAN系炭素繊維(1)に樹脂を含
    浸させたプリプレグ(5、6、8、9)の内、樹脂含浸
    量が15〜23重量%のプリプレグは、PAN系炭素繊
    維(1)が概ね軸芯方向(S2)に指向するように巻回
    されてなる請求項1乃至5記載の管状体。
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