JP2000106792A - 中通し釣竿 - Google Patents

中通し釣竿

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JP2000106792A
JP2000106792A JP11326013A JP32601399A JP2000106792A JP 2000106792 A JP2000106792 A JP 2000106792A JP 11326013 A JP11326013 A JP 11326013A JP 32601399 A JP32601399 A JP 32601399A JP 2000106792 A JP2000106792 A JP 2000106792A
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reinforcing
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Hiroyuki Ono
裕之 小野
Tomoyoshi Tsurufuji
友義 鶴藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊細な調子の釣竿を、その繊細な調子を保持
しつつ糸抵抗の低減を図った中通し釣竿に構成する。 【解決手段】 合成樹脂をマトリックスとし強化繊維に
よって強化された中通し釣竿であって、軸長方向の強化
繊維として弾性率が68600N/mm程度以下の炭
素繊維を使用した穂先部12の先部aを有し、穂先部内
径を傾斜が3/1000以下の略ストレート状に形成す
ると共に、該穂先部に弾性率の異なる強化繊維を該強化
繊維が略軸長方向に指向するように使用して順次配設
し、これらの弾性率が、前記68600N/mm程度
以下の炭素繊維を使用した先部aから、順次後部dに向
って等比級数的に高弾性化しているよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穂先部に特徴を有
する中通し釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】釣竿には調子があり、例えば小物の魚を
対象とする釣竿は繊細に設定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、中通し釣
竿では釣糸を竿管内部に挿通させるため、また、糸抵抗
を低減させる必要から、穂先部において竿管内径を所定
以上に小さくすることができない。穂先部の内径が大き
いと繊細な調子は得られず、従来では繊細な調子の釣竿
を中通しに構成することが困難であった。
【0004】依って本発明は、繊細な調子の釣竿を、そ
の繊細な調子を保持しつつ糸抵抗の低減を図った中通し
釣竿に構成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、請求項1に対応して、合成樹脂をマトリックスとし
強化繊維によって強化された中通し釣竿であって、軸長
方向の強化繊維として弾性率が7000kg/mm
(68600N/mm)程度以下の炭素繊維を使用
した穂先部の先部を有することを特徴とする中通し釣竿
を提供する(元請求項10)。
【0006】また請求項2に対応して、前記穂先部の先
部は、前記炭素繊維の体積比率を50%以上としたプリ
プレグを使用して成形した請求項1記載の中通し釣竿を
提供する(元0024)。
【0007】更には請求項3に対応して、穂先部内径を
傾斜が3/1000以下の略ストレート状に形成すると
共に、該穂先部に弾性率の異なる強化繊維を該強化繊維
が略軸長方向に指向するように使用して順次配設し、こ
れらの弾性率が、前記7000kg/mm(6860
0N/mm)程度以下の炭素繊維を使用した先部か
ら、順次後部に向って等比級数的に高弾性化している請
求項1又は2記載の中通し釣竿を提供する(元請求項
1、元0023,0024)。本明細書における順次と
は、ガイド固定等で部分的に補強する補助的なプリプレ
グ等の強化繊維を除き、メインとなる強化繊維について
述べている。
【0008】また請求項4に対応して、前記略軸長方向
の強化繊維の内側、外側、又は中間の層として、略周方
向に指向した強化繊維の層を設けている請求項3記載の
中通し釣竿を提供する(元請求項2)。
【0009】請求項1と2の対応構成では、軸長方向の
強化繊維として弾性率が7000kg/mm(686
00N/mm)程度以下の炭素繊維を使用した穂先部
の先部を有すると、大きく撓んでも繊維の破断伸度が2
%程度あるため破損し難く、好適である。
【0010】請求項3の対応構成では、請求項1,2の
作用効果に加えて、穂先部内径が略ストレートに形成さ
れているため、穂先部先部の内径を大径にでき、釣糸が
自由に通過できる中空部が得られ、糸抵抗の低減を図っ
た中通し構造が可能になるが、このままでは穂先部の先
部の曲げ剛性が高くなり、撓み難くなる。そこで、曲げ
剛性に寄与する略軸長手方向の強化繊維の弾性率を先部
から後部に向って順次等比級数的に高弾性化(即ち、先
部が撓み易い)するように強化繊維を選択すれば、穂先
部先部は相対的に太径であっても先細の場合と同様に繊
細に撓み易くすることができる。
【0011】請求項4の対応構成では、請求項3の作用
効果に加えて、上記のように略軸長方向の強化繊維を複
数種類順次配設すると、その接続部が弱くなるが、略周
方向に指向した強化繊維の層を設けると、繊細な撓みを
妨げることなく、それを補強することができ、また、潰
れ破壊に対抗できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施の形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1は本発
明に係る形態の中通し釣竿の1例を示す。キャスティン
グハンドル16の前に元竿10を固定しており、この元
竿10に穂先竿12が振出式か並継ぎによって継ぎ合わ
されている。その先にはトップガイド14が設けられ、
また、キャスティングハンドル16にはリール18の装
着装置20が設けられており、元竿10には釣糸導入ガ
イド24が設けられている。釣糸22はリール18から
この釣糸導入ガイド24を経て内部に導入される。
【0013】図2は穂先竿12の拡大縦断面図であり、
本発明構造が応用されている状態を示す。なお、本発明
においては、釣竿はこうした継合釣竿ではなくて、1本
竿であってもよい。即ち、本発明でいう穂先部とは、穂
先竿という名称の竿管と必ずしも一致せず、釣竿の実質
的な穂先部分をいう。従って、先から1番、2番、3番
の竿を含むような場合もあり、また、1番竿の先方部の
みの場合もある。図3に示す方法によって形成された穂
先竿12は4つの領域、即ち、先部a、中間先部b、中
間部c、元部dから構成されている。
【0014】まず、この製造方法を図3を参照して説明
する。芯金30は前半部の非常に緩いテーパ状の略スト
レートな部分(これが穂先部に相当)30Fと、後半部
のやや大きなテーパ状の部分30Rとを有しており、前
者30Fは3/1000以下の略ストレート状のテーパ
が好ましい。こうすると、成形竿管の穂先部内径が略ス
トレートに形成されるため、穂先部の先部の内径を大径
にでき、釣糸が自由に通過できる中空部が得られ、糸抵
抗の低減を図った中通し構造が可能になる。この芯金3
0にテープ状かシート状の補強プリプレグIを巻回す
る。この補強プリプレグは略周方向に指向した繊維を主
体としたものか、或いは略軸長方向に指向するセラミッ
クス繊維とスクリムシートを組合せたものでもよく、後
者ではセラミックス繊維により成形竿管内を通る釣糸の
抵抗が低減すると共に、竿管内面の摩耗防止の効果もあ
る。図2ではこの補強層は図示していない。
【0015】次に、後方端部を傾斜状に形成した先部プ
リプレグAを巻回し、この上に両端部を傾斜状に形成し
た中間先部プリプレグBを巻回し、更に両端部を傾斜状
に形成した中間部プリプレグCを巻回し、最後に前側端
部を傾斜状に形成した前細形状の元部プリプレグDを巻
回し、以下常法に従って成形する。これらのプリプレグ
の長さは図示の如くA<B<C<Dであり、先調子とな
る。以上の順序で巻回して穂先竿12を形成すると、後
方部プリプレグの弾性率は前部よりも高く、後部は先部
の外側に巻回するため、先部側と後部側の剛性差を付け
易く、先部が撓み易く、その分内径を大きくできて好ま
しいが、補強プリプレグIを最後に巻回して竿管の外側
から補強したり、またプリプレグA,B,C,Dを逆の
順序にして巻回したりしてもよい。この穂先部相当部3
0FにはプリプレグのAとBと、Cの前半部が巻回され
ている。
【0016】各プリプレグA,B,C,Dに使用されて
いる強化繊維は弾性率が異なり、各弾性率が先部aから
元部dに向って順次等比級数的に高弾性化するよう選択
されている。例えば、プリプレグA,B,C,Dの順
に、5000kg/mm(49000N/mm),
10000kg/mm(98000N/mm),2
0000kg/mm(196000N/mm),4
0000kg/mm(392000N/mm)のよ
うに選択する。例えば、炭素繊維、アルミナ繊維、アラ
ミド繊維、テクミロン(商品名)、ガラス繊維、スティ
ール繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維の各種類繊
維の弾性率(kg/mm(=9.8N/mm))
を順に示すと、一般に、70000〜15000(50
00〜90000),25000(10000〜460
00),13400(6900〜16300),900
0〜10000(6000〜10000),7400
(6400〜8730),19400,1100,50
0程度であり、このように弾性率は広範囲に亘っており
(カッコ内は特に広く示した場合であり、同じkg/m
単位である)、これらを適切に選択することによ
って概ね所望の値を得ることができる。
【0017】特に炭素繊維は、上は90000kg/m
(882000N/mm)程度、下は5000
kg/mm(49000N/mm)程度かそれ以
下まで存在し、炭素繊維のみで構成することもできる。
こうした弾性率を変えた構造は以下の他の形態例に組み
合わせてもよい。もっとも、本発明でいう等比級数的と
は厳密な等比級数に設定することを意味せず、相当に差
を有することを意味する。
【0018】炭素繊維のうち、弾性率が7000kg/
mm(68600N/mm)程度以下の低弾性の
ものは相当に柔軟性があり、破断伸度は2%程度もある
ため破損し難く、穂先部又は穂先部の先部として好適に
使用できる。特に軸長方向の強化繊維として使用する
と、撓み剛性を小さくできる。実際の使用ではこの低弾
性炭素繊維を体積比率で50%以上としたプリプレグを
使用する。この低弾性炭素繊維は以下の各形態例の強化
繊維として使用してもよい。
【0019】こうして成形された穂先竿12は、先部に
至るまで釣糸が自在に挿通できる所定の大きさの内径を
有しており、かつ、前方程撓み易く、繊細な調子の撓み
特性を有する中通し釣竿が提供できる。各先部a、中間
先部b、中間部c、元部dの長さは、a<b<c<dが
好ましい。これはティップアクションにし易いからであ
る。また、肉厚はa≦b<c<dが好ましい。元部程大
きな曲げ力が作用するからである。
【0020】この形態例では、穂先竿12の後端には保
持部材SGに保持されたセラミックス製のガイドリング
G1が設けられ、また、既述の如く、弾性率の異なる材
料により撓み特性を工夫しているため、穂先竿12の内
径は大きめに設定でき、このためセラミックス製のガイ
ドリングが配設容易になり、各領域部分a,b,c,d
の結合境界部にもセラミックス製のガイドリングG2,
G3等が設けられ、該結合境界部を補強すると共に、釣
糸の挿通抵抗を低減させている。トップガイド14と穂
先竿12との結合境界端部にも同様なガイドリングG4
が、またトップガイド14の先端にもセラミックス製ガ
イドリングG5が配設されている。
【0021】図4は図2に代る他の形態例の穂先竿1
2’である。各領域部分a’,b’,c’,d’は逆並
継ぎの接着や溶着による結合構造であるが、通常の継合
のように並継や振出し継合にしたり、またそれらを接着
結合させてもよい。更には、螺着によって着脱自在にし
てもよい。、然しながら、本実施例の結合構造が内部を
大きく形成でき易いため好ましい。さらには、各結合境
界端部には図2の場合と同様にガイドリングG2’,G
3’等が配設されている。この構造ではガイドリングの
配設は各部分a’,b’,c’,d’の結合時に行え、
配設作業が容易である。先部a’は合成樹脂の管であっ
てもよい。他の構造特徴は図2の場合と同様である。
【0022】図2においては異なる弾性率の繊維を有す
るプリプレグを使用したが、例え1種類の繊維のプリプ
レグで形成しても、合成樹脂をマトリックスとし、軸長
方向に対して±30度の範囲内で略軸長方向に指向した
強化繊維と、円周方向に対して±45度の範囲内で略周
方向に指向した強化繊維とによって強化された中通し釣
竿であって、穂先部内径を3/1000以下の略ストレ
ート状、又は6/1000程度までの緩テーパ状に形成
すると共に、該穂先部の先部は略周方向繊維の比率を5
0%以上にし、かつ、後部は20%以下にして、穂先部
の先部の略軸長方向の強化繊維(50%以下)は後部
(80%以上)に比較して少なくしているため、先部程
撓み易く、先細状の繊細な穂先部を有する中通し釣竿と
同様の撓み特性となる。これと共に穂先部内径が略スト
レートに形成されているため、穂先部先部の内径を大径
にでき、釣糸が自由に通過できる中空部が得られて糸抵
抗の低減を図った中通し構造が可能になる。
【0023】上記形態例に限らず本発明では、周方向の
強化繊維には軸長方向強化繊維よりも高弾性の強化繊維
を使用すれば、曲げ剛性が低く、撓みが繊細である割に
潰れに対して高強度であり、薄肉大径化でき、軽量化に
も寄与する。
【0024】図5は他の形態の穂先部を有する穂先竿を
示す。合成樹脂をマトリックスとし強化繊維によって強
化され、略軸長方向に指向した強化繊維を有する本体層
12Hを有した中通し釣竿であって、穂先竿の本体層1
2Hの先部を薄肉に、後部を厚肉に形成し、該穂先竿本
体層12Hの内側に、先部を厚肉に、後部を薄肉化した
樹脂層12Iを一体化形成し、図5の略前半分である穂
先部の内径を3/1000以下の略ストレート状又は6
/1000程度までの緩テーパ状に形成している。従っ
て、穂先部先部の内径を大径にでき、釣糸が自由に通過
できる中空部が得られ、糸抵抗の低減を図った中通し構
造が可能になるが、撓み特性は穂先部の先部程よく撓
み、先細状の穂先部と同様な繊細な撓み特性が得られる
他、本体層12Hの肉薄部の管としての潰れ強度を樹脂
層12Iによって補強している。樹脂層12Iの合成樹
脂は、シリコン、フッ素等の糸滑り性の良いものが好ま
しい。また、この樹脂層12Iの代りに略円周方向に指
向した強化繊維を主体として有する層を形成して補強し
てもよい。
【0025】図6は更に他の形態の穂先部を示す。合成
樹脂をマトリックスとして強化繊維が少なくとも略軸長
方向に指向するよう配向された穂先部本体層12H’の
後部は管状であるが、先部に至るにつれ深くカットされ
た図のような傾斜形状のカット部12Cを有しており、
このカット部12Cを覆うように合成樹脂を主体とする
筒体12I’が穂先部本体層12H’の内周に接着固定
等によって一体化されている。この筒体の内面と穂先部
本体層後部の内面とは段差のないように形成され、該後
部から前部まで3/1000以下の略ストレート状、又
は6/1000程度までの緩テーパ状に形成されてお
り、従って、釣糸が自在に挿通できる中空部を有し、糸
抵抗の低減を図った中通しの構造が可能になる。また、
先部程本体層が少ないため、よく撓み、先細状の穂先部
と同様な繊細な撓み特性が得られる。
【0026】上記筒体12I’は合成樹脂を主体とする
が、ウィスカー(商品名)のような短繊維や粒子で強化
されていたり、糸滑り性を向上させた内面のものを使用
してもよい。更には、復元性のあるゴムやエラストマー
樹脂の筒体であったり、合成樹脂テープを巻回形成して
も良い。
【0027】以上の各形態例のマトリックスとしての合
成樹脂の体積比率は40%以下で使用することが多い
が、穂先部の先部を60%以上、後部を25%程度に設
定し、その間の比率を漸変させてもよい。これにより先
部程略軸長方向の繊維が少なくなり、強化繊維や合成樹
脂が1種類の形態の穂先部であっても、図5や図6の実
施例に近い撓み特性にすることができる。
【0028】図7は、また、他の形態の穂先部の部分拡
大図であり、穂先部の軸長方向Jに対して角度θだけ傾
斜した強化繊維S1,S2が互いに交差するよう略対称
に配向されている。この実施例ではθは15度であり、
5度以上25度以下程度に設定する。また、軸長方向に
指向した強化繊維や円周方向に指向した強化繊維は設け
ていないが、少し存在していてもよい。弾性率が200
00kg/mm(196000N/mm)程度以下
の低弾性の強化繊維を用いることが好ましい。この構造
の穂先部では曲げ剛性が小さくでき、内径を大きくで
き、繊細な撓み調子を保持しつつ釣糸挿通抵抗が低減で
きる。また、強化繊維が斜め方向であるため、円周方向
に寄与する成分もあり、潰れ破壊に対抗でき、長手方向
に寄与する成分もあり、塑性変形が防止できる。
【0029】また、更に他の形態の穂先部は、図7の交
差方向の強化繊維S1,S2の他、軸長方向Jに略平行
に炭素繊維等の強化繊維を配向する構成である。この場
合の角度θは5度以上であるが、好ましくは15度以上
にする。撓み易くして穂先部の塑性変形を防止するため
である。また、軸長方向繊維は交差方向繊維よりも小量
とするか、或いはその弾性率のより低い強化繊維を使用
して、撓みを繊細にする。この軸長方向繊維としては弾
性率が精々24000kg/mm(235200N/
mm)程度までとし、曲げ剛性を小さくする。こうし
て強化繊維が立体的に配向されているため、穂先部は潰
れやよじれにも強い。曲げ剛性が低く、大内径化でき、
釣糸挿通抵抗が低減できることは上記と同様である。
【0030】穂先部は曲げ剛性を低くする他、潰れに対
する強度を強くする必要があるが、これは軸長方向に引
き揃えられた強化繊維と織布を組み合わせた積層構造と
することにより可能である。織布の周方向繊維の存在が
潰れ強度を向上させ、全強化繊が曲げ剛性に寄与するわ
けではなく、従って、使用強化繊維量の割には曲げ剛性
か゛小さく、内径を大きくでき、逆に曲げ剛性の割には
穂先部は厚肉に形成でき、大きく撓んでも潰れたり折れ
たりし難い。
【0031】この織布は合成樹脂割合を50%以上とし
た低繊維割合とし、引揃え繊維は合成樹脂割合を45%
以下とした高繊維割合とするのが好ましい。また、引揃
え繊維よりも織布の方を多くすると曲げ剛性を大きくし
ないで(即ち、繊細な撓み特性を有して内径を大きくで
きる)肉厚を確保でき、潰れ強度が向上する。1例とし
て、織布にガラス繊維を使用して弾性率を小さくし、引
揃え繊維に炭素繊維(弾性率が24000kg/mm
(235200N/mm)以下)を使用し、夫々の合
成樹脂割合を35%以上にして織布の方を多くする。ま
た、積層厚さは織布の方が0.06mm、引揃え繊維の
方が0.03mmとする。また、引揃え繊維の代りに、
既述の図7の角度θが25度(15度〜45度の範囲内
の角度)に交差状に配向された強化繊維を使用し、軸長
方向繊維のある織布と組み合わせて用いてもよい。
【0032】内側が低伸度(高弾性)の強化繊維、外側
が高伸度(低弾性)の強化繊維を配設している穂先部で
は、撓み易く、内径を大きく形成できると共に、大きく
撓んだ際に塑性変形を防止できる。
【0033】また、釣糸を挿通させられる螺旋状部材の
外側に、該螺旋状部材よりも低弾性の材料で形成した筒
状部材を被嵌させた穂先部を有することを特徴とする中
通し釣竿が構成できる。ここでいう螺旋状部材とは、複
数のリング部材を長手方向に延びた部材によって連結し
たものも含む。この構成では、螺旋状部材は曲げ剛性が
非常に小さく、被嵌している筒状部材も低弾性材料で形
成されているため、撓み性を向上でき、その分内径を大
にでき、また、螺旋状部材の存在によって潰れ破壊に対
する強度も高い。
【0034】この形態の穂先部を図8と図9に例示して
おり、穂先部の螺旋状部材32は繊維強化樹脂、繊維強
化金属、金属、セラミックス、合成樹脂等で形成されて
おり、抵抗を小さくしてこの中を釣糸が挿通できる。螺
旋状部材32の外側には、この螺旋状部材よりも低弾性
な材料で形成された筒状部材12Aを套嵌させており、
螺旋状部材32の撓み易さを阻害しないように、また、
釣糸が螺旋状部材32の外側に糸絡みしないように構成
されている。従って、撓みの繊細さを保持しつつ内径が
大径化され易く、釣糸抵抗が低減できる。更には、筒状
部材32は螺旋状部材の存在によって潰れが生じ難い。
【0035】この筒状部材12Aは螺旋状部材32の後
端を保持した連結部12Bを介して後部の竿管12Cに
連結されており、前部は螺旋状部材32の前端を保持し
た連結部12B’を介してトップガイド14に連結され
ている。図9では螺旋状部材32’が、例えばセラミッ
クス製の複数のガイドリングRと、これらを連結する線
状等の長手部材LBとで構成されている他は、図8の場
合と同様である。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、繊細な調子の釣竿を、その繊細な調子を保持
しつつ糸抵抗の低減を図った中通し釣竿に構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る中通し釣竿の側面図であ
る。
【図2】図2は図1の穂先竿の拡大縦断面図である。
【図3】図3は図2の穂先竿の製造方法の説明図であ
る。
【図4】図4は本発明に係る他の形態例を示す縦断面図
である。
【図5】図5は他の形態例を示す縦断面図である。
【図6】図6は他の形態例を示す縦断面図である。
【図7】図7は他の形態例を示す部分拡大平面図であ
る。
【図8】図8は他の形態例を示す部分透視の側面図であ
る。
【図9】図9は他の形態例を示す部分透視の側面図であ
る。
【符号の説明】
12 穂先竿 a,b,c,d 穂先竿の各領域部分 12H,12H’本体層 12I 樹脂層 12I’ 筒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂をマトリックスとし強化繊維に
    よって強化された中通し釣竿であって、軸長方向の強化
    繊維として弾性率が7000kg/mm(68600
    N/mm)程度以下の炭素繊維を使用した穂先部の先
    部を有することを特徴とする中通し釣竿。
  2. 【請求項2】 前記穂先部の先部は、前記炭素繊維の体
    積比率を50%以上としたプリプレグを使用して成形し
    た請求項1記載の中通し釣竿。
  3. 【請求項3】 穂先部内径を傾斜が3/1000以下の
    略ストレート状に形成すると共に、該穂先部に弾性率の
    異なる強化繊維を該強化繊維が略軸長方向に指向するよ
    うに使用して順次配設し、これらの弾性率が、前記70
    00kg/mm(68600N/mm)程度以下の
    炭素繊維を使用した先部から、順次後部に向って等比級
    数的に高弾性化している請求項1又は2記載の中通し釣
    竿。
  4. 【請求項4】 前記略軸長方向の強化繊維の内側、外
    側、又は中間の層として、略周方向に指向した強化繊維
    の層を設けている請求項3記載の中通し釣竿。
JP32601399A 1994-09-06 1999-11-16 中通し釣竿 Expired - Lifetime JP3171333B2 (ja)

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