JP2002017209A - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

Info

Publication number
JP2002017209A
JP2002017209A JP2000208914A JP2000208914A JP2002017209A JP 2002017209 A JP2002017209 A JP 2002017209A JP 2000208914 A JP2000208914 A JP 2000208914A JP 2000208914 A JP2000208914 A JP 2000208914A JP 2002017209 A JP2002017209 A JP 2002017209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing
rod member
prepreg
joint
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000208914A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4317649B2 (ja
Inventor
Kenichi Kameda
謙一 亀田
Toshihisa Okamoto
寿久 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Seiko Co Ltd filed Critical Daiwa Seiko Co Ltd
Priority to JP2000208914A priority Critical patent/JP4317649B2/ja
Publication of JP2002017209A publication Critical patent/JP2002017209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4317649B2 publication Critical patent/JP4317649B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fishing Rods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、継合部における塑性曲がりや剛性の
低下を防止し、継合状態の向上を図った釣竿を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】大径ロッド部材11に設けられた受口部1
1aと、小径ロッド部材1に設けられ、この受口部に差
込まれる差込部1aと、これらの受口部と差込部との間
に介挿された接着層Sと、これらの受口部と差込部との
少なくとも一方の周部に巻装され、強化繊維を軸長方向
に対して傾斜させて配置した補強プリプレグ5,15と
を有する釣竿。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は釣竿に関し、特に複
数のロッド部材を軸長方向に沿って配置した釣竿に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、釣竿は、振り出し式、並継ぎ式、
インロー継ぎ式等、大径のロッド部材に対して小径のロ
ッド部材を継合する構成となっており、各ロッド部材
は、強化繊維を引き揃え、これに合成樹脂を含浸した、
いわゆるプリプレグを巻回することで構成されたものが
一般的である。そして、各ロッド部材は、それが用いら
れる個所に応じて、上記プリプレグに用いられる強化繊
維の引揃方向、弾性率、および樹脂含浸量、巻回数等が
設定されている。
【0003】通常、上記した各ロッド部材は、振り出し
式の場合、穂先側のロッド部材(小径ロッド部材)の基
端部外周と、元竿側のロッド部材(大径ロッド部材)の
先端部内周とを摩擦継合させることで継ぎ足されるよう
になっているものがあり、各ロッド部材の継合部には、
ロッド部材を構成している本体層以外に補強層が形成さ
れた構成となっている。そして、この補強層は、強化繊
維を軸長方向、もしくは周方向に引き揃えて構成された
補強用プリプレグによって形成されている。また、例え
ばインロー継ぎ式の場合のように、インロー継ぎ手とロ
ッド部材とを継合部で接着固定するものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成では、継合部における強度や剛性が充分でなく、
繰り返して使用すると、せん断力による変形が生じた
り、塑性曲がりが生じたりして、継合状態が悪くなり、
特に、接着固定された継合部では、接着効果が損なわれ
るという問題が生じる。また、このような問題を低減す
るために継合部を長くすることも考えられるが、継合部
を長くし過ぎると、釣竿全体の撓みバランスが悪くなっ
たり、重量が重くなってしまう。
【0005】この発明は、継合部の接着面における変形
を抑制し、接着面の剥離あるいは剥離の進展を防止し、
長期間にわたって接着効果を維持することのできる軽量
かつバランスの良い釣竿を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によると、軸長方向に隣接配置されたロッド
部材を継合する継合部を備えた釣竿であって、この継合
部は、一方のロッド部材に設けられた受口部と、他方の
ロッド部材に設けられ、この受口部に差込まれる差込部
と、これらの受口部と差込部との間に介挿された接着層
と、これらの受口部と差込部との少なくとも一方の周部
に巻装され、強化繊維を軸長方向に対して傾斜させて配
置した補強プリプレグとを有する釣竿が提供される。
【0007】上記のように、継合部に、強化繊維を軸長
方向に対して傾斜させて配置した補強プリプレグ(バイ
アス層)を巻装することで、せん断力に対する強さが増
大し、継合部の強度の向上が図れる。なお、このような
補強プリプレグは、双方のロッド部材に巻装することが
好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に沿って詳細に説明する。
【0009】(第1実施の形態)図1および図2は、本
発明の第1の実施の形態を示しており、図1は、複数の
中空ロッド部材を継ぎ合わせて形成する釣竿に適用した
場合の継合部における部分断面図、図2(a),(b)
は、そのような継合部を有するロッド部材を形成するプ
リプレグの配置構成例を示している。
【0010】図1において、符号1は小径ロッド部材
を、符号11は大径ロッド部材をそれぞれ示しており、
Rで示す部分が両ロッド部材を継合させる継合部であ
り、本実施の形態の継合部Rは、大径ロッド部材11の
端部に形成された受口部11aと、小径ロッド部材1の
端部に形成されてこの受口部11aに差込まれ、接着層
Sを介してこの受口部11aに結合される差込部1aと
を有している。各ロッド部材1,11は、図2に示すよ
うに、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレ
グ(ロッド部材全体を形成する本体プリプレグ)を芯金
Mに巻回することで形成される(図2(a)は小径ロッ
ド部材を、図2(b)は大径ロッド部材を示す)。
【0011】この場合、上記本体プリプレグは、通常、
以下のように構成されており、これらが巻回されること
でロッド部材の本体層を形成している。ここでは、図2
(a)を参照して、小径ロッド部材について詳細に説明
することとし、図2(b)に示す大径ロッド部材につい
ては、その説明を省略する。なお、本明細書において、
大径および小径の用語は、この継合部のみにおける相対
的な関係を意味するものであり、この継合部を除く部位
についてまで適用することを意図したものではない。す
なわち、小径ロッド部材は差込部が大径ロッド部材の受
口部に差込可能な径を有するとしても、この継合部を除
く部位については、小径ロッド部材の方が大径ロッド部
材よりも大径に形成された部分を有するロッド部材も含
むものである。
【0012】本体プリプレグは、軸長方向に強化繊維を
引き揃えたプリプレグ2aに、周方向に強化繊維を引き
揃えたプリプレグ2bを裏打ちして構成された第1プリ
プレグ2と、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ
3bに、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ3
aを裏打ちして構成された第2プリプレグ3とを備えて
いる。ロッド部材は、これらの本体プリプレグ2,3を
順に芯金Mに対して巻回した後、加熱、脱芯、研磨等、
常法にしたがった工程を経ることで形成される。
【0013】これにより、小径ロッド部材1の本体層
は、図1に示すように、内周側から順に周方向繊維層
(内層)2b、軸長方向繊維層(中間層)2a,3a、
および周方向繊維層(外層)3bによって構成される。
このように、内側と外側に周方向繊維層を配設し、中間
に軸長方向繊維層(もしくはこれを主体とした層)を配
設して本体層が構成される場合、周方向繊維層として用
いられるプリプレグの繊維の弾性率は24〜50ton
/mm2 、樹脂含浸量は25〜50wt%、プリプレグ
の厚さは0.06mm以下とし、軸長方向繊維層として
用いられるプリプレグの繊維の弾性率は40〜90to
n/mm2 、樹脂含浸量は10〜28wt%、プリプレ
グの厚さは0.14mm以下とし、上記両弾性率の差を
50%以内とするのが好ましい。このような構成によ
り、強度の安定向上が図れ、比強度、比剛性の向上が図
れる。なお、大径ロッド部材11も同様に、周方向繊維
層(内層)12b、軸長方向繊維層(中間層)12a,
13a、および周方向繊維層(外層)13bによって構
成される。
【0014】各ロッド部材の継合部R、すなわち小径ロ
ッド部材1の差込部1aと大径ロッド部材11の受口部
11aとの周部には、補強プリプレグ5,15が巻装さ
れる。各補強プリプレグ5,15は、軸長方向に対して
強化繊維を+45°に引き揃えたプリプレグに、強化繊
維を−45°に引き揃えたプリプレグを重ね合わせてお
り、図2に示すように、強化繊維が交差状に引き揃えら
れた構成となっている。そして、本実施の形態の補強プ
リプレグ5,15は、小径ロッド部材1の差込部1aの
外周部と、大径ロッド部材11の受口部11aの内周部
とに巻装される。
【0015】このように、各ロッド部材の継合部Rに強
化繊維が交差状に引き揃えられた補強プリプレグ5,1
5を巻装することで、継合部Rでのせん断弾性率を、巻
装しないものの数倍に強化することも可能となり、せん
断変形や塑性曲がり(くの字曲がり)が効果的に抑制さ
れ、継合部Rの強度を向上し、接着層Sの剥離を防止で
きる。また、このように強度の向上が図れることから、
継合部Rを短くし、接着面を小さくすることが可能とな
り、接着層Sの使用寿命の延長および釣竿全体の軽量化
が図れる。
【0016】ここで、上記したような継合部Rに設けら
れる補強プリプレグの具体的な構成、並びに各種変形例
について説明する。
【0017】(1)補強プリプレグは、大径ロッド部材
および小径ロッド部材の両方に巻装するのが好ましい
が、いずれか一方のロッド部材であっても良い。また、
図に示した構成では、各補強プリプレグ5,15は、強
化繊維が交差状になるように重ねられていたが、強化繊
維を所定の傾斜角度で単一の傾斜方向に引き揃えただけ
のプリプレグを任意の位置に巻装した構成であっても良
い。この場合、例えば、小径ロッド部材側を−45°に
引き揃えた場合、大径ロッド部材側を+45°に引き揃
える、というように、両者のプリプレグの強化繊維が交
差状になることが好ましい。
【0018】また、図に示した構成では、補強プリプレ
グ5,15は、それぞれ強化繊維が交差するように、+
45°のプリプレグと−45°のプリプレグを重ね合わ
せた構成となっているが、重ね合わせることなく、個別
に、継合部の任意の位置に巻装しても良い。また、予め
重ねた補強プリプレグ5,15の場合、図に示すよう
に、相互に面接触するように巻装することが好ましい。
【0019】また、強化繊維を交差状にするに際して
は、引き揃えシートを重ね合わせる以外にも、強化繊維
を上下に交差状に重ねたもの、あるいは予め平織りされ
た構成であっても良い。
【0020】(2)強化繊維の傾斜角度については、せ
ん断弾性率が極大となる方向が45°であることから、
軸長方向に対して+45°および−45°の方向すなわ
ち±45°(以下、このように軸長方向を基準として符
号+で示す一方の方向と、符号−で示す反対方向との双
方の方向を示す場合に、単に符号±で表示することもあ
る)にするのが最も好ましいが、巻き付け時の作業性や
つぶれ防止の必要性等を考慮すると、±30°〜±60
°の範囲であっても良く、従来の構成よりも望ましい効
果が発揮できることから、±15°〜±75°の範囲で
あっても良い。もちろん、0°や90°方向に引き揃え
られた強化繊維を付加しても良い。
【0021】(3)継合部における傾斜方向繊維層の厚
さ(繊維量)をa、継合部以外(ロッド部材中間部分)
での本体層における厚さ(繊維量)をbとした場合、ロ
ッド部材中間部分の軽量化と継合部の集中補強のため
に、a>bとするのであるが、好ましくは、aはbの3
倍以上とする (4)補強プリプレグの肉厚は、せん断応力に対する強
度や補強効果を考えた場合、0.02mm以上にするの
が良く、偏肉や繊維の蛇行が防止されるように、1.5
mm以下にするのが良い。また、継合部における補強プ
リプレグの層厚は、その部分における全体厚さの3〜8
0%、好ましくは7〜50%にするのが良い。
【0022】(5)補強プリプレグの長さ方向における
配置態様については、図1に示すように、継合部Rの軸
長方向および周方向の全てに(100%)亘って巻装し
ても良いし、大径ロッド部材と小径ロッド部材との間
で、部分的に重なるようにしたり、あるいは重なること
なく巻装しても良い。
【0023】例えば、各プリプレグ5,15は、継合部
内における応力分布等を考慮して、継合部Rの中間部の
みが相互に重なるように巻装しても良い。あるいは、小
径ロッド部材および大径ロッド部材のそれぞれの端面P
1、P2から所定の範囲に亘って巻装しても良い。この
場合、ロッド部材1,11の外端部のみに巻装するので
あれば、破損し易い側である小径ロッド部材側のみに巻
装しても良い。あるいは、各ロッド部材の継合部におけ
る内側(P1,P2と反対側)から所定の範囲に亘って
巻装しても良い。この場合、ロッド部材1,11の内側
のみに巻装するのであれば、破損し易い側である大径ロ
ッド部材側のみに巻装しても良い。
【0024】あるいは、補強プリプレグは、継合部Rの
領域を越えて巻装しても良い(図10参照)。この場
合、継合部における傾斜方向繊維層の厚さをc、継合部
を超えた部分での傾斜方向繊維層の厚さをdとすると、
継合部を超えた部分に作用する応力は継合部より小さく
なることから、c≧dとするのが好ましい。また、この
ような構成では、肉厚cは、0.02〜1.5mmと
し、その部分での全肉厚に対して5〜80%とするのが
良く(肉厚の全体を傾斜方向繊維層で形成しても良
い)、肉厚dは、0.01〜0.05mmとするのが好
ましい。なお、c/dは、2.0倍以上とするのが好ま
しい。
【0025】以上のように、補強プリプレグについて
は、軸方向の様々な位置で、様々な長さをもって巻装す
ることが可能である。以上の(1)〜(5)の具体的な
構成については、適宜組み合わせて実施することが可能
である。また、接着層Sを形成する接着剤は、補強プリ
プレグの材質および厚さに応じて適宜に選択することが
可能である。この補強プリプレグが一方のロッド部材が
わにのみ巻装され、あるいは、これらのロッド部材の一
部にのみ巻装される場合には、直接接触する本体層の材
質も考慮して選択する。更に、このような接着剤は、ロ
ッド部材間の接触面の全体に設けることは必ずしも必要
ではなく、十分な接着強度がえられる場合には、その一
部に設けるだけでも良い。
【0026】なお、以下に説明するそれぞれの実施の形
態を含め、このような接着層Sを設けない場合は、ロッ
ド部材1,11をそれぞれ着脱可能な継合部Rが形成さ
れ、振り出し式の釣竿あるいは並継ぎ式の釣竿に適用す
ることも可能である。また、1本の釣竿中に接着層Sを
設けた継合部Rと、接着層Sを設けない継合部とを配置
することも可能なことは明らかである。
【0027】(第2実施の形態)図3は、第2の実施の
形態を示す図である。なお、以下の実施の形態では、上
記実施の形態と同一の構成部分については、同一の参照
符号を付し、その説明を省略する。
【0028】この実施の形態では、前記実施の形態と同
様、小径ロッド部材1の差込部1aの外周部と、大径ロ
ッド部材11の受口部11a内周部とに、夫々補強プリ
プレグ5,15を巻装すると共に、継合部Rにおいて、
各ロッド部材1,11の外側および内側の軸長方向プリ
プレグ3a,12aを、それぞれ端部P1、P2から5
0%程度カットし、この部分に強化繊維を周方向に引き
揃えたプリプレグ3d,12dを巻装している。このよ
うに、継合部において、釣竿が撓んだ際に、つぶれの影
響を受け易い部分に周方向プリプレグを別途巻装するこ
とで、つぶれに対する補強効果が得られる。
【0029】(第3実施の形態)図4は、第3の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、小径ロッド
部材1の差込部1aの外周部と、大径ロッド部材11の
受口部11aの内周部とに、夫々補強プリプレグ6,1
6を巻装する構成となっている。この場合、補強プリプ
レグ6は、内層側から順に、強化繊維が−45°、90
°(周方向)、+45°に引き揃えられたプリプレグ6
a,6b,6cを重ね合わせたものであり、補強プリプ
レグ16は、内層側から順に、強化繊維が−45°、9
0°(周方向)、+45°に引き揃えられたプリプレグ
16a,16b,16cを重ね合わせたものである。
【0030】このように、補強用のプリプレグを形成す
るにあたっては、つぶれに対する強度を効果的に向上さ
せるように、強化繊維が周方向に引き揃えられたプリプ
レグを、図に示すように別途介在させたり、あるいは任
意の位置に重ね合わせても良い。
【0031】(第4実施の形態)図5は、第4の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、小径ロッド
部材1の軸長方向繊維層3aと、大径ロッド部材11の
軸長方向繊維層12aを、それぞれ継合部Rの領域に亘
ってカットし、ここに強化繊維が−45°、+45°に
引き揃えられた補強プリプレグ7,17を巻装してい
る。そして、補強プリプレグ7の外層側および補強プリ
プレグ17の内層側には、それぞれ強化繊維を周方向に
引き揃えた周方向プリプレグ8,18を巻装している。
このように継合部Rにおける任意の層をカットしてここ
に補強プリプレグ7,17を配し、かつ両ロッド部材同
士の面接触部分を周方向繊維層8,18としたことによ
り、継合部における剛性変化を少なくし、竿の剛性バラ
ンスの向上が図れる。なお、上述した構成において周方
向繊維層8,18は省略しても良い。
【0032】(第5実施の形態)図6は、第5の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、継合部R
は、大径ロッド部材11の受口部11aの最内周部に周
方向プリプレグ19を巻装し、かつ最外周に強化繊維が
−45°、+45°に引き揃えられた補強プリプレグ2
0を巻装している。このように、補強プリプレグ20
は、継合部における大径ロッド部材の受口部11aの最
外周部に巻装しても良く、最外周部に巻装することで、
本体プリプレグの乱れを少なくすることが可能となる。
また、外周部に配設することで、強化繊維の弾性を有効
に使え、効率良く高強度にできる。
【0033】(第6実施の形態)図7は、第6の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、小径ロッド
部材1の差込部1aの最外周部および大径ロッド部材1
1の受口部11aの最内周部に、それぞれ周方向プリプ
レグ21,25を巻装し、かつ各周方向プリプレグ2
1,25の中間領域を所定の範囲に亘ってカットし、こ
こに強化繊維が±45°に引き揃えられた補強プリプレ
グ22,23を巻装している。このように継合部Rにお
ける最もせん断力による変形が生じる部分に補強プリプ
レグを巻装することで竿の剛性バランスの変化を少なく
することができる。
【0034】(第7実施の形態)図8は、第7の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、大径ロッド
部材11の受口部11aの最内周部に周方向プリプレグ
30を巻装し、小径ロッド部材1の差込部1aの最外周
部に、強化繊維が±45°に引き揃えられた補強プリプ
レグ35を部分的に配設している。この場合、補強プリ
プレグ35は、径方向に対向して2個所、所定の幅を有
して配設されている。このように、補強プリプレグを全
周にわたって巻装するのではなく、周方向に部分的に配
設することで、竿の曲がり方向によって、調子を任意に
変化させることが可能となる。なお、図に示した構成で
は、矢印方向には曲がり易く、矢印と直交する方向には
曲がりにくい調子の竿となる。
【0035】(第8実施の形態)図9は、第8の実施の
形態を示す図である。この実施の形態では、大径ロッド
部材11の受口部11aの最内周部分に、フランジ40
aを有する筒状の補強部材40を着脱可能に構成してい
る。補強部材40は、強化繊維を±45°に引き揃えた
プリプレグを筒状に成形したものであり、このように補
強プリプレグを、筒状として成形しておき、これをロッ
ド部材本体とは別体に巻装しても同様な効果を奏するこ
とが可能である。
【0036】(第9実施の形態)図10は、第9の実施
の形態を示す図である。この実施の形態では、上述した
ような構成の本体層を有する小径ロッド部材1の差込部
1a及び大径ロッド部材11の受口部11aに以下のよ
うな構成の補強プリプレグを配設している。
【0037】小径ロッド部材1の差込部1aにおける本
体層の内側および外側に、それぞれ強化繊維が±45°
に引き揃えられた補強プリプレグ51,53を巻装して
いる。この構成において、釣人の合わせを出す力が人に
よって一定でなく、継合長さがばらつくことがあるた
め、両補強プリプレグ51,53とも継合長さRよりも
長く形成することが好ましく、特に、外観への影響を考
慮すると、内側の方が影響が少ないことから、内側の補
強プリプレグ51を外側の補強プリプレグ53よりも長
く形成することが好ましい。ただし、外側の補強プリプ
レグ53については、使用時において、大径ロッド部材
11から露出しないように、継合部Rの範囲内で形成し
ても良い。具体的には、各補強プリプレグ53,51の
大径ロッド部材11の端面P2からのそれぞれの突出長
さL1,L2について、L1は15mm〜−10mm、
好ましくは0mm〜−10mmとするのが良く、L2は
10mm〜50mmとするのが良い。また、内側の補強
プリプレグ51による補強層の厚さより、外側のプリプ
レグ53による補強層の厚さを厚くすることが好まし
い。
【0038】上述したように、小径ロッド部材1の外側
の補強プリプレグ53は、±45°の傾斜方向繊維層
(外側補強層)であるが、(イ)その厚さ合計を、0.
05〜0.3mm(好ましくは0.1〜0.25mm)
とする、(ロ)本体層の厚さの20%以上で80%以下
とする、(ハ)ロッド部材の内径をe、本体層を含む総
厚さをtとした場合、t/eを、0.15〜0.015
(好ましくは0.06〜0.02)とする、の各要件の
内、少なくとも1つの要件が満足されるように、外側補
強層を形成するのが好ましい。このような構成にするこ
とで、軽量で高強度の継合部にすることができる。
【0039】また、大径ロッド部材11の受口部11a
における本体層の内側及び外側に、それぞれ強化繊維が
±45°に引き揃えられた補強プリプレグ61,63を
巻装している。この構成を接着層Sを設けない振り出し
式釣竿に適用した場合において、釣人がロッド部材を引
出し継合するときの継合長さのバラツキを考慮して、両
補強プリプレグ61,63とも、標準的な継合部Rの長
さより長く形成することが好ましく、特に、合わせ長さ
がばらついた際に、メス側のロッド部材の本体層が保護
されるように、内側の補強プリプレグ61を外側の補強
プリプレグ63よりも長く形成することが好ましい。
【0040】なお、この実施の形態においても、補強プ
リプレグ51,53(61,63)の繊維方向は、それ
ぞれ−45°あるいは+45°(±30°〜±75°の
範囲であっても良い)のように単一方向に揃え、交差状
に構成しなくても良い。また、上記したような内側補強
プリプレグ及び外側補強プリプレグを巻装するのは、図
に示すように、小径ロッド部材及び大径ロッド部材の両
方であっても良いし、いずれか一方のロッド部材であっ
ても良い。また、そのような補強プリプレグは、例え
ば、交差状もしくは傾斜方向に引き揃えて内側のみに巻
装しても良い。また、上記した内側補強プリプレグ、外
側補強プリプレグ以外にも、その中間部分や外側補強プ
リプレグの外側に、更に別途補強プリプレグ(第3補強
プリプレグ)を巻装しても良い。このように第3補強プ
リプレグを巻装する構成では、内側補強プリプレグ、外
側補強プリプレグ(これらは、いずれか一方を省略して
も良い)、第3補強プリプレグの各繊維の方向について
は、傾斜/交差方向の層があれば、それ以外に、軸方
向、周方向に繊維が引き揃えられている層があっても良
い。例えば、小径ロッド部材において、外側補強プリプ
レグの繊維を軸方向、内側補強プリプレグを省略、第3
補強プリプレグを外側補強プリプレグの外側に巻装し、
かつ繊維方向を傾斜/交差方向とすることによって、軸
長方向での剛性を高くし、変形を抑制することが可能と
なる。あるいは、小径ロッド部材において、外側補強プ
リプレグの繊維を周方向、内側補強プリプレグを省略、
第3補強プリプレグを外側補強プリプレグの外側に巻装
し、かつ繊維方向を傾斜/交差方向とすることによっ
て、ロッド部材を継ぎ足して釣竿を組立てる製造工程、
あるいは、接着層を設けない場合に、端面でのつぶれや
点当たりを効果的に補強することができる。
【0041】上述したように、内側補強プリプレグ、外
側補強プリプレグ、第3補強プリプレグを巻装する構成
の場合、内側補強プリプレグ、外側補強プリプレグの層
厚は0.01〜1.5mmにするのが良い。この場合、
外側補強層の肉厚が第3補強層の肉厚よりも厚ければ、
これらの境界での急激な曲がりを抑制でき、ロッド部材
が曲がって玉口が当たった場合の集中応力を分散するこ
とができる。また、この構成において、内側補強プリプ
レグを巻装した場合、端面からの亀裂の進展やササクレ
を防止することができ、強度の向上を図ることができ
る。
【0042】また、上述したように、継合部Rに巻装さ
れる補強プリプレグは、成形時に繊維が動いたり、ある
いは繊維を斜め方向に引き揃えていることから、巻回作
業中に繊維がバラけたりすることがある。このため、補
強プリプレグについては、例えば図11に示すように構
成するのが好ましい。すなわち、+45°±15°(+
30°〜+60°)傾斜した繊維を引き揃えたプリプレ
グ70aと、−45°±15°(−30°〜−60°)
傾斜した繊維を引き揃えたプリプレグ70bとを重ねて
構成された補強プリプレグ70に、ガラス繊維の織布7
5を重ね合わせ、これを補強プリプレグとしてロッド部
材の継合部に巻装する。このように、ガラス繊維の織布
をさらに重ねることによって、成形時の継合部における
補強プリプレグの繊維の動きを規制してバラツキを防止
することができ、高強度の継合部にすることができる。
また、作業中の繊維のバラケ等を防止することができ、
ロッド部材を製造しやすくなる。なお、ガラス繊維の織
布は、その繊維方向を軸長方向と周方向になるように配
しても良いが、好ましくは、補強プリプレグの傾斜方向
繊維と同じく傾斜方向(±45°)とするのが良い。こ
のような傾斜方向とすることで、効率良くせん断に対す
る補強(傾斜方向繊維との組み合わせ)ができる。
【0043】図11に示す構成において、継合部として
好ましい効果が得られるように、補強プリプレグ70
a,70b及びガラス繊維の織布75は、以下のように
構成するのが良い。各プリプレグ70a,70bの厚さ
を、それぞれ0.01〜0.04mmとして両方合わせ
た厚さを0.05mm以下とし、ガラス繊維の織布75
の厚さを0.01〜0.03mmとし、補強プリプレグ
70及びガラス繊維の織布75の合計厚さを0.06m
m以下とする(これに限らず、各プリプレグ70a,7
0bの厚さを、それぞれ0.01〜0.15mmとして
両方合わせた厚さを0.3mm以下とし、ガラス繊維の
織布75の厚さを0.01〜0.1mmとし、補強プリ
プレグ70及びガラス繊維の織布75の合計厚さを0.
4mm以下としても良い)。各プリプレグ70a,70
bの樹脂含浸量は15〜70wt%とし、本体層の軸長
方向繊維層の樹脂含浸量よりも多くする。また、ガラス
繊維の織布75については、樹脂含浸量を0〜70wt
%として最も多くする。また、プリプレグ70a,70
bの繊維については、1〜90ton/mm2 の弾性率
のものを用いる。以上のように構成される継合部とする
ことによって、継合部分のせん断弾性率を従来品より高
くすることができる。また、せん断変形を抑えることで
継合部の強度を上げることができる。
【0044】上記したような補強プリプレグ70にガラ
ス繊維の織布75を重ね合わせて構成される継合部Rに
は、さらに、周方向に繊維を引き揃えたプリプレグ(以
下、第2補強プリプレグとする)を重ねても良い。図1
0に示した構成では、そのような第2補強プリプレグ7
8による補強層(以下、第2補強層とする)を小径ロッ
ド部材1の先端側の補強プリプレグ53の内側(補強プ
リプレグ53を部分的に切欠いて巻装しても良い)、及
び大径ロッド部材11の先端側の補強プリプレグ63の
外側に巻装している。このような第2補強プリプレグ
は、補強プリプレグ側(ガラス繊維の織布側でない方)
に重ねるのが良い。また、これらの補強プリプレグ7
0,78及びガラス繊維の織布75は、予めシート状に
重ねて1枚のプリプレグとして構成しても良いし、芯金
へ巻回する際、それぞれ個別に巻回しても良い。
【0045】上記したような第2補強プリプレグ78を
更に重ねることにより、継合部Rにおけるつぶれを効果
的に防止することができる。したがって、このようなプ
リプレグ78は、継合部Rの端部に部分的(5〜20m
m程度幅)追加巻回するのが良い。
【0046】以上のように構成される継合部Rについて
は、上述した各実施の形態に適用可能である。
【0047】次に、上述した継合部における本体層、傾
斜方向に繊維を引き揃えたプリプレグによる補強層、お
よび周方向に繊維を引き揃えたプリプレグによる第2補
強層の各層における層厚(繊維量)の割合について好ま
しい構成例を、図12を参照して説明する。なお、図1
2において、大径ロッド部材11の本体層は符号80
で、補強層は符号81で、補強層81上に巻装される第
2補強層は符号82で示してあり、小径ロッド部材1に
ついては、本体層は符号90で、補強層は符号91で、
補強層91を部分的に切欠いて巻装される第2補強層は
符号92で示してある。また、図12において、それぞ
れX,Y,Zは、継合部Rにおける先端部、中間部、本
体側の基端部を示している。
【0048】そして、図12に示すような構造の継合部
Rの各位置での、軸長方向における各層の繊維量の相対
的な比率を以下の表のように設定する。
【0049】
【表1】
【0050】各層において、軸長方向での各位置の繊維
量の相対的な比率を上記のようにすることで、先端部X
では裂けが防止でき、中間部Xではせん断が防止でき、
本体側の基端部Yでは剛性バランスの向上が図れるよう
になる。上記のような継合部における軸長方向での繊維
量の相対的な比率は、いずれか一方のロッド部材に適用
しても良いが、両ロッド部材に適用することが好まし
い。また、上記したような繊維量の比率は、上述したす
べての実施の形態について適用することが可能である。
【0051】なお、図12に示す構成では、小径ロッド
部材1の補強層91は、全周に巻装することが好ましい
が、複数に分割して円周方向の一部に部分的に配設する
と(図8参照)、軽量化を図ることができる。また、補
強層81,91の繊維は、本体層80,90における軸
長方向繊維の弾性率より、高弾性のものを用いること
で、効率良く補強することができる。
【0052】(第10実施の形態)図13は、第10の
実施の形態を示す。この実施の形態は、インロー継ぎ式
釣竿として形成してあり、長ロッド部材として形成され
た小径ロッド部材1と大径ロッド部材11との間に、短
ロッド部材として形成された中空構造のインロー継手1
01が配置されている。このインロー継手101は、強
化繊維を所要の方向に引き揃えた上述のような構成の本
体層の両端部に、それぞれ大径ロッド部材11および小
径ロッド部材1の受口部11a,1aに差込まれる大径
の差込部101aと小径の差込部101a,101bと
を有し、その中間部にテーパ部が形成されている。そし
て、大径ロッド部材の受口部11aとインロー継手10
1の大径の差込部101aとの間に接着層Sを介挿した
継合部Rを形成し、小径ロッド部材の受口部1aとイン
ロー継手101との間は接着層を設けることなく、摩擦
力で着脱可能に保持する嵌合部rを形成してある。この
嵌合部rは、接着層S設けられてない点を除いて継合部
Rと同様の構造であるため、同様な部分には同様な符号
を付し、その詳細な説明を省略する。
【0053】本実施の形態における継合部Rは、インロ
ー継手101の差込部101aにおける本体層の外側
に、強化繊維が±45°に引き揃えられた補強プリプレ
グ103を巻装されている。更にその内側で、差込部1
01aの端面から所要の軸方向距離にわたり、強化繊維
を周方向に引き揃えた第2補強プリプレグ105を巻装
されており、つぶれの影響を受け易い部分の補強を図っ
ている。
【0054】また、大径ロッド部材11の受口部11a
における本体層内側の接着層Sを介して対向する部分に
は、強化繊維が±45°に引き揃えられた補強プリプレ
グ107を巻装し、この補強プリプレグ107の外側
で、受口部11aの端面から所要の軸方向距離にわたる
部位には、強化繊維を周方向に引き揃えた第2補強プリ
プレグ105を巻装してあり、同様に、つぶれの影響を
受け易い部分の補強を図っている。この受口部11aに
おける補強プリプレグ107は、インロー継手101の
補強プリプレグ103に対して接着層Sを介して接着さ
れるため、差込部101aの端面から大きく軸方向内方
まで配設する必要はない。
【0055】この実施の形態では、継合部Rの強度を向
上し、接着層Sの剥離を防止できることから、継合部R
の長さ、したがってインロー継手101を短くすること
が可能となる。
【0056】なお、本実施の形態におけるインロー継手
101は、中空構造に形成してあるが、中実構造とする
ことも可能である。また、このインロー継手101のテ
ーパ部と差込部101aとの間に段部を設け、大径ロッ
ド部材11の受口部11aの外周面がこのテーパ部の外
周部に滑らかに移行するようにしてもよい。更に、嵌合
部rにおいても小径ロッド部材1とインロー継手101
とを接着してもよく、このようにする場合には、外径寸
法の大きく異なる大径ロッド部材11と小径ロッド部材
1とを好適に接合し、大径ロッド部材の受口部11aと
小径ロッド部材の受口部1aとの間で、その外周面を滑
らかに形成することが可能となる。
【0057】次に、図14は、第11の実施の形態を示
す。この実施の形態は、穂先竿に適用したものであり、
強化繊維を引き揃えて丸棒状に固められた中実ロッド部
材である小径ロッド部材110と、中空ロッド部材とし
て形成された大径ロッド部材11とが継合部Rにおいて
継合されている。
【0058】本実施の形態における継合部Rは、小径ロ
ッド部材110の差込部110aが、本体部から先端側
に向けて縮径された円錐状部とこの円錐状部の先端に配
置された円筒状部とを有し、これと対応する円錐状面お
よび円筒状面を形成された大径ロッド部材11の受口部
11aの開口内に差込まれ、接着層Sを介して結合され
ている。そして、受口部11aの外周部に、強化繊維が
±45°に引き揃えられた補強プリプレグ111を巻装
してある。
【0059】更に、本実施の形態では、継合部Rを含む
所定の軸方向距離にわたって補強糸113を巻回し、こ
の補強糸を熱硬化樹脂層115により、小径ロッド部材
110と大径ロッド部材11との外周面上に固着してあ
る。
【0060】この継合部Rでは、補強プリプレグ111
を受口部11aの外周部に巻装することにより、中軸構
造の差込部110aと受口部11aの開口部との寸法精
度を向上させつつせん断変形を防止し、接着層Sに作用
する応力を軽減することができる。これにより、継合部
Rの長さを短くし、やわらかい調子を維持した軽量の穂
先竿を形成することができる。
【0061】なお、本実施の形態では、補強プリプレグ
111を受口部11aの外周部に設けたものであるが、
これに限らず受口部11aの内周部に設けても良く、ま
た、差込部110aの外周部に設けても良いことは勿論
であるが、差込部と受口部との嵌合精度を向上させるた
めには、小径ロッド部材110と大径ロッド部材11と
のそれぞれの本体層が直接接触することが望ましい。
【0062】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、上述した第1実施の形態以外の実施の形態におい
ては、上述した第1実施の形態における(1)〜(5)
の構成を適宜用いることが可能である。また、上述した
各実施の形態において、ロッド部材本体を構成するプリ
プレグの枚数、樹脂含浸量、肉厚、巻回数、用いられる
強化繊維の方向、繊維量、弾性率等の構成および配置部
位は種々変形することが可能である。例えば、ロッド部
材本体の軸長方向繊維を端部に行くに従って少なくし、
継合部の周方向繊維を端部に行くに従って多くすること
で、継合部のたわみ、しなり性の向上が図れる。さら
に、上述した実施の形態では、接着層を介挿した継合部
を有する釣竿について説明したが、接着層を省略するこ
とにより振出し式、インロー継ぎ、あるいは、並み継ぎ
式の竿にも適用することが可能である。
【0063】上述した実施の形態のように、繊維が交差
した(傾斜した)補強層を継合部に巻装することで、合
わせ部分でのせん断変形量を抑えることができるため、
接着層の応力の軽減を図ると共に、竿全体としての剛性
を向上することができる。この場合、補強層の繊維の弾
性率を上げることにより、更に剛性を高めることが可能
となる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、強化繊維を傾斜方向に
引き揃えたプリプレグを配設することで、継合部の接着
面における変形を抑制し、接着面の剥離あるいは剥離の
進展を防止し、長期間にわたって接着効果を維持するこ
とのできる軽量かつバランスの良い釣竿を提供する。ま
た、継合部の長さを短くすることが可能となって、釣竿
全体の軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態による釣竿の継合部に
おける部分断面図。
【図2】(a)は、図1に示す継合部を有する小径ロッ
ド部材を形成するプリプレグの配置構成例を示す図、
(b)は、図1に示す継合部を有する小径ロッド部材を
形成するプリプレグの配置構成例を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図9】本発明の第8の実施の形態を示す継合部の部分
断面部。
【図10】本発明の第9の実施の形態を示す図である。
【図11】継合部における好ましい構造を説明するため
の図。
【図12】継合部の各位置における各層の好ましい繊維
量を説明するための図。
【図13】本発明の第10の実施の形態によるインロー
継ぎ式釣竿の部分断面図。
【図14】本発明の第11の実施の形態による釣竿の穂
先竿の部分断面図。
【符号の説明】
1…小径ロッド部材、5,6,7,22,35…補強プ
リプレグ 11…大径ロッド部材、15,16,17,20,2
3,40…補強プリプレグ、R…継合部、S…接着層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸長方向に隣接配置されたロッド部材を
    継合する継合部を備えた釣竿であって、この継合部は、
    一方のロッド部材に設けられた受口部と、他方のロッド
    部材に設けられ、この受口部に差込まれる差込部と、こ
    れらの受口部と差込部との間に介挿された接着層と、こ
    れらの受口部と差込部との少なくとも一方の周部に巻装
    され、強化繊維を軸長方向に対して傾斜させて配置した
    補強プリプレグとを有することを特徴とする釣竿。
  2. 【請求項2】 前記釣竿は、複数の長ロッド部材と、こ
    れらの長ロッド部材間に配置される少なくとも1つの短
    ロッド部材とを有し、この短ロッド部材は、一端に、前
    記差込部を形成され、他端に、隣接する長ロッド部材に
    対して着脱自在な装着部を有することを特徴とする請求
    項1に記載の釣竿。
  3. 【請求項3】 前記釣竿は、中実ロッド部材と中空ロッ
    ド部材とを有し、前記継合部は、これらの中実ロッド部
    材と中空ロッド部材とを継合することを特徴とする請求
    項1に記載の釣竿。
  4. 【請求項4】 前記補強プリプレグの強化繊維は、それ
    ぞれ傾斜角度が異なる複数の方向に配置されることによ
    り、交差状に引き揃えられていることを特徴とする請求
    項1から3のいずれか1に記載の釣竿。
  5. 【請求項5】 前記補強プリプレグは、ロッド部材の双
    方に巻装され、これらの補強プリプレグの強化繊維は、
    それぞれの補強プリプレグ毎に傾斜角度が異なる複数の
    方向に配置されることにより、交差状に配置されること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の釣
    竿。
  6. 【請求項6】 前記傾斜角度は、+45°と−45°と
    であることを特徴とする請求項4又は5に記載の釣竿。
JP2000208914A 2000-07-10 2000-07-10 釣竿 Expired - Fee Related JP4317649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000208914A JP4317649B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 釣竿

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000208914A JP4317649B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 釣竿

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002017209A true JP2002017209A (ja) 2002-01-22
JP4317649B2 JP4317649B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=18705411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000208914A Expired - Fee Related JP4317649B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 釣竿

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4317649B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003250396A (ja) * 2002-02-27 2003-09-09 Daiwa Seiko Inc インロー継合構造を有した釣竿
CN112576922A (zh) * 2019-09-27 2021-03-30 丰田自动车株式会社 构造物的约束构造

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5408557B2 (ja) 2008-06-04 2014-02-05 株式会社瑞光 弾性部材案内装置、及び使い捨て着用物品の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003250396A (ja) * 2002-02-27 2003-09-09 Daiwa Seiko Inc インロー継合構造を有した釣竿
CN112576922A (zh) * 2019-09-27 2021-03-30 丰田自动车株式会社 构造物的约束构造
CN112576922B (zh) * 2019-09-27 2022-09-27 丰田自动车株式会社 构造物的约束构造

Also Published As

Publication number Publication date
JP4317649B2 (ja) 2009-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001238573A (ja) 釣 竿
JP4614277B2 (ja) 振出竿
JP3964914B2 (ja) 釣竿
JP3566525B2 (ja) 釣竿
JP2002017209A (ja) 釣 竿
JPH08126451A (ja) 中通し釣竿
JP4623565B2 (ja) 振出竿用の竿体
JP2000236782A (ja) 釣 竿
JP2001205710A (ja) 非接着frp継構造体
JP2001037377A (ja) 釣 竿
JP2007209259A (ja) 釣り竿
JP2009159835A (ja) 釣竿
JP3413357B2 (ja) ゴルフクラブシャフト
JPH11155986A (ja) ゴルフクラブシャフト
JP3171333B2 (ja) 中通し釣竿
JP3838558B2 (ja) 管状体
JP5376594B2 (ja) インロー継合構造を有する釣竿
JPH11151056A (ja) 継式釣竿
JP2001178315A (ja) 釣 竿
JP3553365B2 (ja) 釣竿
JP3171334B2 (ja) 中通し釣竿
JP2000166426A (ja) 釣 竿
JP2001061378A (ja) 継式釣竿
JP3567075B2 (ja) 釣竿
JP2003274802A (ja) 継合式釣竿

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4317649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees