JP3515891B2 - 釣 竿 - Google Patents
釣 竿Info
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- JP3515891B2 JP3515891B2 JP32605797A JP32605797A JP3515891B2 JP 3515891 B2 JP3515891 B2 JP 3515891B2 JP 32605797 A JP32605797 A JP 32605797A JP 32605797 A JP32605797 A JP 32605797A JP 3515891 B2 JP3515891 B2 JP 3515891B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿に係わり、特
に、強化繊維に合成樹脂を含浸して成るプリプレグを巻
回することによって形成される積層構造の竿管を有する
釣竿に関する。
に、強化繊維に合成樹脂を含浸して成るプリプレグを巻
回することによって形成される積層構造の竿管を有する
釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣竿の竿管は、芯金に対して各
種プリプレグを重合するように巻回し、その上にセロハ
ンテープを巻回して安定させた後、これを加熱炉に導入
して合成樹脂を熱硬化させ、その後、冷却して、脱芯、
セロハンテープの剥離、研磨、塗装等の工程を経て作成
される。
種プリプレグを重合するように巻回し、その上にセロハ
ンテープを巻回して安定させた後、これを加熱炉に導入
して合成樹脂を熱硬化させ、その後、冷却して、脱芯、
セロハンテープの剥離、研磨、塗装等の工程を経て作成
される。
【0003】このようにして作成される竿管は、プリプ
レグを構成する強化繊維の種類や引揃方向、プリプレグ
の厚さや巻回態様、樹脂含浸量等によって、その特性が
変化する。したがって、例えば釣糸を竿管内に通して使
用する中通し竿では、穂先竿管の内径を大きく確保して
釣糸と竿管との間の摺動抵抗を少なくしつつ竿管の調子
を軟らかく維持するために、特開平9−65800号に
開示されているように、引張弾性率(以下、弾性率とす
る)の低い炭素繊維を強化繊維としたプリプレグを巻回
して竿管を形成することが提案されている。
レグを構成する強化繊維の種類や引揃方向、プリプレグ
の厚さや巻回態様、樹脂含浸量等によって、その特性が
変化する。したがって、例えば釣糸を竿管内に通して使
用する中通し竿では、穂先竿管の内径を大きく確保して
釣糸と竿管との間の摺動抵抗を少なくしつつ竿管の調子
を軟らかく維持するために、特開平9−65800号に
開示されているように、引張弾性率(以下、弾性率とす
る)の低い炭素繊維を強化繊維としたプリプレグを巻回
して竿管を形成することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、竿管を
形成するにあたり、低弾性の繊維強化プリプレグを用い
ることで調子を柔らかく、屈曲しやすい竿管にすること
ができるが、以下のような欠点がある。
形成するにあたり、低弾性の繊維強化プリプレグを用い
ることで調子を柔らかく、屈曲しやすい竿管にすること
ができるが、以下のような欠点がある。
【0005】低弾性の繊維強化プリプレグによって竿管
を形成すると、大きくたわむような負荷が一定時間掛か
ると、塑性変形してしまう。特に、上記従来技術のよう
に、穂先側を低弾性の繊維強化プリプレグによって構成
すると、穂先側は最もたわみやすい部分であるため、穂
先部分が塑性変形しやすく、元の形状に戻らなくなって
しまう(塑性曲りの発生)。
を形成すると、大きくたわむような負荷が一定時間掛か
ると、塑性変形してしまう。特に、上記従来技術のよう
に、穂先側を低弾性の繊維強化プリプレグによって構成
すると、穂先側は最もたわみやすい部分であるため、穂
先部分が塑性変形しやすく、元の形状に戻らなくなって
しまう(塑性曲りの発生)。
【0006】また、上記プリプレグの強化繊維は、ある
程度の値(例えば炭素繊維では、20tonf/mm 2 程度)
から低弾性化して行くと、それに伴って引張強度も低下
するため、竿管としては大きくたわむ特性が得られるも
のの、逆に、大きいたわみ時に容易に破損しやすくなっ
てしまう。本発明は、大きく屈曲しても(たわんでも)
破損しにくく、しかも塑性曲りを防止することが可能な
竿管を有する釣竿を提供することを目的とする。
程度の値(例えば炭素繊維では、20tonf/mm 2 程度)
から低弾性化して行くと、それに伴って引張強度も低下
するため、竿管としては大きくたわむ特性が得られるも
のの、逆に、大きいたわみ時に容易に破損しやすくなっ
てしまう。本発明は、大きく屈曲しても(たわんでも)
破損しにくく、しかも塑性曲りを防止することが可能な
竿管を有する釣竿を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の釣竿は、弾性率20tonf/mm2 未満の低
弾性の強化繊維からなる軸長方向繊維を主体とした繊維
強化プリプレグを巻回形成した厚さの厚い本体繊維層
と、この本体繊維層の外層側及び/又は内層側に配設さ
れ、この本体繊維層の強化繊維よりも高弾性の軸長方向
引揃繊維と周方向引揃繊維を有する極薄層と、竿管の基
端側を補強する補強層とを備え、この補強層は、複数の
巻回部を形成する階段状の補強用プリプレグで形成さ
れ、竿管の中間部から端部に向かって段階的に肉厚が大
きく形成されることを特徴とする。
に、本発明の釣竿は、弾性率20tonf/mm2 未満の低
弾性の強化繊維からなる軸長方向繊維を主体とした繊維
強化プリプレグを巻回形成した厚さの厚い本体繊維層
と、この本体繊維層の外層側及び/又は内層側に配設さ
れ、この本体繊維層の強化繊維よりも高弾性の軸長方向
引揃繊維と周方向引揃繊維を有する極薄層と、竿管の基
端側を補強する補強層とを備え、この補強層は、複数の
巻回部を形成する階段状の補強用プリプレグで形成さ
れ、竿管の中間部から端部に向かって段階的に肉厚が大
きく形成されることを特徴とする。
【0008】上記のように、竿管が、低弾性の強化繊維
からなるプリプレグの本体繊維層の外層側及び/又は内
層側に、本体繊維層の強化繊維よりも高弾性の軸長方向
引揃繊維と周方向引揃繊維を有する極薄層を配設するこ
とで、竿管が大きくたわんだ際の樹脂の動きが両方向
(軸長方向、周方向)から押さえ付けられ、本体プリプ
レグ層の強度低下及び塑性曲りが防止される。また、階
段状の補強用プリプレグにより、補強層が竿管の中間部
から端部に向かって段階的に肉厚が大きく形成されるこ
とにより、竿管として調子の向上が図れると共に、方向
性の向上(素材曲り等を防止する)が図れる。
からなるプリプレグの本体繊維層の外層側及び/又は内
層側に、本体繊維層の強化繊維よりも高弾性の軸長方向
引揃繊維と周方向引揃繊維を有する極薄層を配設するこ
とで、竿管が大きくたわんだ際の樹脂の動きが両方向
(軸長方向、周方向)から押さえ付けられ、本体プリプ
レグ層の強度低下及び塑性曲りが防止される。また、階
段状の補強用プリプレグにより、補強層が竿管の中間部
から端部に向かって段階的に肉厚が大きく形成されるこ
とにより、竿管として調子の向上が図れると共に、方向
性の向上(素材曲り等を防止する)が図れる。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。図1乃至図3は本発明の
一実施の形態を示しており、図1は釣竿に用いられる竿
管を形成するプリプレグの配置構成例を、図2はプリプ
レグの巻回態様の一例を、そして、図3は形成された竿
管の一部断面をそれぞれ示す。
の実施形態について説明する。図1乃至図3は本発明の
一実施の形態を示しており、図1は釣竿に用いられる竿
管を形成するプリプレグの配置構成例を、図2はプリプ
レグの巻回態様の一例を、そして、図3は形成された竿
管の一部断面をそれぞれ示す。
【0012】竿管1は、強化繊維に合成樹脂を含浸した
複数種類のプリプレグを芯金3に重合するように巻装
し、これを加熱炉に導入して合成樹脂を熱硬化させ、そ
の後、冷却、脱芯等の工程を経て作成される。この場
合、各プリプレグは、強化繊維として弾性率が0.1to
nf/mm 2 〜90tonf/mm 2 のカーボン、ボロン、ガラ
ス、有機繊維などが使用され、含浸される合成樹脂とし
て例えばエポキシ樹脂等が使用される。
複数種類のプリプレグを芯金3に重合するように巻装
し、これを加熱炉に導入して合成樹脂を熱硬化させ、そ
の後、冷却、脱芯等の工程を経て作成される。この場
合、各プリプレグは、強化繊維として弾性率が0.1to
nf/mm 2 〜90tonf/mm 2 のカーボン、ボロン、ガラ
ス、有機繊維などが使用され、含浸される合成樹脂とし
て例えばエポキシ樹脂等が使用される。
【0013】図1に示すように、竿管を中通し竿として
用いる場合、芯金3に対して、釣糸案内部を形成するた
めの処理が施される。まず、芯金3に対して、所定幅を
有するテープ5を螺旋状に巻回し、芯金3に凹凸部を形
成する。次に、凹部となった部分に極薄テープ6を巻回
し、その極薄テープの上からガイド部材7(例えば、金
属や合成樹脂、あるいは有機繊維、セラミックス、カー
ボン束等に合成樹脂を含浸させたもの)を巻回し、その
上から、各種プリプレグを巻回する。そして、脱芯した
後に、テープ5及び極薄テープ6を取り除くことによ
り、図3に示すように竿管の内周面に、上記ガイド部材
7によって螺旋状の釣糸案内部7aが形成される。
用いる場合、芯金3に対して、釣糸案内部を形成するた
めの処理が施される。まず、芯金3に対して、所定幅を
有するテープ5を螺旋状に巻回し、芯金3に凹凸部を形
成する。次に、凹部となった部分に極薄テープ6を巻回
し、その極薄テープの上からガイド部材7(例えば、金
属や合成樹脂、あるいは有機繊維、セラミックス、カー
ボン束等に合成樹脂を含浸させたもの)を巻回し、その
上から、各種プリプレグを巻回する。そして、脱芯した
後に、テープ5及び極薄テープ6を取り除くことによ
り、図3に示すように竿管の内周面に、上記ガイド部材
7によって螺旋状の釣糸案内部7aが形成される。
【0014】なお、中通し竿の竿管を作成する場合、釣
糸案内部の形成は、種々の手段を用いることができ、上
記したような手段に限定されることはない。竿管1は、
強化繊維を軸長方向に引揃え、先端側と基端側でそれぞ
れ2プライされるように裁断された第1プリプレグ1
0、強化繊維を軸長方向に引揃えたプリプレグ12a
に、強化繊維を周方向に引揃えたプリプレグ12bを裏
打ちして構成され、先端側と基端側でそれぞれ3プライ
されるように裁断された第2プリプレグ12、そして、
竿管の元部側を補強する補強用プリプレグ15によって
構成される。この場合、補強用プリプレグ15は、強化
繊維を軸長方向に引揃えた段付きの2枚の補助プリプレ
グ15a,15bからなる。各補助プリプレグ15aお
よび15bは、それぞれ1プライずつ巻回される3つの
巻回部17,18,19および20,21,22を有し
ており、各巻回部17〜22は、その軸長方向の長さが
異なるように裁断されている。したがって、竿管の中間
部から端部に向かって段階的に補強用プリプレグ15に
よる補強層の肉厚が大きくなる。なお、この補強用プリ
プレグ15は、1枚のプリプレグによって構成されてい
ても良いし、設けなくても良い。あるいは、補強層とし
て別の構成(裁断形状、強化繊維の引揃方向等)の補強
用プリプレグを用いても良い。
糸案内部の形成は、種々の手段を用いることができ、上
記したような手段に限定されることはない。竿管1は、
強化繊維を軸長方向に引揃え、先端側と基端側でそれぞ
れ2プライされるように裁断された第1プリプレグ1
0、強化繊維を軸長方向に引揃えたプリプレグ12a
に、強化繊維を周方向に引揃えたプリプレグ12bを裏
打ちして構成され、先端側と基端側でそれぞれ3プライ
されるように裁断された第2プリプレグ12、そして、
竿管の元部側を補強する補強用プリプレグ15によって
構成される。この場合、補強用プリプレグ15は、強化
繊維を軸長方向に引揃えた段付きの2枚の補助プリプレ
グ15a,15bからなる。各補助プリプレグ15aお
よび15bは、それぞれ1プライずつ巻回される3つの
巻回部17,18,19および20,21,22を有し
ており、各巻回部17〜22は、その軸長方向の長さが
異なるように裁断されている。したがって、竿管の中間
部から端部に向かって段階的に補強用プリプレグ15に
よる補強層の肉厚が大きくなる。なお、この補強用プリ
プレグ15は、1枚のプリプレグによって構成されてい
ても良いし、設けなくても良い。あるいは、補強層とし
て別の構成(裁断形状、強化繊維の引揃方向等)の補強
用プリプレグを用いても良い。
【0015】上記補強用プリプレグ15の基端側外周に
は、継合部形成用プリプレグ25が巻回される。このプ
リプレグ25は、強化繊維が軸長方向に引揃えられたプ
リプレグ25aに織布25bを裏打ちして構成されてお
り、前後の竿管の継ぎ合わせ部分(厚肉部)を構成す
る。
は、継合部形成用プリプレグ25が巻回される。このプ
リプレグ25は、強化繊維が軸長方向に引揃えられたプ
リプレグ25aに織布25bを裏打ちして構成されてお
り、前後の竿管の継ぎ合わせ部分(厚肉部)を構成す
る。
【0016】上記第1プリプレグ10は、図2に示すよ
うに、第2プリプレグ12の内側に重合され、芯金3に
対して第2プリプレグ12が1プライされた後、第2プ
リプレグ上に巻回される。したがって、形成される竿管
の最内層は、周方向強化繊維層となる。また、補強用プ
リプレグ15は、各補助プリプレグ15a,15bを順
に巻回するように構成されているが、両者を予め重合し
た状態で巻回しても良い。
うに、第2プリプレグ12の内側に重合され、芯金3に
対して第2プリプレグ12が1プライされた後、第2プ
リプレグ上に巻回される。したがって、形成される竿管
の最内層は、周方向強化繊維層となる。また、補強用プ
リプレグ15は、各補助プリプレグ15a,15bを順
に巻回するように構成されているが、両者を予め重合し
た状態で巻回しても良い。
【0017】上記した構成において、第1プリプレグ1
0の強化繊維には、低弾性のもの、具体的には、弾性率
が20tonf/mm 2 未満、好ましくは10tonf/mm 2 以
下、より好ましくは0.1tonf/mm 2 〜5tonf/mm 2 の
ものが用いられ、第2プリプレグ12および補強用プリ
プレグ15の強化繊維には、第1プリプレグ10の強化
繊維の弾性率よりも高弾性のもの、具体的には弾性率が
20tonf/mm 2 以上、好ましくは20tonf/mm 2 〜30
tonf/mm 2 程度のものが用いられる。このように、低弾
性の強化繊維によるプリプレグを用いることにより、屈
曲量の大きいたわみ性の優れた軟調子の竿管にすること
ができ、かつ、これよりも高弾性の強化繊維によるプリ
プレグを用いることにより、軟調子の特性を得たまま、
その強度の向上および塑性変形の防止を図ることが可能
となる。したがって、中通しの釣竿に用いる場合、竿管
内径を適度に大きくして釣糸をスムーズに案内すること
ができ、なおかつ、強度低下や塑性変形が無い状態で大
きいたわみ特性が得られる。
0の強化繊維には、低弾性のもの、具体的には、弾性率
が20tonf/mm 2 未満、好ましくは10tonf/mm 2 以
下、より好ましくは0.1tonf/mm 2 〜5tonf/mm 2 の
ものが用いられ、第2プリプレグ12および補強用プリ
プレグ15の強化繊維には、第1プリプレグ10の強化
繊維の弾性率よりも高弾性のもの、具体的には弾性率が
20tonf/mm 2 以上、好ましくは20tonf/mm 2 〜30
tonf/mm 2 程度のものが用いられる。このように、低弾
性の強化繊維によるプリプレグを用いることにより、屈
曲量の大きいたわみ性の優れた軟調子の竿管にすること
ができ、かつ、これよりも高弾性の強化繊維によるプリ
プレグを用いることにより、軟調子の特性を得たまま、
その強度の向上および塑性変形の防止を図ることが可能
となる。したがって、中通しの釣竿に用いる場合、竿管
内径を適度に大きくして釣糸をスムーズに案内すること
ができ、なおかつ、強度低下や塑性変形が無い状態で大
きいたわみ特性が得られる。
【0018】この場合、第1プリプレグ(低弾性強化繊
維プリプレグ)10による肉厚は、たわみ特性が充分発
揮できるように、第2プリプレグ(高弾性強化繊維プリ
プレグ)12の肉厚の25%以上、好ましくは40%、
より好ましくは50%以上とするのが良い。ただし、低
弾性強化繊維プリプレグ10の肉厚を、厚くし過ぎる
と、強度低下や塑性変形の問題が生じてくるため、85
%以下に設定すると良い。なお、このような肉厚の関係
は、竿管の少なくとも一部の領域で満足されていれば良
い。図に示す構成では、第1プリプレグ10の肉厚は、
0.03mm、第2プリプレグ12の肉厚は0.02mmに
設定されており、先端側において第1プリプレグ10と
第2プリプレグ12の肉厚は等しく設定されている。
維プリプレグ)10による肉厚は、たわみ特性が充分発
揮できるように、第2プリプレグ(高弾性強化繊維プリ
プレグ)12の肉厚の25%以上、好ましくは40%、
より好ましくは50%以上とするのが良い。ただし、低
弾性強化繊維プリプレグ10の肉厚を、厚くし過ぎる
と、強度低下や塑性変形の問題が生じてくるため、85
%以下に設定すると良い。なお、このような肉厚の関係
は、竿管の少なくとも一部の領域で満足されていれば良
い。図に示す構成では、第1プリプレグ10の肉厚は、
0.03mm、第2プリプレグ12の肉厚は0.02mmに
設定されており、先端側において第1プリプレグ10と
第2プリプレグ12の肉厚は等しく設定されている。
【0019】図4は、図1に示すプリプレグによって形
成された竿管の縦断面図であり、(a)は先端側、
(b)は基端側を示している。この断面図から明らかな
ように、先端側では、第1プリプレグ10と第2プリプ
レグ12の肉厚が略等しく、このため、大きいたわみ特
性が得られるのに対し、基端側では、高弾性の強化繊維
によって構成される補強用プリプレグ15が巻装される
ことにより、低弾性強化繊維プリプレグ10による肉厚
が少なくなるため、たわみ量は先端側よりも少なくな
る。ただし、いずれの側においても、低弾性の強化繊維
によるプリプレグを、高弾性の強化繊維によるプリプレ
グによって補強しているため、竿管として好ましいたわ
み特性を得た状態で、強度の低下、塑性変形が防止され
る。
成された竿管の縦断面図であり、(a)は先端側、
(b)は基端側を示している。この断面図から明らかな
ように、先端側では、第1プリプレグ10と第2プリプ
レグ12の肉厚が略等しく、このため、大きいたわみ特
性が得られるのに対し、基端側では、高弾性の強化繊維
によって構成される補強用プリプレグ15が巻装される
ことにより、低弾性強化繊維プリプレグ10による肉厚
が少なくなるため、たわみ量は先端側よりも少なくな
る。ただし、いずれの側においても、低弾性の強化繊維
によるプリプレグを、高弾性の強化繊維によるプリプレ
グによって補強しているため、竿管として好ましいたわ
み特性を得た状態で、強度の低下、塑性変形が防止され
る。
【0020】なお、補強用プリプレグ15を軸長方向に
沿って階段状に裁断した構成としたことにより、竿管と
して調子の向上が図れると共に、方向性の向上(素材曲
り等を防止する)が図れる。このような階段状に構成さ
れる補強プリプレグを用いる場合、各補助プリプレグ1
5aおよび15bの各1プライずつ巻回される3つの巻
回部17,18,19および20,21,22は、調子
の向上および方向性の向上がより達成できるように、長
手方向の距離を基端側に行くにしたがって均等間隔で減
少するように裁断しておくのが好ましい。
沿って階段状に裁断した構成としたことにより、竿管と
して調子の向上が図れると共に、方向性の向上(素材曲
り等を防止する)が図れる。このような階段状に構成さ
れる補強プリプレグを用いる場合、各補助プリプレグ1
5aおよび15bの各1プライずつ巻回される3つの巻
回部17,18,19および20,21,22は、調子
の向上および方向性の向上がより達成できるように、長
手方向の距離を基端側に行くにしたがって均等間隔で減
少するように裁断しておくのが好ましい。
【0021】図1に示したプリプレグの配置は一例を示
したに過ぎず、各プリプレグの巻回方法については、例
えば図5に示すような順序で巻回しても良い。この配置
構成の場合、補助プリプレグ15aおよび15bを最初
に巻回し、その後、第2プリプレグ12、第1プリプレ
グ10を順に巻回し、最後に継合部形成用プリプレグ2
5を巻回する。なお、各プリプレグの巻回に際しては、
各プリプレグ同士を任意に予め張り付けておき、これを
一体的に芯金3に巻回しても良い。
したに過ぎず、各プリプレグの巻回方法については、例
えば図5に示すような順序で巻回しても良い。この配置
構成の場合、補助プリプレグ15aおよび15bを最初
に巻回し、その後、第2プリプレグ12、第1プリプレ
グ10を順に巻回し、最後に継合部形成用プリプレグ2
5を巻回する。なお、各プリプレグの巻回に際しては、
各プリプレグ同士を任意に予め張り付けておき、これを
一体的に芯金3に巻回しても良い。
【0022】竿管を構成する各種プリプレグは、様々な
構成のものを用いることが可能であり、図に示すような
構成に限定されることはない。次に、図6(a)および
(b)に示す竿管の横断面構造を参照して、本発明の上
記した構成をより詳しく、さらには別の態様について説
明する。なお、図に示す竿管の断面部分は先端側であ
り、(a)は、図4(a)に示した構造に対応する図、
(b)は、別の積層構造の一例を示した図である。これ
らの図において、符号10は、低弾性強化繊維を軸長方
向に引揃えたプリプレグで構成される低弾性繊維層、符
号12は、高弾性強化繊維のプリプレグで構成される高
弾性繊維層を示しており、この高弾性繊維層12は、軸
長方向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維層12a、周方
向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維層12bよって構成
されている。また、これ以外にも、例えば、図(b)に
示すように、高弾性繊維層12a上に軸長方向に強化繊
維を引揃えた高弾性繊維層12cを配設しても良い。
構成のものを用いることが可能であり、図に示すような
構成に限定されることはない。次に、図6(a)および
(b)に示す竿管の横断面構造を参照して、本発明の上
記した構成をより詳しく、さらには別の態様について説
明する。なお、図に示す竿管の断面部分は先端側であ
り、(a)は、図4(a)に示した構造に対応する図、
(b)は、別の積層構造の一例を示した図である。これ
らの図において、符号10は、低弾性強化繊維を軸長方
向に引揃えたプリプレグで構成される低弾性繊維層、符
号12は、高弾性強化繊維のプリプレグで構成される高
弾性繊維層を示しており、この高弾性繊維層12は、軸
長方向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維層12a、周方
向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維層12bよって構成
されている。また、これ以外にも、例えば、図(b)に
示すように、高弾性繊維層12a上に軸長方向に強化繊
維を引揃えた高弾性繊維層12cを配設しても良い。
【0023】図に示すように、低弾性繊維層10および
高弾性繊維層12a(12c)は、共に強化繊維が軸長
方向に引き揃えられている。そして、このような強化繊
維が軸長方向に引き揃えられた低弾性繊維層10および
高弾性繊維層12a(12c)を、図に示すように、同
一の層P内となるよう並び沿わせることによって、効率
良く相互補完的な補強効果が得られ、強度の向上が図れ
る。
高弾性繊維層12a(12c)は、共に強化繊維が軸長
方向に引き揃えられている。そして、このような強化繊
維が軸長方向に引き揃えられた低弾性繊維層10および
高弾性繊維層12a(12c)を、図に示すように、同
一の層P内となるよう並び沿わせることによって、効率
良く相互補完的な補強効果が得られ、強度の向上が図れ
る。
【0024】低弾性繊維層10の強化繊維の径を10μ
以上とし、高弾性繊維層12(12c)の強化繊維の径
よりも大きくすることが好ましい。低弾性繊維層10の
強化繊維の径を10μ以上とすることにより、低弾性の
強化繊維であっても座屈強度を大きくすることができ、
強度の向上が図れる。
以上とし、高弾性繊維層12(12c)の強化繊維の径
よりも大きくすることが好ましい。低弾性繊維層10の
強化繊維の径を10μ以上とすることにより、低弾性の
強化繊維であっても座屈強度を大きくすることができ、
強度の向上が図れる。
【0025】低弾性繊維層10の強化繊維は、耐炎化材
料又は半炭化有機繊維材料とすることが好ましい。この
ような材料を用いることにより、破断伸度が大きくな
り、大きいたわみが可能になると共に、たわみ時の座屈
破壊を防止して調子と強度に優れた竿管となる。
料又は半炭化有機繊維材料とすることが好ましい。この
ような材料を用いることにより、破断伸度が大きくな
り、大きいたわみが可能になると共に、たわみ時の座屈
破壊を防止して調子と強度に優れた竿管となる。
【0026】低弾性繊維層10を構成するプリプレグの
合成樹脂含浸量を、高弾性繊維層12(12c)を構成
するプリプレグの合成樹脂含浸量よりも多くするのが好
ましい。このようなプリプレグを用いることで、一層軟
らかな調子または内径の大きい竿管にすることができ、
調子と強度バランスに優れた竿管が得られる。
合成樹脂含浸量を、高弾性繊維層12(12c)を構成
するプリプレグの合成樹脂含浸量よりも多くするのが好
ましい。このようなプリプレグを用いることで、一層軟
らかな調子または内径の大きい竿管にすることができ、
調子と強度バランスに優れた竿管が得られる。
【0027】強化繊維が軸長方向に引き揃えられた低弾
性繊維層10および高弾性繊維層12の軸長方向に引き
揃えられた高弾性繊維層12a(12c)を、強化繊維
を周方向に引き揃えた高弾性繊維層12b間に配するこ
とが好ましい。このような配設状態とすることで、軸長
方向の繊維層10,12a(12c)が周方向繊維層間
に包み込まれるように一体形成されるため、一層の強度
向上が図れる。
性繊維層10および高弾性繊維層12の軸長方向に引き
揃えられた高弾性繊維層12a(12c)を、強化繊維
を周方向に引き揃えた高弾性繊維層12b間に配するこ
とが好ましい。このような配設状態とすることで、軸長
方向の繊維層10,12a(12c)が周方向繊維層間
に包み込まれるように一体形成されるため、一層の強度
向上が図れる。
【0028】周方向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維層
12bおよび軸長方向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維
層12aを薄くし、これを重合して極薄層を形成する。
この場合、極薄層の厚さは0.04mm〜0.004mm、
好ましくは0.03mm以下、より好ましくは0.03mm
以下とする。そして、このように重合した極薄層12
a,12bを、軸長方向繊維を主体とした繊維層(本体
繊維層)の外層側及び/又は内層側に配設する。このよ
うな構成にすることにより、本体層の特性を生かした軽
量・高強度の竿管が得られ、また、薄肉化が可能とな
り、大径のわりに屈曲しやすいたわみ性の優れた竿管に
することができる。さらに、中通し竿に用いると、竿管
内径を適度に大きくすることができ、釣糸をスムーズに
案内することができる。なお、この場合、図(a)に示
すように、本体繊維層を、その強化繊維の弾性率を20
tonf/mm 2 未満の低弾性繊維層10とすることで、一層
屈曲量の大きい、たわみ性の優れた軟調子部を有する竿
管にすることが可能となる。
12bおよび軸長方向に強化繊維を引揃えた高弾性繊維
層12aを薄くし、これを重合して極薄層を形成する。
この場合、極薄層の厚さは0.04mm〜0.004mm、
好ましくは0.03mm以下、より好ましくは0.03mm
以下とする。そして、このように重合した極薄層12
a,12bを、軸長方向繊維を主体とした繊維層(本体
繊維層)の外層側及び/又は内層側に配設する。このよ
うな構成にすることにより、本体層の特性を生かした軽
量・高強度の竿管が得られ、また、薄肉化が可能とな
り、大径のわりに屈曲しやすいたわみ性の優れた竿管に
することができる。さらに、中通し竿に用いると、竿管
内径を適度に大きくすることができ、釣糸をスムーズに
案内することができる。なお、この場合、図(a)に示
すように、本体繊維層を、その強化繊維の弾性率を20
tonf/mm 2 未満の低弾性繊維層10とすることで、一層
屈曲量の大きい、たわみ性の優れた軟調子部を有する竿
管にすることが可能となる。
【0029】上述した構成において、各プリプレグに用
いられる強化繊維の具体的な弾性率および線膨脹係数
や、プリプレグの肉厚、巻回数、樹脂含浸量、使用材量
等については、その竿管が用いられる部位(先端側、基
端側等)や、釣竿の要求特性等に応じて種々変形され
る。
いられる強化繊維の具体的な弾性率および線膨脹係数
や、プリプレグの肉厚、巻回数、樹脂含浸量、使用材量
等については、その竿管が用いられる部位(先端側、基
端側等)や、釣竿の要求特性等に応じて種々変形され
る。
【0030】以下、上記した実施の形態において、竿管
を構成している低弾性強化繊維によるプリプレグ10
(低弾性繊維層)、高弾性強化繊維によるプリプレグ1
2(高低弾性繊維層)および補強用プリプレグ15(補
強層)の諸条件を項目別に列挙する。 (1)線膨張係数 低弾性繊維層の強化繊維の線膨張係数を、高弾性繊維層
の強化繊維のそれ以上に設定する。具体的には、高弾性
繊維層の強化繊維の線膨張係数が1×10-6/℃以下に
設定し、低弾性繊維層の強化繊維の線膨張係数を2×1
0-6/℃以上(または10×10-6/℃〜100×10
-6/℃の範囲、または10×10-6/℃〜50×10-6
/℃の範囲)に設定する。また、補強層の強化繊維の線
膨張係数は、1×10-6/℃以下、好ましくは高弾性繊
維層の強化繊維よりも小さく設定する。この場合、2枚
の補助プリプレグ15a,15bの各強化繊維の線膨張
係数は同一(または略同一)に設定するのが良い。
を構成している低弾性強化繊維によるプリプレグ10
(低弾性繊維層)、高弾性強化繊維によるプリプレグ1
2(高低弾性繊維層)および補強用プリプレグ15(補
強層)の諸条件を項目別に列挙する。 (1)線膨張係数 低弾性繊維層の強化繊維の線膨張係数を、高弾性繊維層
の強化繊維のそれ以上に設定する。具体的には、高弾性
繊維層の強化繊維の線膨張係数が1×10-6/℃以下に
設定し、低弾性繊維層の強化繊維の線膨張係数を2×1
0-6/℃以上(または10×10-6/℃〜100×10
-6/℃の範囲、または10×10-6/℃〜50×10-6
/℃の範囲)に設定する。また、補強層の強化繊維の線
膨張係数は、1×10-6/℃以下、好ましくは高弾性繊
維層の強化繊維よりも小さく設定する。この場合、2枚
の補助プリプレグ15a,15bの各強化繊維の線膨張
係数は同一(または略同一)に設定するのが良い。
【0031】このように、高弾性繊維層12の内側に線
膨張係数が大きい低弾性繊維層10を配設すれば、線膨
張係数による影響を緩和でき、素材曲りを効果的に防止
できる。また、補助プリプレグ15a,15bの各強化
繊維の線膨張係数を、高弾性繊維層のそれよりも小さく
設定することにより、軸長方向等で線膨張係数による影
響をさらに低減でき、竿管の元部での素材曲りを効果的
に防止できる。なお、補助プリプレグ15a,15bの
線膨張係数を、高弾性繊維層のそれよりも小さく設定し
ない場合には、補助プリプレグ15a,15bを高弾性
繊維層12の内側に設けるようにすれば、竿管の元部で
の素材曲りを防止できる。また、2枚の補助プリプレグ
15a,15bの各強化繊維の線膨張係数を同一(また
は略同一)に設定することによって、素材曲りを一層防
止できる。 (2)弾性率 高弾性繊維層12の強化繊維の弾性率を、20tonf/mm
2 以上、好ましくは30tonf/ mm2 以上に設定し、低弾
性繊維層の強化繊維の弾性率を20tonf/mm 2未満、好
ましくは10tonf/mm 2 以下、さらに好ましくは0.3
tonf/mm 2 〜1.9tonf/ mm 2 の範囲に設定する。ま
た、補助プリプレグ15a,15bの強化繊維の弾性率
は、低弾性繊維層の強化繊維のそれよりも高く設定し、
好ましくは、高弾性繊維層の強化繊維のそれよりも高
く、具体的には24tonf/mm 2 以上に設定することが好
ましい。
膨張係数が大きい低弾性繊維層10を配設すれば、線膨
張係数による影響を緩和でき、素材曲りを効果的に防止
できる。また、補助プリプレグ15a,15bの各強化
繊維の線膨張係数を、高弾性繊維層のそれよりも小さく
設定することにより、軸長方向等で線膨張係数による影
響をさらに低減でき、竿管の元部での素材曲りを効果的
に防止できる。なお、補助プリプレグ15a,15bの
線膨張係数を、高弾性繊維層のそれよりも小さく設定し
ない場合には、補助プリプレグ15a,15bを高弾性
繊維層12の内側に設けるようにすれば、竿管の元部で
の素材曲りを防止できる。また、2枚の補助プリプレグ
15a,15bの各強化繊維の線膨張係数を同一(また
は略同一)に設定することによって、素材曲りを一層防
止できる。 (2)弾性率 高弾性繊維層12の強化繊維の弾性率を、20tonf/mm
2 以上、好ましくは30tonf/ mm2 以上に設定し、低弾
性繊維層の強化繊維の弾性率を20tonf/mm 2未満、好
ましくは10tonf/mm 2 以下、さらに好ましくは0.3
tonf/mm 2 〜1.9tonf/ mm 2 の範囲に設定する。ま
た、補助プリプレグ15a,15bの強化繊維の弾性率
は、低弾性繊維層の強化繊維のそれよりも高く設定し、
好ましくは、高弾性繊維層の強化繊維のそれよりも高
く、具体的には24tonf/mm 2 以上に設定することが好
ましい。
【0032】高弾性繊維層と低弾性繊維層の強化繊維の
弾性率をこのように設定すれば、竿管の剛性をバランス
良く調整することが可能となり、竿管のたわみ性も向上
できる。また、竿管の元部に巻装される補助プリプレグ
15a,15bの強化繊維の弾性率をこのように設定す
れば、竿管の先部と元部の強度バランスおよび調子バラ
ンスを向上できる。 (3)樹脂含浸量(RC) 低弾性繊維層10を形成するプリプレグの樹脂含浸量
は、高弾性繊維層12を形成するプリプレグのそれ以上
に設定されている。具体的には、低弾性繊維層のプリプ
レグの樹脂含浸量は40wt%〜80wt%に設定する
のが好ましく(この値以下でも良い)、また、高弾性繊
維層のプリプレグの樹脂含浸量は25wt%〜60wt
%に設定するのが好ましい。また、補助プリプレグ15
a,15bの樹脂含浸量は、低弾性繊維層のプリプレグ
のそれ以下に設定し、好ましくは、低弾性繊維層および
高弾性繊維層のプリプレグのそれよりも少なく、例えば
15wt%〜35wt%に設定するのが好ましい。
弾性率をこのように設定すれば、竿管の剛性をバランス
良く調整することが可能となり、竿管のたわみ性も向上
できる。また、竿管の元部に巻装される補助プリプレグ
15a,15bの強化繊維の弾性率をこのように設定す
れば、竿管の先部と元部の強度バランスおよび調子バラ
ンスを向上できる。 (3)樹脂含浸量(RC) 低弾性繊維層10を形成するプリプレグの樹脂含浸量
は、高弾性繊維層12を形成するプリプレグのそれ以上
に設定されている。具体的には、低弾性繊維層のプリプ
レグの樹脂含浸量は40wt%〜80wt%に設定する
のが好ましく(この値以下でも良い)、また、高弾性繊
維層のプリプレグの樹脂含浸量は25wt%〜60wt
%に設定するのが好ましい。また、補助プリプレグ15
a,15bの樹脂含浸量は、低弾性繊維層のプリプレグ
のそれ以下に設定し、好ましくは、低弾性繊維層および
高弾性繊維層のプリプレグのそれよりも少なく、例えば
15wt%〜35wt%に設定するのが好ましい。
【0033】低弾性繊維層を形成するプリプレグの樹脂
含浸量をこのように大きく設定すれば、軸長方向のプリ
プレグの曲げ弾性率(竿管の曲げ剛性)を小さくでき、
屈曲し易く且つ大きくたわんでも破損しにくい竿管を形
成することができる。また、補助プリプレグ15a,1
5bの樹脂含浸量をこのように小さく設定すれば、軽量
且つ比剛性の高い竿管を形成できる。 (4)材料 高弾性繊維層12、低弾性繊維層10、補強層15を形
成するプリプレグの強化繊維の材料は任意であるが、好
ましくは、高弾性繊維層を形成するプリプレグはカーボ
ン繊維を用い、低弾性繊維層を形成するプリプレグは、
カーボン繊維または耐炎化繊維やアクリル系等の有機繊
維等を用い、補強層を形成する補助プリプレグは、カー
ボン繊維を用いる。特に、各層を形成するプリプレグの
強化繊維の全てにカーボン繊維を用いれば、線膨張係数
の差を小さくでき、素材曲りを防止できる。
含浸量をこのように大きく設定すれば、軸長方向のプリ
プレグの曲げ弾性率(竿管の曲げ剛性)を小さくでき、
屈曲し易く且つ大きくたわんでも破損しにくい竿管を形
成することができる。また、補助プリプレグ15a,1
5bの樹脂含浸量をこのように小さく設定すれば、軽量
且つ比剛性の高い竿管を形成できる。 (4)材料 高弾性繊維層12、低弾性繊維層10、補強層15を形
成するプリプレグの強化繊維の材料は任意であるが、好
ましくは、高弾性繊維層を形成するプリプレグはカーボ
ン繊維を用い、低弾性繊維層を形成するプリプレグは、
カーボン繊維または耐炎化繊維やアクリル系等の有機繊
維等を用い、補強層を形成する補助プリプレグは、カー
ボン繊維を用いる。特に、各層を形成するプリプレグの
強化繊維の全てにカーボン繊維を用いれば、線膨張係数
の差を小さくでき、素材曲りを防止できる。
【0034】また、各層を形成するプリプレグの含浸樹
脂に関しては、エポキシ系の樹脂が用いられる。 (5)強度 この強度に関しては、前記4つの諸条件によって任意に
変化されるが、全体として次の条件を満足するように設
定する。すなわち、高弾性繊維層の強化繊維の強度が最
も大きく設定し、低弾性繊維層の強化繊維として、その
破断伸度が高弾性繊維層の強化繊維のそれよりも大きい
材料を用いるのが良い。また、低弾性繊維層の座屈強度
を高めるために、低弾性繊維層の強化繊維は、その繊維
径が大きいものを用いるのが好ましい。この場合、繊維
径は8μ以上100μ以下または10μ以上100μ以
下とする。なお、補助プリプレグ15a,15bの強化
繊維の強度も大きいことが望ましい。
脂に関しては、エポキシ系の樹脂が用いられる。 (5)強度 この強度に関しては、前記4つの諸条件によって任意に
変化されるが、全体として次の条件を満足するように設
定する。すなわち、高弾性繊維層の強化繊維の強度が最
も大きく設定し、低弾性繊維層の強化繊維として、その
破断伸度が高弾性繊維層の強化繊維のそれよりも大きい
材料を用いるのが良い。また、低弾性繊維層の座屈強度
を高めるために、低弾性繊維層の強化繊維は、その繊維
径が大きいものを用いるのが好ましい。この場合、繊維
径は8μ以上100μ以下または10μ以上100μ以
下とする。なお、補助プリプレグ15a,15bの強化
繊維の強度も大きいことが望ましい。
【0035】このように低弾性繊維層および高弾性繊維
層の強化繊維の強度を設定すれば、竿管の強度を高める
ことができるだけでなく、たわみ性の向上も図れる。ま
た、低弾性繊維層の強化繊維の繊維径を上記のように大
きく設定すれば、低弾性であっても座屈強度を向上でき
る。 (6)層数および層厚 a.竿管の先部は高弾性繊維層12と低弾性繊維層10
の組み合わせ層からなり、竿管の元部はこれらの層に加
えて補強層15を追加する。
層の強化繊維の強度を設定すれば、竿管の強度を高める
ことができるだけでなく、たわみ性の向上も図れる。ま
た、低弾性繊維層の強化繊維の繊維径を上記のように大
きく設定すれば、低弾性であっても座屈強度を向上でき
る。 (6)層数および層厚 a.竿管の先部は高弾性繊維層12と低弾性繊維層10
の組み合わせ層からなり、竿管の元部はこれらの層に加
えて補強層15を追加する。
【0036】b.竿管の先部では、低弾性繊維層10の
割合を多くし、竿管の元部では高弾性繊維層12および
補強層15の割合を多くする。低弾性繊維層10は、竿
管全体の50〜90%の範囲が望ましいが、それより少
なくても良い。
割合を多くし、竿管の元部では高弾性繊維層12および
補強層15の割合を多くする。低弾性繊維層10は、竿
管全体の50〜90%の範囲が望ましいが、それより少
なくても良い。
【0037】c.竿管の中間部では、調子・強度のバラ
ンスで調整し、好ましくは低弾性繊維層10を高弾性繊
維層12に対して50〜150%の範囲に設定する。 d.竿管の元部(元端)は、低弾性繊維層10よりも高
弾性繊維層12を多くすることが好ましい。また、高弾
性繊維層12よりも補強層15を多くすることが好まし
い。
ンスで調整し、好ましくは低弾性繊維層10を高弾性繊
維層12に対して50〜150%の範囲に設定する。 d.竿管の元部(元端)は、低弾性繊維層10よりも高
弾性繊維層12を多くすることが好ましい。また、高弾
性繊維層12よりも補強層15を多くすることが好まし
い。
【0038】層数および層厚をこのように設定すれば、
あるいはa〜dを任意に組み合わせれば、竿管の先部の
たわみを大きくできるとともに、元部の剛性を高くする
ことができ、調子を向上でき、強度の向上を図ることが
できる。 (7)長さ方向の径、テーパ(芯金形状) 径は、穂先竿管や元竿管等、釣竿の位置や釣竿の種類に
よって変化し、任意に設定する。
あるいはa〜dを任意に組み合わせれば、竿管の先部の
たわみを大きくできるとともに、元部の剛性を高くする
ことができ、調子を向上でき、強度の向上を図ることが
できる。 (7)長さ方向の径、テーパ(芯金形状) 径は、穂先竿管や元竿管等、釣竿の位置や釣竿の種類に
よって変化し、任意に設定する。
【0039】テーパを形成するための芯金は、竿管の先
端〜基端間の平均テーパ率を、1/1000以下、さら
には0.5/1000以下にするのが好ましい。あるい
は、中通し竿の竿管の場合、竿管の全長の先部1/3の
範囲内をストレートにして先端内径を大きく確保して糸
案内性を向上したり、元部1/3の範囲内をストレート
にし、かつ肉厚を徐々に厚く形成し、外径の太径化を規
制しながら強度の向上を図るようにする。 (8)肉厚(t)/竿管直径(D) 中通し竿の竿管の場合、竿管の先部におけるt/Dを、
0.1以下の肉厚と外径の関係にし、先部内径を大き
く、糸案内性を向上できるようにする。
端〜基端間の平均テーパ率を、1/1000以下、さら
には0.5/1000以下にするのが好ましい。あるい
は、中通し竿の竿管の場合、竿管の全長の先部1/3の
範囲内をストレートにして先端内径を大きく確保して糸
案内性を向上したり、元部1/3の範囲内をストレート
にし、かつ肉厚を徐々に厚く形成し、外径の太径化を規
制しながら強度の向上を図るようにする。 (8)肉厚(t)/竿管直径(D) 中通し竿の竿管の場合、竿管の先部におけるt/Dを、
0.1以下の肉厚と外径の関係にし、先部内径を大き
く、糸案内性を向上できるようにする。
【0040】また、穂先竿管の場合、上記t/Dは、先
端側を0.1以下とし、元部(継合部の前部)を0.1
より大きく形成すると、大きくたわんでも強度の向上、
安定化が図れる。なお、以上の諸条件(1)〜(8)
は、全て満足されることが望ましいが、任意に選択して
適用しても良い。
端側を0.1以下とし、元部(継合部の前部)を0.1
より大きく形成すると、大きくたわんでも強度の向上、
安定化が図れる。なお、以上の諸条件(1)〜(8)
は、全て満足されることが望ましいが、任意に選択して
適用しても良い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、大きく屈曲しても(た
わんでも)破損しにくく、しかも塑性曲りを防止するこ
とが可能で、調子の向上が図れると共に、方向性の向上
(素材曲り等を防止する)が図れる竿管を有する釣竿が
得られる。
わんでも)破損しにくく、しかも塑性曲りを防止するこ
とが可能で、調子の向上が図れると共に、方向性の向上
(素材曲り等を防止する)が図れる竿管を有する釣竿が
得られる。
【図1】本発明の釣竿に用いられる竿管を形成するプリ
プレグの配置構成例を示す図。
プレグの配置構成例を示す図。
【図2】図1に示すプリプレグの巻回態様を示す図。
【図3】図1に示すプリプレグの配置構成例によって形
成された竿管の一部断面を示す図。
成された竿管の一部断面を示す図。
【図4】図1に示すプリプレグによって形成された竿管
の縦断面図であり、(a)は先端側、(b)は基端側を
示す図。
の縦断面図であり、(a)は先端側、(b)は基端側を
示す図。
【図5】図1に示したプリプレグの別の巻回構成例を示
す図。
す図。
【図6】(a)および(b)は、それぞれ竿管の先端側
の横断面図であり、(a)は図4(a)に示す構造に対
応する図、(b)は別の積層構造の一例を示す図。
の横断面図であり、(a)は図4(a)に示す構造に対
応する図、(b)は別の積層構造の一例を示す図。
1 竿管
3 芯金
10 第1プリプレグ(低弾性繊維層)
12 第2プリプレグ(高弾性繊維層)
12a 強化繊維を軸長方向に引揃えたプリプレグ(高
弾性繊維層) 12b 強化繊維を周長方向に引揃えたプリプレグ(高
弾性繊維層) 15 補強用プリプレグ(補強層) 15a,15b(補助プリプレグ)
弾性繊維層) 12b 強化繊維を周長方向に引揃えたプリプレグ(高
弾性繊維層) 15 補強用プリプレグ(補強層) 15a,15b(補助プリプレグ)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平9−65800(JP,A)
特開 平6−276897(JP,A)
特開 平9−238598(JP,A)
特開 平7−255331(JP,A)
特開 平8−207166(JP,A)
特開 平4−329132(JP,A)
特開 平9−78341(JP,A)
特開 平5−111341(JP,A)
実開 昭63−169871(JP,U)
特公 平3−16086(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A01K 87/00 - 87/06
Claims (2)
- 【請求項1】 弾性率20tonf/mm2 未満の低弾性の
強化繊維からなる軸長方向繊維を主体とした繊維強化プ
リプレグを巻回形成した厚さの厚い本体繊維層と、この
本体繊維層の外層側及び/又は内層側に配設され、この
本体繊維層の強化繊維よりも高弾性の軸長方向引揃繊維
と周方向引揃繊維を有する極薄層と、竿管の基端側を補
強する補強層とを備え、この補強層は、複数の巻回部を
形成する階段状の補強用プリプレグで形成され、竿管の
中間部から端部に向かって段階的に肉厚が大きく形成さ
れることを特徴とする釣竿。 - 【請求項2】 前記補強用プリプレグは、高弾性の強化
繊維で構成されることを特徴とする請求項1に記載の釣
竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32605797A JP3515891B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 釣 竿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32605797A JP3515891B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 釣 竿 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11155424A JPH11155424A (ja) | 1999-06-15 |
JP3515891B2 true JP3515891B2 (ja) | 2004-04-05 |
Family
ID=18183634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32605797A Expired - Fee Related JP3515891B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 釣 竿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3515891B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4510260B2 (ja) * | 2000-10-02 | 2010-07-21 | 三菱レイヨン株式会社 | 管状成形体の製造方法 |
JP4493544B2 (ja) * | 2005-04-14 | 2010-06-30 | 株式会社シマノ | 釣り竿用の竿体 |
JP2011155888A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Globeride Inc | 管状体 |
JP7138524B2 (ja) * | 2018-09-21 | 2022-09-16 | 株式会社シマノ | 釣竿及び竿体 |
-
1997
- 1997-11-27 JP JP32605797A patent/JP3515891B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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---|---|
JPH11155424A (ja) | 1999-06-15 |
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