JP3374951B2 - 中通し釣竿 - Google Patents

中通し釣竿

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JP3374951B2 JP11027396A JP11027396A JP3374951B2 JP 3374951 B2 JP3374951 B2 JP 3374951B2 JP 11027396 A JP11027396 A JP 11027396A JP 11027396 A JP11027396 A JP 11027396A JP 3374951 B2 JP3374951 B2 JP 3374951B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は竿管内部に環状釣糸
ガイドや螺旋状の釣糸ガイドを配設した中通し釣竿に関
する。
【0002】
【従来の技術】釣糸の滑り性の向上等の観点から、特開
平4−341133号公報には、竿管内周面に単一繊維
の釣糸案内環状体(釣糸のガイド体)を一体成形させた
中通し釣竿が開示されている。また、特開平5−882
59号公報には、芯金に螺旋状に巻回した樹脂テープの
上から竿管を形成するプリプレグを巻回し、このプリプ
レグを利用して螺旋状の突出部(釣糸のガイド体)を同
時に一体形成した竿管等の管状体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、竿管内面
にガイド体を一体的に形成する場合には、芯金の外側に
プリプレグを巻回し、緊締テープによって加圧しつつ加
熱するが、前者公報ではガイド体の存在の影響で竿管の
軸長方向繊維が蛇行したり、プリプレグの樹脂流動が不
均一になり、後者公報では、樹脂テープの存在によって
竿管の軸長方向繊維が蛇行すると共にプリプレグの樹脂
流動が不均一になる。こうして竿管の強度が低下し、破
損し易くなる。また、竿管の内面に一体的に形成するガ
イド体は、竿管撓み時の竿管強度に与える影響が大き
く、ガイド体の形状、構造、材質等に応じた応力集中に
より竿管の撓み強度が低下し、釣りに際して竿管の折れ
破損が発生する虞がある。即ち、従来の竿管はガイド体
やガイド体近傍における細部にわたる考慮が不十分であ
ると考えられる。
【0004】依って本発明は、竿管内側に一体的に突出
形成したガイド体を有する竿管のガイド体近くの強度低
下を防止した高強度な中通し釣竿の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、請求項1において、熱硬化性樹脂をマトリックスと
して強化繊維によって強化された竿管の内側に突出する
ように螺旋状のガイド体が一体に加熱形成された中通し
釣竿であって、前記ガイド体が多数の補強材繊維を束状
にして前記熱硬化性樹脂と同系統の熱硬化性樹脂を含浸
させたものに撚りを掛けたものであり、該ガイド体の釣
糸の接触する突出部領域に補強材繊維からなる強化材の
比率を多くし、該突出部領域の前後と、竿管の軸長方向
繊維を主体とする本体層と前記突出部領域との間にのみ
合成樹脂領域、又は合成樹脂比率を多くした強化材との
混合領域を配設したことを特徴とする中通し釣竿を提供
する。
【0006】請求項2において、前記ガイド体が、該ガ
イド体の前後の竿管内面に概ね沿った外周面を有するこ
とを特徴とする中通し釣竿を提供する。他の形態1にお
いて、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって
強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体
形成された中通し釣竿であって、前記ガイド体は合成樹
脂で形成されており、軸長方向に短い間隔で多数箇所配
設していることを特徴とする中通し釣竿を提供する。
【0007】他の形態2において、合成樹脂をマトリッ
クスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突
出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であ
って、竿管内面に接続する前記ガイド体の底部の曲面
を、該ガイド体の頂部から側面に亘る凸状曲面よりも緩
やかな凹状曲面に形成したことを特徴とする中通し釣竿
を提供する。他の形態3において、合成樹脂をマトリッ
クスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突
出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であ
って、前記ガイド体が螺旋状に連続しており、該ガイド
体の終端部を竿管内周の軸長方向所定長さに亘って密集
配設したことを特徴とする中通し釣竿を提供する。
【0008】他の形態4において、合成樹脂をマトリッ
クスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突
出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であ
って、前記ガイド体が螺旋状に連続したガイドか、或い
は長手方向に並んだ複数個の環状ガイドであり、竿管の
軸長方向におけるこれらのガイド体の端部から竿管の端
部方向に沿って、ガイド体端部の近傍では、該端部のガ
イド高さと略同じ程度の厚さを有する補強層を竿管内面
に一体化させた領域を有することを特徴とする中通し釣
竿を提供する。他の形態5において、合成樹脂をマトリ
ックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に
突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿で
あって、前記竿管の本体とガイド体との間に、該ガイド
体の幅よりも広幅の補強部材を配設した領域を有するこ
とを特徴とする中通し釣竿を提供する。
【0009】請求項1に対して、多数の補強材繊維を束
状にして前記熱硬化性樹脂と同系統の熱硬化性樹脂を含
浸させたものに撚りを掛けて形成されるガイド体を、突
出部領域は補強材繊維からなる強化材を多くし、この突
出部領域と竿管本体層との間や突出部領域の前後を合成
樹脂比率を多くすれば、曲げ剛性の高い突出部領域に比
較して低剛性な領域で竿管と接続でき、このため竿管が
撓んだ際の突出部領域の曲げ剛性による抵抗を緩和で
き、竿管に応力集中が発生することを防止でき、竿管強
度が向上する。更には、同系統の樹脂を用いているた
め、螺旋状釣糸ガイドが竿管に強く一体化できる。
【0010】請求項に対して、ガイド体の外周面が概
ね前後の竿管内面に沿った形状であれば、ガイド体近く
の竿管の軸長方向繊維が蛇行し難く、それだけ竿管強度
が向上する。他の形態1では、ガイド体自体を合成樹脂
で形成すれば、1個のガイド体では釣糸との摩擦抵抗に
弱く、摩耗し易いが、釣糸の接触領域が必ずしも一定し
ないと共に、接触抵抗の小さな穂先に近い細径領域等に
短い間隔で多数箇所配設すれば前記摩耗が防止でき、し
かも合成樹脂ガイド体であるため、竿管の撓みに対して
大きな抵抗を示さず、応力集中が防止でき、竿管強度が
向上する。
【0011】他の形態2では、ガイド体の形状に工夫を
施し、竿管内面に接続する底部の形状を突出部付近の凸
状曲面よりも緩やかな凹状曲面に形成すれば、肉厚が緩
やかに低減するガイド体底部によって撓み時の応力集中
が緩和され、竿管強度が向上する。他の形態3では、
旋状ガイド体の終端部を竿管内周に密集配設したので、
撓み時にガイド体端部近くの竿管に応力が集中しても、
この部分の竿管の強度が向上しているため破損が防止さ
れる。また、竿管端部は継合のために一般的には他部よ
りも強度を向上させるよう構成するが、螺旋状ガイド体
の終端部がこの継合部に近ければ、ガイド体の密集配設
によって同時に継合部の補強が達成でき、更には、釣糸
が螺旋状ガイド体の端部に引っ掛ることも防止できる。
また、螺旋状ガイド体の終端部が竿管の端部から相当離
れた位置であっても、そのガイド体の密集配設において
肉厚を漸次減少させるように構成すれば、密集配設を竿
管の途中位置において終端させた構造であっても応力集
中に対して竿管強度が向上する。
【0012】他の形態4では、螺旋状等のガイドが竿管
の途中位置で終端すれば、撓みが生じた場合に、そのガ
イドの無い竿管領域とガイドの配設された竿管領域との
境界領域において竿管が破損し易い。また、突出ガイド
の一体化形成方法からすれば、ガイドの上から竿管本体
のプリプレグを巻回するために、ガイドの終端位置の段
差部において本体プリプレグが蛇行したり、樹脂の流動
が不均一になって強度低下をもたらす。特に軸長方向繊
維の蛇行は竿管強度に大きく影響する。そこで、この境
界領域を補強する他、一体化形成時に竿管本体プリプレ
グが蛇行することを防止するために、ガイド体の端部か
ら竿管の端部方向に沿って、ガイド近傍ではガイド高さ
と略同じ程度(85〜105%程度)の厚さを有する補
強層を竿管内面に一体化させている。この補強層は緩衝
部となる柔軟な部材の他、剛性の高い部材も含む。他の
形態5では、竿管の本体とガイド体との間に、該ガイド
体の幅よりも広幅の補強部材を配設しているため、ガイ
ド体の一体化に伴うガイド体周辺の竿管への応力集中に
対して竿管が補強され、撓み強度を向上させる。この補
強部材は主としてカーボンテープ、ガラススクリムシー
ト、合成樹脂フィルム等のシート材や、糸状の合成樹
脂、綿糸や紙等の天然材である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づき、更に詳細に説明する。図1は本発明に
係る中通し釣竿の形態例を示す。カーボン等の高強度繊
維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸した繊維強化
プリプレグを巻回焼成して成形した竿管の元竿10と穂
先竿12を並継式に継合せしている。元竿10にはリー
ル装着部16が有り、これに両軸受型リール26が装着
されており、元竿10前部の釣糸導入部24を介して釣
糸28が竿管内部に挿通され、穂先竿12の先端のトッ
プガイド14から外部に出ている。元竿10のリール装
着部の前側には前側握り部20Aが、後側には後側握り
部20Bが設けられており、後端には竿尻部品22が螺
合されている。18はトリガーである。
【0014】穂先竿12の後部の縦断面図を図2に示
し、そのC部の拡大図を図3に示す。穂先竿12の後端
には金属や合成樹脂製の栓体12Eが螺着されており、
その内周にはセラミックス製のガイドリングG1が固定
されている。一方、この栓体12Eの前側の竿管内周面
には螺旋状のガイド体30が竿管12に一体化されてい
る。螺旋状ガイド体は右巻でも左巻きでもよく、或いは
両方を組み合わせたりしてもよい。更には、ガイド体の
配設領域は竿管12の全体に亘ってもよく、また一部分
でもよい。
【0015】竿管12は、外周側と内周側とに、繊維が
概ね円周方向に指向した補強層12A,12Bを有し、
これらの間に、繊維が概ね軸長方向に指向した厚い本体
層12Hを有している。ガイド体30は合成樹脂をマト
リックスとし、カーボン繊維、セラミックス繊維、ガラ
ス繊維、金属繊維等の補強材HBを主としてガイド体の
長手方向に指向させて配設しており、その横断形状は図
3に示されているように、外周30Hが直線状に形成さ
れている。上記補強材HBは釣糸の接触する突出部領域
に主体的に配設しており、外周側には殆ど配設しておら
ず、外周側と前後部は合成樹脂が主体となっている合成
樹脂層JSである。
【0016】補強材の配設された領域における樹脂量は
30〜60重量%とし、竿管の樹脂含有率より多目に設
定し、合成樹脂層JSを形成しやすくし、また、ガイド
体30の内周表面にボイドの発生することを防止する。
しかも、ガイド体30の前後には該ガイド体30と竿管
12内面とを接続させる合成樹脂の緩衝部32がガイド
体から離隔するにつれて厚さが漸減するように形成され
ている。また、ガイド体30はその外周部が補強層12
Bに幾分埋没するようにして竿管に一体化されている。
従って、補強層12Bのガイド体の外周30Hに対面す
る領域12bは他領域に比べて薄く形成されている。
【0017】上記補強層12bとガイド体周辺の補強層
12B、並びに合成樹脂層JSは、一般に補強材HBの
配設された突出部領域よりは曲げ弾性率(竿管の撓み方
向の 曲げに対する竿管に対する横断面での単位面積あた
りの抵抗力(剛性))が小さく、緩衝部32と共に緩衝
作用を果たし、竿管の撓み時に応力集中が生ずるのを防
止する。この合成樹脂層JSと緩衝部32の合成樹脂は
竿管12の合成樹脂と同じ系統の樹脂(竿管がエポキシ
系樹脂ならばエポキシ系樹脂)を用いると一体化強度が
向上する。更には、ガイド体30に使用している樹脂が
竿管の加熱成形温度では溶融してしまわない樹脂、例え
ば熱可塑性樹脂であれば、既述の如くガイド体30の外
周30Hが直線状に形成されているため、竿管形成用の
プリプレグと共に一体化させる際に、本体層12Hの主
体とする軸長方向に指向した強化繊維SLを蛇行させる
ことが防止され、竿管強度が向上する。こうして本形態
例の竿管は、緩衝作用領域(32等)が無く、ガイド体
の外周が直線状でなくて外側に凸の曲面の場合と比べ
て、撓み時の強度が15〜20%程向上した。
【0018】図4は、図3に対応した他の形態例を示し
ており、釣糸の接触するガイド体30の突出部領域A1
(左半分だけ示しているが対称な右側も含む)とその内
部には既述のような補強材HBを略均等に分散配設して
おり、その部分の外形は略楕円形状である。ガイド体3
0の残り部であるその前後の領域A2,A3とその内部
は、この形態例では合成樹脂で形成した緩衝部32であ
る。領域A1からA2までは竿管の内側に凸にして釣糸
との接触幅をある程度確保し(接触領域の殆どは領域A
1)、領域A3は内側に凹にしてガイド体30の肉厚を
緩やかに漸減させている。好ましくは、領域A1からA
2に亘る平均的な曲率よりも緩やかな凹曲面として、ガ
イド体の幅Lを大きくし、突出部領域A1(左右含む)
の2倍程度以上とすることが好ましい。またガイド体3
0の外側であって、本体層12Hと補強層12Bとの間
には緩衝層となる樹脂層33が形成されている。従っ
て、撓んだ際の応力集中を防止できる。
【0019】上記ガイド体30の一体化成形方法の1つ
は、多数の補強材繊維を束状にして熱硬化性樹脂を含浸
させたものに撚りを掛けておくと、加熱成形時に合成樹
脂が溶融して前後にじみ出て緩衝部32が形成される。
【0020】図5は加熱形成時に成分が溶融しない材
料、即ち、セラミックス材料、金属材料、耐熱性のある
合成樹脂材料、複合材料等で形成されたガイド体30の
外周30Hが竿管12の内側補強層12Bの内周面12
Sに概ね沿った直線状であり、このガイド体30の前後
に竿管に接続させると共に緩衝作用をする緩衝部32を
設けている。この緩衝部は合成樹脂や、合成樹脂に強化
材を少ない割合で混在させて形成する。こうして竿管が
撓んだ際の応力集中を防止する。また、ガイド体の外周
が直線状であるため、本体層12Hの軸長方向繊維が蛇
行することが防止でき、竿管強度が向上する。
【0021】上記耐熱性合成樹脂材料によって形成され
たガイド体30の場合は、竿管の軸長方向に短い間隔で
多数箇所配設して、釣糸との摩擦によって部分的に強く
摩耗することを防止する必要がある。また、他の形態例
でも同様だが、補強層12Aや12Bは無くてもよい
が、この場合は通常は本体層12Hの中に繊維方向が略
円周方向に指向した薄い層や繊維の円周方向成分を有す
るクロス(スクリムシートを含む)を混在させることが
ある。
【0022】図6はガイド体30が、本体層12Hから
なる竿管12の成形温度で溶融する熱硬化性等の樹脂に
よって形成されており、竿管の軸長方向繊維の蛇行防止
のために外周面30Hは直線状に形成されることが好ま
しい。既述の如く、樹脂のガイド体30は摩耗し易いた
め、短い間隔で多数箇所配設する(螺旋状では旋回間隔
を狭くする)。また、竿先に近い領域程大きな撓み性が
確保されなければならないため、曲げ剛性の低い合成樹
脂製ガイド体をこうした竿先近くの領域に適用すること
が好ましい。この領域は釣糸から大きな荷重を受ければ
撓んで逃げる設計構造の竿管のため、釣竿の釣糸導入部
近く程釣糸によって強く擦られず、合成樹脂のガイド体
でも釣糸の円滑な案内が可能になる。こうして竿管12
に一体形成された樹脂のガイド体30は竿管の撓みに際
して大きな抵抗にならず、応力集中が防止される。曲げ
剛性に大きな影響を与えない程度に耐摩耗性粒子を混入
させてもよい。また、このガイド体30の製造では、竿
管12用プリプレグに使用している合成樹脂を利用して
形成してもよい。
【0023】図7はカーボン繊維等を束にして形成した
螺旋状ガイド体30を竿管10’に一体に突出配設し、
その終端部分をそのまま、或いは繊維をばらすようにし
て竿管の前端部の所定長さ範囲(継ぎ合せに使用する範
囲等)において密に巻回させて前端部を補強している。
巻回した内面は振出式では前細形状に、並継ぎではスト
レート状に夫々形成するとよい。こうして元来補強の必
要な竿管端部、特に継合部分を螺旋状ガイド体を利用し
て補強でき、強度の強い竿管が提供できる。また、螺旋
状ガイド体30の終端部の処理の仕方によっては釣糸が
引っ掛ることもあって、釣糸抵抗を増したりガイド体3
0をその端部から損傷させたりするが、このように処理
すれば引っ掛りが防止でき、ガイド体も耐久性が向上す
る。
【0024】この図と異なり、螺旋状ガイド体30が竿
管10’の更に後方位置で終端しておれば、この終端位
置から先はガイド体の繊維をばらすようにして、竿管の
先端に至らない途中位置まで密集巻回させて、少なくと
もその密集巻回の終端近くでは肉厚が漸減するように終
らせた構造としても、螺旋状ガイド体30の終端位置近
くでの応力集中に対して補強でき、破損が防止できる。
また、竿管の先側ではなく、後側においてもこれらと同
様な構造が採られ得る。こうした補強は勿論、他のプリ
プレグシートやテープ等他部材によったり、或いは両方
組み合わせてもよい。
【0025】図8は本発明に係る中通し釣竿の1つの製
造方法を説明する図である。芯金40の表面に、所定厚
さのテープ42を所定間隔離しつつ巻回し、この上に、
加熱温度に耐えるポリエチレンナフタレート(PEN)
やポリエチレンテレフタレート(PET)等の薄いフィ
ルム44を被せ、テープ間の隙間に螺旋状ガイド体G2
を巻回する。この時、テープ42の厚さはガイド体G2
の高さ程度に設定しておけば、上から巻回する竿管用の
プリプレグP1の下面とガイド体G2の外周が略接触す
るようにすることができる。
【0026】こうして加圧しつつ加熱すると、隙間SP
にプリプレグP1やP2の合成樹脂が流入し、緩衝部が
形成される。この合成樹脂が隙間SPに流入するため、
通常の方法ではテープ42間のガイド体G2の前後にバ
リが発生するが、薄いフィルム44が存在するためこれ
が防止される。このフィルム44を使用しない場合に
は、ガイド体G2の両側のテープ42の縁にガイド体が
圧接するように巻回してバリを防止する。フィルム44
を使用する場合にも、両側のテープ42によって圧接さ
れた状態で成形することがバリ防止に好ましい。
【0027】以上の他に、ガイド体を竿管の構成材料を
利用して形成することもできる。即ち、竿管には図3に
示すような内周側の補強層12Bを形成する場合に、こ
れをシート状プリプレグではなく、シートに比較して幅
の狭いテープ状のプリプレグによって形成する。芯金に
は、竿管内面にガイド用の突条が形成できるように外周
に螺旋条のを形成したシリコン等のチューブを被せた
り、或いは、耐熱性樹脂テープを螺旋条等に巻回してお
き、このチューブ又はテープの上から上記テープ状プリ
プレグを巻回して竿管内周の補強層12Bと共にガイド
用突条が一体に形成できる。他は常法に従って焼成し、
最後にチューブ又は樹脂テープを除去する。こうした方
法によってガイドが簡便に形成できると共に、テープ状
プリプレグでは強化繊維をテープの長さ方向に沿って非
常に長く概ね連続して配設することができるため、でき
上がったガイドは上記強化材に相当する強化繊維が概ね
連続しており、高強度なガイドとなる。
【0028】穂先竿等の竿先部における竿管の本体層に
は、釣竿元部や中間部の竿管本体層に比較して縦弾性率
の小さな材料を使用し、曲げ剛性がより小さくなるよう
に工夫することができ、中通し釣竿のように竿先部の内
径が挿通する釣糸の外径の関係から余り小さくできない
が、こうした場合にも柔軟な竿先にできる。
【0029】図9は他の形態例を説明する図であり、例
えば図1の穂先竿12の縦断面図である。螺旋状ガイド
30は竿管12の後端部から先方途中位置に亘って形成
されており、この終端部分30Eから竿管12の先端に
亘って、補強層50が竿管本体に一体化されている。こ
の補強層50はガイド体終端部分30Eの近傍ではガイ
ド高さ程度の厚さを有し、先方程薄肉化している。然し
ながら、材料として柔軟部材を使用した場合に、先方程
厚肉化させると共に竿管本体12を薄肉化して撓み調子
を調節設定することもある。終端部分30Eの近傍の肉
厚はガイド高さと概ね同程度が好ましく、ガイド高さの
85〜105%程度に設定する。補強層の材料は、合成
樹脂や、合成樹脂比率が高く、重量比率で50%以上の
プリプレグ等を使用し、撓み剛性の低い材料が好ましい
が、補強作用からして剛性の高い材料の使用も含む。
【0030】螺旋状ガイド30の材質は、カーボン繊
維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維等の繊維
束やその他形態の繊維強化樹脂プリプレグ、有機繊維等
の有機材、粒子や短繊維を強化材として混入したり、軽
量化のために中空繊維や中空粒子を混入させたり、耐傷
付性や耐摩耗性向上のために球状粒子を混入させたもの
がある。他の形態例の場合も同様である。
【0031】図10は他の形態であり、補強層50Aは
終端部分30Eから穂先竿12の先方途中位置までに亘
って厚さが漸減するように形成しており、後方側にも幾
分かの長さに亘って厚さの漸減する補強層50Bが形成
されており、他の領域よりも厚肉化されており、ガイド
終端部分近傍の竿管を補強して強度を向上させると共
に、一体化された突出状ガイド30を有する竿管成形時
に、本体プリプレグの蛇行等を防止すべく、ガイド終端
部分近傍における芯金と本体プリプレグとの間の段差を
埋める作用も果たしている。また、図7のように螺旋状
ガイドを途中位置で終端させるが、そのガイドを続けて
密に巻回させる構造では、既述のように、これが図9等
の補強層と同様な作用を果たす。
【0032】上記説明では、ガイド体として螺旋状ガイ
ドを使用した形態であるが、環状ガイドが離散的に並ん
だ形態の場合にも、その環状ガイド群の端部に適用で
き、また、螺旋状ガイドやガイド群の後方端部が竿管の
後方側途中において終端していても、この終端部分に適
用できる。
【0033】図11は、ガイド体30を竿管10’に一
体化突出させた場合に、竿管に応力集中が生じて撓み強
度が低下することを防止すべく、ガイド体30の配設領
域Z3の肉厚t3を、配設していない領域Z2の肉厚t
2に比較して厚肉に形成し、撓み強度を向上させてい
る。領域Z1は継合領域であり、先側の穂先竿等を継ぎ
合わせるための継合部としての強度補強のために厚肉化
させている。
【0034】この肉厚とは別儀であるが、領域Z1には
先側の小径竿管を継ぎ合わせ、その小径竿管後端の小径
孔に釣糸を挿通させるため、この小径竿管後端に近い領
域では釣糸の挿通範囲は狭くなる。従って、この小径竿
管後端と領域Z3との間の領域Z2の竿管内面には釣糸
が接触しない、従って、ガイド体30の不要な領域であ
り、このように本来ガイド体の不要な領域にはガイド体
を配設しないことが、竿管への応力集中を回避するため
や、撓み性阻害の防止のために好ましい。このような範
囲Z2が長く確保できれば、領域Z3から縮径させて継
合領域Z1に至らしめる領域Z2のテーパは小さくで
き、剛性変化が緩やかで好ましい。厚肉で剛性の高い領
域Z1と、ガイド体の存在で剛性の高い領域Z3とを離
隔させ、間に剛性の低い領域Z2を配設することは、複
数本の竿管が継ぎ合わせられた釣竿全体としての撓みを
滑らか変化させることに役立つ。この領域Z2は30〜
50mm以上取り、100mm程度が好ましい。
【0035】図12は他の形態例を説明する図であり、
竿管12の本体とガイド体30との間に、該ガイド体3
0の幅よりも広幅の補強部材52を一体的に配設した形
態を示す。ガイド体30の幅方向全体と、その前後に亘
って広がった補強部材52はシート状部材であり、ガラ
ス繊維のスクリムクロスシート等の繊維強化プリプレ
グ、カーボンテープ、合成樹脂フィルム、紙等が使用さ
れるが、シート状部材に限らず、糸状合成樹脂、綿糸等
でもよい。こうしてガイド体の一体化に伴うガイド体周
辺の竿管への応力集中に対して竿管が補強され、撓み強
度が向上する。
【0036】図13は上記に係る補強層を有したガイド
付き竿管の成形方法の説明図である。芯金40の先部の
テーパ部40Bを残して、ストレート状か緩テーパ部4
0Aにガイド体30の高さ程度の適宜な厚さの耐熱テー
プ42とガイド体30と図示しないフィルム(44)を
図8で説明したように巻回配設し、そのガイド体30の
終端部分に上記図12で説明した補強部材52を巻回
し、更に補強用のプリプレグ50Pと、竿管本体用のプ
リプレグ12Pと、継合部補強用のプリプレグ12P’
を巻回する。
【0037】補強用のプリプレグ50Pはガイド体30
の終端部分から先方に亘って巻回する矩形状のプリプレ
グであり、図9の補強層50に相当する。継合部補強用
プリプレグ12P’は3角形状を成し、この場合には、
3角形の先端がガイド体の終端部分に至るまでの長さに
延設されている。従って、ガイド体の終端部分近くの竿
管の補強もなされるが、ここまで延設しなくてもよい。
また、本体用プリプレグ12Pは、必ずしも1枚のプリ
プレグで形成されるものではなく、矩形状や3角形状の
複数のプリプレグを巻回して、先部程柔軟な竿管にする
ことや、軸長方向に指向した強化繊維を主体に、その内
側や外側を円周方向に指向した強化繊維で挟む構造にす
ることが一般的である。
【0038】図9の補強構造を形成するには図13の補
強部材52は不要であり、また、補強用プリプレグ50
Pは図の一点鎖線の左側部分を無くして短くし、図10
のように竿管の途中位置まで補強層50Aを設ける構造
でもよい。また更に、他の補強層50Bを設ける図10
そのものの構造にしてもよく、更には、図12の補強構
造を形成するには補強用のプリプレグ50Pは不要であ
るが、この製造方法で示すように両方を併用してもよい
ことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、竿管内側に一体的に突出形成したガイド体を有
する竿管のガイド体部分の強度低下を防止した高強度な
中通し釣竿が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る中通し釣竿の側面図であ
る。
【図2】図2は図1の要部の縦断面図である。
【図3】図3は図2のC部の拡大図である。
【図4】図4は図3に対応する他の形態例の縦断面図で
ある。
【図5】図5は図3に対応する他の形態例の縦断面図で
ある。
【図6】図6は図3に対応する他の形態例の縦断面図で
ある。
【図7】図7は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断面図
である。
【図8】図8は本発明に係る中通し釣竿の製法の1例を
示す部分縦断面図である。
【図9】図9は他の形態例の中通し釣竿の縦断面図であ
る。
【図10】図10は図9の変形例の部分縦断面図であ
る。
【図11】図11は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断
面図である。
【図12】図12は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断
面図である。
【図13】図13は図12等に係る中通し釣竿の製造方
法の説明図である。
【符号の説明】
10,12 竿管 12H 竿管本体層 30,G2 ガイド体 30H ガイド体の直線状外周面 32 緩衝部 SL 軸長方向繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 好尚 東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−107885(JP,A) 特開 平5−276853(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 87/00 610 A01K 87/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂をマトリックスとして強化
    繊維によって強化された竿管の内側に突出するように
    旋状のガイド体が一体に加熱形成された中通し釣竿であ
    って、前記ガイド体が多数の補強材繊維を束状にして前
    記熱硬化性樹脂と同系統の熱硬化性樹脂を含浸させたも
    のに撚りを掛けたものであり、該ガイド体の釣糸の接触
    する突出部領域に補強材繊維からなる強化材の比率を多
    くし、該突出部領域の前後と、竿管の軸長方向繊維を主
    体とする本体層と前記突出部領域との間にのみ合成樹脂
    領域、又は合成樹脂比率を多くした強化材との混合領域
    を配設したことを特徴とする中通し釣竿。
  2. 【請求項2】 前記ガイド体が、該ガイド体の前後の竿
    管内面に概ね沿った外周面を有する請求項1記載の中通
    し釣竿。
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