JP3801554B2 - 中通し釣竿 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は竿管内部に螺旋状の釣糸ガイドを配設した中通し釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣糸の滑り性の向上等の観点から、特開平4−341133号公報には、竿管内周面に単一繊維の釣糸案内環状体(釣糸のガイド体)を一体成形させた中通し釣竿が開示されている。また、特開平5−88259号公報には、芯金に螺旋状に巻回した樹脂テープの上から竿管を形成するプリプレグを巻回し、このプリプレグを利用して螺旋状の突出部(釣糸のガイド体)を同時に一体形成した竿管等の管状体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、竿管内面にガイド体を一体的に形成する場合には、芯金の外側にプリプレグを巻回し、緊締テープによって加圧しつつ加熱するが、前者公報ではガイド体の存在の影響で竿管の軸長方向繊維が蛇行したり、プリプレグの樹脂流動が不均一になり、後者公報では、樹脂テープの存在によって竿管の軸長方向繊維が蛇行すると共にプリプレグの樹脂流動が不均一になる。こうして竿管の強度が低下し、破損し易くなる。
また、竿管の内面に一体的に形成するガイド体は、竿管撓み時の竿管強度に与える影響が大きく、ガイド体の形状、構造、材質等に応じた応力集中により竿管の撓み強度が低下し、釣りに際して竿管の折れ破損が発生する虞がある。即ち、従来の竿管はガイド体やガイド体近傍における細部にわたる考慮が不十分であると考えられる。
【0004】
依って本発明は、竿管内側に一体的に突出形成したガイド体を有する竿管のガイド体近くの強度低下を防止した高強度な中通し釣竿の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて本発明は、請求項1において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するように螺旋状のガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、竿管内面に接続する前記ガイド体の底部の曲面を、該ガイド体の頂部から側面に亘る凸状曲面よりも緩やかな凹状曲面に形成して、ガイド体の幅を、補強材が略均等に分散配設された本体部の、竿管内に露出した表面領域である突出部領域の2倍以上とすることを特徴とする中通し釣竿を提供する。
ガイド体の形状に工夫を施し、竿管内面に接続する底部の形状を突出部付近の凸状曲面よりも緩やかな凹状曲面に形成すれば、肉厚が緩やかに低減するガイド体底部によって撓み時の応力集中が緩和され、竿管強度が向上する。
【0006】
他の形態1において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、前記ガイド体が、該ガイド体の前後の竿管内面に概ね沿った外周面を有することを特徴とする中通し釣竿を提供する。
ガイド体の外周面が概ね前後の竿管内面に沿った形状であれば、ガイド体近くの竿管の軸長方向繊維が蛇行し難く、それだけ竿管強度が向上する。
【0007
他の形態2において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、前記ガイド体は合成樹脂で形成されており、軸長方向に短い間隔で多数箇所配設していることを特徴とする中通し釣竿を提供する。
ガイド体自体を合成樹脂で形成すれば、1個のガイド体では釣糸との摩擦抵抗に弱く、摩耗し易いが、釣糸の接触領域が必ずしも一定しないと共に、接触抵抗の小さな穂先に近い細径領域等に短い間隔で多数箇所配設すれば前記摩耗が防止でき、しかも合成樹脂ガイド体であるため、竿管の撓みに対して大きな抵抗を示さず、応力集中が防止でき、竿管強度が向上する。
【0008
他の形態3において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、前記ガイド体が螺旋状に連続しており、該ガイド体の終端部を竿管内周の軸長方向所定長さに亘って密集配設したことを特徴とする中通し釣竿を提供する。
螺旋状ガイド体の終端部を竿管内周に密集配設したので、撓み時にガイド体端部近くの竿管に応力が集中しても、この部分の竿管の強度が向上しているため破損が防止される。また、竿管端部は継合のために一般的には他部よりも強度を向上させるよう構成するが、螺旋状ガイド体の終端部がこの継合部に近ければ、ガイド体の密集配設によって同時に継合部の補強が達成でき、更には、釣糸が螺旋状ガイド体の端部に引っ掛ることも防止できる。また、螺旋状ガイド体の終端部が竿管の端部から相当離れた位置であっても、そのガイド体の密集配設において肉厚を漸次減少させるように構成すれば、密集配設を竿管の途中位置において終端させた構造であっても応力集中に対して竿管強度が向上する。
【0009
他の形態4において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、前記ガイド体が螺旋状に連続したガイドか、或いは長手方向に並んだ複数個の環状ガイドであり、竿管の軸長方向におけるこれらのガイド体の端部から竿管の端部方向に沿って、ガイド体端部の近傍では、該端部のガイド高さと略同じ程度の厚さを有する補強層を竿管内面に一体化させた領域を有することを特徴とする中通し釣竿を提供する。
【0010
螺旋状等のガイドが竿管の途中位置で終端すれば、撓みが生じた場合に、そのガイドの無い竿管領域とガイドの配設された竿管領域との境界領域において竿管が破損し易い。また、突出ガイドの一体化形成方法からすれば、ガイドの上から竿管本体のプリプレグを巻回するために、ガイドの終端位置の段差部において本体プリプレグが蛇行したり、樹脂の流動が不均一になって強度低下をもたらす。特に軸長方向繊維の蛇行は竿管強度に大きく影響する。そこで、この境界領域を補強する他、一体化形成時に竿管本体プリプレグが蛇行することを防止するために、ガイド体の端部から竿管の端部方向に沿って、ガイド近傍ではガイド高さと略同じ程度(85〜105%程度)の厚さを有する補強層を竿管内面に一体化させている。この補強層は緩衝部として作用する柔軟な部材の他、剛性の高い部材も含む。
【0011
他の形態5において、合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するようにガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、前記竿管の本体とガイド体との間に、該ガイド体の幅よりも広幅の補強部材を配設した領域を有することを特徴とする中通し釣竿を提供する。
竿管の本体とガイド体との間に、該ガイド体の幅よりも広幅の補強部材を配設しているため、ガイド体の一体化に伴うガイド体周辺の竿管への応力集中に対して竿管が補強され、撓み強度を向上させる。この補強部材は主としてカーボンテープ、ガラススクリムシート、合成樹脂フィルム等のシート材や、糸状の合成樹脂、綿糸や紙等の天然材である。
【0012
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づき、更に詳細に説明する。
図1は中通し釣竿の一形態例を示す。カーボン等の高強度繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸したり、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を混合した繊維強化プリプレグ(熱可塑性樹脂を含めた広い意味で使用)を巻回焼成して成形した竿管の元竿10と穂先竿12を並継式に継合せしている。元竿10にはリール装着部16が有り、これに両軸受型リール26が装着されており、元竿10前部の釣糸導入部24を介して釣糸28が竿管内部に挿通され、穂先竿12の先端のトップガイド14から外部に出ている。
元竿10のリール装着部の前側には前側握り部20Aが、後側には後側握り部20Bが設けられており、後端には竿尻部品22が螺合されている。18はトリガーである。
【0013
穂先竿12の後部の縦断面図を図2に示し、そのC部の拡大図を図3に示す。穂先竿12の後端には金属や合成樹脂製の栓体12Eが螺着されており、その内周にはセラミックス製のガイドリングG1が固定されている。一方、この栓体12Eの前側の竿管内周面には螺旋状のガイド体30が竿管12に一体化されている。螺旋状ガイド体は一例であり、独立した環状ガイド体を所定間隔毎に配設してもよく、また、螺旋状ガイド体は右巻でも左巻きでもよく、或いは両方を組み合わせたりしてもよい。更には、ガイド体の配設領域は竿管12の全体に亘ってもよく、また一部分でもよい。
【0014
竿管12は、外周側と内周側とに、繊維が概ね円周方向に指向した補強層12A,12Bを有し、これらの間に、繊維が概ね軸長方向に指向した厚い本体層12Hを有している。
ガイド体30は合成樹脂をマトリックスとし、カーボン繊維、セラミックス繊維、ガラス繊維、金属繊維等の補強材HBを主としてガイド体の長手方向に指向させて配設しており、その横断形状は図3に示されているように、外周30Hが直線状に形成されている。上記補強材HBは釣糸の接触する突出部領域に主体的に配設しており、外周側には殆ど配設しておらず、外周側と前後部は合成樹脂が主体となっている合成樹脂層JSである。
【0015
補強材の配設された領域における樹脂量は30〜60重量%とし、竿管の樹脂含有率より多目に設定し、合成樹脂層JSを形成しやすくし、また、ガイド体30の内周表面にボイドの発生することを防止する。しかも、ガイド体30の前後には該ガイド体30と竿管12内面とを接続させる合成樹脂の緩衝部32がガイド体から離隔するにつれて厚さが漸減するように形成されている。また、ガイド体30はその外周部が補強層12Bに幾分埋没するようにして竿管に一体化されている。従って、補強層12Bのガイド体の外周30Hに対面する領域12bは他領域に比べて薄く形成されている。
【0016
上記補強層12bとガイド体周辺の補強層12B、並びに合成樹脂層JSは、一般に補強材HBの配設された突出部領域よりは曲げ弾性率(竿管の撓み方向の曲げに対する竿管に対する横断面での単位面積あたりの抵抗力(剛性))が小さく、緩衝部32と共に緩衝作用を果たし、竿管の撓み時に応力集中が生ずるのを防止する。この合成樹脂層JSと緩衝部32の合成樹脂は竿管12の合成樹脂と同じ系統の樹脂(竿管がエポキシ系樹脂ならばエポキシ系樹脂)を用いると一体化強度が向上する。
更には、ガイド体30に使用している樹脂が竿管の加熱成形温度では溶融してしまわない樹脂、例えば熱可塑性樹脂であれば、既述の如くガイド体30の外周30Hが直線状に形成されているため、竿管形成用のプリプレグと共に一体化させる際に、本体層12Hの主体とする軸長方向に指向した強化繊維SLを蛇行させることが防止され、竿管強度が向上する。
こうして本形態例の竿管は、緩衝作用領域(32等)が無く、ガイド体の外周が直線状でなくて外側に凸の曲面の場合と比べて、撓み時の強度が15〜20%程向上した。
【0017
図4は、図3に対応した本発明に係る他の形態例を示しており、釣糸の接触するガイド体30の突出部領域A1(左半分だけ示しているが対称な右側も含む)とその内部には既述のような補強材HBを略均等に分散配設しており、その部分の外形は略楕円形状である。ガイド体30の残り部であるその前後の領域A2,A3とその内部は、この形態例では合成樹脂で形成した緩衝部32である。領域A1からA2までは竿管の内側に凸にして釣糸との接触幅をある程度確保し(接触領域の殆どは領域A1)、領域A3は内側に凹にしてガイド体30の肉厚を緩やかに漸減させている。好ましくは、領域A1からA2に亘る平均的な曲率よりも緩やかな凹曲面として、ガイド体の幅Lを大きくし、突出部領域A1(左右含む)の2倍程度以上とすることが好ましい。またガイド体30の外側であって、本体層12Hと補強層12Bとの間には緩衝層となる樹脂層33が形成されている。従って、撓んだ際の応力集中を防止できる。
【0018
上記ガイド体30の一体化成形方法の1つは、多数の補強材繊維を束状にして熱硬化性樹脂を含浸させたものに撚りを掛けておくと、加熱成形時に合成樹脂が溶融して前後にじみ出て緩衝部32が形成される。
【0019
図5は加熱形成時に成分が溶融しない材料、即ち、セラミックス材料、金属材料、耐熱性のある合成樹脂材料、複合材料等で形成されたガイド体30の外周30Hが竿管12の内側補強層12Bの内周面12Sに概ね沿った直線状であり、このガイド体30の前後に竿管に接続させると共に緩衝作用をする緩衝部32を設けている。この緩衝部は合成樹脂や、合成樹脂に強化材を少ない割合で混在させて形成する。こうして竿管が撓んだ際の応力集中を防止する。また、ガイド体の外周が直線状であるため、本体層12Hの軸長方向繊維が蛇行することが防止でき、竿管強度が向上する。
【0020
上記耐熱性合成樹脂材料によって形成されたガイド体30の場合は、竿管の軸長方向に短い間隔で多数箇所配設して、釣糸との摩擦によって部分的に強く摩耗することを防止する必要がある。
また、他の形態例でも同様だが、補強層12Aや12Bは無くてもよいが、この場合は通常は本体層12Hの中に繊維方向が略円周方向に指向した薄い層や繊維の円周方向成分を有するクロス(スクリムシートを含む)を混在させることがある。
【0021
図6はガイド体30が、本体層12Hからなる竿管12の成形温度で溶融する熱硬化性等の樹脂によって形成されており、竿管の軸長方向繊維の蛇行防止のために外周面30Hは直線状に形成されることが好ましい。既述の如く、樹脂のガイド体30は摩耗し易いため、短い間隔で多数箇所配設する(螺旋状では旋回間隔を狭くする)。また、竿先に近い領域程大きな撓み性が確保されなければならないため、曲げ剛性の低い合成樹脂製ガイド体をこうした竿先近くの領域に適用することが好ましい。この領域は釣糸から大きな荷重を受ければ撓んで逃げる設計構造の竿管のため、釣竿の釣糸導入部近く程釣糸によって強く擦られず、合成樹脂のガイド体でも釣糸の円滑な案内が可能になる。こうして竿管12に一体形成された樹脂のガイド体30は竿管の撓みに際して大きな抵抗にならず、応力集中が防止される。曲げ剛性に大きな影響を与えない程度に耐摩耗性粒子を混入させてもよい。また、このガイド体30の製造では、竿管12用プリプレグに使用している合成樹脂を利用して形成してもよい。
【0022
図7はカーボン繊維等を束にして形成した螺旋状ガイド体30を竿管10’に一体に突出配設し、その終端部分をそのまま、或いは繊維をばらすようにして竿管の前端部の所定長さ範囲(継ぎ合せに使用する範囲等)において密に巻回させて前端部を補強している。巻回した内面は振出式では前細形状に、並継ぎではストレート状に夫々形成するとよい。こうして元来補強の必要な竿管端部、特に継合部分を螺旋状ガイド体を利用して補強でき、強度の強い竿管が提供できる。また、螺旋状ガイド体30の終端部の処理の仕方によっては釣糸が引っ掛ることもあって、釣糸抵抗を増したりガイド体30をその端部から損傷させたりするが、このように処理すれば引っ掛りが防止でき、ガイド体も耐久性が向上する。
【0023
この図と異なり、螺旋状ガイド体30が竿管10’の更に後方位置で終端しておれば、この終端位置から先はガイド体の繊維をばらすようにして、竿管の先端に至らない途中位置まで密集巻回させて、少なくともその密集巻回の終端近くでは肉厚が漸減するように終らせた構造としても、螺旋状ガイド体30の終端位置近くでの応力集中に対して補強でき、破損が防止できる。また、竿管の先側ではなく、後側においてもこれらと同様な構造が採られ得る。
こうした補強は勿論、他のプリプレグシートやテープ等他部材によったり、或いは両方組み合わせてもよい。
【0024
図8は中通し釣竿の1つの製造方法を説明する図である。芯金40の表面に、所定厚さのテープ42を所定間隔離しつつ巻回し、この上に、加熱温度に耐えるポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の薄いフィルム44を被せ、テープ間の隙間に螺旋状ガイド体G2を巻回する。この時、テープ42の厚さはガイド体G2の高さ程度に設定しておけば、上から巻回する竿管用のプリプレグP1の下面とガイド体G2の外周が略接触するようにすることができる。
【0025
こうして加圧しつつ加熱すると、隙間SPにプリプレグP1やP2の合成樹脂が流入し、緩衝部が形成される。この合成樹脂が隙間SPに流入するため、通常の方法ではテープ42間のガイド体G2の前後にバリが発生するが、薄いフィルム44が存在するためこれが防止される。このフィルム44を使用しない場合には、ガイド体G2の両側のテープ42の縁にガイド体が圧接するように巻回してバリを防止する。フィルム44を使用する場合にも、両側のテープ42によって圧接された状態で成形することがバリ防止に好ましい。
【0026
以上の他に、ガイド体を竿管の構成材料を利用して形成することもできる。即ち、竿管には図3に示すような内周側の補強層12Bを形成する場合に、これをシート状プリプレグではなく、シートに比較して幅の狭いテープ状のプリプレグによって形成する。芯金には、竿管内面にガイド用の突条が形成できるように外周に螺旋条の溝又は独立した環状の溝を形成したシリコン等のチューブを被せたり、或いは、耐熱性樹脂テープを螺旋条等に巻回しておき、このチューブ又はテープの上から上記テープ状プリプレグを巻回して竿管内周の補強層12Bと共にガイド用突条が一体に形成できる。他は常法に従って焼成し、最後にチューブ又は樹脂テープを除去する。こうした方法によってガイドが簡便に形成できると共に、テープ状プリプレグでは強化繊維をテープの長さ方向に沿って非常に長く概ね連続して配設することができるため、でき上がったガイドは上記強化材に相当する強化繊維が概ね連続しており、高強度なガイドとなる。
【0027
穂先竿等の竿先部における竿管の本体層には、釣竿元部や中間部の竿管本体層に比較して縦弾性率の小さな材料を使用し、曲げ剛性がより小さくなるように工夫することができ、中通し釣竿のように竿先部の内径が挿通する釣糸の外径の関係から余り小さくできないが、こうした場合にも柔軟な竿先にできる。
【0028
図9は他の形態例を説明する図であり、例えば図1の穂先竿12の縦断面図である。螺旋状ガイド30は竿管12の後端部から先方途中位置に亘って形成されており、この終端部分30Eから竿管12の先端に亘って、補強層50が竿管本体に一体化されている。この補強層50はガイド体終端部分30Eの近傍ではガイド高さ程度の厚さを有し、先方程薄肉化している。然しながら、材料として柔軟部材を使用した場合に、先方程厚肉化させると共に竿管本体12を薄肉化して撓み調子を調節設定することもある。終端部分30Eの近傍の肉厚はガイド高さと概ね同程度が好ましく、ガイド高さの85〜105%程度に設定する。補強層の材料は、合成樹脂や、合成樹脂比率が高く、重量比率で50%以上のプリプレグ等を使用し、撓み剛性の低い材料が好ましいが、補強作用からして剛性の高い材料の使用も含む。
【0029
螺旋状ガイド30の材質は、カーボン繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミックス繊維等の繊維束やその他形態の繊維強化樹脂プリプレグ、有機繊維等の有機材、粒子や短繊維を強化材として混入したり、軽量化のために中空繊維や中空粒子を混入させたり、耐傷付性や耐摩耗性向上のために球状粒子を混入させたものがある。他の形態例の場合も同様である。
【0030
図10は他の形態であり、補強層50Aは終端部分30Eから穂先竿12の先方途中位置までに亘って厚さが漸減するように形成しており、後方側にも幾分かの長さに亘って厚さの漸減する補強層50Bが形成されており、他の領域よりも厚肉化されており、ガイド終端部分近傍の竿管を補強して強度を向上させると共に、一体化された突出状ガイド30を有する竿管成形時に、本体プリプレグの蛇行等を防止すべく、ガイド終端部分近傍における芯金と本体プリプレグとの間の段差を埋める作用も果たしている。
また、図7のように螺旋状ガイドを途中位置で終端させるが、そのガイドを続けて密に巻回させる構造では、既述のように、これが図9等の補強層と同様な作用を果たす。
【0031
上記説明では、ガイド体として螺旋状ガイドを使用した形態であるが、環状ガイドが離散的に並んだ形態の場合にも、その環状ガイド群の端部に適用でき、また、螺旋状ガイドやガイド群の後方端部が竿管の後方側途中において終端していても、この終端部分に適用できる。
【0032
図11は、ガイド体30を竿管10’に一体化突出させた場合に、竿管に応力集中が生じて撓み強度が低下することを防止すべく、ガイド体30の配設領域Z3の肉厚t3を、配設していない領域Z2の肉厚t2に比較して厚肉に形成し、撓み強度を向上させている。領域Z1は継合領域であり、先側の穂先竿等を継ぎ合わせるための継合部としての強度補強のために厚肉化させている。
【0033
この肉厚とは別儀であるが、領域Z1には先側の小径竿管を継ぎ合わせ、その小径竿管後端の小径孔に釣糸を挿通させるため、この小径竿管後端に近い領域では釣糸の挿通範囲は狭くなる。従って、この小径竿管後端と領域Z3との間の領域Z2の竿管内面には釣糸が接触しない、従って、ガイド体30の不要な領域であり、このように本来ガイド体の不要な領域にはガイド体を配設しないことが、竿管への応力集中を回避するためや、撓み性阻害の防止のために好ましい。このような範囲Z2が長く確保できれば、領域Z3から縮径させて継合領域Z1に至らしめる領域Z2のテーパは小さくでき、剛性変化が緩やかで好ましい。厚肉で剛性の高い領域Z1と、ガイド体の存在で剛性の高い領域Z3とを離隔させ、間に剛性の低い領域Z2を配設することは、複数本の竿管が継ぎ合わせられた釣竿全体としての撓みを滑らか変化させることに役立つ。この領域Z2は30〜50mm以上取り、100mm程度が好ましい。
【0034
図12は他の形態例を説明する図であり、竿管12の本体とガイド体30との間に、該ガイド体30の幅よりも広幅の補強部材52を一体的に配設した形態を示す。ガイド体30の幅方向全体と、その前後に亘って広がった補強部材52はシート状部材であり、ガラス繊維のスクリムクロスシート等の繊維強化プリプレグ、カーボンテープ、合成樹脂フィルム、紙等が使用されるが、シート状部材に限らず、糸状合成樹脂、綿糸等でもよい。こうしてガイド体の一体化に伴うガイド体周辺の竿管への応力集中に対して竿管が補強され、撓み強度が向上する。
【0035
図13は上記補強層を有したガイド付き竿管の成形方法の説明図である。芯金40の先部のテーパ部40Bを残して、ストレート状か緩テーパ部40Aにガイド体30の高さ程度の適宜な厚さの耐熱テープ42とガイド体30と図示しないフィルム(44)を図8で説明したように巻回配設し、そのガイド体30の終端部分に上記図12で説明した補強部材52を巻回し、更に補強用のプリプレグ50Pと、竿管本体用のプリプレグ12Pと、継合部補強用のプリプレグ12P’を巻回する。
【0036
補強用のプリプレグ50Pはガイド体30の終端部分から先方に亘って巻回する矩形状のプリプレグであり、図9の補強層50に相当する。継合部補強用プリプレグ12P’は3角形状を成し、この場合には、3角形の先端がガイド体の終端部分に至るまでの長さに延設されている。従って、ガイド体の終端部分近くの竿管の補強もなされるが、ここまで延設しなくてもよい。また、本体用プリプレグ12Pは、必ずしも1枚のプリプレグで形成されるものではなく、矩形状や3角形状の複数のプリプレグを巻回して、先部程柔軟な竿管にすることや、軸長方向に指向した強化繊維を主体に、その内側や外側を円周方向に指向した強化繊維で挟む構造にすることが一般的である。
【0037
図9の補強構造を形成するには図13の補強部材52は不要であり、また、補強用プリプレグ50Pは図の一点鎖線の左側部分を無くして短くし、図10のように竿管の途中位置まで補強層50Aを設ける構造でもよい。また更に、他の補強層50Bを設ける図10そのものの構造にしてもよく、更には、図12の補強構造を形成するには補強用のプリプレグ50Pは不要であるが、この製造方法で示すように両方を併用してもよいことは勿論である。
【0038
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、竿管内側に一体的に突出形成したガイド体を有する竿管のガイド体近くの強度低下を防止した高強度な中通し釣竿が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る中通し釣竿の側面図である。
【図2】 図2は図1の要部の縦断面図である。
【図3】 図3は図2のC部の拡大図である。
【図4】 図4は図3に対応する他の形態例の縦断面図である。
【図5】 図5は図3に対応する他の形態例の縦断面図である。
【図6】 図6は図3に対応する他の形態例の縦断面図である。
【図7】 図7は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断面図である。
【図8】 図8は本発明に係る中通し釣竿の製法の1例を示す部分縦断面図である。
【図9】 図9は他の形態例の中通し釣竿の縦断面図である。
【図10】 図10は図9の変形例の部分縦断面図である。
【図11】 図11は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断面図である。
【図12】 図12は他の形態例の中通し釣竿の部分縦断面図である。
【図13】 図13は図12等に係る中通し釣竿の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
10,12 竿管
12H 竿管本体層
30,G2 ガイド体
30H ガイド体の直線状外周面
32 緩衝部
SL 軸長方向繊維

Claims (1)

  1. 合成樹脂をマトリックスとして強化繊維によって強化された竿管の内側に突出するように螺旋状のガイド体が一体形成された中通し釣竿であって、竿管内面に接続する前記ガイド体の底部の曲面を、該ガイド体の頂部から側面に亘る凸状曲面よりも緩やかな凹状曲面に形成して、ガイド体の幅を、補強材が略均等に分散配設された本体部の、竿管内に露出した表面領域である突出部領域の2倍以上とすることを特徴とする中通し釣竿。
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