JPH10178975A - 釣糸ガイドを有する中通し釣竿とその製造方法 - Google Patents
釣糸ガイドを有する中通し釣竿とその製造方法Info
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Abstract
ても竿管強度の低下が小さいと共に、形成された釣糸ガ
イドの耐久性や糸案内性の高い中通し釣竿とその製造方
法を提供する。 【解決手段】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化した竿管本体の内側に釣糸ガイドを突出配設させ
る釣竿の製造方法であって、テープ12を側縁間に互い
に適宜な隙間を設けるように芯材10に巻回し、その隙
間に亘って薄肉のテープ又はシートを配設するか、或い
は適宜な溝を有するテープ又はシートを、その溝が外側
に向くように芯材に巻回し、該隙間又は溝に、多数の繊
維を束ね、該多数繊維の束全体に対してだけ撚りを設け
て形成したものに合成樹脂を含浸させた釣糸ガイド素体
16を巻装し、この外側から竿管本体形成用の素材を巻
装させ、前記隙間や溝の、前記釣糸ガイド素体を受け入
れることの可能な断面面積が前記釣糸ガイド素体16の
横断面の面積と同程度であり、前記テープ12やシート
は竿管成形後に除去するよう構成する。
Description
釣糸ガイドを突出配設させた中通し釣竿とその製造方法
に関する。
るため釣糸抵抗の低減が問題となり、このため釣糸を案
内する個別の環状や螺旋状に連続した釣糸ガイドを竿管
内面に突出して設ける工夫がなされている。
糸ガイドを設ける製造方法上の問題で、釣竿の撓んだ際
に竿管本体側に応力集中が生じてそこから破損したり、
また、釣糸ガイドに耐久性が乏しかったりする問題が有
る。また、釣糸ガイドを設けるにしても、釣糸接触部の
形状や大きさを適切に設定しなければ釣糸抵抗の低減効
果を大きくできない。
イドを突出配設させても竿管強度の低下が小さいと共
に、形成された釣糸ガイドの耐久性や糸案内性の高い中
通し釣竿とその製造方法の提供を目的とする。また、耐
久性や糸案内性の高い釣糸ガイドを有する中通し釣竿の
提供を目的とする。
は請求項1において、合成樹脂をマトリックスとし、強
化繊維で強化した竿管本体の内側に設けられ、多数の繊
維を束ねたものに合成樹脂を含浸させた釣糸ガイド素体
が使用され、頂部が曲面状の概ねおむすび形状の横断面
形状を成し、該おむすびの底辺両隅の角度が概ね45±
15度の範囲内であることを特徴とする釣糸ガイドを有
する中通し釣竿を提供する。好ましくは概ね45±10
度の範囲内である。おむすび形状とは、3角形の角部を
丸めた状態の形状をいう。
リックスとし、強化繊維で強化した竿管本体の内側に設
けられ、頂部が曲面状の概ねおむすび形状の横断面形状
を成し、該おむすびの両側辺を延長したラインと、前記
曲面状頂部に接しておむすびの底辺に平行に引いたライ
ンとの交点間の距離が0.1mm以上、0.4mm未満
であることを特徴とする釣糸ガイドを有する中通し釣竿
を提供する。
スとし、強化繊維で強化した竿管本体の内側に釣糸ガイ
ドを突出配設させる中通し釣竿の製造方法であって、芯
材に巻回し、多数の繊維を束ね、該多数の繊維束全体に
対して撚りを設けたものに合成樹脂を含浸させて形成し
た釣糸ガイド素体を巻装する隙間を形成するテープ、又
は溝を形成したテープ又はシートの内、前者テープの場
合は、該テープの横断面形状が台形状であり、下底側両
隅の角度が概ね45±15度の範囲内であり、前記シー
トや後者テープの場合は、溝を形成している側壁面を直
線的に延長した面とシートやテープの面との成す角度が
概ね45±15度の範囲内であることを特徴とする中通
し釣竿の製造方法を提供する。好ましくは、概ね45±
10度の範囲内である。
スとし、強化繊維で強化した竿管本体の内側に釣糸ガイ
ドを突出配設させる釣竿の製造方法であって、テープを
側縁間に互いに適宜な隙間を設けるように芯材に巻回
し、その隙間に亘って薄肉のテープ又はシートを配設す
るか、或いは、適宜な溝を有するテープ又はシートを、
その溝が外側に向くように芯材に巻回し、該隙間又は溝
に、多数の繊維を束ね、該多数繊維の束全体に対してだ
け撚りを設けて形成したものに合成樹脂を含浸させた釣
糸ガイド素体を巻装し、この外側から竿管本体形成用の
素材を巻装させ、前記隙間や溝の、前記釣糸ガイド素体
を受け入れることの可能な断面面積が前記釣糸ガイド素
体の横断面の面積と同程度であり、前記テープやシート
は竿管成形後に除去することを特徴とする釣竿の製造方
法を提供する。薄肉のテープやシートは残す場合があ
る。
度が小さ過ぎる場合は、加圧成形した場合の釣糸ガイド
素体の変形広がりは底辺両隅部にまでは達し難く、樹脂
が流入するにしてもこの領域に充填する程充分な量は流
れ難く、樹脂不足が生じた裾野となる。また、底辺両隅
角度が大き過ぎる場合、即ち、頂角が小さ過ぎる場合
は、加圧成形した場合の釣糸ガイド素体の変形広がりは
頂部にまでは達し難く、樹脂が流入するにしてもこの頂
部領域には殆ど釣糸ガイド素体から流入するだけである
ため、充填する程充分には流れず、樹脂不足が生じた頂
部となる。従って底辺両隅角度が概ね45±15度の範
囲内であれば繊維や樹脂の不足領域の発生を防止でき、
釣糸ガイドの耐久性や糸案内性が高いと共に、底辺両隅
角度の小さな場合の裾野の繊維や樹脂不足による竿管本
体への応力集中も、角度の大きな場合の竿管本体への応
力集中も共に防止され、竿管本体の強度が保持される中
通し釣竿となる。上記の両隅角度範囲の他に、外形状が
おむすび形状であるため、頂部が広過ぎず、糸抵抗が低
減できる。
上、0.4mm未満であることは、釣糸の接触する頂部
が尖り過ぎず、広過ぎず、糸案内性(釣糸損傷防止や糸
抵抗低減)のために丁度よいことであり、0.1mm未
満では尖り過ぎて釣糸が切れ易いと共に釣糸ガイドの摩
損が大きく、0.4mm以上では接触長さが長過ぎて糸
抵抗が増大する。
隙間を形成するテープの横断面台形状の両隅角度や、溝
側壁面とシートやテープの面との角度が小さ過ぎれば、
加圧成形した場合の撚りを設けた釣糸ガイド素体の変形
広がりは、隙間や溝の裾野部にまでは達し難く、樹脂が
流入するにしてもこの領域に充填する程充分な量は流れ
難く、樹脂不足が生じた裾野となる。また、上記角度が
大き過ぎれば、撚りを設けた釣糸ガイド素体の変形広が
りは、隙間や溝の頂部にまでは達し難く、樹脂が流入す
るにしても、この領域には殆どガイド素体からのみ流入
するだけであるため、充填する程充分には流れず、樹脂
不足が生じる。従って、概ね45±15度の範囲内の角
度であれば繊維や樹脂の不足領域の発生が防止され、耐
久性や糸案内性の高い釣糸ガイドを有すると共に、角度
の小さな場合の裾野の繊維や樹脂不足による竿管本体へ
の応力集中も、角度の大きな場合の竿管本体への応力集
中も共に防止され、竿管本体の強度が保持される中通し
釣竿が形成できる。
体を受け入れることの可能な断面面積は、釣糸ガイド素
体の横断面積と同程度であり、また、釣糸ガイド素体は
繊維の束に撚りを設けて形成しているためばらけ難く、
これらのため外側に竿管本体形成用の素材を巻装させて
加圧成形しても、釣糸ガイド素体の構成繊維が大きく移
動せず、竿管本体形成用素材がこの隙間や溝内に移動す
ることが防止され、該隙間や溝内の残り隙間には釣糸ガ
イド素体に含浸した合成樹脂が主に流れ出す。従って、
竿管本体形成用素材の強化繊維の乱れが防止されて竿管
が高強度に形成される。
押付けられ、また撚りを掛けているため、構成繊維が殆
ど移動できないため、釣糸ガイドの頂部側は繊維が多く
占有し、釣糸摩擦に対して耐久性を有し、樹脂枯れ等が
生じ難く、糸案内性も高い。更には、釣糸ガイド素体は
その構成繊維の束全体に対してだけ撚りを設けて形成し
ており、小さな束要素に撚りを設け、これらを複数併せ
て大きな1束に構成することは行っておらず、こうした
束要素の寄せ集めの場合では成形後もその束要素間に境
界が残るため釣糸摩擦に対して釣糸ガイドの耐久性が小
さくなるが、これに比較して本願の方法によって成形さ
れた釣竿の釣糸ガイドは耐久性が向上する。
の形態例に基づき、更に詳細に説明する。図1は本発明
に係る中通し釣竿の製造方法を説明するための図であ
り、芯金(芯材)10の上に通常使用する離型剤を塗布
し、更には、エポキシ樹脂等の樹脂を塗布して、この上
からフッ素材等の耐熱性の厚肉テープ12を適宜な隙間
を設けながら巻回する。塗布された樹脂の接着作用によ
って厚肉テープは芯金10の上で巻回状態が安定する。
この厚肉テープ12はその断面形状が台形状(寸法例と
して上底、下底、高さは、夫々0.4mm,1.2m
m,0.4mm)になるように両側縁を図示の如く傾斜
面12Kに形成しており、隣接したテープ間隙間の形状
も台形状になっている。この台形隙間の上底長さBは
0.1〜0.4mm程度がよい。
一定にして巻回すれば、径の大きな元側ではテープの方
向はより円周方向に近く、径の小さな先側では、より長
手方向に近くなる。この台形状隙間の両側の厚肉テープ
の上面にまで亘る幅を有し、ポリプロピレン等の薄肉テ
ープ14を前記台形状隙間内に垂れるように巻回敷設
し、その後、予め準備しておいた釣糸ガイド素体16を
薄肉テープ14の上から台形状隙間の中に巻回配設す
る。
し、緊締テープ等によって加圧しつつ加熱成形する。こ
の緊締テープの方向は、上記テープ間隙間に螺旋状に巻
回した釣糸ガイド素体16の巻回方向に対して交差する
方向(例えば、右巻に対して左巻き)に巻回すると、成
形竿管内での釣糸ガイドの高さが均一化し易い。成形後
には芯金10を抜き取り、厚肉テープ12を除去し、一
般には、薄肉テープ14も除去するが、これは残す場合
も有る。
肉テープ14と厚肉テープ12の高さである破線L1と
によって囲まれた面積が釣糸ガイド素体16を受け入れ
ることの可能な断面面積であり、これは釣糸ガイド素体
16の横断面積と同程度に形成する。前者の面積を10
0とすれば釣糸ガイド素体16の横断面積を70〜11
0程度にする。薄肉テープ14はその巻回時張力を大き
くすれば、厚肉テープ間の台形状隙間内に多く侵入で
き、小さな張力では少ししか侵入できない。これによっ
て釣糸ガイド素体16を受け入れることの可能な断面面
積を調節可能である。
数千本程度の多数本引き揃えて、これに撚りを掛け、こ
れにエポキシ樹脂等を含浸させて形成する。3千本程度
の束の場合は、1m当り80〜120回程度撚ると横断
面が円形に近くなり易い。これ以上だと張力を掛けてお
かないと絡み合い、これ以下だと撚りにむらが生じてさ
ばけ、テープ間の隙間に入り難くなる。6千本程度の束
の場合は、1m当り60回程度の撚りがよい。即ち、釣
糸ガイド素体16の径の大小で撚りの程度を変えるとよ
い。もし撚りを設けない場合は、孔に通して扱くように
すれば、テープ間の隙間に入り易くなる。何れにしても
繊維方向は、ほぼ釣糸ガイドの長手方向に沿っている。
〜50wt%にする。25wt%より少なくては樹脂量
が少なくなり過ぎて気泡が発生し易く、釣糸案内表面が
粗面化する。また、相対的に繊維量が多いため、釣糸ガ
イド素体が重くなり、ひいては釣竿が重くなる。50w
t%を越えれば樹脂量が多過ぎて繊維が流され、釣糸ガ
イド素体の形が崩れ易い他、繊維量が不足して耐摩耗性
が劣る。竿管本体形成プリプレグの樹脂比率が30wt
%以上の場合は、釣糸ガイド素体の合成樹脂含浸量は2
5〜40wt%が好ましく、竿管本体形成プリプレグの
樹脂比率が30wt%未満の場合は、釣糸ガイド素体の
合成樹脂含浸量は35〜50wt%が好ましい。これは
釣糸ガイド素体から釣糸ガイドを成形する際に、竿管本
体形成プリプレグからの樹脂流入を含め、厚肉テープ間
隙間内で樹脂流れが不足しないようにするためである。
示す。20は竿管本体の層である。テープ間隙間を釣糸
ガイド素体16の横断面積と同程度に形成していると共
に、釣糸ガイド素体は繊維の束に撚りを設けて形成して
いるためばらけ難く、加熱成形時に釣糸ガイド素体16
の繊維が流動し難く、巻回後に緊締テープ等によって加
圧されて芯金10の方に押付けられ、樹脂の含浸された
繊維束GSのまま殆どそのままの位置に在り、本体プリ
プレグとの接触側(ガイドGの裾野側)の小さな隙間に
は釣糸ガイド素体の合成樹脂が流動し易くてガイドGの
裾野GJを形成するが、釣糸との接触面となるガイドG
の頂部付近は繊維が多くを占め、耐久性が向上する。ま
た、既述のように、薄肉テープとラインL1との成す隙
間は釣糸ガイド素体の大きさ程度であるため、本体層用
のプリプレグの強化繊維が芯金方向へ流動することが防
止され、本体層に蛇行が生じ難く、高強度な竿管が形成
できる。
の低い凸部SGが形成されることがあるが、これは、テ
ーパ付の芯金10に柔らかい厚手のフッ素テープに張力
を付与して巻回しているため、フッ素テープは均等には
伸びず、厚肉テープ12の上面部18が窪んで形成され
るものと考えられるが、この存在は釣糸が直接に竿管内
面に接触することを防止する。釣糸ガイドGのピッチP
は高さHの50倍より大きくし、好ましくは100倍よ
りも大きくするとよい。釣糸を放出する場合は釣竿は軽
く撓む程度であり、上記ピッチPでも釣糸は釣糸ガイド
で受けられ、釣糸抵抗が大きくならず、飛距離が伸び、
また正確な位置に投擲できる。また、仕掛けに掛った魚
を巻き上げる場合のように釣竿が大きく撓む際には、ピ
ッチPが大きければ、竿管本体層の内面で釣糸の大部分
を直接に受けることになり、例え釣糸ガイドGが柔らか
な合成樹脂部材で形成されていても、これの摩耗を防止
できる。
の硬度と同じ程度にすると互いに摩耗し難いのでよい。
即ち、合成樹脂性釣糸に対し、同程度の硬度の合成樹脂
材で釣糸ガイド全体を形成したり、表面部のみを形成し
たりである。また、釣糸と同一又は同種の材料で形成す
ると相互に傷がつき難く、好ましい。例えば、ポリアミ
ド系の合成樹脂釣糸を使用する場合を想定しては、釣糸
ガイドにポリアミド被膜を形成したり、ガイド全体をそ
れで形成したりである。何れかをやや硬い硬度にする場
合は、釣糸ガイドの方をやや硬い硬度とすることが、釣
糸よりも釣竿の耐久性を保持する意味で望ましい。ま
た、釣糸ガイド表面を鏡面状に形成すれば釣糸抵抗の低
減に寄与できる他、釣糸の摩損を防止できる。このため
には、例えば熱可塑性樹脂の被膜を釣糸ガイドの表面に
一体化させたり、釣糸ガイド頂部近くに設けた小さな孔
部に硬質部材等を埋め込んだ後に研摩したり、加熱成形
後に釣糸ガイドの表面を研摩したりする。
糸ガイドの螺旋方向が、釣糸がスピニングリールから放
出された際の糸癖の旋回方向に対して逆方向であると、
釣糸が釣糸ガイドによって充分に受けられ、糸抵抗低減
から好ましい。釣竿の穂先部では、釣糸ガイドの高さは
0.2mm以下にする場合もある。これは内径を大きく
して釣糸の挿通空間を大きく確保したり、釣糸ガイドの
存在による穂先竿管本体に作用する応力集中を低減する
ためである。釣竿の細径部(先部)では、釣糸ガイドの
高さを高く形成できないため、釣糸ガイドと竿管内面と
を共に撥水性に形成して水滴を付着させないようにし、
糸抵抗を低減することが好ましく、大径部(元側部)は
釣糸ガイドの高さを高く形成できるため、実際に高く形
成した場合には、釣糸ガイド頂部の近くは撥水性に形成
して水滴を竿管内面方向に流し、一方、竿管内面は10
ミクロン以上の凹凸の粗面や親水性の面に形成して受け
た水滴を吸い込むようにして消滅させたり薄く広げたり
することにより、挿通する釣糸が水滴と接触することを
防止して糸抵抗を低減させる。
の水滴に接触しないようにするためには釣糸ガイドの高
さを可級的に高く設定することが好ましく、逆に、元側
は水滴が侵入し難く、従って、釣糸ガイドの高さは低く
てもよい。このため穂先部の釣糸ガイド高さを0.4〜
0.5mm程度にし、元側(中竿)のそれを0.1〜
0.4mm程度にしてもよい。例えば、穂先竿では0.
4mm、中竿では0.2mmとする。
じにする。この条件で以下の態様がある。 竿管の先側の本体層を釣糸ガイド高さよりも薄くし、
元側を厚くすると、竿管の撓み性を向上させつつ糸抵抗
が低減でき、また、大きな力の作用する元側本体層が厚
肉であるため、釣糸ガイドに起因する応力集中に対して
も高強度で耐久性がある。これは対象魚を中小の魚とす
る磯竿等に適する。 1本の竿管内では本体層の肉厚を釣糸ガイドの高さよ
りも薄肉にすると撓み易い竿管となり、軟調子の釣竿に
適する。 1本の竿管内では本体層の肉厚を釣糸ガイドの高さよ
りも厚肉にすると丈夫な竿管となり、大物魚を対象魚と
する磯竿や、船竿、ボート竿等に適する。
度基準のゼロ度とすれば60度程度まで傾斜(リード角
が60度程度)させられる。穂先側は元側よりもリード
角を大きくとれば、それだけ水滴が外に排出され易く好
ましい。従って、穂先竿ではリード角を45〜60度程
度に設定することが好ましい。50度を超えて60度程
度までに形成させると更に好ましい。
薄肉シート部材でもよい。また、これら薄肉テープや薄
肉シートに撥水性等の性質を付与し、加熱成形によって
釣糸ガイドGや竿管本体層20の内面に接合する程度の
耐熱度であれば、既述のように除去することなく残すと
よい。一般には熱可塑性樹脂テープ等に撥水性を付与す
るのがよい。また、厚肉テープ間の隙間ではなく、厚肉
テープや厚肉シートの外側面に所望断面形状の溝を形成
したものを使用し、ここに釣糸ガイド素体16を巻回配
設してもよい。この場合の溝の断面形状を曲面状にすれ
ば、薄肉テープ14や薄肉シートを使用しなくても、成
形された釣糸ガイドの釣糸案内面には角が生じない。図
2は厚肉テープ12’の断面が台形ではなく矩形の場合
であり、このように本願の方法では厚肉テープの形状に
特別な制約は無いが、後述のように、より耐久性の高い
釣糸ガイドを有し、竿管本体の強度を保持する釣竿を製
造するには、特定の台形状が良い。
境界に特徴を有する構造についての形態例を示す。竿管
本体層20の構造の典型例は、強化繊維が主として軸長
方向に指向した厚さの厚い中間層20Bと、この外側に
配設され、強化繊維が主として円周方向に指向した薄肉
の外側層20Aと、内側に配設され、強化繊維が主とし
て円周方向に指向した薄肉の内側層20Cとで構成され
ている。本形態例ではこの内側層20Cの更に内側に、
強化繊維が主として軸長方向に指向した同様な薄肉の軸
長方向層20Dを配設しており、層20Cと層20Dと
の強化繊維同士が直交方向に交差していることにより、
釣糸ガイド素体を竿管本体層の内側に突出配設する成形
時の加圧作用による釣糸ガイド素体の竿管本体層内への
埋没を防止できる。このことは、竿管本体層20の、特
に層20Bの強化繊維が蛇行して竿管強度が低下するこ
とを防止する。交差は必ずしも直交方向でなくて、斜交
状態でもよい。
造形態例である。20A,20B,20C,20Dは上
記と同様であり、更に内側に、強化繊維が主として円周
方向に指向した同様な薄肉の内側層20Eと、強化繊維
が主として軸長方向に指向した同様な薄肉の軸長方向層
20Fとを配設しており、直交方向に交差する強化繊維
層の組が2組配設された構造である。図4の構造に比べ
て埋没防止の効果が強化される。その他の変形形態例と
して、層20Fが無くてもよく、この場合は、層20D
と層20Eとが埋没防止組と考えられる。各層厚の例と
しては、層20A,20B,20C,20D,20E,
20Fの順に、0.05mm,0.4mm,0.03m
m,0.03mm,0.03mm,0.03mmであ
る。各層の厚さ範囲は一般に、層20Aは0.01〜
0.1(好ましくは0.01〜0.05)mm、層20
Bは0.08〜1mm、残りの各層はいずれも0.01
〜0.05(好ましくは0.01〜0.03)mmであ
る。
回し、その隙間に亘って配設する薄肉テープ等は図示を
省略しており、隙間に巻装された釣糸ガイド素体と、そ
の上に巻装された竿管本体用プリプレグとが加圧加熱成
形された後の状態の断面を図示している。芯金10に巻
回された厚肉テープ12の形状寸法が、既述の例の通
り、上底、下底、高さが夫々0.4mm,1.2mm,
0.4mmの左右対称な台形の場合、下底両隅の角度θ
は45度であり、こうして現実に成形されるおむすび状
釣糸ガイドGの裾野角度も概ね同じ角度θとなる。但
し、この寸法例は1例に過ぎない。図7に示すように、
この角度θが小さな場合は、成形時の加圧によってもテ
ープ間隙間の裾野領域SPには撚りを掛けた釣糸ガイド
素体16の変形は広がり難い。従って、この領域SPに
繊維や樹脂の不足が生じる。また、この角度θが大きな
場合を図8に図示するが、この場合では、加圧によって
もテープ間隙間の頂部領域SP’には撚りを掛けた釣糸
ガイド素体16の変形は広がり難い。従って、この領域
SP’に繊維や樹脂の不足が生じる。
弱く、釣糸ガイドGの頂部の場合は釣糸案内性も劣り、
また裾野の場合はここに応力集中が生じ、竿管本体20
の強度が低下する。角度θが大きな場合には、その成形
釣糸ガイドの裾野部が竿管本体20に対して応力集中を
生じせしめ、同様に竿管本体20の強度が低下する。従
って、角度θには適切な範囲があり、概ね45±15度
の範囲内であれば釣糸ガイドGの耐久性も竿管本体20
の強度も保持できる。
に凸な曲面形状であるが、図6に示す台形状厚肉テープ
12間の隙間間隔Bを小さくし過ぎれば、釣糸ガイドG
の頂部が尖り過ぎて釣糸が切れ易く、また釣糸ガイドG
の摩損が大きく、間隔Bを大きくし過ぎれば釣糸の接触
長さが長過ぎて糸抵抗が増大する。従って、間隔Bには
適切な範囲があり、0.1mm以上、0.4mm未満が
よい。この釣糸ガイドGの頂部の幅を代表する寸法Bを
釣糸ガイドGから測るには、釣糸ガイドの頂点Tを通
り、竿管本体20の長手方向に平行なライン(図6では
点P4とP1を通るライン)と、おむすび状釣糸ガイド
Gの両側面の延長ライン(図では点P3とP4を結んだ
ライン、点P2と点P1を結んだライン)との交点P
4,P1間の距離である。
を使用した例を示したが、このテープに代って、横断面
形状が釣糸ガイド断面形状である溝を形成した厚肉シー
トを使用し、この溝に釣糸ガイド素体を巻装する方法で
もよい。この場合、溝の側壁面は必ずしも平面ではな
く、緩い曲面であっても、側壁面の幅方向中央位置付近
の接平面を、図6の点P1とP2を結ぶラインや点P3
とP4を結ぶラインに相当する仮想平面(仮想ライン)
として考えれば、後は図6のテープの場合と同様であ
る。
した場合、竿管本体が図9(a)のようにストレートで
あれば、その長手方向強化繊維がストレートなため竿管
の強度上最も良いが、既述のように実際の釣糸ガイドの
製造では、フッ素テープのような軟質なテープを使用し
て、該テープに張力を付与しつつ芯金に巻回すると、テ
ープ中央部が縁部に比べて窪み、その結果、竿管本体2
0は図9(b)のようになり、釣糸ガイドG間の竿管本
体部は、t2部位(中央部位)が厚く、t1部位(端部
部位)が薄くなる。両者の差Δtは一般にt2の1/1
0程度以下であり、実寸では0.02mm程度である。
t1部位は釣糸ガイドGの存在によって応力集中を生ず
るが、t1部位もt2部位も繊維量が概ね同じであるた
めt1部位では薄肉となる分だけ繊維比率が高くなり、
その分前記応力集中に対抗でき、竿管強度を保持でき
る。
ば、釣糸ガイドGの存在による釣糸ガイド元部の応力集
中は(b)の場合よりは緩和され、更には、釣糸ガイド
の元部(t1’部位)はt2’部位よりも厚肉であるた
め、釣糸ガイドの存在による釣糸ガイド元部の応力集中
に充分対抗でき、結果として竿管本体20の強度を保持
できる。
よれば、竿管本体の内側に釣糸ガイドを突出配設させて
も竿管強度の低下が小さいと共に、形成された釣糸ガイ
ドの耐久性や糸案内性が高くなる。また耐久性や糸案内
性の高い釣糸ガイドを有する中通し釣竿が提供できる。
図である。
ド図である。
徴を有する断面図である。
徴を有する他の形態例の図である。
図である。
させた説明図である。
させた説明図である。
竿の縦断面形態図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化した竿管本体の内側に設けられ、多数の繊維を束
ねたものに合成樹脂を含浸させた釣糸ガイド素体が使用
され、頂部が曲面状の概ねおむすび形状の横断面形状を
成し、該おむすびの底辺両隅の角度が概ね45±15度
の範囲内であることを特徴とする釣糸ガイドを有する中
通し釣竿。 - 【請求項2】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化した竿管本体の内側に設けられ、頂部が曲面状の
概ねおむすび形状の横断面形状を成し、該おむすびの両
側辺を延長したラインと、前記曲面状頂部に接しておむ
すびの底辺に平行に引いたラインとの交点間の距離が
0.1mm以上、0.4mm未満であることを特徴とす
る釣糸ガイドを有する中通し釣竿。 - 【請求項3】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化した竿管本体の内側に釣糸ガイドを突出配設させ
る中通し釣竿の製造方法であって、 芯材に巻回し、多数の繊維を束ね、該多数の繊維束全体
に対して撚りを設けたものに合成樹脂を含浸させて形成
した釣糸ガイド素体を巻装する隙間を形成するテープ、
又は溝を形成したテープ又はシートの内、前者テープの
場合は、該テープの横断面形状が台形状であり、下底側
の両隅の角度が概ね45±15度の範囲内であり、前記
シートや後者テープの場合は、溝を形成している側壁面
を直線的に延長した面とシートやテープの面との成す角
度が概ね45±15度の範囲内であることを特徴とする
中通し釣竿の製造方法。 - 【請求項4】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
で強化した竿管本体の内側に釣糸ガイドを突出配設させ
る釣竿の製造方法であって、 テープを側縁間に互いに適宜な隙間を設けるように芯材
に巻回し、その隙間に亘って薄肉のテープ又はシートを
配設するか、或いは、適宜な溝を有するテープ又はシー
トを、その溝が外側に向くように芯材に巻回し、 該隙間又は溝に、多数の繊維を束ね、該多数繊維の束全
体に対してだけ撚りを設けて形成したものに合成樹脂を
含浸させた釣糸ガイド素体を巻装し、 この外側から竿管本体形成用の素材を巻装させ、 前記隙間や溝の、前記釣糸ガイド素体を受け入れること
の可能な断面面積が前記釣糸ガイド素体の横断面の面積
と同程度であり、 前記テープやシートは竿管成形後に除去することを特徴
とする釣竿の製造方法。
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