JPH11178481A - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

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Publication number
JPH11178481A
JPH11178481A JP35108897A JP35108897A JPH11178481A JP H11178481 A JPH11178481 A JP H11178481A JP 35108897 A JP35108897 A JP 35108897A JP 35108897 A JP35108897 A JP 35108897A JP H11178481 A JPH11178481 A JP H11178481A
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JP
Japan
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prepreg
rod
reinforcing
strength
fiber
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Application number
JP35108897A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ono
裕之 小野
Kenji Katou
謙治 河藤
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Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】たわみ剛性を小さくして大きくたわみ易くする
と共に、たわみ剛性低下によって引き起こされる強度の
低下を防止した竿管を有する釣竿を提供する。 【解決手段】本発明の釣竿は、合成樹脂をマトリックス
とし強化繊維で強化したプリプレグ10,12,15を
巻回することで構成される竿管を備えており、この竿管
は、弾性率16tonf/mm 2 以下の低弾性率の強化繊維を
軸長方向に引き揃え、合成樹脂含浸量を33wt%以上
とした第1プリプレグ10と、織布状に構成される第2
プリプレグ12とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿に係わり、特
に、強化繊維に合成樹脂を含浸して成るプリプレグを巻
回することによって形成される積層構造の竿管を有する
釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣竿の竿管は、芯金に対して各
種プリプレグを重合するように巻回し、その上にセロハ
ンテープを巻回して安定させた後、これを加熱炉に導入
して合成樹脂を熱硬化させ、その後、冷却して、脱芯、
セロハンテープの剥離、研磨、塗装等の工程を経て作成
される。
【0003】このようにして作成される竿管は、プリプ
レグを構成する強化繊維の種類や引揃方向、プリプレグ
の厚さや巻回態様、樹脂含浸量等によって、その特性が
変化する。したがって、例えば釣糸を竿管内に通して使
用する中通し竿では、穂先竿管の内径を大きく確保して
釣糸と竿管との間の摺動抵抗を少なくしつつ竿管の調子
を軟らかく維持するために、特開平9−65800号に
開示されているように、引張弾性率(以下、弾性率とす
る)の低い炭素繊維(2〜7tonf/mm 2 )を強化繊維と
したプリプレグを巻回して竿管を形成することが提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、竿管を
形成するにあたり、低弾性の繊維強化プリプレグを用い
ることで剛性を小さくして、大きいたわみが得られる竿
管にすることができるが、以下のような欠点がある。
【0005】低弾性の繊維強化プリプレグは、繊維自体
の強度が小さく、一定以上たわんだときに、繊維が引張
や圧縮座屈で破断しやすく、このため竿管自体が破損し
やすい。また、剛性を小さくするため、合成樹脂含浸量
を多くしようとすると、繊維の蛇行等が発生し、強度が
低下する。また、肉厚を薄くして内径を大きくする場合
には、つぶれや座屈が発生しやすい。
【0006】本発明は、たわみ剛性を小さくして大きく
たわみ易くすると共に、たわみ剛性低下によって引き起
こされる強度の低下を防止した竿管を有する釣竿を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の釣竿は、合成樹脂をマトリックスとし強化
繊維で強化したプリプレグを巻回することで構成される
竿管を備えており、この竿管は、弾性率16tonf/mm 2
以下の低弾性率の強化繊維を軸長方向に引き揃え、合成
樹脂含浸量を33wt%以上とした第1プリプレグと、
織布状に構成された第2プリプレグとを有することを特
徴としている。
【0008】上記のように、低弾性率の強化繊維を軸長
方向に引き揃え、これに合成樹脂を35wt%以上含浸
したプリプレグを用いて竿管を形成することで、大きい
たわみ特性が得られると共に、併せて織布状のプリプレ
グを巻回することで、大きいたわみ時の変形に耐えて強
度向上が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。
【0010】図1および図2は本発明の一実施の形態を
示しており、図1は釣竿に用いられる竿管を形成する各
種プリプレグの配置構成例を、図2(a)は図1に示す
プリプレグによって形成される竿管の一部断面を、図2
(b)は竿管の別の構成の一部断面をそれぞれ示す。
【0011】竿管1,1aは、強化繊維に合成樹脂を含
浸した複数種類のプリプレグを芯金3に重合するように
巻装し、これを加熱炉に導入して合成樹脂を熱硬化さ
せ、その後、冷却、脱芯等の工程を経て作成される。こ
の場合、各プリプレグは、強化繊維として弾性率が0.
1tonf/mm 2 〜90tonf/mm 2 のカーボン、ボロン、ガ
ラス、有機繊維などが使用され、含浸される合成樹脂と
して例えばエポキシ樹脂等が使用される。
【0012】竿管は、図2(a)に示すように、内部に
釣糸案内部を形成しない構成、図2(b)に示すよう
に、内部に釣糸案内部を形成した構成の両者を含む。竿
管を前者のように構成する場合は、芯金3に対してプリ
プレグを順に巻回すれば良く、後者のように構成する場
合は、最内層となるプリプレグを巻回する前に、釣糸案
内部5を形成するための処理が施される。具体的には、
芯金3に対して、所定幅を有するテープを螺旋状に巻回
して芯金3に凹凸部を形成し、凹部となった部分に極薄
テープを巻回する。その後、その極薄テープの上からガ
イド部材(例えば、金属や合成樹脂、あるいは有機繊
維、セラミックス、カーボン束等に合成樹脂を含浸させ
たもの)を巻回し、その上から、各種のプリプレグを巻
回する。そして、脱芯した後に、前記テープ及び極薄テ
ープを取り除くことにより、図2(b)に示すように竿
管の内周面に上記ガイド部材によって螺旋状の釣糸案内
部5が形成される。なお、釣糸案内部の形成は、種々の
手段を用いることができ、このような手段に限定される
ことはない。
【0013】本実施の形態の竿管1は、強化繊維を軸長
方向に引揃え、先端側と基端側でそれぞれ2プライされ
るように裁断された第1プリプレグ10、強化繊維を織
布状に構成し、先端側と基端側でそれぞれ2プライされ
るように裁断された第2プリプレグ12、そして、竿管
の元部側を補強する補強用プリプレグ15によって構成
される。この場合、補強用プリプレグ15は、強化繊維
を軸長方向に引揃えた段付きの2枚の補助プリプレグ1
5a,15bからなる。各補助プリプレグ15aおよび
15bは、それぞれ1プライずつ巻回される3つの巻回
部17,18,19および20,21,22を有してお
り、各巻回部17〜22は、その軸長方向の長さが異な
るように裁断されている。したがって、竿管の中間部か
ら端部に向かって段階的に補強用プリプレグ15による
補強層の肉厚が大きくなり、たわみ量をある程度抑えな
がら、強度の向上を図っている。なお、この補強用プリ
プレグ15は、1枚のプリプレグによって構成されてい
ても良いし、設けなくても良い。あるいは、補強層とし
て別の構成(裁断形状、強化繊維の引揃方向等)の補強
用プリプレグを用いても良い。
【0014】上記補強用プリプレグ15の基端側外周に
は、継合部形成用プリプレグ25が巻回される。このプ
リプレグ25は、強化繊維が軸長方向に引揃えられたプ
リプレグ25aに織布25bを裏打ちして構成されてお
り、前後の竿管の継ぎ合わせ部分(厚肉部)を構成す
る。
【0015】上記した構成において、第1プリプレグ1
0は、その強化繊維に低弾性のもの、具体的には、弾性
率が16tonf/mm 2 以下のものが用いられ、合成樹脂含
浸量は33wt%以上に構成される。このように、低弾
性の強化繊維によるプリプレグを用いることにより、屈
曲量の大きいたわみ性の優れた軟調子の竿管にすること
が可能となる。この場合、屈曲量が大きく、よりたわみ
性を向上させることから、強化繊維は、その弾性率が1
0tonf/mm 2 以下であるのが好ましく、さらには0.1
tonf/mm 2 〜5tonf/mm 2 のものを用いるのがより好ま
しい。また、樹脂含浸量については、屈曲量の大きいた
わみに追従できるように、35wt%以上、さらには4
0wt%〜80wt%で構成するのが好ましい。なお、
ここでの合成樹脂の樹脂含浸量は、プリプレグを基準と
したものであるが、成形後の竿管を基準としても良い。
【0016】上記第2プリプレグ12は、強化繊維を織
成して織布に構成したり、あるいは強化繊維を軸長方向
に引揃えたプリプレグと周長方向に引揃えたプリプレグ
とを一体的に重ねて、いわゆる織布状に構成したもので
も良い。このように、織布状の第2プリプレグを巻回す
ることにより、第1プリプレグによって得られる大きい
たわみ時の変形に耐えることができると共に強度の向上
が図れ、しなりと強度バランスに優れた竿管とすること
ができる。この場合、織布状プリプレグの周方向繊維量
は、曲げ剛性にあまり影響を与えないことから、径や肉
厚によって任意の量に設定することができる。また、そ
れでも周方向の補強が不足の場合は、別途、周方向繊維
によるプリプレグや傾斜方向繊維(±45°±15°が
良い)によるプリプレグを追加しても良い。また、織布
状のプリプレグ12の軸長方向の繊維比率は、第1プリ
プレグ10の軸長方向の繊維比率よりも少なくすること
が好ましい。このように構成することで、織布状プリプ
レグで構成される織布層による剛性の増大を抑制し、た
わみ性の向上が図れる。
【0017】織布状の第2プリプレグ12は、上記以外
にも、あるいは上記のような構成に加え、以下のように
構成することが好ましい。
【0018】強化繊維としてガラス繊維を用いるのが良
い。ガラス繊維を用いることで、高圧縮強度となり、竿
管としての強度の向上が図れる。
【0019】周方向の繊維は、第1プリプレグ10の軸
長方向繊維より高強度または高弾性高強度の材料を用い
るのが良い。このような材料を用いることで、つぶれの
防止が図れる。また、軸長方向の繊維についても、塑性
変形の防止および曲げ強度の向上から、第1プリプレグ
10の軸長方向繊維より高弾性高強度の材料を用いるの
が良い。
【0020】織布状の第2プリプレグ12によって形成
される織布層の全体肉厚は、第1プリプレグ10によっ
て形成される低弾性層の全体肉厚よりも少ない範囲とな
るように第2プリプレグ12の巻回数及び肉厚を設定す
るのが良い。このように構成することで、竿管は低弾性
化し、大きいたわみ特性を得ることができる。
【0021】また、上記した補強用プリプレグ15の強
化繊維は、第1プリプレグ10の強化繊維の弾性率より
も高弾性のもの、具体的には弾性率が16tonf/mm 2
上、好ましくは24tonf/mm 2 〜40tonf/mm 2 程度の
ものを用いるのが良い。このように、補強用プリプレグ
15を用いた場合において、その強化繊維に高弾性のも
のを用いることで、軟調子の特性を得たまま、その強度
の向上および塑性変形の防止を図ることが可能となる。
このため、中通しの釣竿に用いる場合、竿管内径を適度
に大きくして釣糸をスムーズに案内することができ、な
おかつ、強度低下や塑性変形が無い状態で大きいたわみ
特性が得られる。
【0022】また、第1プリプレグ10による肉厚は、
たわみ特性が充分発揮できるように、第2プリプレグ1
2による肉厚の25%以上、好ましくは40%、より好
ましくは50%以上とするのが良い。ただし、第1プリ
プレグ10による肉厚を厚くし過ぎると、強度低下や塑
性変形の問題が生じてくるため、85%以下に設定する
と良い。なお、このような肉厚の関係は、竿管の少なく
とも一部の領域で満足されていれば良い。図に示した構
成では、第1プリプレグ10は、その肉厚が0.01mm
〜0.15mm、第2プリプレグ12は、その肉厚が0.
01mm〜0.15mmに設定されており、先端側から基端
側に至るまで同一の巻回数で上記の要件が満足されるよ
うになっている。
【0023】上記第1プリプレグ10及び第2プリプレ
グ12は、順番に芯金3に対して巻回しても良いし、あ
るいは、両者を重合した状態で巻回しても良い。また、
補強用プリプレグ15については、各補助プリプレグ1
5a,15bを順に巻回しても良いし、これら両者を重
合した状態で巻回しても良い。なお、補強用プリプレグ
15を軸長方向に沿って階段状に裁断した構成としたこ
とにより、竿管として調子の向上が図れると共に、方向
性の向上(素材曲り等を防止する)が図れる。このよう
な階段状に構成される補強プリプレグを用いる場合、各
補助プリプレグ15aおよび15bの各1プライずつ巻
回される3つの巻回部17,18,19および20,2
1,22は、調子の向上および方向性の向上がより達成
できるように、長手方向の距離を基端側に行くにしたが
って均等間隔で減少するように裁断しておくのが好まし
い。
【0024】図1に示したプリプレグの配置は一例を示
したに過ぎず、各プリプレグの巻回方法や各プリプレグ
の構成については、図に示すような構成に限定されるこ
とはなく、種々変形することが可能である。図3乃至図
5は、上記した第1プリプレグ10及び第2プリプレグ
12の別の実施の形態を示す図である。
【0025】図3に示すように、第1プリプレグ10に
周方向に強化繊維を引揃えた周方向プリプレグ31を重
合しても良い。このような周方向プリプレグを用いるこ
とで、つぶれ強度を向上させることができる。この場
合、周方向プリプレグ31は、軽量化を考慮し、第1プ
リプレグ10と同等、もしくは、それより薄い肉厚のも
のを用いるのが良い。また、周方向プリプレグ31の強
化繊維としては、その弾性率が寄与するところが大きい
ため、16tonf/mm 2 〜40tonf/mm 2 程度のものを用
いるのが良く、樹脂含浸量は、繊維蛇行を防止し、強度
低下を防ぐため、30wt%〜60wt%程度にするの
が良い。また、このような周方向プリプレグ31は、第
1プリプレグ10に重合する以外にも、第1プリプレグ
10とは別に巻回したり、巻回時に両者を重合させても
良い。
【0026】図4に示すように、第2プリプレグ12に
周方向に強化繊維を引揃えた周方向プリプレグ32を重
合しても良い。このような周方向プリプレグを用いるこ
とで、つぶれ強度を向上させることができる。この場
合、周方向プリプレグ32は、釣竿の軽量化を考慮し、
その肉厚は、第2プリプレグ12よりも薄い肉厚のもの
を用いるのが良い。また、周方向プリプレグ32の強化
繊維としては、その弾性率が寄与するところが大きいた
め、16tonf/mm 2 〜40tonf/mm 2 程度のものを用い
るのが良く、樹脂含浸量は、繊維蛇行を防止し、強度低
下を防ぐため、30wt%〜60wt%程度にするのが
良い。また、このような周方向プリプレグ32は、第2
プリプレグ12に重合する以外にも、第2プリプレグ1
2とは別に巻回したり、巻回時に両者を重合させても良
い。
【0027】なお、図3及び図4に示す上記周方向プリ
プレグ31,32に代えて、強化繊維を傾斜方向に引揃
えたプリプレグ(斜向プリプレグ;引揃方向は±45°
±15°が良い)を用いても良い。あるいは、図1、図
3及び図4に示す構成例に、このような斜向プリプレグ
を追加しても良い。このように、斜向プリプレグを用い
ることで、曲げ強度、つぶれ強度の向上に加え、ねじれ
強度の強い特性の竿管が得られる。
【0028】図5に示すように、第2プリプレグ12に
周方向に強化繊維を引揃えた周方向プリプレグ33およ
び軸長方向に強化繊維を引揃えた軸長方向プリプレグ3
4を重合しても良い。このような周方向プリプレグ33
および軸長方向プリプレグ34を用いることで、塑性変
形が少なく、つぶれ曲げ強度の強い竿管となる。この場
合、両プリプレグ33,34は、釣竿の軽量化を考慮
し、その肉厚は、第2プリプレグ12と略同等もしくは
薄肉厚、具体的には0.01mm〜0.03mm程度のもの
を用いるのが良い。また、周方向プリプレグ33の強化
繊維としては、その弾性率が寄与するところが大きいた
め、16tonf/mm 2 〜40tonf/mm 2 程度のものを用い
るのが良く、樹脂含浸量は、繊維蛇行を防止し、強度低
下を防ぐため、30wt%〜60wt%程度にするのが
良い。また、軸長方向プリプレグ34の強化繊維として
は、塑性変形防止、および適正剛性を得るため、16to
nf/mm 2 〜40tonf/mm 2 程度のものを用いるのが良
く、樹脂含浸量は、繊維蛇行を防止し、強度低下を防ぐ
ため、30wt%〜60wt%程度にするのが良い。こ
れらのプリプレグ33,34は、第2プリプレグ12に
重合する以外にも、第2プリプレグ12とは別に巻回し
たり、巻回時に両者を重合させても良い。
【0029】図6は、上述した構成に基づいて形成され
た竿管の一例(中間領域)を示した縦断面図である。こ
の竿管は、第1プリプレグ10と第2プリプレグ12と
の間に周方向プリプレグ35を配設したものであり、補
強用のプリプレグは用いていない。この構成例では、第
1プリプレグ10による低弾性層を0.20mm以下、第
2プリプレグ12による織布層を0.30mm以下、周方
向プリプレグ35による周方向繊維層を0.20mm以下
とし、総肉厚を0.7mm以下にしてある。このような肉
厚関係とすることで、必要強度を維持し、かつ望ましい
たわみが得られる竿管にすることができる。なお、周方
向プリプレグ35は省略しても良い。
【0030】以上説明した各プリプレグに用いられる強
化繊維の具体的な弾性率や、プリプレグの肉厚、巻回
数、樹脂含浸量、使用材量等については、その竿管が用
いられる部位(先端側、基端側等)や、釣竿の要求特性
等に応じて種々変形される。
【0031】以下、上記した実施形態において、第1プ
リプレグ10(低弾性プリプレグ)及び第2プリプレグ
12(織布状プリプレグ)の諸条件を項目別に列挙す
る。
【0032】(1)強化繊維の弾性率 低弾性プリプレグ10の強化繊維の弾性率は、16tonf
/mm 2 以下、好ましくは10tonf/ mm2 以下、さらに好
ましくは0.1tonf/mm 2 〜10tonf/ mm 2の範囲に
設定する。また、織布状プリプレグ12の強化繊維の弾
性率は、低弾性プリプレグの強化繊維のそれよりも高く
設定するのが良く、好ましくは、5tonf/mm 2 〜35to
nf/ mm 2 の範囲に設定する。
【0033】(2)樹脂含浸量(RC) 低弾性プリプレグ10の樹脂含浸量は、35wt%以上
が好ましく、40wt%〜80wt%に設定するのが好
ましい。また、織布状プリプレグ12の樹脂含浸量は、
低弾性プリプレグ10よりも多くしても良いし、少なく
しても良い。
【0034】(3)繊維比率 織布状プリプレグ12の軸長方向繊維の比率を、低弾性
プリプレグの繊維比率よりも小さくするのが良い。な
お、この要件は、上記(2)の要件と組み合わせること
が好ましい。
【0035】(4)材料 低弾性プリプレグ10の強化繊維の材料は、カーボン等
任意であり、織布状プリプレグ12は、ガラス繊維、カ
ーボン繊維等、低弾性プリプレグ10の強化繊維よりも
座屈強度が高い材料を用いるのが良い。また、各プリプ
レグの含浸樹脂に関してはエポキシ系の樹脂が用いられ
る。
【0036】(5)強度 織布状プリプレグ12の強化繊維として、低弾性プリプ
レグ10の強化繊維よりも高強度の材料を用いるのが良
い。織布状プリプレグ12に高強度材料を使用すること
で、竿管の強度を高めることができるだけでなく、たわ
み性の向上も図れる。
【0037】(6)層数および総肉厚 低弾性プリプレグ10の肉厚は、0.01mm〜0.15
mmに設定すると良い。また、織布状プリプレグ12は、
低弾性プリプレグ10の層間に配設したり、外層側また
は内層側に巻回する。この場合、織布層の肉厚は、0.
01mm〜0.15mmに設定すると良い。なお、各プリプ
レグの巻回数は、基端から先端に亘って巻回する場合、
1〜4プライ程度とされるが、このように全体に渡って
巻回する以外にも、部分的、例えば、先部のみに巻回し
ても良い。また、それぞれの巻回数を変えても良い。
【0038】低弾性プリプレグ10の総肉厚を多くする
ことにより、大たわみしやすい軟調子にすることがで
き、織布状プリプレグ12の総肉厚を多くすることによ
り、つぶれを防止して、大たわみ時の強度の安定向上が
図れる。
【0039】(7)長さ方向の径、テーパ(芯金形状) 径は、穂先竿管や元竿管等、釣竿の位置や釣竿の種類に
よって変化するため、任意に設定する。
【0040】テーパを形成するための芯金は、竿管の先
端〜基端間の平均テーパ率を、1/1000以下、さら
には0.5/1000以下にするのが好ましい。あるい
は、中通し竿の竿管の場合、竿管の全長の先部1/3の
範囲内をストレートにして先端内径を大きく確保して糸
案内性を向上したり、元部1/3の範囲内をストレート
にし、かつ肉厚を徐々に厚く形成し、外径の太径化を規
制しながら強度の向上を図るようにする。
【0041】(8)肉厚(t)/竿管直径(D) 中通し竿の竿管の場合、竿管の先部におけるt/Dを、
0.1以下の肉厚と直径の関係にし、先部内径を大き
く、糸案内性を向上できるようにする。
【0042】また、穂先竿管の場合、上記t/Dは、先
端側を0.1以下とし、元部(継合部の前部)を0.1
より大きく形成すると、大きくたわんでも強度の向上、
安定化が図れる。
【0043】なお、以上の諸条件(1)〜(8)は、全
て満足されることが望ましいが、任意に選択して適用し
ても良い。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、大きくたわみ易いと共
に、たわみ剛性低下によって引き起こされる強度低下を
防止した竿管を有する釣竿が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣竿に用いられる竿管を形成する各種
プリプレグの一配置構成例を示す図。
【図2】(a)は、図1に示すプリプレグの配置構成例
によって形成される竿管を示す一部断面図、(b)は、
竿管の別の構成例を示す一部断面図。
【図3】図1に示す低弾性プリプレグの別の実施形態を
示す図。
【図4】図1に示す織布状プリプレグの別の実施形態を
示す図。
【図5】図1に示す織布状プリプレグのさらに別の実施
形態を示す図。
【図6】本発明に基づいて形成された竿管の一例を示す
一部縦断面図。
【符号の説明】
1,1a竿管 3 芯金 10 第1プリプレグ(低弾性プリプレグ) 12 第2プリプレグ(織布状プリプレグ) 15 補強用プリプレグ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂をマトリックスとし強化繊維で
    強化したプリプレグを巻回することで構成される竿管を
    備えた釣竿において、 前記竿管は、弾性率16tonf/mm 2 以下の低弾性率の強
    化繊維を軸長方向に引き揃え、合成樹脂含浸量を33w
    t%以上とした第1プリプレグと、織布状に構成される
    第2プリプレグとを有することを特徴とする釣竿。
  2. 【請求項2】 前記織布状の第2プリプレグは、前記第
    1プリプレグよりも軸長方向繊維比率を小さくしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の釣竿。
JP35108897A 1997-12-19 1997-12-19 釣 竿 Pending JPH11178481A (ja)

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JP35108897A JPH11178481A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 釣 竿

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JP35108897A JPH11178481A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 釣 竿

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JPH11178481A true JPH11178481A (ja) 1999-07-06

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ID=18414969

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