JP3515888B2 - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

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JP3515888B2
JP3515888B2 JP30101297A JP30101297A JP3515888B2 JP 3515888 B2 JP3515888 B2 JP 3515888B2 JP 30101297 A JP30101297 A JP 30101297A JP 30101297 A JP30101297 A JP 30101297A JP 3515888 B2 JP3515888 B2 JP 3515888B2
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誠司 松井
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智弘 黒川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣竿に係わり、特
に、強化繊維に合成樹脂を含浸して成るプリプレグを巻
回することによって構成される積層構造の釣竿用竿管に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣竿の竿管は、芯金に対して各
種プリプレグを重合するように巻回し、その上にセロハ
ンテープを巻回して安定させた後、これを加熱炉に導入
して合成樹脂を熱硬化させ、その後、冷却して、脱芯、
セロハンテープの剥離、研磨、塗装等の工程を経て作成
される。
【0003】このようにして形成される竿管は、プリプ
レグを構成する強化繊維の種類や引揃方向、プリプレグ
の厚さや巻回態様、樹脂含浸量等によって、その特性が
変化する。したがって、例えば釣糸を竿管内に通して使
用する中通し竿では、穂先(竿管)の内径を大きく確保
して釣糸と竿管との間の摺動抵抗を少なくしつつ竿管の
調子を軟らかく維持するために、弾性率の低いカーボン
繊維を補強繊維としたプリプレグによって竿管を形成す
ることが提案されている(特公平3−16086号公報
等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように竿管を低弾
性のプリプレグによって形成すると、確かに撓み性能が
向上するが、反面、素材曲りが生じ易くなる。すなわ
ち、弾性率を低くすると、一般に、線膨脹係数も大きく
なるため、熱硬化処理されて形成された完成品は曲り癖
をもった竿管になり易い。
【0005】また、一般に、釣竿用の竿管では、先部が
軟らかく屈曲し且つ元部が高い剛性を有するように、先
部と元部の調子や強度のバランスを調整することが必要
である。したがって、単に低弾性のプリプレグを使用し
ただけでは、所望の調子や強度を得ることができない。
【0006】そのため、弾性率等の物性の異なる複数種
類のプリプレグを組み合わせて竿管を形成することが一
般に行なわれる。しかし、複数種類のプリプレグを組み
合わせて竿管を形成した場合でも、プリプレグの積層
(巻回)態様によっては、完成品に素材曲りが発生した
り、竿管が特定方向にのみ屈曲する等の方向性のあるも
のになってしまう。特に、撓み性能を向上させるために
16tonf/mm 2 以下の極端に低い弾性率のプリプレグを
組み合わせて使用すると、強度が著しく低下するという
問題があり、竿管の先部と元部の調子・強度をバランス
良く向上することが難しくなる。
【0007】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、非常に低い弾性率を
有するプリプレグを使用して撓み性能を向上させつつ
も、十分な強度を確保でき、しかも、竿管の調子・強度
をバランス良く調整可能な素材曲りのない釣竿を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の釣竿は、強化繊維に合成樹脂を含浸させて
成る複数のプリプレグを巻回することによって構成され
る竿管を備えた釣竿において、前記竿管は、軸長方向の
線膨張係数が大きく且つ弾性率の低いプリプレグによっ
て形成される低弾性層と、軸長方向の線膨張係数が小さ
く且つ前記低弾性層のプリプレグの弾性率よりも高い弾
性率を有するプリプレグによって、この低弾性層の外側
で低弾性層よりも肉厚が小さく形成される高弾性層とを
有し、前記低弾性層を形成するプリプレグは、その巻回
状態で、端部同士の重ね代が略零または微小マイナス幅
に設定され、前記高弾性層を形成するプリプレグは、そ
の巻回状態で、端部同士が微小幅に重ね合わされること
を特徴とする。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態について説明する。図1および図2は本発明
の第1の実施形態を示している。図1に示す竿管1は、
例えば中通し竿の穂先に使用される。この竿管1は、強
化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを巻装す
ることによって構成された、いわゆるFRP製であり、
その先端付近のA部の側断面図が図2に示されている。
なお、FRPは、強化繊維として弾性率が0.2tonf/m
m 2 〜95tonf/mm 2 のカーボン、ボロン、ガラス、有
機繊維などが使用され、含浸される合成樹脂として例え
ばエポキシ樹脂等が使用される。
【0011】図2に示されるように、竿管1は、強化繊
維を周方向に引揃えたプリプレグシートによって構成さ
れる補強層としての最内層4と、強化繊維を長軸方向に
引揃えたプリプレグシートによって構成される中間層3
と、強化繊維を周方向に引揃えたプリプレグシートによ
って構成される最外層2とからなる。なお、各層2,
3,4を形成する強化繊維の引揃方向はこれに限定され
ず、また、プリプレグシートの巻回数(プライ数)およ
び肉厚は要求特性に応じて適正に設定される。
【0012】中間層3を形成するプリプレグシートは、
軸長方向の線膨張係数が大きく且つ弾性率が低く設定さ
れ、また、最外層2を形成するプリプレグシートは、軸
長方向の線膨張係数が小さく且つ弾性率が中間層3のプ
リプレグシートのそれよりも高く設定される。具体的に
は、中間層3のプリプレグシートは、その弾性率が20
tonf/mm 2 未満、好ましくは10tonf/mm 2 以下に設定
され、最外層2のプリプレグシートは、その弾性率が2
0tonf/mm 2 以上、好ましくは30tonf/mm 2以上に設
定される。また、中間層3の肉厚は最外層2のそれより
も大きく設定されている。無論、中間層3の肉厚を最外
層2のそれよりも小さく設定しても良い。
【0013】なお、最内層4はなくても良い。また、中
間層3には、最外層2を形成するプリプレグシートもし
くは最内層4を形成するプリプレグシートが一部混在し
ていても良い。
【0014】このように、本実施形態によれば、線膨張
係数の大きい低弾性プリプレグが内層側に配設され、そ
の外側に線膨張係数の小さい高弾性プリプレグが配設さ
れているため、すなわち、線膨張係数が大きく且つ弾性
率が低いプリプレグシートによって中間層3が形成さ
れ、線膨張係数が小さく且つ弾性率が高いプリプレグシ
ートによって最外層2が形成されているため、低弾性プ
リプレグシートの変形(素材曲り)が高弾性プリプレグ
シートによって抑制される(変形等が少なくなる)。し
たがって、撓み性能を向上しつつ十分な強度を確保でき
るとともに、素材曲りを防止でき、竿管の調子・強度を
バランス良く調整することができる。本実施形態のこの
ような構成は、撓み性能を向上させるために16tonf/m
m 2 以下の極端に低い弾性率のプリプレグを使用する場
合に特に有益となる。
【0015】図3は本発明の第2の実施形態に係る竿管
1aの横断面図を示している。図示のように、本実施形
態の竿管1aは、強化繊維を周方向に引揃えたプリプレ
グシートによって構成される補強層としての最内層4
と、強化繊維を長軸方向に引揃えたプリプレグシートに
よって構成される中間層3と、強化繊維を周方向に引揃
えたプリプレグシートによって構成される最外層2とか
らなる。無論、各層2,3,4を形成する強化繊維の引
揃方向はこれに限定されず、また、プリプレグシートの
肉厚は要求特性に応じて適正に設定される。
【0016】中間層3は、1プライずつ巻回される2枚
のプリプレグシート3a,3bによって形成されてい
る。この場合、各プリプレグシート3a,3bは、実際
に巻回した時にその両端部5,6が重ならない幅寸法で
裁断されている。すなわち、各プリプレグシート3a,
3bは、その巻回時に、両端部5,6同士が突き合わせ
状に略当接して重ね代を形成しない(重ね代が略零に設
定される)。無論、巻回時に、両端部5,6同士がごく
僅か(略1mm以下)だけ離間していても良い(すなわ
ち、重ね代が微小マイナス幅に設定されていても良
い)。
【0017】また、最内層4を形成するプリプレグシー
トは、実際に巻回した時にその両端部7,8が所定量だ
け重なる幅寸法で裁断されている。この場合、端部7,
8同士の重ね代は、好ましくは1mm以上に設定され
る。また、最外層2を形成するプリプレグシートは、実
際に巻回した時にその両端部9,10同士がある程度重
なる幅寸法で裁断されている。すなわち、最外層2を形
成するプリプレグシートは、その巻回状態で、端部9,
10同士の重ね代が略零または微小幅に設定される。無
論、重ね代を大きく設定しても良い。ここで、重ね代と
は、1プライ巻回時にプリプレグシートの端部同士が直
接に接触して重なり合う際の重なり幅をいうだけでな
く、数プライ巻回時にプリプレグシートの端部同士が途
中のシート部分を介して間接的に重なり合う際の重なり
幅をも含む。
【0018】なお、本実施形態では、第1の実施形態と
同様、中間層3を形成するプリプレグシートは、軸長方
向の線膨張係数が大きく且つ弾性率が低く設定され、ま
た、最外層2を形成するプリプレグシートは、軸長方向
の線膨張係数が小さく且つ弾性率が中間層3のプリプレ
グシートのそれよりも高く設定される。具体的には、中
間層3のプリプレグシートは、その弾性率が20tonf/m
m 2 未満、好ましくは10tonf/mm 2 以下に設定され、
最外層2のプリプレグシートは、その弾性率が20tonf
/mm 2 以上、好ましくは30tonf/mm 2 以上に設定され
る。
【0019】このように、本実施形態によれば、線膨張
係数の大きい低弾性プリプレグが内層側に配設され、そ
の外側に線膨張係数の小さい高弾性プリプレグが配設さ
れているため、第1の実施形態と同一の作用効果を得る
ことができる。また、線膨張係数の大きい低弾性プリプ
レグの重ね代を0または微小マイナス幅としたため、周
方向の偏肉が低減され、素材曲がりが防止されるととも
に、その他のプリプレグ(例えば線膨張係数の小さい高
弾性プリプレグ)で重ね代をある程度確保したため、強
度の安定および向上を図ることができる。一般に、プリ
プレグシートを巻回すると、その端部同士が必然的に重
ね代(一端部の表面と他端部の裏面が重なり合う)とな
ってしまうため、周方向において一部に厚肉部が生じて
しまう。このように、周方向において厚肉部が形成され
てしまうと、竿管として方向性(素材曲り等)や強度の
バラツキが生じたり、重量の増大を招くといった問題が
生じる。しかし、本実施形態のように、線膨張係数の大
きい低弾性プリプレグの重ね代を0または微小マイナス
幅に設定すれば、その分だけ周方向の偏肉を低減するこ
とができ、また、それによって生じる強度劣化等をその
他のプリプレグ(例えば高弾性プリプレグ)の重ね代に
よって補なうことができる。
【0020】図4は本発明の第3の実施形態を示してい
る。本実施形態の竿管は、その全長にわたって形成され
る本体層20を有している。本体層20は、強化繊維を
周方向に引揃えたプリプレグシート4aで構成される最
内層4と、強化繊維を長軸方向に引揃えた2枚の低弾性
プリプレグシート3a,3bで構成される中間層3と、
強化繊維を長軸方向に引揃えた高弾性プリプレグシート
2aで構成される最外層2とからなる。
【0021】竿管の元部に位置する本体層20(正確に
は最外層2)上には、竿管の元部を補強する補強層15
が形成されている。この補強層15は、強化繊維を長軸
方向に引揃えた段付きの2枚の補助プリプレグシート1
5a,15bからなる。各補助プリプレグシート15
a,15bは、1プライずつ巻回される3つの巻回部2
0,21,22を有しており、各巻回部20,21,2
2は、その長軸方向の長さが異なっている。したがっ
て、竿管の元部では、端部に向かって段階的に補強層1
5の肉厚が大きくなる。また、補強層15の外周には、
織布31を裏打ちして成る継合部形成用プリプレグ31
が巻回されている。このプリプレグ31は、強化繊維が
長軸方向に引揃えられており、前後の竿管の継ぎ合わせ
部分(厚肉部)を構成する。
【0022】なお、補強層15は、1枚のプリプレグシ
ートによって構成されていても良い。また、最内層4は
なくても良く、その弾性率も任意に設定される。また、
各層2,3,4を形成する強化繊維の引揃方向は前記形
態に限定されず、各プリプレグシートの巻回数(プライ
数)および肉厚は要求特性に応じて適宜設定される。
【0023】このような積層構造を有する竿管は、各プ
リプレグシートを順に芯金40に対して巻回し、その
後、常法、すなわち、加熱工程、冷却工程、脱芯、研
磨、塗装等の工程を経て成形される。無論、各シート同
士を任意に予め張り付けておき、これを一体的に芯金4
0に巻回するようにしても良い。
【0024】次に、上記構成の竿管の各層2,3,15
の諸条件を項目別に列挙する。 (1)線膨張係数 中間層3を形成するプリプレグ3a,3bの線膨張係数
は最外層2を形成するプリプレグ2aのそれ以上に設定
されている。具体的には、最外層2のプリプレグ2aの
線膨張係数が1×10-6/℃以下に設定され、中間層の
プリプレグの線膨張係数が2×10-6/℃以上(または
10×10-6/℃〜100×10-6/℃の範囲、または
10×10-6/℃〜50×10-6/℃の範囲)に設定さ
れる。また、補助プリプレグ15a,15bの線膨張係
数は、1×10-6/℃以下、好ましくは最外層2のプリ
プレグ2aよりも小さく設定される。この場合、2枚の
補助プリプレグ15a,15bの線膨張係数は同一(ま
たは略同一)に設定する。
【0025】このように、最外層2の内側に線膨張係数
が大きい中間層3を形成すれば、線膨張係数による影響
を緩和でき、素材曲りを効果的に防止できる。また、補
助プリプレグ15a,15bの線膨張係数を最外層2の
それよりも小さく設定することにより、長軸方向等で線
膨張係数による影響をさらに低減でき、竿管の元部での
素材曲りを効果的に防止できる。なお、補助プリプレグ
15a,15bの線膨張係数を最外層2のそれよりも小
さく設定しない場合には、補助プリプレグ15a,15
bを最外層2の内側に設けるようにすれば、竿管の元部
での素材曲りを防止できる。また、2枚の補助プリプレ
グ15a,15bの線膨張係数を同一(または略同一)
に設定することによって、素材曲りを一層防止できる。 (2)弾性率 前述したように、最外層2を形成するプリプレグ2aの
弾性率は中間層3を形成するプリプレグ3a,3bのそ
れよりも高く設定されている。具体的には、最外層2の
プリプレグ2aの弾性率が20tonf/mm 2 以上、好まし
くは30tonf /mm2 以上に設定され、中間層3のプリプ
レグ3a,3bの弾性率が20tonf/ mm2 未満、好まし
くは10tonf/mm 2 以下、さらに好ましくは0.3tonf
/mm 2〜1.9tonf/mm 2 の範囲に設定される。また、
補助プリプレグ15a,15bの弾性率は、中間層3の
プリプレグ3a,3bのそれよりも高く設定され、好ま
しくは、中間層3および最外層2のプリプレグ2a,3
a,3bのそれよりも高く設定され、24tonf/mm 2
上に設定されることが望ましい。
【0026】最外層2と中間層3のプリプレグ2a,3
a,3bの弾性率をこのように設定すれば、竿管の剛性
をバランス良く調整することが可能となり、竿管の撓み
性も向上できる。また、竿管の元部に巻装される補助プ
リプレグ15a,15bの弾性率をこのように設定すれ
ば、竿管の先部と元部の強度バランスおよび調子バラン
スを向上できる。 (3)樹脂含浸量(RC) 中間層3を形成するプリプレグ3a,3bの樹脂含浸量
は最外層2を形成するプリプレグ2aのそれ以上に設定
されている。具体的には、中間層3のプリプレグ3a,
3bの樹脂含浸量は40wt%〜80wt%に設定され
るのが好ましく(この値以下でも良い)、また、最外層
のプリプレグの樹脂含浸量は20wt%〜60wt%に
設定される。また、補助プリプレグ15a,15bの樹
脂含浸量は、中間層3のプリプレグ3a,3bのそれ以
下に設定され、好ましくは、中間層3および最外層2の
プリプレグ2a,3a,3bのそれよりも少なく設定さ
れ、例えば15wt%〜35wt%に設定されている。
【0027】中間層3を形成するプリプレグ3a,3b
の樹脂含浸量をこのように大きく設定すれば、軸長方向
のプリプレグの曲げ弾性率(竿管の曲げ剛性)を小さく
でき、屈曲し易く且つ大きく撓んでも破損しにくい竿管
を形成することができる。また、補助プリプレグ15
a,15bの樹脂含浸量をこのように小さく設定すれ
ば、軽量且つ比剛性の高い竿管を形成できる。 (4)材料 各層2,3,15を形成するプリプレグの強化繊維は任
意に設定して良いが、好ましくは、最外層2を形成する
プリプレグ2aはカーボン繊維等を用い、中間層3を形
成するプリプレグ3a,3bは、カーボン繊維または耐
炎化繊維やアクリル系等の有機繊維等を用い、補助プリ
プレグ15aはカーボン繊維を用いる。特に、各層2,
3,15を形成するプリプレグの強化繊維の全てにカー
ボン繊維を用いれば、線膨張係数の差を小さくでき、素
材曲りを防止できる。
【0028】また、各層2,3,15を形成するプリプ
レグの含浸樹脂に関しては、エポキシ系の樹脂が用いら
れる。 (5)強度 この強度に関しては、前記3つの諸条件によって任意に
変化されるが、全体として次の条件を満足するように設
定される。すなわち、最外層2を形成するプリプレグ2
aの強度が最も大きく設定され、中間層3を形成するプ
リプレグ3a,3bは、その破断伸度が最外層2のプリ
プレグ2aのそれよりも大きく設定される。また、中間
層3のプリプレグ3a,3bの座屈強度を高めるため
に、中間層3のプリプレグ3a,3bの繊維径が大きく
設定される。この場合、繊維径は8μ以上100μ以下
または10μ以上100μ以下に設定される。なお、補
助プリプレグ15a,15bの強度も大きいことが望ま
しい。
【0029】このように中間層3および最外層2のプリ
プレグ2a,3a,3bの強度を設定すれば、竿管の強
度を高めることができるだけでなく、撓み性の向上も図
れる。また、中間層3のプリプレグ3a,3bの繊維径
をこのように大きく設定すれば、低弾性であっても座屈
強度を向上できる。 (6)層数および層厚 a.竿管の先部は最外層2と中間層3の組み合わせ層か
らなり、竿管の元部はこれらの層2,3に加えて補強層
15を追加する。
【0030】b.竿管の先部では中間層3の割合を多く
し、竿管の元部では最外層2および補強層15の割合を
多くする。ただし、中間層3は全体の50〜90%の範
囲が望ましいが、それより少なくても良い。
【0031】c.竿管の中間部では、調子・強度のバラ
ンスで調整し、好ましくは中間層3を最外層2に対して
50〜150%の範囲に設定する。 d.竿管の元部(元端)は、中間層3よりも最外層2を
多くすることが望ましい。また、最外層2よりも補強層
15を多くすることが望ましい。
【0032】層数および層厚をこのように設定すれば、
あるいはa〜dを任意に組み合わせれば、竿管の先部の
撓みを大きくできるとともに、元部の剛性を高くするこ
とができ、調子を向上でき、強度の向上を図ることがで
きる。
【0033】なお、以上の諸条件(1)〜(6)は、全
て満足されることが望ましいが、任意に選択して適用さ
れても良い。また、以上の諸条件は、第3の実施形態に
限定されず、第1および第2の実施形態にも適用可能で
ある。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非常に低い弾性率を有するプリプレグを使用して撓み性
能を向上させつつも、十分な強度を確保でき、しかも、
竿管の調子・強度をバランス良く調整可能な素材曲りの
ない釣竿を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る釣竿用竿管の側
面図である。
【図2】図1のA部の側断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る釣竿用竿管の横
断面図である
【図4】本発明の第3の実施形態に係る釣竿用竿管のプ
リプレグの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…竿管 2…最外層(高弾性層) 3…中間層(低弾性層) 2a,3a,3b,15a,15b…プリプレグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−182545(JP,A) 特開 平9−65800(JP,A) 特開 平7−255331(JP,A) 特開 平6−225669(JP,A) 実公 平2−46286(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 87/00 - 87/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維に合成樹脂を含浸させて成る複
    数のプリプレグを巻回することによって構成される竿管
    を備えた釣竿において、 前記竿管は、軸長方向の線膨張係数が大きく且つ弾性率
    の低いプリプレグによって形成される低弾性層と、軸長
    方向の線膨張係数が小さく且つ前記低弾性層のプリプレ
    グの弾性率よりも高い弾性率を有するプリプレグによっ
    、この低弾性層の外側で低弾性層よりも肉厚が小さく
    形成される高弾性層とを有し、 前記低弾性層を形成するプリプレグは、その巻回状態
    で、端部同士の重ね代が略零または微小マイナス幅に設
    定され、前記高弾性層を形成するプリプレグは、その巻
    回状態で、端部同士が微小幅に重ね合わされることを特
    徴とする釣竿。
  2. 【請求項2】 竿管の元部には、前記高弾性層の外側
    に、弾性率が高弾性層を形成するプリプレグのそれより
    も高く且つ線膨張係数が高弾性層を形成するプリプレグ
    のそれよりも低いプリプレグが巻回されていることを特
    徴とする請求項1に記載の釣竿。
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