JP2003053835A - 複合材製品の製造方法 - Google Patents
複合材製品の製造方法Info
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- JP2003053835A JP2003053835A JP2001251334A JP2001251334A JP2003053835A JP 2003053835 A JP2003053835 A JP 2003053835A JP 2001251334 A JP2001251334 A JP 2001251334A JP 2001251334 A JP2001251334 A JP 2001251334A JP 2003053835 A JP2003053835 A JP 2003053835A
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 曲面形状を有する複合材製品を安価に作製す
る。 【解決手段】 熱膨張率が相互に異なる二つの部材1
0,12を積層し、加熱して溶着させる。その後、常温
まで冷却して熱収縮量の差により変形させて所望の形状
を得る。曲面形状を得るために通常用いられる型を作製
する必要がなくなるので、そのための費用を削減するこ
とができ、製品を安価にすることができる。
る。 【解決手段】 熱膨張率が相互に異なる二つの部材1
0,12を積層し、加熱して溶着させる。その後、常温
まで冷却して熱収縮量の差により変形させて所望の形状
を得る。曲面形状を得るために通常用いられる型を作製
する必要がなくなるので、そのための費用を削減するこ
とができ、製品を安価にすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材製品の製造
方法に関する。
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、曲面形状の製品は、機械加工によ
り所望の形状に仕上げたり、所望の形状に対応する型を
作製し、この型を用いて平板材料をプレス成形するなど
して、製造していた。
り所望の形状に仕上げたり、所望の形状に対応する型を
作製し、この型を用いて平板材料をプレス成形するなど
して、製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように曲面形状
の製品を、切削加工などの機械加工にて製造する場合、
加工工数が多くなり、また素材から削り取られ不要とな
る材料が多く、いずれもコストの上昇につながる。
の製品を、切削加工などの機械加工にて製造する場合、
加工工数が多くなり、また素材から削り取られ不要とな
る材料が多く、いずれもコストの上昇につながる。
【0004】また、型を用いて製造する場合は、型の製
造費が発生し、特に大型の少量生産品においては、この
費用が製造費に占める割合が大きなものとなっている。
造費が発生し、特に大型の少量生産品においては、この
費用が製造費に占める割合が大きなものとなっている。
【0005】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、所望の形状の製品を安価に製造す
る方法を提供することを目的とする。
なされたものであり、所望の形状の製品を安価に製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は、熱膨張率の異なる複数の部材を用い、
熱膨張率の差により発生する変形を用いて、所望の形状
の製品を得るものである。すなわち、当該製品の使用環
境における常用温度範囲以外の温度下で、熱膨張率の異
なる複数の部材を結合させる工程と、結合された部材の
温度を前記常用温度範囲とし、部材の熱膨張の差により
結合された部材を変形させる工程とにより、所望形状の
複合材製品を製造する。
めに、本発明は、熱膨張率の異なる複数の部材を用い、
熱膨張率の差により発生する変形を用いて、所望の形状
の製品を得るものである。すなわち、当該製品の使用環
境における常用温度範囲以外の温度下で、熱膨張率の異
なる複数の部材を結合させる工程と、結合された部材の
温度を前記常用温度範囲とし、部材の熱膨張の差により
結合された部材を変形させる工程とにより、所望形状の
複合材製品を製造する。
【0007】前記の製造方法によれば、熱膨張率の異な
る複数略平面部材を張り合わせて、温度変化により変形
させて3次元曲面の形状の製品を得ることができる。
る複数略平面部材を張り合わせて、温度変化により変形
させて3次元曲面の形状の製品を得ることができる。
【0008】また、相互に異なる熱膨張率の異なる補強
繊維を含むプリプレグを積層し、これを加熱硬化して結
合させ、常温に戻して変形を生じさせて繊維強化プラス
チック製品を得ることもできる。
繊維を含むプリプレグを積層し、これを加熱硬化して結
合させ、常温に戻して変形を生じさせて繊維強化プラス
チック製品を得ることもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、
本実施形態の複合材製品の製造方法の概略説明図であ
る。熱膨張に関し等方性の平板形状の二つの部材10,
12を、図1(a)に示すように積層、結合する。二つ
の部材10,12は、相互に熱膨張率が異なる材料であ
って、部材10の熱膨張率が部材12のそれより大き
い。結合は、加熱して二つの部材10,12を溶着させ
る、または熱硬化性の接着剤を用いて接着させることに
より行われる。これらの場合、結合は、常温より高い温
度で行われる。そして、結合された二つの部材を常温ま
で戻すと、熱膨張率の大きい部材10がより収縮し、図
1(b)に示すように下に凸の凹面形状を得ることがで
きる。
実施形態という)を、図面に従って説明する。図1は、
本実施形態の複合材製品の製造方法の概略説明図であ
る。熱膨張に関し等方性の平板形状の二つの部材10,
12を、図1(a)に示すように積層、結合する。二つ
の部材10,12は、相互に熱膨張率が異なる材料であ
って、部材10の熱膨張率が部材12のそれより大き
い。結合は、加熱して二つの部材10,12を溶着させ
る、または熱硬化性の接着剤を用いて接着させることに
より行われる。これらの場合、結合は、常温より高い温
度で行われる。そして、結合された二つの部材を常温ま
で戻すと、熱膨張率の大きい部材10がより収縮し、図
1(b)に示すように下に凸の凹面形状を得ることがで
きる。
【0010】図2は、複合材製品として繊維強化プラス
チック製品の製造方法の概略説明図である。まず、図2
(a)に示すように、第1の補強繊維20に熱硬化性の
第1のマトリックス樹脂22を含浸した第1のプリプレ
グ24と、第2の補強繊維26に熱硬化性の第2のマト
リックス樹脂28を含浸した第2のプリプレグ30を平
板上に積層する。第2の補強繊維26は、第1の補強繊
維20より大きい熱膨張率を有し、第1および第2の熱
硬化性樹脂22,28は、同一の材料とすることができ
る。このとき、第1および第2の補強繊維20,26の
方向を、後に所望の形状が得られるように配向する。
チック製品の製造方法の概略説明図である。まず、図2
(a)に示すように、第1の補強繊維20に熱硬化性の
第1のマトリックス樹脂22を含浸した第1のプリプレ
グ24と、第2の補強繊維26に熱硬化性の第2のマト
リックス樹脂28を含浸した第2のプリプレグ30を平
板上に積層する。第2の補強繊維26は、第1の補強繊
維20より大きい熱膨張率を有し、第1および第2の熱
硬化性樹脂22,28は、同一の材料とすることができ
る。このとき、第1および第2の補強繊維20,26の
方向を、後に所望の形状が得られるように配向する。
【0011】積層されたプリプレグ24,30をオーブ
ンまたはオートクレーブに投入し、ここで加熱硬化を行
う。加熱により、第1および第2熱硬化性樹脂22,2
8は、互いに溶着硬化する。その後、常温まで戻すと、
図2(b)に示すように、熱膨張率の小さい側を凸とす
るように変形した繊維強化プラスチック製品を得ること
ができる。プリプレグのような異方性の材料の場合は、
繊維の配向方向を変えることにより、得られる曲面形状
を所望の形状とすることができる。すなわち、変形させ
たい方向に沿って補強繊維を配置することにより、その
方向の変形を大きくすることができる。極端な場合、2
種の補強繊維の方向をそろえることにより、その方向の
みに反った曲面(2次元曲面)の製品を得ることができ
る。
ンまたはオートクレーブに投入し、ここで加熱硬化を行
う。加熱により、第1および第2熱硬化性樹脂22,2
8は、互いに溶着硬化する。その後、常温まで戻すと、
図2(b)に示すように、熱膨張率の小さい側を凸とす
るように変形した繊維強化プラスチック製品を得ること
ができる。プリプレグのような異方性の材料の場合は、
繊維の配向方向を変えることにより、得られる曲面形状
を所望の形状とすることができる。すなわち、変形させ
たい方向に沿って補強繊維を配置することにより、その
方向の変形を大きくすることができる。極端な場合、2
種の補強繊維の方向をそろえることにより、その方向の
みに反った曲面(2次元曲面)の製品を得ることができ
る。
【0012】プリプレグの補強繊維としては、ガラス繊
維、炭素繊維、アラミド繊維などの一般的な強化繊維を
用いることができる。また、マトリックス樹脂は、エポ
キシ、フェノール、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹
脂を用いることができる。また、マトリックス樹脂を熱
可塑性樹脂とすることもできるが、このときは、硬化の
際の温度と、できあがった製品の使用環境の温度の差に
よって、変形の程度が決定する。
維、炭素繊維、アラミド繊維などの一般的な強化繊維を
用いることができる。また、マトリックス樹脂は、エポ
キシ、フェノール、ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹
脂を用いることができる。また、マトリックス樹脂を熱
可塑性樹脂とすることもできるが、このときは、硬化の
際の温度と、できあがった製品の使用環境の温度の差に
よって、変形の程度が決定する。
【0013】以上の製造方法により製造される製品は、
その厚さが厚くなると剛性が増大し、熱膨張率の差によ
る変形が困難となるために、厚さに限界がある。すなわ
ち、本実施形態にかかる製造方法は、比較的薄肉の製品
の製造に適している。具体的な対象製品としては、レー
ダ反射板や、曲面形状を有する板ばねなどがある。
その厚さが厚くなると剛性が増大し、熱膨張率の差によ
る変形が困難となるために、厚さに限界がある。すなわ
ち、本実施形態にかかる製造方法は、比較的薄肉の製品
の製造に適している。具体的な対象製品としては、レー
ダ反射板や、曲面形状を有する板ばねなどがある。
【0014】以上の製造方法によれば、機械加工を行う
必要がなく、また型を作製する必要がないので、製造コ
ストを下げることができる。特に、型の製造費用が製品
価格の多くを占めるような、大型の少量生産品には大き
な利点となる。
必要がなく、また型を作製する必要がないので、製造コ
ストを下げることができる。特に、型の製造費用が製品
価格の多くを占めるような、大型の少量生産品には大き
な利点となる。
【図1】 複合材製品の製造方法の概略説明図である。
【図2】 複合材製品の製造方法の他の概略説明図であ
る。
る。
10,12 部材、20,26 補強繊維、22,28
マトリックス樹脂、24,30 プリプレグ。
マトリックス樹脂、24,30 プリプレグ。
Claims (4)
- 【請求項1】 複合材製品の製造方法であって、 当該複合材製品の使用環境における常用温度範囲以外の
温度にて、相互に熱膨張率の異なる複数の部材を結合さ
せる工程と、 結合された部材の温度を前記常用温度範囲とし、部材の
熱膨張の差により前記結合された部材を変形させ、所望
の形状を得る工程と、を有する、複合材製品の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の複合材製品の製造方法
であって、前記複数の部材を結合させる際には、当該部
材は略平面形状であり、温度変化による変形により3次
元曲面形状を得る、複合材製品の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の複合材製品の
製造方法であって、 前記複合材製品は、繊維強化プラスチックであり、 結合される複数の部材は、相互に熱膨張率の異なる補強
繊維を含むプリプレグである、複合材製品の製造方法。 - 【請求項4】 相互に熱膨張率の異なる補強繊維を含
み、所定の形状を有する複数のプリプレグを作成する工
程と、 前記複数のプリプレグを、それぞれの補強繊維が所定の
方向となるように、所定の順序で積層する工程と、 前記積層されたプリプレグを加熱硬化する工程と、を有
する、繊維強化プラスチック製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001251334A JP2003053835A (ja) | 2001-08-22 | 2001-08-22 | 複合材製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001251334A JP2003053835A (ja) | 2001-08-22 | 2001-08-22 | 複合材製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003053835A true JP2003053835A (ja) | 2003-02-26 |
Family
ID=19079995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001251334A Pending JP2003053835A (ja) | 2001-08-22 | 2001-08-22 | 複合材製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003053835A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6430082A (en) * | 1987-07-24 | 1989-01-31 | Hitachi Ltd | Manufacture of magnetic head slider |
JPH05335751A (ja) * | 1992-05-27 | 1993-12-17 | Mitsubishi Electric Corp | 積層基板 |
JPH07241958A (ja) * | 1994-03-05 | 1995-09-19 | Toshiba Chem Corp | フェノール樹脂銅張積層板 |
JPH11127734A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-05-18 | Daiwa Seiko Inc | 釣 竿 |
JPH11268181A (ja) * | 1998-03-23 | 1999-10-05 | Hitachi Chem Co Ltd | 銅張り積層板 |
-
2001
- 2001-08-22 JP JP2001251334A patent/JP2003053835A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH11268181A (ja) * | 1998-03-23 | 1999-10-05 | Hitachi Chem Co Ltd | 銅張り積層板 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20080408 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110104 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110426 |