JP4997154B2 - ゴルフクラブシャフトとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグシートからなるゴルフクラブシャフトとその製造方法に関する。
今日、カーボン繊維やガラス繊維,ボロン繊維等の強化繊維に、エポキシやポリエステル等の合成樹脂からなるマトリックスを含浸した繊維強化プリプレグシート(以下、「プリプレグシート」という)で形成したゴルフクラブシャフト(以下、「シャフト」という)が広く知られている。
而して、この種のシャフトは比強度,比剛性に優れるが、強化繊維の方向や積層条件によって物性が大きく変化し、また、シャフトの形状や肉厚によっても物性が大きく変化するため、軽量で振り抜き易く、飛距離が出せるという課題を達成するため、従来、様々な提案がなされている。
は特許文献1に開示されたゴルフクラブを示し、この従来例は、振り抜き易く軽量で強度やバランスに優れ、握り易く飛距離が伸びるゴルフクラブ1を提供することを目的として、シャフト3のグリップ5側からヘッド7側に向って縮径する比較的緩いテーパを有する小径部9をヘッド7側に設け、グリップ5側からヘッド7側に向って縮径する比較的緩いテーパを有する大径部11をグリップ5側に設けると共に、小径部9と大径部11との中間部に前記テーパよりテーパの変化が大きい急テーパ部13を設けたことを特徴としている。
このようにシャフト3の中間部に急テーパ部13を設けることによって、前記目的を達成できることは勿論、シャフト3全体のバランス調整がし易くなる利点を有している。そして、前記急テーパ部13のテーパは20/1000〜120/1000mmに設定されている。
前記構成のシャフト3は、図に示す芯金15(15aが前記小径部9に対応し、15bが大径部11に対応し、15cが急テーパ部13に対応する)に対し、図中、17〜33で示すプリプレグシートを順次巻回した後、テーピングによる締め付け,加熱硬化,芯金15の除去,テープの除去,研磨等の工程を経て製造したもので、図5に示す各プリプレグシート17〜33の線方向は強化繊維の繊維方向を示している。
しかし、斯様にシャフト3の中間部にテーパ変化が大きい急テーパ部13を形成する場合、急テーパ部13は外形変化が大きいため、芯金15への前記プリプレグシート19〜27の巻回時に、前記テーパ部15cの領域でプリプレグシート19〜27が周方向に引っ張られて強化繊維に捩れや蛇行が発生し、シャフト3に強度的な不具合が発生してしまう虞があった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、上述の如くシャフトのヘッド側とグリップ側の中間部に急テーパ部を設けるに当たり、該急テーパ部領域での強化繊維の捩れや蛇行を防止したシャフトとその製造方法を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、先細テーパ状の芯金に強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグシートを巻回して形成され、ヘッド側の小径部とグリップ側の大径部との間にテーパの変化が大きい急テーパ部が設けられたゴルフクラブシャフトであって、芯金の先端から後端に亘って当該芯金の軸方向に対し±35°以上±55°以下の角度で強化繊維を傾斜させた繊維強化プリプレグシートを巻回,積層したバイアス層と、芯金の先端から後端に亘って強化繊維を芯金の軸方向に引き揃えた複数枚の繊維強化プリプレグシートを巻回,積層したストレート層とでシャフト本体層が形成され、前記ストレート層を形成する前記繊維強化プリプレグシートは、夫々、1枚毎の巻回数が2層未満の幅に形成され、且つ前記急テーパ部領域に対応して繊維強化プリプレグシートの幅を幅広にした部分に長手方向の切り込みが入れられて、1枚の繊維強化プリプレグシートの巻回数が前記急テーパ部領域で1.0未満で途切れた部分を有し、巻回数が1.0未満で途切れた前記部分は、ストレート層を形成する内側または外側の繊維強化プリプレグシートの前記切り込みのない位置で積層されて、前記急テーパ部を形成していることを特徴とする。
そして、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシャフトに於て、前記急テーパ部の外側に、ストレート層より薄肉な繊維強化プリプレグシートを巻回した補強層が形成され、当該補強層の一部が研磨除去されていることを特徴とする。
また、請求項3に係るゴルフクラブシャフトの製造方法は、先細テーパ状の芯金の先端から後端に亘って当該芯金の軸方向に対し±35°以上±55°以下の角度で強化繊維を傾斜させた繊維強化プリプレグシートと、芯金の先端から後端に亘って強化繊維を芯金の軸方向に引き揃えた複数枚の繊維強化プリプレグシートを巻回,積層して、ヘッド側の小径部とグリップ側の大径部との間にテーパの変化が大きい急テーパ部を有するシャフト本体層を形成するゴルフクラブシャフトの製造方法であって、強化繊維を軸方向に引き揃えた複数枚の前記繊維強化プリプレグシートを、夫々、1枚毎の巻回数が2層未満の幅に設定し、且つ前記急テーパ部領域に対応して繊維強化プリプレグシートを夫々幅広に形成すると共に、幅広に形成した当該部分に長手方向の切り込みを入れて巻回数が前記急テーパ部領域で1.0未満で途切れた部分を形成し、巻回数が1.0未満で途切れた前記部分を、内側または外側の繊維強化プリプレグシートの前記切り込みのない位置に巻回,積層させて、前記急テーパ部を有するシャフト本体層のストレート層を形成することを特徴とする。
更に、請求項4に係る発明は、請求項3に記載のゴルフクラブシャフトの製造方法に於て、前記急テーパ部の外側に、前記ストレート層より薄肉な繊維強化プリプレグシートを巻回して補強層を形成した後、当該補強層の一部を研磨除去することを特徴とする。
請求項1及び請求項3に係る発明によれば、芯金の急テーパ部領域に対応して繊維強化プリプレグシートを幅広に形成した部分に長手方向の切り込みを入れて、巻回数が急テーパ部領域で1.0未満で途切れた部分を形成した結果、シャフトに急テーパ部を設けた際に、急テーパ部領域での強化繊維の捩れや蛇行等が防止できるため、シャフトの強度的な不具合が発生することがない利点を有する。
また、斯様に巻回数が1.0未満で途切れた前記部分を、ストレート層を形成する内側または外側の繊維強化プリプレグシートの前記切り込みのない位置で積層して急テーパ部を形成した結果、シャフトの急テーパ部に必要最小限のプリプレグシートを効果的に積層できるため、より一層の軽量化,強度の向上,安定化が図れる利点を有する。
そして、請求項2及び請求項4に係る発明によれば、急テーパ部の外側にストレート層より薄肉な繊維強化プリプレグシートを巻回して補強層を形成した後、補強層の一部を研磨除去した結果、形状が変化する部分の強度を向上,安定化できると共に、急テーパ部が補強層でカバーされるため、シャフトに衝撃的な負荷が作用しても強化繊維の端部からの剥離や層間剥離を防止することができ、耐久性,信頼性に優れたシャフトとすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は請求項1及び請求項2の一実施形態に係るシャフトを用いたウッドのゴルフクラブを示し、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを巻回して形成されたシャフト35の先端にヘッド37が取り付き、シャフト35の後端側にグリップ39が取り付いてゴルフクラブ41が形成されている。
そして、図2に示すようにシャフト35は、グリップ39側からヘッド37側に向って縮径する比較的緩いテーパを有する小径部43がヘッド37側に形成され、グリップ39側からヘッド37側に向って縮径する比較的緩いテーパを有する大径部45がグリップ39側に形成されて、前記小径部43と大径部45との中間部に前記テーパよりテーパの変化が大きい急テーパ部47が設けられている。
尚、ここで「比較的緩いテーパ」とはストレート形状を含む意味であり、具体的には0/1000〜5/1000mmである。また、「急テーパ部」とは前後のテーパとの差が20〜25/1000mm以上ある、テーパ変化の大きい領域を意味する。
図2は前記シャフト35の断面図を示し、図中、A〜Eがシャフト35の全長,A〜Cが小径部43,C〜Dが急テーパ部47,D〜Eが大径部45を示しており、A〜Bは前記ヘッド37を固定する固定部に相当し、当該固定部A〜Bは小径部43の他の部位に比し厚肉に形成されている。
そして、本実施形態に於て、前記小径部43のテーパは約4/1000mm,急テーパ部47のテーパは約45/1000mm,大径部45のテーパは約5/1000mmに設定されている。
而して、前記シャフト35は、請求項3及び請求項4に係る発明方法の一実施形態によって以下の如く製造される。
図3は前記シャフト35の製造工程を示し、図中、49は芯金で、以下に記述するように当該芯金49にプリプレグシート51,55,61〜65,69,71,89を巻回した後、従来と同様、テーピングによる締め付け,加熱硬化,芯金除去,テープの除去,研磨等の工程を経てシャフト35が製造される。
そして、前記芯金49に於て、符号73で示す小径部がシャフト35の小径部43に対応し、符号75で示す大径部がシャフト35の大径部45に対応し、符号77で示すテーパ部がシャフト35の急テーパ部47に対応する。
この場合、図示するように芯金49の大径部75にストレート部79を形成しておいてもよく、図中、符号81の先端部は、先端補強用の補助プリプレグシート51,71が巻回される領域である。そして、当該先端部81が前記ヘッド37を固定する固定部A〜Bに対応し、当該先端部81にも緩やかなテーパ部83が形成されている。
また、図3に於て、各プリプレグシート51,55,61〜65,69,71,89の線方向は強化繊維85の繊維方向を示しており、シャフト35の軸長方向全体を構成するシャフト本体層はプリプレグシート55,61〜65,69で形成され、ヘッド37を固定する前記固定部A〜Bには補助プリプレグシート51,71を巻回して補強層が設けられ、更にテーパ部77の最外周にシャフトのストレート層より薄肉な補助プリプレグシート89を巻回して補強層が設けられている。
以下、シャフト35の製造方法を説明する。
[第1工程]
まず、芯金49の先端部81に補助プリプレグシート51を巻回して、シャフト35の小径部43の先端に補強層を形成する。
前記補助プリプレグシート51は、芯金49の軸方向に引き揃えたカーボン繊維等の強化繊維85に、エポキシやポリエステル等の合成樹脂からなるマトリックスを含浸したもので、後端側に前記芯金49のテーパ部83の長さと一致させて傾斜部51aが形成された平面視台形形状に裁断され、先端側で2〜4プライ,後端側で同じく2〜4プライ程となるように形成されている。そして、樹脂含有率28〜36重量%,厚さ0.08〜0.16mmである。
尚、前記補助プリプレグシート51を複数に分割したり、厚さや強化繊維の方向を異ならせたプリプレグシートを巻回してもよい。
そして、斯様に補助プリプレグシート51を複数枚にする場合、芯金49に巻回するに当たり、シャフト35の偏肉を防止するため、補助プリプレグシートの周方向の端部位置を、夫々、芯金49の円周方向にずらして巻回する。例えば、2枚の場合は180°、3枚の場合は120°ずらして巻回する。
[第2工程]
次に、シャフト35のねじりトルクを向上させるため、一例として芯金49の軸方向に対し強化繊維85の繊維方向を±45°の2方向に傾斜させた2枚のプリプレグシート55a,55bを重ねたプリプレグシート55を芯金49に巻回して、シャフト35のバイアス層を形成する。シャフト35の軸長方向全体を構成するシャフト本体層は、前記バイアス層と後述するストレート層及び周方向層で構成される。尚、強化繊維85の傾斜角は±35°以上±55°以下の範囲で設定する。
前記プリプレグシート55はシャフト35の全長と同一寸法で、先端側で2.4〜2.6プライ,後端側で1.9〜2.1プライ程となるように平面視台形形状に裁断されており、樹脂含有率20〜30重量%,厚さ0.08〜0.15mmである。
[第3工程]
この後、強化繊維85を軸方向に引き揃えた樹脂含有率18〜28重量%で、厚さが夫々0.08〜0.15mmの範囲で、例えば0.10mm,0.10mm,0.08mmの肉厚からなる3枚のプリプレグシート61,63,65と、強化繊維85を軸方向に引き揃えた樹脂含有率18〜28重量%,厚さ0.08〜0.15mmの範囲で、厚肉が例えば0.12mmのプリプレグシート69を芯金49に巻回する。
プリプレグシート61,63,65,69は、シャフト35のストレート層を形成するもので、これらは先端側で1.0〜1.1プライ、後端側で1.0〜1.1プライとなるように裁断されている。
そして、プリプレグシート61,63,65,69には、前記テーパ部77(急テーパ部47領域)に対応して幅広な幅広部61a,63a,65a,69aが設けられている。
幅広部61a,63a,65a,69aは、斜め後方へと傾斜してプリプレグシート61,63,65,69を幅広に形成した後、平面視三角形状の切り込み91を長手方向に入れて長手方向に突出する平面視三角形状としたもので、これらの幅広部61a,63a,65a,69aはテーパ部77の長さよりも短く、テーパ部77での巻回数が1.0未満とされている。そして、芯金49への巻回時に、幅広部61a,63a,65a,69aは、ストレート層を形成する内側または外側のプリプレグシート61,63,65,69の前記切り込み91のない位置で積層される。
尚、前記プリプレグシート61,63,65,69を巻回するに当たり、ストレート層の偏肉を防止し、強度や曲げ剛性のバラツキをなくし方向性の少ないシャフト35を製造するため、プリプレグシート61,63,65,69の周方向の端部位置を夫々円周方向にずらし、且つ相対的に厚さの厚いプリプレグシート61,63,65,69を周方向の対向する位置に配置して巻回,積層する。
このように強化繊維85の引き揃え方向が同じプリプレグシート61,63,65,69を重ねて(同じ位置の層近くに)巻回することで、十分な層間強度が得られる。
[第工程]
そして、プリプレグ69の上から、芯金49の先端部81に強化繊維85を軸方向に引き揃えた平面視三角形状の補助プリプレグシート71を巻回する。
この補助プリプレグシート71は、ヘッド37を装着するシャフト35の先端に補強層を形成するもので、樹脂含有率28〜36重量%,厚さ0.08〜0.16mmに設定され、先端側で4.30プライ,後端側で0.00プライとなるように裁断されている。
[第5工程]
更に、プリプレグ69の上から、芯金49のテーパ部77に、シャフトのストレート層より薄肉な補助プリプレグシート89を巻回して補強層を形成する。
図示するように補助プリプレグシート89は、強化繊維85を芯金49の軸方向と周方向に交叉させて引き揃えたもので、樹脂含有率35〜65重量%,厚さ0.02〜0.04mmに設定され、先端側で1〜2プライ,後端側で1〜4プライとなるように裁断されている。
このようにテーパ部77の最外周に補助プリプレグシート89を巻回して補強層を形成することでシャフト35の強度アップが図れ、また、後述するように当該補強層の一部を研磨除去することでシャフト35の軽量化が図れる。
[第工程]
そして、これらの外周を緊締テープで緊縛して熱硬化処理を行った後、芯金49を引き抜き緊締テープを剥離してその外周を研磨することで、成形重量が50グラム以下のシャフト35が製造される。
このように、前記[第1工程]〜[第工程]を経てシャフト35が製造され、シャフト35に急テーパ部47がある構成の場合、上述したように芯金49のテーパ部77に対応して前記プリプレグシート61,63,65,69に幅広部61a,63a,65a,69aを設けて前記急テーパ部47を形成する。
しかし、幅広部61a,63a,65a,69aをプリプレグシート61,63,65,69に一体化した構成にしてしまうと、急テーパ部47は外形変化が大きいため、図及び図で既述した従来例と同様、プリプレグシート61,63,65,69の巻回時に、テーパ部77の領域でプリプレグシート61,63,65,69が周方向に引っ張られて強化繊維85に捩れや蛇行が生じてしまう。
そこで本実施形態は、各幅広部61a,63a,65a,69aに平面視三角形状の切り込み91を入れて、各幅広部61a,63a,65a,69aをその周方向のプリプレグシート61,63,65,69部分と分離したため、これらを周方向に連続状に巻回した場合、幅広部61a,63a,65a,69aが周方向に引っ張られることがなく、強化繊維85に捩れや蛇行が生じることがない。
従って、本実施形態に係る製造方法によれば、プリプレグシート61,63,65,69を巻回して前記急テーパ部47を形成するに当たり、急テーパ部47領域での強化繊維85の捩れや蛇行等の発生を防止することができ、斯かる製造方法によって製造されたシャフト35によれば、急テーパ部47領域での強化繊維85の捩れや蛇行等がないため、シャフト35の強度的な不具合が発生することがない利点を有する。
も、本実施形態は、平面視三角形状の切り込み91を入れて、長手方向に突出する平面視三角形状の幅広部61a,63a,65a,69aを各プリプレグシート61,63,65,69に設けた結果、シャフトの急テーパ部に必要最小限のプリプレグシート61,63,65,69(幅広部61a,63a,65a,69a)を効果的に積層でき、より一層の軽量化,強度の向上,安定化が図れる利点を有する。
そして、本実施形態は、補助プリプレグシート89で形成した補強層の一部を残し一部を研磨除去したので、形状が変化する部分の強度を向上,安定化できると共に、急テーパ部が補強層でカバーされるため、シャフト35に衝撃的な負荷が作用しても強化繊維85の端部からの剥離や層間剥離を防止することができ、耐久性,信頼性に優れたシャフトとすることができる。
更に、プリプレグシート61,63,65,69を巻回するに当たり、プリプレグシート61,63,65,69の周方向の端部位置を夫々円周方向にずらし、且つ相対的に厚さの厚いプリプレグシートを周方向の対向する位置に配置して巻回,積層したため、偏肉や強度,曲げ剛性のバラツキがなくなって方向性の少ないシャフト35を提供することが可能となった。
請求項1及び請求項2の一実施形態に係るシャフトを用いたウッドのゴルフクラブの全体斜視図である。 シャフトの断面図である。 シャフトの製造工程図である。 従来のゴルフクラブの全体斜視図である。 図4に示すゴルフクラブに用いたシャフトの製造工程の説明図である。
符号の説明
35 シャフト
37 ヘッド
39 グリップ
41 ゴルフクラブ
43,73 小径部
45,75 大径部
47 急テーパ部
49 芯金
51,71,89 補助プリプレグシート
55,61,63,65,67,69 プリプレグシート
61a,63a,65a,69a 幅広部
77 テーパ部
85 強化繊維
91 切り込み

Claims (4)

  1. 先細テーパ状の芯金に強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグシートを巻回して形成され、
    ヘッド側の小径部とグリップ側の大径部との間にテーパの変化が大きい急テーパ部が設けられたゴルフクラブシャフトであって、
    芯金の先端から後端に亘って当該芯金の軸方向に対し±35°以上±55°以下の角度で強化繊維を傾斜させた繊維強化プリプレグシートを巻回,積層したバイアス層と、
    芯金の先端から後端に亘って強化繊維を芯金の軸方向に引き揃えた複数枚の繊維強化プリプレグシートを巻回,積層したストレート層とでシャフト本体層が形成され、
    前記ストレート層を形成する前記繊維強化プリプレグシートは、夫々、1枚毎の巻回数が2層未満の幅に形成され、且つ前記急テーパ部領域に対応して繊維強化プリプレグシートの幅を幅広にした部分に長手方向の切り込みが入れられて、1枚の繊維強化プリプレグシートの巻回数が前記急テーパ部領域で1.0未満で途切れた部分を有し、
    巻回数が1.0未満で途切れた前記部分は、ストレート層を形成する内側または外側の繊維強化プリプレグシートの前記切り込みのない位置で積層されて、前記急テーパ部を形成していることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 前記急テーパ部の外側に、ストレート層より薄肉な繊維強化プリプレグシートを巻回した補強層が形成され、当該補強層の一部が研磨除去されていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 先細テーパ状の芯金の先端から後端に亘って当該芯金の軸方向に対し±35°以上±55°以下の角度で強化繊維を傾斜させた繊維強化プリプレグシートと、
    芯金の先端から後端に亘って強化繊維を芯金の軸方向に引き揃えた複数枚の繊維強化プリプレグシートを巻回,積層して、
    ヘッド側の小径部とグリップ側の大径部との間にテーパの変化が大きい急テーパ部を有するシャフト本体層を形成するゴルフクラブシャフトの製造方法であって、
    強化繊維を軸方向に引き揃えた複数枚の前記繊維強化プリプレグシートを、夫々、1枚毎の巻回数が2層未満の幅に設定し、且つ前記急テーパ部領域に対応して繊維強化プリプレグシートを夫々幅広に形成すると共に、幅広に形成した当該部分に長手方向の切り込みを入れて巻回数が前記急テーパ部領域で1.0未満で途切れた部分を形成し、
    巻回数が1.0未満で途切れた前記部分を、内側または外側の繊維強化プリプレグシートの前記切り込みのない位置に巻回,積層させて、前記急テーパ部を有するシャフト本体層のストレート層を形成することを特徴とするゴルフクラブシャフトの製造方法。
  4. 前記急テーパ部の外側に、前記ストレート層より薄肉な繊維強化プリプレグシートを巻回して補強層を形成した後、当該補強層の一部を研磨除去することを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブシャフトの製造方法。
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