JP6253472B2 - リール脚固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、釣竿に装着され、各種の魚釣用リールを取り付け可能とするリール脚固定装置に関する。
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、軸長方向に離間する移動フードと固定フードを備え、リール脚の一端を固定フードに差し込み、リール脚の他端を軸方向に移動する移動フードで押え付けることで、魚釣用リールを固定するタイプのリール脚固定装置が知られている。前記固定フード、及び移動フードは、元竿杆の外周に被着されるパイプ状のリールシートに配設されており、移動フードに隣接配置された操作ナットを回転することで移動フードを固定フードに対して接近/離反させ、これにより魚釣用リールの着脱がなされる。通常、上記したリール脚固定装置の移動フード及び固定フード(以下、フード部とも称する)は金属材料で形成されることが多く、差し込まれるリール脚が当接する部分(フード部の内面)に合成樹脂によるパッド部を配設するようにしている。
ところで、最近では、釣竿の軽量化を図ることが求められており、上記のように、フード部を金属材料で形成することは軽量化の妨げとなってしまう。このため、例えば、特許文献2には、強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグシートを複数層重ね合わせ、これを筒状に成形することでフード部を形成することが開示されている。また、この特許文献2には、フード部を複数のプリプレグシートを積層して成形するにあたり、強度低下が生じないように、各層におけるプリプレグシートの重ね合わせ部をリール脚の脚保持部以外の領域に位置させることが開示されている。
実開昭57−187064号 特開2014−11975号
上記したフード部は、繊維強化樹脂材で形成することにより軽量化を図ることができるが、釣竿を軽量化するためには、可能な限り薄肉厚化して軽量化を図ることが望ましい。すなわち、フード部を薄肉厚化することで、その分、リール脚固定装置を軽量化することができるとともに、固定されるリール脚やリールシート本体との間での段差が少なくなって握り心地の向上を図ることも可能となる。
上記した特許文献2には、フード部の軽量化を図るにあたり、仕様が異なる複数枚のプリプレグシートを、重ね合せ部分の位置を脚保持部からずらすことが開示されているに過ぎず、フード部の強度の維持を図りつつ可能な限り薄肉厚化して軽量化を図ることについては考慮されていない。このため、無駄なプリプレグシートを配設する等、不必要な補強がされており、これによりフード部が厚肉化して十分な軽量化が達成されない、という問題がある。
また、特許文献2には、プリプレグシートをマンドレルに巻回するに際し、所定の位置に切欠きを形成しておき、皺の発生を防止することも開示されているが、プリプレグシートに切り込みを入れておくと、その位置では強化繊維が切れた状態となり、強度低下や破損等が生じる原因となってしまう。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、十分な強度を維持しつつ効率2的に薄肉厚化、及び軽量化したフード部を有するリール脚固定装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係るリール脚固定装置は、魚釣用リールのリール脚が挿入される開口を具備し、複数のプリプレグシートを積層して成形される筒状のフード部を操作ナットによって軸方向に移動させるよう構成されており、前記フード部は、軸長方向に亘って均一肉厚であると共に、周方向に強化繊維が指向した周方向繊維層が内層側に、軸長方向に強化繊維が指向した軸長方向繊維層が外層側に配設されており、前記周方向に指向する強化繊維の割合が、前記操作ナット側よりも前記開口側の方が多く、前記周方向繊維層は開口側に移行するに従い次第に厚肉化され、かつ、その厚肉化に伴い、前記軸長方向繊維層は次第に薄肉厚化されていることを特徴とする。
上記した構成のリール脚固定装置によれば、筒状のフード部を、複数のプリプレグシートを積層して成形するため軽量化が図れるようになる。この場合、フード部には、リール脚を挿入して固定する際、開口部分において周方向に沿って拡げるような負荷が作用するものの、この開口部分では、周方向に指向する強化繊維の割合が、操作ナット側よりも多くなるように配設されているため効率的な補強が可能となる。すなわち、フード部全体として無駄なプリプレグシートを配設することなく効率的な補強をしていることから、フード部の薄肉厚化及び軽量化が可能となる。
本発明によれば、十分な強度を維持しつつ効率的に薄肉厚化、及び軽量化したフード部を有するリール脚固定装置が得られるようになる。
リール脚固定装置が装着された釣竿の一例を示す図。 本発明に係るリール脚固定装置の一実施形態を示す側面図。 図2に示すリール脚固定装置において、移動フード部の構成を示す部分断面図。 (a)は図3の主要部の拡大図、(b)は図(a)に示す移動フード部を開口側から見た図。 移動フード部を成形するプリプレグシートの配設例を示す図。 図5に示したプリプレグシートによって成形された移動フード部の構成を示す断面図。 (a)及び(b)は、それぞれ移動フード部の別の実施形態を示す断面図。 図7(a)に示す移動フード部を成形するプリプレグシートの配設例を示す図。 更に別の実施形態の移動フード部を成形するプリプレグシートの配設例を示す図。 膨出部を有しない移動フード部を有するリール脚固定装置を示す側面図。 (a)は図10に示す移動フード部の主要部を示す部分断面図、(b)は図(a)に示す移動フードを開口側から見た図。
図1は、本発明に係るリール脚固定装置が装着される釣竿の一例を示す図である。
釣竿1は、複数の竿杆を継合することで構成されており、本実施形態では、元竿杆3、中竿杆5、及び穂先竿杆7の3本の竿杆を並継式で継合している。前記中竿杆5については無い構成であっても良いし、2本以上継合する構成であっても良い。また、釣竿は、並継式以外にも、1本竿、振り出し竿、中通し式など、その構成については特に限定されることはない。
前記元竿杆3には、魚釣用リール70が装着されるリール脚固定装置10が設けられ、各竿杆には、所定間隔をおいて、魚釣用リールから繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド8(穂先竿杆7の先端はトップガイド8a)が装着されている。前記釣糸ガイド8については、竿杆に対して固定される固定ガイドとして構成されていても良いし、竿杆に沿って摺動可能な遊動ガイドとして構成されていても良い。
前記元竿杆3、中竿杆5及び穂先竿杆7は、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂材で構成されており、管状体、或いは、中実体として構成されている。
前記元竿杆3に設けられるリール脚固定装置10は、固定フードと軸方向に移動する移動フードとを備えており、魚釣用リールのリール脚を固定フードに差し込んだ状態で、移動フードを軸方向に移動させることにより魚釣用リールを着脱する構成となっている。この場合、固定フードは、穂先側にあっても良いし、基端側にあっても良い。
以下、本実施形態のリール脚固定装置の構成について、図2から図6を参照して説明する。なお、これらの図において、図2は、リール脚固定装置の側面図、図3は、図2に示すリール脚固定装置において、移動フード部の構成を示す部分断面図、図4(a)は、図3の主要部の拡大図、図4(b)は、図(a)に示す移動フードを開口側から見た図、図5は、移動フード部を成形するプリプレグシートの配設例を示す図、そして、図6は、図5に示したプリプレグシートによって成形された移動フードの構成を示す断面図である。
リール脚固定装置10は、元竿杆3に対して外嵌される筒状に形成されたリールシート本体(以下、本体と称する)11を備えている。本体11は、例えば、合成樹脂によって一体形成されており、魚釣用リール70のリール脚71が載置される載置面12と、載置面12の穂先側に配設された固定フード13と、載置面12の基端側に配設された移動フード15とを備えている。
前記固定フード13は、本体11に一体形成され、前記リール脚71の穂先側脚部71aを収容できるように膨出したフード部13Aを備えており、リール脚71の穂先側脚部71aは、フード部13Aの開口13aを介して挿入される。なお、フード部13Aは、後述する移動フードのフード部と同様、本体11と別体として形成され、本体11と一体化される構成であっても良い。
前記移動フード15は、軸方向に沿って移動可能に構成され、本体11と別体として形成されたフード部15Aを備えている。本実施形態のフード部15Aは、リール脚71の基端側脚部71bを収容できるように膨出した膨出部15aと、膨出部15aの基端側に一体形成された円筒部15bとを備えている。すなわち、膨出部15aは、円筒部15bの外周の所定範囲の円弧領域が穂先側に移行するに連れて次第に上昇する形状となっており、リール脚71の基端側脚部71bは、そのような膨出部15aの開口15cを介して挿入される。
前記膨出部15aの内側には、挿入されるリール脚71の基端側脚部71bの表面と圧接するようにパッド部材16が配設されている。このパッド部材16は、移動フード15が固定フード側に向けて移動された際、リール脚71の基端側脚部71bの表面に押し付けられる部分であり、リール脚を強固に固定する機能を有する。すなわち、パッド部材16は、リール脚71の基端側脚部71bの表面と対応する形状に形成されており、突起16aを移動フード15の膨出部15aに形成された孔15dに嵌合することで膨出部15aの内面と一体化される。
前記本体11の基端側には、雄螺子部11aが一体形成されており、この雄螺子部11aには、回転操作することで軸方向に沿って移動する操作ナット18が螺合されている。操作ナット18は、その前端部が前記移動フード15のフード部15A(円筒部15b)と係合している。なお、ここでの係合関係は、操作ナット18を締め付ける方向に回転操作した際、移動フード15を回転させることなく固定フード側に移動させ、かつ、操作ナット18を緩める方向に回転操作した際、移動フード15を回転させることなく、固定フードから離れる方向に移動させるものであれば良い。
具体的には、図4(a)に示すように、操作ナット18の円筒部15b側の端縁18eに環状突起18aを形成し、この先端に径方向外方に突出する係止突起18fを形成するとともに、円筒部15bの操作ナット18側の端縁15eに、径方向内方に突出する係止突起15fを形成し、これら係止突起18fと係止突起15fを係止することで構成されている。
このような操作部材18とフード部15A(円筒部15b)の係合関係によれば、操作ナット18を締め付ける方向に回転操作すると、操作ナット18は固定フード側に向けて螺進するとともに、フード部15A(円筒部15b)は回転することなく、端縁18eと端縁15eとの当接関係によって固定フード側に向けて移動される。すなわち、載置面12に載置されたリール脚71は、一対のフード部(固定フード13A、移動フード15A)によって締め付け固定される。また、操作ナット18を緩める方向に回転操作すると、操作ナット18は固定フードから離れる方向に螺進するとともに、フード部15A(円筒部15b)は回転することなく、係止突起15f,18fの係合関係によって固定フードから離反する方向に向けて移動される。すなわち、載置面12に載置されたリール脚71は、一対のフード部(固定フード13A、移動フード15A)から取り外すことが可能となる。
上記した移動フード15のフード部15Aは、一定の強度が維持されて軽量化が図れるように、繊維強化樹脂材、具体的には、仕様が異なる複数のプリプレグシートを筒状となるように積層することで成形されている。この場合、プリプレグシートは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維が所定の方向に引き揃えられた状態、或いは編成されたシート状に構成されており、熱可塑性樹脂(例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイド、熱可塑ポリウレタン)や熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂)をマトリックス樹脂として含浸した構成となっている。
以下、フード部15Aの構成について詳細に説明する。
前記フード部15Aは、リール脚71に対する締め付け力が大きくなると、その開口15cの部分には、当て付いたリール脚71の基端側脚部71bの表面から開口を拡げようとする力が作用する。すなわち、膨出部15aの開口側、特に開口15cの端縁領域については、強化繊維が軸長方向(元竿杆3の軸長方向)に引き揃えられた状態になっていると、軸長方向に亀裂が生じる傾向となり、強度低下し易くなる。このため、後述するように、開口領域については、開口を拡げようとする負荷に対抗するように、強化繊維が周方向に指向しているプリプレグシートが多く使用される。
また、フード部15Aの膨出部15aの開口以外の領域については、リール脚の締め付け状態において、上記したような開口を拡げようとする方向に作用する負荷は少ないものの、軸長方向に沿って撓む力が加わるようになる。このため、後述するように、開口領域から円筒部15bに至る領域については、主に撓み方向の負荷に対抗するように、強化繊維が軸長方向に指向しているプリプレグシートが使用される。
図5は、上記したようなフード部15Aに作用する負荷を考慮したプリプレグシートの第1の配設例を示す図である。
フード部15Aは、所定形状に形成されたマンドレル80に、仕様が異なる複数のプリプレグシート30〜32を巻回し、これを加熱して合成樹脂を硬化した後、マンドレル80を脱芯することで成形される。
前記マンドレル80の表面には、フード部15Aの形状と対応して膨出部80aと円柱部80bが形成されている。すなわち、円柱部80bは断面が円形状であり、フード部15Aの円筒部15bを形成する部分となる。また、膨出部80aは、円柱部80bの端部80cの周方向の一部(挿入されるリール脚に対応する所定の円弧範囲)を前方に向けて次第に上昇するように傾斜させており(傾斜端部80dはフード部15Aの膨出部15aの開口15cに対応する)、フード部15Aの膨出部15aを形成する部分となる。
本実施形態では、マンドレル80に対し、以下のように、フード部15Aの軸長方向全体に亘って配設されるプリプレグシート(本体プリプレグシート;本体層)30,31と、フード部15Aの開口領域を補強するプリプレグシート(補強プリプレグシート;補強層)32を巻回することでフード部15Aが成形される。
フード部15Aの内層側は、強化繊維30Aが周方向に引き揃えられたプリプレグシート30を軸方向に亘って巻回することで周方向繊維層30が配設される(図6では、プリプレグシートと繊維層を同一の参照符号としてある)。ここで、プリプレグシート30は、その後端縁30bをマンドレルの円柱部80bの部分に位置合わせし、前端縁30aをマンドレルの膨出部80aの傾斜端部80dに位置合わせして巻回される。この結果、周方向に指向する強化繊維は、周方向に亘って切れることなく配設される。なお、プリプレグシート30の前端縁30aについては、マンドレルの傾斜端部80dよりも多少先側に巻回しておき、熱硬化した後、カットしても良い。
上記のように巻回されるプリプレグシート30の外層側には、強化繊維31Aが軸長方向に引き揃えられたプリプレグシート31が巻回されることで軸長方向繊維層31が配設される。このプリプレグシート30の後端縁31b、及び前端縁31aは、上記したプリプレグシート30の後端縁30b、及び前端縁30aと一致するように位置付されて巻回される。この結果、軸長方向指向する強化繊維についても、軸長方向に亘って切れることなく配設される。
また、プリプレグシート31の内層側(プリプレグシート30の外層側)には、強化繊維32Aが周方向に引き揃えられた補強用のプリプレグシート32が巻回される。このプリプレグシート32は、後端縁32bがマンドレルの膨出部80aの中間部に位置合わせされ、前端縁32aがプリプレグシート30の前端縁30a及びプリプレグシート31の前端縁31aと一致するように位置合わせされて巻回される。この場合、補強用のプリプレグシート32は、プリプレグシート30を巻回した後、その上から巻回しても良いし、プリプレグシート30の表面に取着されていても良い。或いは、プリプレグシート31の裏側に取着されていても良い。
上記したプリプレグシート30〜32が巻回されて成形されたフード部15Aは、軸長方向に沿って断面視すると、図6に示すような構造となっている。すなわち、内層側には、上記したプリプレグシート30によって、強化繊維が周方向に引き揃えられた周方向繊維層30が軸長方向に亘って配設される。また、開口15c側には、周方向繊維層30の外層側に、上記した補強用のプリプレグシート32によって、強化繊維が周方向に引き揃えられた周方向繊維層32が配設される。すなわち、膨出部15aの開口15c側は、周方向に指向する強化繊維の割合が、操作ナット18側よりも多くなるように配設されている。そして、上記のような周方向繊維層30,32の外層側には、強化繊維が軸長方向に引き揃えられた軸長方向繊維層31が軸長方向に亘って配設される。
上記した複数のプリプレグシート30〜32によって成形されたフード部15Aは、円筒部15bと比較して、膨出部15aの開口15c側が補強用のプリプレグシート32の分だけ厚肉化されている。また、円筒部15b側の端部に円周溝を形成することで、前記係止突起15fが形成されている。
上記のようなフード部15Aを備えたリール脚固定装置によれば、筒状のフード部15Aを、複数のプリプレグシート30〜32を積層して成形したため軽量化が図れるようになる。この場合、フード部15Aには、リール脚71を固定する際、開口部分において周方向に沿って拡げるような負荷が作用するものの、この開口部分では、周方向に指向する強化繊維の割合が操作ナット18側よりも多くなるように配設されているため、破損等が生じることはない。すなわち、フード部全体として、強度が弱い部分を効率的に補強しているため、フード部として十分な強度を維持しつつ効率的に薄肉厚化、及び軽量化を図ることが可能となり、これにより、握り心地を向上することが可能となる。
また、本実施形態では、開口部分に配設される周方向繊維層は、挿入されるリール脚側となる内層側に配設しているため、開口部分における強度を効率的に向上することが可能となる。また、上記したように、周方向に指向する強化繊維は、1周巻回される際に途中で切れることなく配設されているため、強度低下や剥離等が生じることもなく、軸長方向に指向する強化繊維についても途中で切れた部分がないため、強度が低下するようなことはない。さらに、開口部分では、補強用のプリプレグシート32の分だけ周方向繊維層を多くして厚肉化を図っているため、潰れ剛性が高くなり、潰れに対する強度を向上することが可能となる。
なお、周方向繊維層については、本実施形態のように、開口部分の内層側に配設することが好ましいが、操作ナット18側と比較して周方向に指向している強化繊維の割合が相対的に多くなっていれば良く、内層側に配設されていなくても良い。例えば、補強用のプリプレグシート32をプリプレグシート31の裏面に取着し、複数回巻回することで、開口領域において、軸長方向繊維層と周方向繊維層を交互に積層した構成にしても良いし、プリプレグシート31の表面に取着しても良い。すなわち、複数のプリプレグシート30〜32の積層の順番については任意である。
また、周方向に指向する強化繊維の割合については、開口15cの部分(開口領域)と操作ナット18側の部分とを比較して開口側の方が多くなっていれば良く、リール脚が挿入される領域において、周方向繊維層が略均一の肉厚になっていても良いし、開口側に向けて次第に肉厚が厚くなる構成であっても良い。或いは、操作ナット18側と開口15c側との間に、周方向繊維層が薄くなる領域があったり、周方向繊維層が存在しない領域があっても良い。
また、本実施形態では、フード部15Aの全長に亘って、均一の肉厚の軸長方向繊維層31が配設されているため、撓み方向に作用する負荷に対する強度の向上が図れる。
図7(a)及び(b)は、それぞれフード部の別の実施形態を示す図である。
上記した実施形態では、フード部15Aの肉厚は、開口側を厚くしたが、軸長方向に亘って均一の肉厚にしても良い。この場合、開口側では、周方向に指向する強化繊維の割合を多くすることから、図7(a)に示すように、内層側に配設される周方向繊維層40は膨出部15aの領域において、開口側に移行するに従い次第に厚肉化され、かつ、その厚肉化に伴い、軸長方向繊維層41は次第に薄肉厚化するようにしている。
上記のような周方向繊維層40及び軸長方向繊維層41を有するフード部15Aは、例えば、図8に示すプリプレグシート40,41によって成形することが可能である。すなわち、フード部15Aの内層側は、強化繊維40Aが周方向に引き揃えられたプリプレグシート40を巻回することで周方向繊維層とされる。ここで、プリプレグシート40は、その後端縁40bがマンドレルに対して1プライ、前端縁40aがマンドレルに対して2プライされるように傾斜縁40cを備えた構成となっており、このように裁断されたプリプレグシート40を巻回することによって、図7(a)に示すように、周方向繊維層40を、膨出部15aにおいて開口側に向けて次第に厚肉化することが可能となる。
また、フード部15Aの外層側は、強化繊維41Aが軸長方向に引き揃えられたプリプレグシート41を巻回することで軸長方向繊維層とされる。ここで、プリプレグシート41は、その後端縁41bがマンドレルに対して2プライ、前端縁41aがマンドレルに対して1プライされるように傾斜縁41cを備えた構成となっており、このように裁断されたプリプレグシート41を巻回することによって、図7(a)に示すように、軸長向繊維層41を、膨出部15aにおいて開口側に向けて次第に薄肉厚化することが可能となる。
このように、フード部15Aの肉厚を軸長方向に亘って均一化するとともに、開口側における周方向に指向する強化繊維の割合を多くすることで、より効率的に強度を維持しつつ、全体を薄肉厚化、軽量化することが可能となる。この場合、フード部15Aでは、リール脚を締め付け固定した状態で魚釣用リールに対して元竿杆3の周りに大きな負荷が作用すると、リール脚の中心から距離が離れた位置程(リール脚71の基端側脚部71bの先端程)、撓み方向の負荷が大きくなる。上記したように、軸長向繊維層41は膨出部15aの基端側の方が厚肉化されているため、フード部としてより効率的に強度を維持して、薄肉厚化、及び軽量化を図ることが可能となる。
なお、上記した構成では、周方向に指向する繊維の割合を、膨出部15aの領域で開口側に移行するに従い次第に厚肉化したが、図7(b)に示すように、膨出部15aの領域において略均一となるように構成しても良い。
また、上記した実施形態では、強化繊維が一方向(周方向)に引き揃えられたプリプレグシートを用いたが、織布状に編成したプリプレグシートを用いても良い。例えば、図9に示すように、周方向に指向した強化繊維51A、及び軸長方向に指向した強化繊維51Bを織布状にしたプリプレグシート51を本体層として用いることも可能である。このような構成のプリプレグシートは、上述した実施形態と同様、後端縁51bをマンドレル(図5参照)の円柱部80bの部分に位置合わせし、前端縁51aをマンドレルの膨出部80aの傾斜端部80dに位置合わせして巻回される。そして、このように巻回されたプリプレグシート51の内層側には、強化繊維50Aが周方向に引き揃えられた補強用のプリプレグシート50が巻回される。このプリプレグシート52は、後端縁50bがマンドレルの膨出部80aの中間部に位置合わせされ、前端縁50aがプリプレグシート51の前端縁51aと一致するように位置合わせされて巻回される。
上記したプリプレグシート50,51でフード部15Aを成形しても、周方向に指向する強化繊維の割合が、操作ナット側よりも開口側の方が多くなるように配設されることから、上述した実施形態と同様な作用効果を発揮することが可能となる。また、フード部の表面は、強化繊維が編成された織布層となるため、強化繊維の裂けや剥離が効果的に防止でき、強度の向上、及び安定化が図れるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した構成に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
本発明は、上述したように、リール脚固定装置のフード部を、繊維強化樹脂材によって成形するに際し、周方向に指向する強化繊維の割合を、操作ナット側よりも開口側の方が多くなるようにすることで、効率的に強度を向上して軽量化、薄肉厚化を図ることに特徴がある。このため、フード部を成形するプリプレグについては、強化繊維の種類や弾性率、樹脂含浸量、肉厚などの構成、及び積層状態等については、種々変形することが可能である。また、上記した実施形態では、撓みに対する強度を向上するために、軸長方向に指向する強化繊維を用いたが、軸長方向に対して所定の角度を有する斜向方向に指向した強化繊維を用いても良い。このような斜向方向に指向する強化繊維を用いることで、膨出部15aや円筒部15bにおける捩じれ方向に対する強度を向上することが可能となる。
前記フード部15Aの円筒部15bは、周方向に指向する強化繊維が存在しなくても良いが、操作ナット18との合わせ部分であるとともに真円となっているため、周方向繊維層が存在することが好ましい。また、フード部15Aの開口側についても周方向繊維層のみで構成しても良いが、軸長方向繊維層、織布層、斜向方向繊維層が存在することが好ましい。この場合、周方向を含んで三方向に強化繊維が指向した状態となるプリプレグを用いることで、効率良く、軽量で強度的に優れたフード部とすることが可能となる。
上記したリール脚固定装置のフード部15Aは、膨出部15aを有する構成となっていたが、フード部としては膨出部がない構成であっても良い。例えば、図10及び図11に示すように、移動フード15のフード部15Aを円筒部15bで構成し、操作ナット18の外径と同一の外径にしたまま、膨出部を形成することなく、リール脚を挿入する開口15cを形成することも可能である。このような構成では、フード部15Aの内面に取着されるパッド部材16を、図3に示した構成よりも多少厚肉化して、挿入されるリール脚と対応する内面を具備した形状に形成すれば良い。このようなフード部15Aによれば、フード部を成形するためのマンドレルは円柱状に構成することができ、上述したようなプリプレグシートの巻回作業が容易に行えるようになる。
また、上記した構成については、固定フード13のフード部13Aに適用しても良い。この場合、固定フードでは、周方向の強化繊維の割合が、基端側よりも開口側が多くなるように構成されていれば良い。さらに、上記したように成形されるフード部については、外観向上や表面の保護のために塗装をしたり、金属やセラミックスを蒸着等しても良い。
10 リール脚固定装置
13A,15A フード部
15a 膨出部
15b 円筒部
15c 開口
30,32,40 周方向繊維層
70 魚釣用リール
71 リール脚

Claims (1)

  1. 魚釣用リールのリール脚が挿入される開口を具備し、複数のプリプレグシートを積層して成形される筒状のフード部を操作ナットによって軸方向に移動させるリール脚固定装置において、
    前記フード部は、軸長方向に亘って均一肉厚であると共に、周方向に強化繊維が指向した周方向繊維層が内層側に、軸長方向に強化繊維が指向した軸長方向繊維層が外層側に配設されており、
    前記周方向に指向する強化繊維の割合が、前記操作ナット側よりも前記開口側の方が多く、前記周方向繊維層は開口側に移行するに従い次第に厚肉化され、かつ、その厚肉化に伴い、前記軸長方向繊維層は次第に薄肉厚化されていることを特徴とするリール脚固定装置。
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