JP3558252B2 - 半導体メモリ試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体メモリに試験パターンを与える論理比較試験において、不一致が発生した不良メモリセルの情報を不良解析メモリに記憶させる半導体メモリ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2に従来のメモリ試験装置全体の基本構成を示す。メモリ試験装置はタイミング発生器11,パターン発生器12,不良解析メモリ16,波形整形器13,論理比較器15により構成され、被試験メモリ14の試験を行う。
タイミング発生器11で発生する基準クロックに従ってパターン発生器12は被試験メモリ14に与えるアドレス信号ADR,試験データDAT,制御信号CONTを出力する。
【0003】
これらの信号ADR,DAT,CONTは波形整形器13に与えられ、ここで試験に必要な波形に整形して被試験メモリ14に印加される。被試験メモリ14は、制御信号CONTによって、試験データDATの書込み、読み出しの制御が行われている。被試験メモリ14から読み出された試験データRDATは論理比較器15に与えられ、ここでパターン発生器12から出力される期待値データPDATと読み出しデータRDATとが比較され、その一致、不一致により被試験メモリ14の良否判定を行う。不一致のときは、不良解析メモリ16にフェイル・データが格納される。
【0004】
図3に従来の不良解析メモリ16の概略の構成を示す。不良解析メモリ16はアドレス選択部16Aと、メモリコントロール部16Bと、メモリ部16Cとによって構成される。メモリ部16Cはアドレス選択部16Aからの下位アドレス信号によってアクセスされる。アドレス選択部16Aはパターン発生器12から発生されたアドレス信号ADRを任意に選択できるようになっており、上位アドレス信号はメモリコントロール部16Bへ、下位アドレス信号はメモリ部16Cへ供給され、メモリコントロール部16Bは論理比較器15からのフェイルデータFLAによってメモリ部16Cに書込み信号を与え、メモリ部16Cのセルに被試験メモリ14の不良情報を格納する。試験終了後、メモリ部16Cの内容を調べることにより、被試験メモリ14の不良アドレスの解析を行う。
【0005】
近年メモリICは、大容量化、高集積化などがますます進んできている。それに伴い、1個のメモリIC内に1つでも不良セルが存在すると、そのIC全体を不良品としてしまう方式では、生産性(歩留まり)が上がらなくなってしまう。そのため、メモリICの不良セルを救済するためにメモリICは内部に冗長構成を持つようになっている。
【0006】
冗長構成とは、メモリIC内に予め予備セルを持たせておき、不良セルがある場合はメモリICの製造プロセスの途中でその不良セルを予備セルに置き換え、そのメモリIC全体としては良品とすることにより、生産性を上げるものである。半導体試験装置において、不良セルを検出し、予備セルに置き換えるための救済解析を求める際に不良解析メモリ16が使用される。
【0007】
図4Aにデータ(I/O)幅が4ビット、ワード数(アドレス深さ)が4の被試験メモリ14の内部構成例を示す。一般にメモリICはアドレスデコーダ14Aと、主メモリセルアレイ14Bと、予備セル14Cとを具備して構成され、外部からアドレスデコーダ14Aに入力されるアドレス信号ADRに従って、主メモリセルアレイ14BのアドレスADR1,ADR2,ADR3,ADR4がアクセスされ、各メモリセルMCLに書込み、読み出しが行われる。
【0008】
不良解析メモリ16を用いての救済解析の結果、図4Bに示すように不良セルFLMCLが存在していることが分かった場合、この情報をもとに図4Cのように、不良アドレスのメモリセルMCLを予備セル14Cで置き換え、不良品を良品化する。この置き換えは、専用のリペア装置(レーザー・トリマまたは電気ヒューズ方式など)を用いて行われる。
【0009】
救済解析を行うため、被試験メモリ14のすべてのフェイル・データ(不良セルFLMCLを表すデータ)を不良解析メモリ16に取り込むと容量も大きくなり、それらのデータを用いて行う解析の時間も長くなる。図4Aに示すメモリの内部構成では、予備セル14Cは各データ(I/O)にまたがるライン構造を取っている。そのため、1ワード中のI/O方向に1つでも不良セルFLMCLが存在した場合、1ワード分のI/Oを一括して予備セル14Cに置き換える必要がある。救済解析用の情報として必要なのは、各ワードに不良セルFLMCLが存在するかどうかなので、I/O方向のすべてのフェイル・データをORゲートで論理和をとって1ビットに圧縮しても、救済解析用の情報として必要十分である。こうすることで、フェイル・データも小さくなり、解析時間も短くなる。フェイル・データのI/O方向の論理和をとり、新しいフェイル・データとすることをフェイル・データI/O圧縮と呼ぶ。
【0010】
図5及び図6に従来の不良解析メモリ16に設けられたフェイル・データ圧縮機能の概念を示す。図5に示す例では4個の被試験メモリを試験する場合を示す。このため4台の論理比較器15A〜15Dから4個の被試験メモリ(図5及び図6には特に図示しない)を試験した論理比較結果がフェイル・データFLA〜FLDとして出力される。
【0011】
これらのフェイル・データFLA〜FLDは各不良解析メモリ16に設けられたフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20に入力され、このフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20において多ビットのフェイル・データFLA〜FLDを1ビットのフェイル・データに圧縮し、その圧縮したフェイル・データをメモリ部16Cに書き込む構成とされる。
【0012】
フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20の構成を図6に示す。フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20にはフェイル・データFL0〜FL3のビット数に対応した数のビット位置設定手段21A〜21Dを有し、各ビット位置設定手段21A〜21Dに設けたビット位置設定レジスタ22A〜22Dに設定するデータによって圧縮モードと非圧縮モード及び圧縮モードにおいて出力するビット位置の設定を行うことができるように構成されている。
【0013】
つまり、図6に示すようにビット位置設定手段21Aに設けたビット位置設定レジスタ22Aに“1,1,1,1”を設定し、他のビット位置設定レジスタ22B〜22Dに“0,0,0,0”を設定した場合は、圧縮モードでその圧縮したフェイル・データを第1ビットCFL0に出力する状態に設定される。一方、ビット位置設定レジスタ22Aに“0,0,0,1”を設定し、ビット位置設定レジスタ22Bに“0,0,1,0”を設定し、ビット位置設定レジスタ22Cに“0,1,0,0”を設定し、ビット位置設定レジスタ22Dに“1,0,0,0”を設定すると、各フェイル・データFL0,FL1,FL2,FL3はそれぞれフェイル・データFL0はビット位置CFL0に出力され、フェイル・データFL1はビット位置CFL1に出力され、フェイル・データFL2はビット位置CFL2に出力され、フェイル・データFL3はビット位置CFL3に出力される。つまり、圧縮せずにメモリ部16Cに書き込まれる。
【0014】
このようにして従来は、各不良解析メモリ16にフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20を設け、各不良解析メモリ16ごとに圧縮モードと非圧縮モードで動作するように構成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
例として不良解析メモリ16のメモリ部16Cのデータ幅を4ビット、アドレス深さを16アドレスの場合で説明する。図7に示すように、メモリの救済解析に必要なフェイル・データをI/O圧縮して不良解析メモリ16に取り込む場合、フェイル・データをI/O圧縮することで使用するメモリ容量が削減されるので、余った容量M1,M2,M3をアドレス方向に連結してより深いアドレス深さの被試験メモリのフェイル情報を格納することができる。しかしながら、被試験メモリ14のアドレス深さが不良解析メモリ16のメモリ部16Cのアドレス深さより少ない場合、メモリ部16Cには未使用部分が発生する欠点がある。
【0016】
その状況を以下に説明する。半導体メモリ試験装置では同じ種類の複数の被試験メモリ14を同時に測定する場合が多い。これを同測と呼んでいる。4つの被試験メモリ14の同測時、図4で示したものと同じ被試験メモリ14の救済解析用フェイル・データを取り込む場合について図5に示す。従来より不良解析メモリ16のデータ幅は、測定する被試験メモリ14の圧縮前のデータ(I/O)幅と同じ大きさに採り、圧縮しないフェイル・データも記憶できる構成をとっている。従って、被試験メモリ14の圧縮前のデータ(I/O)幅が4ビットのため、データ幅が4ビットのメモリ部16Cがそれぞれの被試験メモリ14に対して必要となる。救済解析用フェイル・データを取り込む際は、各アドレスでデータ(I/O)を1ビットに圧縮して使用するため、残りの3ビット×4ワードの分のメモリ部16Cにはフェイル情報が格納されない。余ったメモリ部16Cに他の被試験メモリ14のフェイル・データを割り付けることができないため、被試験メモリ14間でメモリ部16Cを共用化することができない。そのため救済解析に必要なフェイル・データを格納する分のメモリ部16Cの容量以外、同測個数×(圧縮前のデータ幅−圧縮後のデータ幅)分の不良解析メモリのメモリ部16Cが無駄になる。被試験メモリ14のデータ幅と、圧縮後のデータ幅の差が大きくなると、より多くの不良解析メモリが使用されない状態になる。
【0017】
今後、DRAM等の半導体メモリにおいて、データ転送の高速性を確保するためにデバイスの動作周波数の高速化と共にデータ幅の増大が予想される。なおかつ、多様な冗長構成のメモリを試験するため、フェイル・データI/O圧縮を行う場合も多くなる。またメモリIC1個当たりの試験に掛かるコストを抑えるため、半導体メモリ試験装置の1台当たりの同測個数も増加の一途をたどっている。同測数が増加するに従って、それにあわせて不良解析メモリ部の数を増加させていたのでは、半導体メモリ試験装置が大きく高価なものになりすぎてしまう。
【0018】
この発明の目的は、圧縮されたフェイル・データを記憶する場合に、無駄なメモリセル(未使用となるメモリセル)が発生しない不良解析メモリの構成を提案するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
複数の被試験メモリに試験パターンを与え、この試験パターンを各被試験メモリに一時記憶させると共に、その記憶を読み出し、その読み出した出力データと期待値パターンとを論理比較器にて比較し、不一致が発生したことによって被試験メモリの不良メモリセルを検出し、その不良メモリセルの情報を各被試験メモリに対応して設けた不良解析メモリの各不良発生アドレスにそれぞれ記憶させ、被試験メモリが救済可能か否かを判定する半導体メモリ試験装置において、
各アドレスに被試験メモリの数に対応する数のビットのメモリセルを具備した不良解析メモリを設け、各ビットのメモリセルに対して複数の被試験メモリを対応させ、各被試験メモリの不良発生を各ビットのメモリセルに圧縮して記憶させるように構成した半導体メモリ試験装置を提案する。
【0020】
この発明の構成によれば、圧縮されたフェイル・データを記憶させる限りでは被試験メモリの数に対応する数のビット幅を持つメモリ部を用意すれば、そのメモリ部を余すことなく使用してフェイル・データを記憶し、救済可能か否かを解析することができる。従って、この発明によれば不良解析メモリの容量を小さくすることができ、装置全体のコスト低減が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明による半導体メモリ試験装置に用いる不良解析メモリ16の構成を示す。この発明では不良解析メモリ16にフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段を複数設ける。図1に示す例では20A,20B,20C,20Dの4個のフェイル・データ圧縮部を設け、更にこれら各フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20A〜20Dの後段にフェイル・データマルチプレックサ部30を設ける。
【0022】
フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20A〜20Dはそれぞれ図5に示したフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20の構成と同じ構成を有し、それぞれにおいてフェイル・データの圧縮と、ビット位置を任意のビット位置CFL0〜CFL3に設定できる構成とされる。従って、図1の例ではフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20Aにおいて、フェイル・データFLAを圧縮すると共に、その圧縮したフェイル・データをビット位置CFL0に出力するように設定した場合を示す。このビット位置の設定は図6に示したビット位置設定レジスタ22Aに“1,1,1,1”を設定して実現される。
【0023】
フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20Bではフェイル・データFLBを圧縮し、更にその圧縮したフェイル・データをビット位置CFL1に出力するように設定した場合を示す。フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20Cではフェイル・データFLCを圧縮すると共に、その圧縮したフェイル・データをビット位置CFL2に出力するように設定した場合を示す。フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20Dではフェイル・データFLDを圧縮すると共に、その圧縮したフェイル・データをビット位置CFL3に出力するように設定した場合を示す。
【0024】
各フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20A〜20Dから出力されたフェイル・データは、フェイル・データマルチプレックサ部30に入力され、制御信号CMBを“1”論理とすることによりフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20A〜20Dで圧縮処理した全ての出力がメモリ部16Cに供給され、メモリ部16Cの各ビット位置CFL0,CFL1,CFL2,CFL3のそれぞれに書き込まれる。
【0025】
フェイル・データマルチプレックサ部30に入力する制御信号CMBを“0”論理に設定すると、フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20B〜20Dの出力はメモリ部16Cに供給されることが阻止される。従って、この場合はフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段20Aが単独でメモリ部16Cを使用することができ、フェイル・データを圧縮することなく記憶させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば多数のメモリを試験する場合には各被試験メモリのフェイル・データを圧縮し、その圧縮したフェイル・データを不良解析メモリ16内のメモリ部16Cが持つビット位置に割り付けて記憶することができるから、多数の被試験メモリに対して1台の不良解析メモリ16でフェイル・データを記憶し、救済可能か否かを解析することができる。
【0027】
また、1個のメモリを試験する場合には、フェイル・データを圧縮することなく記憶し、不良セルの位置等を知り、不良の発生原因を解明する等に利用できる。よって、1台の不良解析メモリを有効に利用することができるから、装置の大型化及び高価格化を阻止できる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の要部の構成を説明するためのブロック図。
【図2】半導体メモリ試験装置の概要を説明するためのブロック図。
【図3】半導体メモリ試験装置に用いられる不良解析メモリの構成を説明するためのブロック図。
【図4】半導体メモリの内部構造を説明するためのブロック図。
【図5】従来の多数同測時のフェイル・データの圧縮と不良解析メモリへのフェイル・データの書込みの方法を説明するためのブロック図。
【図6】図5に示したフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段の内部構成を説明するためのブロック図。
【図7】従来のフェイル・データ圧縮方法を説明するための図。
【符号の説明】
11 タイミング発生器
12 パターン発生器
13 波形整形器
14 被試験メモリ
15 論理比較器
16 不良解析メモリ
16C メモリ部
20,20A〜20D フェイル・データ圧縮ビット位置設定手段
30 フェイル・データマルチプレックサ部

Claims (1)

  1. 複数の被試験メモリに試験パターンを与え、この試験パターンを各被試験メモリに一時記憶させると共に、その記憶を読み出し、その読み出した出力データと期待値パターンとを論理比較器にて比較し、不一致が発生したことによって上記被試験メモリの不良メモリセルを検出し、その不良メモリセルの情報を各被試験メモリに対応して設けた不良解析メモリの各不良発生アドレスにそれぞれ記憶させ、被試験メモリが救済可能か否かを判定する半導体メモリ試験装置において、
    上記複数の被試験メモリの各試験結果として得られる多ビットのフェイル・データを上記複数の被試験メモリ毎に任意のビット位置の1ビットのフェイル・データに圧縮するフェイル・データ圧縮ビット位置設定手段と、上記複数の被試験メモリ毎に得られた1ビットのフェイル・データを1台の不良解析メモリのメモリ部が受け持つ各ビットの位置に割り付けて記憶させる状態と、所定の被試験メモリのフェイル・データの全てのビットを不良解析メモリに記憶させた状態とに切替るフェイル・データマルチプレクサ部とを設けた構成としたことを特徴とする半導体メモリ試験装置。
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