JP3547342B2 - ワイヤーロープの磁気探傷装置 - Google Patents

ワイヤーロープの磁気探傷装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばエレベータの乗かごを吊り下げるワイヤーロープ等の損傷部を検出するのに好適なワイヤーロープの磁気探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤーロープは、エレベータの乗かごを吊り下げる場合や、クレーン等により荷を吊り下げる場合に多く使用されている。このように使用されるワイヤーロープは、劣化に伴い損傷し、素線の破損や断線が生じる。この素線の破損や断線が進行すると、ワイヤーロープ自体が断線し、重大な事故につながるおそれがある。
【0003】
そこで、例えばエレベータに使用されるワイヤーロープに関しては、保守員が定期的に、ワイヤーロープの素線に破損や断線がないかどうかを点検する点検作業が行われている。この点検作業は、JIS4305に規定されているロープ判定基準に従い、昇降機検査士または保全技術者が直接目視で損傷部の損傷程度を確認しなければならない。ところが、建物の高層化に伴いワイヤーロープも長くなるため、高層ビル等の建物におけるワイヤーロープの点検作業は困難になっている。
【0004】
このような困難を解消するために、従来からワイヤーロープの損傷部を磁気により検出する磁気探傷装置が用いられている。
【0005】
例えば特開平9−210968号公報では、近接して複数本平行に架設されたワイヤーロープを点検する際に用いられる磁気探傷装置が挙げられてる。
【0006】
この磁気探傷装置は、ワイヤーロープを磁化し、このワイヤーロープの損傷部から漏れる漏洩磁束を検出する検出器と、この検出器で検出された漏洩磁束を判定する判定回路とが備えられる。
【0007】
検出器は、U字溝が形成され、点検対象のワイヤーロープを磁化する一対の磁極と、この一対の磁極を励磁する2つの永久磁石とを有する。一対の磁極間の中央には、一対の誘導コイルから成り、磁化されたワイヤーロープが一対の磁極に対し相対移動した場合に、ワイヤーロープの損傷部から漏れる漏洩磁束を検出する検出コイルが設けられる。
【0008】
また、この検出器は、一対の磁極のそれぞれに形成されるU字溝間に、断面形状がU字形状の非磁性ガイド部材が架設され、複数平行に架設されるワイヤーロープのうちの、点検対象のワイヤーロープをガイドするガイド部を有する。
【0009】
このガイド部の両側には、点検対象のワイヤーロープに隣接するワイヤーロープが接触する接触板が設けられる。この接触板の一方の端部付近には、隣接するワイヤーロープの接触面がガイド部側に傾斜し、隣接するワイヤーロープに接触しない傾斜面が設けられる。
【0010】
このように構成される磁気探傷装置は、複数平行に架設されたワイヤーロープを点検する場合、点検対象のワイヤーロープを検出器のガイド部内に位置させる。
【0011】
そして、ワイヤーロープを一対の磁極間で軸方向に相対移動させる。もしくは検出器をワイヤーロープの軸方向に沿って相対移動させる。
【0012】
このとき、ワイヤーロープは、永久磁石によって磁極を介して磁化される。このワイヤーロープは、検出器に対して相対移動する。このワイヤーロープに損傷部がある場合、この損傷部から漏洩磁束が生じる。この損傷部が検出コイルとすれ違うとき、検出コイルはこの漏洩磁束によって誘導出力を発生する。このとき、検出コイルを構成する一対の誘導コイル間では、差動出力が生じる。判定回路は、この差動出力を処理する。これにより、ワイヤーロープの損傷部が検出される。
【0013】
また、このとき、隣接するワイヤーロープは、接触板に吸引され、接触板の傾斜面を除いた部分に接触した状態で、このガイド部の接触板に沿って、この接触面との間で相対移動する。これらの隣接するワイヤーロープは、表面に形成されるストランドによる凹凸が接触板の一方の端部に接触することなく接触板に対して相対移動する。これにより、振動によるノイズを低減させることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の磁気探傷装置では、永久磁石によってワイヤーロープを磁化すると、点検対象のワイヤーロープはガイド部に吸引されて接触したまま相対移動する。また、隣接するワイヤーロープは、ガイド部の両側の接触板に吸引されて接触したまま相対移動する。これにより、ワイヤーロープと検出器との相対移動が円滑に行われない。
【0015】
これにより、例えば、エレベータの昇降路内に架設されるワイヤーロープを点検する場合、検出器がワイヤーロープに引き付けられるため、軸方向に移動するワイヤーロープに対し、検出器を定位置に安定した状態で保持することが困難である。
【0016】
また、例えば、保守員が検出器を手に持ち、この検出器を移動させて、ワイヤーロープに対して相対移動させる場合、ガイド部が点検対象のワイヤーロープに接触したり離れたりすることがあり、検出器の操作が困難である。
【0017】
本発明の目的は、ワイヤーロープと検出器の相対移動を円滑に行うことができるワイヤーロープの磁気探傷装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ワイヤーロープを磁化する一対の磁極と、この一対の磁極が設けられる鉄心と、この鉄心に巻装され、交流電流が流されることにより一対の前記磁極を励磁する励磁コイルと、この一対の磁極間に位置し、一対の前記磁極により磁化された前記ワイヤーロープが、一対の前記磁極に対し軸方向に相対移動したときに生じる磁束変化を検出する検出コイルとを有する検出部を具備するとともに、一対の前記磁極間に架設され、一方の前記磁極位置から他方の前記磁極位置へ相対移動する前記ワイヤーロープをガイドするガイド部を具備する検出器を備えるワイヤーロープの磁気探傷装置において、前記ガイド部が、一対の前記磁極間に架設されるU字ガイド部と、このU字ガイド部を挟んで線対称に配置され、一対の前記磁極間に架設される2つのJ字ガイド部とを具備するとともに、前記検出器を制御する制御装置を備え、この制御装置が、前記励磁コイルに流す前記交流電流の周波数を、前記ワイヤーロープの内部の損傷を検出する場合を考慮した低周波数と、前記ワイヤーロープの表面の損傷を検出する場合を考慮した高周波数とに切り替え可能な周波数切替スイッチを具備し、前記低周波数が50Hzもしくは60Hzに設定されるとともに、前記高周波数が10KHz〜20KHzに設定されることを特徴としている
【0019】
このように構成した請求項1に係る発明では、ワイヤーロープを点検する際、点検対象のワイヤーロープが、U字ガイド部内に位置する。また、隣接するワイヤーロープが、J字ガイド部の曲面に沿って位置する。
【0020】
励磁コイルには、交流電流が流される。この励磁コイルは、一対の磁極を励磁する。この一対の磁極は、周波数に応じてS極とN極が交互に入れ替わる。これにより、点検対象のワイヤーロープは、一対の磁極の極の入れ替わりに応じて振動する。また、隣接するワイヤーロープも、一対の磁極の極の入れ替わりに応じて振動する。
【0021】
そして、この点検対象のワイヤーロープは、一対の磁極に対して軸方向に相対移動する。また、隣接するワイヤーロープも、一対の磁極に対して軸方向に相対移動する。
【0022】
U字ガイド部は、一対の磁極間で軸方向に相対移動する点検対象のワイヤーロープをガイドする。また、J字ガイド部は、一対の磁極間で軸方向に相対移動する隣接するワイヤーロープをガイドする。
【0023】
検出コイルは、点検対象のワイヤーロープに生じる磁束変化を検出する。点検対象のワイヤーロープに損傷がある場合、その損傷部からは漏洩磁束が発生する。検出コイルは、損傷部が通過するとき漏洩磁束により起電力を発生する。これにより、損傷部が検出される。
【0025】
このように、U字ガイド部に沿って相対移動する点検対象のワイヤーロープは、一対の磁極の極の入れ替わりに応じて振動し、磁極側に接触した状態のまま相対移動することはない。また、J字ガイド部に沿って相対移動する隣接するワイヤーロープは、一対の磁極の極の入れ替わりに応じて振動し、磁極側に接触した状態のまま相対移動することはない。これにより、点検対象のワイヤーロープおよび隣接するワイヤーロープと検出器との相対移動を円滑に行うことができる。
【0039】
また、請求項に係る発明では、制御装置が、励磁コイルに流す交流電流の周波数を、ワイヤーロープの内部の損傷を検出する場合を考慮した低周波数と、ワイヤーロープの表面の損傷を検出する場合を考慮した高周波数とに切り替え可能な周波数切替スイッチを具備し、低周波数が50Hzもしくは60Hzに設定されるとともに、高周波数が10kHz〜20kHzに設定されることを特徴としている。
【0040】
このように構成した請求項に係る発明では、ワイヤーロープを点検する際、励磁コイルに低周波すなわち50Hzもしくは60Hzの交流電流を流し、ワイヤーロープの内部に生じた損傷を検出する。また、励磁コイルに高周波すなわち10kHz〜20kHzの交流電流を流し、ワイヤーロープの表面に生じた損傷を検出する。このようにすれば、損傷部がワイヤーロープの内部にあるのか、表面にあるのかを把握でき、ワイヤーロープの損傷部の損傷程度を目視して確認する場合にその損傷部を簡単に探し当てることができる。
【0042】
また、請求項に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記検出器、上面に取っ手が設けられ、この取っ手を握る手の指の届く位置に、前記励磁コイルへの前記交流電流の供給と停止を操作可能なスイッチを有することを特徴としている。
【0043】
このように構成した請求項に係る発明では、ワイヤーロープを点検する際、励磁コイルへの交流電流の供給と停止を適宜操作し、長時間に渡って励磁コイルに交流電流が励磁コイルに供給されることを防止する。これにより、必要以上の電流が励磁コイルに流れることがなく、励磁コイルの過熱を防止することができる。
【0046】
また、請求項に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記検出器が、前記ワイヤーロープおよびこのワイヤーロープの周囲を照らす照明灯を具備することを特徴としている。
【0047】
このように構成した請求項に係る発明は、ワイヤーロープを点検する際、例えばエレベータの昇降路内のように作業現場が暗い場合には、照明灯によりワイヤーロープおよびワイヤーロープの周囲がれらされる。これにより、昇降路内に架設されるワイヤーロープに沿ってガイド部を簡単に配置できる。
【0050】
また、請求項に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記検出器、一方の側面に、前記検出部を吊り下げることが可能なリング部材を有することを特徴としている。
【0051】
このように構成した請求項に係る発明では、ワイヤーロープを点検する際、例えばエレベータの昇降路の天井などに一方の端部を固定した紐体の他方の端部を、リング部材に取り付ける。これにより、軸方向に移動する点検対象のワイヤーロープに対し、検出器を定位置に安定させた状態で保持することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のワイヤーロープの探傷装置を図に基づいて説明する。
【0053】
図1は、本発明の実施形態の全体構成を示す斜視図、図2は、図1の検出器を示す正面図、図3は、図1の検出器を示す一方の側面図、図4は、検出器を示す下面図、図5は、図1の検出器に備えられる検出部を示す説明図、図6は、図1の検出器に備えられる検出部の構造を示す説明図、図7は、図1の検出器のガイド部を示す側面図、図8は、図6のU字ガイド部材を矢印D1方向から見た場合のU字拡開部を示す説明図、図9は、図6のJ字ガイド部材を矢印D2方向から見た場合のJ字拡開部示す説明図、図10は、図1の検出器を巻上機の設置枠に立設させた状態を示す説明、図11は、図1の制御装置の正面図、図12は、図1の制御装置の側面図、図13は、図1の検出器を吊り下げた状態を示す斜視図である。
【0054】
本実施形態は、例えばエレベータの昇降路内に架設されるワイヤーロープの点検作業の際に用い、次のように構成してある。
【0055】
本実施形態は、図1に示すように、ワイヤーロープの損傷部を検出する検出器1と、この検出器1に接続され、検出器1を制御する制御装置3とを備える。
【0056】
検出器1は、図5,6に示すように、検出部11と、この検出部11を覆う検出器ケース9とを具備する。
【0057】
この検出部11は、ワイヤーロープ50を磁化する一対の磁極14A、14Bを有するコの字形状の鉄心14を具備する。この鉄心14には、この鉄心14を励磁する励磁コイル15を巻装してある。また、一対の磁極14A,14B間には、磁化されたワイヤーロープ50が、一対の磁極14A,14Bに対して相対移動しているときに生じる磁束変化を検出する検出コイル16を設けてある。
【0058】
また、この検出部11には、図7に示すように、ワイヤーロープ50の軸方向の移動をガイドするガイド部、すなわち点検対象のワイヤーロープ50をガイドするU字ガイド部17と、ワイヤーロープ50に平行に架設され、ワイヤーロープ50に隣接するワイヤーロープ50A,50BのそれぞれをガイドするJ字ガイド部21,22を設けてある。検出コイル16は、U字ガイド部17の中央に配置される。
【0059】
U字ガイド部17は、図6,7に示すように、一対の磁極14A,14BのそれぞれにU字形状に形成されるU字溝18,18Aと、これらのU字溝18,18A間に架設され、断面形状がU字形状に形成されるU字ガイド部材17Aとによって設けてある。このU字ガイド部材17Aは、例えば非磁性体であるステンレスから成り、U字形状の凹曲面部分は、ワイヤーロープ50の周側面の形状に対応している。
【0060】
また、U字ガイド部材17Aは、図8に示すように、中間部分の内壁面が所定位置から端部に向かって徐々に広がるように形成されるU字拡開部17a,17bを有する。
【0061】
また、U字ガイド部材17Aには、図7に示すように、U字ガイド部材17Aの内面を覆う防音シート23を貼り付けてある。
【0062】
また、U字ガイド部材17Aの中央には、検出コイル16を貼り付けてある。この検出コイル16は、U字ガイド部材17Aの外壁面のU字形状の対応した形状に形成してあり、この外壁面に沿って貼り付けてある。
【0063】
また、U字ガイド部材17Aと鉄心14との間に形成される空間には、樹脂が充填してある。
【0064】
なお、U字ガイド部17は、長手方向の長さ寸法が、例えば8cm程度に設定してある。
【0065】
J字ガイド部21は、図6,7に示すように、一対の磁極14A,14BのそれぞれにJ字形状に形成されるJ字切り欠き部18C,18Dと、これらの切り欠き部18C,18D間に架設されるJ字ガイド部材21Aとによって設けてある。また、J字ガイド部22は、同図6,7に示すように、一対の磁極14A,14BのそれぞれにJ字形状に形成されるJ字切り欠き部18B,18Eと、これらの切り欠き部18B,18E間に架設されるJ字ガイド部材22Aとによって設けてある。
【0066】
J字切り欠き部18B,18Cは、U字溝18を挟んで線対称に設けられ、J字切り欠き部18D,18Eは、U字溝18Aを挟んで線対称に設けてある。J字ガイド部材21A,22AはJ字形状の凹曲面部分をワイヤーロープ50A,50Bのそれぞれの周側面の曲面形状に対応させてある。
【0067】
J字ガイド部材21Aは、図9に示すように、中間部分の壁面が所定位置から端部に向かって徐々に広がるように形成されるJ字拡開部21a,21bを有する。J字ガイド部材22Aは、同図9に示すように、中間部分の壁面が所定位置から端部に向かって徐々に広がるように形成されるJ字拡開部22a,22bを有する。
【0068】
また、J字ガイド部材21A,22Aのそれぞれには、図7に示すように、防音シート24A,24Bを貼り付けあてる。
【0069】
なお、J字ガイド部21,22は、長手方向の長さ寸法が、U字ガイド部17と同寸法の8cm程度に設定してある。
【0070】
検出器ケース9は、検出器1の上面、正面、背面および下面のガイド部17,21,22を除く部分を覆う1枚の板体と、一方の側面を覆う板体から成る平坦部9Bと、他方の側面を覆う板体9Aとから成る。検出器1は、一方の側面の平坦部9Bによって、検出器1を卓上などに立設させることが可能である。
【0071】
なお、平坦部9Bの中央には、図示しないねじ穴が設けてある。このねじ穴は、巻上機の設置枠47に取り付けられる図示しない所定の固定具に、検出器1を設置する場合に、検出器1と固定具とを螺着するものである。
【0072】
また、この検出器1の上面には、図1,2に示すように、取っ手10を設けてある。この取っ手10は絶縁体から成る。この取っ手10の付近には、この取っ手10を握る手の指が届く範囲に、励磁コイル15への交流電流の供給および供給の停止を操作可能なスイッチ12を設けてある。このスイッチ12は、押した状態で回動させるとロックし、励磁コイル15への通電状態を保持する。
【0073】
また、この検出器1は、検出器ケース9の下部から突出する検出部11部分の長手方向の両側に設けられ、検出器1内部の励磁コイル15で発生した熱を逃がす放熱部44を具備する。この放熱部44は、複数の穴を有する板体から成る。
【0074】
また、この検出器1の上面には、ジャック13を設けてある。ジャック13は、検出器1と制御装置3とを電気的に接続する接続コード5の一方の端子が接続される。
【0075】
また、この検出器1の板体9Aには、図11に示すように、リング部材19を設けてある。このリング部材19には、天井等に一端が固定される紐体46の他端が取り付けられ、検出器1を吊り下げ可能に形成してある。
【0076】
また、この検出器1には、図3に示すように、ワイヤーロープ50およびワイヤーロープ50の周囲を照らす照明灯20を設けてある。
【0077】
制御装置3は、図1,11に示すように、コンセント40を有する。コンセント40は、電源コード7を介して、コンセント45に接続される。コンセント45は、電圧が100Vで周波数が50Hzもしくは60Hzの電灯電源である。
【0078】
また、制御装置3は、主電源38と、この主電源38がONかOFFのいずれの状態であるかを示すパイロットランプ39と、ヒューズ37とゲイン校正トリマー36とを有する。
【0079】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、コンセント41、パルス信号を出力するパルス出力端子31、アナログ信号を出力するアナログ出力端子32を有する。この制御装置3には、レコーダ4が接続される。このレコーダ4は、コンセント41に接続コード6を介して電気的に接続される。接続コード6は、また、このレコーダ4は、パルス出力端子31およびアナログ出力端子32に送信コード8を介して接続される。このレコーダ4は、制御装置3から送信コード8を介して送信されるパルス信号およびアナログ信号に基づいて、パルス波形およびアナログ波形を記録紙4Aに記録し、排出する。
【0080】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、ジャック42を有する。このジャック42は、接続コード5の一方の端子が接続される。この接続コード5は他方の端子が検出器1のジャック13に接続される。
【0081】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、検出器1によって検出された磁束変化を表示する表示部、すなわちアナログ表示部28と、パルス表示部29とを具備する。アナログ表示部28は、指針28の振り幅によって磁束変化の大きさを表示する。パルス表示部29は、複数のランプが点灯するランプの個数によって磁束変化の大きさを表示する。このパルス表示部29は、例えば10個の直線状に並べられたランプから成る。パルス表示部29の10個のランプは、磁束変化の大きさに応じて点灯し、磁束変化の大きさを10段階で表示する。
【0082】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、磁束変化が所定の大きさを超えたことを報知する報知部27を具備する。この報知部27はブザーから成る。
【0083】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、検出部11の励磁コイル15に供給する交流電流の周波数を、ワイヤーロープ50の内部の損傷を検出することを考慮した低周波と、ワイヤーロープ50の表面の損傷を検出することを考慮した高周波とに切り替えることが可能な周波数切替スイッチ35を具備する。この周波数切替スイッチ35は、低周波の場合、周波数が電灯電源45の周波数、すなわち50Hzもしくは60Hzに設定され、高周波の場合、周波数が10KHz〜20KHz、例えば15KHzに設定される。
【0084】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、パルスのしきい値の設定を調整するしきい値切調整スイッチ30を具備する。このしきい値調整スイッチ30は、レコーダ4が記録するパルス波形のしきい値の設定を調整する。このしきい値調整スイッチ30は、しきい値を例えば5段階に切り替えること可能である。
【0085】
また、制御装置3は、アナログ表示部28の表示の仕方を切り替える表示切替スイッチ28を具備する。この表示切替スイッチ28は、表示アナログ表示部28の指針28Aの目盛りの0の位置を、中央にする設定する場合と、左端に設定する場合とのいずれかに切り替えることが可能ある。そして、左端を0に切り替えた場合、指針28Aの振れる速度が遅くなるように設定してある。
【0086】
また、制御装置3は、同図1,11に示すように、アナログ表示部28とパルス表示部29の表示を0に戻すリセットスイッチ34を具備する。
【0087】
また、制御装置3には、図1に示すように、上部に例えば革製の携帯用バンド26が設けてある。また、制御装置3には、図12に示すように、背面に複数の脚部43を設けてある。これらの脚部43は、制御装置3を設置する平坦な設置面と、この設置面に対向する制御装置3の背面とを、平行に離隔させる。
【0088】
このように構成した本実施形態は、例えばエレベータの昇降路内に架設されたワイヤーロープの点検作業を行う際に、次のように用いる。
【0089】
まず、保守員は、図1に示すように、ワイヤーロープ50の損傷部を検出するための準備を行う。すなわち、検出器1と、制御装置3とを接続コード5を介して接続する。また、保守員は、レコーダ4を制御装置3に、接続コード6および送信コード8を介して接続する。また、保守員は、制御装置3を電源コード7を介してコンセント45に接続する。
【0090】
次に、保守員は、制御装置3の主電源38をONにする。このとき、パイロットランプ39が点灯する。
【0091】
次に、保守員は、ワイヤーロープ20を例えば速度45m/minで移動させる。
【0092】
次に、保守員は、取っ手10を握り、検出器1をワイヤーロープ50の長手方向に沿って配置する。
【0093】
このとき、保守員は、図10に示すように、巻上機の設置枠47などの平坦な部分に検出器1を一時的に立設させておく。そして、設置枠47に図示しない所定の固定具を取り付けたのち、この固定具と検出器1とを螺着し、検出器1を固定する。
【0094】
また、このとき、保守員は、紐体46の一端を天井等に取り付け、他端を固定した検出器1のリング部材19に取り付ける。
【0095】
また、このとき、作業現場が暗い場合には、検出器1の照明灯20を点灯させ、ワイヤーロープ50Aおよびその周辺を照らす。
【0096】
検出器1が配置されたワイヤーロープ50は、図7に示すように、U字ガイド部17の内部に位置する。このワイヤーロープ50は、磁極14A,14Bに対して軸方向に相対移動する。また、ワイヤーロープ50Aは、同図7に示すように、J字ガイド部21に沿って位置する。このワイヤーロープ50Aは、磁極14A,14Bに対して軸方向に相対移動する。また、ワイヤーロープ50Bは、J字ガイド部22に沿って位置する。このワイヤーロープ50Bは、磁極14A,14Bに対して軸方向に相対移動する。
【0097】
次に、保守員は、スイッチ12を押し、励磁コイル16へ交流電流を流す。このとき、保守員は、スイッチ12のON、OFFを適宜操作する。また、このとき、比較的長い時間励磁コイル16に電流を流す必要がある場合には、スイッチ12を押した状態で回動させて、励磁コイル16への通電状態を保持する。
【0098】
放熱部44は、励磁コイル16で発生する熱を複数の穴から検出器1の外部に放熱する。
【0099】
励磁コイル16は、磁極14A,14Bを励磁する。これらの磁極14A,14Bは、交流電流の周波数の周期に応じ、互いにN極とS極とが入れ替わる。
【0100】
ワイヤーロープ50は、U字ガイド部17内で磁極14A,14Bによって磁化される。このワイヤーロープ50は、磁極14A,14Bの極の入れ替りに応じて振動しながら、磁極14A,14Bに対し相対移動する。また、ワイヤーロープ50A,50Bのそれぞれも、ワイヤーロープ50と同様に、磁極14A,14Bによって磁化され、振動しながら磁極14A,14Bに対し相対移動する。
【0101】
U字ガイド部材17AのU字拡開部17a,17bは、内壁面がワイヤーロープ50に対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50はU字ガイド部材17の長手方向の端部の縁に接触することなく、U字ガイド部17内を移動する。また、J字ガイド部材21AのJ字拡開部21a,21bは、ワイヤーロープ50Aに対向する壁面がこのワイヤーロープ50Aに対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50AはJ字ガイド部材21Aの長手方向の縁に接触することなく、J字ガイド部21に沿って移動する。また、同様に、J字ガイド部材22AのJ字拡開部22a,22bは、ワイヤーロープ50Bに対向する壁面がこのワイヤーロープ50Bに対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50BはJ字ガイド部材22Aの長手方向の縁に接触することなく、J字ガイド部22に沿って移動する。
【0102】
防音シート23は、振動するワイヤーロープ50がU字ガイド部材17Aの内壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。また、防音シート24Aは、振動するワイヤーロープ50AがJ字ガイド部材21Aの壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。また、防音シート24Bは、振動するワイヤーロープ50BがJ字ガイド部材22Aの壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。
【0103】
保守員は、ワイヤーロープ50の表面について探傷する際、制御装置3の周波数切替スイッチ35を切り替える。すなわち、ワイヤーロープ50の表面について探傷する場合、周波数を15KHzに設定する。また、ワイヤーロープ50の内部について探傷する場合、周波数を50Hzもしくは60Hzに設定する。
【0104】
次に、保守員は、制御装置3のしきい値調整スイッチ30を切り替える。このしきい値は、例えばワイヤーロープ50の使用された期間等から損傷の程度を予想して設定する。
【0105】
次に、保守員は、検出器1で検出される磁束変化を、パルス表示部29およびアナログ表示部28で見る。このとき、保守員は、表示切替スイッチ33を適宜切り替えて、アナログ表示部28の目盛りの左端を0に設定し、かつ指針28Aの振れる速度を遅くし、指針28Aの振り幅を読み取るようにしてもよい。
【0106】
そして、保守員は、アナログ表示部28、パルス表示部29、報知部27、およびレコーダ4によって、ワイヤーロープ50に損傷部の有無および損傷部の損傷程度を診断する。
【0107】
すなわち、ワイヤーロープ50の損傷を含まない部分が磁極14A,14B間で相対移動している場合、磁極14A,14Bの極が互いに入れ替わることに伴って、ワイヤーロープ50はほぼ一定の周期およびほぼ一定の振幅で振動しているので、検出コイル16の内側には一定の磁束変化が生じる。これにより、検出コイル16は、ほぼ一定の大きさおよびほぼ一定の周期で変化する起電力を発生する。
【0108】
このとき、アナログ表示部28では、指針28Aは、ほぼ一定の振り幅および、ほぼ一定の周期で振れる。また、このとき、パルス表示部29は、ほぼ一定の個数のランプをほぼ一定の周期で点灯させる。点灯するランプの個数は、2個以下である。
【0109】
また、このとき、レコーダ4は、起伏の少ないパルス波形と、ほぼ一定の振幅およびほぼ一定の周期で変化するアナログ波形を記録紙4Aに記録し、この記録紙4Aを排出する。
【0110】
また、ワイヤーロープ50の損傷部を含む部分が磁極14A,14B間で相対移動した場合、損傷部では漏洩磁束が発生しているので、損傷部が検出コイル16とすれ違うとき、漏洩磁束が検出コイル16内側を通過する。このとき発生する磁束変化は、損傷していない部分が検出コイル16とすれ違う場合よりも大きい。これにより、検出コイル16は、損傷していない部分が検出コイル16とすれ違う場合よりも大きな起電力を発生する。
【0111】
このとき、アナログ表示部28は、振り幅が大きくなる。また、パルス表示部29では、3個以上のランプが点灯する。
【0112】
また、このとき、報知部27は、ブザー音を鳴らし、保守員に所定の損傷程度以上の損傷部が検出されたことを報知する。この報知部27は、例えばパルス表示部29の3個以上のランプが点灯するときに、ブザー音を鳴らす。
【0113】
また、このとき、レコーダ4は、大きく変化したパルス波形、すなわちしきい値を大きく上回るパルス波形を記録する。また、レコーダ4は、パルス波形と並行してアナログ波形を記録紙4Aに記録し、この記録紙4Aを排出する。保守員は、アナログ波形の変化、およびパルス波形の変化、すなわちパルス波形の中にしきい値を超える波形を見て損傷程度を把握する。
【0114】
そして、JIS4305に規定されているロープ判定基準に従い、昇降機検査士または保全技術者が、直接目視で損傷部の損傷程度を確認する。
【0115】
すなわち、保守員は、まず、ワイヤーロープ50の長手方向に沿って、検出器1のU字ガイド部17を損傷部が検出された位置に配置する。
【0116】
次に、制御装置3のリセットスイッチ34で、アナログ表示部28およびパルス表示部29の表示を0に戻す。
【0117】
次に、保守員は、取っ手10を握って検出器1をワイヤーロープ50に対して相対移動させる。そして、アナログ表示部28およびパルス表示部29を見ながら、また報知部27のブザー音を聞くことによって損傷の位置を探し当て、その損傷部の損傷程度を目視で確認する。
【0118】
このように、本実施形態では、交流電流によって励磁される磁極14A,14Bによって、ワイヤーロープ50,50A,50Bを磁化する。また、ワイヤーロープ50,50A,50Bのそれぞれを、U字ガイド部17,J字ガイド部21,22によってガイドする。これらにより、ワイヤーロープ50,50A、50Bと検出器1との相対移動を円滑に行うことができる。したがって、ノイズ等の発生を防止でき、検出精度を向上させることができる。
【0119】
また、本実施形態では、U字ガイド部材17AのU字拡開部17a,17bは、内壁面がワイヤーロープ50に対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50はU字ガイド部材17の長手方向の端部の縁に接触することなく、U字ガイド部17内を移動する。同様に、J字ガイド部材21AのJ字拡開部21a,21bは、ワイヤーロープ50Aに対向する壁面がこのワイヤーロープ50Aに対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50AはJ字ガイド部材21Aの長手方向の縁に接触することなく、J字ガイド部21に沿って移動する。また、同様に、J字ガイド部材22AのJ字拡開部22a,22bは、ワイヤーロープ50Bに対向する壁面がこのワイヤーロープ50Bに対して徐々に離隔しているので、ワイヤーロープ50BはJ字ガイド部材22Aの長手方向の縁に接触することなく、J字ガイド部22に沿って移動する。これらの点においてもノイズを低減させることができる。
【0120】
また、本実施形態では、制御装置3を100V電灯電源のコンセント45に接続する。これにより、励磁コイル16に簡単に交流電流を供給できる。したがって、ワイヤーロープの点検作業を円滑に行うことができる。
【0121】
また、本実施形態では、防音シート23は、振動するワイヤーロープ50がU字ガイド部材17Aの内壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。また、防音シート24Aは、振動するワイヤーロープ50AがJ字ガイド部材21Aの壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。また、防音シート24Bは、振動するワイヤーロープ50BがJ字ガイド部材22Aの壁面に接触した場合、その衝撃を吸収し、衝撃音を和らげる。これらにより、ワイヤーロープ50,50A,50Bと検出器1との相対移動中の騒音を防止することができる。
【0122】
また、本実施形態では、検出コイル16がU字ガイド部17の外壁面形状に沿って貼り付けられ、この検出コイル16は、ワイヤーロープ50を囲むように位置する。これにより、ワイヤーロープ50の損傷部の位置に関係なく、損傷部から生じる漏洩磁束を確実に検出することができる。したがって、ワイヤーロープの損傷部の検出精度を向上させることができる。
【0123】
また、本実施形態では、損傷部で生じた漏洩磁束により検出コイル16の内側を通過する磁束変化が所定の大きさを超えた場合、報知部27がブザー音を鳴らし、損傷部が検出されたことを報知する。これにより、保守員は、アナログ表示部28およびパルス表示部29から目をはずしていても、耳で損傷部が検出されたことを知ることができる。したがって、保守員の負担を少なくすることができる。
【0124】
また、本実施形態では、アナログ表示部28は、漏洩磁束などによる大きな磁束変化の他に、ワイヤーロープ50の振動などに伴う微細な磁束変化をも表示する。パルス表示部29は、漏洩磁束などによる大きな磁束変化のみを表示する。これにより、パルス表示部29によって大まかな磁束変化を見ることができ、アナログ表示部28で磁束変化を細かく見ることができる。したがって、ワイヤーロープ50を効率よく診断することができ、作業能率を向上させることができる。
【0125】
また、本実施形態では、パルス表示部29が磁束変化の大きさに応じてランプを点灯させ、検出された損傷部の損傷の程度を示す。これにより、損傷の程度を簡単に把握することができる。また、作業現場が暗い場合でもランプが点灯するので簡単に損傷程度を把握することができる。
【0126】
また、本実施形態では、表示切替スイッチ33を適宜切り替えて、アナログ表示部28の目盛りの左端を0に設定し、かつ指針28Aの振れる速度を遅くする。これにより、指針28Aの振り幅を正確に読み取ることができ、損傷部の誤診を防止することができる。
【0127】
また、本実施形態では、しきい値調整スイッチ30によりしきい値を設定し、レコーダ4に記録されるパルス波形の中にしきい値を超える波形が含まれているかどうかを確認する。これにより、ワイヤーロープ50の損傷部の損傷程度を大まかに把握することができる。したがって、この点においてもワイヤーロープ50を効率よく診断することができる。
【0128】
また、本実施形態では、周波数切替スイッチ35によって、周波数を50Hzもしくは60Hzと、15KHzとのいずれかに設定する。これにより、ワイヤーロープ50の損傷位置に関係なく、確実に損傷部を検出することができ、また損傷部がワイヤーロープ50の表面にあるのか内部にあるのかを把握できる。したがって、保守員が、目視して損傷部の損傷程度を確認する際に、その損傷部を簡単に探し当てることができ、作業能率を向上させることができる。
【0129】
また、本実施形態では、検出器1に設けたスイッチ12により、励磁コイルの通電のON、OFFを適宜操作する。また、比較的長い時間励磁コイル16に電流を流す必要がある場合には、スイッチ12を押した状態で回動させて、励磁コイル16への通電状態を保持する。これにより、励磁コイル16に必要以上の電流が流れず、励磁コイル16の過熱を防止することができる。
【0130】
また、本実施形態では、放熱部44が、励磁コイル16で発生する熱を検出器1の外部に放熱する。これにより、励磁コイル16の過熱を防止することができる。
【0131】
また、本実施形態では、検出器1の照明灯20を点灯させ、ワイヤーロープ50Aおよびその周辺を照らす。これにより、検出器1をワイヤーロープ50に簡単に配置することができる。したがって、ワイヤーロープの点検作業を円滑に行うことができる。
【0132】
また、本実施形態では、検出器1の平坦部9Bを、巻上機の設置枠47に取り付けた所定の固定具に設置する。これにより、軸方向に移動するワイヤーロープ50に対し、検出器1を定位置に安定した状態で保持することができる。したがって、検出器1を支える保守員の負担を少なくすることができる。
【0133】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明では、交流電流によって励磁される磁極によって、ワイヤーロープが磁化される。また、点検対象のワイヤーロープおよび隣接するワイヤーロープのそれぞれを、U字ガイド部およびJ字ガイド部のそれぞれによってガイドする。これらにより、点検対象のワイヤーロープおよび隣接するワイヤーロープと検出器との相対移動を円滑に行うことができる。したがって、ノイズ等の発生を防止でき、検出精度を向上させることができる。
【0140】
また、請求項に係る発明では、周波数切替スイッチによって、交流電流の周波数を、点検対象のワイヤーロープの内部の損傷部を検出する場合を考慮した低周波数すなわち50Hz〜60Hzと、点検対象のワイヤーロープの表面の損傷部を検出する場合を考慮高周波数すなわち10kHz〜20kHzとのいずれかに設定する。これにより、ワイヤーロープの損傷位置に関係なく、確実に損傷部を検出することができ、また、損傷部が点検対象のワイヤーロープの表面にあるのか内部にあるのかを把握できる。したがって、保守員が、目視して損傷部の損傷程度を確認する際に、その損傷部を簡単に探し当てることができ、作業能率を向上させることができる。
【0141】
また、請求項に係る発明では、検出器に設けたスイッチにより、励磁コイルへの交流電流の供給と停止を適宜操作する。これにより、励磁コイルに必要以上の電流が流れず、励磁コイルの過熱を防止することができる。
【0143】
また、請求項に係る発明では、検出器に設けた照明灯を点灯させ、点検対象のワイヤーロープおよびその周辺を照らす。これにより、検出器を点検対象のワイヤーロープに簡単に配置することができる。したがって、ワイヤーロープの点検作業を円滑に行うことができる。
【0145】
また、請求項に係る発明では、紐体の一端を、昇降路の天井などに固定し、他端をリング部材に取り付け、検出器を吊り下げる。これにより、軸方向に移動する点検対象のワイヤーロープに対し、検出器の位置を定位置で安定させて保持することができる。したがって、検出器を支える保守員の負担を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の検出器を示す正面図である。
【図3】図1の検出器を示す一方の側面図である。
【図4】図1の検出器を示す下面図である。
【図5】図1の検出器に備えられる検出部を示す説明図である。
【図6】図1の検出器に備えられる検出部の構造を示す説明図である。
【図7】図1の検出器のガイド部を示す側面図である。
【図8】図6のU字ガイド部材を矢印D1方向から見た場合のU字拡開部を示す説明図である。
【図9】図6のJ字ガイド部材を矢印D2方向から見た場合のJ字拡開部示す説明図である。
【図10】図1の検出器を巻上機の設置枠に立設させた状態を示す説明図である。
【図11】図1の制御装置の正面図である。
【図12】図1の制御装置の側面図である。
【図13】図1の検出器を吊り下げた状態を示す斜視図
【符号の説明】
2 検出器
3 制御装置
4 レコーダ
5 接続コード
6 接続コード
7 電源コード
8 送信コード
9 検出器ケース
9A 平坦部
10 取っ手
11 検出部
12 スイッチ
13 ジャック
14 鉄心
14A 磁極
14B 磁極
15 励磁コイル
16 検出コイル
17 U字ガイド部
17A U字ガイド部材
17a U字拡開部
18 U字溝
18A U字溝
18B J字切り欠き部
18C J字切り欠き部
18D J字切り欠き部
18E J字曲面
19 リング部材
20 照明灯
21 J字ガイド部
21A J字ガイド部材
21a J字拡開部
22 J字ガイド部
22A J字ガイド部材
22a J字拡開部
23 防音シート
24 防音シート
24A 防音シート
26 携帯用バンド
27 報知部
28 アナログ表示部
28A 指針
29 パルス表示部
30 しきい値調整スイッチ
31 パルス出力端子
32 アナログ出力端子
33 表示切替スイッチ
34 リセットスイッチ
35 周波数切替スイッチ
36 ゲイン校正トリマー
37 ヒューズ
38 主電源
39 パイロットランプ
40 コンセント
41 コンセント
42 ジャック
43 脚部
44 放熱部
45 コンセント
46 紐体
47 設置枠
50 ワイヤーロープ
50A ワイヤーロープ
50B ワイヤーロープ

Claims (4)

  1. ワイヤーロープを磁化する一対の磁極と、この一対の磁極が設けられる鉄心と、この鉄心に巻装され、交流電流が流されることにより一対の前記磁極を励磁する励磁コイルと、この一対の磁極間に位置し、一対の前記磁極により磁化された前記ワイヤーロープが、一対の前記磁極に対し軸方向に相対移動したときに生じる磁束変化を検出する検出コイルとを有する検出部を具備するとともに、一対の前記磁極間に架設され、一方の前記磁極位置から他方の前記磁極位置へ相対移動する前記ワイヤーロープをガイドするガイド部を具備する検出器を備えるワイヤーロープの磁気探傷装置において
    記ガイド部が、一対の前記磁極間に架設されるU字ガイド部と、このU字ガイド部を挟んで線対称に配置され、一対の前記磁極間に架設される2つのJ字ガイド部とを具備するとともに、
    前記検出器を制御する制御装置を備え、この制御装置が、前記励磁コイルに流す前記交流電流の周波数を、前記ワイヤーロープの内部の損傷を検出する場合を考慮した低周波数と、前記ワイヤーロープの表面の損傷を検出する場合を考慮した高周波数とに切り替え可能な周波数切替スイッチを具備し、前記低周波数が50Hzもしくは60Hzに設定されるとともに、前記高周波数が10KHz〜20KHzに設定されることを特徴とするワイヤーロープの磁気探傷装置。
  2. 前記検出器が、上面に取っ手が設けられ、この取っ手を握る手の指の届く位置に、前記励磁コイルへの前記交流電流の供給と供給の停止とを操作可能なスイッチを有することを特徴とする請求項1記載のワイヤーロープの磁気探傷装置。
  3. 前記検出器が、前記ワイヤーロープおよびこのワイヤーロープの周囲を照らす照明灯を具備することを特徴とする請求項1記載のワイヤーロープの磁気探傷装置。
  4. 前記検出器が、一方の側面に、前記検出部を吊り下げることが可能なリング部材を有することを特徴する請求項1記載のワイヤーロープの磁気探傷装置。
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