JP3143572U - ロープ損傷検出装置 - Google Patents

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豊 平間
明芳 長尾
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豊 平間
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Abstract

【課題】小形化軽量化及び損傷検出精度の向上を図り得るロープ損傷検出装置を提供する。
【解決手段】ロープ3内に渦電流を発生させるための一次コイルとロープ3内のインピーダンスの変化を出力電圧として検出するための二次コイルから構成される2個のセンサーコイル14、15を設け、このセンサーコイル14、15を、そのセンサーコイル14、15の長手方向の中心線Qの傾斜方向とロープ3の撚り傾斜方向Kが逆方向となる逆傾斜配置となるように、かつ、2個のセンサーコイル14、15の間隔L2が、ロープのねじり間隔L1となるように、ガイドプレートのコイル設置用開口内に並設する。
【選択図】図9

Description

本考案は、ロープ損傷検出装置に係り、特に、エレベーター用ロープの、断線、素線切れ、変形、摩耗、欠損、欠陥などの損傷を検出するのに好適なロープ損傷検出装置に関するものである。
従来、ロープ損傷検出装置としては、磁界中を移動するワイヤロープに起因する磁界の変化に基づいて損傷を検出するようにしたものであって、交流電圧の供給を受けて渦流磁界を発生させる渦流磁界発生手段と、この渦流磁界発生手段の発生する渦流磁界中を移動するワイヤロープに起因して発生する磁界を検出して磁界信号を出力する磁界検出手段と、前記交流電圧と前記磁界信号に基づいてワイヤロープの素線断線あるいは摩耗疲労を判別する判別手段と、ワイヤロープを磁気的に飽和状態にする永久磁石あるいは電磁石などの磁石を備える構成としたものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−153845号公報
しかしながら、上記特開2001−153845号公報に記載されたロープ損傷検出装置の構成では、ワイヤロープの残留磁気の影響を除去するために、磁界検出手段を構成する渦電流プローブ(センサー部)内に、永久磁石あるいは電磁石などの磁石を内蔵させるようにしているので、その渦電流プローブの小形化を図ることが困難であるという問題があった。
さらに、上記特開2001−153845号公報に記載されたロープ損傷検出装置では、磁界検出手段を構成する渦電流プローブを、ワイヤロープに対して着脱させる際に、ワイヤロープに着磁してしまい、そのロープの損傷検出精度の向上を図ることが困難であるとなるという問題があった。
さらに、上記特開2001−153845号公報に記載されたロープ損傷検出装置によって、複数本のワイヤロープを近接させた状態で並行に配設した現場で、その複数本のうちの一本につきワイヤロープの損傷検出作業を行うと、その損傷検出作業を行ったワイヤロープに隣接するところのワイヤロープが、渦電流プローブに内蔵した磁石によって着磁してしまうので、その着磁したワイヤロープとその着磁したワイヤロープに隣接するワイヤロープとが吸着してしまうため、エレベーターなどのワイヤロープの損傷検出作業にあっては、そのワイヤロープがシーブから外れてしまい、その損傷検出作業を安全にかつ効率よく行わせることができないという問題があった。
さらに、複数本の素線(極細の鋼鉄製ワイヤ)からなるストランドを、複数本ねじり合わせることで作られた構造のエレベーター用ロープについて、ロープの損傷検出を行った場合には、そのロープの外周に螺旋状の凹凸が形成されているので、この凹凸によって渦電流プローブ(センサー部)に発生する起電力が変化してノイズが発生してしまう(以下、このノイズをストランドによるノイズと称する。)ため、ロープの損傷検出精度が悪いという問題があった。
本考案は、上記背景技術の現状を鑑みてなされたもので、その主たる目的は、ロープのストランドによるノイズの影響を軽減することで、損傷検出精度の向上を図り得るとともに、ロープへの着磁を阻止できて、渦電流プローブの小形化及び軽量化の向上を図り得るロープ損傷検出装置を提供することにある。
さらに本考案の他の目的は、前記主たる目的を達成するとともに、ロープに非接触状態で嵌合させるためにガイドプレートの断面形状を略逆U字状としても、ロープの下側にできた損傷の検出を行うことを可能にしたロープ損傷検出装置を提供することにある。
本考案の他の目的は、前記主たる目的を達成するとともに、渦電流プローブの取扱性を向上させることのできるロープ損傷検出装置を提供することにある。
さらに本考案の他の目的は、前記主たる目的を達成するとともに、ロープの損傷検出作業を的確に行わせ、しかも、格納ケースなどへの収納作業(片付け作業)を容易に行わせることのできるロープ損傷検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本考案は、交流電源に基づく高周波発生手段を内蔵してなる制御装置本体と、ロープに近接配置されて前記高周波発生手段に基づく高周波を印加することで前記ロープ内に渦電流を発生させてその渦電流の変化に基づく前記ロープ内のインピーダンスの変化を検出する渦電流プローブを有するロープ損傷検出装置において、前記渦電流プローブを、前記ロープに非接触状態で嵌合することを可能にする形状とした非磁性材製のガイド本体と、このガイド本体の上面側に取り付けられる非磁性材製のハンドル部材と、前記ガイド本体の内壁に配設されて前記ロープに非接触状態で嵌合することを可能にする形状とした非磁性材製のガイドプレートと、このガイドプレートに埋設された複数個のセンサーコイルとを少なくとも備え、 前記複数個のセンサーコイルを、前記ロープ内に渦電流を発生させるための一次コイルと前記ロープ内のインピーダンスの変化を出力電圧として検出するための二次コイルから構成し、しかも、前記複数個のセンサーコイルを、そのセンサーコイルの長手方向の中心線の傾斜方向と前記ロープの撚り傾斜方向が逆方向となる逆傾斜配置となるように、かつ、前記複数個のセンサーコイルの間隔が、前記ロープのねじり間隔と略等しくなるように、前記ガイドプレートのコイル設置用開口に並設したことを特徴とするものである。
さらに、本考案の他の目的を達成するために、前記センサーコイルは、前記ガイドプレートの内壁形状に合わせた略逆U字状に変形させることで形成するとともに、そのセンサーコイルの略逆U字状外周端縁が、前記ガイドプレートに非接触状態で嵌合する前記ロープの中心線よりも下方に延在する大きさに設定したことを特徴としている。
さらに、本考案の他の目的を達成するために前記ハンドル部材に設けられて前記渦電流プローブを所定の場所に設置するための取り付け穴と、前記複数個のセンサーコイルにより検出された出力電圧が所定の閾値より大きい場合に点灯若しくは点滅する表示ランプと、前記制御装置本体との電気的接続を行う渦電流プローブ側コード接続具とを設けたことを特徴としている。
さらに、本考案の他の目的を達成するために、前記ハンドル部材に、前記渦電流プローブに、前記二次コイルが検出した出力電圧が所定の閾値より大きい場合に点灯若しくは点滅する表示ランプ及び前記制御装置本体との電気的接続を行う渦電流プローブ側コード接続具を設けるとともに、前記制御装置本体に前記渦電流プローブとの電気的接続を行う制御装置本体側コード接続具を設けて、この制御装置本体側コード接続具と前記渦電流プローブ側コード接続具を、取り外し可能な電気接続コードで接続したことを特徴としている。
本考案によれば、永久磁石あるいは電磁石などの磁石を不要としたので、渦電流プローブ(センサー部)の小形化軽量化の向上及び損傷検出精度の向上を図り得るとともに、前記2個のセンサーコイルを、そのセンサーコイルの長手方向の中心線の傾斜方向と前記ロープの撚り傾斜方向が逆方向となる逆傾斜配置となるように、かつ、前記複数個のセンサーコイルの間隔が、前記ロープのねじり間隔となるように、前記ガイドプレートのコイル設置用開口に並設するようにしたので、ロープのストランドによるノイズの影響を軽減することができて損傷検出精度の向上を図り得るロープ損傷検出装置が得られる。
他の本考案によれば、ロープに非接触状態で嵌合させるために、ガイド本体及びガイドプレートの断面形状を略逆U字状とした場合であっても、センサーコイルの略逆U字状外周端縁が、ガイド本体及びガイドプレートに非接触状態で嵌合するロープの中心線よりも下方に延在する大きさに設定したので、ロープの下側にできた損傷を効率よく検出できる。
他の本考案によれば、ハンドル部材に設けた取り付け穴を利用することで、センサーコイルをロープに近接配置した状態に設置できるため、取扱性を向上させることができる。
他の本考案によれば、渦電流プローブに、損傷が検出されたことを表示する表示ランプに設けられているので、ロープの損傷検出作業を的確に行わせることができ、しかも、渦電流プローブと制御装置本体と電気接続コードとに分離することにより、格納ケースなどへの収納作業(片付け作業)を容易に行わせることができる。
以下、本考案の実施形態例を、図1〜図16に基づき、詳説する。図1は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置全体の外観斜視図である。図2は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの分解斜視図である。図3は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの正面図である。図4は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを示し、(a)は、二次コイル単品の平面図、(b)は一次コイル単品の平面図である。図5は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルの平面図である。図6は、図5のA−A断面図である。図7は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを湾曲させた状態の斜視図である。図8は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブをロープに嵌合させる直前の状態を示す要部側面図である。図9は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルをロープに対して逆傾斜配置した場合の配置説明図である。図10は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置によって損傷検出を実施するロープの縦断面図である。図11は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルをロープに対して垂直配置した場合の配置説明図である。図12は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の電気回路の機能ブロック図である。図13は本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの原理動作を説明するための回路図である。図14は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置による損傷検出作業の説明図である。図15は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを逆傾斜配置した場合の損傷検出結果を示し、(a)は逆傾斜配置したセンサーコイルとロープの関係説明図、(b)は逆傾斜配置したセンサーコイルによる損傷検出で得られた出力電圧波形図である。図16は、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを垂直配置した場合の損傷検出結果を示し、(a)は垂直配置したセンサーコイルとロープの関係説明図、(b)は垂直配置したセンサーコイルによる損傷検出で得られた出力電圧波形図である。
図1に示すように、本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置1は、制御装置本体2と、ロープ3に近接配置されて制御装置本体2に内蔵された後述する高周波発生手段4に基づく高周波を印加することでロープ3内に渦電流を発生させてその渦電流の変化に基づくロープ3内のインピーダンスの変化を検出する渦電流プローブ5と、制御装置本体2と渦電流プローブ5との電気的接続を行う電気接続コード6と、渦電流プローブ5によって検出された出力電圧波形を紙(記録チャート紙)に印刷して出力するレコーダー(プリンター)7と、このレコーダー7と制御装置本体2との電気的接続を行う電気接続コード8を、少なくとも備える構成としてある。
制御装置本体2の外観寸法は、横幅150mm×縦幅80mm×奥行220mmとしてある。渦電流プローブ5の外観寸法は、横幅20mm×縦幅60mm×奥行130mmとしてある。電気接続コード6の長さは、2000mmとしてある。制御装置本体2の全体重量は、約1950グラムとしてある。渦電流プローブ5の全体重量は、約300グラムとしてある。電気接続コード6、8は、シールドタイプの出力ケーブルが用いられている。
渦電流プローブ5は、図2〜図3に示すように、ロープ3に非接触状態で嵌合することを可能にするところの断面形状を略逆U字状とした非磁性材製のガイド本体9と、このガイド本体9の上面に配設される非磁性材製の第1固定板10と、この第1固定板10の上面に配設される非磁性材製の第2固定板11と、この第2固定板11の上面に配設される非磁性材製のハンドル部材12と、ガイド本体9の内壁に配設されるところの断面形状を略逆U字状とした非磁性材製のガイドプレート13と、このガイドプレート13に埋設された2個のセンサーコイル14、15と、この2個のセンサーコイル14、15により検出された出力電圧が所定の閾値より大きい場合に点灯若しくは点滅するLED製の表示ランプ16と、制御装置本体2との電気的接続を行う渦電流プローブ側コード接続具17と、渦電流プローブ5を所定の場所に固定するためのボルトなどからなる固定具18を備える構成としてある。
ハンドル部材12、第2固定板11及び第1固定板10は、2個の固定螺子19によってガイド本体9の上面に一体化される。第2固定板11には、図2に示すように、固定螺子19が嵌合する2個の嵌合孔11Aと、表示ランプ16のリード線16Aを通す配線通し孔11Bと、表示ランプ16のリード線16A及びセンサーコイル14、15の引き出し線20A、21Aを通す配線通し孔11Cが設けられている。ハンドル部材12には、固定具18を取り付ける取り付け穴(螺子穴)12Aが設けられている。第1固定板10には、固定螺子19が嵌合する2個の嵌合孔10Aと細長状の配線スペース開口10Bが設けられている。ガイド本体9には、固定螺子19が嵌合する2個の嵌合孔9Aと、センサーコイル14、15の引き出し線20A、21Aを通すため及びセンサーコイル14、15を埋設するための細長開口9Bが設けられている。ガイドプレート13には、センサーコイル14、15を埋設するためのコイル設置用開口13A(空芯コイル用窓)が設けられている。
ガイド本体9は、アルミ製であって、外観寸法を、横幅寸法20mm×縦幅寸法22mm×奥行寸法130mmとするとともに、内壁間寸法を18mmとしたものが用いられている。ガイドプレート13は、厚さ1mmのステンレス製であって、外観寸法を、横幅寸法18mm×縦幅寸法14mm×奥行寸法100mmとするとともに、内壁間寸法を16mmとし、かつ内壁湾曲部(円弧部)の曲率半径を8mmとしたものが用いられている。ガイド本体9及びガイドプレート13にロープ3を嵌合させた場合には、そのロープ3とガイド本体9及びガイドプレート13の内壁とのギャップが、1mm〜0.5mmの範囲で近接配置させることができるように、ガイド本体9及びガイドプレート13の、寸法及び形状などが設定されている。ガイドプレート13は、ステンレスパイプを100mmの長さに切断した後、そのステンレスパイプの長手方向に切断することで、断面形状が略逆U字状となるようにするとともに、そのステンレスパイプにコイル設置用開口13Aを形成することにより、作られる。
ハンドル部材12は、厚さ5mmの真鍮ダイキャスト製であって、外観寸法が横幅寸法18mm×縦幅寸法(高さ)35mm×奥行寸法105mmとなるように略コ状に成形することによって作られる。表示ランプ16は、市販品であって、LED式のランプが用いられている。渦電流プローブ側コード接続具17は、市販品であって、8P式コネクタージャックが用いられている。表示ランプ16は、ハンドル部材12の一端側(前側)に埋設させてある。渦電流プローブ側コード接続具17は、ハンドル部材12の他端側(後側)に埋設させてある。
2個のセンサーコイル14、15は、同一構成とし、ロープ3内に渦電流を発生させるための一次コイル20と、この一次コイル(一次側プローブコイル)20内に配置されてロープ3内のインピーダンスの変化を出力電圧として検出するための二次コイル(二次側プローブコイル)21とからなり、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの厚み内に配置されることを可能にする外形寸法としてある。
2個のセンサーコイル14、15の一次コイル20は、図4の(b)に示すように、二次コイル21を収める空間20Bが形成されるように、銅製細線材を長円形若しくは長方形に100T巻回することで作られる。2個のセンサーコイル14、15の一次コイル20の引き出し線20Aの長さは、ハンドル部材12に設けた渦電流プローブ側コード接続具17に接続するのに十分な長さとしてある。2個のセンサーコイル14、15の二次コイル21は、図4の(a)に示すように、銅製細線材を長円形若しくは長方形に150T巻回することで作られる。2個のセンサーコイル14、15の二次コイル21の引き出し線21Aの長さは、ハンドル部材12に設けた渦電流プローブ側コード接続具17に接続するのに十分な長さとしてある。
2個のセンサーコイル14、15は、図5及び図6に示すように、一次コイル20の空間20Bに二次コイル21を平板状(平面状)に配置し、その後、図7に示すように、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの厚み内に配置されることを可能にするように略逆U字状に湾曲させることで形成されている。2個のセンサーコイル14、15をガイドプレート13のコイル設置用開口13A(空芯コイル用窓)の厚み内に配置された状態では、図3に示すように、そのセンサーコイル14、15の略逆U字状外周端縁14A、15Aが、ガイドプレート13に非接触状態で嵌合するロープ3の中心線Pよりも下方に延在する状態となるように、センサーコイル14、15の長さ及び形状、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの開口寸法及び形状などが設定されている。
2個のセンサーコイル14、15は、図8及び図9に示すように、そのセンサーコイル14、15の長手方向の中心線Qとロープ3の撚り傾斜方向Kとの交差角度Rが大きくなる方向となるように、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aに傾斜配置してある。換言すれば、2個のセンサーコイル14、15は、そのセンサーコイル14、15の長手方向の中心線Qの傾斜方向とロープ3の撚り傾斜方向Kが逆方向となるように配置(以下、この配置を逆傾斜配置と称する。)される。なお、本実施形態例のロープ3は、図10に示すように、エレベーター用ロープ(主索)であり、19本の素線(直径1mmの鋼鉄製ワイヤ)からなるストランドを8本用いてねじり間隔(ストランドピッチ)L1が略10mmとなるように形成されたものとしてある。
図11は、2個のセンサーコイル14、15を、ロープ3の中心線Pとセンサーコイル14、15の長手方向の中心線Qが略直角となるように、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aに配置した状態を示している。この状態の配置を、以下、垂直配置と称する。
制御装置本体2は、図1に示すように、上面2Aに保持用バンド2Dを設けた断面形状がコ字状の上ケース2Bと、下面外周壁に複数個の載置用弾性脚(図示せず)を設けた断面形状がコ字状の下ケース2Cとから構成されている。制御装置本体2の下ケース2C及び上ケース2Bの正面端側には、下ケース2Cと上ケース2Bとの間に挟持された正面パネル板22が設けられている。制御装置本体2の下ケース2C及び上ケース2Bの背面端側には、下ケース2Cと上ケース2Bとの間に挟持され、かつ、外面壁に複数個の載置用弾性脚(図示せず)を設けた背面板(図示せず)が設けられている。
上ケース2Bは、厚さ3mmのアルミダイカスト製であって、外観寸法が横幅寸法150mm×縦幅寸法(高さ)40mm×奥行寸法200mmとなるように略コ状に成形することによって作られる。下ケース2Cは、厚さ3mmのアルミダイカスト製であって、外観寸法が横幅寸法150mm×縦幅寸法(高さ)40mm×奥行寸法200mmとなるように略コ状に成形することによって作られる。正面パネル板22は、厚さ1mmのアルミ板製であって、縦寸法75mm×横寸法145mmの大きさとしてある。背面板は、厚さ1mmのアルミ板製であって、縦寸法75mm×横寸法145mmの大きさとしてある。下ケース2Cの下面外周壁に設けた載置用弾性脚及び背面板の外面壁に設けた載置用弾性脚は、同形状であって、市販品であるところのビス止め式のゴム脚(高さ6mm×直径15mm)が用いられている。
制御装置本体2の下ケース2C内には、制御基板(図示せず)と、後述する充電式の電池23と、充電トランス(図示せず)とが配置されている。制御装置本体2の正面パネル板22には、図1に示すように、ブザー(損傷検出報知機)24、カウンター(損傷検出総数表示機)25、メータ(渦電流プローブの出力信号表示機)26、電源入切スイッチ27、充電用端子28、渦電流プローブ5によって検出された出力電圧波形を出力する出力端子29、検出感度調整器(閾値設定つまみ)30、カウンターリセットスイッチ31、渦電流プローブ5との電気的接続を行う制御装置本体側コード接続具32などが取り付けられている。制御装置本体2の制御装置本体側コード接続具32と渦電流プローブ5の渦電流プローブ側コード接続具17には、電気接続コード6が取り外し可能に接続されている。制御装置本体2の正面パネル板22の出力端子29とレコーダー7は、取り外し可能な電気接続コード8によって接続されている。
充電式の電池23は、市販品であるところのリチュームイオン電池が用いられている。ブザー(損傷検出報知機)24は、市販品であるところの、電子ブザーが用いられている。カウンター(損傷検出総数表示機)25は、市販品であるところの、液晶式のデジタルカウンターが用いられている。メータ(渦電流プローブの出力信号表示機)26は、市販品であるところの、レベルメーターが用いられている。充電用端子28は、市販品であるところの、アース端子ジャックが用いられている。渦電流プローブ5からの出力端子29は、市販品であるところの、シールド端子構造のものが用いられている。検出感度調整器(閾値設定つまみ)30は、市販品であるところの、バーニヤダイヤル式構造のものが用いられている。カウンターリセットスイッチ31は、市販品であるところの、押しボタン式構造のものが用いられている。渦電流プローブ5との電気的接続を行う制御装置本体側コード接続具32は、渦電流プローブ側コード接続具17と同じ構造のものが用いられて、市販品である、コネクタージャックが用いられている。
渦電流プローブ5の2個のセンサーコイル14、15は、ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの厚み内に、このコイル設置用開口13Aの内側を覆う非磁性材製のシート及びコーキング接着材を用いて接着固定される。ガイド本体9及びガイドプレート13の内壁には、滑り剤が施されている。センサーコイル14、15及び表示ランプ11と、渦電流プローブ側コード接続具17との接続は、第1固定板10の配線スペース開口10Bとガイド本体9の細長開口9Bを利用して行われる。なお、ガイド本体9にガイドプレート13を取り付けた際に、そのガイドプレート13の隅部とガイド本体9の内壁との間に生じた隙間を利用してセンサーコイル14、15の引き出し線20A、21Aの配線作業をするようにしてもよい。
2個のセンサーコイル14、15は、そのセンサーコイル14、15をガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの厚み内に配置した状態では、図3に示すように、そのセンサーコイル14、15の略逆U字状外周端縁14A、15Aが、ガイドプレート13に非接触状態で嵌合するロープ3の中心線Pよりも下方に延在する大きさに設定してある。
ガイドプレート13のコイル設置用開口13Aには、センサーコイル14とセンサーコイル15との間隔L2が、ロープ3のねじり間隔(ストランドピッチ)L1と略等しくなるように、センサーコイル14センサーコイル15が並設されている。
制御装置本体2は、電池23を電池ボックス(図示せず)によって背面板の内壁に近接配置することで、制御装置本体2の重心が背面板側に位置するように設定されている。これにより、正面パネル板22を上向きにした状態でも制御装置本体2を、背面板の外面壁に設けた複数個の載置用弾性脚を利用して安定設置することができる。
正面パネル板22と背面板は、下ケース2Cと上ケース2Bを分離することで下ケース2Cから引き出し可能に設けるとともに、下ケース2Cと上ケース2Bへの取り付け位置を調整可能に設けられている。上ケース2Bの正面端側の内底面及び左右内側面並びに下ケース2Cの正面端側の内底面及び左右内側面には、正面パネル板22を引き出し可能に設置するための、嵌合溝(図示せず)が複数個並設されている。上ケース2Bの背面端側の内底面及び左右内側面並びに下ケース2Cの背面端側の内底面及び左右内側面には、背面板を引き出し可能に設置するための、嵌合溝(図示せず)が複数個並設されている。正面パネル板22の下ケース2Cと上ケース2Bへの取り付け位置は、嵌合溝を利用して、正面パネル板22の下ケース2C及び上ケース2Bへの嵌合位置を変えることにより、調整することができる。背面板の下ケース2Cと上ケースへの取り付け位置は、嵌合溝を利用して、背面板の下ケース2C及び上ケース2Bへの嵌合位置を変えることにより、調整することができる。
制御装置本体2は、正面パネル板22に、損傷が検出されたことを報知するブザー24、損傷検出信号総数を表示するカウンター25、出力状態を表示するメータ26、電源入切スイッチ27、交流100ボルトを接続するための充電用端子28、レコーダー7と制御装置本体2との電気的接続を行う電気接続コード8が接続される出力端子29、位相器36を調整するための検出感度調整器(閾値設定つまみ)30、カウンター25の損傷検出信号総数を零にリセットするためのカウンターリセットスイッチ31、渦電流プローブ5との電気的接続を行う制御装置本体側コード接続具32からなる電気制御部品類を配置し、しかも、下ケース2Cの内底面には、制御装置本体2の背面板側から正面パネル板22側に向かって、電池23、充電トランス、制御基板の順で配置するとともに、制御装置本体2の背面板の内壁に一体的に設けた電池ボックス(図示せず)に電池23を収納設置するようにしてある。
制御装置本体2内に設けられた制御基板(図示せず)には、渦電流プローブ5のセンサーコイル14、15からの出力電圧が所定の閾値以上か否かを判定してその出力電圧が閾値以上である場合に、ブザー24、カウンター25及び表示灯16を作動させる制御回路33が組み込まれている。制御回路33は、図12に示す電気回路ブロック図に示すように、発信器34、差動回路35、位相器36、検波回路37、コンパレータ38、メータドライブ39及び3つの増幅器40、40A、40Bを含む構成としてある。
交流電源に基づく高周波発生手段4は、制御装置本体2内に設けられた充電トランス(図示せず)及び充電式の電池23並びに制御回路33の発信器34によって構成され、センサーコイル14、15のそれぞれの一次コイル20に、15KHz〜50KHzの高周波を印加することができるようにしてある。
制御回路33の差動回路35は、図13に示すように、センサーコイル14の一次コイル20とンサーコイル15の一次コイル20を直列に接続しその直列回路に発信器23を接続するとともに、センサーコイル14の二次コイル21とセンサーコイル15の二次コイル21を差動接続することにより差動出力(全波)が得られる構成にしてある。差動回路35から得られた差動出力は、図12に示すように、増幅器40Aを介して検波回路37に入力される。
検波回路37から出力された出力電圧(半波)は、図12に示すように、増幅器40Bを介してメータドライブ39に入力されてそのメータドライブ39によりメータ26を作動させる。コンパレータ38では、検波回路37から出力された出力電圧(半波)が、所定の閾値以上か否かを判定してその出力電圧が閾値以上である場合に損傷検出信号を、ブザー24、カウンター25及び表示灯16に出力する。ブザー24は、損傷検出信号が入力されると、報知音を発せることで、作業者に損傷が検出されたことを聴覚で気付かせる。カウンター25は、損傷検出信号が入力されると、損傷検出信号数を加算して、損傷検出信号総数として表示される。表示灯16は、損傷検出信号が入力されると、点灯若しくは点滅することで、作業者に損傷が検出されたことを視覚で気付かせる。
上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、2個のセンサーコイル14、15が図13に示すように接続されているので、ロープ3に損傷がない場合には、センサーコイル14の二次コイル21による出力電圧とセンサーコイル15の二次コイル21による出力電圧と等しく、しかも、センサーコイル14の二次コイル21とセンサーコイル15の二次コイル21が差動接続されているために、センサーコイル14の二次コイル21による出力電圧とセンサーコイル15の二次コイル21による出力電圧とが打ち消し合ってしまい、渦電流プローブ5のセンサーコイル14、15からは出力電圧が出力されない。ところが、ロープ3に損傷がある場合には、センサーコイル14の二次コイル21による出力電圧とセンサーコイル15の二次コイル21による出力電圧が異なるために、センサーコイル14の二次コイル21による出力電圧とセンサーコイル15の二次コイル21による出力電圧との差電圧分が渦電流プローブ5のセンサーコイル14、15から出力電圧として出力される。
上記ロープ損傷検出装置1を用いてエレベーター用ロープの損傷検出作業を行う場合には、次のような手順(1)〜(11)で行えばよい。
(1)始めに、ロープ損傷検出装置1を収納した携帯用収納ケース(図示せず)を、エレベーター機械室に持ち込み、その携帯用収納ケースから制御装置本体2、渦電流プローブ5、レコーダー7、電気接続コード6、8を取り出す。
(2)次いで、図14に示すように、エレベーター機械室の床面41にH鋼からなる載置台を利用して設置されてあるところの、巻上機のシーブ42とそらせ車43に巻装されたロープ3の揺動しない部分に渦電流プローブ5のガイド本体9を嵌合させように、渦電流プローブ用保持金具44を、H鋼からなる載置台に固定ボルトなどで取り付ける。
(3)次いで、渦電流プローブ用保持金具44に渦電流プローブ5のハンドル部材12を固定具18で固定することにより、ロープ3の外周と渦電流プローブ5のガイド本体9及びガイドプレート13の内壁とのギャップが1mm〜0.5mmとなるように、渦電流プローブ5を設置する。すなわち、渦電流プローブ5とロープ3とを非接触状態で近接配置する。
(4)次いで、渦電流プローブ5の渦電流プローブ側コード接続具17と制御装置本体2の制御装置本体側コード接続具32に、電気接続コード6を接続するとともに、必要に応じて、制御装置本体2の出力信号用出力端子29とレコーダー7に電気接続コード8を接続する。
(5)次いで、制御装置本体2の電源入切スイッチ27をオン(入り側に切り換える)して、カウンター25の残数値を、カウンターリセットスイッチ31を押すことで、零にする。
(6)次いで、渦電流プローブ5のガイド本体9及びガイドプレート13に嵌合したロープ3に小さな打撃振動を与えることで、制御装置本体2のブザー24及びカウンター25、渦電流プローブ5の表示ランプ16が正常に動作するかを確認する。
(7)次いで、制御装置本体2にレコーダー7が接続されている場合には、そのレコーダー7の電源スイッチをオンした後、エレベーターの保守運転を実行することで、ロープ3を毎分30m以下の速度で移動させる。ロープ3の移動開始時と移動停止時には、急激な磁束の変化に起因して大きな出力電圧が渦電流プローブ5から出力されるため、カウンター25に損傷検出信号が入力されて損傷検出信号数が加算されるので、再度、カウンターリセットスイッチ31を押すことにより、カウンター25に表示された損傷検出信号数値を零にするか、若しくは、ウンター25に表示された損傷検出信号数値を記録しておく。
(8)次いで、ロープ3を移動させることで、ロープ3の損傷の有無を確認する必要な部分の損傷検査が終了したならば、エレベーターの保守運転を停止させた後、カウンター25に表示された損傷検出信号総数を確認し記録する。そして、損傷検出信号総数が予め設定された判定値を超えている場合には、ロープ3の交換あるいはロープ3の再保守点検等が必要と判定する。
(9)次いで、カウンター25に表示された損傷検出信号総数と判定結果を保守点検報告書類に記録するともに、その保守点検報告書類にレコーダー7から出力された記録紙を添付する。
(10)次いで、渦電流プローブ5を渦電流プローブ用保持金具44から外した後、その渦電流プローブ用保持金具44を載置台から外し、さらに、制御装置本体2から電気接続コード6、8を外す作業を行う。
(11)最後に、制御装置本体2、渦電流プローブ5、レコーダー及び電気接続コード6、8を携帯用収納ケース内に収納するとともに、渦電流プローブ用保持金具44を所定の場所に片付けることにより、ロープ損傷検出作業を終了させる。
上記手順(1)〜(11)によるロープ損傷検出作業を行う際に、非磁性材製のガイド本体9と第1固定板10と第2固定板11とハンドル部相12とガイドプレート13とこのガイドプレート13に埋設された2個のセンサーコイル14、15とによって、渦電流プローブ5が、保守作業者が片手で持つことが可能となるように小形化及び軽量化が図られているので、渦電流プローブ5の設置作業を円滑にかつ安全に行うことができる。
さらに、渦電流プローブ5がロープ3の損傷を検出すると、渦電流プローブ5のハンドル部材12に設けた表示ランプ16が点灯し、かつ、制御装置本体2に設けたブザー24が鳴ることで、保守作業者にロープ3の損傷が検出されたことを、確実に認識させることができ、ロープ損傷検出作業に必要な諸動作を保守作業者に間違いなく促すことができるので、ロープ損傷検出作業を確実に行わせることができる。
本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置1のセンサーコイル14、15を逆傾斜配置した場合の損傷検出結果を、図15(a)及び図15(b)に基づき説明する。すなわち、図15(a)に示すように、切断部分(素線切れ)Mを有するロープ3について、センサーコイル14、15を逆傾斜配置してなるロープ損傷検出装置1により、ロープ損傷検出作業を行った結果、図15(b)に示す記録チャート紙45に記録されるような出力電圧波形が得られた。この出力電圧波形から理解されるように、ロープ3の切断部分Mに位置する部分以外のストランドノイズに起因する出力電圧値E1は平均化されている。しかも、ロープ3の切断部分Mに位置する部分の出力電圧値S1は、ストランドノイズに起因する出力電圧値E1の2倍以上の値を示していることがわかる。そのために、センサーコイル14、15を逆傾斜配置してなるロープ損傷検出装置1によれば、SN比を、2倍以上とすることができ、損傷検出精度が向上させられる。
本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置1のセンサーコイル14、15を垂直配置した場合の損傷検出結果を、図16(a)及び図16(b)に基づき説明する。すなわち、図16(a)に示すように、図15(a)と同一の切断部分(素線切れ)Mを有するロープ3について、センサーコイル14、15を垂直配置してなるロープ損傷検出装置1により、ロープ損傷検出作業を行った結果、図16(b)に示す記録チャート紙46に記録されるような出力電圧波形が得られた。この出力電圧波形から理解されるように、ロープ3の切断部分Mに位置する部分以外のストランドノイズに起因する出力電圧値E2は平均化されていない。しかも、ロープ3の切断部分Mに位置する部分の出力電圧値S2は、ストランドノイズに起因する出力電圧値E2よりは大きいものの、大差がないことがわかる。そのため、センサーコイル14、15を垂直配置してなるロープ損傷検出装置1では、SN比が1.2程度にしかならない。
以上のように、図15(a)及び図15(b)に示す損傷検出結果と、図16(a)及び図16(b)に示す損傷検出結果から理解されるように、センサーコイル14、15を、垂直配置から逆傾斜配置に変えるだけで、SN比を、1.2倍から2倍に高くすることができ、ロープ損傷検出装置の損傷検出精度を簡単に上げることができることがわかった。
上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、センサーコイル14、15を、そのセンサーコイル14、15の長手方向の中心線Qの傾斜方向とロープ3の撚り傾斜方向Kが逆方向となる逆傾斜配置となるように、かつ、2個のセンサーコイル14、15の間隔L2が、ロープのねじり間隔L1となるように、ガイドプレート13のコイル設置用開口13A内に並設してあるので、ロープ3のストランドによるノイズの影響を軽減させることができ、損傷検出精度が向上させることができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、2個のセンサーコイル14、15の略逆U字状外周端縁14A、15Aが、ガイドプレート13に非接触状態で嵌合するロープ3の中心線Pよりも下方に延在する大きさに設定してあるので、ロープ3の損傷位置がロープ3の中心線Pよりも下方にずれていても、そのずれた位置にあるロープ3の損傷を検出することができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、渦電流プローブ5に永久磁石あるいは電磁石などの磁石が用いられていないので、ロープ3の着磁が阻止されることで、ロープ3の振動やロープ損傷検出作業中のロープ3に隣接するロープへの悪影響を阻止することができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、渦電流プローブ5に永久磁石あるいは電磁石などの磁石が用いられていないので、製作性がよいとともに、小形化軽量化が図られるため、エレベーターなどの保守技術者が渦電流プローブ5を片手で持って、ロープ3に渦電流プローブ5を近接配置することができ、よりロープ損傷検出作業の軽減化が図られる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、センサーコイル14、15がガイドプレート13のコイル設置用開口13Aの厚み内に配置され、かつ、そのセンサーコイル14、15が非磁性材製のシート及びコーキング接着材で覆われているので、センサーコイル14、15を構成する一次コイル20及び二次コイル21の破損を阻止することができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、背面板の外面壁に設けた載置用弾性脚を利用して正面パネル板を上向きにした状態で制御装置本体2を所定の場所に設置できるとともに、下ケースの下面外周壁に設けた載置用弾性脚を利用して正面パネル板を正面に向けた状態で制御装置本体2を所定の場所に設置できるため、ロープ損傷検出作業における制御装置本体2の設置性・取扱性を、向上させることができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、下ケース2Cの内底面には、背面板側から正面パネル板22側に向かって、電池23、充電トランス、制御基板の順で配置し、しかも、背面板の内壁に電池23を収納設置する電池ボックスを一体的に設けるようにしたので、制御装置本体2の組立性(製作性)を向上させることができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、制御装置本体2、渦電流プローブ5、レコーダー及び電気接続コード6、8に、分離することができるので、携帯用収納ケース内への収納を容易にコンパクトに行うことができ、取扱性を向上させることができ、ロープ損傷検出装置1の片付け作業を円滑に行うことができる。
さらに、上記実施形態のロープ損傷検出装置1によれば、渦電流プローブ5を構成するガイド本体9及びガイドプレート13が、ロープ3に対して非接触状態となるように渦電流プローブ5を設置することができるので、ロープ損傷検出時に、ロープ3との間で摺動音を発生させたり、ロープ3を振動させたりすることがないとともに、ガイド本体9及びガイドプレート13の内壁の摩耗を防止することができる。
上記実施形態例では、ロープ3を鋼鉄製ワイヤなどからなる磁性体ロープとしているが、これに限定されない。本発明は、非磁性体ロープ(アルミ製ロープやステンレス性ロープ)にできた損傷を検出するロープ損傷検出装置として適用することができる。
本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置全体の外観斜視図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの分解斜視図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの正面図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを示し、(a)は、二次コイル単品の平面図、(b)は一次コイル単品の平面図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルの平面図である。 図5のA−A断面図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを湾曲させた状態の斜視図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブをロープに嵌合させる直前の状態を示す要部側面図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルをロープに対して逆傾斜配置した場合の配置説明図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置によって損傷検出を実施するロープの縦断面図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルをロープに対して垂直配置した場合の配置説明図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の電気回路の機能ブロック図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置の渦電流プローブの原理動作を説明するための回路図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置による損傷検出作業の説明図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを逆傾斜配置した場合の損傷検出結果を示し、(a)は逆傾斜配置したセンサーコイルとロープの関係説明図、(b)逆傾斜配置したセンサーコイルによる損傷検出で得られた出力電圧波形図である。 本考案の一実施形態に係わるロープ損傷検出装置のセンサーコイルを垂直配置した場合の損傷検出結果を示し、(a)は垂直配置したセンサーコイルとロープの関係説明図、(b)垂直配置したセンサーコイルによる損傷検出で得られた出力電圧波形図である。
符号の説明
1 ロープ損傷検出装置
2 制御装置本体
3 ロープ
4 高周波発生手段
5 渦電流プローブ
6 電気接続コード
7 レコーダー
8 電気接続コード
9 ガイド本体
9B 細長開口
10 第1固定板
10B 配線スペース開口
12 ハンドル部材
12A 取り付け穴
13 ガイドプレート
13A コイル設置用開口
14、15 センサーコイル
14A、15A 略逆U字状外周端縁
16 表示ランプ
17 渦電流プローブ側コード接続具
18 固定具
20 一次コイル
21 二次コイル
22 正面パネル板
23 充電式の電池
24 ブザー
25 カウンター
26 メータ
28 充電用端子
29 出力端子
31 カウンターリセットスイッチ
32 制御装置本体側コード接続具
34 発信器
35 差動回路
45、46 記録紙
L1 ねじり間隔
L2 センサーコイル間の間隔
P ロープの中心線
Q センサーコイルの長手方向の中心線
K ロープの撚り傾斜方向
R 交差角度
S1、S2 出力電圧値
M 切断部分

Claims (4)

  1. 交流電源に基づく高周波発生手段を内蔵してなる制御装置本体と、ロープに近接配置されて前記高周波発生手段に基づく高周波を印加することで前記ロープ内に渦電流を発生させてその渦電流の変化に基づく前記ロープ内のインピーダンスの変化を検出する渦電流プローブを有するロープ損傷検出装置において、
    前記渦電流プローブを、前記ロープに非接触状態で嵌合することを可能にする形状とした非磁性材製のガイド本体を、このガイド本体の上面側に取り付けられる非磁性材製のハンドル部材と、前記ガイド本体の内壁に配設されて前記ロープに非接触状態で嵌合することを可能にする形状とした非磁性材製のガイドプレートと、このガイドプレートに埋設された2個のセンサーコイルとを少なくとも備え、
    前記2個のセンサーコイルを、前記ロープ内に渦電流を発生させるための一次コイルと前記ロープ内のインピーダンスの変化を出力電圧として検出するための二次コイルから構成し、しかも、前記2個のセンサーコイルを、そのセンサーコイルの長手方向の中心線Qの傾斜方向と前記ロープの撚り傾斜方向Kが逆方向となる逆傾斜配置となるように、かつ、前記2個のセンサーコイルの間隔が、前記ロープのねじり間隔に略等しくように、前記ガイドプレートのコイル設置用開口に並設したことを特徴とするロープ損傷検出装置。
  2. 前記センサーコイルは、前記ガイドプレートの内壁形状に合わせた略逆U字状に変形させることで形成するとともに、その2個のセンサーコイルの略逆U字状外周端縁が、前記ガイドプレートに非接触状態で嵌合する前記ロープの中心線よりも下方に延在する大きさに設定したことを特徴とする請求項1記載のロープ損傷検出装置。
  3. 前記ハンドル部材に設けられて前記渦電流プローブを所定の場所に設置するための取り付け穴と、前記複数個のセンサーコイルにより検出された出力電圧が所定の閾値より大きい場合に点灯若しくは点滅する表示ランプと、前記制御装置本体との電気的接続を行う渦電流プローブ側コード接続具とを設けたことを特徴とする請求項1若しくは2記載のロープ損傷検出装置。
  4. 前記ハンドル部材に、前記渦電流プローブに、前記二次コイルが検出した出力電圧が所定の閾値より大きい場合に点灯若しくは点滅する表示ランプ及び前記制御装置本体との電気的接続を行う渦電流プローブ側コード接続具を設けるとともに、前記制御装置本体に前記渦電流プローブとの電気的接続を行う制御装置本体側コード接続具を設けて、この制御装置本体側コード接続具と前記渦電流プローブ側コード接続具を、取り外し可能な電気接続コードで接続したことを特徴とする請求項1、2若しくは3記載のロープ損傷検出装置。
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