JP5129014B2 - ワイヤーロープの探傷装置 - Google Patents

ワイヤーロープの探傷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5129014B2
JP5129014B2 JP2008117062A JP2008117062A JP5129014B2 JP 5129014 B2 JP5129014 B2 JP 5129014B2 JP 2008117062 A JP2008117062 A JP 2008117062A JP 2008117062 A JP2008117062 A JP 2008117062A JP 5129014 B2 JP5129014 B2 JP 5129014B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire rope
magnetic flux
flaw detector
magnetic
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008117062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009265008A (ja
Inventor
大輔 浅井
友治 大西
礼 石田
太志 関谷
俊昭 松本
裕治 榎本
龍吉 高橋
伸夫 所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Building Systems Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008117062A priority Critical patent/JP5129014B2/ja
Publication of JP2009265008A publication Critical patent/JP2009265008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5129014B2 publication Critical patent/JP5129014B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、エレベーター、リフト、ケーブルカー等に使用されるワイヤーロープの探傷装置に関する。
一般に、エレベーター、リフト、ケーブルカー、あるいはクレーン等に使用されるワイヤロープは、複数本の鋼線を撚って構成されている。そのワイヤーロープは、疲労や摩耗により、このワイヤーロープを構成する鋼線が少しずつ破断していく。すなわち、鋼線の破断数は経年的に増加し、破断数が基準値を超えると、ワイヤーロープは寿命に至ったと判断され、交換される。そのため、定期的な検査により、鋼線の破断数を計測し、その計測されるワイヤーロープが安全に使用できるものかどうか診断する必要がある。
従来、使用中のワイヤーロープの破断数を、目視で計測することが行なわれていた。しかし、このように目視による計測では、ワイヤーロープが長い場合には、多くの作業時間が必要になっていた。このようなことから、近年、電磁気探傷法を用いた探傷装置、すなわちワイヤーロープテスタを用いて、ワイヤーロープの破断数を定量的に計測する探傷装置が提案されている。この探傷装置は、例えば1組の永久磁石を用いてワイヤーロープを長手方向に磁化し、磁石間に配置されたプローブコイルを用いて鋼線の破断部から漏洩する漏洩磁束を検出することにより、鋼線の破断を計測するものである(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載される探傷装置は、磁気センサとして用いられるコイルの芯が磁化手段に接続された構成になっている。そのために、磁化手段の本体を流れる磁束の大きさが変動すると、コイルを通過する磁束も変動する。したがって、磁化手段の強度やワイヤーロープとの接触状態に注意して計測を行なう必要があった。
そこで、磁化手段と、磁気センサであるコイルが独立した構成の探傷装置も従来提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載される従来の探傷装置にあっては、コイルを通過するのはワイヤーロープからの漏洩磁束のみである。そのために、磁化手段からワイヤーロープに投入される磁束の量が変化した場合でも、ワイヤーロープが略飽和状態ならば検出する漏洩磁束の大きさが変化しにくいものであった。
特公平1−49898号公報 特開2006−71603公報
上述した特許文献2に記載の従来技術は、1組の永久磁石の間に空芯コイルを配置して、ワイヤーロープからの漏洩磁束を計測するものであるが、磁性体の芯を持たない状態ではコイルの発生電圧は小さい。このために、高感度な電圧計測装置が必要となり、ワイヤーロープの計測に要する費用が高くなる別の問題があった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、磁化手段からワイヤーロープに投入される磁束の量が変化した場合においても、高感度な電圧計測装置を要することなく漏洩磁束を検出することができるワイヤーロープの探傷装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るワイヤーロープの探傷装置は、複数の鋼線を撚り合わせて成るワイヤーロープを磁化させる磁化手段と、前記ワイヤーロープの漏洩磁束を検出するコイルを有する磁束検出手段とを備えたワイヤーロープの探傷装置において、前記磁束検出手段は、少なくとも1つに前記コイルが巻回される複数の鉄芯と、これらの鉄芯が接続される連結芯とから成る磁性体を有し、この磁性体と前記磁化手段とを磁気的に遮断する遮断手段を備え、前記連結芯は、前記ワイヤーロープの伸長方向と略平行するように延設されて縦断面が上方に開口するコの字状に形成され、前記鉄芯のそれぞれは、前記ワイヤーロープを半周覆うように形成された半円部と、この半円部に連設され、前記コイルが巻回される直線部とを備え、前記直線部の下端に前記連結芯に収容可能な折れ曲がり部分を有することを特徴としている。
このように構成した本発明は、遮断手段を介して磁化手段と磁束検出手段の磁性体とを磁気的に互いに独立させることができる。また、磁束検出手段がコイルの芯となる磁性体を有することから検出感度を高めることができる。これらにより、磁化手段からワイヤーロープに投入される磁束の量が変化した場合においても、高感度な電圧計測装置を要することなく漏洩磁束を検出できる。
また、本発明に係るワイヤーロープの探傷装置は、前記発明において、前記遮断手段は、非磁性体から成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、磁束検出手段の磁性体と磁化手段との間に、非磁性体を介在させることにより、これらの磁束検出手段と磁化手段とを磁気的に互いに独立させることができる。
また、本発明に係るワイヤーロープの探傷装置は、前記発明において、前記磁化手段に貫通穴を設け、前記磁束検出手段の前記コイルに接続される配線を、前記貫通穴に挿通させたことを特徴としている。このように構成した本発明は、コイルに接続される配線が磁化手段の貫通穴内に挿入されるので磁化手段の外部に露出することがない。これにより、配線の断線を防ぐことができる。
また、本発明に係るワイヤーロープの探傷装置は、前記発明において、間隔が互いに異なる複数の鉄芯の組み合わせを複数組設けたことを特徴としている。
また、本発明に係るワイヤーロープの探傷装置は、前記発明において、前記コイルの直近に、前記コイルが結線されるフレキシブル基板を設けたことを特徴としている。
本発明は、磁束検出手段は、ワイヤーロープの漏洩磁束を検出するコイルが巻回される磁性体を有し、この磁性体と、ワイヤーロープを磁化させる磁化手段とを磁気的に遮断する遮断手段を備えたことから、磁化手段からワイヤーロープに投入される磁束の量が変化した場合においても、高感度な電圧計測装置を要することなく漏洩磁束を検出することができ、ワイヤーロープの素線破断に対する高い検出精度が得られるとともに、ワイヤーロープの計測に要する費用を従来よりも抑えることができる。
以下、本発明のワイヤーロープの探傷装置に関する実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るワイヤーロープの探傷装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。
この図1に示すように、ワイヤーロープ1は、このワイヤーロープ1を摺動可能に収納する収納部2aを有する非磁性体から成るガイド2と接触する状態で計測される。ガイド2を挟んでワイヤーロープ1の反対側には、ガイド2の収納部2aに適合する凹部3a1,3b1をそれぞれ有する磁性体3a,3bが配置されている。この磁性体3a,3bの下には、磁石4a,4bが配置され、これらの磁石4a,4bはヨーク5上に配置されている。
前述した磁性体3a,3b、磁石4a,4b、及びヨーク5によって、ワイヤーロープ1を磁化させる磁化手段6が構成されている。すなわち、この磁化手段6は、コの字状の磁石として機能する。
磁化手段6のヨーク5上には、非磁性体7が固定されている。この非磁性体7の上にはワイヤーロープ1の漏洩磁束を検出する磁束検出手段が固定されている。この磁束検出手段は、磁性体を構成する磁性体要素である鉄芯8a,8bと、この磁性体を構成する別の磁性体要素である連続芯9aとを有している。鉄芯8a,8bのそれぞれは、ガイド2の収納部2aを介してワイヤーロープ1を半周覆うように形成された半円部と、この半円部に連設された直線部とを備え、Y字もしくは音叉に類似した形状に形成してある。これらの鉄芯8a,8bの周囲には、コイル10a,10bが巻回されている。また、これらの鉄芯8a,8bの直線部に前述した連結芯9aが接続されている。
ガイド2の収納部2aを磁化手段6の磁性体3a,3bの凹部3a1,3b1に適合させた状態では、ガイド2の両側壁2bが、磁化手段6の磁性体3a,3b、磁石4a,4b、及びヨーク5の両側面のそれぞれに接合する。すなわち、このガイド2によって、鉄芯8a,8b、連結芯9aから成る磁性体、及び非磁性体7が覆われた状態に保たれる。
前述した非磁性体7は、磁束検出手段の鉄芯8a,8b、及び連結芯9aから成る磁性体と、前述したコの字状の磁石として機能する磁化手段6とを磁気的に遮断する遮断手段を構成している。
磁束検出手段に備えられるコイル10a,10bの出力は、制御器21に入力される。この制御器21は、記憶器22に記憶された診断のための閾値と、変換パラメータを用いて信号を処理し、その処理結果を表示器23に出力するようになっている。
図2は図1に示す第1実施形態の要部構成を示す分解斜視図である。この図2にも示すように、磁束検出手段の磁性体を構成する複数の磁性体要素、すなわち鉄芯8a,8bのコイル10a,10bが巻回された直線部分より上方の部分は、ワイヤーロープ1の伸長方向と直交する方向に延設されている。コイル10a,10bが巻回された直線部分よりも下の部分は、ワイヤーロープ1の伸長方向と略平行となるように折り曲げられている。また、この磁性体を構成する別の磁性体要素すなわち連結芯9aは、ワイヤーロープ1の伸長方向と略平行する方向に延設されている。この連結芯9aは、縦断面が上方に開口するコの字状に形成されており、磁束検出手段の磁性体を構成する鉄芯8a,8bの折れ曲がり部分が収容可能になっている。
鉄芯8aと鉄芯8bとの間隔を狭めるときには、同図2に示すように、折れ曲がり部分が互いに外側に向くように配置されるが、鉄芯8aと鉄芯8bとの間隔を広げたいときであって、連結芯9aの長さを比較的短くしたいときなどにあっては、鉄芯8a,8bの折れ曲がり部分が互いに内側に向くように配置すればよい。
連結芯9aは、磁化手段6のヨーク5との距離が離れていることが望ましい。また、この連結芯9aは鉄芯8a,8b間で磁束を通過させるために、一定の体積を有することが必要になる。この連結芯9aを前述のように断面コの字状に形成することにより、鉄芯8a,8bの安定した位置決めを実現できるとともに、コの字状を形成する両側部で所望の体積を確保して、ヨーク5に面するコの字状の中央部分を薄肉化することが可能となる。
鉄芯8a,8bの折れ曲がり部分には雌ねじが形成されている。この雌ねじに図示しない固定ねじを螺合させ、固定ねじを連結芯9aの長穴9a1に挿通させ、連結芯9aの底部の裏面に配置したナット等を固定ねじに螺合させることによって、鉄芯8a,8bと連結芯9aとが一体に締結される。
前述した非磁性体7は、材質に制約を受けないが、実用上は非金属材が好ましい。ワイヤーロープ1の計測時には、ワイヤーロープ1は磁化手段6の磁石4a,4bによって吸い付けられるため、ガイド2の収納部2aに接触しながら移動する。このとき、鉄芯8a,8bとガイド2の収納部2aとの距離が変わると出力電圧が変動する。これを回避するために、非磁性体7を樹脂やベークライト等の比較的柔らかい材質で構成するとよい。このように、非磁性体7を柔らかい材質とすることで、ガイド2がワイヤーロープ1からの押し付け力によって多少変位した場合でも、その変位を非磁性体7で吸収できる。これによって、ワイヤーロープ1に対して常に等しい位置に鉄芯8a,8bを保持でき、コイル10a,10bからの出力電圧の変動を抑えることができる。
この非磁性体7も、前述した磁束検出手段の磁性体を構成する連結芯9aと同様に、縦断面が上方に開口するコの字状に形成されており、連結芯9aが収容される部分の底部には長穴7aを形成してある。長穴7aは、鉄芯8a,8bの折れ曲がり部分を連結芯9aに固定する前述の図示しない固定ねじに螺合されるナット等の移動を許容させる形状寸法に設定されている。連結芯9aは、非磁性体7の中央部分に形成された切欠き7a2,7a3を介してこの非磁性体7に固定されるようになっている。非磁性体7の長穴7aの両端付近には固定用穴7d,7eを形成してある。
鉄芯8a,8bに巻回されたコイル10a,10bは線径が小さく細いために、このまま配線すると断線しやすい。そこで、同図2に示すように、コイル10a,10bの直近のそれぞれに、フレキシブルプリント基板15a,15bを配置してあり、コイル10a,10bと、これらのフレキシブルプリント基板15a,15bとを結線してある。フレキシブルプリント基板15a,15bにはリード線が結線され、リード線は、連結芯9aの長穴9a1、非磁性体7の長穴7a、及びヨーク5の中央付近に設けられた貫通穴5aに挿通され、ヨーク5の底部の裏面側に引き回されるようになっている。
例えば、エレベーターでは多数のワイヤーロープ1が設けられているので、ワイヤーロープテスターすなわち当該探傷装置の幅寸法に対する制約が厳しく、ヨーク5の外部に配線を這わせる場合には、配線がガイド2の側壁2b等と接触して外力によって断線する可能性がある。前述のようにフレキシブルプリント基板15a,15bに結線されたリード線をヨーク5に設けた貫通穴5aに挿通させるようにすることにより、配線がヨーク5の外部に露出せず配線の断線を防ぐことができる。また、ヨーク5に形状変化があると、その部分で漏洩磁束が発生するが、ヨーク5の貫通穴5aは、前述のようにヨーク5の中央付近に設けてあるので、漏洩した磁束がヨーク5自身に帰還しやすくなり、検出精度に対する影響を少なくすることができる。
非磁性体7とヨーク5とは、非磁性体7の穴7d,7eのそれぞれと、ヨーク5の穴5b,5cのそれぞれ対応するものを適合させた状態で、これらの穴7d,5b,7e,5cのそれぞれに図示しない固定ボルトを挿通させ、この固定ボルトにヨーク5の底部の裏面側からナットを螺合させることにより一体に締結される。
図3は第1実施形態に係る探傷装置によって計測されるワイヤーロープを示す図で、(a)図は要部側面図、(b)図は縦断面図、図4は第1実施形態による計測によって得られる磁束密度の特性を示す図で、ワイヤーロープに破断を生じていないときに得られる特性を示す図、図5は第1実施形態による計測によって得られる磁束密度の特性を示す図で、ワイヤーロープに破断を生じているときに得られる特性を示す図、図6はワイヤーロープの計測時における第1実施形態に備えられる磁束検出手段のワイヤーロープに対する第1設置例を示す図、図7はワイヤーロープの計測時における第1実施形態に備えられる磁束検出手段のワイヤーロープに対する第2設置例を示す図である。なお、図6,7のそれぞれは、ガイド2を省略して描いてある。
前述した図1,2に示した第1実施形態によって計測されるワイヤーロープ1は、図3の(b)図に示すように、素線11を複数本撚り合わせてストランド12を形成し、このストランド12をさらに複数本撚り合わせて形成されている。そのために、ワイヤーロープ1を横から見ると、同図3の(a)図に示すように、ストランド12の撚りに応じて凹凸が生じる。すなわち、ワイヤーロープ1を伸長方向、すなわち長手方向に磁化すると、ストランド12の凹凸による漏洩磁束13と、素線11の破断による漏洩磁束14とが同時に発生する。この第1実施形態では、このようなストランド12の凹凸による漏洩磁束13と、素線11の破断を計測することになる。
ストランド12の凹凸による漏洩磁束13は、形状に起因するものであり、凹凸のどの部分を計測しているかによって出力波形が決まる。素線11の破断による漏洩磁束14が無いときには、図4に示すように、コイル10a,10bが計測する漏洩磁束は一定の周期をもつ信号となる。このとき、素線11の破断が生じていると、図5に示すように、コイル10a,10bが計測する漏洩磁束は、一定周期の信号の一部に素線11の破断による漏洩磁束が重なったものとなる。
このような漏洩磁束の計測において、図6に示すように、鉄芯8aと鉄芯8bの距離、すなわち間隔をストランド12の山の寸法と一致させた場合には、それぞれのコイル10a,10bで計測する磁束の波形の位相が等しくなる。一方、図7に示すように、ストランド12の山の寸法の半分に相応するように鉄芯8aと鉄芯8bの間隔を設定した場合には、波形の位相が逆になる。
この第1実施形態では、鉄芯8a及び鉄芯8bは、ワイヤーロープ1の半周を覆うように設けられており、半周分のストランド12の凹凸による漏洩磁束を計測しているので、この点を考慮して鉄芯8aと鉄芯8bとの間隔を最適な間隔となるように保ち、波形が打ち消されるようにコイル10a,10bの配線を行なうようにすると、ストランド12の凹凸による影響を低減させることができる。
さらに、ワイヤーロープ1の素線11の破断形態によっても、漏洩磁束の形状は異なる。つまり、鉄芯8a,8bと、連結芯9aとを連結している図示しない固定ねじを緩めて、鉄芯8aと鉄芯8bの間隔を変更すると、漏洩磁束によってコイル10a,10bに生じる電圧変動のパターンを変えることができる。したがって、検出しようとする素線11の破断モードに応じて鉄芯8a,8bの間隔を調整すれば、破断モードに応じた検出パターンが得られ、検出感度を向上させることができる。
この第1実施形態によってワイヤーロープ1の計測を行なうには、ワイヤーロープ1をガイド2の収納部2aに接触させればよい。これによって、ワイヤーロープ1は磁化手段6によって磁化される。このとき、ワイヤーロープ1の磁化された部分に素線11の破断があると、前述のように破断部の近傍では周囲の空間に磁束が漏洩する。この漏洩した磁束は、鉄芯8aの半円部へ入り、連結芯9aを介して鉄芯8bの半円部へ出て行く。ここで例えば、ワイヤーロープ1を移動させると、漏洩磁束の位置もワイヤーロープ1とともに移動するため、鉄芯8a,8bを通過する磁束が変動する。これに伴って、コイル10a,10bの両端で電位差が生じる。この電圧を計測することによりワイヤーロープ1の素線11の破断を検出できる。
以上のように構成した第1実施形態に係るワイヤーロープ1の探傷装置によれば、磁性体要素である鉄芯8a,8b、及び別の磁性体要素である連結芯9aから成る磁束検出手段の磁性体と、磁化手段6のヨーク5とは、非磁性体7によって磁気的に遮断されており、すなわち磁束検出手段のコイル10a,10bを通過する漏洩磁束、ワイヤーロープ1からの漏洩磁束のみとなる。これにより、磁化手段6からワイヤーロープ1に投入される磁束の量が変化した場合でも、ワイヤーロープ1が略飽和状態であるため、漏洩磁束を精度良く検出することができる。また、磁束検出手段が、鉄芯8a,8bの直線部、及びこれらの直線部を接続する連結芯9aから成る磁性体の芯を有することから、コイル10a,10bの出力電圧を大きくすることができる。したがって、高感度な電圧計測装置を用いずとも漏洩磁束を精度良く検出可能である。
すなわち、磁化手段6からワイヤーロープ1に投入される磁束の量が変化した場合においても、ワイヤーロープ1の素線11の破断に対する高い検出精度が得られるとともに、ワイヤーロープ1の計測に要する費用を抑えることができる。
図8は本発明の第2実施形態を示す要部側面図である。この図8にあっても、ガイド2は省略して描いてある。
この図8に示す第2実施形態は、磁束検出手段の磁性体を複数、例えば2個設けてある。これらの磁性体は、ワイヤーロープ1の伸長方向と直交する方向に延設される磁性体要素間の間隔を互いに異ならせてある。
すなわち、磁束検出手段の第1磁性体は、第1実施形態と同等の磁性体要素である鉄芯8a,8b、及びこれらの鉄芯8a,8bを接続する別の磁性体要素である連結芯9aを備え、鉄芯8a,8bの直線部のそれぞれにコイル10a,10bを巻回させてある。この第1磁性体の鉄芯8a,8bの間隔は、例えば前述した図7に示す第2設置例と同等に設定されている。また、磁束検出手段の第2磁性体も、ワイヤーロープ1の伸長方向と直交する方向に延設される複数の磁性体要素、例えば2個の鉄芯8c,8dと、これらの鉄芯8c,8dを接続し、ワイヤーロープ1の伸長方向と略平行に延設される別の磁性体要素である連結芯9bとを備えている。この第2実施形態の鉄芯8c,8dの間隔は、例えば前述した図6に示す第1設置例と同等に設定されている。その他の構成は前述した第1実施形態と同等である。
このように構成した第2実施形態も、磁束検出手段の鉄芯8a,8b、及び連結芯9aから成る第1磁性体、鉄芯8c,8d、及び連結芯9bから成る第2磁性体のそれぞれと、磁化手段6のヨーク5とを磁気的に遮断する遮断手段である非磁性体7を備えた構成にしてあることから、第1実施形態と同等の効果が得られる。さらに、この第2実施形態は、磁束検出手段の第1,第2磁性体を介して、ワイヤーロープ1の2個の素線破断モードのそれぞれに応じた2つの検出パターンを1回の計測で得ることができる。
なお、前述の第1,第2実施形態における磁束検出手段の磁性体を構成する鉄芯の数には制約を受けず、3個以上設けてもよい。また、複数個の鉄芯を予め用意しておき、必要に応じて選択的に連結芯9aに取り付けるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、磁束検出手段が第1,第2磁性体を備えているが、3個以上の磁性体を設け、3つ以上の検出パターンを1回の計測で得るようにしてもよい。
また、前述した第1実施形態は、磁束検出手段を構成する磁性体の2つのコイル10a,10bの結線を変えて計測を行なうように構成してあるが、双方のコイル10a,10bの電圧をそれぞれ計測して、この計測した結果をソフトウエアで処理してもよい。この場合、必要に応じて片方のコイルの正負を逆転させることにより、ストランド12の凹凸による漏洩磁束の影響をキャンセルすることができる。
図9は本発明の第3実施形態を示す要部側面図である。この第3実施形態は、前述した第1実施形態に備えられる磁束検出手段の磁性体を構成する鉄芯8a,8bの直線部のそれぞれに巻回されるコイル10a,10bのうちのコイル10aを除き、1つのコイル10bだけを備えた構成にしてある。
このように構成した第3実施形態は、2つのコイルの出力差を使ってストランド12の凹凸による漏洩磁束の影響を低減することはできない。しかし、ストランド12の凹凸による漏洩磁束の変動は、ワイヤーロープ1の速度と種類によって一義的に定まるので、ソフトウエアでの処理が可能である。すなわち、制御器21に、例えばエレベーター情報を記憶させた記憶器24からワイヤーロープ1の速度情報と、ワイヤーロープ1の種類情報を入力させ、ストランド12の凹凸の移動時間に相当する時間だけ過去の計測結果との和を演算すればよい。これによりワイヤーロープ1の計測、すなわち診断を行なうことができる。この第3実施形態も、第1実施形態と同様に、磁性体を構成する鉄芯8a,8bと、磁化手段6のヨーク5とを磁気的に遮断する遮断手段、すなわち非磁性体7を備えているので、第1実施形態と同等の効果が得られる。
なお、前述した各実施形態は、磁束検出手段の磁性体と磁化手段6とを磁気的に遮断する遮断手段として、非金属材から成る非磁性体7を、磁束検出手段の磁性体と磁化手段6のヨーク5との間に設けた構成にしてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。例えば、磁束検出手段の磁性体をガイド2に固定し、磁束検出手段の磁性体と磁化手段6のヨーク5との間に、前述した非磁性体7に代えて、空気を流通させる隙間を形成し、この隙間によって前述した遮断手段を構成するようにしてもよい。
本発明に係るワイヤーロープの探傷装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す第1実施形態の要部構成を示す分解斜視図である。 第1実施形態に係る探傷装置によって計測されるワイヤーロープを示す図で、(a)図は要部側面図、(b)図は縦断面図である。 第1実施形態による計測によって得られる磁束密度の特性を示す図で、ワイヤーロープに破断を生じていないときに得られる特性を示す図である。 第1実施形態による計測によって得られる磁束密度の特性を示す図で、ワイヤーロープに破断を生じているときに得られる特性を示す図である。 ワイヤーロープの計測時における第1実施形態に備えられる磁束検出手段のワイヤーロープに対する第1設置例を示す図である。 ワイヤーロープの計測時における第1実施形態に備えられる磁束検出手段のワイヤーロープに対する第2設置例を示す図である。 本発明の第2実施形態を示す要部側面図である。 本発明の第3実施形態を示す要部側面図である。
符号の説明
1 ワイヤーロープ
2 ガイド
3a 磁性体
3b 磁性体
4a 磁石
4b 磁石
5 ヨーク
5a 貫通穴
6 磁化手段
7 非磁性体(遮断手段)
8a 鉄芯
8b 鉄芯
8c 鉄芯
8d 鉄芯
9a 連結芯
10a コイル
10b コイル
10c コイル
10d コイル

Claims (5)

  1. 複数の鋼線を撚り合わせて成るワイヤーロープを磁化させる磁化手段と、前記ワイヤーロープの漏洩磁束を検出するコイルを有する磁束検出手段とを備えたワイヤーロープの探傷装置において、
    前記磁束検出手段は、少なくとも1つに前記コイルが巻回される複数の鉄芯と、これらの鉄芯が接続される連結芯とから成る磁性体を有し、この磁性体と前記磁化手段とを磁気的に遮断する遮断手段を備え、
    前記連結芯は、前記ワイヤーロープの伸長方向と略平行するように延設されて縦断面が上方に開口するコの字状に形成され、
    前記鉄芯のそれぞれは、前記ワイヤーロープを半周覆うように形成された半円部と、この半円部に連設され、前記コイルが巻回される直線部とを備え、前記直線部の下端に前記連結芯に収容可能な折れ曲がり部分を有することを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
  2. 前記請求項1記載のワイヤーロープの探傷装置において、
    前記遮断手段は、非磁性体から成ることを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
  3. 前記請求項1記載のワイヤーロープの探傷装置において、
    前記磁化手段に貫通穴を設け、前記磁束検出手段の前記コイルに接続される配線を、前記貫通穴に挿通させたことを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項記載のワイヤーロープの探傷装置において、
    間隔が互いに異なる複数の鉄芯の組み合わせを複数組設けたことを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
  5. 前記請求項4記載のワイヤーロープの探傷装置において、
    前記コイルの直近に、前記コイルが結線されるフレキシブル基板を設けたことを特徴とするワイヤーロープの探傷装置。
JP2008117062A 2008-04-28 2008-04-28 ワイヤーロープの探傷装置 Active JP5129014B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008117062A JP5129014B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 ワイヤーロープの探傷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008117062A JP5129014B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 ワイヤーロープの探傷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009265008A JP2009265008A (ja) 2009-11-12
JP5129014B2 true JP5129014B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=41391029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008117062A Active JP5129014B2 (ja) 2008-04-28 2008-04-28 ワイヤーロープの探傷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5129014B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5767564B2 (ja) * 2011-11-04 2015-08-19 株式会社日立製作所 ワイヤロープの検査装置
JP6079504B2 (ja) * 2013-08-23 2017-02-15 Jfeスチール株式会社 漏洩磁束式検査装置および検査方法
CN112326781A (zh) * 2021-01-04 2021-02-05 四川大学 一种轴承滚针漏磁检测装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55125548U (ja) * 1979-02-28 1980-09-05
JPS5842425B2 (ja) * 1979-06-29 1983-09-20 株式会社日立製作所 ロ−プの磁気探傷装置
JPS61138157A (ja) * 1984-12-11 1986-06-25 Toshiba Corp 磁気探傷方法とその装置
JPH0750711Y2 (ja) * 1990-03-09 1995-11-15 日本鋼管株式会社 薄鋼帯の磁気探傷装置
JPH0518939A (ja) * 1991-07-08 1993-01-26 Hitachi Building Syst Eng & Service Co Ltd ワイヤーロープの磁気探傷装置
JP2006071603A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Toshiba Elevator Co Ltd ロープ探傷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009265008A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5031528B2 (ja) ワイヤーロープの探傷装置
JP5035729B2 (ja) 張力測定装置
JP4741734B2 (ja) 磁気エネルギを用いてエレベータロープの劣化を検出する方法および装置
CN111684276B (zh) 磁性体检查装置
JP4894620B2 (ja) ワイヤーロープの探傷装置
CN110234988B (zh) 磁性体的检查装置和磁性体的检查方法
KR102020974B1 (ko) 로프 손상 진단 검사 장치 및 로프 손상 진단 검사 방법
JPH0149897B2 (ja)
KR20120091724A (ko) 와이어로프 결함 탐지장치
US20150239708A1 (en) System and Method for Monitoring a Load Bearing Member
JP5597788B2 (ja) 導電体を流れる電流の測定装置
US20210382007A1 (en) Non-destructive testing device for detecting damage to steel wire rope
US11016061B2 (en) Method and apparatus for evaluating damage to magnetic linear body
CN109073606B (zh) 绳索损伤诊断检查装置
JP5129014B2 (ja) ワイヤーロープの探傷装置
JP2005156419A (ja) ワイヤロープの磁気探傷装置
CN110023747B (zh) 磁性线状体的损伤评价方法及损伤评价装置
JPH0149898B2 (ja)
CN112997074B (zh) 磁性体检查装置和磁性体检查系统
JP5210532B2 (ja) 簡易ロープ異常検知装置
JP2010014659A (ja) ワイヤーロープの探傷装置
JPH07181167A (ja) 鋼索監視装置
JP4179149B2 (ja) ワイヤロープの磁気探傷装置および磁気探傷装置付滑車
KR102032986B1 (ko) 와이어 로프 손상 검출장치
JP2020038072A (ja) 磁性体検査システム、磁性体検査装置および磁性体検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5129014

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350