JP2731334B2 - より線の素線切れ発見装置 - Google Patents

より線の素線切れ発見装置

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JP2731334B2
JP2731334B2 JP5081681A JP8168193A JP2731334B2 JP 2731334 B2 JP2731334 B2 JP 2731334B2 JP 5081681 A JP5081681 A JP 5081681A JP 8168193 A JP8168193 A JP 8168193A JP 2731334 B2 JP2731334 B2 JP 2731334B2
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健夫三 島田
正 小比田
五郎 横田
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気鉄道の電力供給用
に敷設された電力用の裸より線及び配電線用の絶縁電線
などのより線の素線切れ発見装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気鉄道の電力供給用に敷設される電線
は、硬アルミより線、硬銅より線、ACSR(硬心アル
ミより線)、および亜鉛メッキ鋼より線等の種類があ
り、何れも、図11(a)に示すように素線1を撚った,
より線2である。これらのより線2は、図12に敷設例
として、その一部を示すように、電車線路の吊架線、補
助吊架線、き電線、き電吊架線、負き電線、帰線、AT
保護線等に、必要な電気・機械的特性に応じて選択さ
れ、裸線状態で使用される。また、配電線等には、図1
1(b)に示すように、絶縁材で覆われた絶縁被覆より線
2′が使用される。
【0003】これらのより線2,2′は外気に晒され、
電気・機械的ストレスを継続して受けるので、使用年月
の経過とともに劣化が進行する。劣化の激しい状態で放
置すると、電力供給に支障が生じ、場合によっては全切
断となって垂れ下がり、大事故につながるおそれがあ
る。したがって、検査を適宜行い、劣化の進んだより線
に対して交換工事を行っている。この劣化状態を大別す
ると、図13に示す腐食と図14に示す素線切れがあ
る。腐食は、より線2,2′の表面から一定の面積をも
って腐食が進行し、より線2,2′が細くなっていく現
象であり、素線切れは、より線2,2′の特定位置で、
断面方向に素線切れが内部に向けて進行する現象であ
る。
【0004】ここで、腐食と素線切れが事故発生原因と
なる割合を、硬アルミより線について調査した結果を図
15に示す。この図からは、素線切れを原因とする事故
が腐食を原因とする事故に匹敵する程度に発生し、素線
切れについても腐食と同じように交換時期判断の検討材
料とする必要があることがわかる。
【0005】上記腐食の判定方法としては、本出願人が
提案した腐食劣化判定法(特開平4−282451号)
がある。この方法は、腐食が、より線の径を平均的に小
さくするため、新品のより線によって得られる出力(標
準値)と比較する標準比較方式を採用している。すなわ
ち、1次コイルによって特定周波数の磁界を、より線に
与え、これによって生じる渦流を2次コイルで検出し、
既知の標準値と比較して腐食量を定量的に検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の試験方法
は、渦流がより線の残存量に比例して発生することに着
目し、これによって腐食量の定量検出を行なっている。
【0007】しかし、上記方法では素線切れを発見し、
その進行程度を定量的に示すことはできない。これは、
素線切れが特定箇所を基点とし、そこから断面方向に進
行する現象であり、相当深く進行しても、腐食量として
は小さいからである。
【0008】したがって、素線切れについては、目視検
査に依らざるを得ない。この目視検査は、より線が高い
位置に架設されているため、人がはしご、タワー、保守
用車等に乗り、活線状態あるいは停電状態の電線に接近
して行うもので、裏側についても反射ミラー等を用いて
調べる必要がある。
【0009】ところで、素線切れは、その傷口の幅と深
さが比例するとは限らず、その進行状況は外部から見た
だけでは不明確で、完全な検査を行うことはできない。
また、この作業は危険を伴うとともに、検査すべき、よ
り線の長さは相当な距離のものであり、保守用車の操作
要員等も含めると多数の人手を要し、作業コストは非常
に高い。
【0010】したがって、現実的には、使用期間が一定
年月を経過したとき強制的に電線を交換する時間基準保
全を採用せざるを得ない。この結果、取替時期が不適切
となり、まだ十分使用可能なより線の取替を実施した
り、取替えが遅れて事故を発生させてしまう等の問題が
あった。
【0011】そこで、本発明は素線切れを定量的に検出
できる装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明が提供するより線
の素線切れ発見装置は、中央のコイルを1次コイル、そ
の両側のコイルを2次コイルとして細長く巻回した3本
のコイルを平行に並べ、各コイルを、検出対象である電
力用の裸より線及び配電線用の絶縁電線等のより線の周
方向に、より線全体を包み込み、かつ、各コイル先端が
より線を越える位置まで延びるように逆U字状に屈曲し
て形成したセンサー部と、このセンサー部をより線に対
して各コイルが一定間隔を保つ状態で跨らせ、より線の
敷設方向に移動させる走行機構を持つ検出部と、上記1
次コイルに交流電流を流し、これによって生じるより線
の渦流で、両側にある2本の2次コイルに発生する誘導
電圧を差動的に取り出し、素線切れの進行程度を示す値
として出力させる制御部とを具備したことを特徴とす
る。
【0013】さらに、上記センサー部の各コイル高さ
を、より線径の2倍以上とした構成、及び、上記検出部
に、より線の上記コイルと相対する部分を磁気飽和させ
る磁気飽和装置を備えた構成を提供する。
【0014】
【作用】上記構成で、中央の1次コイル4に交流電流を
流すと、これと対向する、より線部分に渦流が発生す
る。この渦流は、両側の2次コイル51,52と対向する
部分にも流れ、2本の2次コイル51,52の双方に誘導
電圧を発生させる。
【0015】この誘導電圧は、より線形状が均一であれ
ば、1次コイル4に対するより線と2次コイル51,52
の線対称配置から、2次コイルの双方で等しい。
【0016】しかし、素線1に断線があると、この断線
による溝状の傷部分で渦流が断ち切られ、この断線部分
と対向する2次コイルの誘導電圧は、断線部分の深さと
長さに比例して低下する。
【0017】したがって、2本の2次コイルの出力を差
動的に取り出す回路構成とし、上記1次コイルと2次コ
イルからなるセンサー部を、走行機構によって、より線
に対して一定の間隔を保って走行させれば、一方の2次
コイルが素線の断線部分の上に位置したとき、断線の進
行状況に応じた電気出力が発生し、これを位相検波等の
処理で取出せば、素線切れの程度を定量的に検出でき
る。
【0018】また、上記1次コイルと2次コイルの高さ
を、図1,図2に示すように、より線を上から跨いだと
き、より線の下面を越え下方に突出する大きさにしてい
るので、1次コイルの作る磁界を、より線の下面に到達
させ、この下面に発生する渦流によって2次コイルに誘
導電圧を発生させることができ、センサー部が下方オー
プン形状であるにもかかわらず、より線下面の素線切れ
検出が可能になる。この1次コイルと2次コイルの高さ
を、より線径の2倍以上にすると、特に好ましい結果が
得られる。
【0019】さらに、磁気飽和装置を用いると、検出対
象が鋼心アルミより線等の磁性体を含む、より線であっ
ても、磁気飽和によって非磁性体材料と同一条件で検出
可能となる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0021】この発明は、素線切れの形状に着目した検
出方式を採用している。すなわち、素線切れは特定箇所
から深さ方向に進行し、欠損量としては小さいので、従
来例で説明した標準比較方式は採用できない。また素線
切れは、より線に加わる張力との関係で、より線と交差
する断面方向に進行する性質を持つ。
【0022】そこで、より線と交差する方向に細帯状の
交流磁界の作用領域と、これに隣接する2つの細帯状の
検出領域を設定し、作用領域に交流磁界を作用させて渦
流を生じさせたとき、隣接した検出領域に流れる渦流に
よる磁界の大きさの差を取出す自己比較方式を採用す
る。
【0023】この方式は、素線切れのある部分と正常な
部分との差を取り出すので、より線径の変化に左右され
ず正確に素線切れ量を検出できる。また、帯状の検出領
域の幅を素線切れの溝幅に対応させることによって十分
な感度が得られる。
【0024】このような検出を行うセンサー部は、既に
敷設されているより線に対して検査を行うので、容易に
着脱できる構造とする必要があり、図1及び図2に示す
ように下方が開口するオープン形状で製作される。
【0025】すなわち、より線2,2′に上方から跨
り、より線2,2′に沿って走行可能な鞍型のボビン3
を用い、ここに3本のコイルを、中央に交流磁界を作用
させる1次コイル4、その前後に渦流検出を行う2本の
2次コイル51,52を、上方から逆U字状に跨らせ走行
方向に所定間隔で固定配置する。各コイル4,51,52
は、例えば図3に示すように長径/短径の比が大きい、
長円形に巻回したものを、逆U字状に曲げて製作され
る。各コイルの短い方向の内面間隔Wと設置間隔Lは、
通常の素線切れの溝幅に対応させる。
【0026】この寸法W,Lを略素線外径に等しく設定
するとS/N比を最大にできる。より線2,2′の外径
によって、W,Lの最適値は変わるが、より線2,2′
の素線外径は、一般に数mmと小さく、素線切れの幅も
通常小さいので、略5mm以下に設定すれば、通常の検
査には十分な検出性能が得られる。
【0027】この1次コイル4及び2次コイル51,52
は、下方オープンのセンサー形状に対応させ下方に長く
延ばして、より線2,2′の下面をも検出できるように
する。具体的には、各コイルの高さhを、より線径dの
2倍以上とすれば、より線下面の良好な素線切れ検出が
可能になる。
【0028】この構造による検出データ例を図10(a)
に示す。このデータは、図10(b)に示すように、φ1
4mm径の鉄パイプ42の上部、下部、右側面、左側面
の夫々に、軸方向位置を異ならせてφ1.0mmのドリ
ル穴43を開け、各コイル高さhを28mm(h=2
d)と設定して、夫々の穴を検出したとき得られる位相
検波出力の波形を示すものである。
【0029】この結果からわかるように、各コイル4,
1,52の高さを、検出対象とする線材の径に対し十分
に大きくすれば、下側にある線材の欠損部、すなわちよ
り線の下面にある素線切れを、他の部分にある素線切れ
と同様の感度で検出できることがわかる。
【0030】このセンサー部6を動作させる駆動回路
は、図4のように構成される。すなわち、所定周波数の
交流電源7によって1次コイル4に交流電流を通じ、こ
れによって、より線2,2′に生じた渦流を、両側に配
置した2本の2次コイル51,52で誘導により検出す
る。2本の2次コイル51,52は差動的に直列接続さ
れ、誘導電圧出力の差分を、前置増幅器8を通して取り
出す。さらに図示しない位相検波回路で信号処理する
と、この出力は、素線切れの部分の断面積(本数)と一
定の関係を持つ。
【0031】したがって、上記センサー部6を、より線
2,2′に沿って走行せると、素線切れが発生している
部分を通過するとき、素線切れ量に応じた出力を得るこ
とができ、これによって、素線切れを定量的に検出する
ことができる。
【0032】ところで、より線2が鋼心アルミより線の
ように磁性体を構成要素としている場合には、1次コイ
ル4と2次コイル51,52の直接の磁束鎖交数が増大
し、これによる2次出力が渦流による2次出力を相対的
に低下させて、検出精度を低下させる。
【0033】そこで、これを防止するため、図5,図6
に示すような磁気飽和装置(永久磁石)を配置する。こ
の磁気飽和装置9は、例えば数個の永久磁石を重ねて収
容した矩形容器10の両端に、一対の磁極11を固定し
たもので、この磁極11は上記センサー部6の外側位置
で、より線2に跨るように配置され、より線2のセンサ
ー部6に囲まれる部分を磁気飽和させる。この磁化の程
度は、例えば磁極11の内面で1000ガウス程度の磁
界を作用させればよく、永久磁石として希土類材質のも
のを使用すれば、この程度の磁界は容易に得られる。
【0034】磁極11の下面にはFRP樹脂等の非磁性
材12を張り付けてある。これは、磁極11が、より線
2を吸着して離れにくくなり、摩擦で傷を付けたりする
現象を防止するためで、これによって着脱を容易にして
いる。
【0035】なお、図5の13はこの磁気飽和装置9
を、後述する検出器本体に取付けるための孔であり、図
6の14は上記円筒容器10と磁極11を固定するため
の取付孔である。この磁気飽和装置9は一定の磁界を供
給し、それ自体が誘導を生じさせるものではないため、
非磁性体のより線2,2′の測定に対しても影響を与え
ない。したがって、常に取付けた状態で使用され、検査
対象の材質に応じて着脱するといった手間は必要としな
い。
【0036】上記センサー部6及び磁気飽和装置9は、
図7に示すように走行機構を備えた検出部15に組み込
まれる。この検出部15は、モータと電池を内蔵した自
走式のもので、従来は絶縁棒によって牽引していたもの
を、遠隔操作で自走可能とし、作業性を大幅に改善して
いる。図7において、16は上記センサー部6と磁気飽
和装置9を設けた検出部15のケースで、上方側面によ
り線上を走行させる一対の駆動プーリ17、この駆動プ
ーリ17に向けて下側から対向する位置に一対のピンチ
ローラ18、上面に運搬用の把手16aを取付け、内部
に電源電池19、モータ20、図示しない走行制御回
路、及び送受信装置を内蔵している。
【0037】上記駆動プーリ17は、周面により線2,
2′に嵌まり込む断面半円状の溝17aを形成したもの
で、図示しない伝達機構を介し上記モータ20から駆動
力を受けて回転する。この駆動プーリ17の溝内には、
図9に示すように、ウレタンゴム17bが焼き付けら
れ、より線2,2′とのスリップを防止し、傷付けをな
くしている。
【0038】ピンチローラ18は、より線2,2′を、
駆動プーリ17に向けて下方から挟み付けるように設け
られる。これは走行中に、検出部15内のセンサー部6
と、より線2,2′の間隔を一定に保ち、振動を防止し
てリフティングノイズの発生を防止するためである。
【0039】検出部15は、より線2,2′に対し容易
に着脱できることが必要であるので、このピンチローラ
18は、図9に示すように、ピンチローラ18を回転自
在に支持したL型アーム24、揺動レバー25、及び引
張スプリング26からなるリンク機構によって取付けて
いる。
【0040】揺動レバー25は、一端をケース16に立
てたピンに揺動自在に取付け、その揺動端で、L型アー
ム24の中間の角部を回転自在に支持する。引張スプリ
ング26は、L型アーム24のピンチローラ支持側と反
対側に延びるレバーを、ケース16の所定位置に向けて
付勢する。この構造は、L型アーム24の姿勢と引張ス
プリング26による付勢方向との関係で、図9(a)に示
すピンチローラ18を水平にする挟み付け状態と、図9
(b)に示すようにピンチローラ18を垂直にする退入状
態の2つの安定姿勢を交互に取るスナップ動作をする。
揺動レバー25は、L型アーム24の支点を、引張スプ
リング26のケース側支持点に対し上下動させることに
よって、上記スナップ動作の安定を図る。
【0041】なお、図9で22は電源スイッチ、23は
動作表示灯であり、この検出部15の下面には、より線
2,2′に対して着脱するための操作竿41が取付けら
れる。
【0042】上記検出部15は、より線2,2′の上に
跨った状態で、後述する制御部27からの指令を受け、
任意方向に所定速度で走行して、前置増幅器8から出力
される2次コイル51,52の出力差を、この制御部27
に出力する。
【0043】この制御部27の操作パネル28を図8に
示す。この制御部27は、上記検出部15と無線式又は
有線式の送受信装置でつながれ、検出部15の走行制御
を行うとともに、受信信号を処理して素線切れの定量検
出を行う。
【0044】この制御部27の操作パネル28には、線
種切換えスイッチ29、発振周波数調整ダイアル30、
検波位相設定ダイアル31、走行方向切換えスイッチ3
2、走行速度調整ダイアル33、信号増幅度可変ダイア
ル34、レベル計35、検出感度調整ダイアル36、素
線切れ検出ブザー37、外部レコーダ39への出力端子
38、電源スイッチ40が設けられている。
【0045】線種切換えスイッチ29は、検出対象とす
る、より線の種別を指定する。これによって、より線の
材質に適した、励磁電流の周波数と検波位相が自動設定
される。この周波数と位相は、発振周波数調整ダイアル
30と検波位相調整ダイアル31によって手動調整でき
る。
【0046】検出部15の走行状態は、走行方向切換え
スイッチ32及び走行速度調整ダイアル33によって行
える。
【0047】信号増幅度可変ダイアル34は、受信した
信号を適正なレベルで位相検波するための調整を行う。
この位相検波の結果は、レベル計35で表示されるの
で、これを見て、より線の素線切れ状態を連続して観察
できる。
【0048】この位相検波のレベルが、検出感度調整ダ
イアル36で設定される所定のレベルを越えると、素線
切れ検出ブザー37が鳴り、作業者に知らせる。また、
この位相検波出力は出力端子38を通して、外部のレコ
ーダ39に出力させ記録することができる。
【0049】次に具体的な使用方法を説明する。初め
に、検出部15を、より線2,2′に乗せる。これは図
9(b)に示すように、ピンチローラ18に下向きの垂直
姿勢を取らせた状態で、操作竿41を持ち、駆動プーリ
17の溝17aがより線2,2′に嵌まるように、検出
部15をより線2,2′の上方からゆっくりと引き下げ
る。このとき、ピンチローラ18を支持しているL型レ
バー24の一端のレバーが、より線2,2′に当たり、
ピンチローラ18を水平姿勢を取らせる向きに回転させ
る。一定角度回転すると、臨界点を乗り越えるので引張
スプリング26は、ピンチローラ18を上向きに付勢
し、駆動プーリ17がより線2,2′の上に乗ったとき
は、図9(a)に示すように、より線2,2′を駆動プー
リ17との間で挟み付けた状態となる。これによって走
行時の振動を防止し、センサー部6と、より線2,2′
の間隔を一定に保ち、リフティングノイズの発生を防止
する。
【0050】次に、制御部27の操作パネル28を操作
して、線種及び走行方向・速度等の設定を行った後、検
出を行う。検出結果はレベル計35で表示され、異常が
発見されると、即時にブザー37で速報される他、これ
によって得られたデータを外部のレコーダ39に順次記
録できる。このデータは、より線の素線切れ量を定量的
に表すものであり、これに基づいて、より線の交換の必
要の有無を正確に判断できる。
【0051】検出作業が終了して検出部15を取り外す
ときは、図9(a)に示す状態で、操作竿41を持って、
上方に押し上げる。これによりピンチローラ18が、よ
り線2,2′によって下方に押され、L型レバー24を
図中時計回り方向に回転させ、図9(b)に示すようにピ
ンチローラ18を下向きの垂直姿勢を取らせる。この状
態で、揺動レバー25も垂直姿勢となり、L型レバー2
4の支点を、引張スプリング26が延びる位置より上方
に位置させる。したがって、この姿勢は安定したものと
なり、検出部15を容易に取り外すことができる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、電力設備における各種
より線2,2′の素線切れ状態の把握を、簡便な操作
で、正確に行えるようになる。したがって、より線の保
全方法を、従来採用されていた不正確な目視検査を併用
する時間基準保全から、設備診断機器を使用する正確な
状態基準保全に移行できる。
【0053】そのため、検査周期が延伸でき、毎年のよ
り線の検査要員を減少できるとともに、使用可能なより
線の取替を行うこともなくなり、より線の保守経費を減
らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】センサー部を構成するより線に跨る鞍型ボビン
に対する1次コイルおよび2次コイルの配置例を示す正
面図
【図2】図1に示すコイル配置を、より線が延びる方向
から見た側面図
【図3】鞍型ボビンに装着する前の状態である,平面形
状の1次コイルおよび2次コイルを示す平面図
【図4】本発明の検出部の電気回路例を示す図
【図5】磁気飽和装置の配置を、図2に示す1次コイル
及び2次コイルを装着した鞍型ボビンに対する位置関係
で示す正面図
【図6】図5に示す磁気飽和装置の側面図
【図7】鞍型ボビン及び磁気飽和装置を備えた検出部の
外観を示す正面図
【図8】図7に示す検出部に対して、走行制御、素線切
れの検出制御を行う制御部の外観を示す平面図
【図9】図7の検出部のピンチローラの動き〔(a) より
線を下から抑えた状態、(b) 開放状態〕を示す側面図
【図10】図3に示すように1次コイル及び2次コイル
を下向きに長くすると、より線の下面の素線切れを検出
できることを示すもので、その(a)は出力特性図、その
(b)は検査に用いた線材の形状を示す断面図である。
【図11】本発明の対象とする各種電線のより線形状を
示す正面図で、その(a)は裸電線、その(b)は絶縁電線を
示す。
【図12】図11に示すより線の電車線路における敷設
状態の一例を示す斜視図
【図13】図11に示すより線に腐食が進行した状態を
示す正面図
【図14】図11に示すより線に素線切れが進行した状
態を示す正面図
【図15】電車線路におけるより線事故の発生原因別の
割合を示す図
【符号の説明】
1 素線 2,2′ より線 3 鞍型ボビン 4 1次コイル 51,52 2次コイル 6 センサー部 7 交流電源 8 前置増幅器 9 磁気飽和装置 10 永久磁石を内蔵した矩形容器 11 磁極 15 検出部 17 駆動プーリ 18 ピンチローラ 28 制御部の制御パネル 35 レベル計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 五郎 京都市右京区山ノ内御堂殿町13の1株式 会社 エレクトロニクス キョート内 (56)参考文献 特開 昭57−24853(JP,A) 特開 昭58−127160(JP,A) 特開 平2−306161(JP,A) 特開 昭63−66457(JP,A) 特開 昭53−106087(JP,A) 実開 昭49−62072(JP,U) 特公 昭57−34902(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央のコイルを1次コイル、その両側の
    コイルを2次コイルとして細長く巻回した3本のコイル
    を平行に並べ、各コイルを、検出対象である電力用の裸
    より線及び配電線用の絶縁電線等のより線の周方向に、
    より線全体を包み込み、かつ、各コイル先端がより線を
    越える位置まで延びるように逆U字状に屈曲して形成し
    たセンサー部と、このセンサー部をより線に対して各コ
    イルが一定間隔を保つ状態で跨らせ、より線の敷設方向
    に移動させる走行機構を持つ検出部と、 上記1次コイルに交流電流を流し、これによって生じる
    より線の渦流で、両側にある2本の2次コイルに発生す
    る誘導電圧を差動的に取り出し、素線切れの進行程度を
    示す値として出力させる制御部とを具備したことを特徴
    とするより線の素線切れ発見装置。
  2. 【請求項2】 上記センサー部の各コイル高さを、より
    線径の2倍以上としたことを特徴とする請求項1に記載
    したより線の素線切れ発見装置。
  3. 【請求項3】 上記検出部に、より線の上記コイルと相
    対する部分を磁気飽和させる磁気飽和装置を備えたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載したより線の
    素線切れ発見装置。
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