JP2007271607A - 異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の異常検出装置1は、互いに向かい当接して配された一対の対向部材2a,2bと、一対の対向部材2a,2bのそれぞれの第一長板4a,7aに設けられたセンサコイル11とを備え、センサコイル11は、電線を両側から挟んだ状態で渦電流を発生させ、その磁束の変化から電線の異常を検出する。
【選択図】図1
Description
前記電線に渦電流を発生させる励磁コイルと、前記渦電流による磁束変化を検出する検出コイルと、を備え、前記励磁コイルの励磁周波数は、前記電線の種別に応じて変更できることを特徴とする異常検出装置としてもよい。
生させることができ、また、検出コイルによって渦電流による磁束変化を検出することが可能となる。また、クランプヘッド部は、長棒状のポスト部の先端寄りに設けられている。これにより、電線と作業員との安全距離を確保することができる。従って、例えば検出対象の電線が高圧電線の場合においても、高い安全性の下で異常検出作業を行うことができる。
(装置の構成)
図1に本実施形態の異常検出装置の要部分解斜視図を示し、図2に異常検出装置1の要部断面図を示し、図3に図2の左側面図を示し、図4に図2の右側面図を示す。
第一長板7a,第二長板7b,第三長板8a,第四長板8bの各々の両端に位置する第一短板9aと第二短板9bとにより構成された、全体形状が直方体の部材である。
1の端部には、溝部10bの開口に向かう付勢力を有するバネBが設けられている。このバネBがあることにより、貫通穴P内に収容されたリード線とセンサコイル11との密着度を高める役割を果たす。
次に、対向部材2a,2bそれぞれに設けられているセンサコイル11について詳説する。
とし、対向部材2bに設けられたセンサコイルをセンサコイル11a2とする。つまり、
センサコイル11aは、センサコイル11a1とセンサコイル11a2との一対のセンサコイルにより構成されている。つまり、本実施形態のセンサコイル11は5組、すなわち10個のセンサコイルを有している。
コイル19aと、励磁コイル19aの両側に配され、磁束の変化によりリード線Lの異常を検出する検出コイル20a,20bにより構成されている。つまり、一つの励磁コイルに対して二つの検出コイルが配されて一つのセンサコイルを形成している。
以上が本実施形態に係るセンサコイル11a〜11eの構成である。
次に、上記した本実施形態の異常検出装置1を用いて、リード線の発錆状態を検出する原理とその手順について詳説する。尚、本実施形態の異常検出装置1は、一対のセンサコイルずつ異常検出測定を行うため、センサコイル11aについて詳説し、センサコイル11b〜11eについては説明を簡素化する。
作業員は、異常検出装置1の把持部3a,3bを握り、ねじりコイルバネ17の付勢方向に対抗する方向に力を加える。すると、ねじりコイルバネ17は変形し、対抗部材2aと対抗部材2bとは互いに離間する方向に移動する。
る(図3参照)。
測定対象のリード線Lを対抗部材2a,2bの間に挟み込んだ後、センサコイル11aの各励磁コイル19a,19bを励磁させるために励磁電流を発生させる。この励磁電流は、周波数250〜400kHzとするとよく、300kHzとするとより好ましい。この値は、図6に示すように、励磁電流の周波数を変えて異常検出測定を行った結果に基づくものである。異常検出装置1は、リード線Lの導体を構成する素線のループ電流も測定しているため、素線間に絶縁ゴムが付着している場合、励磁電流の周波数が低い(〜240kHz程度)と絶縁ゴムの付着を発錆と判定してしまう。一方、高い周波数(250〜400kHz程度)の励磁電流であれば、表層の測定が可能となり素線間に付着した絶縁物の影響を回避することができる。
電力増幅器22は、発信回路21から発信された励磁電流を増幅してセンサコイル11aに発信する。すると、リード線Lには高周波磁界が加えられる。図7に示すように、このときのリード線Lの導体を構成する素線には渦電流が発生する。検出コイル20a〜20dには、この渦電流が及ぼす電磁誘導作用により所定の電流が流れる。
フィルタ回路24の適正周波数は、上述した励磁電流の大きさと同じく300kHzとする。このフィルタ回路24を通過させることにより、外部ノイズを除去することができる。
図9に示すように、発錆のあるリード線における検出信号は、錆の無いリード線における検出信号と比べて位相が遅れるという特性を有している。位相検波はこの特性を利用してリード線における発錆の有無を検出する。
このとき、測定制御回路30からの指令に基づき切換回路29がセンサコイル11aからセンサコイル11bに切り換える。つまり、測定制御回路30及び切換回路29は、一つのセンサコイルが(2)〜(8)の工程を経る毎に別のセンサコイルに切り換える。
このとき、測定制御回路30は、センサコイル毎に測定された5個の異常検出信号から最大値と最小値とを選択する。異常検出信号の最大値と最小値とは、リード線Lの1ターン分の錆の様相を検出するための値であり、対抗部材2aと対抗部材2bとの間に挟み込んだリード線Lを5組のセンサコイルで検出し錆の状況を数値化したものである。リード線Lの1ターンの発錆が顕著な場合は、異常検出信号の最大値と最小値は共に低い値となる。また、発錆にむらのある場合は、最大値が比較的大きな値となり、最小値が比較的小さな値となり、最大値と最小値との乖離が大きくなる。一方、錆のない場合は、最大値及び最小値ともに比較的大きな値となる。尚、表示器31には異常検出信号の最大値と最小値とが表示される。
行うことができる。
次に第二実施形態の異常検出装置について説明する。図10に第二実施形態の異常検出装置の正面図を示す。また、図11に、第二実施形態の異常検出装置を示す。尚、本実施形態の異常検出装置の、上記実施形態の異常検出装置と同じ構成には、同符号を付し説明を簡略化する。
次に第三実施形態の異常検出装置について説明する。第三実施形態の異常検出装置1aの基本的な構成は、第二実施形態の異常検出装置1と同じである。従って、以下の説明では第二実施形態の異常検出装置との相違点を中心に説明するものとする。尚、上述した実施形態の異常検出装置と同じ構成には、同符号を付し説明を簡略化する。
1aは、上述した第一実施形態及び第二実施形態の異常検出装置1と同じく、発錆のある電線における検出信号が錆の無い電線における検出信号と比べて位相が遅れるという特性を利用して発錆の有無を検出するものであるところ、位相は検出対象の浸透深さ、換言すると径に比例するからである。すなわち、電線の径が変わった場合には位相の変化を検出し難くなる虞があるからである。
磁界によって生じる渦電流は数1で与えられる。尚、Jは渦電流(誘導電流)、ωは角周波数、μは真空の透磁率(4π×10-7(H/m))、σは導電率(S/m)、Xは浸透深さ(m)、H0は電線表面における磁界の強さである。また、数1において、左項は振
幅を示し、右項は位相を示す。
る渦電流のモデル図を示す。これらの図に示されるように、電線90の導体表面(被覆90bの表面)に平行な方向(紙面横方向)を持った、大きさH0ejωtの磁界によって生
じる数1で示される渦電流Jは、電線90の円周方向に生じることになる。そして、この時の渦電流Jは、浸透深さXによって変化することになる。なお、浸透深さXは、磁界から導線90aの中心までの距離に相当するものである。
タを作業員が確認したか否かを受け付ける。なお、記憶装置を設けて確認ボタン63の指示によってデータが保存されるようにしてもよい。電源ボタン64は、異常検出装置1aのON/OFFを受け付ける。なお、上記に加えて励磁周波数の変更を受け付ける周波数調整ボタンを設けてもよい。
2a,2b 対抗部材
3a,3b 把持部
4a 第一長板
4b 第二長板
5a 第三長板
5b 第四長板
6a 第一短板
6b 第二短板
7a 第一長板
7b 第二長板
8a 第三長板
8b 第四長板
9a 第一短板
9b 第二短板
10a,10b 溝部
10a1,10b1 最深部
11 センサコイル
11a〜11e センサコイル
11a1 センサコイル
11a2 センサコイル
12 第一延出板(延出部)
13 第二延出板
13a 第一面板
13b 第二面板
14 第二延出板(延出部)
15a 第一面板
15b 第二面板
16a,16b 連結板
17 ねじりコイルバネ(付勢手段)
18a,18b レセプタクル
19a〜19j 励磁コイル
20a〜20t 検出コイル
21 発信回路
22 電力増幅器
23 増幅回路
24 フィルタ回路
25 位相検波回路
26 全波整流回路
27 主増幅回路
28 移相回路
29 切換回路
30 測定制御回路
31 表示器
40 クランプヘッド
41 握り部
41a 突起部
42 バネ
43 固定操作ロッド
44 鍔部
45 ロック機構
45a 貫通溝
B バネ
L リード線
P 貫通穴
Claims (6)
- 電線に生じた異常を検出するための異常検出装置であって、
前記電線に渦電流を発生させる励磁コイルと、
前記渦電流による磁束変化を検出する検出コイルとを備え、
前記励磁コイルの励磁周波数は250kHz〜400kHzであることを特徴とする異常検出装置。 - 電線に生じた異常を検出するための異常検出装置であって、
前記電線に渦電流を発生させる複数の励磁コイルと、
前記渦電流による磁束変化を検出する複数の検出コイルと、
前記複数の励磁コイル及び検出コイルを切り換える切換手段とを備えていることを特徴とする異常検出装置。 - 前記複数の検出コイルの最大出力値及び最小出力値を測定する測定制御手段を更に備え、
前記異常検出装置は、前記測定制御手段により測定された最大出力値と最小出力値の大きさに基づき前記電線の異常を検出することを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。 - 電線に生じた異常を検出するための異常検出装置であって、
前記電線に渦電流を発生させる励磁コイルと、
前記渦電流による磁束変化を検出する検出コイルと、を備え、
前記励磁コイルの励磁周波数は、前記電線の種別に応じて変更できることを特徴とする異常検出装置。 - 前記励磁コイル及び前記検出コイルが内蔵され、検出時において前記電線に取り付けられるクランプヘッド部と、
長手方向先端寄りに前記クランプヘッド部が設けられた長棒状のポスト部と、を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の異常検出装置。 - 前記クランプヘッド部は、前記ポスト部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項5に記載の異常検出装置。
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