JP3473987B2 - 防曇性農業用被覆材 - Google Patents
防曇性農業用被覆材Info
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- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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Description
トンネル栽培の際に用いる被覆材に関するものである。
さらに詳しくいえば、本発明は、塗膜の密着性に優れ、
しかも長期間にわたって保存した後でも、その防曇性が
そこなわれることのない農業用被覆材に関するものであ
る。
収獲をもたらす栽培方法として、ハウス栽培、トンネル
栽培が盛んに行われている。そして、このハウス栽培や
トンネル栽培用の被覆材は、光透過性、保温性、機械的
強度、耐久性などが良好で、しかもコストが安くなけれ
ばならず、このような要求を満たすものとして軟質塩化
ビニル系樹脂をはじめ、ポリエチレン、エチレン‐酢酸
ビニル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネートなど
の合成樹脂類のフィルムやシートが一般に用いられてい
る。
やトンネルの被覆に用いると、大気中の水分が凝縮し
て、その内側に付着し、光透過性をそこなうため、通
常、被覆材の材料中に非イオン系界面活性剤からなる防
曇剤例えばソルビタン脂肪酸エステル等を練り込んだ
り、被覆材基体の内側に防曇性塗膜層を設けることが行
われている。
ブルーミングを起し、時間の経過とともに防曇効果が低
下するという欠点がある。
ションを含む組成物から形成された塗膜は、透明性及び
防曇性が優れているが、1か月ないし1か年程度保存し
たのち使用すると、初期に付与された防曇性が極端に低
下し、十分な防曇効果が発揮されないという欠点があ
る。
従来の農業用被覆材がもつ欠点を克服し、塗膜の密着性
に優れ、しかも長期間保存した後でも、良好な防曇性を
示す防曇性塗膜層をもった農業用被覆材を提供すること
を目的としてなされたものである。
能をもつ防曇性農業用被覆材を開発するために、鋭意研
究を重ねた結果、合成樹脂バインダーを含有する水系エ
マルション中に鎖状コロイダルシリカを分散させた組成
物を用いて被覆材基体上に防曇性層を形成させると、経
時的な防曇効果の劣化をもたらすことがないことを見出
し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
層の片面に、合成樹脂バインダーと鎖状コロイダルシリ
カを含む防曇性塗膜層を設けたことを特徴とする保存安
定性のよい防曇性農業用被覆材を提供するものである。
脂には特に制限はなく、一般に農業用被覆材の基体層と
して慣用されているものの中から任意に選ぶことができ
る。このような合成樹脂の例としては、例えば軟質塩化
ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ンとα‐オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合体、ポリエステル、ポリカーボネートなど
がある。
ム又はシート状に成形して用いられるが、必要ならば、
その表面をプラズマ放電処理、コロナ放電処理などによ
り粗面化して用いることもできる。
脂バインダーと鎖状コロイダルシリカを含むものである
が、その合成樹脂バインダーとしては、基体層との間で
良好な接着性を示す熱可塑性樹脂であればどのようなも
のでもよい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系
樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。合成樹脂
バインダーは、通常、水や水とアルコールなどの水性溶
剤との混合溶剤に分散させて、水系エマルションとして
用いられる。
るコロイダルシリカとしては、鎖状コロイダルシリカの
みでもよいが、鎖状コロイダルシリカと球状コロイダル
シリカとの混合物であってもよく、鎖状コロイダルシリ
カと球状コロイダルシリカとの配合割合は、固形分重量
比で10:0ないし3:7の範囲で選ばれる。
〜30mμ、好ましくは、5〜20mμ、長さ30〜5
00mμ、好ましくは40〜300mμの粒子からなる
ものを用いることが必要である。このような鎖状コロイ
ダルシリカは、公知であり(特開平4−65314号公
報)、市販品として入手することができる。また、球状
コロイダルシリカとしては、例えば通常のコロイダルシ
リカのほかにコロイダルリチウムシリケートなども用い
ることができる。
ロイダルシリカとの割合は、固形分重量比で1:9ない
し7:3の範囲にあることが必要である。これよりも合
成樹脂バインダーの割合が少ないと、防曇性層と基体層
の接着が不十分になるし、またこれよりもコロイダルシ
リカの割合が少ないと十分な防曇性が得られない。
塗布性を向上させる目的でシリコーン系界面活性剤やフ
ッ素系界面活性剤を含有させることができる。シリコー
ン系界面活性剤としては、例えばポリエーテル変性シリ
コーンオイルが好ましく、またフッ素系界面活性剤とし
ては、例えばフルオロアルキル基やフルオロアルケニル
基を含有する界面活性剤が用いられる。これらの界面活
性剤の配合量は、通常組成物全量に対し、0.01〜1
重量%の範囲で選ばれる。
で、従来慣用されている防曇剤、乳化剤、分散剤、安定
剤、架橋剤などの各種添加成分を含有させることができ
る。さらに、塗膜の耐候性を高めるためにヒンダードア
ミン系の光安定剤や紫外線吸収剤などを含有させること
ができる。架橋剤は特に塗膜の耐水性を向上させるため
に使用され、例えばエポキシ系やアジリジン系のものが
挙げられる。
0.2〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲内で
選ばれる。
下に示すようにして製造することができる。すなわち、
合成樹脂バインダー含有水系エマルションと、径5〜2
0mμ、長さ40〜300mμの鎖状コロイダルシリカ
を混合させた塗膜形成用組成物を、合成樹脂被覆材基体
の片面に塗布し、乾燥させ、合成樹脂バインダーと鎖状
コロイダルシリカとの割合が固形分重量比1:9ないし
7:3の塗膜を形成させる。
エマルションとしては、前記した熱可塑性樹脂の水系エ
マルションを用いるが、特にアニオン性ポリウレタン系
水系エマルションやアクリル系水系エマルションが好ま
しい。
ダーを水系エマルションとして、鎖状コロイダルシリカ
と、固形分重量比が1:9ないし7:3の割合になるよ
うに混合して塗膜形成用組成物を調製し、これを合成樹
脂被覆材基体すなわち合成樹脂フィルム又はシートの展
張したときの内側にくる片面に塗布する。この塗布は、
例えばグラビアコーター、リバースロールコーター、バ
ーコーター、エアナイフコーターなどの常用手段を用い
て行うことができる。このようにして塗布したのち、5
0〜150℃程度の温度で、熱風乾燥し、最終的に厚さ
0.2〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの塗膜を形
成させる。
性、密着性が優れている上に、長期間保存しても防曇性
の劣化がなく、農作物のハウス栽培用及びトンネル栽培
用の被覆材として好適である。
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、試料フィルムの性能は40℃の
恒温室に1ないし6週間保管後、各項目について次のよ
うにして評価した。
を外気温5℃の恒温室に設置し、この水槽上に傾斜30
°でフィルムを展張し、初期の防曇性の立ち上がりを次
の基準に従って評価した。 ○:展張後1時間未満で水滴の付着なく流れる △:展張後1時間以上3時間未満で水滴の付着なく流れ
る ×:展張後3時間以上6時間未満で水滴の付着なく流れ
る ××:展張後6時間以上経過しても水滴が付着している
上に水滴を落下させてから1分後の接触角をゴニオメー
ター(エルマ社製G‐1型)で測定した。
テープによる剥離テストによりつぎのとおり評価した。 ○:はがれない △:一部はがれ ×:全面はがれ
製、アニオン性ポリエステル系ポリウレタンエマルショ
ン(固形分35重量%)]50重量部、スノーテックス
‐UP[商品名、日産化学工業社製、鎖状コロイダルシ
リカ(太さ5〜20mμ、長さ40〜300mμ)(固
形分20重量%)]50重量部及びL‐77(商品名、
日本ユニカー社製、ポリエーテル変性シリコーンオイ
ル)0.1重量部から成る防曇性塗膜形成用組成物を調
製した。
0.1mmの軟質塩化ビニル樹脂フィルムの片面に、バ
ーコーター7#で塗布し、次いで120℃で1分間オー
ブンで乾燥して、厚さ約2μmの塗膜を形成させ、農業
用防曇性樹脂フィルムを製造し、その性能を評価した。
結果を表1に示す。
重合度1300の塩化ビニル樹脂100重量部、ジオク
チルフタレート45重量部、トリクレジルホスフェート
5重量部、バリウム‐亜鉛系安定剤2重量部及びSS‐
102(商品名、シプロ化成社製、紫外線吸収剤)0.
2重量部から成る樹脂組成物を調製したのち、カレンダ
ー成形法によりフィルム成形した。
樹脂系エマルション(固形分30重量%)]60重量
部、スノーテックス‐UP(固形分20重量%)40重
量部、L‐77 0.1重量部及びT.A.Z.M.
(商品名、相互薬工社製、アジリジン系架橋剤のトリメ
チルプロパン‐トリ‐β‐アジリジニルプロピオネー
ト)0.1重量部から成る防曇性塗膜形成用組成物を調
製した。
した厚さ0.1mmのポリエステルフィルムの片面に、
実施例1と同様に塗布、乾燥して、厚さ約2μmの塗膜
を形成させ、農業用防曇性ポリエステルフィルムを製造
し、その性能を評価した。結果を表1に示す。
エマルション(固形分33重量%)]40重量部、スノ
ーテックス‐UP(固形分20重量%)60重量部及び
L‐77 0.1重量部から成る防曇性塗膜形成用組成
物を調製した。
0.1mmのエチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂フィルム
の片面に、実施例1と同様に塗布、乾燥して、厚さ約2
μmの塗膜を形成させ、農業用防曇性エチレン‐酢酸ビ
ニル共重合樹脂フィルムを製造し、その性能を評価し
た。結果を表1に示す。
ルムは、酢酸ビニルを10重量%含有する、メルトイン
デックス1.5のエチレン酢酸ビニル樹脂100重量
部、イルガノックス1010(商品名、チバ・ガイギー
社製、抗酸化剤)0.1重量部、SS‐102(商品
名、シプロ化成社製、紫外線吸収剤)0.1重量部及び
LS‐944(商品名、チバ・ガイギー社製、光安定
剤)0.1重量部から成る樹脂組成物を調製し、次いで
あらかじめ押出機により150℃でペレット化したの
ち、ダイス径75mmφ、ブロー比2.5、加工温度1
60℃でインフレーション法によりフィルムを製造し
た。
[商品名、日産化学工業社製、粒径40〜50mμの球
状コロイダルシリカ(固形分20重量%)]を用いた以
外は実施例1と同様にしてフィルムを製造した。
[商品名、触媒化成社製、粒径10〜20mμの球状コ
ロイダルシリカ(固形分20重量%)]を用いた以外は
実施例1と同様にしてフィルムを製造した。
品名、日産化学工業社製、粒径7〜9mμの球状コロイ
ダルシリカ(固形分30重量%)]を用いた以外は実施
例1と同様にしてフィルムを製造した。
部、スノーテックス‐UP(固形分20重量%)とスノ
ーテックス20〔商品名、日産化学工業社製、平均粒径
15mμ、球状コロイダルシリカ(固形分20重量
%)〕との等量混合物75重量部及びエタノール水溶液
[水/エタノール=4/1(重量比)]20重量部から
成る防曇性塗膜形成用組成物を調製した。
ビニル樹脂フィルムの片面に、実施例1と同様に塗布、
乾燥して、厚さ約1μmの塗膜を形成させ、農業用防曇
性軟質塩化ビニル樹脂フィルムを製造し、その性能を評
価した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 合成樹脂被覆材基体層の片面に、合成樹
脂バインダーと鎖状コロイダルシリカを含む防曇性塗膜
層を設けたことを特徴とする保存安定性のよい防曇性農
業用被覆材。 - 【請求項2】 鎖状コロイダルシリカとともに球状コロ
イダルシリカを含む請求項1記載の防曇性農業用被覆
材。 - 【請求項3】 鎖状コロイダルシリカが、径3〜30m
μ、長さ30〜500mμである請求項1又は2記載の
防曇性農業用被覆材。 - 【請求項4】 合成樹脂バインダーとコロイダルシリカ
との割合が固形分重量比で1:9ないし7:3の範囲に
ある請求項1、2又は3記載の防曇性農業用被覆材。 - 【請求項5】 鎖状コロイダルシリカと球状コロイダル
シリカとの割合が固形分重量比で10:0ないし3:7
の範囲にある請求項2に記載の防曇性農業用被覆材。
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1994
- 1994-06-08 JP JP12637494A patent/JP3473987B2/ja not_active Expired - Fee Related
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