JPH0733078B2 - 塩化ビニル樹脂系マ−キングフイルム - Google Patents

塩化ビニル樹脂系マ−キングフイルム

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JPH0733078B2
JPH0733078B2 JP61294484A JP29448486A JPH0733078B2 JP H0733078 B2 JPH0733078 B2 JP H0733078B2 JP 61294484 A JP61294484 A JP 61294484A JP 29448486 A JP29448486 A JP 29448486A JP H0733078 B2 JPH0733078 B2 JP H0733078B2
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chloride resin
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達郎 小田
有康 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,広告ステッカー類や表示用ステッカー類など
に用いられるマーキングフィルム,特に,表面硬度と柔
軟性とのバランスに優れかつ可塑剤のブリードが少ない
塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムに関する。
(従来の技術) マーキングフィルムは,例えば,看板,広告板などに用
いる広告ステッカー類;自動車,二輪車などの車両類や
各種船舶などに用いる表示用ストライプステッカー類;
交通標識,道路標識,案内板などに用いる表示用ステッ
カー類に広く利用されている。このマーキングフィルム
には,通常,半硬質塩化ビニル樹脂が用いられる。半硬
質塩化ビニル樹脂を基材として,その片面に適当な接着
剤層を設け,さらに接着剤層上に離型紙を付設して,マ
ーキングフィルムが構成される。使用時には,この離型
紙を剥離して所定の箇所に貼着される。このようなマー
キングフィルムは,屋外での使用のために耐候性を要
し,また所望の貼着性を得るために,適度な柔軟性およ
び表面硬度が必要とされる。
マーキングフィルムに用いられる塩化ビニル樹脂には,
所望の柔軟性を得るために,通常,可塑剤が含有され
る。例えば,特開昭52−128943号公報には,フタル酸誘
導体などの液体可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物
が開示されている。しかし,このような可塑剤を含有す
る塩化ビニル樹脂組成物をマーキングフィルムとすれ
ば,可塑剤が接着剤層にブリードして,塩化ビニル樹脂
との接着力を低下させるおそれがある。しかも,可塑剤
は,接着剤層とは反対側のマーキングフィルム表面にも
ブリードするため,空気中の塵埃が付着するなどして,
フィルムの耐候性が低下する。可塑剤のブリードをなく
すべく,可塑剤量を少なくすれば,柔軟性が低下しても
ろくなるなど,機械的強度が損なわれる。
可塑剤のブリードを少なくするために,液状ポリエステ
ル系可塑剤とともに,23℃で固体のアクリル系樹脂をブ
レンドした塩化ビニル樹脂組成物(特開昭60−4543号公
報に開示)やエチレン/ビニルエステル共重合体をブレ
ンドした塩化ビニル樹脂組成物(特開昭60−195146号公
報に開示)が提案されている。しかし,所望のブリード
防止効果が得られる量のアクリル系樹脂をブレンドすれ
ば,可塑剤の添加効果が減殺されて,柔軟性が低下す
る。エチレン/ビニルエステル共重合体をブレンドすれ
ば,一定のブリード防止効果が達成されるものの,エチ
レン/ビニルエステル共重合体の粘着性により,得られ
た塩化ビニル樹脂組成物の物性が損なわれる。この組成
物を用いてマーキングフィルムを作製すれば,粘着性を
原因としてフィルム表面に塵埃などが付着し,汚染され
るおそれがある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,表面硬度と柔軟性とのバランスに
優れかつ可塑剤のブリードが少ない塩化ビニル樹脂系マ
ーキングフィルムを提供することにある。本発明の他の
目的は,耐候性に優れた塩化ビニル樹脂系マーキングフ
ィルムを提供することにある。本発明のさらに他の目的
は,曲面密着性に優れた塩化ビニル樹脂系マーキングフ
ィルムを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,従来の単層のマーキングフィルムに代えて,
可塑剤のブリードを防止するための表面層と,フィルム
に柔軟性を付与するためのベース層とを有する複層型の
マーキングフィルムを構成し,表面層には非移行性可塑
剤を含有させかつベース層には柔軟性付与可塑剤を含有
させることにより,フィルムに柔軟性を与えつつ可塑剤
のブリードを低減し得る,との発明者の知見にもとづい
て完成された。
本発明の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムは,表面
層とベース層とを有する複層型のマーキングフィルムで
あって,(1)該表面層が非移行性可塑剤を含有する塩
化ビニル樹脂組成物(A)からなり,(2)該ベース層
が,柔軟性付与可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物
(B)からなり,そのことにより上記目的が達成され
る。
非移行性可塑剤は,ブリード性の少ない可塑剤であり,
例えば,数平均分子量が1200〜4000,好ましくは2000〜4
000のポリエステル系可塑剤がある。市販品としては,w
−2600,w−4000(大日本インキ社製),PN−150,PN−26
0,PN−446(アデカアーガス社製),NS−3700,NS−3900
(大日精化社製)などが挙げられる。これらは単一もし
くは併用して用いられる。塩化ビニル樹脂組成物(A)
の非移行性可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、15〜30重量部限定され、好ましくは、20〜27
重量部である。15重量部を下まわると,表面層の柔軟性
が低下し,たとえベース層の可塑剤量を増やしても,柔
軟性に欠けたマーキングフィルムとなる。30重量部を上
まわると,非移行性可塑剤でも長時間を経るとブリード
が発生し,マーキングフィルムの耐候性が低下する。
柔軟性付与可塑剤には,例えば,数平均分子量が1200以
下,好ましくは800〜1000のポリエステル系可塑剤,フ
タル酸またはトリメリット酸とC7〜C12のアルコールと
から合成されるエステル系可塑剤がある。市販品として
は,PL−200(フタル酸エステル系可塑剤,三菱ガス化学
社製),DOP,DIDP(フタル酸系可塑剤,積水化学社製),
TOTM(トリメリット酸系可塑剤,アデカアガース),w−
1000(ポリエステル系可塑剤,大日本インキ社製)など
がある。この柔軟性付与可塑剤は,これを塩化ビニル樹
脂100重量部に対し50重量部含有する組成物が,−10℃
以下の柔軟温度を有するように選択される。これらは,
単一もしくは併用して用いられる。塩化ビニル樹脂組成
物(B)の柔軟性付与可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対し、30〜60重量部に限定され、好まし
くは40〜50重量部である。30重量部を下まわると,マー
キングフィルムの表面硬度は得られるものの柔軟性に欠
け,それゆえ曲面密着性が悪くなる。60重量部を上まわ
ると,柔軟性が高すぎ,所望の表面硬度が得られない。
表面層の厚さは,10〜30μm,好ましくは15〜25μmの範
囲でかつフィルム層の50%以下に調節される。10μmを
下まわると,ベース層からの可塑剤の移行を防止し得な
い。30μmを上まわると,マーキングフィルムの柔軟性
が低下し,それゆえ曲面密着性が悪くなる。表面層の厚
さがフィルム厚の50%を上まわると,上記同様マーキン
グフィルムの柔軟性が低下する。
本発明の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムの成形方
法としては,成形後の収縮の少ない極薄フィルムとする
ために,キャスティング成形方法が好ましい。特に,塩
化ビニル樹脂組成物のペースト状物を可塑剤中に分散さ
せたゾルキャスト成形方法が好適である。
ゾルキャスト成形方法は,塩化ビニル樹脂,可塑剤およ
び必要に応じて希釈剤,顔料,熱安定剤,耐候性付与剤
などを撹拌混合したペースト状物を,コンマコーター,
ナイフコーター,リバースロールなどの塗布機にて工程
紙にキャストした後,これを160〜250℃に加熱して塩化
ビニル樹脂と可塑剤とを溶融均一化させ,冷却してフィ
ルム状とする成形方法である。
このゾルキャスト成形方法により,複層型のマーキング
フィルムを得るためには,離型剤などを塗布した工程紙
やポリエステルフィルム,または表面研摩されたステン
レススチールベルト上に,上記塗布機を用いて,非移行
性可塑剤を含有する塩化ビニル樹脂組成物(A)をキャ
ストする。次いで,この上に柔軟性付与可塑剤を含有す
る塩化ビニル樹脂組成物(B)をキャストして加熱溶融
し,冷却してフィルム状とする。このゾルキャスト成形
方法において,ペースト状物の粘度は,103〜105cPが好
ましい。粘度の調整は,可塑剤および希釈剤の量を変え
ることによりなされる。しかし,可塑剤の量はフィルム
の柔軟性にも影響を与えるため,主として希釈剤の量で
調整される。ペースト状物の粘度が105cPを上まわる
と,キャストが困難となる。103cPを下まわると,キャ
ストの際に対流が生じ,オレンジピールといわれる表面
アレ現象や,肉厚不足が起こる。ベース層のペースト状
物の粘度は,表面層のペースト状物の粘度より,通常,
低く設定される。ベース層のペースト状物の粘度が表面
層のそれより高いと,上記ゾルキャスト成形方法におい
て,表面層上にベース層をキャストする際に,表面層が
ベース層によって削られたり押出されるおそれがある。
そのために,一定厚の表面層を得ることが困難となる。
本発明の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムに用いら
れる塩化ビニル樹脂は,特に限定されず,マーキングフ
ィルムに用いる従来公知の塩化ビニル樹脂が挙げられ
る。塩化ビニル樹脂の重合度は,例えば,500〜3000,好
ましくは800〜2000とされる。この塩化ビニル樹脂は,
ペースト用樹脂であれば好適である。このようなペース
ト用樹脂は,乳化重合,マイクロサスペンジョン重合な
どにより,平均粒径0.1〜10μmの樹脂として製造され
る。これら塩化ビニル樹脂は,塩化ビニル単独重合体の
ほかに,塩化ビニルと他の共重合可能なモノマーとの共
重合体であってもよい。共重合可能なモノマーには,例
えば,エチレン,プロピレン,ブチレン,塩化ビニリデ
ン,酢酸ビニルなどのオレフィン系モノマー;アクリル
酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル
酸メチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸プロピル
などの(メタ)アクリル酸エステルがある。これらモノ
マーは,20重量%以下,好ましくは6重量%以下の割合
で含有される。塩化ビニル樹脂の市販品としては,例え
ば,ゼオン121,ゼオン131,ゼオン25,ゼオン43A,ゼオン1
35J(日本ゼオン社製)リューロンペースト725,リュー
ロンペースト770,リューロンペースト761(東洋ソーダ
社製)などがある。
本発明の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムに用いら
れる塩化ビニル樹脂組成物(A)および(B)には,塩
化ビニル樹脂および可塑剤のほかに,必要に応じて,希
釈剤,安定剤,顔料,滑剤,酸化防止剤,充填剤,紫外
線吸収剤,防曇剤,帯電防止剤,難燃剤などが添加され
る。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (1)マーキングフィルムの作製 ペースト用塩化ビニル樹脂(ゼオン121,日本ゼオン社
製) 100重量部 ポリエステル系可塑剤(w−2600,大日本インキ社製)
20重量部 有機スズ安定剤(TVS8831,日東化成社製) 2重量部 酸化チタン(CR−80,石原産業社製) 60重量部 紫外線吸収剤(Tinuvin P,チバガイギー社製) 2重量
部 酸化防止剤(Irganox1076,チバガイギー社製) 2重量
部 希釈剤(ソルベッソ150,エクソン社製) 60重量部 上記処方を配合し,万能混合機(三英製作所社製)に入
れ,30分間常温で撹拌した。次いで,真空度300mmHgにて
脱泡しつつ20分間混合して,白色の塩化ビニル樹脂組成
物(A)を得た。
ポリエステル系可塑剤に代えてフタル酸系可塑剤(PL−
200,三菱ガス化学社製)45重量部を用いたこと以外は,
上記と同様にして塩化ビニル樹脂組成物(B)を得た。
塩化ビニル樹脂組成物(A)を,焼付け後の厚さが15μ
mとなるように,コイルコーターにより工程紙上に塗工
して表面層を形成した。この表面層上に,ドクターブレ
ードにより,焼付け後の厚さが35μmとなるように塩化
ビニル樹脂組成物(B)を塗工した。これらを200℃の
オーブンに入れ,2分間加熱,焼付けした後,工程紙を剥
離して白色の複層型マーキングフィルムを得た。このフ
ィルム組成を表1に示す。
(2)マーキングフィルムの評価 (1)で得られたマーキングフィルムを,以下の方法に
より評価した。これらの結果を表2に示す。
(a)引張強度および伸び JIS K 7113に準じ,マーキングフィルムをJIS 1号ダン
ベルに打抜き,200mm/minのスピードで引張ったときの破
断時の強度および伸びを測定した。その結果,引張強度
は310kg/cm2,そして伸びは90%であった。
(b)引裂強度 JIS K 6732に準じ,マーキングフィルムを直角ダンベル
に打抜き,200mm/minのスピードで引張ったときの引裂強
度を測定した。その結果,引裂強度は100kg/cm2であっ
た。
以下の物性の測定は,(1)で得られたマーキングフィ
ルムに,次のようにして接着剤層を設けて行なった。
接着剤(SKダインP−11,創研化工社製)のトルエン溶
液を離型紙上に,ドライベースで30g/m2となるように塗
工した。これを100℃で乾燥した後,試料フィルムと合
わせて接着剤をフィルム上に転写した。
(c)ブリード性 接着剤加工したフィルムを100mm×100mmに切断し,0.5mm
厚のアルミ板に接着した。これを90℃,95%RHの恒温恒
湿機に入れ,168時間処理した。処理後のフィルム表面に
ブリードした可塑剤をメタノールに溶解し,液体クロマ
トグラフィーにより定量分析した。その結果,分析値は
0.05g/m2であった。
(d)曲面密着性 接着剤加工したフィルムを2mmのアルミ板(呼径5(D
=9,H=3.5)の丸リベットを打った)に接着し,以下の
基準により外観を目視判定した。
1級 ビスの頂点しか接着せず 2級 シワ,空間があるが一応接着 3級 多少シワがあるが大体密着している 4級 微少空間を残しているがシワなくほぼ密着 5級 完全に密着して接着 その結果,曲面密着性は4級であった。
(e)エンピツ硬度 JIS K 5400に準じて,接着加工したフィルムのエンピツ
硬度を測定した。その結果,エンピツ硬度はBであっ
た。
(f)折曲げ試験 JIS K 5400に準じ,接着加工したフィルムを0.5mm厚の
アルミ板に接着し,−10℃で24時間にわたり状態調節し
た後,径5φにて折曲げ,外観を目視判定した。その結
果,外観は良好であった。
実施例2 塩化ビニル樹脂(A)の配合では,酸化チタンを10重量
部とし,顔料としてポリアゾレッド(CROMOPHTAL Red
G,チバガイギー社製)10重量部を追加したこと,および
塩化ビニル樹脂(B)の配合では,酸化チタンを10重量
部とし,顔料としてレーキレッド(LAKE Red C,大日精
化社製)10重量部を追加したこと以外は,実施例1と同
様にして赤色の複層型マーキングフィルムを得た。この
フィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は290kg/cm2,伸びは75%,引裂強度は10
5kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.07g/m2,曲
面密着性は4級,エンピツ硬度はBであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
実施例3 ポリエステル系可塑剤(w−2600)を15重量部とし,か
つフタル酸系可塑剤(PL−200)を30重量部としたこと
以外は,実施例1と同様にして赤色の複層型マーキング
フィルムを得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は390kg/cm2,伸びは30%,引裂強度は55
kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.04g/m2,曲面
密着性は4級,エンピツ硬度はHBであり,折曲げ試験は
やや不良であった。これらの結果を表2に示す。
実施例4 ポリエステル系可塑剤を30重量部とし,かつフタル酸系
可塑剤(PL−200)を60重量部としたこと以外は,実施
例1と同様にして赤色の複層型マーキングフィルムを得
た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は210kg/cm2,伸びは180%,引裂強度は1
00kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.09g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度は2Bであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
実施例5 ポリエステル系可塑剤に代えてトリメリット酸系可塑剤
(TOTM,アデカアガース社製)を45重量部用い,ベース
層の厚さを40μmとしたこと以外は,実施例1と同様に
して赤色の複層型マーキングフィルムを得た。このフィ
ルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は280kg/cm2,伸びは100%,引裂強度は1
10kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.06g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度はBであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
実施例6 ポリエステル系可塑剤に代えてトリメリット酸系可塑剤
(TOTM,アデカアガース社製)を45重量部用い,表面層
およびベース層の厚さを焼付け後で25μmとしたこと以
外は,実施例1と同様にして赤色の複層型マーキングフ
ィルムを得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は310kg/cm2,伸びは85%,引裂強度は12
5kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.04g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度はBであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
比較例1 ポリエステル系可塑剤を30重量部として厚さ50μmの表
面層を形成し,ベース層を設けなかったこと以外は,実
施例1と同様にして白色の複層型マーキングフィルムを
得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は385kg/cm2,伸びは10%,引裂強度は30
kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.05g/m2,曲面
密着性は2級,エンピツ硬度は2Bであり,折曲げ試験は
不良であった。これらの結果を表2に示す。
比較例2 塩化ビニル樹脂(A)の配合にポリエステル系可塑剤に
代えてフタル酸系可塑剤(PL−200)20重量部を用いた
こと以外は,実施例1と同様にして白色の複層型マーキ
ングフィルムを得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は270kg/cm2,伸びは110%,引裂強度は1
10kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.32g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度は2Bであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
比較例3 ポリエステル系可塑剤を10重量部としたこと以外は,実
施例1と同様にして白色の複層型マーキングフィルムを
得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は330kg/cm2,伸びは20%,引裂強度は30
kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.04g/m2,曲面
密着性は2級,エンピツ硬度はHBであり,折曲げ試験は
不良であった。これらの結果を表2に示す。
比較例4 ポリエステル系可塑剤を40重量部としたこと以外は,実
施例1と同様にして白色の複層型マーキングフィルムを
得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は275kg/cm2,伸びは160%,引裂強度は9
0kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.26g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度は4Bであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
比較例5 塩化ビニル樹脂(B)の配合にフタル酸系可塑剤(PL−
200)に代えてポリエステル系可塑剤(w−2600)を45
重量部用いたこと以外は,実施例1と同様にして白色の
複層型マーキングフィルムを得た。このフィルム組成を
表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は290kg/cm2,伸びは50%,引裂強度は95
kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.08g/m2,曲面
密着性は4級,エンピツ硬度はBであり,折曲げ試験は
不良であった。これらの結果を表2に示す。
比較例6 フタル酸系可塑剤(PL−200)を80重量部用いたこと以
外は,実施例1と同様にして白色の複層型マーキングフ
ィルムを得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は160kg/cm2,伸びは180%,引裂強度は1
05kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.16g/m2,曲
面密着性は5級,エンピツ硬度は2Bであり,折曲げ試験
は良好であった。これらの結果を表2に示す。
比較例7 フタル酸系可塑剤(PL−200)を20重量部用いたこと以
外は,実施例1と同様にして赤色の複層型マーキングフ
ィルムを得た。このフィルム組成を表1に示す。
このフィルムを実施例1と同様の方法により評価したと
ころ,引張強度は410kg/cm2,伸びは10%,引裂強度は30
kg/cmであった。ブリードアウト分析値は0.05g/m2,曲面
密着性は1級,エンピツ硬度はBであり,折曲げ試験は
不良であった。これらの結果を表2に示す。
実施例および比較例から明らかなように,本発明の塩化
ビニル樹脂系マーキングフィルムは表面硬度と柔軟性と
のバランスに優れかつ可塑剤のブリードが少ない。曲面
密着性や折曲げ性も良好である。本発明と同割合の可塑
剤量の塩化ビニル樹脂組成物で単層型のマーキングフィ
ルムを形成すれば,柔軟性に欠けたフィルムとなる。ポ
リエステル系可塑剤を用いずフタル酸系可塑剤(PL−20
0)のみの塩化ビニル樹脂組成物によるマーキングフィ
ルムは,柔軟性は得られるものの,ブリード性が著しく
悪い。他方,フタル酸系可塑剤(PL−200)を用いずポ
リエステル系可塑剤のみの塩化ビニル樹脂組成物は,柔
軟性に欠けかつ折曲げ性が不良である。
(発明の効果) 本発明の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルムは,この
ように,非移行性可塑剤を含有する表面層と柔軟性付与
可塑剤を含有するベース層とを有する複層型の構成でな
るため,表面硬度と柔軟性とのバランスに優れかつ可塑
剤のブリードが少ない。可塑剤のブリードが少ないた
め,耐候性が良好である。柔軟性のゆえに曲面密着性に
も優れている。
このようなことから,本発明のマーキングフィルムは,
広告ステッカー類,表示用ステッカー類などに有用であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面層とベース層とを有する複層型のマー
    キングフィルムであって、 (1)該表面層が、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
    非移行性可塑剤15〜30重量部を含有する塩化ビニル樹脂
    組成物(A)からなり、 (2)該ベース層が、塩化ビニル樹脂100重量部に対
    し、柔軟性付与可塑剤30〜60重量部を含有する塩化ビニ
    ル樹脂組成物(B)からなる塩化ビニル樹脂系マーキン
    グフィルム。
  2. 【請求項2】前記非移行性可塑剤が、数平均分子量1200
    〜4000のポリエステル系可塑剤である特許請求の範囲第
    1項に記載の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルム。
  3. 【請求項3】前記柔軟性付与可塑剤が、数平均分子量12
    00以下のポリエステル系可塑剤のおよび/またはフタル
    酸又はトリメリット酸とC7〜C12のアルコールとから合
    成されるエステル系可塑剤である特許請求の範囲第1項
    に記載の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルム。
  4. 【請求項4】前記塩化ビニル樹脂組成物(B)が塩化ビ
    ニル樹脂100重量部に対し、50重量部の前記柔軟性付与
    可塑剤を含有するとき、−10℃以下の柔軟温度を有する
    特許請求の範囲第1項に記載の塩化ビニル樹脂系マーキ
    ングフィルム。
  5. 【請求項5】前記表面層の厚さが10〜30μmの範囲であ
    りかつフィルム厚の50%以下である特許請求の範囲第1
    項に記載の塩化ビニル樹脂系マーキングフィルム。
  6. 【請求項6】ゾルキャスト成形方法により得られる特許
    請求の範囲第1項に記載の塩化ビニル樹脂系マーキング
    フィルム。
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