JP4944311B2 - 塗布防曇剤及び農業用フィルム - Google Patents

塗布防曇剤及び農業用フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に農業用フィルムの防曇剤として好適に使用される塗布防曇剤及び該塗布防曇剤を塗布した農業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイプハウスやトンネルなどの農業用途に使用される農業用フィルムは、屋外環境下で使用されるためその表面に水分が付着し易く、例えば、ハウスなどに展張するとハウス内外の温度差や湿度によってハウス内部のフィルム表面に曇りや水滴を生じ、太陽光線の透過が悪くなって作物の生育を妨げたり、水滴が作物上に落下し病気が発生するというなどの問題があった。
【0003】
上記問題を解決するため、農業用フィルムの各種基材に防曇層を積層した防曇フィルムが種々提案されてきた。このような防曇層を構成する防曇剤としては、貯蔵安定性、塗布容易性等が要求され、また、形成された防曇層には、初期防曇性、防曇持続性、透明性、塗膜均一性等が要求される。特に、防曇性及び塗布性に優れた防曇剤として、特開平7−53747号公報、特開平7−82398号公報、特開平8−319476号公報、特開平11−240112号公報などに、コロイダルシリカとコロイダルアルミナを併用した防曇被膜を形成する防曇剤が開示されている。しかしながら、上記問題は十分には解決されておらず、長時間使用後に、フィルム表面に付着した水分が水膜にならず、流滴不良を生じて水滴が作物上に落下することがあるという問題があった。さらに、一般的なコロイダルアルミナとコロイダルシリカとを用いた防曇剤は、コロイダルアルミナがpH7以上のアルカリ性にすると凝集しやすく、貯蔵安定性が低下し易いので、通常はpH7未満の酸性となされており、このような防曇剤を使用して農業用フィルムを製造する際に、生産機が錆び易いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れており、かつ、塗布性に優れ、基材フィルム上に均一に塗布することができ、生産機などの錆びを促進させることがなく、さらに、初期防曇性、防曇持続性、防曇流滴性、透明性及び塗膜均一性に優れた防曇層を形成することができる塗布防曇剤を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、上記塗布防曇剤からなる防曇層を有し、初期防曇性、防曇持続性、防曇流滴性及び透明性に優れ、かつ、生産機などの錆びを促進させることのない農業用フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗布防曇剤は、水が100重量部、径が0.010〜0.050μmである粒子が結合して0.050〜5.0μmの長さに連なってなるコロイダルシリカがその固形分として0.5〜10重量部、羽毛状のコロイダルアルミナがその固形分として0.2〜3重量部、及び、重量平均分子量15万〜45万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部からなり、上記コロイダルアルミナ及び上記コロイダルシリカの固形分の合計配合量と上記ポリエチレンオキサイドの配合量との重量比が100:1〜100:300であり、上記コロイダルアルミナと上記コロイダルシリカとの固形分の重量比が5:100〜50:100であり、且つpHが7〜11の範囲であるものである。
【0006】
本発明で使用される水性媒体は、塗布防曇剤の媒体となるものであり、水単独である
水溶性溶媒の配合量は、多くなると得られる塗布防曇剤を基材フィルムなどに塗布した後の乾燥時に引火の危険性が生じることがあるので、水性媒体中50重量%以下であるのが好ましい。
【0007】
本発明で使用されるコロイダルシリカは、通常は水などに分散された分散液として使用される。その形状は、得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性に優れ、かつ、被膜性に優れているので、0.010〜0.050μmの微細な粒子状の球状コロイダルシリカが両端が非結合であるネックレス状(紐状)に結合して0.050〜0.500μmの長さに連なったものである(以下、ネックレス状のコロイダルシリカという)。
【0008】
コロイダルシリカを構成する球状コロイダルシリカの径は、大きくなると得られる塗布防曇剤から形成される防曇層の透明性が低下し、また、防曇層とした際の塗膜強度が低下し、小さくなるとコロイダルシリカの製造が困難になるので、0.010〜0.050μmである。
【0009】
また、コロイダルシリカの長さは、長くなると得られる塗布防曇剤の粘度が高くなりすぎ、塗布性が低下し、均一な防曇層が形成されず、短くなると得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下するので、0.050〜5.0μmに限定される。
【0010】
尚、上記ネックレス状のコロイダルシリカとしては、例えば、商品名「ST−PSM」(日産化学工業社製)、商品名「ST−PSL」(日産化学工業社製)等が市販されている。
【0011】
上記ネックレス状のコロイダルシリカの配合量としては、多くなると得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下し、少なくなると得られる塗布防曇剤から形成される防曇層の初期防曇性及び防曇持続性が低下することがあるので、上記水性媒体100重量部に対し、固形分として0.5〜10重量部に限定される
本発明の塗布防曇剤には、上記効果を阻害しない範囲において、通常使用されるコロイダルシリカを配合してもよい。通常使用されるコロイダルシリカとしては、コロイドの等電点を低pH側にシフトさせるものが好ましく、具体的には、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物が好ましい。添加量としては、コロイダルシリカ(固形分)に対して、0.01〜3重量%が好ましい。添加量が多すぎると塗布防曇剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。
【0012】
本発明で使用される水溶性樹脂としては、ポリエチレンオキサイドが用いられる。ポリエチレンオキサイド、塗布防曇剤を調整する際に泡立ちが少ないので好ましい。
【0013】
水溶性樹脂の重量平均分子量は、大きくなると粘度が高くなりすぎ、小さくなると粘度が不足し、いずれも得られる塗布防曇剤の塗布性が低下し、均一な防曇層が形成されないことがあるので、15万〜45万に限定される
【0014】
水溶性樹脂の配合量は、多くなると得られる塗布防曇剤の粘度が高くなりすぎ、塗布性が低下し、均一な防曇層が形成されず、少なくなると得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下し、また、得られる塗布防曇剤の粘度が不足して塗布性が低下し、均一な防曇層が形成されないことがあるので、上記水性媒体100重量部に対し、0.1〜10重量部に限定される。
【0015】
また、後述するコロイダルアルミナを配合する場合における、コロイダルアルミナ、コロイダルシリカ及び水溶性樹脂の配合割合としては、コロイダルアルミナ及びコロイダルシリカの固形分の合計配合量に対する水溶性樹脂の配合量が、多くなると得られる塗布防曇剤を防曇層とした際に層表面がべたつき、初期防曇性及び防曇持続性が低下し、少なくなると得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下するので、コロイダルアルミナ及びコロイダルシリカの固形分の合計配合量と水溶性樹脂の配合量との重量比が100:1〜100:300に限定される
【0016】
本発明の防曇剤には、塗布防曇剤被膜の耐久性及び耐水性を向上させる為に、コロイダルアルミナが配合されている。上記コロイダルアルミナは、通常は水などに分散された分散液として使用される。また、形状としては、羽毛状のものが用いられる。羽毛状のものは、得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性に優れており、塗布防曇剤のpHを後述する範囲にしても安定的に貯蔵することができるので好ましく、得られる塗布防曇剤から形成される防曇層に要求される防曇性、透明性等により適宜選択するのが好ましい。
コロイダルアルミナの径は、大きくなると得られる塗布防曇剤から形成される防曇層の透明性が低下することがあるので、0.2μm以下が好ましい。尚、コロイダルアルミナの径は、羽毛状等の場合は長さである
【0017】
、羽毛状のコロイダルアルミナ(A)としては、例えば、商品名「アルミナゾル100」(日産化学工業社製)、商品名「アルミナゾル200」(日産化学工業社製)等が市販されている。
【0018】
コロイダルアルミナの配合量は、少なくなると得られる塗布防曇剤から形成される防曇層の初期防曇性及び防曇持続性が低下することがあり、多くなると得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下することがあるので、上記水性媒体100重量部に対し、固形分として0.2〜3重量部に限定される
また、上記コロイダルシリカに対する配合割合としては、コロイダルアルミナとコロイダルシリカとの固形分の重量比が5:100〜50:100に限定される。コロイダルアルミナの割合が少なくなると、得られる塗布防曇剤を防曇層とした際の塗膜強度が低下することがあり、コロイダルアルミナの割合が多くなると、得られる塗布防曇剤の貯蔵安定性が低下し、また、防曇層とした際に、表面の平滑性が悪くなり、透明性が低下することがある。
【0019】
本発明の塗布防曇剤のpH高すぎると貯蔵安定性が低下することがあり、コロイダルシリカがイオン化、溶解する領域となるため防曇性能が発現されにくいことがある。また、低すぎると鉄などの錆びを促進し易くなり、農業用フィルムに使用した際にハウスの鉄骨部分などが錆び易くなることがある。さらに、生産機器の劣化、錆付きを防ぎ、かつコロイダルシリカとコロイダルアルミナの凝集を防止して塗布防曇剤の安定性を高めるために、pHは7.0〜11.0、好ましくは8.0〜10.0の範囲である。pHが7.0より小さいと、コロイダルシリカとコロイダルアルミナの凝集が起こり塗布防曇剤溶液の安定性が低下することがあり、11.0を超えるとコロイダルシリカの粒子が水に溶解して塗布防曇剤被膜が形成されないことがある。上記pHの値はガラス電極法で測定した値である。
【0020】
塗布防曇剤のpHを調整する方法としては、例えば、水に溶けてアルカリ性又は酸性を呈する水溶性物質を適宜添加する方法が挙げられる。このような水溶性物質としては特には限定されず、単独で使用しても2種以上併用してもよい。アルカリ性の水溶性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、酸性の水溶性物質としては、例えば、塩酸、酢酸、硝酸等が挙げられる。
【0021】
本発明の塗布防曇剤には、必要に応じて、粘度調整剤、エマルジョン、消泡剤等の添加剤がさらに添加されていてもよい。
【0022】
また、本発明の塗布防曇剤で用いられるコロイダルシリカには、他の成分が添加されていてもよい。他の成分としては、コロイドの等電点を低pH側にシフトさせるものが好ましく、具体的には、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等のアルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物が好ましい。添加量としては、コロイダルシリカ(固形分)に対して、0.01〜3重量%が好ましい。添加量が多すぎると塗布防曇剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。塗布防曇剤被膜の耐久性及び耐水性を向上させる為に、後述する配合割合でコロイダルアルミナが用いられる。コロイダルアルミナとしては、公知のものが使用され、粒子の形状は特に限定されない。粒子径は、塗布防曇剤被膜の透明性の点から200nm以下が好ましい。
【0023】
本発明の塗布防曇剤のpH高すぎても低すぎてもコロイダルシリカがイオン化、溶解する領域となるため防曇性能が発現されにくいことがある
【0024】
本発明の塗布防曇剤には、必要に応じて塗布防曇剤の性能に支障のない範囲において、粘度調整剤、エマルジョン、消泡剤などの公知の塗料用添加剤が添加されていてもよい。
【0025】
本発明の塗布防曇剤を得る方法としては特には限定されず、従来公知の任意の方法が採用され、一般には、、コロイダルシリカ、ポリエチレンオキサイド、及びコロイダルアルミナを混合し、さらに必要に応じて添加剤を添加し、ホモジナイザーなどの攪拌装置などにより攪拌する方法が挙げられる。
【0026】
本発明の塗布防曇剤は、樹脂製のフィルム又はシート、ガラス板等の基材の表面に塗布され、約80℃で約1〜10分の乾燥工程を経て防曇層が形成され各種用途に用いられる。特に、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に塗布され、農業用フィルムとして好適に使用される。
【0027】
上記熱可塑性樹脂フィルムは、単層の熱可塑性樹脂層からなるものでもよいが、熱可塑性樹脂層が必要に応じて複数層積層されているものが好ましい。
【0028】
上記熱可塑性樹脂としては、従来農業用フィルムに使用されるものが使用され、例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン系樹脂、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、これらは単独で使用されても2種以上併用されてもよい。中でも、ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン系樹脂、プロピレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
【0029】
上記熱可塑性樹脂には、必要に応じて物性を損なわない範囲において、無機保温剤、有機保温剤、ヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防霧剤、滑剤、顔料等が添加されていてもよい。
【0030】
上記無機保温剤は、得られる農業用フィルムの保温性の向上と、フィルム成型時の押出変動の改善との、二つの目的のために添加され、例えば、酸化珪素、ハイドロタルサイトなどの珪酸塩類、燐酸塩類、ガラス微粉末等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。無機保温剤の添加量は、特には限定されず適宜調整してよいが、少なくなると添加した効果が得られず、多くなると得られる農業用フィルムの初期防曇性及び防曇持続性が低下し、また、得られる農業用フィルムの機械的強度が低下するので、通常は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜100重量部が好ましく、より好ましくは10〜50重量部である。
【0031】
上記熱安定剤としては、従来公知の任意のものが使用でき、例えば、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。
【0032】
上記酸化防止剤としては、従来公知の任意のものが使用でき、通常は上記熱安定剤としての効果を兼ね備えるものが多く、例えば、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。
【0033】
上記紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ハイドロキノン系、サリチル酸系、ベンゾエール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が好ましい。
【0034】
上記防霧剤としては、従来公知の任意のものが使用でき、例えば、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
【0035】
上記滑剤としては、従来公知の任意のものが使用でき、例えば、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、ステアリン酸等が挙げられる。
【0036】
上記農業用フィルムの厚さは、厚くなると裁断、接合、展張作業などがし難くなり、取り扱い性が低下し、薄くなると機械的強度が低下するので、20〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜200μmである。
【0037】
農業用フィルムの製造方法としては特には限定されず、従来公知の任意の方法が採用されてよい。例えば、上記熱可塑性樹脂をフィルムに押出した後、その熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に上記塗布防曇剤を塗布して防曇層を形成し、乾燥させる方法が挙げられる。
【0038】
熱可塑性樹脂をフィルムに押出する方法としては、例えば、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムに塗布防曇剤を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーターなどのロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレー法、はけ塗り等が挙げられる。
【0039】
また、熱可塑性樹脂フィルムの塗布防曇剤を塗布する面には、塗布性を向上させるために表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、化成処理、プライマー処理等が挙げられる。
【0040】
上記乾燥方法としては、自然乾燥又は強制乾燥のいずれでもよいが、効率がいいので強制乾燥するのが好ましい。強制乾燥の方法としては、例えば、熱風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥等の加熱乾燥が好ましい。
【0041】
【作用】
本発明の塗布防曇剤に配合されてなるコロイド状シリカは、0.010〜0.050μmの粒子が結合して0.050〜5.0μmの長さに連なってなるものであるため、フィルム表面に塗布した際に凝集性が良好であり、耐水・耐久性にすぐれた被膜が生成する。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、文中の「重量部」は「部」を示す。
【0043】
(基材の熱可塑性樹脂フィルムの製造)
以下の通りの樹脂組成物(イ)〜(ハ)を用意した。
尚、MIはメルトインデックスであり、JIS K 7210に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定された値である。
【0044】
樹脂組成物(イ):直鎖状低密度ポリエチレン(MI2.1g/10分、密度0.94g/cm3)100部及び低密度ポリエチレン(MI2.1g/10分、密度0.92g/cm3)50部
【0045】
樹脂組成物(ロ):エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MI1.4g/10分、密度0.93g/cm3)100部及びハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)2部
【0046】
樹脂組成物(ハ):エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5重量%、MI1.3g/10分、密度0.93g/cm3)100部及びハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)3部
【0047】
上記樹脂組成物(イ)、(ロ)及び(ハ)を、各々別の押出機に投入して溶融混練し、該順に積層されるように、かつ、各層の厚さ比、樹脂組成物(イ)層:樹脂組成物(ロ)層:樹脂組成物(ハ)層が、1:7:2になるようにインフレーション法で3層を共押出し、厚さ150μmの熱可塑性樹脂フィルムを得た。
【0048】
(実施例1〜2、比較例1〜12)
水100部に、表1及び2に示した所定配合量の繊維状コロイダルアルミナ(繊維長0.1μm)、羽毛状コロイダルアルミナ(羽毛長0.1μm)、ネックレス状コロイダルシリカ[1](球状コロイダルシリカ径0.018〜0.023μm、ネックレス長0.300μm)、ネックレス状コロイダルシリカ[2](球状コロイダルシリカ径0.020〜0.040μm、ネックレス長0.250μm)、粒子状コロイダルシリカ(粒子径0.010〜0.020μm)、ポリエチレンオキサイド[1](重量平均分子量15万〜45万)及びポリエチレンオキサイド[2](重量平均分子量1万〜5万)を混合して混合液とし、該混合液に、1規定の水酸化ナトリウム水溶液又は1規定の塩酸を滴下し、表1に示したpHの塗布防曇剤を得た。
尚、上記コロイダルアルミナ及びコロイダルシリカは水に分散させた分散液として添加したが、添加量は固形分の量であり、分散液の水分は水の添加量に含有される。
また、得られた塗布防曇剤の{ポリエチレンオキサイド/(コロイダルアルミナ+コロイダルシリカ)}の重量比、コロイダルアルミナ/コロイダルシリカの固形分重量比は表1及び2に示した通りであった。
【0049】
得られた塗布防曇剤を、上記熱可塑性樹脂フィルムの樹脂組成物(ハ)層側表面に、10g/m2になるようにグラビアコーターで塗布し、熱風で乾燥させて防曇層とし、農業用フィルムを得た。
尚、比較例で得られた塗布防曇剤は粘度が不足し、熱可塑性樹脂フィルムに塗布することができなかった。
【0050】
実施例及び比較例で得られた塗布防曇剤又は農業用フィルムについて、以下の通り評価し、結果を表1に示した。
【0051】
(塗布防曇剤の貯蔵安定性)
十分に攪拌した塗布防曇剤40gを無色のガラス製のサンプル瓶に入れ、室内に24時間放置した。その後、サンプル瓶を目視により観察し、塗布防曇剤の分離状態を確認した。
○:全く分離していなかった。
△:多少分離していたが、使用には差し支えない程度であった。
×:完全に分離していた。
【0052】
(農業用フィルムの初期防曇性)
縦0.5m×横0.7m×深さ0.3mの水槽に、水温23℃の水を6l入れ、農業用フィルムを、その防曇層が水槽内側になるように水槽上部全面に展張りした。その後、外気温を15℃、水槽内の水の水温を23℃に保持して60分間放置した。その後、農業用フィルムを剥がして防曇層を自然乾燥させ、乾燥後、再度上記と同様に水槽に展張りして60分間放置した。該操作を4回繰り返した後、5回目に展張りした農業用フィルム表面を目視により60分間観察し、以下の通り評価した。
○:フィルム表面に付着した水分は直ちに水膜になり、水滴は形成されなかった。
△:フィルムに付着した水分で水滴が形成されたが、その後水膜が形成された。
×:フィルムに付着した水分で水滴が形成され、60分間水滴の状態のままであった。
【0053】
(農業用フィルムの防曇持続性)
上記初期防曇性の評価において、操作を9回繰り返した後、10回目に展張りした農業用フィルム表面を目視により60分間観察し、以下の通り評価した。
○:フィルム表面に付着した水分は直ちに水膜になり、水滴は形成されなかった。
△:フィルムに付着した水分で水滴が形成されたが、その後水膜が形成された。
×:フィルムに付着した水分で水滴が形成され、60分間水滴の状態のままであった。
【0054】
(農業用フィルムの透明性)
得られた農業用フィルム及び屋外のハウスに1ヶ月間展張りした後の農業用フィルムのヘイズを、ヘイズ測定機(東京電色社製)により測定した。
【0055】
【表1】
Figure 0004944311
【0056】
【表2】
Figure 0004944311
【0057】
【発明の効果】
本発明の塗布防曇剤は、、ネックレス状コロイダルシリカ及びポリエチレンオキサイドが配合されてなるので、貯蔵安定性に優れ、かつ、該塗布防曇剤から形成される防曇層は優れた初期防曇性、防曇持続性及び防曇流滴性を有している。また、本発明の塗布防曇剤は、羽毛状のコロイダルアルミナを配合されてなるので、フィルム表面に塗布した際に凝集性が高く、さらに防曇持続性がすぐれた塗布膜が形成される。また、本発明の塗布防曇剤はアルカリ性なので、農業用フィルムに使用した際に、生産機の錆びを促進させることがない。また、本発明の塗布防曇剤は、各種配合物が上記の範囲で配合されており、また重量平均分子量が10万〜400万のポリエチレンオキサイドを上記範囲で使用しているので、熱可塑性樹脂フィルムなどの基材への塗布性に優れており、均一に塗布することができ、形成される防曇層及び得られる農業用フィルムの透明性を損なうこともない。さらに、本発明の塗布防曇剤は、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイドを使用しているので、塗布防曇剤を調整する際に泡立ちが少なく、調整し易い。請求項に記載の発明の農業用フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に上記塗布防曇剤からなる防曇層を有しているので、優れた初期防曇性、防曇持続性及び防曇流滴性を有しており、展張1ヶ月後でもこのような優れた防曇性及び防曇流滴性を維持することができる。さらに、防曇層を均一に形成することができるので透明性に優れている。

Claims (2)

  1. が100重量部、
    径が0.010〜0.050μmである粒子が結合して0.050〜5.0μmの長さに連なってなるコロイダルシリカがその固形分として0.5〜10重量部、
    羽毛状のコロイダルアルミナがその固形分として0.2〜3重量部、及び、
    重量平均分子量15万〜45万のポリエチレンオキサイド0.1〜10重量部からなり、
    上記コロイダルアルミナ及び上記コロイダルシリカの固形分の合計配合量と上記ポリエチレンオキサイドの配合量との重量比が100:1〜100:300であり、
    上記コロイダルアルミナと上記コロイダルシリカとの固形分の重量比が5:100〜50:100であり、且つ
    pHが7〜11の範囲であることを特徴とする塗布防曇剤。
  2. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一面に、請求項に記載の塗布防曇剤からなる防曇層が積層されてなることを特徴とする農業用フィルム。
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