JP2000336347A - 防曇剤組成物 - Google Patents

防曇剤組成物

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JP2000336347A
JP2000336347A JP11147826A JP14782699A JP2000336347A JP 2000336347 A JP2000336347 A JP 2000336347A JP 11147826 A JP11147826 A JP 11147826A JP 14782699 A JP14782699 A JP 14782699A JP 2000336347 A JP2000336347 A JP 2000336347A
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silica sol
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antifogging
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JP11147826A
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Manabu Hashimoto
橋本  学
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Konishi Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスなどの表面に簡便な方法で耐水性、耐
久性に優れた防曇被膜を形成できる防曇性組成物を提供
する。 【解決手段】 防曇剤組成物はコロイド粒子の形状が鎖
状のシリカゾル(A)を含有することを特徴とする。鎖
状コロイド粒子の平均長さは、例えば40〜200nm
程度である。防曇剤組成物は、さらに、HLBが4.0
〜16.0の範囲にある非イオン系界面活性剤(B)を
含んでいてもよい。この場合、非イオン系界面活性剤
(B)の使用量は、鎖状のシリカゾル(A)の不揮発分
100重量部に対して、例えば0.5〜10重量部程度
である。防曇剤組成物は、さらに、コロイド粒子の形状
が球状のシリカゾル(C)、及び吸水性高分子材料
(D)から選択された少なくとも1種の成分を含んでい
てもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇剤組成物、よ
り詳細には、ガラスや合成樹脂等からなる各種成形品の
表面に防曇性を付与する防曇剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物や自動車の窓ガラスや鏡等のガラ
ス製品、金属、合成樹脂成形品などでは、その表面温度
が露点以下になると、空気中の水蒸気がその表面に凝結
して細かい水滴となって付着し、透明性が低下して、い
わゆる曇り現象が現れる。例えば、自動車のドアミラー
やウインドウガラス等は寒冷期になると凝縮湿分によっ
て表面が曇り、可視性が失われる。また、浴室や洗面所
等の鏡では、湯気により表面に細かい水滴が付着して曇
ったり、前記細かい凝縮水滴が互いに融合してやや大き
な水滴になると、反射像が乱されたりする。また、凝縮
水滴が付着した成形品をそのまま乾燥すると、水滴に取
り込まれた空気中の塵芥に起因する汚れが例えば斑状に
成形品表面に残る。
【0003】従来、上記のような曇り現象を防止するた
め、種々の方法が提案されている。例えば、ガラス等の
表面に、界面活性剤水溶液又は界面活性剤と親水性ポリ
マーとを含む溶液を塗布することにより曇りを防ぐ方法
が知られている。しかし、界面活性剤水溶液を塗布する
方法では、被膜が水で簡単に洗い流されていまい、防曇
性の持続性が短い。また、親水性ポリマーを用いた方法
においても、得られる被膜が耐水性に劣るため、流水に
さらすとすぐに効果が失われてしまう。
【0004】特公昭64−2158号公報、特開平3−
50288号公報及び特開平7−82398号公報に
は、シリカゾルとアルミナゾルと界面活性剤とを含む防
曇剤組成物が開示されている。しかし、この防曇剤組成
物により得られる被膜は、ガラス等に対する密着性及び
耐磨耗性に乏しいため、剥がれやすいという欠点を有す
る。また、界面活性剤がブリードアウトしないため、防
曇効果が長続きしないという問題をも有する。
【0005】特許第2756474号公報には、基材の
表面に、酸化チタンなどの光触媒性半導体材料とシリカ
とを含む光触媒性被膜を形成し、前記光触媒性半導体材
料の光励起により被膜に親水性を発現させ、もって基材
の曇りや水滴形成を防止する防曇技術が開示されてい
る。しかし、この方法では、酸化チタン等の光触媒を基
材表面に焼き付けなければならず、操作、作業が煩雑な
上、光が当たらないと表面が親水化しないという欠点を
有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ガラスなどの表面に、簡便な方法で、高い防曇性及
び防汚性を付与できる防曇剤組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、耐水性及び耐久性に優れた防
曇被膜を形成できる防曇性組成物を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、防曇効果の持続性、反
復性に優れる防曇剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、鋭意検討した結果、コロイド粒子の形状
が特定形状のシリカゾルを用いると、ガラスなどの表面
に、簡易に、耐水性及び耐久性に優れた防曇被膜を形成
できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、コロイド粒子の形状
が鎖状のシリカゾル(A)を含有することを特徴とする
防曇剤組成物を提供する。前記鎖状のコロイド粒子の平
均長さは40〜200nm程度である。この防曇剤組成
物は、さらに、HLBが4.0〜16.0の範囲にある
非イオン系界面活性剤(B)を含んでいてもよい。この
ような非イオン系界面活性剤(B)を含む防曇剤組成物
は、特に、塗布性、保水性、耐水性、初期防曇性、防曇
性能の持続性に優れる。前記非イオン系界面活性剤
(B)の量は、前記鎖状のシリカゾル(A)の不揮発分
100重量部に対して、有効成分として例えば0.5〜
10重量部程度である。
【0009】防曇剤組成物は、さらに、コロイド粒子の
形状が球状のシリカゾル(C)、及び吸水性高分子材料
(D)から選択された少なくとも1種の成分を含んでい
てもよい。このような成分を含む防曇剤組成物では、被
膜の耐擦過性、塗布性、初期防曇性、保水性などがより
向上する。吸水性高分子材料(D)には、ポリオキシア
ルキレン、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリル
酸塩、デンプン−アクリル酸グラフト共重合物、ビニル
アルコール−マレイン酸共重合物、酢酸ビニル−アクリ
ル酸エステル共重合体鹸化物、イソブチレン−マレイン
酸共重合物、ポリアクリロニトリル鹸化物、デンプン−
アクリロニトリルグラフト共重合体鹸化物、カルボキシ
メチルセルロース及びこれらの誘導体などが含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の防曇剤組成物の特色は、
コロイド粒子の形状が球状ではなく鎖状のシリカゾル
(A)を必須成分として含有する点にある。このような
コロイド粒子の形状が鎖状のシリカゾル(A)を含む防
曇剤では、コロイド粒子が球状である通常のシリカゾル
を用いた場合と比較して、ガラスなどの被適用物に対す
る密着性に優れるとともに、形成される被膜は耐擦過性
に優れ、指で擦っても剥離しにくいという特性を有す
る。また、該被膜は耐水性が高く、流水や蒸気にさらし
ても長期間脱落しないという利点もある。さらに、過湿
状態と乾燥状態とが交互に繰り返された場合、過湿状態
において優れた初期防曇性が繰り返し発揮される。ま
た、界面活性剤と組み合わせると、被膜化した際に、通
常の球状シリカゾルを用いた場合と比較して、乾燥ゲル
中の空隙が大きいためか、界面活性剤をブリードアウト
させるので、防曇性能の持続性(反復性)を大きく向上
できる。
【0011】鎖状のコロイド粒子の平均長さは、分散性
等を損なわない範囲であればよく、例えば40〜300
nm程度、好ましくは40〜200nm程度である。ま
た、該鎖状のコロイド粒子の太さは、例えば5〜20n
m程度である。シリカゾルを構成する分散媒としては、
シリカをコロイド状に分散可能な溶媒であれば特に限定
されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類;トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素類;及びこれらの混合溶媒
などが挙げられるが、安全性等の点から水又は水を含む
水性溶媒が好ましい。
【0012】コロイド粒子の形状が鎖状のシリカゾル
(A)は市販されており、例えば、商品名「スノーテッ
クス−UP」(日産化学工業(株)製)などを使用でき
る。シリカゾル中のシリカの含有量は、通常1〜40重
量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
【0013】防曇剤組成物中の前記シリカゾル(A)の
含有量は、使用目的、使用方法、使用場所等に応じて適
宜選択できるが、使用時(塗布時)の濃度(不揮発分換
算)として、通常0.001〜20重量%程度、好まし
くは0.005〜10重量%程度である。
【0014】本発明の好ましい態様では、前記コロイド
粒子の形状が鎖状のシリカゾル(A)と、HLBが4.
0〜16.0の範囲にある非イオン系界面活性剤(B)
とを組み合わせて用いる。これらの成分を組み合わせる
と、塗布性や、保水性、耐水性、初期防曇性がより一層
向上する。また、上記のように、被膜化した際に、乾燥
ゲル中の空隙が大きく、非イオン系界面活性剤(B)が
適度な速度でブリードアウトするので、防曇性能の持続
性(反復性)が向上する。
【0015】前記HLBが4.0〜16.0の範囲にあ
る非イオン系界面活性剤(B)において、HLBとは米
国のアトラス・パウダー社が提案した非イオン系界面活
性剤の親水性を示す概念であり、Hydrophilic(親水
性)・Lipophilic(親油性)・Balanceの頭文字をとっ
て略称としたものである。HLBは下記式により数値化
され、HLB値は0〜20の間に存在すると規定されて
いる。 HLB=20(1−S/A) S:エステルのけん化価 A:脂肪酸の酸価
【0016】非イオン系界面活性剤のHLBが4.0未
満の場合には、水を分散媒とするシリカゾルに対する溶
解性が低下し、オイル状に分離しやすくなる。また、H
LBが16.0を超えると添加効果が小さくなる。前記
非イオン系界面活性剤(B)において、HLBは、好ま
しくは6.0〜13.0、さらに好ましくは7.0〜
9.5程度である。
【0017】非イオン系界面活性剤(B)としては、例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリ
オキシエチレンアルキルエーテル(好ましくは、ポリオ
キシエチレンC8-18アルキルエーテル);ポリオキシエ
チレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアル
ケニルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルなど
のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(好ま
しくは、ポリオキシエチレンC8-12アルキルフェニルエ
ーテル);ポリオキシエチレンラノリンアルコールエー
テル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレートなどのポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル(好ましくは、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノC10-20脂肪酸エステ
ル);ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチ
レンステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート
などのポリオキシエチレン脂肪酸エステル(好ましく
は、ポリオキシエチレンC12-18脂肪酸エステル);ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンブロックコポリマー;グリセリンモ
ノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル;ソル
ビタンモノステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪
酸エステル;ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖
脂肪酸エステル;ラウリン酸ジエタノールアミドなどの
脂肪酸アルカノールアミド;セルロースエーテル類など
が挙げられる。
【0018】これらの非イオン系界面活性剤の中でも、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンモノ
ラウレートなどが好ましい。これらは市販されており、
例えば、商品名「ノイゲンET−97」(第一工業製薬
(株)製)、商品名「レオドールSP−L10」(花王
(株)製)などを使用できる。非イオン系界面活性剤
(B)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき
る。
【0019】非イオン系界面活性剤(B)の使用量は、
有効成分換算で、前記シリカゾル(A)の不揮発分10
0重量部に対して、例えば0.5〜10重量部程度、好
ましくは1〜7重量部程度である。前記非イオン系界面
活性剤(B)の使用量が0.5重量部未満の場合には添
加効果が小さく、10重量部を超えると被膜の透明性、
耐擦過性及び耐水性が低下しやすい。
【0020】本発明の防曇剤組成物は、さらにコロイド
粒子の形状が球状のシリカゾル(C)、及び吸水性高分
子材料(D)から選択された成分を少なくとも1種含ん
でいてもよい。コロイド粒子の形状が球状であるシリカ
ゾル(C)と、前記コロイド粒子が鎖状であるシリカゾ
ル(A)とを組み合わせると、防曇被膜とガラスなどの
基材との間の結合がより強化され、耐擦過性等が一層向
上する。また、吸水性高分子材料(D)と、前記鎖状の
シリカゾル(A)とを組み合わせると、塗布性、初期防
曇性、保水性、耐水性等が向上する。
【0021】上記コロイド粒子の形状が球状のシリカゾ
ル(C)において、コロイド粒子の平均粒径は、防曇剤
組成物の安定性、被膜の透明性などの点から、例えば4
〜100nm程度、好ましくは4〜20nm程度であ
る。球状のシリカゾル(C)の使用量は、前記鎖状のシ
リカゾル(A)の不揮発分100重量部に対して、不揮
発分として、例えば0.5〜50重量部程度、好ましく
は1.0〜30重量部程度である。
【0022】球状のシリカゾル(C)は市販されてお
り、例えば、商品名「スノーテックス20」、「スノー
テックスXS」、「スノーテックスAK」、「スノーテ
ックスC」(以上、日産化学工業(株)製)などを使用
できる。
【0023】前記吸水性高分子材料(D)としては、例
えば、ポリオキシアルキレン(例えば、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)、
ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリル酸塩、デン
プン−アクリル酸グラフト共重合物、ビニルアルコール
−マレイン酸共重合物、酢酸ビニル−アクリル酸エステ
ル共重合体鹸化物、イソブチレン−マレイン酸共重合
物、ポリアクリロニトリル鹸化物、デンプン−アクリロ
ニトリルグラフト共重合体鹸化物、カルボキシメチルセ
ルロース及びこれらの誘導体などが挙げられる。吸水性
高分子材料(D)は単独で又は2種以上組み合わせて使
用できる。
【0024】吸水性高分子材料(D)の使用量は、前記
鎖状のシリカゾル(A)の不揮発分100重量部に対し
て、例えば0.5〜500重量部程度、好ましくは5〜
200重量部程度である。
【0025】本発明の防曇剤組成物は、上記各成分のほ
か、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、
他の成分、例えば、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系
界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、シリカ以外
の無機物質、有機電解質、分散剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、耐候剤、防腐剤、消泡剤、前記(D)成分以外
の樹脂等を含んでいてもよい。
【0026】本発明の防曇剤組成物は、コロイド粒子が
鎖状のシリカゾル(A)に、必要に応じて上記(B)〜
(D)成分やその他の成分、及び所望の濃度に調整する
ための溶媒(例えば、前記例示の溶媒)を加え、混合す
ることにより調製できる。
【0027】本発明の防曇剤組成物を適用する被適用物
としては、曇り現象を呈するものであれば特に制限され
ないが、例えば、無機ガラス、プラスチック、透明セラ
ミック、金属からなる成形品などが挙げられ、より具体
的には、浴室や洗面所の鏡や窓ガラス;自動車等の車両
のドアミラー、サイドミラー、ウインドウガラスなど;
レンズ;プラスチックフィルム及びシートなどが例示さ
れる。
【0028】本発明によれば、焼き付け等の煩雑な作業
を必要とせず、防曇剤組成物を被適用物に適用した後、
乾燥するという、簡単な方法で、親水性の防曇被膜を形
成することができる。防曇剤組成物の適用方法として
は、慣用のコーティング法、例えば、ロールコート法、
ディップコート法、刷毛塗り法、スプレーコート法、バ
ーコート法、ナイフコート法などを用いることができ
る。防曇剤組成物の適用後の乾燥は、自然乾燥及び強制
乾燥の何れの方法で行うこともできる。前記防曇剤組成
物の適用量は、不揮発分換算で、例えば、0.001〜
2g/m2程度、好ましくは0.005〜1g/m2程度
である。
【0029】こうして形成された防曇被膜は、耐水性、
耐久性に優れ、流水や蒸気に曝したり、指で擦っても容
易には剥離しない。また、初期防曇性だけでなく、防曇
性の反復性に優れ、曇りを長期間持続して防止できる。
また、被膜は高い親水性を有しているので、親油性成分
を多く含む塵芥を付着しにくい上、凝縮水分が水滴とな
って表面に付着しないので、乾燥後に、汚れとして残り
にくい。
【0030】
【発明の効果】本発明の防曇剤組成物によれば、コロイ
ド粒子の形状が鎖状のシリカゾルを含有するので、ガラ
ス等の種々の材料の表面に、簡便な方法で耐水性、耐久
性を有する親水性被膜を形成させ、防曇性及び防汚性を
付与できる。また、形成された被膜は、防曇効果の持続
性、反復性に優れる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0032】実施例1 コロイド粒子の形状が鎖状であるシリカゾル[スノーテ
ックス−UP、日産化学工業(株)製、シリカ含有量2
0重量%]10重量部、非イオン系界面活性剤[ノイゲ
ンET−97、第一工業製薬(株)製、HLB=9.
0]0.1重量部(有効成分:0.1重量部)、及び水
89.9重量部を混合して、防曇剤組成物を調製した。
【0033】実施例2 コロイド粒子の形状が鎖状であるシリカゾル[スノーテ
ックス−UP、日産化学工業(株)製、シリカ含有量2
0重量%]8重量部、コロイド粒子の形状が球状である
シリカゾル(超微粒子状)[スノーテックスXS、日産
化学工業(株)製、シリカ含有量20重量%]2重量
部、非イオン系界面活性剤[レオドールSP−L10、
花王(株)製、HLB=8.6]0.1重量部(有効成
分:0.1重量部)、及び水89.9重量部を混合し
て、防曇剤組成物を調製した。
【0034】実施例3 コロイド粒子の形状が鎖状であるシリカゾル[スノーテ
ックス−UP、日産化学工業(株)製、シリカ含有量2
0重量%]3重量部、ポリN−ビニルアセトアミド水溶
液(不揮発分10重量%)[GE−191L、昭和電工
(株)製]10重量部、非イオン系界面活性剤[レオド
ールSP−L10、花王(株)製、HLB=8.6]
0.1重量部(有効成分:0.1重量部)、及び水8
6.9重量部を混合して、防曇剤組成物を調製した。
【0035】比較例1 コロイド粒子の形状が球状であるシリカゾル[スノーテ
ックス20、日産化学工業(株)製、シリカ含有量20
重量%]10重量部、非イオン系界面活性剤[ノイゲン
ET−97、第一工業製薬(株)製、HLB=9.0]
0.1重量部(有効成分:0.1重量部)、及び水8
9.9重量部を混合して、防曇剤組成物を調製した。
【0036】比較例2 コロイド粒子の形状が球状であるシリカゾル(超微粒子
状)[スノーテックスXS、日産化学工業(株)製、シ
リカ含有量20重量%]10重量部、非イオン系界面活
性剤[ノイゲンET−97、第一工業製薬(株)製、H
LB=9.0]0.1重量部(有効成分:0.1重量
部)、及び水89.9重量部を混合して、防曇剤組成物
を調製した。
【0037】比較例3 コロイド粒子の形状が球状であるシリカゾル(カチオン
性)[スノーテックスAK、日産化学工業(株)製、シ
リカ含有量18重量%]11重量部、非イオン系界面活
性剤[ノイゲンET−97、第一工業製薬(株)製、H
LB=9.0]0.1重量部(有効成分:0.1重量
部)、及び水88.9重量部を混合して、防曇剤組成物
を調製した。
【0038】比較例4 コロイド粒子の形状が球状であるシリカゾル[スノーテ
ックス20、日産化学工業(株)製、シリカ含有量20
重量%]2重量部、コロイド粒子の形状が棒状若しくは
粒状であるアルミナゾル[アルミナゾル520、日産化
学工業(株)製、アルミナ含有量20重量%]8重量
部、非イオン系界面活性剤[レオドールSP−L10、
花王(株)製、HLB=8.6]0.1重量部(有効成
分:0.1重量部)、及び水89.9重量部を混合し
て、防曇剤組成物を調製した。
【0039】評価試験 上記の実施例及び比較例で得られた各防曇剤組成物につ
いて、以下の評価試験を行った。
【0040】(耐擦過性)防曇剤組成物を、ガラス表面
に、刷毛塗り法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m
2となるように塗布し、室温で1時間自然乾燥させて防
曇被膜を形成した。この被膜を指で擦り、被膜の剥離状
態を観察し、以下の基準で耐擦過性を評価した。 ○:被膜は容易には剥離しなかった △:被膜は比較的容易に剥離した ×:被膜は非常に簡単に剥がれた
【0041】(耐水性)上記耐擦過性の場合と同様にし
て防曇被膜を形成し、この被膜に流水を施し被膜の剥離
状態を観察した。また、被膜を50℃の蒸気中に暴露
し、被膜の剥離状態を観察した。耐水性の評価を以下の
基準で行った。 ○:何れの場合も、被膜は長時間剥離しなかった △:何れの場合も、被膜は比較的短時間で剥離した ×:何れの場合も、被膜はすぐに脱落した
【0042】(初期防曇効果の反復性)上記耐擦過性の
場合と同様にして防曇被膜を形成したガラス板(50m
m×100mm)を、塗工面を下にして、水温50℃に
恒温保持した水槽の水面上約10cmのところに、水面
に対して約15°の角度で設置し、5分間湯気に曝した
後、室温で10分間乾燥させるという操作を、初期防曇
性が失効するまで繰り返した。その回数により、初期防
曇効果の反復性を評価した。
【0043】以上の評価結果を表1に示す。
【表1】 表1から明らかなように、実施例の防曇剤組成物は、耐
擦過性、耐水性及び初期防曇効果の反復性の何れの点で
も優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AB24 AB32 AB76 BA10 4H020 AA01 AA04 AB02 AB06 4J002 AB031 AB032 AE052 BB181 BE041 BF021 BG011 BG041 BG101 BH021 BJ001 BN011 CH021 CH052 DJ016 EH057 EP017 FD312 FD317

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイド粒子の形状が鎖状のシリカゾル
    (A)を含有することを特徴とする防曇剤組成物。
  2. 【請求項2】 鎖状コロイド粒子の平均長さが40〜2
    00nmである請求項1記載の防曇剤組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、HLBが4.0〜16.0の範
    囲にある非イオン系界面活性剤(B)を含む請求項1記
    載の防曇剤組成物。
  4. 【請求項4】 シリカゾル(A)の不揮発分100重量
    部に対して、非イオン系界面活性剤(B)を、有効成分
    として0.5〜10重量部含む請求項3記載の防曇剤組
    成物。
  5. 【請求項5】 さらに、コロイド粒子の形状が球状のシ
    リカゾル(C)、及び吸水性高分子材料(D)から選択
    された少なくとも1種の成分を含む請求項1〜4の何れ
    かの項に記載の防曇剤組成物。
  6. 【請求項6】 吸水性高分子材料(D)が、ポリオキシ
    アルキレン、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリ
    ル酸塩、デンプン−アクリル酸グラフト共重合物、ビニ
    ルアルコール−マレイン酸共重合物、酢酸ビニル−アク
    リル酸エステル共重合体鹸化物、イソブチレン−マレイ
    ン酸共重合物、ポリアクリロニトリル鹸化物、デンプン
    −アクリロニトリルグラフト共重合体鹸化物、カルボキ
    シメチルセルロース及びこれらの誘導体から選択された
    ポリマーである請求項5記載の防曇剤組成物。
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