JPH08188682A - 水性分散体及びその用途 - Google Patents
水性分散体及びその用途Info
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- JPH08188682A JPH08188682A JP389795A JP389795A JPH08188682A JP H08188682 A JPH08188682 A JP H08188682A JP 389795 A JP389795 A JP 389795A JP 389795 A JP389795 A JP 389795A JP H08188682 A JPH08188682 A JP H08188682A
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Abstract
密着性、透明性、長期防曇性、柔軟性に優れた塗膜を形
成できる塗布型防曇剤として利用可能な水性分散体を提
供すると共に、基材上に上記水性分散体により塗膜を形
成させてなる積層体を提供する。 【構成】 少なくとも一部がアンモニア又はアミンで中
和したエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び無機質
コロイドを水に混合分散する。 【効果】 本発明による水性分散体から得られる塗膜
は、防曇性、柔軟性、基材密着性等に優れているので、
とくに農業用フィルムの防曇膜として有用であり、数年
にわたる長期使用が可能となる。
Description
性、透明性、柔軟性、基材密着性に優れた塗膜を形成す
ることが可能な水性分散液に関する。さらに詳しくは、
防曇性フィルム、とりわけ長期にわたって高度の防曇性
を持続できる農業用フィルムを製造することが可能な塗
布型防曇剤となり得る水性分散体に関する。
ス、金属などの物体は、表面が雰囲気の露点以下になる
と微細な水滴が一面に付着し、とくに透明な物体の場合
は曇りが生じる。その結果、透明性が要求される物体の
機能が低下する。例えば、農業用フィルムにおける光線
透過率の低下、鏡の曇り、各種窓の視界の低下などがあ
げられる。
えば、農業用フィルムにおいては、防曇性を改良するた
めにソルビタン、グリセリン等の脂肪酸エステルを代表
例とする界面活性剤を添加する方法が一般的である。
のブリードに効果を依存することから、経時的に効果が
低下するという欠点を有する。またその添加量を増やす
と、その吸湿性に基づきフィルム加工時に発泡トラブル
が生じるおそれがあった。したがって2年以上の長期に
わたって良好な防曇性を持続させることは、このような
練込み型の防曇剤を使用する限りは必ずしも容易ではな
かった。
機質コロイドを塗布したものが長期防曇性に優れること
はすでに知られており、関連する提案が数多くなされて
いる(例えば、特開昭55−99987号、59−15
473号、57−119974号、64−246984
号公報等)。
型防曇剤で考慮されなければならないことは、製膜性、
塗膜の初期及び耐久密着性が優れるとともに、基材フィ
ルムが有する優れた特性、例えば透明性、柔軟性等を損
なわないことであり、これら全てを満足する塗布剤を得
ることは必ずしも容易ではなかった。
無機質コロイドを一成分とする優れた性能を有する塗布
型防曇剤を得るべく検討を行った。その結果、エチレン
・不飽和カルボン酸共重合体をアンモニア又はアミンで
中和した水性分散液と混合使用することにより、その目
的が達成できることを知った。
性が良好で、しかも基材との密着性、透明性、長期防曇
性、柔軟性に優れた塗膜を形成できる塗布型防曇剤とし
て利用可能な水性分散体を提供するにある。本発明の目
的はまた、基材上に上記水性分散体により塗膜を形成さ
せてなる積層体を提供するにある。
部がアンモニア又はアミンで中和されたエチレン・不飽
和カルボン酸共重合体(A)及び無機質コロイド(B)
が水に混合分散されてなる水性分散体に関する。共重合
体(A)及び無機質コロイド(B)に加え、さらに水性
ウレタン樹脂(C)を含有させることもできる。
より塗膜を形成させて成る積層体にも関する。
させる水性バインダーとして、エチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体を選択し、且つこのエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体をアンモニア又はアミンで中和して用い
たことが顕著な特徴である。
に使用されている水性バインダーは、分子内に多数の水
酸基を有する重合体から成り、これらの処理液から形成
される皮膜は防曇性の点からは満足できるものではあっ
たが、この皮膜は耐水性が低く、基材への密着性や皮膜
自体の強度も低く、防曇性の持続性においても未だ不満
足なものであった。
ン酸共重合体は、エチレン単位に由来する非極性とカル
ボン酸に由来する極性とをバランスの良い形で兼ね備え
ている。共重合体中のカルボン酸が遊離の状態にある場
合、この共重合体は親水性が低く、一方カルボン酸が塩
の状態にある場合、共重合体は親水性が高くなる。
をアンモニア又はアミンで中和して、アンモニウム塩又
はアミン塩とすることにより、共重合体は自己乳化性と
なり、水性分散体となって良好な塗装作業性が得られ
る。しかも、この水性乳化液は無機質コロイドの分散性
や分散安定性にも優れている。
に塗布し、乾燥すると、塩を形成していたアンモニア又
はアミンが揮発し、遊離のエチレン・不飽和カルボン酸
共重合体に転化するので、被覆中のバインダーは耐水性
のものとなり、このため、後述する例に示すとおり、こ
の被覆は、無機質コロイドによる防曇性を示しながら、
耐水性に優れたものとなる。このエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体は、耐磨耗性、耐ピンホール性等の機械
的性質に優れていると共に、カルボキシル基で変性され
ているため、基材に対する密着性に優れていると共に、
無機質コロイドの保持性にも優れている。
した基材は、持続した防曇性を有する農業用フィルム等
の用途に有用である。
重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などであ
る。
飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、一酸化炭素
のような他の単量体が共重合された多元共重合体であっ
てもよい。ここに不飽和カルボン酸エステルとしては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸nブチル、メタクリル酸メチルなど
が代表的なものであり、またビニルエステルとしては、
酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどを例示することが
できる。
0〜90重量%、好ましくは70〜85重量%、不飽和
カルボン酸が10〜35重量%、好ましくは15〜30
重量%、他の単量体が0〜30重量%、好ましくは0〜
15重量%となるような割合で共重合されているものが
好ましい。
ないものを用いると水分散性が良好でないため優れた水
分散液を得ることが難しくなり、またその割合が多くな
りすぎると、水分散液から得られる塗膜の吸湿性が大き
くなるので、適当な共重合割合のものを用いるのが好ま
しい。
製造の容易性を考慮すると、190℃、2160g荷重
におけるメルトフローレートが、10〜1000g/1
0分、好ましくは20〜500g/10分、さらに好ま
しくは50〜300g/10分程度のものを使用するの
が好ましい。
ンの製造と同様の高温、高圧下のラジカル共重合によっ
て製造することができる。
明においては、アンモニアまたはアミンが用いられる。
これは、共重合体の水性分散液の製造が容易であるとと
もに、本発明の水性分散体を基材に塗布、乾燥する際、
アンモニアまたはアミンであれば除去が容易であり、そ
の結果、塗膜の耐水性を向上させることができるためで
ある。アンモニアまたはアミンの代わりにアルカリ金属
を用いた場合には、水性分散液の製造は容易であるが、
塗膜の耐水性が不充分となるので望ましくない。またア
ルカリ土類金属や他の多価金属による中和では、水性分
散液の製造が容易でない。
際の除去の容易性を考慮すると、低級アミン、例えばメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン等の使用が
好ましいが、取扱性、沸点等を考慮すると、アンモニア
の使用が最も好ましい。
性分散液の安定性を考慮すると、共重合体中のカルボキ
シル基の50〜100%、通常60〜100%、好まし
くは75〜100%中和するように行われる。
液の形で製造される。例えば所定量のアンモニアまたは
アミンの共存下、共重合体を溶融させつつ、例えば10
0〜150℃の温度において、水中で高速攪拌すること
により、水性分散液が得られる。
は、通常5〜1000nm程度、好ましくは10〜10
0nm程度である。この水性分散液における固形分濃度
は、作業性の点から15〜30重量%程度に維持するの
が望ましい。
状シリカ、コロイド状アルミナ、合成スメクタイト、こ
れらの混合物などを用いることができる。具体的には、
水または親水性溶媒に分散されたゾル状の無機質コロイ
ドを用いるのが好ましいが、上記共重合体(A)の水性
分散液に配合してコロイド状になるような形で配合する
こともできる。
クタイトは、共重合体の水性分散液と配合することによ
ってコロイド状を呈する。コロイドの平均粒径としては
5〜100nm程度のものが好ましく、これにより本発
明の水性分散液を基材に塗布した場合に透明な塗膜を得
ることができる。
O・nSiO3 ・xH2 O(Mは、ナトリウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属、nは0.1〜10、xは0〜1
0)で表されるもので、その代表例が水ガラスである。
このケイ酸アルカリ金属塩は、水溶液あるいは水分散液
として入手可能である。
のものと親油性のものが上市されているが、本発明にお
いては親水性スメクタイトを使用するのが好ましい。使
用可能な親水性スメクタイトにとくに制限はないが、水
に1%分散させたときのpHが10以上のものが好まし
い。具体的なものとして、サポナイト、ヘクトライト、
スチーブンサイト等のトリオクタヘドラル型スメクタイ
ト、ベントナイト等のジオクタヘドラル型スメクタイト
等が挙げられる。
ゾルあるいは無機質コロイド生成材料と、上述のアンモ
ニアあるいはアミンで中和された共重合体の水性分散液
を混合することによって容易に得ることができる。
機質コロイドの固形分比率(重量比)は、これより製造
される塗膜の要求レベルによって若干異なるが、通常、
共重合体(A)と無機質コロイド(B)を固形分で20
/80〜80/20、好ましくは30/70〜80/2
0、一層好ましくは40/60〜60/40となるよう
な割合で配合するのがよい。
膜した場合に防曇性能が不足し、また逆にその割合が多
くなりすぎると製膜性が損なわれ、また柔軟な塗膜が得
られない。
配合することができる。かかる添加剤として、通常の界
面活性剤型の防曇剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、可塑剤、着色剤、無機質コロイド以外の無機フィ
ラー、架橋剤などを挙げることができる。
ン、ジグリセリン、ソルビタン等の多価アルコールの脂
肪酸エステルを、共重合体(A)100重量部当たり、
0.1〜5重量部程度配合すると有効である。
との密着性、塗膜強度等を高めるため、エポキシ化合
物、ウレタン樹脂などを配合すると有効な場合がある。
乳化分散型ウレタン樹脂、あるいは非反応性の水分散型
ウレタン樹脂のような水性ウレタン樹脂は、本発明の水
性分散体との混合性にも優れ、かつ塗膜強度の改善に有
効である。
(A)+(B)/(C)=50/50〜99/1(固形
分重量比)の範囲である。
は、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオ
ールの末端をポリイソシアネートと反応させ、カルバモ
イルスルホネート基で活性イソシアネート基を保護した
ものが入手可能で好ましい。また非反応型水系ウレタン
樹脂でも、架橋構造を有するため、塗膜の耐久性、弾性
回復力の向上に効果的である。
形成させる塗布剤として有用である。より具体的には、
農業用フィルムの防曇被覆に有用である。かかる基材、
例えば農業用フィルム基材としては、オレフィンの重合
体または共重合体のものが特に好適である。例えば、低
密度ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、エチレン
と炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体である線
状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含量が例えば20重
量%以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体、(メ
タ)アクリル酸エステル含量が20重量%以下であるエ
チレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、不飽和
カルボン酸含量が例えば20重量%以下であるエチレン
・不飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマー、
あるいはこれらの混合物などを好適例として挙げること
ができる。
のものであってもよい。これら基材はまた、防曇塗膜と
の密着性を改善するために、コロナ処理やオゾン処理な
どの表面処理を施したものであってもよく、ポリエチレ
ンイミン、シランカップリング剤等のアンカーコーティ
ング処理を施したものであってもよい。
を考慮すると、エチレン・極性化合物共重合体、例えば
エチレン・酢酸ビニル共重合体またはその組成物を塗布
面とするものが好ましい。使用可能な他の基材として、
ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどを例示することがで
きる。
は、一般にフィルムに用いられている塗布方法、例えば
バーコード法、ロールコート法、スプレーコート法、刷
毛塗り法等の方法で行うことができる。
よいが、作業能率の点から加熱強制乾燥法を採用するの
が好ましい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法
等があり、水分、アンモニア、アミン等の蒸発によって
耐水性、防曇性、透明性に優れた塗膜を形成することが
できる。
によって決定されるものであり、とくに制限はないが、
農業用フィルムにおいては、例えば無機質コロイド分
が、1m2 当たり、1〜5g程度となるように塗布する
のが好ましい。
実例を示すが、これらは本発明を限定するものではな
い。
機化合物の種類は次のとうりである。 (1)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体 ・エチレン・メタクリル酸共重合体 EMAA エチレン含量 80重量%、メタクリル
酸含量20重量% MFR 60g/10分 ・エチレン・アクリル酸共重合体 EAA エチレン含量 80重量%、アクリル酸
含量20重量% MFR 280g/10分 (2)中和剤 ・アンモニア水 関東化学(株)製 28〜30%水 ・KOH 関東化学(株)製 粒状 純度86% (3)無機化合物 ・コロイダルシリカ 日産化学(株)製 スノーテック
スUP 粒径 40〜300nm 固形分濃度 20〜21重量
% ・水ガラス 関東化学製 K2 O/SiO2 /H2
O=8/20/72 (ケイ酸カリウム塩) ・合成スメクタイト コープケミカル(株)製 ルーセ
ント SWN 固形分濃度 3重量% (4)ポリウレタン水分散体 第一工業製薬(株)製 スーパーフレックス300 固形分濃度30wt%
60 温度 190℃、荷重 2160g (2)塗膜耐水性:コーティングフィルムを40℃熱水
中に3分間浸漬後、塗膜の膨れ、剥離、膨潤等の状況を
目視で観察した。 (3)塗膜密着性:JIS K5400 セロハンテープで剥離の有無を碁盤の目テストにて評
価。 (4)防曇性 :40℃の熱水100ccを入れた2
00ccビーカーの口をコーティングしたフィルムで覆
い、ビーカーを恒温槽に水面が等しくなるように浸け、
ビーカー内の水温が40℃に保つようにした。フィルム
を張って24時間後のフィルム表面(内側)の水滴付着
の有無を観察した。 (5)ピンホール性:ゲルボフレックスで測定した。十
分乾燥したフィルム(縦295mm、横210mm)に
捻り圧縮を30回/分の速度で300回繰り返し、ひび
割れ、ピンホールの数を数えた。
水性分散体の製法EMAAの水性分散体 200ml容量、攪拌機付きのステンレス製オートクレ
ーブに蒸留水135ml、EMAA−1のペレット45
g、KOH6.1g(90mol%中和相当)を仕込み
(水性分散体の固形分として25重量%)、13/sの
回転数にて攪拌下に加熱して昇温した。オートクレーブ
内温が150℃に昇温後その温度にて20分攪拌を続け
た後、攪拌下にオートクレーブを冷却し、室温まで冷却
して水に安定して分散したエチレン・メタクリル酸共重
合体のK分散体を得た。水性分散体は透明で粘度は12
0cps、平均粒径は30nm、pHは10であった。EAAの水性分散体 200ml容量、攪拌機付きのステンレス製オートクレ
ーブに蒸留水135ml、EMAA−1のペレット45
g、アンモニア1.6g(75mol%中和相当)を仕
込み(水性分散体の固形分として25重量%)、13/
sの回転数にて攪拌下に加熱して昇温した。オートクレ
ーブ内温が150℃に昇温後その温度にて60分攪拌を
続けた後、攪拌下にオートクレーブを冷却し、室温まで
冷却して水に安定して分散したエチレン・メタクリル酸
共重合体のアンモニア水性分散体を得た。水性分散体は
やや白色で透明性良く、粘度は290cps、平均粒径
は70nm、pHは9.3であった。
wt%)20gに室温にてコロイダルシリカのスノーテ
ックスUPを5g添加し均一になるように攪拌した。こ
の分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体
フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一に
なるように広げてコーティングした。コーティングした
フィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥
して水分、アンモニア成分を除去し、厚み約3μmの透
明な塗膜を得た。このコーティングしたフィルムは耐水
性に優れ、防曇性テストでもフィルム表面が一様に濡
れ、水が水滴状になることはなかった。また、シリカ成
分を含むことからフィルムの滑り性も良く、この乾燥温
度で処理すれば基材フィルムと塗膜との密着性も良好で
あった。
wt%)20gに室温にて無機化合物を計算量添加し、
均一になるように攪拌した。この分散体を50μm厚の
エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイ
ヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーテ
ィングした。コーティングしたフィルムを70℃の熱風
乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分、アンモニア成
分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。塗膜の
物性測定結果を表1に示す。
にてコロイダルシリカのスノーテックスUPを5gとポ
リウレタン樹脂水性分散体スーパーフレックスSF30
0を1.67g添加し均一になるように攪拌した。この
分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フ
ィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一にな
るように広げてコーティングした。コーティングしたフ
ィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥し
て水分、アンモニア成分を除去し、厚み約3μmの透明
な塗膜を得た。このコーティングしたフィルムは耐水性
に優れ、防曇性テストでもフィルム表面が一様に濡れ、
水が水滴状になることはなかった。また、シリカ成分を
含むことからフィルムの滑り性も良く、この乾燥温度で
処理すれば基材フィルムと塗膜との密着性も良好であっ
た。製膜性も良く、ポリウレタンを含むことから柔軟な
塗膜が得られた。
5wt%)20gに室温にてコロイダルシリカのスノー
テックスUPを5g添加し均一になるように攪拌した。
この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合
体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一
になるように広げてコーティングした。コーティングし
たフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾
燥して水分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得
た。このコーティングしたフィルムは、防曇性テストで
フィルム表面が一様に濡れ水が水滴状になることは見ら
れなかったが、塗膜内にKイオンが存在することから耐
水性テストでは塗膜の膨潤が見られた。その他の物性を
表1に示す。
ロイダルシリカのスノーテックスUPを5g添加し均一
になるように攪拌した。この分散体を50μm厚のエチ
レン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤー
バーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティン
グした。コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥
機に1分間入れ、加熱乾燥して水分を除去し、厚み約3
μmの透明な塗膜を得た。このコーティングしたフィル
ムは、防曇性テストでフィルム表面が一様に濡れ水が水
滴状になることは見られなかったが、PAA自体が水溶
性であることから耐水性テストでは塗膜の膨潤が見られ
た。その他の物性を表1に示す。
散体を提供することができる。かかる水性分散体から得
られる塗膜は、防曇性、柔軟性、基材密着性等に優れて
いるので、とくに農業用フィルムの防曇膜として有用で
ある。このような防曇性は、無機質コロイドが有する水
酸基あるいは吸着水に基づくものと推定される。そして
共重合体(A)のカルボキシル基と一部水素結合するこ
とによって防曇膜中に定着するものと考えられ、表面の
濡れなどにより流失することはない。したがってかかる
防曇膜を有する農業用フィルムは、数年にわたる長期使
用が可能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも一部がアンモニア又はアミン
で中和されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(A)及び無機質コロイド(B)が水に混合分散されて
なる水性分散体。 - 【請求項2】 共重合体(A)中の不飽和カルボン酸含
有量が10〜35重量%であり、アンモニア又はアミン
による中和度が50%以上である請求項1記載の水性分
散体。 - 【請求項3】 共重合体(A)と無機質コロイド(B)
の混合割合が20/80〜80/20(重量比)である
請求項1又は2に記載の水性分散体。 - 【請求項4】 共重合体(A)及び無機質コロイド
(B)に加え、さらに水性ウレタン樹脂(C)を含有し
てなる請求項1乃至3の何れかに記載の水性分散体。 - 【請求項5】 共重合体(A)、無機質コロイド(B)
及び水性ウレタン樹脂(C)の混合割合が、〔(A)+
(B)〕/(C)=50/50〜99/1(固形分重量
比)である請求項4記載の水性分散体。 - 【請求項6】 基材上に、請求項1乃至5の何れかに記
載の水性分散液を塗布、乾燥して塗膜を形成させてなる
積層体。 - 【請求項7】 基材が、オレフィンの重合体もしくは共
重合体のフィルムである請求項6記載の積層体。
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---|---|---|---|
JP00389795A JP3559084B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 水性分散体及びその用途 |
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