JP3773456B2 - 消しゴム消去性インキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記後に消しゴムによって消去することができる消しゴム消去性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消しゴムにより筆記描線を消去することができる消しゴム消去性インキ組成物は、数多くのものが知られているが、近年、特に水を主溶剤とした消しゴム消去性インキ組成物の提案が多く開示されている。
【0003】
例えば、特開平13−19888号公報には、粒子の粒子分布が2〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる顔料と、粘着性樹脂からなる粘着性着色樹脂粒状体、或いは、粒子の粒子分布が2〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる着色樹脂粒子及び粘着樹脂粒子を含有することを特徴とする消しゴム消去性水性インキ組成物が開示されている。
【0004】
しかしながら、この公報に開示されるインキ組成物は、紙の繊維に入り込みにくくするため、大きな顔料を使用し、且つ粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有しているため紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で前記顔料は紙面と点接着するものとなる。このため、容易に消しゴムで筆跡を消すことはできるが、紙面と点接着しているのみであるため、耐擦過性が悪い欠点を有しており、消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れたものは得られていない点に課題がある。
また、前記インキ組成物は、通常の筆記具に使目する顔料に比べ大きな顔料を使用しているため、経時保存で顔料が沈降分離してしまい、最悪の場合には筆記不良を起こす可能性があるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れると共に、経時安定性に優れた消しゴム消去牲インキ組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課越を解決する手段】
本発明者らは、上記従来の課題等について、鋭意研究を重ねた結果、消去性インキ組成物において、特定のセルロース、特定物性の樹脂を含有せしめることにより、消しゴム消去性と耐擦過性のバランス及び経時安定性が大幅に向上することを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 少なくとも結晶セルロースと、顔料と、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下の樹脂と、水とを含有していることを特徴とする消しゴム消去性インキ組成物。
(2) 前記結晶セルロースの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01〜10重量%であり、かつ、顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して、5〜30重量%である上記(1)記載の消しゴム消去性インキ組成物。
(3) 前記顔料の平均粒子径が1〜10μmの範囲に含まれ、かつ100℃以下に軟化点をもたない上記(1)又は(2)に記載の消しゴム消去性インキ組成物。
(4) インキ組成物中に非着色粒子を含んでなり、該非着色粒子は、その造膜温度若しくはガラス転移温度が40℃以上であり、かつ平均粒子径が0.05〜10μmの範囲に含まれ、インキ組成物全量に対して1〜30重量%である上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ組成物。
(5) インキ組成物中にゲル化剤を含んでなり、1rpmの粘度が50〜1500mPa・s(EMD型粘度計/25℃値)であり、かつ粘性指数n値が0.1〜0.8の範囲にある上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の消しゴム消去性インキ組成物は、少なくとも結晶セルロースと、顔料と、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下の樹脂と、水とを含有していることを特徴とするものである。
【0008】
本発明における結晶セルロースは、消しゴム消去性と耐擦過性のバランス及び経時安定性を大幅に向上させるために使用するものである。
本発明に用いる結晶セルロースは、セルロースを酸加水分解又はアルカリ酸化分解して得られる実質的に一定の重合度を有するセルロース結晶子集合物であり、従来の増粘多糖類等の水溶液と異なり、セルロース結晶体が水中で分散粒子となる特性を有するものである。
本発明に用いる結晶セルロースとしては、例えば、一次粒子の微細なセルロース結晶体の表面を水溶性高分子を用いてコーティング処理したコロイダルグルードからなるものが挙げられ、具体例としては、RC−591、RC−N81、RC−591NF、CL−611、ゼオラスクリーム〔以上、旭化成(株)製〕などが挙げられる。
【0009】
これらの結晶セルロースの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは、0.1〜5重量%の範囲で使用される。
この結晶セルロースの含有量が0.01重量%未満であると、経時的に沈降離水が発生し、安定性が悪くなり、更に、固着性がほとんどないため描線膜は指で擦っても消えてしまい実用的ではない。一方、この結晶セルロースの含有量が10重量%を越えると、消しゴムで消去しようとしても、描線膜が固くきれいに消しゴムで消去できなくなってしまい、目的の消しゴム消去性と耐擦過件のバランスに優れたものは得られないこととなり、好ましくない。
【0010】
本発明の結晶セルロースの特性を十分に発揮させるためには、より剪断力のかかる分散機器を使用するか、若しくは分散タイプの結晶セルロースを用いることが好ましい。
分散機としては、例えば、ホモミキサー、ワーリングブレンダー、ホモジナイザー等が挙げられるが、分散工程により生成するコロイド粒子の割合が多くなり安定な分散液が得られることとなる。また、分散された結晶セルロースは、水中で網目構造を形成するため、色材である顔料をそのマトリックス中に捉えて顔料の沈降を抑える効果を十分に発揮できるものとなる。
【0011】
本発明に用いる顔料としては、紙面への浸透を抑えるために通常筆記具インキにおいて使用されている一般的な顔料より大きな顔料が使用される。また、その顔料の形状は、板状、球状、鱗片状など特に限定されず、使用できる。
用いることができる顔料としては、例えば、エポカラー、ラジアントカラーなどの蛍光顔料、ラブコロールカラー、アートパールカラーなどの有機顔料などが挙げられる。
【0012】
顔料の平均粒子径は、1〜10μm、好ましくは、2〜10μmとなるものが望ましい。この顔料の平均粒子径が1μm未満では、紙の繊維へ入り込んでしまうため目的の消去性は満足できないものとなり、また、顔料の平均粒径が10μmを越えるものでは、紙の繊維へ入り込む量は少なく消去性は満足されるが、繊維芯、プラスチックペン、フェルトペン、ボールペンチップ等のペン先で詰まりが発生、筆記不良を起こしてしまう恐れがあり、好ましくない。
また、本発明に用いる顔料としては、高温保存においても粒子同士の融着防止の点から、好ましくは100℃以下に軟化点をもたないことが望ましい。
【0013】
これらの顔料の含有量の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.5〜30重量%、好ましくは、5〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%の範囲で使用される。この顔料の含有量が0.5重量%未満であると、筆跡の濃度が不足してインキとしての実用性に欠け、また、顔料の含有量が30重量%を越えると、分散安定性が低下すると共に、筆記後の消去性が低下することとなり、好ましくない。
【0014】
本発明では、目止め効果、経時保存性アップの点から、インキ組成物中に非着色粒子を含有させることが望ましい。
用いる非着色粒子は、その造膜温度若しくはガラス転移温度が40℃以上であり、かつ平均粒子径が0.05〜10μmの範囲に含まれ、その含有量はインキ組成物全量に対して1〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは、平均粒子径が1〜10μmであり、その含有量はインキ組成物全量に対して、5〜15重量%であることが望ましい。
【0015】
この非着色粒子の平均粒子径が10μmを超えるものを使用した場合は、顔料と同様に繊維芯、プラスチックペン、フェルトペン、ボールペンチップ等のペン先で詰まりが発生し筆記不良を起こしてしまう恐れがあり、更に、保存時には、非着色粒子の平均粒子径が大きく結晶セルロースの沈降抑制効果が得られにくくなる。また、平均粒子径が0.05μm未満であると、目止め効果が得られにくくなる。
また、40℃未満の造膜温度若しくはガラス転移温度を有する非着色粒子を使用した場合には、経時保存で粒子同志が融着してしまい、安定性を悪くしてしまうこととなる。
この非着色粒子の含有量が1重量%未満であると、非着色粒子の含有効果が得られず、また、30重量%を越えると、インキの自由度がなくなり、インキ粘度が上がりすぎて実用的でない。
【0016】
具体的に用いることができる本発明における非着色粒子としては、次に示すものから選択して、単独又は二種類以上を混合して用いることができる。例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、セチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキンプロピルハイドロゲンフタレート、2一アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトロフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−フタロイルオキシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチルメタクリレート、2−サクシノロイルオキシエチルメタクリレート、スチレンなどを挙げることができる。
【0017】
また、二成分系としても用いられるアクリル/スチレンの共重合物などを挙げることができ、更に、架橋ポリスチレンなどの架橋タイプなども用いることができる。
更にまた、本発明の非着色粒子は、有機系に限らず無機系のものを使用しても良い。具体的な無機系の非着色粒子としては、酸化チタン、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
【0018】
本発明に用いる非着色粒子を更に詳しく説明すると、造膜温度若しくはガラス転移温度が高い粒子、具体的には、60〜120℃であるものが更に好ましく、この特性を有するものとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、架橋スチレンなどを挙げることができる。
【0019】
本発明で用いる水としては、例えば、精製水、イオン交換水、純水、海洋深層水、水道水などが挙げられ、その含有量は残部、5〜65重量%程度となる。この水の量は、使用するペンの機構や所望する描線濃度を考慮した配合組成にすることが望ましい。
【0020】
本発明では、更に、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下、好ましくは、−20℃以下の樹脂を含有せしめることにより、満足する消しゴム消去性を発揮せしめることができるものとなる。
本発明に用いる樹脂は、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下であることが必要である。この樹脂が0℃を超える造膜温度、若しくは0℃を超えるガラス転移温度を有するものを使用した場合は、樹脂が硬く、脆いため消しゴムで消去した際に紙の繊維間に入り込んだ顔料を引っ張り出すことができなくなり、目的の消去性を満足することができないこととなる。
【0021】
具体的に用いることができる樹脂としては、次に示すものから選択して、単独又は二種類以上を混合して用いることができる。例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合物のニトリルゴム、イソブチレンとイソプレンとの共重合物であるブチルゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、アクリル酸の各種のエステルのゴム状重合体(アクリルゴム)、多硫化系ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴム状物質、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体、アクリロニトリル・塩化ビニリデン共重合体などのビニル塩化物重合体、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル重合体、酢酸ビニルマレート重合体などの酢酸ビニル重合体、ポリブテン、ポリエチレンなどのポリオレフィンなどを挙げることができる。
【0022】
本発明に使用する上記物性の樹脂を更に詳しく説明すると、上記した重合体のラテックスエマルジョンの状態で水と共に用いることのできる樹脂が好ましい。例えば、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、アクリロニトリルブタジエンラテックス(NBR)、ビニルピリジン共重合体ラテックス(VP)、メチルメタクリレートブタジエンラテックス(MBR、ABR)、アクリレートラテックス(AR)、クロロプレンラテックス(CR)、イソプレンラテックス(IR)、ブチルラテックス(IIR)、チオコールラテックス、ウレタンラテックス、天然ゴムラテックス(NR)などを挙げることができる。
【0023】
本発明における上記の最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下となる樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対して、1〜50重量%、好ましくは、2〜15重量%の範囲で使用される。
この樹脂の含有量が1重量%未満であると、更なる消去性向上の効果を発揮することができず、また、50重量%を越えると、インキ粘度が上がり過ぎて実用的でないものとなる。
【0024】
更に、本発明では、経時保存での顔料沈降緩和の点から、インキ組成物中にゲル化剤を含有せしめ、1rpmの粘度を50〜1500mPa・s(EMD型粘度計/25℃値)とし、かつ粘性指数n値を0.1〜0.8の範囲とすることが望ましい。なお、本発明(後述する実施例等も含む)で規定する「粘性指数n値」は、擬塑性を表す指標をいい、ニュートン・オストワルドの粘度式におけるずり速度と見かけ粘度の関係から算出した値である。
用いることができるゲル化剤としては、多糖類に限定されるものではなく、更にアルカリ増粘タイプ、架橋タイプ、無機系のゲル化剤も使用することができる。多糖類としては、例えば、キサンタンガム、レオザンガム等のガム系が挙げられ、無機系としては、スメクタイト等を挙げることができる。
これらのゲル化剤の使用量は、インキ組成物の1rpmの粘度を50〜1500mPa・s(EMD型粘度計/25℃値)とし、かつ粘性指数n値を0.1〜0.8の範囲となる量が挙げられ、一概に規定できないが、インキ組成物全量に対して、0.01〜10重量%程度である。いずれにしても、使用するペンの機構を考慮したゲル化剤の使用にすることが望ましい。
【0025】
本発明の消しゴム消去性インキ組成物には、前記成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常筆記具インキに使用される他の添加剤、例えば、界面活性剤、潤滑剤、防菌剤、防錆剤、有機溶剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどを必要に応じて添加することができる。
本発明の消しゴム消去性インキ組成物は、繊維芯又はプラスチック芯を有するマーキングペン、フェルトペン、ボールペン、加圧ボールペン、ノック式ボールペンなどの筆記具用、インクジェット用のインキに好適に用いることができる。
【0026】
このように構成される本発明のインキ組成物が消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れている理由は、結晶セルロースによりバインダー能をコントロールできることによる。すなわち、結晶セルロースが顔料同士の橋かけの役割をすることで描線膜を強固にできることによる。
また、結晶セルロースが水中で網目構造を形成することにより、顔料の沈降を抑制できるため経時安定性が大幅に向上するものとなる。
更に、本発明では、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下の樹脂を含有することにより、消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れると共に、経時安定性にも優れた消しゴム消去牲インキ組成物となる。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〕
下記配合成分を下記方法により製造して消去性インキ組成物を得た。
顔料:ラジアントカラー桃〔ラジアント社製〕 15重量部
〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部
〔MP−1600、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.8μm〕
結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 1重量部
〔RC−591、ホモミキサー、10000rpm 10分〕
ポリオキシエチルオレイルエーテル 2.5重量部
〔花王(株)製 エマルゲン420〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 71.35重量部
上記配合成分のうち、まずラジアントカラー桃、アクリル/スチレン系粒子にノニオン系界面活性剤〔ポリオキシエチルノニルフェニルエーテル〕、イオン交換水を加えて混合撹拌した後、超音波分散機にて分散させ、均一な分散液とし、これにホモミキサーで分散させた結晶セルロースを添加し混合撹拌した。更に、この溶液にキサンタンガムを精製水に溶解させたゲルベースを所定量添加し混合撹拌して製造した。
【0029】
〔実施例2〕
下記配合成分を上記実施例1と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。
顔料:アートパールC−800〔根上工業(株)社製〕 15重量部
〔平均粒子径6μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 5重量部
〔MR−10G、ガラス転移温度120℃、平均粒子径9.0μm〕
結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 15重量部
〔ゼオラスクリーム、分散体10%品〕
リン酸エステル 1.5重量部
〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 63.35重量部
【0030】
〔実施例3〕
下記配合成分を下記方法により製造して消去性インキ組成物を得た。
顔料:エポカラー桃〔日本触媒(株)製〕 15重量部
〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部
〔MP−5500、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.4μm〕
結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 1重量部
〔RC−591、ホモミキサー 10000rpm 10分〕
ポリオキシエチルノニルフェニルエーテル 2.5重量部
〔日光ケミカルズ(株)製 NP−10〕
樹脂:アクリロ二トリルブタジエン系ラテックス 15重量部
〔日本ゼオン(株)製、Nipo l540、ガラス転移温度−42℃〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 56.35重量部
上記配合成分のうち、まずエポカラー桃、アクリル/スチレン系粒子にノニオン系界面活性剤〔ポリオキシエチルノニルフェニルエーテル〕、イオン交換水を加えて混合撹拌した後、超音波分散機にて分散させ、均一な分散液とし、これにホモミキサーで分散させた結晶セルロースを添加し混合撹拌した。更に、この溶液にアクリロ二トリルブタジエン系ラテックスを加えた後、キサンタンガムを精製水に溶解させたゲルベースを所定量添加し混合撹拌して製造した。
【0031】
〔実施例4〕
下記配合成分を上記実施例3と同様に製造して消去性インキ組成物を得た。
顔料:アートパールC−800〔根上工業(株)製〕 15重量部
〔平均粒子径6μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 5重量部
〔MP−2200、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.35μm〕
結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 15重量部
〔ゼオラスクリーム 分散体10%品〕
リン酸エステル 1.5重量部
〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕
樹脂:スチレンブタジエン系ラテックス 15重量部
〔日本ゼオン(株)製、Nipol 472、ガラス転移温度−25℃〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 48.35重量部
【0032】
〔実施例5〕
下記配合成分を上記実施例3と同様に製造して消去性インキ組成物を得た。
顔料:ラブコロールカラー3Mタイプ〔大日精化(株)製〕 20重量部
〔平均粒子径3μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 8重量部
〔MP−2200、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.35μm〕
結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 20重量部
〔ゼオラスクリーム 分散体10%品〕
樹脂:スチレンブタジエン系ラテックス 20重量部
〔日本ゼオン(株)製、Nipol C4850A、ガラス転移温度−48℃〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.2重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 31.8重量部
【0033】
〔比較例1〕
下記配合成分を上記実施例1と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。
顔料:ラジアントカラー桃〔ラジアント社製〕 15重量部
〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部
〔MP−1600、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.8μm〕
リン酸エステル 2.5重量部
〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 72.35重量部
【0034】
〔比較例2〕
下記配合成分を上記実施例3と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。
顔料:エポカラー桃〔日本触媒(株)製〕 15重量部
〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕
非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部
〔MP−5500、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.4μm〕
ポリオキシエチルオレイルエーテル 2.5重量部
〔花王(株)製 エマルゲン420〕
樹脂:アクリロ二トリルブタジエン系ラテックス 15重量部
〔日本ゼオン(株)製、Nipol 540、ガラス転移温度−42℃〕
ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部
〔三晶(株)製、エコーガムGM〕
イオン交換水 57.35重量部
【0035】
上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた消去性インキ組成物について、EMD型粘度計(東京計器社製)を用いて、25℃における1rpmの粘度を測定し、また、粘性指数n値は上述により算出した。
また、得られた各消去性インキ組成物について、ボールペンに充填し、下記方法により消去性、耐擦過性、経時安定性について評価した。
これらの結果を書き表1に示す。
【0036】
〔消去性の評価方法〕
得られたペンを用いて紙に文字、描線等を筆記し、5分間放置後、消しゴムを用いて100g荷重条件下で消去し、筆記した描線、文字等などの消去性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:消去前の描線、文字等の識別ができず、消去性に非常に優れる。
○:消去前の描線、文字等の識別が大部分できず、消去性に優れる。
△:消去前の描線、文字等が非常に薄く残り、識別が可能。
×:消去前の描線、文字等が薄く残り、識別が可能。
【0037】
〔耐擦過性の評価方法〕
得られたペンを用いて紙に文字、描線等を筆記し、5分間放置後、指で軽く擦って、下記評価基準により擦過性を評価した。
評価基準:
◎:文字等がちらばらず、文字等の識別が可能。
○:文字等が多少ちらばるが、文字等の識別が可能。
△:文字等の識別が大部分できず、文字等が指でも消えてしまう。
×:文字等の識別ができず、文字等が完全に消えてしまう。
【0038】
〔経時安定性の評価方法〕
インクバルクを50℃の恒温槽に保管して2週間放置後、静かにインクバルクを取り出して、下記評価基準により経時安定性を評価した。
評価基準:
◎:沈降分離が見られず、初期と変化が見られない。
○:若干沈降分離が見られるが、初期とほとんど変化が見られない。
△:沈降分離により上澄が確認されるが、嵩高い沈降となっている。
×:沈降分離により完全に上澄が確認でき、完全に沈降している。
【0039】
【表1】
【0040】
上記表1の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例1〜5で得られた消去性インキ組成物は、紙上に筆記した描線等を確実に消しゴムによって消去することができ、耐擦過性、経時安定性にも優れていることが判明した。
これに対して、本発明の範囲外となる比較例1及び2で得られたインキ組成物は、紙上に筆記した描線等を消しゴムによって擦ったところ、良好な消去性を示したが、指で擦っても消えてしまい、更に、経時で沈降離液が発生してしまうことが判った。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れたインキが得られ、かつ経時安定性も大幅に向上させることができる消しゴム消去性インキ組成物が提供される。
Claims (5)
- 少なくとも結晶セルロースと、顔料と、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下の樹脂と、水とを含有していることを特徴とする消しゴム消去性インキ組成物。
- 前記結晶セルロースの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01〜10重量%であり、かつ、顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して、5〜30重量%である請求項1記載の消しゴム消去性インキ組成物。
- 前記顔料の平均粒子径が1〜10μmの範囲に含まれ、かつ100℃以下に軟化点をもたない請求項1又は2に記載の消しゴム消去性インキ組成物。
- インキ組成物中に非着色粒子を含んでなり、該非着色粒子は、その造膜温度若しくはガラス転移温度が40℃以上であり、かつ平均粒子径が0.05〜10μmの範囲に含まれ、インキ組成物全量に対して1〜30重量%である請求項1〜3の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ組成物。
- インキ組成物中にゲル化剤を含んでなり、1rpmの粘度が50〜1500mPa・s(EMD型粘度計/25℃値)であり、かつ粘性指数n値が0.1〜0.8の範囲にある請求項1〜4の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ組成物。
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