JP5294391B2 - 水性ボールペン用インク - Google Patents
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Description
そこで本発明は、水性ボールペン用インクに結晶セルロースを添加することで筆記性を悪化させることなく、インクの直流現象を抑制することを課題とする。
さらに、結晶セルロースはある一定の大きさ以上の粒子状物質であり、インク中に安定に存在させるためには、増粘剤を添加する必要があるため、この結晶セルロースとともに添加される増粘剤を最適化することで、インクの直流現象の抑制効果を保ちつつインクの性能も適切に保持させることをも課題とする。
「結晶セルロース」とは、一般的に食品添加物等として使用されるものであり、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを、鉱酸で部分的に解重合し、セルロース結晶領域を取り出して精製したものをいう。なお、セルロース結晶領域とは、セルロース分子領域が緻密かつ規則的に存在する部分を示す。
この結晶セルロースの配合比としては、上述の通り、0.01重量%以上0.5重量%以下が最適である。ここで、この配合比が0.01重量%未満であれば、結晶セルロースに期待される直流現象の防止効果は得られない。一方、この配合比が0.5重量%を上回ると直流現象の防止効果は得られるものの、描線のカスレが見られるとともに経時安定性も悪化するようになりインクとしては好ましくない。
増粘剤は、インク中での結晶セルロースの沈降を防止してインクの性能を悪化させないために必須なものである。この増粘剤としては様々なものが使用できるが、特に、アルカリ膨潤型エマルションや、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体といった、比較的弱い剪断減粘性を付与するものであれば、結晶セルロースの沈降を防ぎ、かつ凝集しづらいため、長期的に安定に存在させることができる。
本発明では、このアルカリ膨潤型エマルションの中でも、アルカリ膨潤会合型エマルションがさらに望ましい。ここでこの「アルカリ膨潤会合型エマルション」とは、ポリマーが膨潤した際に、分子中の疎水性の部分が他分子のその部分と会合し、分子間が緩やかな結合を形成することで、増粘性を発揮させるものをいう。
本発明のアルカリ膨潤会合型エマルションは、カルボキシル基及び疎水基を有するポリマーからなる。疎水基としては、たとえば鎖状又は環状の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、オルガノシリコン基(-SiR3)、フッ化炭素基(-CnF2n+1)等を挙げることができる。具体的なポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリメタクリル酸共重合体などが挙げられる。
さらに、本発明においては、結晶セルロースの積算体積50%の粒子径が0.3μm以上7μm以下であり、最大粒子径が60μm以下である。
本発明でいう「積算体積50%の粒子径」とは、粒子全体の体積に対して積算体積が50%になるときの粒子の球形換算直径のことをいう。この粒子径が0.3μm未満だと、直流防止性能が劣ることになる。一方、この粒子径が7μmを上回ると、筆記性に悪影響が出てくる。また、ここでいう「最大粒子径」とは積算体積99%になるときの粒子の球形換算直径のことをいう。最大粒子径が60μmを超えるとやはり筆記性に悪影響が出る。
また、その他の添加剤として、顔料の分散剤、pH調整剤、防腐剤、防錆剤及び潤滑剤のいずれか若しくはいくつか又は全部を本発明に係るインク組成物に添加してもよい。
顔料の分散剤としては、たとえば、スチレンマレイン酸のアンモニウム塩及びスチレンアクリル酸のアンモニウム塩などの水溶性高分子等が挙げられる。
pH調整剤としては、たとえば、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリリン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩並びに水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。
潤滑剤としては、たとえば、リン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤及びジメチレンポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物等のポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
(1)ボールペン
実施例及び比較例に使用したのは三菱鉛筆製のボールペン(UM−100)であって、内径4mmのポリプロピレン製の中空筒に、継手を介してステンレス製のホルダーが装着され、その先端には超硬合金製の直径0.5mmの筆記ボールが装着されたリフィルを内蔵したものである。この中空筒内に、下記の各実施例及び比較例として調製されたインクが各々0.8g分充填され、その後端の界面部分にグリース状のインク追従体を注入してインク漏れを防いだ上で下記の各試験に供された。
(2−1)色材
色材としては、カーボンブラック(MA−100、三菱化学)、フタロシアニンブルー(Chromofine Blue 4965、大日精化)及びNKW−3907E桃(日本蛍光)のいずれかを使用した。
(2−2)分散剤
色材の分散剤としては、スチレン−マレイン酸アンモニウム塩30重量%水溶液を使用した。
溶剤としては、プロピレングリコールに、必要に応じてグリセリンを併用した。
(2−4)潤滑剤
潤滑剤としては、リン酸エステル(RS−610 東邦化学)を使用した。
(2−5)増粘剤
・アルカリ膨潤会合型エマルション:プライマルTT−615、プライマルTT−935、プライマルTT−935ER(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン)
・アルカリ膨潤型エマルション:プライマルASE−60(ローム・アンド・ハース・ジャパン)
・ポリビニルピロリドン:ポリビニルピロリドンK−30(日本触媒)
・セルロース誘導体:ダイセル1250(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、SP−400(ヒドロキシエチルセルロース)(以上、ダイセル化学工業)
・キサンタンガム:エコーガム(大日本住友製薬)
・サクシノグリカン:メイポリ(三晶)
・架橋形アクリル酸重合体:ハイビスコワコー#104(和光純薬化学)
増粘剤として、以上のいずれか1つ又は2つを使用した。
(2−6−1)分散液A
結晶セルロースとしてセオラスRC−N30(旭化成)を積算体積50%の粒子径が5μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.5重量%)としたものを分散液Aとした。
なお、粒子径の測定はマイクロトラック粒度分析計(HRA 9320−X100、NIKKISO)を用いて、以下の条件で行った(以下の分散液すべてについて同様)。
・測定レンジ:0.1μm〜50μmに設定
・試料の屈折率:1.49(セルロースの屈折率)に設定
・溶媒:水。屈折率は1.333を選択
・粒子透過性:「透過」を選択
・粒子形状:「非球形」を選択。
また、結晶セルロースの分散は、所定濃度になるよう水中に結晶セルロースを懸濁、撹拌し、十分水になじませてから径1mmのガラスビーズを用いて、ペイントシェーカー(No.PC1144、浅田鉄工)で分散した。この分散方法は以下の分散液すべてについて同様とした。
(2−6−2)分散液B
結晶セルロースとしてセオラスCL−611S(旭化成)を積算体積50%の粒子径が5μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.7重量%)としたものを分散液Bとした。
結晶セルロースとしてセオラスRC−N81(旭化成)を積算体積50%の粒子径が5μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.6重量%)としたものを分散液Cとした。
(2−6−4)分散液D
結晶セルロースとしてセオラスRC−N81(旭化成)を積算体積50%の粒子径が10μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.6重量%)としたものを分散液Dとした。
結晶セルロースとしてセオラスCL−611S(旭化成)を積算体積50%の粒子径が0.2μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.7重量%)としたものを分散液Bとした。
(2−6−6)分散液F
結晶セルロースとしてセオラスRC−N81(旭化成)を積算体積50%の粒子径が0.4μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.6重量%)としたものを分散液Fとした。
結晶セルロースとしてセオラスCL−611S(旭化成)を積算体積50%の粒子径が6.5μmとなるよう調製したものを2重量%分散液(有効成分1.7重量%)としたものを分散液Gとした。
(2−7)その他の成分
溶媒として蒸留水を使用した。その他添加剤として、pH調整剤(アミノメチルプロパノール)、防錆剤(ベンゾトリアゾール)、防腐剤(ベストサイド600、日本曹達)を適宜使用した。
各実施例及び比較例は以下の組成とした(単位のない数値はいずれも重量%)。なお、初期インク粘度は、E型粘度計(RE110R、東機産業)を用いて25℃の条件下で、剪断速度3.83sec−1における粘度として測定した。
(3−1)実施例1
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液A):10
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:63.2
初期インク粘度は240mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.8
・増粘剤(TT−615):0.6
・直流防止剤(分散液B):5
・pH調整剤:0.15
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:64.75
初期インク粘度は385mPa・secであった。
・色材(フタロシアニンブルー):7
・分散剤:12
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.3
・増粘剤(TT−935ER):1
・直流防止剤(分散液C):15
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:45.9
初期インク粘度は300mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液A):0.8
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:72.4
初期インク粘度は230mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液A):30
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:43.2
初期インク粘度は250mPa・secであった。
・色材(NKW−3907E桃):25
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.3
・増粘剤(ポリビニルピロリドンK−30):1
・直流防止剤(分散液A):15
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:47.9
初期インク粘度は90mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(ダイセル1250):1.3
・直流防止剤(分散液B):20
・pH調整剤:0.14
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:49.46
初期インク粘度は110mPa・secであった。
・色材(フタロシアニンブルー):7
・分散剤:10
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.2
・増粘剤(SP−400):1
・直流防止剤(分散液C):15
・pH調整剤:0.13
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:49.97
初期インク粘度は85mPa・secであった。
・色材(NKW−3907E桃):25
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.3
・増粘剤(TT−935):1
・増粘剤(ポリビニルピロリドンK−30):0.5
・直流防止剤(分散液A):9
・pH調整剤:0.13
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:53.37
初期インク粘度は150mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(TT−615):0.4
・増粘剤(ダイセル1250):0.8
・直流防止剤(分散液B):5
・pH調整剤:0.13
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:64.57
初期インク粘度は260mPa・secであった。
・色材(フタロシアニンブルー):7
・分散剤:10
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.2
・増粘剤(TT−935ER):0.7
・増粘剤(SP−400):0.6
・直流防止剤(分散液C):15
・pH調整剤:0.13
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:49.67
初期インク粘度は140mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(ASE−60):0.7
・直流防止剤(分散液A):10
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:64.1
初期インク粘度は400mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.8
・増粘剤(エコーガム):0.3
・直流防止剤(分散液B):10
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:64.1
初期インク粘度は650mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):8
・溶剤(グリセリン):8
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(メイポリ):0.2
・直流防止剤(分散液B):5
・pH調整剤:0.15
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:64.55
初期インク粘度は600mPa・secであった。
・色材(NKW−3907E桃):25
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):3
・潤滑剤:0.6
・増粘剤(ハイビスコワコー#104):0.4
・直流防止剤(分散液A):5
・pH調整剤:0.13
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:55.17
初期インク粘度は500mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液F):10
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:63.2
初期インク粘度は240mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液G):10
・pH調整剤:0.1
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:63.2
初期インク粘度は240mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液D):5
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:68.3
初期インク粘度は260mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.8
・増粘剤(TT−615):0.6
・直流防止剤(分散液E):10
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:59.9
初期インク粘度は400mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液A):0.6
・pH調整剤:1.3
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:71.4
初期インク粘度は230mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.8
・増粘剤(TT−615):0.6
・直流防止剤(分散液B):0.5
・pH調整剤:1.5
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:67.9
初期インク粘度は380mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(ダイセル1250):1.3
・直流防止剤(分散液C):0.5
・pH調整剤:1.4
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:67.7
初期インク粘度は100mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):8
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・潤滑剤:0.5
・増粘剤(TT−935):1.5
・直流防止剤(分散液A):35
・pH調整剤:1.3
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:37.0
初期インク粘度は300mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.8
・増粘剤(TT−615):0.6
・直流防止剤(分散液B):35
・pH調整剤:1.5
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:33.4
初期インク粘度は450mPa・secであった。
・色材(カーボンブラック):7
・分散剤:6
・溶剤(プロピレングリコール):10
・溶剤(グリセリン):5
・潤滑剤:0.4
・増粘剤(ダイセル1250):1.3
・直流防止剤(分散液C):35
・pH調整剤:1.4
・防錆剤:0.4
・防腐剤:0.3
・蒸留水:33.2
初期インク粘度は150mPa・secであった。
(4−1)直流試験
各実施例又は比較例のいずれかのインクを充填した前記(1)のボールペンを、25℃、相対湿度60%の環境下において、キャップを外した状態で筆記先端を下向きに1日放置し、筆記先端から漏れ出した程度によりそれぞれ、
・A:全く漏れない又はボールペンチップが僅かに汚れる程度
・B:ボールペンチップ周りに液滴ができるがそれ以上には進行せず
・C:液滴が大きくなり進行途中であるが垂れず
・D:ボールペンチップより液が滴り落ちる
との評価基準にて判定した。
上記(4−1)と同様に作製したボールペンを用いて、手で螺旋筆記をして得られた描線を以下の2項目において各評価基準により判定した。
(4−2−1)かすれ
・A:かすれは全くない
・B:わずかにかすれる箇所はあるが気にならない程度
・C:部分的にかすれる箇所がある
・D:カスレがかなり目立つ
(4−2−2)線割れ
・A:線割れは全くない
・B:わずかに線割れしている箇所はあるが気にならない程度
・C:線割れはしているが文字は認識可能
・D:線割れがひどく目立つ
(4−3)経時的安定性
各ボールペンを60℃、相対湿度30%の環境下において、キャップをした状態でペン先を下向きにして1箇月保管した。その後、室温に6時間放置し、ボールペンが室温と同温度になった後、手で螺旋筆記をして筆記性を確認した。
・A:筆記性に問題はない
・B:筆記に問題はないが筆感がやや重い
・C:書記と比較して筆記性は劣る
・D:筆記不可
(5)結果
上記の試験結果を、下記表1に示す。
(5−2)増粘剤の種類について
増粘剤がアルカリ膨潤(会合)型エマルション、ポリビニルピロリドン及びセルロース誘導体のいずれでもない実施例13〜15は、他の実施例に比べ線割れ及び経時的安定性の結果が劣る傾向が見られた。
よって、増粘剤は、アルカリ膨潤(会合)型エマルション、ポリビニルピロリドン及びセルロース誘導体のいずれであることが望ましいことがわかった。
結晶セルロースの積算体積50%の粒子径が下限値の0.3μmに近い実施例16(0.4μm)では直流試験の結果が「B」であったのに対し、これを下回る比較例8(0.2μm)では直流試験の結果が「C」とより劣っていた。また、上限値の7μmに近い実施例17(6.5μm)ではかすれの結果が「B」であったのに対し、これを上回る比較例7(10μm)では「C」とより劣っていた。
この結果を勘案すると、結晶セルロースの積算体積50%の粒子径は0.3μm以上、7μm以下が望ましいことが分かった。
Claims (4)
- 色材と溶剤と水と増粘剤と0.01重量%以上0.5重量%以下の結晶セルロースを配合するとともに、
前記結晶セルロースの積算体積50%の粒子径が0.3μm以上7μm以下であり、最大粒子径が60μm以下であることを特徴とする水性ボールペン用インク。 - 増粘剤としてアルカリ膨潤型エマルションを配合することを特徴とする請求項1記載の水性ボールペン用インク。
- 前記アルカリ膨潤型エマルションがアルカリ膨潤会合型エマルションであることを特徴とする請求項2記載の水性ボールペン用インク。
- 増粘剤としてポリビニルピロリドン又はセルロース誘導体を配合することを特徴とする請求項1、2又は3記載の水性ボールペン用インク。
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