JP6062084B1 - ボールペン用水性インキ組成物及び水性ボールペン - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物及び水性ボールペン Download PDF

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Abstract

【課題】防錆性を向上し、ボールペンとして長時間保存したときの筆記線のカスレ及び線飛びを抑制し、良好な書き味を保つことが可能な、水性インキ組成物及びこれを用いた水性ボールペンを提供する。【解決手段】着色剤、水、及び、下記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を含有する。下記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物の含有量は水性インキ組成物全量を基準として0.05〜10質量%である水性インキ組成物12。【選択図】図1

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物及び水性ボールペンに関する。
従来、ボールペンのペン先には金属製のボール及びボールホルダーが用いられている。金属は水分との接触により腐食し、錆びを発生する性質を有することから、水性ボールペンでは、水性インキ組成物とボール及びボールホルダーとが接触して発生する錆びによって筆記特性が低下することが問題となっていた。
特許文献1〜3では、水性インキ組成物がベンゾトリアゾール誘導体、トリアジンチオール誘導体、又はスルフィド基を有する化合物を含有することにより、このような錆び(腐食)の発生を抑制することが開示されている。
特開2014−105226号公報 特開2012−92189号公報 特開2004−143338号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、防錆性を向上し、ボールペンとして長時間保存したときの筆記線のカスレ及び線飛びを抑制し、良好な書き味を保つことが可能な、水性インキ組成物及びこれを用いた水性ボールペンを提供することを目的とする。
本発明は、着色剤、水、及び、下記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を含有する水性インキ組成物であって、上記ベンゾフェノン化合物の含有量が水性インキ組成物全量を基準として0.05〜10質量%である、ボールペン用水性インキ組成物を提供する。
Figure 0006062084

(一般式(I)中、X及びXはそれぞれ独立にカルボキシル基、又は、−SOH若しくはその塩を表し、Y及びYはそれぞれ独立にヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアミノ基を表し、a及びbはそれぞれ独立にa+b≧1、0≦a≦4及び0≦b≦5を満たす整数を示し、mは0≦m≦4−aを満たす整数を示し、nは0≦n≦5−bを満たす整数を示す。)
水性インキ組成物が上記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を含有することにより、水性インキ組成物の防錆性を向上することができる。上記水性インキ組成物を用いて得られたボールペンでは、長時間保存後も筆記線のカスレ又は線飛びの発生が抑制され、良好な書き味を保つことができる。
上記水性インキ組成物のpHは6〜12であることが好ましい。水性インキ組成物のpHが上記範囲にあることにより、防錆性をより向上することができる傾向がある。
本発明はまた、インキ収容部材、及び、上記インキ収容部材の一端に取り付けられたボールペンチップを備えるボールペンであって、上記水性インキ組成物が上記インキ収容部材に収容されており、上記ボールペンチップがボールホルダー及び上記ボールホルダーによって回転可能に保持されたボールを有し、上記ボールが超硬合金ボールである、水性ボールペンを提供する。
水性ボールペンに上記水性インキ組成物を用いることにより、ペン先に超硬合金ボールを用いて長時間保存しても、ボール表面の錆びの発生が抑制される。その結果、筆記線のカスレ又は線飛びの発生が抑制され、良好な書き味を保つことができる。
本発明によれば、防錆性を向上し、ボールペンとして長時間保存したときの筆記線のカスレ及び線飛びを抑制し、良好な書き味を保つことが可能な、水性インキ組成物及びこれを用いた水性ボールペンを提供することができる。
本発明に係る水性ボールペンの一実施形態を示す模式断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[水性インキ組成物]
本実施形態の水性インキ組成物は、着色剤、水、及び、下記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を含有する。
Figure 0006062084
上記一般式(I)中、X及びXはそれぞれ独立にカルボキシル基、又は、−SOH若しくはその塩を表し、Y及びYはそれぞれ独立にヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアミノ基を表す。また、a及びbはそれぞれ独立にa+b≧1、0≦a≦4及び0≦b≦5を満たす整数を示し、mは0≦m≦4−aを満たす整数を示し、nは0≦n≦5−bを満たす整数を示す。本実施形態の水性インキ組成物は、上記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて、含有することができる。−SOHの塩は、例えば−SO Naである。aが2以上である場合、複数存在するXは同一であってもよく、異なっていてもよい。bが2以上である場合、複数存在するXは同一であってもよく、異なっていてもよい。mが2以上である場合、複数存在するYは同一であってもよく、異なっていてもよい。nが2以上である場合、複数存在するYは同一であってもよく、異なっていてもよい。
ベンゾフェノン化合物は一般的に水に溶解しにくいことが知られている。しかし、上記ベンゾフェノン化合物は水に溶解することができ、水性インキ組成物中に溶解することにより防錆効果を発揮しやすくなる。上記ベンゾフェノン化合物としては、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ジスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノ−2’−ヒドロキシカルボニルベンゾフェノン、及びこれらの塩が挙げられる。
上記ベンゾフェノン化合物は下記一般式(II)で表されるベンゾフェノン化合物であることが好ましい。
Figure 0006062084
上記一般式(II)中、X、X、Y及びYはそれぞれ一般式(I)中のX、X、Y及びYと同義であり、b、m及びnはそれぞれ一般式(I)中のb、m及びnと同義である。X及びXはそれぞれ独立に好ましくは−SOH若しくはその塩を表し、Y及びYはそれぞれ独立に好ましくはヒドロキシル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基を表す。bは好ましくは0又は1を示し、より好ましくは0を示す。mは好ましくは0又は1を示し、より好ましくは1を示す。nは好ましくは0〜2の整数を示し、より好ましくは0又は1を示し、さらに好ましくは0を示す。mが1以上である場合、Yはベンゾフェノン化合物の4位の炭素原子に結合していることが好ましい。bが1以上である場合、Xはベンゾフェノン化合物の2’位又は5’位の炭素原子に結合していることが好ましく、5’位の炭素原子に結合していることがより好ましい。nが1以上である場合、Yはベンゾフェノン化合物の2’位又は4’位の炭素原子に結合していることが好ましい。
水性インキ組成物が上記ベンゾフェノン化合物を含有することにより、水性インキ組成物をボールペンに用いて、水性インキ組成物が金属製のボールペンチップに長時間接した場合にも、優れた防錆性を発揮することができる。
上記ベンゾフェノン化合物の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、0.05〜10質量%である。上記ベンゾフェノン化合物の含有量の上限値は、5.0質量%であることが好ましく、2.0質量%であることがより好ましく、1.0質量%であることがさらに好ましい。上記ベンゾフェノン化合物の含有量の下限値は、0.1質量%であることが好ましく、0.5質量%であることがより好ましい。上記ベンゾフェノン化合物の含有量が0.05質量%以上であると、上述の防錆性が発揮されやすくなる傾向がある。上記ベンゾフェノン化合物の含有量が10質量%以下であると析出及び筆記性能の低下を抑制でき、また、水性インキ組成物の経時安定性が得られやすくなる傾向がある。
着色剤としては、染料及び顔料が挙げられる。染料は水溶性染料であることが好ましく、例えば、直接染料、酸性染料及び塩基性染料等である。顔料は水分散性顔料であることが好ましく、例えば、有機顔料及び無機顔料等である。上記着色剤は1種を単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
直接染料としては、例えば、カラーインデックス(以下、C.I.という)Direct Black 17,同19,同38,同154、C.I.Direct Yellow 1,同4,同12,同29、C.I.Direct Orange 6,同8,同26,同29、C.I.Direct Red 1,同2,同4,同13、C.I.Direct Blue2,同6,同15,同78,同87等が挙げられる。
また、酸性染料としては、C.I.Acid Black2,同31、C.I.Acid Yellow 3,同17,同23,同73、C.I.Acid Orange 10,C.I.Acid Red 13,同14,同18,同27,同52,同73,同87,同92、C.I.Acid Blue 1,同9,同74,同90等が挙げられる。
また、塩基性染料としては、C.I.Basic Yellow2,同3、C.I.Basic Red 1,同2,同8,同12、C.I.Basic Violet 1,同3,同10、C.I.Basic Blue5,同9,同26等が挙げられる。
水分散性顔料としては、水系媒体に分散可能であれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック及び金属粉等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系及びキナクドリン系等の有機顔料、並びに蛍光顔料等が挙げられる。上記蛍光顔料は、樹脂粒子を蛍光染料で着色した有機蛍光顔料であってもよい。上記樹脂粒子としては、アクリル樹脂粒子、アクリロニトリルブタジエン樹脂粒子等が挙げられる。従来の水性インキ組成物において顔料として蛍光顔料を用いた場合、ボールペンチップの錆びが生じやすかった。このような錆びの発生には蛍光顔料に含まれる成分が影響していると考えられるが、本発明では蛍光顔料を用いた場合であっても、錆びの発生を抑制することができる。
着色剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、0.5〜15質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
本実施形態の水性インキ組成物は、着色剤の水溶液又は水分散液として、或いは上述の成分とは別に、水を含有する。水の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは40〜80質量%である。
本実施形態の水性インキ組成物はさらに水溶性有機溶剤を含有していることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、及びジエチレングリコール等が挙げられる。水性インキ組成物が上記水溶性有機溶剤を含有することにより、水性インキ組成物の保湿効果が得られる傾向がある。水溶性有機溶剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは5〜25質量%である。
本実施形態の水性インキ組成物は、上述の成分に加えて、一般式(I)で表される化合物以外の防錆剤、pH調整剤、増粘剤、防腐剤(防黴剤)、潤滑剤、染料溶解助剤、及び固着樹脂等の添加剤を含有していてもよい。
一般式(I)で表される化合物以外の防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、サポニン、並びにジアルキルチオ尿素等が挙げられる。一般式(I)で表される化合物以外の防錆剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは0.3〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜3質量%である。
pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び酢酸ソーダ等の無機塩類、並びに、トリエタノールアミン及びジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等を用いることができる。pH調整剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは0.1〜3質量%である。
増粘剤としては、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、トラガカンドガム、アルギン酸、ゼラチン、寒天、カゼイン、サイリウムシートガム及びタマリンドシートガム等の天然系増粘剤、並びに、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム及びカルボキシビニルポリマー等の合成系増粘剤が挙げられる。増粘剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.2〜1質量%である。増粘剤の含有量が3質量%以下であると、水性インキ組成物の粘度の過度の増加を抑制し、ペン先における水性インキ組成物の詰まりを抑制できる傾向がある。一方、増粘剤の含有量が0.1質量%以上であると、水性インキ組成物の粘度の過度の低下を抑制し、ペン先からのインキ漏れを抑制できる傾向がある。
防腐剤(防黴剤)としては、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、及び2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。防腐剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。
潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)及びチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、並びに、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及びアルカノールアミン塩等が挙げられる。潤滑剤の含有量は、水性インキ組成物全量を基準として、好ましくは0.3〜5質量%であり、より好ましくは0.5〜3質量%である。
本実施形態の水性インキ組成物は、上述の成分を、例えば、ディゾルバー、ヘンシェルミキサー及びホモミキサー等の攪拌機を用いて、混合することにより得られる。攪拌機の攪拌条件は特に制限されないが、例えば、ディゾルバー攪拌機を用いて、回転数100〜1000rpmで30〜180分間攪拌することにより、各成分が均一に分散した水性インキ組成物を得ることができる。
本実施形態の水性インキ組成物の粘度は、温度25℃及びせん断速度0.75s−1において、500〜5000mPa・sであることが好ましく、1500〜3500mPa・sであることがより好ましい。上記粘度が500mPa・s以上であることにより、ペン先からのインキ漏れを起こしにくく、描線のにじみが少なくなる傾向がある。また、上記粘度が5000mPa・s以下であることにより、水性インキ組成物の排出をスムーズにし、線割れが低減された筆記線を得られる傾向がある。
本実施形態の水性インキ組成物のpHは、6〜12であるであることが好ましく、7〜9であることがより好ましい。水性インキ組成物のpHが6以上であることにより、防錆性をより向上することができる傾向がある。
[水性ボールペン]
図1は、本発明の一実施形態に係る水性ボールペンを示す模式断面図である。図1に示すボールペン100において、水性インキ組成物12はインキ収容部材14内に充填(収容)されている。インキ収容部材14の一端にはボールペンチップ20が取り付けられている。このボールペンチップ20は、ボールホルダー24及びボールホルダー24によって回転可能に保持されるボール26で構成され、ジョイント25によりインキ収容部材14に固定されている。また、インキ収容部材14内には、ボールペンチップ20側と反対側に、水性インキ組成物12と隣接した状態で逆流防止体16が収容されている。ここで、逆流防止体16は、水性インキ組成物12との間に隙間が生じないように配置される。
また、ボールペン100においては、インキ収容部材14、ジョイント25、ボールペンチップ20、水性インキ組成物12及び逆流防止体16により中芯10が構成されており、この中芯10が本体軸18に装着され、さらに本体軸18の後端(ボールペンチップ20と反対側の一端)に通気孔を有する尾栓28が取り付けられている。
以下、ボールペン100の構成要素について説明するが、水性インキ組成物12以外の構成には、通常のボールペンに用いられる一般的な構成を適用することができる。水性インキ組成物12には、上記実施形態に係る水性インキ組成物が用いられる。
インキ収容部材14としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、ポリアセタール若しくはポリカーボネートなどの樹脂、又は、金属からなるものを使用することができる。また、インキ収容部材14の形状は特に制限されず、例えば、円筒状等とすることができる。
逆流防止体16は、水性インキ組成物を流出させない機能(流出防止性)や、水性インキ組成物をドライアップさせない機能(密栓性)等を有するものであり、こうした機能を有する公知の逆流防止体を特に制限なく使用することができる。かかる逆流防止体16は、例えば、基油と増稠剤とを含んで構成されている。基油としては、鉱油、ポリブテン、シリコン油、グリセリン及びポリアルキレングリコール等が挙げられる。また、増稠剤としては、金属石鹸系増稠剤、有機系増稠剤及び無機系増稠剤等が挙げられる。
なお、ボールペンチップ20を下方に向けた場合に、逆流防止体16が水性インキ組成物12中に沈降しないように、逆流防止体16の粘度や、水性インキ組成物12と逆流防止体16との間の比重差を調整することが好ましい。また、逆流防止体16は、水性インキ組成物12と相溶しない組成とすることが好ましい。
本体軸18及び尾栓28としては、例えば、ポリプロピレン等のプラスチック材料からなるものを使用することができる。
ジョイント25としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、ポリアセタール及びポリカーボネート等からなるものを使用することができる。
ジョイント25、並びに、ボールペンチップ20におけるボールホルダー24及びボール26を構成する材料としては、例えば金属、合金等が挙げられる。本実施形態のボールペン100において、ボールホルダー24及びボール26は金属を含むことができる。本実施形態のボールペン100では、インキ収容部材14内に上述の水性インキ組成物が充填されることから、金属を含むボールホルダー24及びボール26を用いたときでも、優れた防錆性を発揮することができる。ボールホルダー24及びボール26は例えば金属又は合金ボールであることができ、超硬合金ボールであることができる。超硬合金は主成分と結合材との合金であり、例えば、主成分として、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム及びタングステンカーバイド等を含み、結合材として、コバルト、クロム、チタン及びニッケル等の金属を含むことができる。ボール26の直径は0.3〜1.2mmであることが好ましい。
上述した構成を有する実施形態のボールペン100は、水性インキ組成物を除いて、通常のボールペン等の製造方法により製造することができる。
以上、本発明の水性インキ組成物及び該水性インキ組成物が充填された水性ボールペンの好適な実施形態について説明したが、水性インキ組成物及び水性ボールペンは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の水性ボールペンは、本体軸18を有していなくてもよく、インキ収容部材14がそのまま本体軸となっていてもよい。さらに、上記実施形態のボールペンは、インキ収容部材14中の水性インキ組成物及び逆流防止体が後端(ボールペンチップ20と反対側の一端)側から加圧された状態となるような加圧機構を有するものであってもよい。また、上記実施形態の水性ボールペンは、逆流防止体16を有していなくてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[水性インキ組成物の調製]
(実施例1)
カーボンブラック水分散液30.0質量部、水溶性有機溶剤15.0質量部、防腐剤0.5質量部、潤滑剤0.5質量部、pH調整剤0.5質量部、増粘剤0.5質量部、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸1.0質量部、及びイオン交換水52.0質量部を混合し、水性インキ組成物を得た。
水性インキ組成物の調製に用いた材料の詳細は以下のとおりである。
カーボンブラック水分散液:FUJI SP BLACK 8091(商品名)、富士色素株式会社製、30質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコール、昭和電工株式会社製
防腐剤:含窒素硫黄系化合物、スラウト99N(商品名)、日本エンバイロケミカルズ株式会社製
潤滑剤:リン系界面活性剤、フォスファノールRS−710(商品名)、東邦化学工業株式会社製
pH調整剤:トリエタノールアミン、三井化学株式会社製
増粘剤:キサンタンガム
(実施例2〜4及び比較例1〜5)
水性インキ組成物の調製に用いた材料の種類及び量(質量部)を下記表1及び表2に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1〜5の水性インキ組成物を得た。
[水性インキ組成物の評価]
(pH)
実施例及び比較例で得られた水性インキ組成物を校正後のpHメーター(LAQUAtwin B−212(商品名)、株式会社堀場製作所製)のセンサー部へ適量滴下し、平面測定により水性インキ組成物のpHを測定した。pHの測定結果を表3に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜5の水性インキ組成物の調製に用いた材料の種類及び量、並びに水性インキ組成物のpHをまとめて表1及び表2に示す。表中の数値の単位は、特に断りのない場合は、質量部である。
Figure 0006062084
Figure 0006062084
表1及び2中に挙げられる着色剤の詳細は以下のとおりである。
有機顔料水分散液:FUJI SP BLUE 6463(商品名)、富士色素株式会社製、30質量%
蛍光顔料水分散液:ルミコール NKW−7067E(商品名)、日本蛍光化学株式会社製、35質量%
染料水溶液:Water Black 256L(商品名)、オリエント化学工業株式会社製、30質量%
[水性ボールペンの評価]
図1に示したボールペンのインキ収容部材に、実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた水性インキ組成物をそれぞれ充填して、ボールペンを作製した。ボールペンホルダー224には、ステンレス製のものを用い、ボール26には、タングステンカーバイドを主成分として含み、結合材としてコバルトを含む、超硬合金ボール(直径:0.5mm)を用いた。作製したボールペンに対して下記評価を行った。評価結果を表3に示す。
(防錆性)
作製したボールペンを、ペン先(ボールペンチップ20側の一端)が下向きとなるように、温度60℃湿度30%の環境下で、90日間保存した。保存後のボールペンを分解し、超硬合金ボールの水性インキ組成物と接していた表面を光学顕微鏡で観察し、下記基準に従って防錆性を評価した。
A:保存後のボール表面の外観に曇りが認められず、保存前後の外観に変化が認められない。
B:保存後のボール表面の外観に僅かな曇りが認められ、保存前後の外観に変化が認められる。
C:保存後のボール表面の外観に曇りが認められ、保存前後の外観に顕著な変化が認められる。
(筆記特性)
作製したボールペンを、ペン先が下向きとなるように、温度60℃湿度30%の環境下で、60日間保存した。保存後のボールペンを用いて、レポート用紙に文字及びループを筆記し、筆記線の状態を目視により観察した。観察結果に基づき、下記基準に従って筆記特性を評価した。
A:書き味が良好であり、筆記線にカスレ及び線飛びの異常が見られない。
B:書き味が悪く、筆記線にカスレ又は線飛びが見られる。
C:書き味が悪く、筆記線にカスレ若しくは線飛びが多く見られる、又は、インクが排出されない。
Figure 0006062084
比較例1〜5の水性インキ組成物を用いた水性ボールペンでは、保存後のボール表面の外観に曇りが認められた。これは、比較例1〜5の水性インキ組成物によってボールを構成する結合材としてのコバルトが腐食し、腐食した結合材が脱落したためであると考えられる。また、腐食によりボール表面に凹凸が生じたことから、保存後のボールペンを用いて筆記したときの書き味が悪く、筆記線にカスレや線飛びが生じた。一方、実施例1〜4の水性インキ組成物を用いた水性ボールペンでは、保存後のボール表面の外観に上述の曇りは認められなかった。実施例1〜4の水性インキ組成物を用いた水性ボールペンでは、水性インキ組成物による錆びが抑制され、保存後のボールが保存前と同等の滑らかな表面を有していたと考えることができる。
10・・・中芯、12・・・水性インキ組成物、14・・・インキ収容部材、16・・・逆流防止体、18・・・本体軸、20・・・ボールペンチップ、24・・・ボールホルダー、25・・・ジョイント、26・・・ボール、28・・・尾栓、100・・・ボールペン。

Claims (3)

  1. 着色剤、水、及び、下記一般式(I)で表されるベンゾフェノン化合物を含有する水性インキ組成物であって、
    前記ベンゾフェノン化合物の含有量が水性インキ組成物全量を基準として0.05〜10質量%である、ボールペン用水性インキ組成物。
    Figure 0006062084

    (一般式(I)中、X及びXはそれぞれ独立にカルボキシル基、又は、−SOH若しくはその塩を表し、Y及びYはそれぞれ独立にヒドロキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアミノ基を表し、a及びbはそれぞれ独立にa+b≧1、0≦a≦4及び0≦b≦5を満たす整数を示し、mは0≦m≦4−aを満たす整数を示し、nは0≦n≦5−bを満たす整数を示す。)
  2. pHが6〜12である、請求項1に記載の水性インキ組成物。
  3. インキ収容部材、及び、前記インキ収容部材の一端に取り付けられたボールペンチップを備えるボールペンであって、
    請求項1又は2に記載の水性インキ組成物が前記インキ収容部材に収容されており、
    前記ボールペンチップがボールホルダー及び前記ボールホルダーによって回転可能に保持されたボールを有し、前記ボールが超硬合金ボールである、水性ボールペン。
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